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エンパイアウォー⑥~人は城、人は石垣

#サムライエンパイア #戦争 #エンパイアウォー

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●あざ笑うモノ
「あれが、幕府軍だねぇ~」

 信長の将の一人、弥助アレキサンダーの配下、『狂言』の源六は、嫌な笑い方をしながら、指揮下の農民たちに呼びかける。

「いいかい、君達。幕府軍は、兵糧を確保するために、徴収を行うつもりだよ。それこそ十万の大軍。君達の村の米や野菜などは全て持っていかれるだろうさ」
「そ、そんなことされたら、オラたちは生きていけねぇ…!」
「そうだ。だから、あいつらをやっつけよう。君達の手で君たちの大事な家族を守るんだ」
「お、おう!やってやるべ!」
「お侍さんなんかこわくねぇー!」

 源六の弁舌によって、農民たちの士気が一気に上がる。その様子を見て、源六はほくそ笑むのだった。

●関ヶ原の大戦
 グリモアベースに、猟兵達が集う。彼らの顔には一様に緊張が伺える。現在、サムライエンパイアにて行われている戦争に進展があった。猟兵達の活躍により、幕府軍は、東西の交通の要衝である関ヶ原まで進行した。だが、信長の配下である『第六天魔軍将』達の真の作戦はここからだった。彼らはそれぞれの持てる秘策を持って幕府軍を殲滅するつもりだった。ここからが真の戦いといえるだろう。

「集まってくれてありがと。早速だけどウチらの目標を伝えるわね」

 グリモア猟兵のカナタ・アマガが手元のホログラムキーボードを操作して、空中にサムライエンパイアの地図を投影する。各地に付けられているマークは、作戦進行中の場所を示している。その数と位置から今の戦いの規模が察せられる。

「各地で『第六天魔軍将』達の作戦を阻止して、何としても、幕府軍を島原まで連れて行くのよ!」

 やることははっきりしている。猟兵達は静かに闘志を燃やす。

「ウチらの担当は関ヶ原よ!」

 かつて神君家康公が天下を勝ち取った戦の舞台。そこは再び激戦の地となっていた。

「ここを守っているのは、『軍神』上杉謙信と『大帝剣』弥助アレキサンダーの軍勢よ」

 上杉謙信は軍神らしく自ら兵を率いて必勝の陣にて、猟兵達に苦戦を強いらせている。だが、それとは異なる脅威が、弥助アレキサンダーのファランクス部隊だ。弥助アレキサンダーは、『大帝剣』の能力によって畿内の農民を洗脳し、兵としている。彼の軍団は、隊長であるオブリビオンを中心に盾と長槍で隊列を組む密集陣形で、幕府軍の侍たちでは手がつけられない。そこで、猟兵が、敵陣を突破し、農民たちを指揮しているオブリビオンを倒す。それによって、農民たちの洗脳が解け、軍団は自然と崩壊していく、というわけだ。

「密集陣形を突破するのは容易じゃないわ。こっちにも策が必要になってくるでしょうね」

 隣の者を守るように盾と槍を組み合わせたファランクス陣形は容易には破れない。猟兵の力ならまとめて吹き飛ばすこともできるが、相手が元はただの農民である以上、強硬な手段はあまりとれない。敵を攪乱したり、動きを制限するような作戦が必要になってくる。

「みんなに負担をかけることになって申し訳ないけど、よろしく頼むわね」


夢月
 マスターの夢月です。サムライエンパイアの戦争もようやく本番という感じがしてきましたね。一歩ずつ勝利を目指して頑張っていきましょう。

 このシナリオは、「戦争シナリオ」です。
 1フラグメントで完結し、「エンパイアウォー」の戦況に影響を及ぼす、特殊なシナリオとなります。

 このシナリオでは、ファランクス陣形を突破して、ボスを倒すことになります。どのように農民たちを出来るだけ傷つけず、陣を突破するか、みなさんのアイデアをお待ちしております。

 それではよろしくお願いします。
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第1章 ボス戦 『嗤う厭魅師』

