エンパイアウォー⑧~囲
●グリモアベース
「えーと、これで十回目の戦争予知ですかね? 今日も元気にやって行きましょうか」
そうは言いつつも、若干疲労が見え始めているウィルバー・グリーズマン(入れ替わった者・f18719)だったが、とりあえず内容を語り始める。
「山陰道の防御指揮官、安倍晴明は奪った鳥取城を拠点にして、此方を壊滅させようと準備を行っています。この鳥取城と言うのは、かつて『鳥取の餓え殺し』と呼ばれる……要は兵糧攻めですね。とても凄惨な光景だったとか何とか」
若干、楽しそうなのは気のせいだろうか。
UDCアースの映画やドラマでは、スルーされる程に酷い歴史だったとか。
「まぁ、それ故に強い恨みの念が残っている訳ですね。これを利用して『水晶屍人』の強化版を作り出したのです」
強化型水晶屍人。
水晶が生えた人間で、噛まれると同じく水晶屍人と化してしまう厄介な敵。猟兵にはその効果は無いが、単純に能力強化がされているので倒すのが中々面倒となっている。
「で、更には近隣住民を集めて、同じ様に閉じ込めて飢え死にさせる事で、更に強化水晶屍人を作り出そうとしているのですよ」
このまま放置すれば、この山陰道を通る幕府軍を壊滅させられてしまので、何としてでも阻止しなければならない。
「ま、中々凄惨な死に方をした様なので同情の余地もなくはありませんがね。敵は敵です、サクッと殺って来て下さい」
それについては割とどうでも良さそうな表情のままで、ウィルバーは水晶屍人達の元へと転送を開始した。
●空腹の屍人
「ガアアアァッ!」
水晶屍人達が駆けている、狙う対象は農民達。
怨念は腹を空かせて、目の前の農民達を襲い続ける。
農民は化物達に恐怖し、逃げて逃げて逃げ続ける。
逃げ続けたその先にあるのは……そう、鳥取城だ。
だが、その誘導を阻止する為に猟兵が居る。
さあ、叩き潰せ。
小強欲
このシナリオは、「戦争シナリオ」です。
1フラグメントで完結し、「エンパイアウォー」の戦況に影響を及ぼす、特殊なシナリオとなります。
どうも、小強欲と申します。
遂に十本目の戦争シナリオを出してしまいました。
詳しい内容はOPの通り。
水晶屍人を破壊しましょう。
元の十倍以上の強さを持っていますが、元が元なので強くはありません。
ただ、数は十体ほど居ますので、不意打ちにはご注意を。
それでは、殺意の高い戦闘プレイングをお待ちしております。
●他
プレイングが来たらとりあえずリプレイを書きます。
4名様以上のプレイングを頂いた後、全リプレイが書き終わり次第に一斉提出してシナリオを終了します。
また、リプレイ提出時には一度リロードしますが、その際にプレイングが増えていた場合は、そのリプレイを書き終えてから一斉提出します。
7人目以降は私の執筆力不足により、採用率が下がります。申し訳御座いません。
第1章 集団戦
『水晶屍人』
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POW : 屍人爪牙
【牙での噛みつきや鋭い爪の一撃】が命中した対象を切断する。
SPD : 屍人乱撃
【簡易な武器や農具を使った振り回し攻撃】を発動する。超高速連続攻撃が可能だが、回避されても中止できない。
WIZ : 水晶閃光
【肩の水晶】の霊を召喚する。これは【眩い閃光】や【視界を奪うこと】で攻撃する能力を持つ。
イラスト:小日向 マキナ
👑11
🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵
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種別『集団戦』のルール
記載された敵が「沢山」出現します(厳密に何体いるかは、書く場合も書かない場合もあります)。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
| 大成功 | 🔵🔵🔵 |
| 成功 | 🔵🔵🔴 |
| 苦戦 | 🔵🔴🔴 |
| 失敗 | 🔴🔴🔴 |
| 大失敗 | [評価なし] |
👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。
