エンパイアウォー⑩~怨霊鬼火船
●晴天の幽霊船
南海道。東は紀伊から、西は土佐や讃岐までをも繋ぐ、海上交通の要である。
内海だけに、本来であれば荒れることも珍しい場所。だが、そんな南海道の洋上に、奇怪な船が停泊していた。
大きさからして、二丁(約200m)は下らないであろう鋼の巨体。サムライエンパイアで主に用いられる、木造の廻船とは比べ物にならない大きさと強度。
そんな船の周りを、まるで哨戒するかの如く、飛び回っているのは紅い蜂だった。いや、正確には炎が蜂の形を成した魔性の存在。大火鉢の群れが、船を守るようにして舞っていた。
見れば、そこかしこにも同じような船が浮かび、何かを待ち構えるような陣を成している。丸印の中央に『上』の文字が書かれた旗が風になびき、鋼の船団は静かに獲物の到来を待っていた。
●蘇りし水軍
「サムライエンパイアでの戦いは、今のところ順調に進んでいるみたいね。このまま一気に、織田信長の城を攻め落としたいところだけど……敵も必死なのは同じよね」
グリモアベースに集まった猟兵達に、神楽・鈴音(歩く賽銭箱ハンマー・f11259)は次なる戦場を指し示す。場所は南海道の海上。敵は巨大な鉄甲船と、それを駆る亡霊の集団だと。
「この船は魔軍将の一人、大悪災『日野富子』が造らせたものみたいね。本当だったら、船だけ造っても、乗り手が用意できないまま宝の持ち腐れになっていたはずなんだけど……」
あろうことか、富子は戦国時代に瀬戸内海を席巻した大海賊『村上水軍』の怨霊を呼び出し、彼らを鉄甲船の船員にしたのである。無敵の鉄甲船に大海賊の航海術と海上戦闘技術が加われば、これはまさしく無敵の水軍だ。
「このままだと、南海道の海路を進む幕府軍の船は、悉く海の藻屑にされちゃうわよ。そうなる前に、村上水軍の怨霊が宿った鉄甲船を、あなた達の手で沈めてちょうだい」
なんとも無茶な話だが、しかし方法はあると鈴音は言った。
敵の水軍は富子の呪術によって呼び出された存在。故に、呪詛の根源を断たれてしまえば、脆くも消滅してしまうのだと。
「村上水軍の怨霊は、帆柱に掲げられた村上水軍旗を引きずり降ろされると、呪力を失って消滅するわ。でも、それ以外の方法だと、船にも中にいる怨霊にも、まったく傷は負わせられないからね」
それこそ、物理攻撃は勿論のこと、科学や魔術の力に頼った攻撃も全て無効化されてしまう。ユーベルコードであろうと例外ではなく、呪詛に対抗して念仏や浄化を試みても、そもそもの呪詛が強過ぎて何の効果もない。
加えて、鉄甲船も怨念の力を得ているため、損傷を受けても瞬く間に修復されてしまう。そのため、船底に穴を開けて船を沈めるといった作戦では、今回の水軍は退けられない。
「敵の水軍は船を操ることに集中してるから、船に乗り込んでも、こっちを襲って来ることはないわ。その代わり、護衛にオブリビオンがついてるから、あなた達はそっちを撃破してちょうだい」
船の護衛についているのは、大火蜂と呼ばれるオブリビオン。文字通り、燃える炎の身体を持った巨大な蜂で、攻撃にも炎を多用する。数は10体程で、その内の3体は船の周りを哨戒しており、近づく者には容赦なく攻撃を仕掛けて来るという。
外周を舞う蜂を叩き落として船に突入するか、それともこっそりと忍び込んで、中で大立ち回りを展開するか。水軍旗を奪えるのであれば、どんな戦い方をしても構わない。が、そもそも相手は海上にいるため、近づくためには何らかの工夫が必要だ。
