エンパイアウォー⑦~関ヶ原復仇戦
●旧関ヶ原西軍諸将の旧臣達
関ヶ原で徳川軍を待ち受ける、上杉軍の車懸の陣。その陣を担う一隊の中で、浪人達が会話を交わしていた。
「貴殿は、何処の家中にて?」
「私は、石田家中の大山嘉内。かくいう貴殿は?」
「これは失礼致した。某は宇喜多家中の神田和泉守と言う」
細面で神経質に見える、如何にも素浪人といった風の大山に、鎧兜で身を固め十文字槍を持った神田が話しかけ、大山が答える。
「石田家中の大山殿に、宇喜多家中の神田殿か。これは奇遇よな。俺は、大谷家中の麻布重蕃。よろしく頼むぜ」
「ほほう、なるほど。そう言う縁か、奇遇よの。儂は小西家中の渋谷道玄じゃ」
そこに割って入ったのは、筋骨隆々で拳を己の武器とする麻布と、白髪に長い白髭の杖を突いた老人渋谷である。彼らは、渋谷が察したように、かつての関ヶ原によって主家を失い浪人となった者達である。それだけに、徳川への怨恨は深かった。
「それにしても、よもや再びこの地で天下分け目の戦とはな」
「だが、今回はあの時と違う。この軍を差配するは会津中納言(上杉景勝)の父君」
「……ああ、流石はかつて越後の竜と呼ばれた軍神だけはある。この『車懸』の陣に居ると、力が漲るようだぜ」
「こうなると、並大抵の兵では、儂らの敵ではないであろうのう。ふぉっふぉっふぉっ」
主家を滅ぼし自分達の人生を狂わせた、徳川幕府。今こそ復讐の機会とばかりに、彼らは意気高く戦に臨もうとしていた。
●超防御型攻撃陣形、車懸
「皆さん、集まって頂き、ありがとうございます。さて、サムライエンパイアでの戦争において、上杉謙信が関ヶ原で車懸(くるまがかり)の陣を敷いていることが判明しました。皆さんには、この陣を構成する部隊の一つを討ち果たしてもらいたいのです」
緑の板金鎧とマントに身を包んだエメラルドのクリスタリアン、ウィルヘルム・スマラクトヴァルト(緑の騎士・f15865)が、目の前の猟兵達に感謝を述べてから、今回の依頼について話し始める。
車懸の陣は、かつて上杉謙信が宿敵である甲斐の虎武田信玄との戦闘で使ったと言う伝説的な陣形であり、全軍が風車のように動いて最前線の兵士を次々と交代させるものであるという。
「……しかも、彼の生前からそうなのか、オブリビオンになった故かはわかりませんが、厄介なことにこの陣形にいる者は大幅に防御力が引き上げられ、超再生とも言える回復能力を得ています」
故に、今回はその一隊を構成する四人の浪人を討ち取って欲しい、とウィルヘルムは告げる。
「四人? 少なすぎないか?」
疑問の声が、猟兵達から上がる。だが、ウィルヘルムはその疑問を否定した。
「数だけ言えば、確かに少ないでしょう。しかし、強力な防御力と回復能力が付与されているため、並大抵の攻撃は耐えられた上に回復されてしまいます。一撃で確実に仕留めるか、連続した攻撃で回復する以上のダメージを与え続けるかしなければ、彼らを倒すことは出来ません」
さらに、この四人はかつての関ヶ原で主家を失い浪人となったため、徳川家への恨みは強くその士気は高いと言う。
「決して侮っていい相手ではありません。しかし、彼らを討ち車懸の陣を制圧しなければ、上杉謙信を倒すことも出来ませんし、進軍した徳川軍が大打撃を受けることになります。手強い相手ではありますが、どうか――皆様の力を貸して下さい」
深々と頭を下げ、協力を乞うウィルヘルム。それに応じる声が上がると、ウィルヘルムは礼を述べ、掌に浮かべた巨大なエメラルド――グリモア――に念を込める。
グリモアから緑の光が放たれ周囲を包み込むと、参戦を決めた猟兵達を関ヶ原へと送り出していった。
緑城雄山
●このシナリオについて
このシナリオは、「戦争シナリオ」です。
1フラグメントで完結し、「エンパイアウォー」の戦況に影響を及ぼす、特殊なシナリオとなります。
●特殊ルール:車懸かりの陣
軍神『上杉謙信』は、他の魔軍将のような先制攻撃能力の代わりに、自分の周囲に上杉軍を配置し、巧みな采配と隊列変更で蘇生時間を稼ぐ、『車懸かりの陣』と呼ばれる陣形を組んでいます。
つまり上杉謙信は、『⑦軍神車懸かりの陣』『⑱決戦上杉謙信』の両方を制圧しない限り、倒すことはできません。