トリテレイア・ゼロナイン
「鳥取の餓え殺し」……気の毒というのも憚られるほどの境遇ですが、それを利用して更に人々に被害を齎すのは絶対に看過できません
戦況への影響ももちろん重大ですが、悲劇が悲劇を呼ぶなど悲しすぎるではありませんか
機械馬に●騎乗し急行、農民達を襲う水晶屍人から●かばう為、行く手を遮るように電磁バリアでの防壁を構築
その後は突破せんとする水晶屍人への足に向けて格納銃器の●スナイパー射撃で転倒させ、●怪力で振り下ろすランスと馬の●踏みつけで仕留めます
戦域全体をセンサーで●情報収集し、農民の安全を確認し危なければ急行
別方向からの水晶屍人の攻撃も●見切り、●盾受けで防御して●シールドバッシュで迎撃します
機械の白馬『ロシナンテⅡ』と共に街道を進むトリテレイア・ゼロナイン(紛い物の機械騎士・f04141)は、とても複雑な心境だった。
「『鳥取の餓え殺し』……気の毒というのも憚られるほどの境遇ですが……」
知る者が聞けば、気が滅入りそうな籠城戦。
彼等はその被害者。トリテレイアはとても哀しく感じていたが、それが人々に被害を齎すのは絶対に看過できなかった。
戦況への影響ももちろん重大だ。これを逃せば、数万もの幕府軍が殺されてしまう。だが、もう一つ……。
「……悲劇が悲劇を呼ぶなど悲しすぎるではありませんか」
清廉な優しき騎士は、農民達を護る為に、急ぎ水晶屍人の元へと向かって行く。
すぐに水晶屍人が農民を襲っているのが見えて、トリテレイアはその間に肩のハードポイントから発振器を射出。
そこから屍人の行く手を遮るように電磁バリアが現れれば、それに激突した二体の屍人に電撃が走り、弱体化されて。
「ガ、アアアアァァッ!」
しかしそれでも、無理矢理通ろうとする屍人。怨念の食欲は抑えられないのだ。
「まさか、これ程までとは」
格納銃器が屍人の足に向けて発射されて、正確に撃ち抜いた。
足が吹き飛んでしまえば、屍人は後ろに倒れてしまって。それでも立ち上がろうとするが、それはどう足掻いても不可能。
そんな不可能な事をひたすらに続ける。怨念の食欲は、恐ろしく強いのが見て分かる事だろう。
「なんと痛ましい……すぐに葬って差し上げます」
白馬が跳んで、まずは一体の屍人の頭を踏み潰し、残る一体もランスで押し潰した。
騎士の兜によるセンサーを起動すれば、戦域全域の情報収集が行われて。追われて逃げ惑う農民を見付けると、白馬と共にその場へと急行する。
向かう途中で、水晶屍人が飛び掛かって来て、その鋭い爪がトリテレイアを襲った。
「グガアアアッ!!」
「くっ、奇襲……ッ!」
素早く大型シールドを構えて、その攻撃を受ける。
ギリギリギリッ、と音を立てて白馬ごと押し込まれそうになるが、全身の力で盾を押し返して迎撃。
大きく飛ばされた屍人は着地すると、また同じ様に襲い掛かって来る。
「奇襲が失敗した以上、私を倒す事は出来ませんよ」
トリテレイアは、ランスとシールドを構えて白馬を駆る。
飛び掛かって来る屍人の攻撃は単調で、その軌道を読むのは実に容易い。
ましてや、トリテレイア程の実力者相手に同じ攻撃を繰り返すのは自殺行為に等しい。
ズドッ、とシールドで屍人を吹き飛ばせば、巨大なランスを掲げて、渾身の振り下ろしが叩き込まれた。
「……次は、この先ですね」
怨念尽きた屍人が倒れた場所を後にして、トリテレイアは急ぎ、逃げ惑う農民達の元へと向かって行く。
大成功
🔵🔵🔵
黒影・兵庫
せんせー、奥羽の軍団を作ったのと同じ奴がこれをやっているんでしょうね...
クソ野郎が...滅ぼしてやる!
もちろん、わかってます、せんせー
まずは目の前の敵を倒して、農民の皆さんを救出しないと!ですね!
(【蟷螂の鋸】発動)
まず、俺が【誘煌塗料】を体に塗って敵を【誘惑】し注意を引き付けます!
敵の攻撃を【見切り】【第六感】【武器受け】で回避または防御しながら
【皇糸虫】と粘着性の【蠢く水】を【念動力】【ロープワーク】【罠使い】で足に絡ませて転倒させます!
伐採兵の皆さんは鋸を敵の足に向けて投擲しながら敵の動きが止まったら
合体して攻撃を仕掛けてください!俺も【衝撃波】で攻撃します!