「空を飛ぶなり、船で近付くなり、後は泳いで行くなり、それぞれ好きにするといいわ。ただ、くれぐれも、何の準備もなしに転移されて、そのまま溺れるなんてことのないようにね」
こちらの用意はできている。後は、準備ができた者から送り出すだけだ。そう言って、鈴音は準備のできた猟兵達を、サムライエンパイアの海上へと転送した。
雷紋寺音弥
こんにちは、マスターの雷紋寺音弥です。
織田信長の居城を目指して進む幕府軍ですが、その行く先々には魔軍将の仕掛けた様々な試練が待ち受けています。
今回の依頼は、南海道の海上で待ち受ける、村上水軍の亡霊達を退けることが目的です。
●勝利条件
水軍旗を奪取し、亡霊を消滅させることが条件です。
規定に必要な青丸を得た時点で、自動的に奪取されます。
大火蜂が存在している以上は、どう足掻いても奪取できませんので、まずは先に敵のオブリビオンを撃破してください。
●敵
水軍を護衛する大火蜂の集団と戦い、これを倒していただきます。
船の外に3匹、船の中に7匹の、合計で10匹が存在します。
規定に必要な青丸を得た時点で討伐成功となるので、どこから攻めるのかは自由です。
●鉄甲船
全長200mはあろうかという強固な船で、怨霊の力によって守られています。
損傷を受けても瞬く間に修復されてしまうため、攻撃で船を沈めることはできません。
何らかの方法で上手く船に取り付いたり、もしくは内部に潜入したりできれば、その後の戦いが少しだけ有利になります。
第1章 集団戦
『大火蜂』
|
POW : 種火
【自身の身体】が命中した対象を爆破し、更に互いを【火事の炎】で繋ぐ。
SPD : 延焼
【周囲の炎が燃え広がること】により、レベルの二乗mまでの視認している対象を、【火事】で攻撃する。
WIZ : 不審火
自身が戦闘で瀕死になると【炎】が召喚される。それは高い戦闘力を持ち、自身と同じ攻撃手段で戦う。
イラスト:白狼印けい
👑11
🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔴🔴
|
種別『集団戦』のルール
記載された敵が「沢山」出現します(厳密に何体いるかは、書く場合も書かない場合もあります)。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
| 大成功 | 🔵🔵🔵 |
| 成功 | 🔵🔵🔴 |
| 苦戦 | 🔵🔴🔴 |
| 失敗 | 🔴🔴🔴 |
| 大失敗 | [評価なし] |
👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。
浅杜守・虚露
まずは降りかかる火の粉…いや襲い来る火蜂をなんとかせんといかんのう。持ち前の『存在感』を見せつつ僧衣をもろ肌脱ぎに、腰を落として相撲の体勢を取る。ん?いや何、いわゆる「神頼み」っちゅうヤツじゃよ。わしのはチョイと直接的じゃがのぉ。
『気合い』を入れて見えない相手の回しを掴み『怪力』を持っていて思いっきり投げる。ソレでUCの条件は満たし、火蜂と手甲船目掛けて竜巻を発生させてみようかのう。暴風の神さんの風、火蜂は耐えきれるか?
…ついでに火蜂の燃え広がった火で旗も焼け落ちれば御の字かのう。ハッハッハッハッハッハッ!
