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エンパイアウォー⑩~超巨大鉄甲船・煉獄出航ス

#サムライエンパイア #戦争 #エンパイアウォー

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●超巨大鉄甲船・煉獄
 大海原に浮かぶ漆黒の巨体は見る者に大きな威圧感を与えていた。
 何処かの堺の茶人が「全て黒く塗りなさるがよろしいかと」などと進言したせいか、この船は黒一色で塗装されており周囲に異様なプレッシャーを与えている。
 この当時の”黒”というものは縁起の悪いもの、死を予感させるものとあまり大っぴらに使われる色ではないのだ。

「とりかーじ、まわぁ~せぇ~!」
「「「とりかーじ」」」
 怨霊の船員達が見事な操船で海原をいく漆黒の船。
 これが処女航海とは思えぬ練度の操船技術にも驚くべきだろう。
 すでに近くの漁港から出ていた小船を何隻も撃沈し意気揚々と進んでいる。
 近々幕府軍の一団と遭遇し海戦が始まってしまえば大きな被害を与える死神になりうる船。
 それこそがこの巨大な鉄甲船・煉獄なのだ。

 船上にいるのはこの怨霊の船員達だけではない、あちらこちらに異形のくノ一達が配置され接近する不審者達への警戒を続けている。
 彼女らを倒さねばこの船で自由に振舞うことなどできはしない。
 村上水軍旗を雄雄しくはためかせ船は進路を東へととるのだった。

●グリモアベース
「さあ皆さん、今度は戦艦をぶっ潰しちゃいますかー♪」
 手を合わせニコニコと皆を出迎えるのはグリモア猟兵の村雨・ベル。
 大軍勢の命をかけた戦いも軽く笑い飛ばし明るく見送ろうとしているに違いない。
 いや、そうであってほしい……。

「花の御所にいた魔軍将、大悪災『日野富子』ってすごいお金持ちでですね『超巨大鉄甲船』いっぱい建造して大船団にしちゃったんですよこれが」
 説明雑っ、とか思ったのは一人では決してないはずだ。
「 本来なら船員ていうのは育成するのに一朝一夕にはいきません」
 機体よりパイロットのほうが育成費用も時間もかかるというのが常識なのだ。
「ですがそこは富子さん横着かましましたねーそーくるかーって感じです。戦国時代瀬戸内海を席巻した大海賊『村上水軍』て知ってます?」
 まー私も詳しく知らないんですけどとか軽薄に手をヒラヒラさせてるが気にしてはいけない。
「彼らの怨霊を呼び出し鉄甲船の大船団を大規模海戦をもこなせる最強の水軍にしたのですよ、給料もいらないしさすがですね本当」
 そこは敵を褒めないようにと思うがそれだけ敵は悪辣ということだ。
「まーこのまま放置するとですね、南海道の海路を進む幕府軍の船は悉く沈められ、海の藻屑と消えてしまうってことです。まったく面倒くさい!」
 それも万単位の戦死者を覚悟せなばならないとすれば猟兵としては放っておくわけにはいかない。
「まっ!やることはとてもシンプルです。そうなる前に村上水軍の怨霊が宿った鉄甲船を全部沈めちゃえばいいだけですよ♪」

 作戦はこうだ。
 海に浮かぶ鉄の城のような『超巨大鉄甲船・煉獄』という船に乗り込むことらしい。
「私達の担当する船は『超巨大鉄鋼船・煉獄』という漆黒に塗られた船になります。これは村上水軍の怨霊の力が宿っている限り、すぐに復元されてしまうので船体を攻撃しても無駄なんですよ」
 炸裂弾で投げ込んだら誘爆するということもないらしい、つまりは沈める手は他の手段をとらねばならないということだ。
「弱点はわかっているんですよ。宿っている村上水軍の怨霊は”帆柱に掲げられた村上水軍旗(〇の中に上と書かれている旗)”を引きずり降ろせばジ・エンド。消滅しちゃいます」
 それ以外の手段で倒すことはどうやら不可能なことらしい。
 しかもなんらかの手段で鉄甲船に乗り込んだとしても、船には多数のくノ一達が護衛として乗り込んでいるということだ。
「まずは乗船、そしてくノ一達を撃破! そこまでクリアしてようやく村上水軍旗を奪取って流れになりますね」
 所で旗を降ろしたら船はどうなるんだ?という当たり前の質問に村雨・ベルはにっこりと答えた。
「この季節、泳ぐときっと気持ちいいですよ♪」
 すっごくいい笑顔でそのまま送り出そうとかしてるんだけどこのエルフ。
 ゴンッ……いい音がした。
「ま……まあ、脱出できたらすぐに転送で回収しましゅのれ……濡れりゅのは我慢してくらさい」
 頭に大きなタンコブを作りつつ村雨・ベルは半泣きで猟兵達を送り出すのだった。


