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エンパイアウォー⑲~傲慢なる侵略者

#サムライエンパイア #戦争 #エンパイアウォー #魔軍将 #コルテス

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 安芸の国、厳島神社。
 その男は、その社の中で一人座していた。
 その男は傲慢ゆえに、この世界の戦況に一切の興味を持っていない。
 だからこそ、その男は気付くことも、知ることも出来なかった。
 オブリビオンの天敵、猟兵が彼の背に迫っていることを。

 男の名はコルテス。信長に仕える魔軍将の一人である。

●傲慢なるものに鉄槌を
「皆様、魔軍将の一人、コルテスの所在がつかめましたわ!」
 グリモアベースにて、エリル・メアリアル(孤城の女王・f03064)が鼻息を荒げ猟兵達に声をかけた。
「信長に仕える魔軍将は、それぞれ一人一人が幕府軍を壊滅させるための企てをしておりますわ。その将を倒せたとなれば、この戦争もわたくし達の優位に立てるに違いありませんわ!」
 そう言うと、エリルはぐっと拳を握りしめた。
「コルテスの所在地は。厳島神社と呼ばれる神殿ですわ」
 厳島神社は古くから日本に存在する神社である。海上にせりだした社が特徴的だ。その神社の中で、コルテスは財宝の吟味を行っているようである。
「それにしても、このコルテスという男……なんと現在、猟兵の襲撃を受けるということをまったく予想していないようなんですわ!」
 それは傲慢ゆえの油断であろうか。数々の世界を滅ぼし、支配してきたその男は、自らの力を行使することはほとんどない。自らは安全圏で、今までに侵略した世界の力を使って侵略を行っていたということだ。
「さらに……なんと、コルテスは今、『戦い方』を忘れているそうなのですわ!」
 エリルが驚愕したように猟兵達へと告げた。それもそのはず、今までのオブリビオンといえば、油断や想定の誤り等はあれど、必ず戦うことを前提に、猟兵と対峙してきた。猟兵達と戦うことを忘れるということなどは前代未聞であった。
 そういった意味でも、コルテスという男は一線を画す存在であるとも言える。
「この油断はチャンスですわ! 予想が出来ないようなユーベルコードを用いれば、コルテスはその攻撃に対応することが出来ず、一方的に攻撃を行うことが出来そうですわ!」
 エリルが高らかに言う。しかし、これで安心ばかりもしていられない。
「真正面から切りかかるなんていう行動は予測されてしまいますし、一度似たような攻撃を受けてしまえば、コルテスは『戦い方』を思い出してしまいますの。戦い方を思い出したコルテスの反撃は苛烈……。つまり、二度同じ手は通じないと考えた方が良いですわ」
 その点、やはり魔軍将に数えられるだけの存在ということなのだろう。
「ちなみに、コルテスは何度死んで骸の海から蘇っても、自分が死んだことを認識できていないようなのですの。だから、皆様が対峙するコルテスは、すべての戦い方を忘れた状態ということですわね」
 つまり、コルテスの学習能力はこの戦いに限られるということだ。猟兵達にとっては利点とも言えるだろう。
「しかし、いくら相手が油断しているとはいえ、魔軍将は強敵……皆様、ご武運をお祈りしておりますわ!」
 そう言うと、エリルのグリモアが輝きだした。


G.Y.
 このシナリオは、「戦争シナリオ」です。
 1フラグメントで完結し、「エンパイアウォー」の戦況に影響を及ぼす、特殊なシナリオとなります。

 こんにちは。G.Y.です。
 今回は信長魔軍将が一人、コルテスを相手に戦っていただきます。

 必要な内容はすべてオープニングに記載されておりますので、よく読んだうえでプレイングをお送りいただければと思います。

 コルテスは毎回、戦い方を忘れた状態で猟兵と戦います。
 以前通用した手が通用する場合もありますが、この戦いの中で戦い方を思い出されてしまっている場合もあります。当シナリオでのリプレイをよく読んだうえでご参加いただければ幸いです。