POW   :    人を呪わば穴二つ
対象のユーベルコードを防御すると、それを【召喚した対象の影姿で再現し】、1度だけ借用できる。戦闘終了後解除される。
SPD   :    呪殺符
レベル×5本の【即死】属性の【呪符】を放つ。
WIZ   :    蟲術
【猛毒】を放ち、自身からレベルm半径内の全員を高威力で無差別攻撃する。

イラスト:九廸じゃく

👑11
🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

種別『ボス戦』のルール
 記載された敵が「1体」出現します。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
 それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
 プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※このボスの宿敵主は御狐・稲見之守です。ボスは殺してもシナリオ終了後に蘇る可能性がありますが、宿敵主がボス戦に参加したかつシナリオが成功すると、とどめを刺す事ができます。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。

アーサー・ツヴァイク
※何でも歓迎、🔵過多なら不採用可

すげぇ能力だな…だが、統率を乱せば隙は出来る!

【アニマル・カーニバル】を発動。俺の武装から動物型ロボット・ケモノイドを召喚だ。今回はスライスネッカーから真紅のスネークケモノイド【ロート】、レイシューターから銀翼のイーグルケモノイド【ジルバ】の2体が主役だ。ロートは陣形に深く潜り込んで潜んでもらい、ジルバは上空から急襲して驚かして陣形を乱してもらう。他のケモノイド達も防御重視で敵陣をかき乱させるぞ。ファランクス陣形は人対人なら強いだろうが…UC製の動物相手にもきちんと機能するかな?
敵指揮官は陣形維持に集中するタイミングがあるはず…チャンスは一度だ、頼むぜロート!



関ヶ原の地において、島原を目指す幕府軍と、『第六天魔軍将』上杉謙信と弥助アレキサンダー率いる軍勢が激突した。

「進めぇ!」

 侍大将の号令と共に、幕府軍の先鋒が、鬨の声を挙げて、突撃する。迎え撃つは、畿内から集められた農民の兵達。

「き、きた…!」
「慌てるな!言われた通りにしたら大丈夫だべ!」

 農民達は、幕府軍の持つそれよりも遥かに長い槍と、丸盾を持って、密集陣形をとっている。幕府軍は槍衾の前に近寄ることが出来ず、鉄砲隊は、密集して迫ってくる異様な威圧感にまともに狙いをつける事が出来ず、後退するしかなかった。幕府軍にとっての未知の陣形、ファランクス陣形により、まともな戦線を維持することが出来ない。今は、後退する事で消耗を避けているが、このままでは大きな被害が出ることだろう。

「すげぇ能力だな…だが、統率を乱せば隙は出来る!」

 そんな無敵の陣形を崩すべく、アーサー・ツヴァイク(ドーンブレイカー・f03446)が挑む。

「頼むぜ!」

 アーサーの声に応えるように、彼のマフラー、スライスネッカーから、ケモノイド達が次々と現れる。彼らは、兵士の間を駆け回り、混乱を引き起こす。中でも銀翼のイーグルケモノイドのジルバが、 上空から躍りかかるように跳ぶと、ファランクスの陣形が、宙に気を取られ、乱れる。

「おちつきなさい!」

 源六が、指揮をとり、部隊を落ち着かせようとする。その隙を、真紅のスネークケモノイド、ロートが狙う。背後から忍び寄った蛇は、尻尾の棘で源六に一撃を加えるのだった。

大成功 🔵​🔵​🔵​

アカネ・リアーブル
連携歓迎

とても強力な陣形ですね
ですが、どのような陣形にも必ず弱点はございます
農民の皆様方に怪我などさせません!

