エンパイアウォー⑲~征服者は誤算する
●傲慢なる侵略者
竜の如き生物に騎乗した男は、海上に立つ荘厳な鳥居の上に降り立った。
「ここならばくだらぬ伝令どもも寄り付くまい」
サムライエンパイアを睥睨する眼差しに、虫けらを見るほどの感情のかけらも見当たらない。その視線が興味の色を注ぐのは、手元に抱えた財宝の類のみである。
深紅の玉を日に透かすように掲げ、男は呟く。
「下等生物どもの存在価値は、財を蓄えるのに熱心だという一点のみだな。侵略して滅ぼしてきた世界の戦力を利用すれば、制圧も容易い。戦況などどうでもいい、私たちコンキスタドールは後方で構えておれば万事うまくいくというものだ」
垂れ流される独白に宿るのは、傲慢、過信、油断。
侵略者にかしずくことを余儀なくされた竜は、虚脱と諦観を窺わせる瞳を静かに伏せた。
●グリモアベース:ゲネ
「侵略渡来人『コルテス』の所在が判明した! 決戦いくぞ!」
ゲネ・ストレイ(フリーダムダイバー・f14843)は威勢よく猟兵に呼びかけ、ホロモニターに、海上に佇む鳥居と対面する巨大な社殿を映し出した。
「敵の拠点となっているのは、ご存知厳島神社だ! 腹たつことに、社殿の屋根やら鳥居の上やらで文字通り高みの見物ってご身分みたいだな」
だがこれは大いに使える、とゲネは予告する。
侵略渡来人の名の通り、コルテスは様々な世界を侵略し滅ぼしてきた。しかし自身の力で戦ったのは最初の数度のみ。以降は『侵略して滅ぼした世界の戦力』を利用して、安全圏から楽しく侵略と虐殺を繰り返してきたのだ。
すなわち、コルテスは自分が直接攻撃される事を、全く想定していない。
戦闘の仕方を忘れているのである。
「つまり、奴には戦いの勘がない。普通のわかりやすい攻撃ならまだしも、予想できないようなユーベルコードの攻撃を喰らうと、一方的に蹂躙されてしまう、というわけだ」
どうやらこの男、撃破されて骸の海から蘇っても、自身が撃破されたことを認識することができない、という特殊な欠点を持っているようだ。
そのため、『慢心から油断しており、戦いに不慣れである』という状況が骸の海から復活するたびに起きているらしい。
ただし、正面から斬りかかったり、ごくごくありがちな正拳突きや、工夫のない属性魔法などの予想しやすい攻撃、また直近に似たような攻撃方法を既に受けている場合には、激烈な反撃が返ってくるので注意が必要だ。
「ま、なんにせよ、要は油断しまくってるってことだ。この油断に付け込んで上手く工夫できればとても有利になるが、できなければものすごく不利になる、という両極端な戦いになるな」
ゲネはモニターに表示したコルテスの顔を上書きするように、転送術式をびっしりと展開した。
「本来なら他の魔軍将にも匹敵する強敵だが、油断してくれているならこれに付け込まない手はない。相手の度肝を抜くユーベルコード攻撃で、ヤツに思い上がりの代償を支払わせてやってくれ!」
そらばる
エンパイアウォー、魔軍将決戦。
荘厳なる厳島神社にて、侵略渡来人『コルテス』を討ち果たしましょう!
●概要
このシナリオは、「戦争シナリオ」です。
1フラグメントで完結し、「エンパイアウォー」の戦況に影響を及ぼす、特殊なシナリオとなります。
●特殊ルール
侵略渡来人『コルテス』は本来強敵ですが、かなり油断しています。
そのため、予想できないようなユーベルコードの攻撃が非常に有効です。
シンプルな内容のユーベルコードでも、敵の虚をつくような運用ができれば十分有効打となるでしょう。
一方、正面から斬りかかる、わかりやすい正拳突き、工夫のない属性魔法など、予想しやすい攻撃を普通に使ったり、当シナリオ中にすでに似たような攻撃方法を受けている場合は、
「その攻撃は、既に思い出した」
というようなことを言って、激烈な反撃を返してきます。
●注意点
ケツァルコアトルを隷属させ、乗騎にしています。
ケツァルコアトルには呪いがかかっており、コルテスの敵と全力で戦います。仲間にもできません。
執筆の進捗やプレイング締め切りなどは、マスターの自己紹介ページで呟いております。目安にお使いください。
それでは、皆さんの自由なプレイングをお待ちしています!