 それでは、皆様の熱いプレイングをお待ちしております!
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第1章 ボス戦 『侵略渡来人『コルテス』』

POW   :    古典的騎乗術
予め【大昔にやった騎馬突撃を思い出す 】事で、その時間に応じて戦闘力を増強する。ただし動きが見破られやすくなる為当てにくい。
SPD   :    マスケット銃撃ち
【10秒間の弾籠め 】により、レベルの二乗mまでの視認している対象を、【マスケット銃】で攻撃する。
WIZ   :    奴隷神使い
【ケツァルコアトルの噛みつき 】が命中した対象を捕縛し、ユーベルコードを封じる。ただし、解除するまで毎秒寿命を削る。

イラスト:シャル

👑11
🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

種別『ボス戦』のルール
 記載された敵が「1体」出現します。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
 それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
 プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※このボスの宿敵主は💠山田・二十五郎です。ボスは殺してもシナリオ終了後に蘇る可能性がありますが、宿敵主がボス戦に参加したかつシナリオが成功すると、とどめを刺す事ができます。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。

テオ・イェラキ
何という不遜
その態度、清々しくて嫌いじゃないぜ
とはいえ、オブリビオンには滅んでもらうがな

戦闘開始直後に『大地に捧ぐ情熱の舞』を使用するぞ
この技は背面反りにより敵の攻撃を避け、戻る勢いに乗って斧でカチ上げるという攻防一体の技だ
より深く反れば反るほど大地のエネルギーを吸収して、より強くなるのだ!
貴様の短い記憶の中で、間違いなく見たことはあるまい!
うぉぉおおお! リンボゥッ!

アドリブ歓迎



 厳島神社の柱に波が打ち付けられる。
 その音とともに、どたどたと慌ただしい足音が社中に響いた。
「なんだ。騒々しいぞ下等生物ども。静かに黙って生きることも出来ないのか?」
 その男、コルテスは堂々と、何の警戒もせずにその場に現れた。
「これだから……」
 そう言おうとして、眼前に立つ大角の偉丈夫を見て言葉を止めた。
「何という不遜。その態度、清々しくて嫌いじゃないぜ」
 正面から堂々と告げた男の名はテオ・イェラキ(雄々しき蛮族・f00426)。背丈ほどもある巨大な斧を担ぎ上げるその姿に、コルテスは直感する。
「猟兵だと?」
「そう、猟兵だ。清々しいのは嫌いじゃないが、オブリビオンには滅んでもらうぜ」
 直後、テオがコルテスに向かって走り出した!
「ふん、猪が!」
 コルテスは即座にマスケット銃を抜き、弾を籠め始めた。戦い方を忘れたコルテスとはいえ、単純な真正面からの攻撃などは、予想に難くない。コルテスは弾を籠め終えると、銃口をテオへと向け、ためらうことなく撃ち出した。
「うぉぉおおおおおおお!」
 突如、テオが叫んだ。
「!?」
 面食らうコルテスをよそに、テオの上体が大きく反り上がった。
「リンボゥッ!」
 テオが叫ぶ。エビ反りになった上半身は、床スレスレまで反り返りながら、決して床につくことはない。
 そんなテオの上を、銃弾が通り抜けていった。
「な、なんだと!?」
 反り返ったテオの身体が、しなるバネのように勢いをつけて戻っていく。そして、その勢いを乗せて振り下ろされた巨大な斧がコルテスの頭部に直撃した!
「ぐ、おぉおお!!」
「この技は『大地に捧ぐ情熱の舞』。攻防一体の技だ。より深く反れば反るほど大地のエネルギーを吸収して、より強くなるのだ!」
「そ、そんなもの、知らぬぞ……!!」
 頭から血を流しながら、コルテスは後ずさる。
「そうだろうよ、貴様の短い記憶の中で、間違いなく見たことはあるまい!」
 そう言って、テオは斧を突き付けるのであった。

大成功 🔵​🔵​🔵​

ヨナルデ・パズトーリ
戦い方を忘れる等妾が知る奴も此処まで愚かではないな

妾の伴侶と同じ名を持つ者を此処まで辱めたのだ
滅びよ下郎!