轟天
 このシナリオは、「戦争シナリオ」です。
 1フラグメントで完結し、「エンパイアウォー」の戦況に影響を及ぼす、特殊なシナリオとなります。

 今回は船の上で派手にドンパチですね。
 まず以下に乗船するかです、空中からの砲撃だけでは倒しきれない事もありますのでそこは上手くやっていただければと思います。
 船上ではくノ一達がたくさんいますので、船上らしいアクションとかかっこいいんじゃないでしょうか。
 怨霊の船員達には戦闘力もありませんし戦闘中邪魔もしてきませんのでお気になさらずどうぞ。
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第1章 集団戦 『魍魎に憑かれし女忍』

POW   :    魍魎呪術・狂化
【魍魎に狂わされて狂戦士】に変化し、超攻撃力と超耐久力を得る。ただし理性を失い、速く動く物を無差別攻撃し続ける。
SPD   :    魍魎呪術・降魔化身法【偽】
【魍魎におぞましき呪いを流し込まれ】【全身の傷口から血を噴き苦しみ悶えながら】【恐るべき力】を宿し超強化する。強力だが、自身は呪縛、流血、毒のいずれかの代償を受ける。
WIZ   :    魍魎呪術・殺戮変化
【魍魎によって強制的に高速殺戮形態】に変形し、自身の【只でさえ消耗しきっている気力・体力】を代償に、自身の【攻撃力と敏捷性即ち殺戮効率】を強化する。

イラスト:すねいる

👑11
🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​🔴​🔴​🔴​

種別『集団戦』のルール
 記載された敵が「沢山」出現します(厳密に何体いるかは、書く場合も書かない場合もあります)。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
 それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。

パティ・チャン
【POW】
■心証
この手が上手く行くかしら…?

■乗船方法
仲間との連携により、誰かに同行する格好で乗船します。
(飛べることは飛べますが、距離が分からない)
いざ乗船となったら、羽根の出番ですね。

■戦闘
【カウンター、2回攻撃、なぎ払い、属性攻撃、鎧砕き、衝撃波、武器改造】
で、サイコキネシスで人間サイズの武器を操れるだけ操ります
速く動く物を無差別攻撃、と言ってもいつまで持つかしら?

【世界知識、情報収集、学習力】でより優位な位置取りを心がけます
※アドリブ連携歓迎


鳶沢・成美
鉄甲船という事は木造船に鉄の装甲版を貼り付けた船ですか
普通ならトップヘビー待ったなしなんですが流石は三島村上水軍かな

とりあえず〔フック付きワイヤー〕を使ってささっと”早業”潜入かな
そういう事するための道具ですからねこれ

それでなんか痛ましい姿の女忍ですね……でも余裕もないし容赦しませんよ
”全力魔法””範囲攻撃”【氷雪竜巻】で攻撃
船の外に吹き飛ばしてしまえば復帰は難しいでしょう、ボロボロだし
それが出来なくても、ダメージを与えることは出来ますからね

彼女たちがいなくなれば、あとはどうとでも出来るかな
高い所に登るならまた〔フック付きワイヤー〕が使えるでしょうし

アドリブ・絡み・可 ””内技能




 海原を進む黒い鉄甲船『煉獄』は幕府軍の船とは比べものにならない威容を誇りつつ進路を一路幕府軍へと向け航行している。
 だがこの船を幕府軍の元へ辿り着かせてはならない、その後の惨劇を防ぐべく猟兵達の戦いが始まった。