第1章 ボス戦
『侵略渡来人『コルテス』』
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POW : 古典的騎乗術
予め【大昔にやった騎馬突撃を思い出す 】事で、その時間に応じて戦闘力を増強する。ただし動きが見破られやすくなる為当てにくい。
SPD : マスケット銃撃ち
【10秒間の弾籠め 】により、レベルの二乗mまでの視認している対象を、【マスケット銃】で攻撃する。
WIZ : 奴隷神使い
【ケツァルコアトルの噛みつき 】が命中した対象を捕縛し、ユーベルコードを封じる。ただし、解除するまで毎秒寿命を削る。
イラスト:シャル
👑11
🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵
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種別『ボス戦』のルール
記載された敵が「1体」出現します。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。
| 大成功 | 🔵🔵🔵 |
| 成功 | 🔵🔵🔴 |
| 苦戦 | 🔵🔴🔴 |
| 失敗 | 🔴🔴🔴 |
| 大失敗 | [評価なし] |
👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。
※このボスの宿敵主は
「💠山田・二十五郎」です。ボスは殺してもシナリオ終了後に蘇る可能性がありますが、宿敵主がボス戦に参加したかつシナリオが成功すると、とどめを刺す事ができます。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。
猫屋敷・ミオ
「うおおおおお!奇襲で意表を突くであります!」
という考えのもと、考え無しに正面から突撃をして速攻をしかけます。
そのまま馬鹿正直に殴り掛かる…ぐらいの勢いですが、ある程度近づくと唐突に動きを止めたのち鞄から折り畳まれた新聞紙、紙鉄砲を格好良く抜き取り全力で振り抜きUC【ビッグパァァァァァン】を発動させ攻撃します。
速攻をかけるのは、一応無差別範囲攻撃に味方を巻き込まないようにという考えもあります。
成功しても失敗しても後の味方の迷惑にならない様に退却します。
「あ、最後に一つだけ。自分は猫屋敷ミオ、普通に人間であります!下等生物という名前の種族ではないであります!」
言いたい事は言っておきます。
●紙の底力
鳥居の上に目標を発見した瞬間、猫屋敷・ミオ(世界を股に掛ける旅商人・f20078)はテンションを爆発させた。
「うおおおおお! 奇襲で意表を突くであります!」
やったらあかん、の最上級、考え無しの正面突撃速攻!
「……何がしたいのだ、下等生物めが」
侵略渡来人『コルテス』は、意表を突かれるどころか鷹揚に反応し、煩げにマスケット銃をミオに差し向けた。
ミオはなおも馬鹿正直に殴り掛かる――かに思わせて、間合いに入るより手前で唐突に足を止めた。即座に華麗な動作で鞄の中から抜き取ったのは、折りたたまれた新聞紙!
「なんだ? そのクズ紙は」
奇妙な行動に引き金を引き損ね、コルテスは胡乱げに顎を上げた。
見る者が見れば一発でわかる、だが、知らぬ者にはただの三角折りにしか見えぬだろう折り新聞紙。
その名は……紙鉄砲である!
「――究極兵器! ビッグパァァァァァンッ!!」
颯爽と振り抜かれた紙鉄砲が甲高い破裂音を響かせた!
瞬間、その音は凄まじい衝撃波となって周囲の空気を無差別に揺るがした!
「ぐ、ぬおおぉぉぉぉ――っ!?」
まさか紙が武器になるなど想像もしていないコルテスは、ケツァルコアトルもろとも強力な一撃に弾き飛ばされ、あっけなく海に墜落した。
「よし、成功であります! では自分は皆さんの迷惑にならないよう、退却しますので!」
味方を巻き込むまいとする速攻からの無差別攻撃、からの速やかな撤退。
が、踵を返して駆け出そうとしたところで、ミオはふと思い立ったようにコルテスを振り返った。
「あ、最後に一つだけ。自分は猫屋敷ミオ、普通に人間であります! 下等生物という名前の種族ではないであります!」
言いたいことをスカッと言い放ち、ずぶ濡れのコルテスの屈辱の睨みを平然と流して、ミオは颯爽と戦場を後にしたのだった。
大成功
🔵🔵🔵
愛久山・清綱
むむ、戦い方を忘れたのか。残念。
では折角なので、居合の技を御見せ致す。
■闘
敵から少し離れた場所で、刀に手をかけ居合の構え。
そこから刀を抜かず、素手で「居合を放つような腕の動作」を見せる。
相手が俺を「抜刀すら出来ない間抜けな剣士」と見なし、
更に油断させることができれば致命打の好機。
何故なら、あの「居合を放つような動作」を見せた時から
UCは発動している。
俺の奥義【無刃】がな。
この技は「刀を振るうような動作」を見せた相手を突如現れる
斬撃波で断つ技……『抜かずの太刀』でござる。
■他
万一に備えケツァルコアトルの動きは【野生の勘】を
働かせ注視、襲ってきたら攻撃を【見切り】つつ後方へ
【ダッシュ】し全力退避。
●抜かずの太刀
「むむ、本当に戦い方を忘れたのか。残念」
先のコルテスの戦いぶりのていたらくを見て、武人たる愛久山・清綱(飛真蛇・f16956)は軽く嘆息をついた。
海上に飛翔したケツァルコアトルの背で、コルテスは海水を振り払いながら清綱を睨みやった。
「奇策なぞ下策と同義。いかにも下等生物らしい苦し紛れのイカサマだな」
「ふむ。では折角なので、居合の技を御見せ致す」
清綱は浜辺に立つと、刀の柄に手をかけ居合の構えをとった。
達人の見事な体捌きによる、抜刀――では、ない。振り抜かれた素手に、刀は握られていない。
コルテスは極寒の眼差しで清綱を見下す。
「抜刀すら出来ぬ間抜けな剣士か。……何がしたいのだ」
先にも口にした疑問を繰り返し、コルテスは銃を抜く価値さえないとばかりに無造作にケツァルコアトルの腹を蹴った。たちまち急降下するケツァルコアトルの牙が、清綱へと襲い来る――!