海の傍にある厳島神社の『地形を利用』

『殺気』を抑え『迷彩』で『目立たない』様にし『水泳』で海中に潜み
『暗殺』の要領で隙を伺う

『野生の勘』と『第六感』も発揮し隙を『見切り』『高速詠唱』で己の司る
煙の『属性攻撃』を『範囲攻撃』で放ち視界を遮る『先制攻撃』

間髪入れずUC発動
高速飛行の 『空中戦』で肉薄し『怪力』により振るわれる『鎧無視攻撃』で傷をつけ
更に『傷をえぐる』様に『呪詛』の籠った『鎧無視攻撃』を再度叩き込む
『二回攻撃』を放つ

敵の攻撃は動きを『見切り』『第六感』に従いつつ『残像』で回避


ショコラ・リング
油断しているのならその隙に付け込むのが狩人というものでございます
他者を虐げ侵略、略奪する者には相応しい報いを受けて頂き、躯の海へお帰り頂きましょう

迷彩で身を隠しながら音が鳴らぬよう履物は脱ぎ、板の間は音がしやすいので、軋みそうな場所は第六感を使いながら避けて、射程距離まで忍び寄ります
皆様の攻撃の起点になるように、財宝の吟味をしている所を最小の動きで【神樹の矢】による死角からの奇襲で相手の五感を奪うのです
その後も迷彩を利用しながら相手の死角に回り込み、皆様の攻撃のタイミングに合わせてコルテスの気を反らすように援護射撃を行うのです



 猟兵の襲撃。それはコルテスにとって予想外の出来事であった。ましてや、自らが傷つき、血を流すことなどこの傲慢な男には到底予想できなかったであろう。
「こ、の……下等生物共が!」
 猟兵による一撃を受け、コルテスは怒りに身を震わせるが、同時に戦い方を思い出させるにも至っていた。もはや、正面切っての単純な攻撃はコルテスには通用しないだろう。
 だからこそ、死角を突いた攻撃が有効打となるのだ。
「他者を虐げ侵略、略奪する者には相応しい報いを受けて頂き、躯の海へお帰り頂きましょう」
 コルテスの背後から声がした。その声の主を見定める前に、コルテスの肩に一本の矢が突き刺さった。
「ぬっ……がっ……!」
 コルテスの五感の一つ、嗅覚が急速に失われていく。
 矢を放ったショコラ・リング(キマイラのアーチャー・f00670)はそれを確認すると、矢を番えながら再び柱の影へと身を隠す。
「戦い方を忘れる等妾が知る奴も此処まで愚かではないな」
 戦場に、別の声が響いた。コルテスは矢を引き抜きながら叫ぶ。
「どこにいる!?」
 その問いに対する返答はない。かわりに周囲に視界を遮る煙幕がコルテスを囲う。
 その煙の奥から水音がした。何かが水中から跳ね上がる音だ。
「特に、妾の伴侶と同じ名を持つ者を此処まで辱めたのだ。これほど愚かなことはない」
 煙の奥の影が、形を変えていく。翼を生やし、鱗に覆われた姿。それはコルテスの騎乗するケツァルコアトルを思わせる姿のようにも見えた。
 翼をはばたかせる少女の名はヨナルデ・パズトーリ(テスカトリポカにしてケツァルペトラトル・f16451)。
「……滅びよ、下郎!」
 ヨナルデはコルテスに急降下し、鋭い爪で抉るように引き裂いた。
「ぐぉおおお!!」
 視界を奪われ、頭上からの一撃はいまだコルテスの記憶には蘇っていなかったようだ。
 さらに、ただでさえ視界の悪い中、死角から矢が飛来する。おまけにその矢に刺されば五感の一部が奪われてしまう。
「おのれ! このようなこと……!」
 たちまちのうちに、聴覚、味覚、そして視覚が奪われていく。それらに、コルテスは対応しきれていないまま、徐々に無力化されていく。
「油断しているのならその隙に付け込むのが狩人というものでございます」
 ショコラが涼し気に言い放ち、もう一本、矢を打ち込むのであった。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