 その海原を一艘の手漕ぎボートがゆっくりとだが確実に鉄甲船へと近づいていた。
 鳶沢・成美(探索者の陰陽師・f03142)は慣れない操船ではあったが地形的に狭くなっている入り江の横を通過する際に近くの岩場から海流に乗ってあっという間に船の死角に入り込めていた。
 これは同行している小さなフェアリーであるパティ・チャン(月下の妖精騎士・f12424)がこの時期の潮の流れを知識として知っていた事も有利に働いていた。
 
「鉄甲船ということはベースは木造船でそこに装甲板を貼り付けた船なんですよ」
「へー、そうなんだ」
 成美が鉄甲船について軽く説明しパティは目を丸くする、パティのサイズからすればそれは人間から見る船よりも遥かに巨大な物だと感じてしまうからだ。
「普通ならトップヘビーといって上が重すぎてバランスが悪いのですが、さすがは村上水軍……それも三島あたりかな?」
「ふーん、詳しい事はわからないけど上、見てくるね」
 パティの小さな身体が海面すれすれの小船から鉄甲船の甲板へと昇っていきそして今なら大丈夫という合図をよこす。
 成美はそれを見て用意してきたフック付ワイヤーを甲板へと投擲し身軽に登る事に成功した。


「曲……者……」
 甲板に降り立った二人の前にたまたま巡回してきた女忍と鉢合わせしてしまった。
 だが登りきった後で良かった、運が悪ければ登ってる最中にワイヤーを切られて今頃海を漂っていたかもしれない。
 事前に少し聞いていたとはいえ女忍の姿は痛々しいとしか言いようが無かった。
 怨霊に取り付かれ苦しんでいるのだがこれを救うには消滅させてやるしかない。
「なんか痛ましい姿の女忍ですね……でも余裕もないし容赦しませんよ」
「うん、早く楽にしてあげるべきなのよ」
 成美とパティは互いに頷きあうとさっそく行動を開始した。
 なぜなら目の前の女忍は見る見るうちに怨霊に狂わされた狂戦士へと変貌を始めていたのだ。
 手加減などという余裕は元からありはしないのだ、しかも増援までもが現れ複数を同時に相手する必要がでてきたのだ。
「舞え、氷の竜よ。アイストルネード……!!」
 成美の詠唱に答え氷雪が船上を吹き荒れる。
 あまりの風圧に甲板の隅にいた一人が足を滑らせ海上へと落ちていった、ダメージそのものはあまり通用している感じではなかったが海にさえ落としてしまえばしばらく戻ってはこれないだろう。
 だが問題は滑らせるだけでダメージそのものは狂戦士化した彼女達にあまり通用していないという事実。
 全身が寒さで傷つき吹き出た血が凍ろうとも気にしないで進んでくる。
「動かないで! 大丈夫……ここはまかせて!」
 頭上からパティの声が聞こえた、それと同時に船上のあちこちに置かれていた兵士用の槍や刀が猛スピードで女忍達へと襲い掛かった。
「ウガッ」
「このっ!」
 観察していてわかったことがある、彼女らは狂戦士化した際に速く動くものであれば何でも反応し襲い掛かるという事だ。
 動かずそれを見る成美とパティのほうに襲い掛かってくる様子はない。
 傷が蓄積はしていくがそれは微々たる物、このままではいつかパティの念動力が限界を迎えるだろう。
「待てよ……ということは。パティ君、その武器を甲板の外まで誘導するんだ!」
「あっ……なるほどそういうことね!」
 瞬時に成美の考えを理解し飛んでいた武器達は次々と甲板から外へと飛んでいき、女忍達はそれを追い海上へと次々と飛び込んでいってしまった。

「「やった!」」
 二人はサイズの違う手でハイタッチし最初のピンチを乗り切った事を知る。
 さぁ……戦いはこれからだとばかりに二人は奥へと移動を開始するのだった。