不用意に獲物をしとめにかかる行為。それは、油断の上に油断を重ねる、致命打の好機。
食い入るようにケツァルコアトルの動きを注視する清綱の視線上で、刹那、誰が放ったともしれぬ剣閃が疾った。
「何――!?」
コルテスは咄嗟に手綱を引くが、すでに遅し。閃く斬撃が、嵐となって人馬一体のコルテスとケツァルコアトルを襲う――
「がああぁぁぁッ……な、ぜだ!?」
見えぬ斬撃に全身を斬りつけられながら呻くコルテスに、清綱は静かに答えを提示した。
「奥義、【無刃】。「刀を振るうような動作」を見せた相手を突如現れる斬撃波で断つ技……『抜かずの太刀』でござる」
そう、「刀を抜き損ねた」ように見えたあの仕草をコルテスが目撃した瞬間に、すでに技は成っていたのだ!
「またしてもペテンか……!」
斬撃の嵐の力場を命からがら抜け出たケツァルコアトルは、その勢いのまま清綱へと襲い掛かった。しかし清綱は身軽なフットワークで後方へと全力で退避し、その牙を決して届かせない。
傷ついた翼を翻したケツァルコアトルの背には、悔しげに歯噛みするコルテスの姿があった。
大成功
🔵🔵🔵
花凪・陽
アドリブ連携歓迎
あなたみたいな外道は本当に大っ嫌い
ケツァルコアトルにもその子供にも酷い事をして……
更に私の故郷も侵略しようとしてる
そんなの絶対許さない!
私は【フォックスファイア】で出した狐炎のうち半分を炎の矢のように撃ち出すよ
これは単調な属性魔法に見せかけた囮
残り半分はこっそりとコルテスの死角へ回していく
このままだときっと反撃されちゃうよね
そうなる前に残り半分の狐火に【属性攻撃】を乗せて【だまし討ち】を仕掛けるよ!
さっきよりも威力も勢いも増した攻撃、上手くだまし討ちとして成り立つといいんだけど……
あとはケツァルコアトルの噛みつきにも注意しないと
戦闘中も【情報収集】を欠かさずに敵の攻撃に備えるね
薬師神・悟郎
予め苦無を複製
罠使い、武器改造で40本に爆薬を仕込み目立たない、迷彩、地形の利用で隠しておく
幾つもの耐性とオーラ防御で備え、矢を番いコルテスに殺気を放つ
本命の攻撃だと錯覚させ注意を引く
第六勘、野生の勘、戦闘知識でタイミングを計り、存在感を消した苦無でコルテスの背後から強襲、だまし討ち、一斉発射、投擲
残りの苦無には炎と雷の属性を纏わせ、先に投擲した苦無に向かい早業、追撃、属性攻撃
敵に着弾すると同時に爆発するよう見計らい範囲攻撃、二回攻撃、目潰し
怯めば視力、暗視、スナイパー、暗殺で銃を狙い、武器落とし
又は部位破壊で腕を使えなくしてやる
どうした?笑えよ
エンパイア人など大したことないんだろ?このド阿呆
上野・イオナ
カッコいいドラゴンをこんな酷いことにして本人はコレとか本当に許せない。仔竜も傷付けたし、コイツにだけは1発くらわせたいね。
【2Dキャラクター】
コルテスだってさすがに平面人間は見たことないでしょ!本当は戦闘用じゃないから僕が囮になってる間に平面特有の横から見た時の見ずらさで接近、1発ナイフ刺して貰おう。それで隙ができたなら僕も1発斬って無理そうなら離脱かな。
●囮
「カッコいいドラゴンをこんな酷いことにして本人はコレとか、本当に許せないな。仔竜も傷付けたし、コイツにだけは一発くらわせたいね」
上野・イオナ(レインボードリーム・f03734)はひとりごちると、密かにユーベルコードを解放したのち、声を張り上げた。
「こっちだ、侵略者! ヒトばっか使ってないで、少しは自分で働きなよ!」
「次から次へと……下等生物の分際でコンキスタドールの手を煩わせようとは、片腹痛い」
コルテスはうんざりした様子で、ケツァルコアトルの首を返し地上を見やった。
「……あなたみたいな外道は本当に大っ嫌い」
人を人とも思わぬ、神すら隷属させて憚らぬ傲慢な侵略者を見上げ、花凪・陽(春告け狐・f11916)はきっぱりと声を上げた。
「ケツァルコアトルにもその子供にも酷い事をして……更に私の故郷も侵略しようとしてる。そんなの絶対許さない!」
叫ぶように叩きつける陽の周囲に数多の狐炎が浮かび上がり、一斉に撃ち出された!