●鉄壁の呪詛
海原に集う大船団。海上に鎮座し、幕府軍を待ち受ける村上水軍の鉄甲船。
そんな鋼の船の前に、突如として現れたのは浅杜守・虚露(浅間雲山居士・f06081)。だが、海上に転送されたにも関わらず、彼は船へ取り付くための手段を何も用意していなかった。
「まずは降りかかる火の粉……いや、襲い来る火蜂をなんとかせんといかんのう」
僧衣を脱ぎ捨て、無駄に目立つ格好で相撲の姿勢を取って構えるが、そんなことをしていれば、当然海上に落下するだけだ。が、当の虚露本人は、まったく気にしていなかった。
これは、いわゆる神頼みというやつだ。別に、飛んでいる相手に直接相撲を仕掛ける必要などない。独り相撲の構えから、豪快に何かを投げ上げるような動作をすれば、それで攻撃の条件は満たしている。
「この一番、神に捧げ、その恩恵を得たるもの也!……喰らえ大嵐じゃいっ!」
瞬間、凄まじい竜巻が巻き起こり、鉄甲船の周りを哨戒していた火蜂に襲い掛かった。この一撃で、海上に落下してくれれば儲けもの。ついでに水軍旗に火が燃え移れば、それで勝てると踏んでいたのだが。
「……キィィィィッ!!」
暴風に煽られながらも、甲高い叫び声を上げ、火蜂は一斉に炎を放ってきた。それは瞬く間に燃え広がると、鉄甲船まで巻き込む形で、虚露のことを飲み込んだ。
「うわちっ! な、なんという無茶をするんじゃい!」
落下しながら火達磨になった虚露が、自分のことを棚に上げて叫んでいた。
火を風で煽れば、もっと燃える。暴風によるダメージこそ与えられたものの、その風に敵の炎が乗ったことで、当たり一面が火の海だ。
「ぬぅ……しかし、これだけの炎……。燃え広がって、水軍旗にも燃え移れば……」
盛大に海へと落下したことで炎が消え、虚露は改めて顔を上げた。彼の予想通り、炎は船体にも燃え広がっていたが、しかし焼け落ちたと思われた瞬間、水軍旗は何事もなかったかのように、傷一つない状態で再生していた。
「な、なんじゃと!」
見れば、船体そのものも、既に炎は鎮火し元通りになっている。やはり、こちらも損傷は皆無。鋼の船は最初のままに、海の上に鎮座していた。
鉄甲船は、村上水軍の怨霊によって守られているため、あらゆる攻撃が通用しない。その呪詛を解くために必要なのは、水軍旗を『降ろさせる』ことだ。
旗を破壊することで呪詛が解けるのであれば、グリモア猟兵からも、そのような指示が出ているはず。だが、そのような作戦指示がなく、あくまで旗を『降ろさせる』ことを重視したということは、それ以外に呪詛を解く方法がないことを意味している。
呪いというのは、行う際も解く際も、段取りというものが大事になる。それを無視したところで、思うような結果を得ることはできない。呪詛が解けていない以上、水軍旗も鉄甲船の一部であるが故に、破壊しようにもできないのだ。
「こりゃ、読みが外れたかのう……」
せめて、帰りの際の船くらいは容易しておけば良かったか。己の読みの甘さに消沈しつつ、虚露の身体は海の底へと沈んで行った。
苦戦
🔵🔴🔴
非在・究子
は、蜂の、オブリビオン、か?
……め、メチャクチャ、厚い、弾幕を、張ってきたり、しないよ、な? そ、そう言うんじゃ、ない? な、なら、一安心、だ。
ゆ、UCの、力で、飛行能力のある、魔砲少女モードに、返信、だ……モーションと、口上は、きに、する、な。そ、そう言う、仕様、なんだ。
ま、まずは、外の、護衛の、蜂どもの、相手を、するか。ま、魔砲の攻撃を、確実に、叩き込んで、いく、ぞ。
ひ、瀕死に、なると、厄介な、感じ、だから、な。は、【ハッキング】で、相手のステータスを、瞬間的に、改竄、して、瀕死のフラグを、消す。そうやって、誤魔化した、間に、トドメの、一撃を、くれてやる。
●火蜂、弾幕シューティング!