成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​

幽草・くらら
村上水軍の駆る鉄甲船だなんて……
一応は異世界とはいえUDCアースで習った歴史と重ねて考えると、なんという良いとこ取りを……

鉄甲相手には鉄砲や火矢も通りませんし砲撃も生半可なものではダメです。
そこにくノ一がいるという事は多分それによって対空迎撃の体制も整ってるんでしょうね、帰っていいですか私。

ダメそうなので嫌がらせに徹します。
暫くはブラシに跨っての【ダッシュ】で【空中戦】ですね。
全速で上空を駆け抜けながら塗料を辻斬りならぬ辻撒きして船上を凍らせていこうかと。
ある程度やったら上から乗船、寒さや凍結で鈍っててくれたらいいなと期待しつつ氷を描いて飛ばしての射撃戦で制圧を図ります。
旗は他の方に任せます。


夜羽々矢・琉漣
水上の船に辿りつかなきゃいけないのか。まあ、俺のユーベルコード、ブースターがあって水上移動くらいは軽いけどね…。(召喚したロボットに乗り込みながら)

召喚するロボットは、脚部の先端が鋭く尖ったタイプ。船体に食い込ませて、甲板まで登るためにね。武装は、肩部にデコイの発射機、腕部は火炎放射器。
船からの砲撃は左右へのブーストで回避しながら、船体に取り付いた後はブーストを使わずに登る。あんまり早く動くと的にしかならないだろうしね。
甲板へ登っても激しくは動かずにデコイを発射して相手の気を引いて、そっちに意識が向いたら火炎放射器で焼く。炎がどう認識されるかは分からないけど、真っ向勝負よりはマシでしょ。




 海上を航行する鉄甲船『煉獄』に轟音と共に高速で近づいてくる一つの影。
 船などではなく火を噴きながら水面スレスレを突き進むそれはこの世界の物ではない。
「ブースター正常に稼動、目標到達まで3分……」
 召還したロボに搭乗した夜羽々矢・琉漣(コードキャスター・f21260)はその計器類に示される数値を確認し予測進路の計算を終える。
 この世界であればこの高速で突き進む対象に有効な迎撃手段などないはずだ。
 だが油断は出来ないと愛機のデータを再確認する。
(腕部火炎放射器、肩部デコイシステム、各部アクチュエーター問題なし)
 オールグリーン、これならば問題なく戦えるそう確信するとどうやら鉄甲船の射程に入ったらしい。
 黒煙をあげ何門もの大砲が一斉射撃を仕掛けてきた。
 命中コースのものだけを左右への急速なブースト移動で回避しロールをしながら海面から角度をつけ船体の側面へと脚部から突っ込んだ。
 鋭く尖った脚部が薄い装甲を貫き木造の船体を大きく傷つける、だがそれを意に介さず船体側面に次々と脚を突き刺し登るロボ。
 開いた穴はすぐに自然修復されてしまい跡形もなくなっていく、どうやら事前情報の通りこれでは船体破壊は外部からは不可能なのは間違いなさそうだ。
 
「あら~派手にやってますね」
 どう近づこうかと悩んでいた幽草・くらら(現代のウィッチ・クラフター・f18256)はこれはチャンスだと魔女らしくブラシに跨りながら遥か上空からそれを見下ろしていた。
 UDCアースで習った歴史と重ねて考えると村上水軍に鉄甲船など何と歴史のいいとこどりなのだろう。
(鉄甲相手に鉄砲も火矢も通じないし砲撃も生半可な物もダメ、そこにくノ一がいるならば対空迎撃もきっと整っているんでしょうねぇ……)
 考えれば考えるほど何故ここに来てしまったのか悩むところだが、冷静に考えた結果くららが思った事はとてもわかりやすくシンプルだった。
「帰っていいですか私……」
 