「煩い羽虫どもだ」
言葉の意味をかみ砕く価値もないとばかりに切り捨て、コルテスは手綱を引いた。ケツァルコアトルは瞬時に身を翻し、翼と尾の回転で狐火を軽々と打ち消した。
「この程度の単調な魔法、とうに思い出している。――死ね」
ケァァ! 甲高い一声を放つや、凄まじい速度でケツァルコアトルが身構える陽へと迫り、凶悪な顎を開く――!
「――――っ!?」
突如横合いから差し込んだ強烈な殺気に、コルテスが身を凍らせ、ケツァルコアトルは翼を激しく羽ばたかせ空中で急停止した。
……地上から狙い澄ます、スナイパーの眼差し。
弓に番えた矢でコルテスを狙う、薬師神・悟郎(夜に囁く蝙蝠・f19225)の殺気だった。身を鎧う幾つもの耐性、堅固なオーラ防御。往時の戦場に引き戻されるような、本物の殺意……
その衝撃に身をすくめた瞬間が、最大の隙となった。
無防備なコルテスの背に突如迫りくる、熱と赤い光。
「……ぐあぁッ!?」
完全に虚をつかれ、振り返る暇もなかった。それまでのものとは威力も勢いも桁違いの、死角からの狐火の雨に、背中を焼かれのけ反るコルテス。瞬時にして術者へと視線を転じる。
「お前か……!」
「上手くハマってくれたね! 悪いけど、さっきの狐火は囮だよ!」
陽は初めから全ての炎を直接ぶつけようとしたのではない。半数ほどの本命を、こっそりとコルテスの死角に回して機を窺っていたのだ!
「小細工を……下等生物の分際で……!」
延焼に巻かれながら態勢を立て直そうとするコルテスの目前で、ひらり、と薄っぺらな何かが躍った。
それは一見して、一本の縦線のように見えた。が、風に吹かれるように翻ると、実は平面状の何かなのだと判明する。見る者が見れば一発でわかる、レトロゲームのスパイキャラ。しかし知識のない者には、カラフルな四角形を並べたモザイク絵でしかない。
コルテスは事態を呑み込めぬまま、気づけば、2Dキャラクターの大雑把な造形の手によって腹部にナイフの一刺しを受けていた。
「……なん、だと……っ?」
「侵略渡来人って言っても、さすがに平面人間は見たことないでしょ!」
あまりの驚愕に硬直するコルテスの背後に舞い上がり、イオナは無防備な背中に刃を叩き込んだ!
「がはぁッ! ぐ……貴様……!」
連続する激痛に我に返り、コルテスは金属質な素材に覆われた腕で背後を薙ぎ払った――が、颯爽と離脱する翼を捉えることなく空を切ってしまう。
入れ替わりに、背後を振り向いたコルテスの目に映ったのは、己を包囲するように殺到してくる、数多の黒く鋭い影だった。
「何――!?」
いつの間に、と声を上げる間もなく飛来する物体の集中攻撃を受けるコルテス。着弾と同時に爆発し、小規模な爆発が連鎖する……!
ケツァルコアトルは飛翔し、正体の見えない爆発からまろぶように飛び出した。そうしてようやく、コルテスは己を次々と追尾してくるそれが自在に宙を飛ぶ苦無であることを悟った。
あらかじめ複製し、爆薬を仕込んで社殿や周辺地形に潜ませておいた、悟郎の苦無である。
「……あの殺気も囮か……!」
再度翼と尾で苦無を打ち払おうと、コルテスがケツァルコアトルの身を翻させた――瞬間、さらなる苦無が別方向から飛来し、炎と雷を帯びてコルテスに殺到した――!
巻き起こる爆発、閃く雷撃、燃え上がる炎。コルテスの絶叫とケツァルコアトルの悲鳴が、空に響き渡る。
地上にいながらにして全ての苦無が命中した手応えを感じながら、悟郎は類まれな視力で爆風の中に動く影を見極め、つがえたままの矢をついに解き放った――!