「せんせー、奥羽の軍団を作ったのと同じ奴がこれをやっているんでしょうね……」
辺りで農民の悲鳴が響き渡る場所で、黒影・兵庫(不惑の尖兵・f17150)は傍らにいる金髪の『せんせー』に語り掛けている。
水晶屍人の軍団を作っただけでは飽き足らず、外法を用いて更に強力な屍人を作り出す……許せるものではない。
「クソ野郎が……滅ぼしてやる!」
必ず安倍晴明を滅ぼす。兵庫は凄まじく憤怒しながらも、そう誓った。
そんな彼を心配そうに、じーっと見詰めるせんせー。
「もちろん、わかってます、せんせー。まずは目の前の敵を倒して、農民の皆さんを救出しないと! ですね!!」
おー! と手を上げる兵庫にせんせーが微笑みを浮かべて頷いた。
キラキラと光る誘煌塗料を取り出せば、兵庫はそれを自分の身体に塗って行く。
逃げる農民、追う水晶屍人。
その前に現れるのは、塗料を塗り終えて全身がキラキラに輝いた兵庫……物凄く目立つ。
「ガァッ!」
三体の屍人がそれに気付くと、一斉にターゲットを変えて兵庫に走って来て。
強靭な牙の攻撃を避けて、鋭い爪は鋼鉄をも切り裂くナイフ、蜂皇の牙で防いで。
しかしその攻撃力は非常に高く、一撃でも直撃すれば、致命傷を免れない。
(「な、何で威力ですか! 動きが荒いのが救いですね……!」)
屍人の攻撃は非常に単調。
暴力のままに喰らおうとするだけの、猟兵ならば十分に避けられる程度のものでしかない。しかしそれでも、数の差は兵庫を確実に追い詰めて行って。
……だが、突如として屍人達は転倒してしまった。
必死に兵庫が逃げている間に、せんせーが仕掛けた、生きた糸の『皇糸虫』。
『蠢く水』が塗られたそれは強い粘着性が備わって、水晶屍人達の動きを止めてしまった。
「お見事です、せんせー! 伐採兵の皆さん! 一切合切、刈り取っちゃってください!」
そこに現れるのは、四十数体の蟷螂。普通の蟷螂と違う点は、両腕に回転ノコギリがある事だろうか。
無理矢理に立ち上がろうとする屍人の足元に向けてノコギリを投擲すれば、ガリガリ、と音を立てて削れて、またも転倒して。
「動きが止まりました! 連携攻撃ですよっ!」
兵庫の言葉と共に、蟷螂達全てが合体する事で、その攻撃力は凄まじく向上して。
すぐに兵庫は合金警棒を取り出して、蟷螂と共に同時に飛び掛かる。その凄まじい衝撃波は三体の屍人を押し潰して、バラバラに斬り裂いてしまった。
大成功
🔵🔵🔵
御園・ゆず
あ、ウィルバーさん
…ということは戦争ですねワカリマス
疲労の色を滲ませる彼を尻目に転送
今度飴でも渡そ
今回は対多人数戦、だそうで
守るべき農民が居るから…うん、コレ、だな(腰後ろに手を添える
囲まれる事は想定内
台本に書いてたから
あとは、なぞるだけ
腰後ろにあるFN Five-seveNを抜いて、正面の敵の胴に
不意に襲って来た敵には左腕をくれてやります
噛み付きましたね?捕まえた!
核部分に鉛玉を
死角から来た敵には弾倉の底で思い切り殴りつけて、撃ち抜きます
あら、農民にまっしぐら?
ダメですよ
銃は元々遠距離武器なのでそのまま撃ちます
食べ残しはお行儀が悪いので、全て食べちゃいましょ
神様のお気に召すまま
これで何度目の無情な転送だろうか。今回は多人数戦。
達観している目で、御園・ゆず(群像劇・f19168)は水晶屍人達がいる場所まで飛ばされて来た。
「……今度飴でも渡そ」
若干疲れていた気もするウィルバーに、せめて飴をあげようと考えて。
そして辺りに響き渡る悲鳴。間違いなく農民のものだろう。それを聞けば、ゆずは急ぎその場所へと向かって行った。
逃げ惑う農民を追い掛ける水晶屍人。
強靭な牙を持ち、鋭い爪を持った怪物は、屍人とは思えない程に高速で動き回る。
「……大丈夫、あとは台本をなぞるだけ。この世は舞台、人はみな役者だ」
頭に記憶した台本の通りに、やるだけだ。
逃げる農民と追う屍人の間に割って入ると、躊躇なく自動拳銃『FN Five-seveN』を抜き放って、その胴へと射撃。
「グアァッ!」
それでもゆずを食べようと向かって来るが、高速連射でまずは一体を仕留めてしまう。
仕留めるまでの間に二体目の屍人がすぐそこにまで迫っていて。
「くれてやりますよ!」
左腕で頭を守り、それを屍人に噛ませてしまう。