 天を見上げるが転送の迎えがくる様子は無い、ため息をつきつつくららは高度を落とし混乱が起こる鉄甲船へと接近を始めるのだった。


「うがああああああ!」
 くノ一の咆哮と共にロボの装甲板がまた一つ切り裂かれた。
 鉄甲船の船上はまさに戦場と呼んで相応しい混乱に満ちていた。
 琉漣の操るロボは甲板上にいるくノ一達との交戦に至っていたのだが多数対一の乱戦に思っていたよりも苦戦を強いられていた。
 デコイを射出しそれに反応した狂戦士化したくノ一を火炎放射器で焼くというシンプルな戦い方なのだが、火炎放射器で焼かれつつもすぐに活動を停止しない桁外れの耐久力のため焼けども焼けども幾らでも襲い掛かってくるのだ。
「真っ向勝負よりはましなはずだけど、ちょっとピンチかも」
 凶暴化したくノ一が火炎放射器内臓の腕をものすごい握力で握り締めあろうことかパーツがへしゃげ始めてしまっている。
 これまでかと思ったとき頭上から大量のペンキが撒き散らされくノ一や甲板が総天然色に一気に染まっていった。
「ま、間に合いましたでしょうか……?」
 高速で頭上を通過しつつ塗料だけを撒いていくので捕まりはしないがどうなっているんかは反転しないとよく見えないというジレンマ。
 だがこのタイミングでのくららの介入は琉漣にとっては僥倖である天の助けといってもよいもので。
「くっ……なんだこれ……は……」
 塗料を被ったくノ一達が甲板と共に凍っていき動きが鈍くなっていく。
 しかも甲板も凍り歩くこうにもよく滑り踏ん張りが利かない様子で。
「落ちろー!」
 火炎放射器を握っていたくノ一を腕を振り回し船外へと投げてしまいロボはいったんピンチを乗り切った形だ。
  
 ある程度塗料を撒き終えくららは甲板に降下するとさらに塗料を撒き散らし始めた。
「ちょっとやりにくいけど、いけますきっちり凍ってます!」
 そう言いながら先ほどまで跨っていたブラシを構え白い息を吐く。
 船上は冷気に包まれ薄着にはちょっと涼しすぎるかもしれない、だがおかげでくノ一達の動きも鈍い。

 二人はこれならいけるとばかり狂戦士化したくノ一達へとそれぞれの得物を向けるのだった。

成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​

露木・鬼燈
最初から派手に行かせてもらうっぽい!
化身機装<火廣鐵>で空から突入するです。
騎士盾を構え、スラスターを全開。
対空砲火を潜り抜け…着地。
船体は復元するらしい。
つまり、このまま暴れても問題ないってことだよね。
忍体術で船上という特殊な地形も障害にはならない。
魔剣を連結刃に変形、荒れ狂う刃と衝撃波で攻撃。
雑に見えるけど、連結刃の扱いには慣れてるからね。
きちんと女忍を狙ってるですよ?
とゆーか、バーサークなのか向こうから突っ込んでくるからね。
軌道を計算して狙えばイケルイケル!
連結刃を超えられても騎士盾で殴ればいい。
大きく質量があるってのは強いのです。
一挙一動が衝撃波を発生させるとなれば猶更っぽい。




 鉄甲船・煉獄の大砲が上空から迫り来る物体へ必死の砲撃を続けていた。
 だが現代兵器ならともかく装填に時間のかかる大砲でこれを迎撃するにはあまりでも手数が足りなかった。
 化身機装<火廣鐵>による加速に露木・鬼燈(竜喰・f01316)自身が恐怖心を抑えるのに必死なほどで騎士盾を前方に構えていないととっくの昔に心が折れていたかもしれない。
 そのままスラスターで姿勢を変えると脚から甲板に着地し滑りながらさっそくくノ一数名をひき逃げのように盾で弾き海へと叩き落としていた。
「最初から派手に行かせてもらうっぽい!」
 そう宣言し周囲を見渡す、なんだかあちこちペンキがついていたり何だかすでに色々汚れているが気にしないほうが良さそうだ。
 振り返ってみれば着地時に傷つけた甲板もすでに復元を終えているようで逆に考えれば少々派手にやっても全く問題がないということだ。
 