片腕を射抜かれ、獣の咆哮の如き絶叫を上げるコルテス。
「どうした? 笑えよ」
二重三重のだまし討ちで追い込まれたコルテスを、悟郎は冷たい眼差しで見据える。
「エンパイア人など大したことないんだろ? このド阿呆」
「……ッ」
激痛に声もないコルテスの瞳は、屈辱にまみれていた。
大成功
🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵
ランゼ・アルヴィン
コイツはまたウザってえ男が出てきたもんだな
んなことより『麗しの姫君』に関してもうちょっと詳しく!
とりあえずてめえをボコってから聞き出すとするぜ
●戦闘
相手が龍に乗ってるってなら、こっちも騎乗で対抗だ!
……と見せかけてフェイントだな
宇宙バイク『超ランゼ号』で爆音を立てて注意を引きつつ、ジャンプ機能で竜に騎乗しているコルテスを強襲!
こっちを迎撃しようとした所でバイクから跳躍するぜ。バイクは勢いのままに突撃させる
そのまま敵がバイクに気を取られた所で全力のユーベルコードを叩き込んでやるよ
ま、どうせコイツは壊れるのも慣れっこだしな。また修理すりゃいいか
「はっ!この程度で騙されるようなやつが油断してんな!」
●人馬一体の落とし穴
「コイツはまたウザってえ男が出てきたもんだな」
宇宙バイク『超ランゼ号』に跨ったランゼ・アルヴィン(乱世に轟く・f06228)は、軽くエンジンを吹かして見せた。
コルテスは傷ついた腕を抑えながら、ランゼを睨みつける。
「虫のように次から次へと湧いて出る下等生物が言えたことか」
「言うねぇ。んなことより『麗しの姫君』に関してもうちょっと詳しく!」
「――死ね」
軽薄な問いかけへの返礼は、冴え冴えとした殺気だった。ケツァルコアトルが翼を縮め、一本の矢のように猛然と襲い来る――!
ランゼはスロットルを大きく回し、エンジン音を鋭く轟かせた。
「そうかい。なら、とりあえずてめえをボコってから聞き出すとするぜ」
敵が竜騎ならばこちらも騎乗で対抗とばかりに、爆音を立てながら超ランゼ号で疾駆するランゼ。突っ込んでくるケツァルコアトルへ、むしろ己から正面突撃を仕掛ける……!
「愚かな」
あまりにも無謀すぎる強襲に、コルテスは慈悲のない一撃をケツァルコアトルへと命ずる。竜の牙が、飛び込んできたランゼをバイクごと容赦なく捉え――
牙が届くその瞬間、ランゼの姿がバイクの上から消えた。
「なに!?」
驚愕するコルテス。
バイクが噛み砕かれる音より上方、高々と跳躍する人影が一つ。
「はっ! この程度で騙されるようなやつが油断してんな!」
ランゼの手に閃く黒剣ラススヴィエートが、封じられていた太陽の炎を纏い、竜の背のコルテスを斬り捨てる――!
焼けつく袈裟斬り。一拍を置いて、コルテスの全身を灼熱の炎が取り巻いた!
「ぐ――がぁぁぁああぁぁ!」
敵の悲鳴を聞きながら、ランゼは素早く竜の背上から地上へと退く。
ケツァルコアトルの足元には、スクラップと成り果てた愛機が転がっている。
「ま、どうせコイツは壊れるのも慣れっこだしな。また修理すりゃいいか」
ランゼはラススヴィエートを豪快に担ぎあげ、飄々と肩をすくめた。
大成功
🔵🔵🔵
テラ・ウィンディア
なんだろう…こいつら…ものすっごく始末しないといけない気がしたぞ!
こう…おれ達を思いっきり奴隷とかにしそうなそんな予感さえする!(エルフの勘
事前
社の構造の把握
【戦闘知識】で己と敵の立ち位置の把握
(剣も槍も中々の値打ち物でありあえて見せる。)
…ぅ…(あえて怯えた様子を見せ)
…し、知ってるぞ…お…わたしの一族…皆殺された…お、お前達に…!(そして逃げ出す
【第六感・残像・見切り】を駆使して可能な限り追撃を避け乍ら周囲を把握して死角になり得る所へと向かい
残像を残し【空中戦】で飛び制空権を取れば
メテオブラストぉ!(不意打ちからの怒濤の踵落
狩る方は狩られる覚悟もしな!
【踏み付け】で破壊力強化
どんな気分だ?
ウィルヘルム・スマラクトヴァルト
安全な場所から侵略や殺戮を楽しむとは……外道め!
必ずや、討ち果たしてやる!