鉄甲船の周囲を旋回し、警戒を続ける大火鉢。大海原に転送されるや否や、それを視界に捉えた非在・究子(非実在少女Q・f14901)は、思わず何かを思い出して、不安にかられた表情となった。
「は、蜂の、オブリビオン、か? ……め、メチャクチャ、厚い、弾幕を、張ってきたり、しないよ、な?」
こういう時、すぐにゲームと比べてしまうのは彼女の癖だ。もっとも、ゲームと現実は似て異なるため、彼女の不安が的中するかどうかは不明だが。
「ラジカル・エクステンション! 魔砲の力でなんでも壊決! ラジカルQ子、ただ今、惨状!」
とりあえず、このままでは落下してしまうので、究子は魔砲少女の姿に変身して飛行能力を得た。そう、『魔法少女』ではなく、『魔砲少女』である。要するに、砲撃船に特化した魔具の使い手といったところだろうか。
「キシャァァァッ!!」
ド派手に変身したことで容易に発見され、船の周りを警戒していた火蜂達が一斉に襲い掛かって来た。
「……か、勘弁してくれ」
飛んで来る炎の攻撃を、なんとか紙一重で避けまくる。彼女が出せる速度は、せいぜい新幹線程度。音速突破には至らないが、しかし空中で戦うには十分な機動力だ。
「ま、まずは、外の、護衛の、蜂どもの、相手を、するか」
謎の技術が搭載されている感じが満々のゲームウェポンを構え、究子は火蜂目掛けて盛大に魔弾を発射した。狙いは正確、威力も抜群。直撃を食らった火蜂は欠片さえ残さず、空中で霧散して消え去った。
「あ、あれ? 思っていた、より、弱い……」
敵が瀕死になることでカウンターを仕掛けて来ると読んでいた究子は、思わず拍子抜けしてしまった。どうやら、先に仕掛けた虚露の攻撃のダメージから立ち直っていなかったらしく、強化された究子の攻撃は、火蜂にとっては瀕死どころか即死級の威力になっていたようだ。
「こ、これなら、行ける、かな?」
残りは二匹。的確に相手の攻撃を避けつつ、究子は狙いを定めながら武器へと魔力を溜めた。
瀕死になるとパワーアップしたり、敵を呼び出したりする相手は厄介だ。だが、それは即ち瀕死にならなければ、相手は本気を出せないということも意味している。
中途半端な攻撃を仕掛ければ、確かに面倒なことになったかもしれない。しかし、ギリギリまで体力を削った状態で必殺の一撃をブチかませば、オーバーキルで相手に奥の手を出させないまま葬り去ることも可能となる。
「これで、二匹、め。後、一匹……」
最後の敵に狙いを定め、究子は盛大に魔砲弾を発射した。そういえば、どこぞのゲームでも、某キャラクターが言っていた気がする。弾幕はパワー。チマチマした小技で削るのではなく、大出力の直線攻撃でバーッと片付けるのが爽快だと。
「奥の手、使う、必要も、なかった、な……」
膨大な魔力の奔流に飲み込まれ、最後の一匹が消えて行く。多少の運も絡んだとはいえ、蓋を開けてみれば戦いは究子の圧勝だった。
大成功
🔵🔵🔵
ファンゴ・ネラロッサ
サムライの国で観光するつもりが戦争勃発。海は広いな大きいなってのんきに眺めてる場合じゃないなー
まずは【コンパーニョ】にinしたまま海を流れてドザエモンしよう
オレは本体でウミウシみたいに泳ぎながら人形の下に隠れて流れてるフリして船に近付く
人形が攻撃されたら爆発したように見せかけて【星の欠片】を【一斉掃射】
めちゃくちゃ派手にやって【だまし討ち】に引っ掛かってる間にオレ本体は海の中に隠れてる船底の方に移動
【ジェットミューテーション】でドリルのようにきりもみ回転して穴を開けて潜入したら【謎の液体】を散布する