この陣形は、よくも悪くも前方特化型
一気に近づきオラトリオの羽で空を駆けます
射程外でスカイステッパー
囮も兼ねて上空でダンス
歌を歌い桜色の花びらの形の紙片を撒きながら村人の気を引きます

呪殺符は第六感とフェイントで回避
できなければオーラ防御と激痛耐性で耐え抜きます
笑顔は忘れません
魘魅師の上空でUC解除
羽も使い一気に中央へ
ランスチャージで位置エネルギーを乗せて急降下
大ダメージを狙います
その後は2回攻撃で攻撃しつつ再び上空へジャンプ
攻撃を踊るように避けながらランスチャージ
空中戦を仕掛けます


メンカル・プルモーサ
ファランクス陣形……密集陣形のあれかぁ……
【愚者の黄金】より体格の良い兵士の黄金像を256体作成…
【浮かびて消える生命の残滓】により、黄金像に筋力ブーストして命を吹き込む……
これを16*16の密集陣形…つまりファランクス…を組ませて農民のファランクスとぶつける…と見せかけて激突直前に農民を【世界鎮める妙なる調べ】で眠らせるよ…
陣形が崩れたところで黄金兵士達に農民を回収・拘束して貰うね…

…さて、厭魅師の方は……【彩り失う五色の魔】で耐性を高めて…
呪符を【尽きる事なき暴食の大火】で受け止めつつ…周囲を囲むように発射して燃やしに掛かるかな…
あの農民達の洗脳を解くためにも…倒させて貰う…



「ファランクス陣形……密集陣形のあれかぁ……」

 メンカル・プルモーサ(トリニティ・ウィッチ・f08301)は、前方の陣形を観察する。アーサーのケモノイド達による混乱で、堅固な陣形も乱れている。こういった不測の事態に弱いのは、正規の兵ではないからだろうか。どの道、攻め時が来たのには変わらない。

「とても強力な陣形ですね。ですが、どのような陣形にも必ず弱点はございます。今ならば、確実に崩せます!農民の皆様方に怪我などさせません!」

 アカネ・リアーブル(とびはねうさぎ・f05355)は、この機を逃すまいと張り切っている。

「まぁまぁ、焦らずに…。仕込みはちゃんとしないとね…」

 メンカルは、そう言いつつ、黄金の兵士の像達を着々と創っていく。

「何をされるのですか?」
「こうするの…」

 メンカルが、三日月の杖を振ると、それらは命が吹き込まれ、動き出し、隊列を組む。それは相手と同じファランクス陣形だった。

「いって…」

 メンカルの命によって、進軍を開始する。

「アカネも参ります!」

 アカネは部隊の先頭に立って、突撃していく。

「な、なんだあれは!」

 源六配下の部隊は、混乱から立ち直ろうとしていた時、謎の軍団の出撃でまたも狼狽える。

「お覚悟!」

 アカネが跳躍。部隊の注意が彼女に向けられる。

「む、むかえう…!」

 アカネは歌を歌いながら、宙を舞う。桜色の花びらの形の紙片を撒きながら宙を自在に動くその姿に農民たちが目を奪われる。その間に、黄金の兵士たちが接近。

「なっ…」

 部隊同士がぶつかる、と突如最前列の者が倒れこむ。彼らは一様に、寝息を立てていた。

「な、急に…」

 メンカルの術によって、前線の兵達が次々と無力化されていく。倒れた農民達は、黄金の兵士達が、連れていく。

「だ、ダメだぁ!」

 わけも分からず、味方が倒れて、連れ去られていくのを見て、兵の士気は完全に崩壊した。

「くっ、おのれ!ここは引くしか…!」
「逃がしません!」

 源六にむかってアカネが空中から突撃する。呪符で迎撃しようとするが、

「あの農民達の洗脳を解くためにも…倒させて貰う…」

 メンカルによって放たれた白色の炎によって燃え尽きる。

「なんだとぅ!?」

 驚愕の声。アカネはそのまま、急降下。落下のスピードを乗せた一撃は、源六の肩に吸い込まれるように決まった。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

ヴィヴィアン・ランナーウェイ
アドリブ・連携歓迎

ふむ、さすがにこの壁のような軍勢をこの身一つで突破するのはしんどそうですわね。
しかも相手は農兵、操られているのであれば、こちらが脅しても引かないでしょう。

ですが、やりようはありますか。
●ダッシュで思いっきり敵陣に向けて突っ込みます!
さあ、このワタクシに道を開けなさいな!!
無策で突っ込んでる訳ではありませんわよ!自分の剣を手近な兵に放り投げ、ガードの体制を取らせます!
そしたらその盾を足がかりに、高く、跳ぶ!