UC【ハイパー・ガーディアン・モード】を発動して、
高速でコルテスの背後に回り、「怪力」で羽交い締め。
最高速の時速4300m≒マッハ3.5で、3秒かけて上空約1.2Kmまで
飛翔したら、頭を下にして同じ速度で急降下。
コルテスの頭を、地面に叩き付けます。
敵UCについては、速攻を仕掛けて騎馬突撃を思い出す暇なんて与えません。
通常攻撃については、緑の大盾による「盾受け」や
緑の斧槍による「武器受け」で止めて、
それでも当てられたら「オーラ防御」や「激痛耐性」で耐えます。
●音速と重力
コルテスの姿を一目見たテラ・ウィンディア(炎玉の竜騎士・f04499)は、戦慄した。
(「なんだろう……こいつら……ものすっごく始末しないといけない気がしたぞ! こう……おれ達を思いっきり奴隷とかにしそうなそんな予感さえする!」)
それは、理屈では説明できないエルフの勘だった。
度重なる戦傷に手綱さばきも怪しくなり、知らず知らずのうちに高度を下げていたコルテスは、テラの両手に構えられた武具に目を留めた。
「ほう……」
どちらも、遠目にもなかなかの値打ち物とわかる一品。
「……ぅ……」
明らかに獲物を定めたコルテスの眼差しに、テラは身を竦ませた。
「……し、知ってるぞ……お……わたしの一族……皆殺された……お、お前達に……!」
震える声で言い放つや、なんと、脱兎の如く逃げ出すテラ。
「かつて征服した地の生き残りということか……面白い」
得意の一方的な狩りができると、コルテスは素早く装填した弾丸を次々に発砲した。空から降り注ぐ銃弾を、テラは残像を描いて紙一重で回避していく。
傍から見れば、片や遊び半分、片や命からがらの、一方的な蹂躙。しかし、テラの様子にしかと気を払えば、その眼差しが冷静に弾丸の軌道を読み、さらに社周辺の構造や地形の把握に努めていることに気付けただろう。
コルテスが上機嫌で手綱を捌こうとした、その時。
「安全な場所から侵略や殺戮を楽しむとは……外道め! 必ずや、討ち果たしてやる!」
甲冑の音を響かせながら参上したのは、ウィルヘルム・スマラクトヴァルト(緑の騎士・f15865)! 現れるや否やエメラルド色に輝くオーラを解放し、もとより美しい緑色の全身を燦然と輝かせた!
「……邪魔をしおって」
興を削がれて舌打ちすると、コルテスは再びマスケット銃を乱発してウィルヘルムを牽制しながら、悠然と手綱を引き、何かを試すような仕草をし始めた。
騎馬突撃を思い出そうとしている――そう判断したウィルヘルムは緑の大盾と緑の斧槍による防護を捨てると、緑光をひときわ強く瞬かせ――姿を消した。
「――!?」
突如標的が照準から消え、コルテスの手が驚愕に止まる。
――次の瞬間、凄まじい風圧がその背後に押し寄せ、ウィルヘルムの緑色の腕がコルテスの肉体を羽交い締めにした!
「なにィ……!?」
「我が奥義、ハイパー・ガーディアン・モード! その最高速は音速を超える!」
もがくコルテスを、ウィルヘルムの怪力は決して放さない……!
(「――今だ!」)
その好機を逃さず、社殿の影に身を潜めていたテラがコルテスの死角から飛び出した! 残像を描きながらの跳躍、不意を打って高々と敵の遥か上をとる!
頭上に差した影にコルテスが気づいた時には、すでに攻撃の予備動作は完了している。
「馬鹿な……っ」
「狩る方は狩られる覚悟もしな! ――メテオブラストぉ!」
上空から打ち下ろされる、超重力を乗せた怒涛の踵落とし!
「ガ、は……ッ」
脳天に強烈な破壊力の蹴りを喰らい、白眼を剥くコルテス。
抵抗がなくなった瞬間、コルテスの姿が、背後のウィルヘルムと共に掻き消えた。
……いや、消えたのではない、ウィルヘルムが飛翔したのだ! その速度、最高時速4300m≒マッハ3.5! 上空約1.2Kmまでわずか三秒で到達するや、頭を下にして急降下――!
激しい風圧が波を退け、露わになった岩場にコルテスの頭が勢いよく叩きつけられた……!
「――――ッ!」
強烈な衝撃に上がった絶叫は、急速に戻っていく波音にかき消された。
ケァァ! ケツァルコアトルが威嚇するように一声吼えると、主の元へと一直線に羽ばたいた。その苛烈な勢いに巻き込まれぬよう、猟兵は素早くケツァルコアトルとコルテスの傍を退く。
「どんな気分だ?」
浜辺から隷属の背に助け出されたコルテスを眺め、テラは傲然と訊ねた。その姿に、怯えて逃げ回っていた面影は欠片もない。
かつて征服した土地の生き残りかもしれない下等生物に謀られたのだと思い知り、コルテスは声もなく奥歯を食いしばった。
大成功
🔵🔵🔵🔵🔵🔵
アマニア・イェーガー
ちぇすとー!