「オルトリンデ!」
 左腕の鉄甲の内側から鞭のようにしなる魔剣オルトリンデを抜刀し目の前のくノ一へと容赦なく斬りつけるがそれを手持ちの刀で受けようとする。
 だが連結刃とはまさに鞭や鎖を相手に戦うようなもの、受けた刀を軸にして先端がくノ一を切り裂き刃に纏う衝撃波で血飛沫が飛び散った。
 さらに動きを止めずにくノ一の刀に巻きつけ死体からそれを奪うと反対方向へと刃を振れば、巻き取った刀が解き放たれ横から襲い掛かってきていたくノ一の胸に突き刺さる。
 その速い動きに引き付けられ狂戦士化したくノ一は次々と終結し一斉に襲い掛かるが鬼燈はすでにそれを予測し策を講じていた。

 くノ一の突っ込んでくる軌道上に連結刃を配置しておくというシンプルなやり方で……。

 魔剣が一閃し次々とくノ一が切り裂かれ船外へと落ちていく、勢いをさらに増し横回転しながら最後の勢いを正面にいたくノ一へ叩きつけると甲板ごと斬ったらしく盛大に瓦礫が飛び散った。
 ようやく動きの止まった刃に後ろから迫り来るくノ一の手刀。
 だがそれすらも予測していたのか振り返り重量のある騎士盾で思い切り殴りつければ鈍い音と共に首が折れくノ一は床に転がった。

 一連の動作にようやくを息を吐き出し深呼吸を一回、次なる目標を求め鬼燈は頭上の旗を見つめる。
 だがまだまだくノ一がいる以上はまずそちらが先だ。
 
「大きく質量があるというのはそれで有利なのですよ」
 倒れた死体にレクチャーを残すと鬼燈はもう一度武器を構えなおし跳び出していくのだった。

成功 🔵​🔵​🔴​

月宮・ユイ
アドリブ◎*NGなし御自由に
*身に<誘惑の呪詛>宿し呪詛/呪操る

鉄甲船の大量製作…資金豊富過ぎですよ
回収出来たら良かったのですが、勿体無いですね
帰還時はずぶ濡れですか…

<念動力>飛行補助
[コメット]バイクに騎乗し現場まで飛行、
[コスモス]外套の力で船上へ。
《捕食形態》武装圧縮成形:破邪<破魔の呪>込める
<念動:オーラ>と共に身に纏い行動補助と耐性強化
鉤爪:腕を厚く覆い防具兼武器
触手:全身各部位から変形し伸ばす
<知識>で成形補助

女忍も敵かしら?
一応魍魎捕食し無力化試み、可能なら触手で丸呑み捕縛保護。
破魔の呪で呪術祓う様に格闘戦。
触手は拘束捕食や
<早業:ロープワーク>で体を固定や引っ張る等移動補助


郁芽・瑞莉
流石ベルさん、季節柄海水浴まで用意してくれるなんて……。
なんて喜んで貰えると思ったのでしょうか?
ありがとうな気持ちもあるのが複雑ですが。

水着のままで能力を引き出しつつ。
空を飛んで速度MAXで先制攻撃のランスチャージ。
降り立ったら反撃は第六感も交えた見切り、
残像や迷彩で感覚を錯覚させて。
飛翔・浮遊能力も交えた、
ダッシュ・ジャンプ・スライディングの身体能力を駆使。
水着布地分の紙一重で回避しつつ。
カウンターで溜めた破魔の力を開放した早業の2回攻撃で、
武器でのなぎ払いや符、苦無の投擲をしますよ。

戦闘に集中しているのでほぼ裸なのに気づくのは指摘があってから。
慌てて隠そうとしますよ。

アドリブ・絡み歓迎!