こんにちは。緑城雄山(みどりのじょう・ゆうざん)です。前回に引き続き、サムライエンパイアでの戦争シナリオです。上杉謙信の車懸の陣と言えば大抵の歴史SLGで本人能力とも相まってチート性能を誇りますが、この車懸の陣はそれ以上に輪をかけてチートですね……。ですが、見事打ち破って頂くのを期待しています。
あと、これは過去に私のシナリオに参加された方向けですが、今回のシナリオより判定に関して技能の扱いなどを変更しております。詳しくはマスターページをご覧下さい。
●プレイングボーナスについて
今シナリオの特性として、大ダメージを一気に与えられるような工夫や、連携で回復させずに撃破するような工夫があった場合は、プレイングボーナスが入りやすくなっております。
●敵の撃破数について
今回、敵の数が四人と限られていますので、特に単独プレイングでは大ダメージを与えたものの撃破までは出来ない方が出てくる可能性があります。
また、回復能力の設定と描写の関係で、特に明記がなくても即興でプレイングを連携させる可能性があります。
以上二点、予めご了承下さい。
●プレイングの採用について
今回は戦争シナリオであること、また、当方の時間的な事情から、シナリオが成功する分だけリプレイを執筆し、それ以上のプレイングは流す可能性があります。
こちらについても、予めご了承下さい。
それでは、皆様からのプレイングを、楽しみにお待ちしております。
第1章 集団戦
『浪人』
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POW : 侍の意地
【攻撃をわざと受け、返り血と共に反撃の一撃】による超高速かつ大威力の一撃を放つ。ただし、自身から30cm以内の対象にしか使えない。
SPD : 怨念の返り血
【自身の返り血や血飛沫また意図的に放った血】が命中した対象を燃やす。放たれた【返り血や血飛沫、燃える血による】炎は、延焼分も含め自身が任意に消去可能。
WIZ : 斬られ慣れ
対象のユーベルコードに対し【被弾したら回転し仰け反り倒れるアクション】を放ち、相殺する。事前にそれを見ていれば成功率が上がる。
イラスト:箱ノ山かすむ
👑11
🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔴🔴🔴
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種別『集団戦』のルール
記載された敵が「沢山」出現します(厳密に何体いるかは、書く場合も書かない場合もあります)。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
| 大成功 | 🔵🔵🔵 |
| 成功 | 🔵🔵🔴 |
| 苦戦 | 🔵🔴🔴 |
| 失敗 | 🔴🔴🔴 |
| 大失敗 | [評価なし] |
👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。
峰谷・恵
「諸々の強化山盛りの体に復讐の一念、一斉射撃で一網打尽とはいかないね」
他の猟兵と連携を取る(アドリブOK)。
空在渾で飛行し、敵と並走しながら攻撃開始。
ひとまず一番体が大きそうな麻布をロックオン、空在渾で強化したMCフォートの連射(2回攻撃+誘導弾+鎧砕き)を麻布を倒すまで撃ち込み続ける。麻布を庇おうとする他の敵はアームドフォートの砲撃や熱線銃の射撃で攻撃(牽制が主目的なので傷が治っても行動阻害できればOK)、上空から敵の連携を断って麻布を攻撃し続け、他の猟兵が各個に撃破しやすい状況を作る。
敵の攻撃は麻布狙いの攻撃が途切れない範囲で回避ないしダークミストシールドで防御、炎が延焼する前に盾は消す
●サムライエンパイアの浪人がマッハの飛翔体に攻撃を当てられるはずがない
浪人達を討つべく最初に関ヶ原に現われたのは、驚異的な胸囲の少女、峰谷・恵(神葬騎・f03180)。
(……ここに来たのは、まだボクだけか。他の人を待ちたいところだけど、一先ず仕掛けてみようかな。彼らの、諸々の強化山盛りの体に復讐の一念、一斉射撃で一網打尽とはいかないね……それなら)
他の猟兵が現われるまで待って共闘するか迷うも、恵はとりあえず単独で浪人達を攻撃することにしてみた。
「飛ッ!」