敵の炎もUCのきりもみ回転の風圧で対抗しながら麻痺とか睡眠とかの【毒】をまき散らすよ
●潜入、鉄甲船
鉄甲船の外部にて行われる大乱闘。火炎や魔弾が舞い散る激しい応酬の最中、 ファンゴ・ネラロッサ(『正体不明』のヒーロー・f17584)は混乱に乗じ、海上を漂いながら船の底へと近づいていた。
なお、彼の本体はブラックタールなので、人間に見える部分は彼が操るカラクリ人形である。一見、単なる水死体にしか見えないが、よくよく見れば、それが人形であることが分かっただろう。
「このまま行けば、無事に近づけ……おお、なんか炎が飛んで来たね」
猟兵達と戦う火蜂の放った炎が、流れ弾となってファンゴのところへ飛んで来た。それを上手く利用し、ファンゴは炎が人形に触れると同時に、盛大に宝石を撒き散らした。
(「とりあえず、これで爆発したと思ってもらえれば、ね……」)
爆炎に合わせて宝石が散ったことで、こちらが倒されたと思われれば、それで良い。敵の注意がこちらへ向けられなくなったところで、ファンゴは流れるようにして波間を抜けると、そのまま船底へと取り付いて。
(「それじゃ、お邪魔させてもらおうかな」)
肉体を瞬時にドリル状へ変形させると、高速回転によって船底に大穴を開けてブチ抜いた。
●船底の戦い
船体に穴を開けて潜入したファンゴだったが、その際の穴は、後ろを振り返った瞬間には消えていた。
やはり、通常の攻撃はおろか、ユーベルコードによる破壊でさえも、鉄甲船には効果がない。既に人形も身代わりにしてしまった以上、ここから先は、自分の力だけで道を切り開く他にない。
「キシャァァァッ!!」
早速、燃え盛る炎の身体を持った蜂が、奇声を発しながらファンゴの方へと向かって来た。既に人間の形さえしていないファンゴだったが、それでも火蜂は本能的に、彼のことを敵であると認識していた。
もっとも、戦うつもりなのは、ファンゴも同じ。再び身体をドリル状に変化させ、迫る来る蜂の群れに突っ込みながら、謎の液体を散布した。
「……ッ!?」
元より、炎の精霊のような存在である大火蜂。毒薬は大して効果的ではなかったが、それでも液体をかけられたことで、火力が低下するのは避けられない。そうして、身体が射抜かれたところをファンゴによって貫かれれば、もはや抗う術もなく粉々に散って消えて行く。
「まあ、こんなものかな? 後は、なるべく見つからないように、船の天井でも伝って行けば……」
身体の形状を自由に変えられる、ファンゴならではの潜入方法。このまま行けば、残る敵に気付かれないまま、水軍旗のところへ辿り着くのも容易いはずだ。
大成功
🔵🔵🔵
宇冠・龍
由(f01211)と参加
目には目を、幽霊船には幽霊船を
怨霊相手であれば、死霊術士の私でも活躍できます
【談天雕竜】で百の幽霊船を、武器たる大砲と共に召喚
私は囮、幽霊船を指揮して敵艦を取り囲み、味方が船内部へと侵入しやすいようにします
百隻もありますからね、大火蜂が来ようとも、巨大船が艦隊を突破しようにも、ある程度の時間稼ぎは見込めましょう
大火蜂がこちらに誘導されおびき寄せられたら大砲の弾幕で迎撃
海上で落ちれば炎は消えます
(由、あとは頼みましたよ)
宇冠・由
お母様(f00173)と参加
私は空飛ぶ小さなヒーローマスク
空中戦と隠密行動なら大の得意ですわ
お母様が哨戒中の大火蜂と敵艦を引き寄せている間、舟内部へと侵入
そして侵入成功と同時に【七草仏ノ座】を使用、30Mの炎の鬼へと変身
200Mもある舟ですもの、レディの重さでも沈まない……女の子一人で船は沈みませんものね!