月夜・玲
戦い方を忘れる…か
おじいちゃんかな?
まあ冗談はさておき、奇策、絡め手が効くうちに出来る限り殴って削らせて貰うよ
色んな所を侵略してきたんでしょ、その報いは必ず受けてもらうからね

●戦闘
身を屈ませ『忍び足』で足音を殺しながら接近
接近したら《RE》Incarnationと空の記憶を抜剣して、エネルギーをチャージ開始
両剣を構え斬りかかるように接近しつつ、コルテスに剣戟が届きそうな所で方向転換すり抜けるように脇を通り過ぎる
そのタイミングで【エナジー開放】を使用
両剣にチャージしたエネルギーを開放してダメージを与えてよう
一見単純に見えて虚を突く戦法、そしてそのまま反撃を喰らわないように離脱だね!

アドリブ等歓迎



 幾度もの猟兵の攻撃を受けながらも、コルテスにはいまだに余裕が感じられた。
 それは傲慢の表れでもあったが、それと同時に自らの力量に対する自信でもあった。
 それは、油断さえなければコルテスは猟兵達にとってかなりの強敵となっている――それを証明するものでもあった。

「戦い方を忘れる……か。おじいちゃんかな?」
 月夜・玲(頂の探究者・f01605)はそんな冗談を言いつつ、足音を殺して接近していた。
 幸い、猟兵達の攻撃によって五感に不調をきたしているコルテスには、玲の姿を認識することが出来なかったようである。
「抜剣、エネルギーチャージ!」
 玲は静かに二振りの剣を抜くと、コルテスへ向かって走り出した。
 その姿に、コルテスも気付いたようであった。
「ふん、そのような攻撃など――」
 正面からの攻撃など、戦い方を思い出すまでもないが、それで痛い目にあった記憶もある。
 だからこそコルテスは、迎撃を行わずに攻撃を受けることを選択した。――のだが。
「方向修正!」
 玲の進路が逸れた。攻撃を受け止めようと構えたコルテスの脇を抜けるようにすり抜け、背後をとったのだ。
「なに!?」
「エネルギー解放、広域放射!」
 二振りの剣に籠められたエネルギーが、その言葉と共にコルテスへ向けて放たれた!
「なんだとぉおっ!?」
 虚をつかれたその一撃は、コルテスに見事に直撃した!
「一見単純に見えて虚をつく……どうかな?」
 返答を聞くまでもなく、玲は反撃を受けぬよう離脱するのであった。

大成功 🔵​🔵​🔵​

オスカー・ローレスト
【連携・アドリブ歓迎】
ぴぇ……侵略者……か……い、異世界にも、オウガみたいなやつがい、居るんだね……

あ、相手が油断してるなら、好都合、だよ。弓矢みたいに【夜雀の舞】を、ケツァルコアトルを含めた敵を対象にして撃ち込む、よ。お、俺は【視力】は良いから、海を隔てても狙える、はず。
こ、こっちを認識してないと駄目なら、目立たないように影からただの魔力の矢を撃ち込んで、撃ち手を認識させてから、UCを撃ち込む、よ(【暗殺】【目立たない】使用
目は見えなくても動けるだろう、から噛みつきは【野生の勘】で回避する、よ……