ユーベルコード『空在渾(ソラハカミノモノニアラズ)』を発動し、白と黒が混ざり合った神殺しの力をその身に纏いながら飛翔する。そして恵は、身体が大きく狙いやすいからとMC(マシンキャノン)フォートで麻布を狙い撃つ。
ただの機関銃であれば強化された防御力に弾き返されていたところだが、ユーベルコードで強化された上に徹甲性能を持つ弾丸は麻布の身体に蜂の巣状の傷を付けていきつつ、回復能力を上回るダメージを蓄積していった。
「空からとは卑怯な! 尋常に勝負せい!」
「……するわけないよね」
大山、神田、渋谷が口々に恵を罵りつつ麻布を庇おうとするが、全く取り合う気のない恵のアームドフォートや熱線銃の攻撃によって牽制され阻止された上に、散らされて連携を寸断されてしまう。
それならばと麻布がユーベルコードで傷口から返り血を浴びせて恵を焼こうと試みるが、最高でマッハ四の速度を出せる恵は軽々と回避する。飛翔体と言えば鳥ぐらいのこの世界の浪人には、最高速度までは至らずとも音速で飛行出来る恵を攻撃するのは荷が重すぎたのだ。
「あんな小娘相手に倒れるとは、無念だ……。大山、神田、渋谷……俺の分まで、任せた」
無限に浴びせられる銃弾に命を削り取られ、麻布重蕃はどう、と関ヶ原の地に倒れた。恨めしそうに恵を睨む目からは、すぐに光が消えた。
大成功
🔵🔵🔵
御倉・ウカノ
アドリブ・連携歓迎
判定:POW
流石は越後の竜、本人も戦術も反則級の強さだよ。
だが、絶対無敵ではないはずだ。まずは戦術から潰していこうかね。
頑丈でありながら、傷を受ければ即回復…ほんと理不尽の塊だね。手数を増やても無駄なのは明らかだ。あたしのUCなら当てれば一人は殺れるだろうが、連発しても当てられるとは思えない。なら、他の猟兵が必殺の一撃を放つタイミングを見計らって自分のUCを当ててやるべきだろうね。
『【フェイント】【挑発】を駆使して他猟兵の準備時間を稼ぎつつ、UC発動に合わせて自身もUCを放ち一網打尽を狙います』
「その強さは認めざるをえないけど、死者が生者の世界を荒らすのは認められないねぇ」
鞍馬・景正
元北条の臣にして徳川家旗本、鞍馬景正。
若輩者ながら、古兵方の冥府への橋渡しを務めさせて頂く。
◆戦闘
一刀では断ち難し、か――ならば機を伺うのみ。
【打草驚蛇】にて剣戟を挑み、敵の反撃を【武器受け】で防ぎつつ、その一挙一動を【見切り】、手の内を読み取らせて頂く。
狙いは一人に絞り、助太刀の気配があれば斬撃の【衝撃波】で牽制。
・連携可
好機を見出せば、防がれる事を想定した【怪力】の一撃で鍔迫りに持ち込み。
その隙を以て他の猟兵が決定打を放てるよう仕向け、此方も追撃の【2回攻撃】にて首級を奪うとしましょう。
・連携不能
連携相手がいない場合、鍔迫りから【早業】の蹴りで転倒させ、そのまま切先で心臓を抉りトドメを。
●必殺の機を伺いて
「元北条の臣にして徳川家旗本、鞍馬景正! 若輩者ながら、古兵方の冥府への橋渡しを務めさせて頂く!」
名乗りを上げながら残る三人のうち一人、神田和泉守に剣戟を挑むのは、鞍馬・景正(天雷无妄・f02972)。無表情ながらも誠実さを感じさせる整った顔立ちに、気迫が満ちている。
「藪蛇となるか、虎児を得るか――勝負」
景正は同時にユーベルコード『打草驚蛇(クサヲウチテクチナワヲオドロカス)』を発動。神田の十文字槍を愛刀『濤景一文字』で防ぎながら、手の内を見切るのに時間を費やし、それに応じた戦闘力の強化を得ていく。
「槍相手に刀はきついだろ。援護するよ!」
大太刀『伊吹』を抜いた、妖狐の戦巫女と言った風体の御倉・ウカノ(酔いどれ剣豪狐・f01251)が景正と神田の攻防に加わる。
(頑丈でありながら、傷を受ければ即回復……ほんと理不尽の塊だね。こんなのを潰さなきゃ倒せないんて、流石は越後の竜、本人も戦術も反則級の強さだよ)
景正もウカノも何度か神田に刀を当てるものの、その大半は強化された防御力によって鎧で弾かれ、傷を負わせてもすぐに塞がれてしまう。その様に、ウカノは内心で辟易したように呟く。
(だが、絶対無敵ではないはずだ。まずはこいつを倒して、戦術から潰しておこうかね)
しかし、それでウカノの意気が損なわれるわけではない。引き続き、景正と共に戦闘を続ける。そのうちに、ウカノはあることに気がついた。
(時間が経つにつれて、強くなってる……?)