という掛け声とともに【逆巻く嵐の王】で挨拶代わりに勢いよく撥ね飛ばすよ!
見たことある?これ海賊船っていうんだけど、知ってる?忘れた?そう
じゃ、わたしはこれで
と【逆巻く嵐の王】の海に逃げ込むよ
慢心したコルテスが追ってくればよし、そうでなくてもケツァルコアトルは死ぬ気で追ってくるはず。だって敵だもんねわたし
わたしの作戦は「ユーベルコード内の海中で戦闘を挑む」こと
これは水溜まりじゃない、数多の生物まで再現した"海"そのもの
海の魔物から魚まで、あらゆる生物がわたしの味方
これがこのユーベルコードのもう一つの顔、大いなる海の怒り(リザレクト・パイレーツ)
さあみんな、あいつを海の藻屑に変えて!
●猛る海
「ちぇすとー!」
アマニア・イェーガー(謎の美女ヴィンテージコレクター・f00589)は元気いっぱいの掛け声と共に現れるや、全長40mを超える海賊船とその船が浮かぶ海を空中に召喚し、挨拶代わりとばかりに、いきなりコルテスとケツァルコアトルの横っ面に船首をぶちかました!
「なっなにぃ――ッ!?」
なすすべなく撥ね飛ばされたケツァルコアトルはなんとか空中で体勢を立て直す。が、あまりにも何もかもが出し抜けすぎ、しかもスケールのでかすぎるファンタジーな攻撃に、コルテスは完全についていけていない。
アマニアはニカッと快活に笑う。
「見たことある? これ海賊船っていうんだけど、知ってる? 忘れた? そう」
もちろん海賊船自体を知らないはずもないが、それが海ごと召喚されて直接小突いてくるなど想像の埒外である……と説明する暇も与えず、アマニアはあっさりと身を翻した。
「じゃ、わたしはこれで」
ぽちゃん、と小さな音を立てて、その身体は召喚された海の中にあっけなく潜って消えた。
「な――なんだと言うのだ……!」
絶句していたコルテスは竜の腹を蹴り発進を促した。それを待っていたかのようにケツァルコアトルが飛翔した。慢心、コケにされたという憤慨、そして敵への執着から、躊躇なく海中へと身を投じる。
それは、アマニアの術中に嵌ったも同然だった。
(「来たね」)
アマニアは追ってきた一人と一頭を、正面から出迎えた。海がざわめき、急速に様々な生き物たちが周囲に集まり始める。
(「これは水溜まりじゃない、数多の生物まで再現した“海”そのもの。海の魔物から魚まで、あらゆる生物がわたしの味方」)
多種多様な魚の群れ、イルカやシャチやサメ、リュウグウノツカイやシーラカンス、とんでもなく巨大なダイオウイカに名状しがたい海の魔物たち……
「さあみんな、あいつを海の藻屑に変えて!」
全てが、召喚主の敵へと牙を剥く。これがこのユーベルコードのもう一つの顔、大いなる海の怒り(リザレクト・パイレーツ)!
「――――――ッ」
一斉に襲い来る大海の脅威が、なすすべない征服者とその隷属を存分に蹂躙していった。
大成功
🔵🔵🔵
レクシア・ノーレッド
ストーム・アルカー(f18301)と共闘
【SPD】
「うん、大丈夫。…マスター。…絶対に倒すよ。」
(どうやらレクシア撃破後にこの個体の亡骸を喰らいたいようです…)
…作戦通りに、だね。わかってるよ…
【病魔:時歪め】で対象はコルテス本人。これは私と選んだ相手の認識する空間を歪めて、繰り返すUC。私が1撃でも食らう度に、発動した直後に戻る。
これを発動している限り、私達は他に干渉できない。
1回、2回、3回、何回でもいい。寿命ならくれてやる。
この剣…黒喰剣「PHY」で確実に斬る。
一撃でも当てれたら、【2回攻撃】と同じ要領でUCをもう1回。
…後は打ち合わせ通りにお願いね、マスター。
私は回避に専念するから…
ストーム・アルカー
レクシア・ノーレッド(f01101)と共闘
トドメ希望
【WIZ】
「―さぁレク、用意はいいかい?」
レクが1撃目の攻撃を命中させるまで、僕はフリーになる。
そこを見てあのケツァルコアトルが仕掛けてくる可能性は高いだろう。
それを受ける時、黒刃【不音】は頑丈だ。欠けない、壊れない。研げないけれど、盾としては十分な大剣だ。
レクが2回目を発動「しようとした瞬間」に僕のUCは発動する。
レクの2回目は打ち消す。そして僕は転移する。コルテスのすぐ背後に。
一風変わった絡め手さ。君の首を狩るには丁度いい。
…君がレクの2回目のUCに反応したとしても、それは意味がない。
その瞬間、僕は君の真後ろに居る。…その首、頂こうか。
●時は歪み、大鎌は死をもたらす
「おのれ……下等生物どもが……っ!」
ずぶ濡れの満身創痍になりながらも、コルテスは片手で手綱を操った。乱暴な手綱さばきにケツァルコアトルが激しく暴れる。
「――さぁレク、用意はいいかい?」
敵の姿を確認したストーム・アルカー(次元の旅人・f18301)は、食い入るように敵を凝視している相棒の名を呼んだ。
「うん、大丈夫。……マスター。……絶対に倒すよ」
どこかたどたどしい口調で答えるレクシア・ノーレッド(『黒喰』・f01101)。力への欲求と食欲が、コルテスを見入る両眼を静かに輝かせている……
「まだ湧いて出るか……残らず食い尽くせ!」
コルテスにけしかけられたケツァルコアトルが二人へと迫る――!