大火蜂は炎の妖
ブレイズキャリバーでもある私とは、純粋な火力勝負となりましょう
船上で暴れに暴れて、大火蜂をおびき寄せます
その手に収めては握り潰し、顔付近を飛び回るのであれば叩き落としお上品に踏みつぶします
私は全身地獄の炎。爆発程度ではすぐに修復してしまいますわ
水軍旗奪取は他の方にお譲りします
●亡霊艦隊戦
村上水軍の怨霊による力で、鉄甲船はどのような攻撃にも沈まない。正に、呪いの浮沈艦。しかし、そこで諦めてしまったら、幕府軍は数万という大被害を被ってしまう。
敵の船は物々しい造りだが、それでも亡霊が動かしていることに変わりはない。ならば、こちらも幽霊には幽霊で対抗してやろうと、宇冠・龍(過去に生きる未亡人・f00173)は自らもまた亡霊を呼び出した。
「悪鬼百鬼と数えれば、七転八倒列を成す……」
洋上に現れる無数の鬼火。それに伴い、霧の中から姿を現したのは、百隻もある幽霊船。個々の大きさでは鉄甲船に及ばないものの、数だけであれば圧倒的だ。
「目には目を、幽霊船には幽霊船を……。砲撃、開始です」
龍の指示で、幽霊船が一斉に砲撃を開始する。だが、木造の帆船であれば一撃で致命傷を与えられるであろう鉄の玉も、鋼の巨体を誇る鉄甲船には通用しない。
もっとも、それは龍とて最初から承知の上であった。自分の役目はあくまで囮。この場で敵を、可能な限り引き付けられれば、それでよい。
(「由、あとは頼みましたよ……」)
幽霊船団の指揮を執らねばならない以上、龍はその場から動けなかった。後のことは、混乱に乗じて船に乗り込んだ自分の娘に託しておこう。彼女であれば、きっと上手く立ち回り、他の猟兵達が水軍旗を奪取するのを助けてくれるはずだから。
●火炎鬼、大乱闘!
龍の呼び出した大船団が、鉄甲船を囲んでいる最中。混乱に乗じ、まんまと船内に侵入した宇冠・由(宙に浮く焔盾・f01211)だったが、彼女が目の前に現れたにも関わらず、亡霊たちは無表情に船を漕いでいるだけだった。
「富子様のためなら、え~んやこ~ら……」
「富子様のためなら、え~んやこ~ら……」
なんともやる気がなく、虚ろな表情。もしや、無理やりに従わされているのではないかと、少しばかり哀れになる。
だが、それでも彼らが恐ろしい海賊であることに変わりはなく、放っておけば幕府軍の障害となる。それに、船の周りにいた火蜂は倒せても、残りの火蜂が出てこないことから考えて、船内にはまだオブリビオンが残っている。
そんな由の考えは的中し、早くも四匹の火蜂が彼女の前に現れた。
「手加減は致しませんよ……」
瞬間、彼女の身体が炎に包まれ、瞬く間に巨大な鬼の姿を形作った。その身の丈は、30メートルは下らない。相手が炎なら、こちらも炎。純粋な火力とパワーの差で、一匹残らず叩き潰してやろう。
「さあ、行きますわよ。どこからでも、かかっていらっしゃい!」
鬼の姿が示す期待を裏切らず、由は船上で大暴れ。怨霊の力による修復がなければ、沈没は間違いなしな勢いで。
「……キィッ!」
まずは一匹、由に近づこうとした蜂が、平手で海の中へ叩き落された。ジュッ、という音がして、蜂は波間に飲み込まれ、そのまま二度と浮かんでは来なかった。
「まだまだ! 次、行きますわよ!」
今度は近くを飛んでいた蜂を捕まえて、そのまま力任せに握り潰す。続けて、顔の辺りを旋回していた蜂を手で払い除け、落下したところを踵で踏み付けて鎮火した。
「……ギ、ギィ……」
圧倒的な火力の差。最後の一匹は怯えた様子で、半ばヤケクソになって体当たりを慣行して来たが。
「……あら、それで終わりですの? 私は全身地獄の炎。爆発程度では、すぐに修復してしまいますわ」
爆発も炎も、今の彼女には通用しない。火蜂の羽を摘まんで持ち上げると、由はそのまま船の甲板に叩き付け、今度は爪先で踏み潰した。
「これで最後でしょうか? なんだか、随分と呆気なかったですわね」
ふと、水軍旗の方へ目をやれば、そこにはブラックタールが絡みつき、旗を降ろしにかかっていた。
「この調子なら、私達の役目も、ここで終わりそうですわね」
果たして、そんな由の考えは正しく、水軍旗を降ろされたことで、鉄甲船の亡霊たちが次々と消えて行く。後に残されたのは、水上に浮かぶ鋼の箱。無人の鉄鋼船だけが、何も言わず洋上に佇んでいた。
大成功
🔵🔵🔵🔵🔵🔵