当初は二人でようやく神田と互角だった攻防だが、景正の体捌きが速くなり、斬撃も鋭く強くなっているため、今ではかなり優位になってきていた。
(打草驚蛇の効果は十分……あとは機を伺うのみ)
攻防に時間を費やした結果、景正は神田の手の内をほぼ見切れるようになり、大幅な強化も得た。故に戦い方も、神田の槍捌きを探るものから、決定的な一撃を与える機会を狙うものに変わっている。
その変化を察したウカノは、神田への挑発を試みる。
「『車懸』の中にいてこの程度なんて、大したことはないね。家臣がこの程度だから、主君が関ヶ原で負けたんだろうね」
「……き、貴様ぁっ!」
本来、『車懸』の中にいる恩恵は防御力強化と回復能力の付与であり、事実神田は回復しきれないほどの傷を負わされていない。それに、得物は有利であるとは言え、神田は二対一を強いられている。故に、ウカノの言葉は事実としては不当ではあるのだが、挑発としての効果は抜群だった。
烈火のような激しい突きの連続が、ウカノを襲う。辛うじて太刀で防ぐだけの防戦一方に追い込まれるウカノ。だが、それは景正に対しては隙となった。
神田の懐に入り、渾身の力で両断せんとする景正。それに気付いた神田は、慌てて槍の柄で景正の刀を受け止める。
「ぐっ、ぬううっ……」
だが、ただでさえ尋常ではない怪力の上に、ユーベルコードによる大幅な強化が乗っている景正の膂力に、神田は押し切られないように耐えるのが精一杯だった。
「今です!」
「……! こは流星に非ず。罪深き者共を討ち滅ぼす光なり。御倉流巫女神楽『天狗』!!」
景正の声に、ウカノは機が来たと判断し、ユーベルコード『御倉流巫女神楽『天狗』(ミクラリュウミコカグラ・アマツキツネ)』を発動。『伊吹』からの衝撃波に続き、彗星のような霊力の塊を神田に叩き付ける。
同時に、景正は神田の槍の柄を断ち切って、そのままの勢いで縦一文字に深く斬りつけた。
「ぐあああああっ! と、殿……申し訳、ありませぬ……」
立て続けに深手を受けた神田は、槍の柄を支えとして、立ったまま絶命した。
「……挑発のために大したことないなんて言ったけど、あんたは確かに強かったよ。でも、死者が生者の世界を荒らすのは認められないからねぇ」
立ち往生した神田に手向けるように、ウカノはぽつりと呟くのだった。
成功
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トリテレイア・ゼロナイン
この車懸かりの陣を攻略せねば幕府軍に多大な被害が出ることは必至
そして、幕府軍の敗北は無辜の人々の犠牲に繋がります
何としてでも阻止せねばなりません
なにやら徳川への恨みがあるようですがその復讐、人々を護る騎士として阻ませて頂きます
敵の攻撃を●武器受けと●盾受けで防御しつつ挙動を●情報収集
軽い攻撃を態と当て、反撃の一撃を誘発
それを●見切り回避
そのままスラスターでの●スライディングで足払いを繰り出し転倒させます
そのまま手と胸を●踏みつけ動きを封じ攻撃の威力の逃げ場を無くし
自身を●ハッキングしリミッター解除した●怪力●シールドバッシュを頭に振り下ろし
人々の生存の為、形振り構わぬ攻撃ですが、ご容赦ください
●騎士として、形振り構わず
(……この車懸の陣を攻略せねば、幕府軍に多大な被害が出ることは必至。そして、幕府軍の敗北は無辜の人々の犠牲に繋がります。何としてでも阻止せねばなりません)