神元・眞白
【SPD/割と自由に】
舟が消えたら泳げないから早めに回収してもらわないと。
符雨、もしもの時に浮き輪は用意しておいて。フロートでも可。

旗を取ればいいっていう話だし、舟には目立たない様に乗船。
炸裂弾を使えば音は出るけど沈まないっていう事だし利用しよう。
符雨、そっちはそっちで動いて。音を立てたら煙幕弾を。こちらへ合流。

護衛っていうことだけど目的は旗だから刺激しない様に。
勘ぐられる前に忍者っぽい恰好して、新しい護衛って言ってみよう。
ばれたらばれたでその時。1人ぐらいなら大人しくしてもらって。
魅医、相手も相手だから必要な時はお願いね。私の事は気にせずに




 混乱続く鉄甲船に急加速で近づいたコメットバイクから月宮・ユイ(捕喰∞連星・f02933)が勢い良くジャンプしその勢いは飛行能力を持つ外套コスモスが上手く相殺し可憐に降り立った。
「見事な鉄甲船ですよね……しかも大量製作なんて資金豊富過ぎですよ」
(壊れるのは勿体無いですね……まあこれを扱える人も幕府軍にはいないと思いますが)
 目指すは旗とばかりに進もうとした所にくノ一達がさっそく集まり行く手を阻む。
 その時、頭上からものすごい勢いで禍ノ生七祇(マガノイクナギ)ごとランスチャーじしてきた郁芽・瑞莉(陽炎の戦巫女・f00305)がくノ一達のいた場所に降り注ぎそして全員が弾き飛ばされ海へと転落していった。
「ふぅ……流石ベルさん、季節柄海水浴まで用意してくれるなんて……」
 眼鏡のエルフがピースサインをしている幻が見えるがそれを薙刀で消し飛ばすと全くもうとばかりに胸を逸らす。
「……なんて喜んで貰えると思ったのでしょうか!」
 ……などと言っているがちゃんと今年新調したばかりの水着を着ているあたり内心喜んでいる気持ちがあるのかもしれない。
「瑞莉さん……さすがね」
「ユイさんも狙いは同じようですね」
 二人が目を合わせ頷きあう横にちょうど甲板にさらに二人這い上がってくる人影があった。
 先に降り立ったメイドに引き上げられ忍者ぽい服装の女性、神元・眞白(真白のキャンパス・f00949)がどうにか甲板上の人となる。
 メイド(眞白の使う人形『符雨』)が二人に気付き銃を向けるが二人が猟兵だと気付きすぐに銃を下ろし会釈する。
 互いに逆方向へ進むとわかると互いの幸運を祈り全員が行動を開始するのだった。

● 
「曲者!」
 くノ一の強力で振るわれる一撃を腕部分に装甲を増し増しにしておいた鉤爪でその一撃を受け流しユイは回し蹴りで背中を蹴るとよろけたくノ一の目の前には瑞莉が薙刀を振り上げており、振り下ろされた一撃であっさりと無力化する。
 だがくノ一はまだまだ船上におり休み無く襲い掛かってくる。
「ここは一気にいきます!」
 瑞莉の身体が飛翔するかのように突撃し刃を振るうくノ一達のど真ん中へと飛び込んだ、横薙ぎの一撃を身体を仰け反らせ水着布地分ギリギリの紙一重で避け背後に回りこむと円を描き振るう薙刀が数人を一気に弾き飛ばし前うからジャンプしてくる相手にも苦無を数本撃ち込み見事にこれを一撃で倒す。
 揺れる乳房の先端がユイの目に映ったが瑞莉自身はまだ気付いていない、さらに身体を回転させ次の敵へと神経を尖らせている。
(瑞莉さん……紙一重で避けすぎて見えてますよ!?)
 今は言うべきでないと感じたユイも頬を染めつつ捕食形態へと変形させた触手で数人の身動きを奪っていた。
 壁に押し付けそのまま縄で縛りつけ無力化していると今度は別の甲板の方から爆音が上がり二人の頭上を先ほどのメイドが屋根から屋根を幅跳びで駆け抜けていく。
 通り過ぎざまに煙幕弾をあちらこちらに投げ込んでいるらしくくノ一達は混乱の極みといったところだろう。
 幾人かのくノ一がメイドを追いかけ煙の中へと身を躍らせていった。
 