凄まじい衝撃、走る激痛。意識が落ちてしまいそうな一撃だが、それも台本通り……。
「つ、かまえた……ッ!」
この至近距離からならば外さない。
屍人の核……即ち、背中の水晶をタンタンッ、と二発の銃弾で撃ち抜いて、絶命させてしまった。
直後に死角から現れた屍人は弾倉の底でバキッ! と殴り飛ばして。すぐに立ち上がると、近くの農民へと向かって行った。
「……あら、農民にまっしぐら?」
それは台本にない。駄目だ、許さない。
頭の中の台本に新たな文字を記して拳銃を撃つと、それは見事に一つの水晶を打ち砕き、地面に転倒させて。
「食べ残しはお行儀が悪いので、全て食べちゃいましょ。……そう、神様のお気に召すままに」
弾薬が切れたので、リロードしようとするが、左腕は動かない様子で。
それならば、直接殴ればいいと、凄まじいスピードで屍人に近付き、拳銃を振り被った。
三体の水晶屍人は、ゆずの手によって退場させられたのだった。
大成功
🔵🔵🔵
鈴木・志乃
※アド歓迎
これからやろうとしてること
狂気の沙汰と言われても仕方ない
それでもこうすると決めた
私はその為に
全ての生命の意志を尊重し、守る為に生まれて来たから
噛み付き、切り裂き重々承知
だからこそその至近距離から……ぶち込む
※オーラ防御常時発動※
【第六感】で敵の攻撃を【見切り】つつ
【早業念動力】で光の鎖で足払い
転倒した隙に鎖を口に噛ませ、腕を合わせて縛り上げる【武器受け】
抱きしめる【手をつなぐ】
【破魔、祈り、呪詛耐性】を籠めたUCを放つ
貴方を強制操作する一切合切をこの聖光と【全力魔法】で【なぎ払い、衝撃波】
はは、私は大馬鹿野郎だ
こんな状態になったって
せめてその意志だけはどうにか救われて欲しいって
……
農民に襲い掛かる水晶屍人。
逃げる農民と入れ替わる形で、鈴木・志乃(オレンジ・f12101)が屍人の前に出て。
「狂気の沙汰と言われても仕方ない……けど」
これからやる事はとても危険。見る者が見れば、何故そこまでやるのかと言われても仕方のない行為だ。
しかしそれでも、志乃は……。
「それでも、こうすると決めた」
迫る屍人を、静かに待っている。
水晶屍人の牙は非常に鋭く、まともに受けてしまえば致命傷になってもおかしくはない。爪の威力も先の戦いで猟兵が受けた通りで、単純な物理攻撃力ならば極めて高い。
だが、志乃は避ける気はない。距離が縮まるのを待って、集中力を研ぎ澄ませる。
屍人がすぐ目の前まで迫ると、その足元に淡く光る鎖が現れて、派手に転倒させてしまう。
「ガアァッッ!!」
「そこ、だ……!」
強靭な牙に恐れを抱くが、それをも押し殺して倒れた屍人に乗ると、自らの手で鎖を口に咥えさせて。
続けて鎖を身体……腕を巻き込むようにして絡めると、そのまま縛り上げて、立ち上がらせた。
口を鎖で塞がれた屍人だが、無理矢理噛み千切ろうと力を入れて。
食べたりないのだ。果てしなく空腹で、頭の中はただ一つ。抑え切れない食欲のみ。
「……。そこまで、そこまでの怨念を……ッ!」
目から流れる一滴の涙は何を示すのか。屍人への同情か、慈愛か。安倍晴明への憤怒か、或いは……。
何れにせよ、志乃のすべき事はただ一つだ。
「私は……全ての生命の意志を尊重し、守る為に生まれて来たから。……だから」
暴れる屍人に、彼女はそっと優しく、『抱き締めた』。
こんな状態になっても、せめて彼等の意志だけは救われて欲しいと。安倍晴明の手によって奪われた想いを、もう一度、呼び戻す聖なる光。
暖かな橙色の光が志乃と屍人を包み込んで、屍人を操る一切合切を、その呪縛を断ち切る為に。
「はは、私は大馬鹿野郎だ。……」
光が消えると、そこに立つのは志乃、ただ一人。
水晶屍人は浄化されて、その怨念は完全に消失した。
志乃は目を伏せて、その場を後にしようとするが……不意に、優しげな声がして。
振り向いても何もない、ただの気のせいだろうか? いや、確かに聞こえた。
ああ、その言葉は――。
●怨念の浄化
全ての強化型水晶屍人を撃破し、全ての農民を救った猟兵達だが、まだまだ水晶屍人は存在する。
それに、これらを作り出した安倍晴明……断じて許す訳には行かない。
まだ戦争は続いている。
信長軍の完全撃破の為、進み続けよ。
大成功
🔵🔵🔵