敵の姿が視認出来ればUCを発動!
背後に周り、相手の動きが止まってるうちに槍を突き立てます!
望まぬ民草を戦に駆り立てるなど言語道断!ここで成敗してあげますわ!



 メンカルによって崩れた陣形の中を、ヴィヴィアン・ランナーウェイ(走れ悪役令嬢・f19488)はかけぬける。

「さすがにこの壁のような軍勢をこの身一つで突破するのはしんどかったでしょう。しかも相手は農兵、操られているのであれば、こちらが脅しても引かないでしょう。ですが、この好機!使わない手はないですね!」

 混乱する部隊の中を駆け抜けていく。

「さあ、このワタクシに道を開けなさいな!!」

 かろうじて侵入者に対応しようとする者もいるが、ヴィヴィアンは止められない。盾を足場にして、易々と源六の元へとたどり着く。

「おーっほっほっほ!私が、来ましたわ!!」
「やれやれ、これもつかわされるとわねぇ」

 源六は傷口を抑えつつ、袖から煙を出す。それは、毒の煙だった。

「おーっほっほっほっほっ!!そんなもの!!!」

 彼女の自信は光となって、煙を吹き飛ばす。

「望まぬ民草を戦に駆り立てるなど言語道断!ここで成敗してあげますわ!」

 その宣言通り、まっすぐな一撃を源六に叩きこんだ。

大成功 🔵​🔵​🔵​

トルメンタ・アンゲルス
陣形を組んでいるとはいえ、それは人。
なら、十二分に対処は出来ますね。

標的から1.5km程離れた位置から行きましょう。
周囲を囲んでいるなら、立ち塞げない位置から仕留めるまで!

力溜めし、全力でジャンプ!
空中で整えて、視力を生かし目標を捕捉!

避けれるなら、対応できるなら、してみやがれ――

ブーストを吹かし、空中で超スピードのダッシュ!
この先制攻撃で、黙らせてやるよ!

――追撃のォ! ブリッツランツェエエエ!!!

この亜光速の一撃からは決して逃がさん!
そのどてっぱら、蹴り穿つ!!



 トルメンタ・アンゲルス(流星ライダー・f02253)は、崩れてゆくファランクス陣形を遠方から眺める。

「陣形を組んでいるとはいえ、それは人。人ならば、十二分に対処は出来る、ということですね」

 彼女は、アーマーを纏い、クラウチングスタートの態勢をとる。

「距離1.5km、向かい風。軌道修正…GO!」

 一気に力を解放し、地を蹴る。それにブーストを展開。一気に亜音速へと到達する。トルメンタの突撃に、辛うじて陣形を保っていた農民達が、衝撃で吹き飛ぶ。

「くそっ…!」
「避けれるなら、対応できるなら、してみやがれ――」

 源六は、肩口の傷を抑えながら逃げようとするが、もう遅い。目くらましに呪符を張るのがせいぜいだ。

「――追撃のォ! ブリッツランツェエエエ!!!」

 高速の一撃。光となったそれは源六を呑み込んで彼方へと消えていく。

「…あれ?」
「おらたち…何してたんだ…?」

 それまで武器を持っていた兵や黄金の兵士につかまった農民達が、急に憑き物が落ちたようにぽかんとした表情になる。彼らの闘争は終わった。後は、幕府軍が、彼らを無事故郷に送り届けてくれるはずだ。しかし、恐るべき能力を持った弥助アレキサンダーは未だ健在である。彼を倒さなければ、このような闘争に巻き込まれる民が増えることだろう…。猟兵達の戦いは続く。

大成功 🔵​🔵​🔵​



最終結果:成功

完成日:2019年08月16日


挿絵イラスト