(符雨、上手くやってくれてるみたい)
 眞白は反対サイドから聞こえてくる爆音や煙を遠めに忍者姿で堂々と歩き旗のある場所へと近づこうとしていた。
 一応策はある、あとは上手くいくかどうかということだけだ。
「……誰ダ?」
 くノ一の一人が気配に気付き物陰に振り返る。
「……交代、よ」
 物陰から歩み出た眞白はくノ一へ近づき遠くで爆発する方を指差しここは任せておけとばかりにコクリと頷く。
 ……ニィィと怪しく笑ったくノ一はそれを聞き立ち去ろうとするが、急に振り返りほっとしかけていた眞白はドキリとしてしまう。
 無造作に伸ばされたくノ一の手が眞白の忍装束に触れると……一気に縦に引き裂いた。
「きゃっ!!」
 手足の部分までを引き裂かれ白い肌がほぼほぼ露出するかのようにされてしまうとようやく納得したようだ。
「同じように装束は破ってオケ、侵入者と見間違えル」
 そう言い残し立ち去っていったのだが眞白にとってはこれは全裸でいるほうがましな微妙な破り方。
 誰かに見られたらと思うと恥ずかしいなどというものではない。
 手で胸を隠しつつ旗のある場所へと階段を登るがどうにも落ち着かない。
 それを物陰で見ていたもう一体の人形『魅医』が戻ってきて大丈夫かと心配そうに見てくるが今は恥ずかしがっている場合ではないのだ。
 足早に二人は昇るのを再開するのだった。


「ここはお任せを……お二人は早く上へ」
 符雨が炸裂弾をばら撒き甲板に一斉に音と煙そして追撃に撃ち込まれた銃弾が降り注ぐ。
「後、任せます!」
「瑞莉さん、こちらへ!」
 足止めと囮に徹したメイドに瑞莉は礼をいい、その瑞莉を抱きしめたユイがワイヤーで一気に二人の身体をさらに上層部の甲板へと誘う。
(ユイさんに言いにくいです……私、飛べる事……)
(瑞莉さん、まだ気付いてないんですか言い出しにくいじゃないですか、もうほとんど裸ですよ今!)

 上甲板に降り立った二人の横でちょうど階段の中から一人のくノ一が戦術器『魅医』に首を押さえられながら飛び出しそして床に叩きつけられ動きを止めた。
「はあはあ……さすがに最後までバレないで行くのは無理がありましたか」
 こちらはこちらで忍装束が切り裂かれほぼ全裸の眞白が階段から息を荒げ到着する。
 その目に映るのは水着が破られほぼ全裸の瑞莉と外套の中がけっこう破られ肌が露出しているユイ。
 互いが互いを『肌、見えすぎですよ』と思っているのが、やるべき事を終えるまでは言わないであげようと気を利かせたのである。

「ありましたこれです!」
「この旗を降ろせば!」
「怨霊達は開放されます!」
 3人の声がシンクロし手が旗を掲げている棒の横の紐へと延びる。
 カラカラカラと音を立て村上水軍旗を下ろしきると同時に船に異変が訪れた。
「「「「「オオオオオ、還れる 還れるぞ!」」」」」
 船員達の姿が次々と透明になりそして消滅していく、そして船体そのものを支えていた大事な何かが抜け落ちたのか鉄甲船の竜骨にヒビが入りトップヘービだった船はあっという間に横倒しになっていき……。
 無敵を誇った鉄甲船はあっけなく水面に叩きつけられ船体が崩壊した。


 眞白が事前に用意しておいたフロートにしがみついた3人は目の前で沈没していく鉄甲船を見ながら勝利を確信した。
 くノ一たちもどうやら全て沈没に巻き込まれたのか辺りにその姿は無い。
「ところでお二人ともいいですか?」
 ユイがようやく目を逸らしながら眞白と瑞莉に先ほどから言いたかった言葉をかけることにした。
「……あの、今の沈没の衝撃でその……全部、脱げてますよ……」
「「え?」」
 自分の姿を改めてみた瑞莉と眞白はただでさえ残っていなかった生地が水面に落ちる際に残らず流されてしまい。

「「て、転送の回収はまだですかー!!」」
 二人の叫びが大海原へと消えていくのだった。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​



最終結果:成功

完成日:2019年08月13日


挿絵イラスト