な、慣れてこないように、【暴風纏いし矢羽の乱舞】も、色んな方向から撃ち込む、よ。


バーン・マーディ
コンキスタドール…支配者か

貴様は勝利者なのだろう
常に支配し打ち勝ったのだろう

だが…下劣だな
敵を悪と断じ殺戮に一切の迷いを見せなかったか
それとも…今「そう」なってるのか
少なくとも今の貴様は(なぜかゆで卵を手に…殻を割り台の上に乗せる)
これに等しき下衆…(そしてその茹で卵を握り砕き…口に放る)
確かに貴様と我らは別の生物のようだな

【戦闘知識】で動きのキレを把握
【オーラ防御・武器受け】で攻撃を何度も受け止めるも傷を増やし

ユベコ発動
【カウンター・怪力・二回攻撃・吸血・生命力吸収】で反撃の後首に食らいつき血どころか肉さえ食い散らさんと

ふん…不味いな
貴様の血も肉も腐り切ってる
神の生贄にも劣る汚物よ!!!



「コンキスタドール……支配者か」
 堂々とした足取りで、バーン・マーディ(ヴィランのリバースクルセイダー・f16517)は戦場へと足を踏み入れた。
 見据えるのはコルテスただ一人。
「貴様は勝利者なのだろう。常に支配し打ち勝ったのだろう」
 そう言うバーンの眉間に皺が寄った。
「だが……下劣だな」
 そう言い放ったバーンに、コルテスは眉をぴくりと上げた。
 バーンは言葉を続ける。
「敵を悪と断じ殺戮に一切の迷いを見せなかったか……それとも……今『そう』なっているのか」
 この言葉は、オブリビオンという存在へとなったコルテスへ向けられた言葉であろう。その問いにもはや意味は無いが、バーンには問わずにはいられない。
 そんなバーンの手元には、小さな卵があった。ゆで卵である。
 バーンは殻を剥き、コルテスに見せつける。
「少なくとも今の貴様は……」
 そのゆで卵を、バーンは握りつぶした。
「これに等しき下衆……」
 バーンがそのゆで卵を口に放る。コルテスは怪訝な顔をバーンに向けた。
「何をしているのか、理解に苦しむな。やはり下等生物とは頭の出来が違うようだ」
「……確かに貴様は……我らとは別の生物のようだな」
 バーンはそう言い捨て、剣を構えた。

「行け」
 コルテスが騎乗したケツァルコアトルをバーンに差し向けた。
「ふんっ!」
 バーンは全身を漆黒の粘液で覆うと、ケツァルコアトルの牙をその身に受ける。
「やはり下等生物、いかに防御をしようとこいつの牙はお前に届く。それどころか、このような攻撃すら避けられぬとはな」
 コルテスが呆れたように言い切る。だが、バーンはその言葉ににやり、と笑った。
「そうかな?」
 直後、どこからか魔力の矢が、コルテス目掛けて撃ち込まれてきた。

 ――遡ること数刻前。
「ぴぇ……侵略者……か……い。異世界にも、オウガみたいなやつがい、居るんだね……」
 オスカー・ローレスト(小さくとも奮う者・f19434)は、社の外でそんな風に呟いた。
 視力の高いオスカーは、本殿から海を隔てた能楽堂の屋根の上を陣取ると、戦闘の状況をつぶさに観察していた。
「あ、相手が油断してるなら、好都合、だよ」
 この期に及んですら、敵は慢心をしているようだった。それは、コルテス本人の、本来の実力に裏打ちされた自信であった。事実、猟兵達は様々な手を使いながら戦うことを強いられている。同じ手は通用しないのだ。
 これまで仲間の攻撃は、既に様々な方法で行われている。その結果、敵もいくつかの戦い方は思い出しているようだった。
「し、死角、からの、攻撃……だけじゃ駄目……だ」
 そう考えていた折、バーンが現れた。
 バーンは攻撃を身に受けながら、反撃のチャンスを伺っている。
「……! 今、だ!」
 バーンはそう言うと、魔力の矢を引き絞り、放った。