ストームの目配せを受け、レクシアはユーベルコードを発動する。
「……作戦通りに、だね。わかってるよ……」
手に乗せた液体ナノマシンを飲み下した――瞬間、周辺の空間が、ぐにゃり、と奇妙に歪んだように感じた。
「なんだ……? ――――ッ!」
得体の知れない感覚を訝るコルテスを、突如としてレクシアが襲い掛かった!
一閃する刃を、コルテスは身を反らして紙一重で躱し、反射的にマスケット銃で反撃した。命中の手応え。……しかし。
再び、空間の歪み。
「――――!?」
大きな違和感に襲われ口を押えるコルテス。おかしい。明らかに。
再び襲い来た刃を、今度はマスケット銃の銃身で受け止め、コルテスは叫ぶ。
「俺に何をした!?」
「……認識を歪めた」
呟くように答え、後方へ退くレクシア。コルテスの銃弾に貫かれると同時、みたびの空間の歪みと共にその姿が掻き消える。
……いや違う。消えたのではない、『巻き戻った』のだ。
とてつもない実感にコルテスは愕然とする。
それが証拠に、ケツァルコアトルの降下がいつまで経っても終わらない。同じ高度を何度も何度も繰り返し降下し続けている……!
「これを発動している限り、私達は他に干渉できない」
「1回、2回、3回、何回でもいい。寿命ならくれてやる」
「この剣……黒喰剣「PHY」で確実に斬る」
幾度も襲い来るレクシア、刃が閃くたびに落とされる呟き、繰り返す降下の感覚……気が狂うような無間地獄。
レクシアがコルテスへの一撃を狙っているその間、正しい認識の中にいるケツァルコアトルはストームに猛攻を仕掛けていた。
襲い来る牙を、爪を、尾を、ストームは黒い大剣で受け止め、凌いでいった。黒刃【不音】は頑丈だ。欠けない、壊れない。研げないけれど、盾としては申し分ない。
「く……凄い力だね……っ」
連続する攻撃に、ストームが海際にまで追い詰められそうになった、その時。
「――ぐああぁッ!」
ケツァルコアトルの背上で、まるで時を取り戻したかのように短い悲鳴が轟いた。
と同時、ようやく正常な認識を取り戻すレクシアとコルテス。
レクシアはコルテスの肩口を斬り裂いた勢いのままに、さらなる一撃を叩きこむと、素早く地上に舞い戻った。
再度ユーベルコードを発動――しようとした瞬間、
「抗うものに、相応の対価を」
今度はストームのユーベルコードが発動し、レクシアのユーベルコードを打ち消した。
しかしレクシアは驚かない。それは必要な手順だったのだ。
「……後は打ち合わせ通りにお願いね、マスター」
刹那、ストームの姿は掻き消え、コルテスの背後に転移した。同じユーベルコードの繰り返しに備えて身構えていたコルテスは、咄嗟に反応できない。
「な……」
「一風変わった絡め手さ。君の首を狩るには丁度いい」
驚愕するコルテスを、ストームは小さく笑ってやった。
「……君がレクの二回目のユーベルコードに反応したとしても、それは意味がない。その瞬間、僕は君の真後ろに居る」
そういう趣向だ、と種明かしをしてやりながら、ストームは大鎌を振りかぶる――
「……その首、頂こうか」
大鎌は容赦なく薙ぎ払われた。
呪いによって主と一心同体の状態にあるケツァルコアトルが、唐突にこと切れ、どう、と巨体を地面に横たえた。
呆気なく宙を飛んだ征服者の首は、まるで初めからそれが運命であったかのように、レクシアの腕の中に納まった。
大成功
🔵🔵🔵🔵🔵🔵