 ――そして、現在。
「その攻撃は、既に思い出した」
 コルテスはほとんど動かないまま魔力の矢をかわし、オスカーを見ないままその方向へ指さした。
「何度もそのような攻撃が効くと思うな」
 コルテスは苛ついたように吐き捨て、ケツァルコアトルを差し向けようとした、その時だった。
『ピィーッ!!』
 鳥の鳴き声とともに、黒い蝶の群れが戦場に飛来してきた。
「なに!?」
 黒い蝶はコルテスを渦巻くように取り巻き、鱗粉を散らす。
「くっ、またしても!!」
 その鱗粉がコルテスの視力を奪う。今までに猟兵の攻撃によって、視界を奪う攻撃は受けている。だが、その攻撃方法は予想外であった。
「お、俺は確かにちびで、い、意気地無しだけど……ゆ、油断大敵、だよ……」
 遠方からオスカーがそう呟き、羽根を撃ち出す。
「想像力が足りないな」
 攻撃を受けるコルテスに、バーンが笑う。
「ふん! だがこの戦い方は思い出した!」
 視力を失ったはずのコルテスだったが、正確な指示でバーンへとケツァルコアトルを差し向ける。
「ぐぅうっ!」
 バーンがケツァルコアトルの牙を受ける。
「だがこれを待っていた!」
 これらの負傷はバーンの力になる。戦闘能力が上昇したバーンは剣を振るのではなく、首元へと食らいついた!
「なにぃぃ!?」
 コルテスの首元から血が噴きあがる。
「ふん、不味いな。貴様の血も肉も腐り切ってる……神の生贄にも劣る汚物よ!!!」
 バーンはべっ、と口内の血を吐き捨てた。

「や、やっぱり、強いな……。けど、あ、あと少し……」
 能楽堂から戦況を眺めながら、オスカーはそう呟いた。

成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​

ファリシア・グレイスフェーン
連携及びアドリブ歓迎
「さてと、とりあえず挑みに来たのはいいものの……こうも隙がないとどうしようもねぇな」
 一応ポーズとして武器は構えるものの攻めあぐねた態を装う。手にした杖と槍、どちらかを使って攻めようとするも仕掛けられない感じで
驕りこっちを甘く見てんなら好都合。まして俺は力を失ってて猟兵としては駆け出し同然だからせいぜい甘く見てもらおうかね。その上でクライシスゾーンを行使し、コルテスの後方にある無機物を竜巻に変えて攻撃
「俺の演技も捨てたもんじゃねぇ、かな?」
上手くいったなら怯んだところへドラゴンランスを投擲して串刺しにする。
「悪ぃな。俺に出来るのは――」
ケツァルコアトルには同じ神として同情的


シン・コーエン
コルテスがムカつく男なのは判った。
速攻で倒そう。

既に挑んだ猟兵と同様の攻撃は効き目が薄く痛烈な反撃が返ってくる、か。
では搦手から攻めてみよう。

UCで左手をブラックホール化。
吸い込み対象は『コルテスのマスケット銃及びそこから打ち出される攻撃手段全て』でコルテスの攻撃手段を奪う。
同時に【ダッシュ・ジャンプ・空中浮遊・空中戦・残像】で翼もUCも使わずに3次元的な高速機動を行い、残像による分身を生み出してコルテスとケツァルコアトルを幻惑し、隙を作る。

マスケット銃をブラックホールに吸い込んだ後、「つまらんガラクタを吸い込んだ」と嘯きつつ、【2回攻撃・衝撃波・念動力による衝撃・風の属性攻撃】で斬り捨てる!



「はぁー……はぁー……」
 これまで幾度となく猟兵達の攻撃を受けてきたコルテスは、もはや立っていることすら奇跡というほどの傷を受けていた。
「だが、これまでの戦い……すべて、思い出した」
 それでもコルテスはまだ勝利を確信している。コルテスはすべての戦い方を忘れていた。だが、裏を返せば、戦い方を思い出しさえすれば、相当の強敵であることを意味している。
「コルテスがムカつく男なのはわかった」
 シン・コーエン(灼閃の・f13886)が呟く。
「とりあえず挑みに来たのはいいものの……こうも隙がないとどうしようもねぇな」
 その言葉に頷きながら、ファリシア・グレイスフェーン(降風のファルファリシア・f18261)は息をついた。
「既に挑んだ猟兵と同様の攻撃は効き目が薄く痛烈な反撃が返ってくる、か」
 シンがファリシアの言葉を受けて腕を組む。
「では、搦め手から攻めてみよう」
 そう言うと、シンはその左腕をブラックホールへと変化させた。
「さて、俺はどうしたもんか……」
 対してファリシアは槍を構えながらも、戦い方を考えている様子であった。
「そのような態度で私に挑もうとは、とんだお笑い草だな」
 コルテスはそんあファリシアを嘲笑う。
 実際、彼は過去に封印された経験から、現在では力をほとんど失っている。今までに戦闘に参加したどの猟兵よりも、現在の実力は低いだろう。
 だが、今はそれで良い。
「せいぜい、甘く見てくれよ」
 ファリシアがにやりと笑った。その直後――。
 激しい竜巻が、厳島神社の本殿で渦巻いた。様々な品が巻き込まれ、コルテスも引き込まれる。
「な……!?」
「お前の背後の宝物を竜巻に変えてやったぜ、俺の演技も捨てたもんじゃねぇ、かな?」
 だが、その答えは予想外のものであった。
「大いなる神、偉大なる王、麗しの姫君への宝物が!!」
 その発生源がコルテスの宝物と知るや、コルテスは声を荒げた。
「おいおい、俺も一応神なんだがな」
「黙れ! 何が神だ、下等な猟兵が!」
 ファリシアの言葉に、コルテスが激昂する。
「こちらを無視するな!」
 竜巻の中へシンが向かっていく。
「そのような攻撃ならば!」
 コルテスがシンへ向けてマスケット銃を放った。
 その銃弾を、シンは左手で払う。すべての銃弾がブラックホールの中へと吸い込まれていった。
 シンはその勢いのまま、左手を突き出す。
「!!」
 コルテスのマスケット銃が吸い込まれていく。
「つまらんガラクタを吸い込んだ」
「つまらん、だとぉ!?」
 武器を奪われ怒りに震えるコルテスを前に、シンはそのまま突っ込まず、残像を発生させながら周囲を飛び回る。
 右に、左に、上に下に。念動力を用いての飛翔はまるで物理法則を無視したような動きで、翼などもないシンの動きにコルテスは翻弄される。
「くっ、予測が出来ん……!」
「食らえ!」
 シンの剣が煌めく。念動力によって集めたファリシアの竜巻を纏わせ、コルテスへと振り下ろされた!
「ぐぁあああっ!!」
 その一閃は、この戦いを決着させる決定打となった。
 白目を剥くコルテスとともに、ケツァルコアトルもまた力を失い、弱っていく。その様子を見ながら、ファリシアが槍を構える。
「悪ぃな。俺に出来るのは――」
 そう言って、ファリシアは槍を投げた――。

 胸を貫いた槍が刺さったまま、コルテスは倒れ伏した。
「終わったな」
 シンが剣をしまい、消えてゆくコルテス達を見下ろした。
「あぁ……」
 ファリシアが俯き気味に答え、コルテスから槍を引き抜く。そして、ケツァルコアトルに目を向けた。
「同じ神として、同情するよ」

 こうして、一つの戦いが幕を閉じた。
 信長魔軍将の一人、コルテス。傲慢な侵略者の侵略行為は、ここで終わりを告げるのだ。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​



最終結果:成功

完成日:2019年08月13日


挿絵イラスト