人々を護らんとして、残る浪人二人のうち渋谷に挑みかかったのは、トリテレイア・ゼロナイン(紛い物の機械騎士・f04141)。中世の鎧騎士を思わせる外装を持ち、中身も騎士たらんとするウォーマシンである。
「何やら徳川への恨みがあるようですがその復讐、人々を護る騎士として阻ませて頂きます!」
「……騎士だと!? 猪口才な!」
杖を刀のように振るってくる渋谷の攻撃を、トリテレイアはことごとく長剣と盾で受け止めて防ぐ。同時に渋谷の動きを観察しつつ、長剣で杖を持つ腕を軽く斬る。
否、実は渋谷はユーベルコード発動のために、わざと斬られていた。返り血と共に、渋谷は俊足の突きを放つ。まともに食らえば、厚い装甲で身を固めたトリテレイアとてただでは済まなかっただろう。
だが、トリテレイアの方も、この反撃は狙って誘発していた。そのために見切ることは容易く、スラスターを噴かして回避する。そして長剣を地面に突き立てると、長剣を支点としてターンし、脚で渋谷の脚を払い転倒させる。
ズシン! 転倒させた渋谷の利き手と胸を、自身の重量をしっかりと乗せるようにしてトリテレイアは踏みつける。オブリビオンとは言え老人の渋谷に、重装甲のウォーマシンの踏みつけを振り払うだけの力はなかった。
「騎士と言うのは、老人を踏みつけにするものなのか。酷いのう」
「人々の生存の為の、形振り構わぬ攻撃です。ご容赦下さい」
動揺を誘い退かせようとした渋谷の言葉にも、トリレイアは動じない。
(――ハッキング完了。リミッタープログラム、停止)
自身をハッキングしてリミッター解除したトリレイアは、大盾を高々と掲げる。そして――。
「実際の戦場の騎士は道具や手段を選ばないものです。覚悟!」
ユーベルコード『戦場の騎士(ナグレリャナンデモイイ)』を発動し、剛力を以て大盾を渋谷の頭に振り下ろした。
衝撃波と共に渋谷の体は消滅し、後にはクレーター状に深く抉れた地面とトリレイアの姿だけが残されていた。
大成功
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アーサー・ツヴァイク
※何でも歓迎、🔵過多なら不採用可
意地でもここを通さないって覚悟か…いいね、受けて立とうじゃねぇか!
【ダッシュ】で敵の間近に接近して【エクスプローシブ・ドラゴンライド】をぶち当てるぜ。向こうのUCは攻撃を受ける前提、こっちも至近距離まで近づけば確実に当てる事ができるはずだぜ。まあ、向こうのUCも食らっちまうが…【激痛耐性】と【気合い】でカバーだ!
で、こっちの技を当てれば、光の鎖で敵を縛り上げる事が出来るんで…【怪力】で全力の【投擲】! 陣形の外側にぶん投げちまおう!
陣形の外に出ちまえばバフ効果も無くなるだろ? そうしちまえば…後は【怪力】やら【グラップル】やらでボッコボコにするだけだぜ!
●『車懸』の外に出してしまえば
「意地でもここを通さないって覚悟か……いいね、受けて立とうじゃねぇか!」
浪人達のうち残る大山の前に立ったのは、赤をモチーフにしたヒーロースーツに身を包み、暁の戦士ドーンブレイカーに変身したアーサー・ツヴァイク(ドーンブレイカー・f03446)。アーサーはすかさずダッシュで大山の至近に接近すると、ユーベルコード「エクスプローシブ・ドラゴンライド」を発動する。
「Select…DRIVE ACTION! 行くぜ、ライドラン! 俺たちの一撃……受けてみやがれ!!」
バイクが変形した槍『ライドラン』が、ユーベルコード発動のために敢えて受けようとした大山の腕に突き刺さる。と、同時に、大山を爆発に巻き込み、光の鎖を伸ばしてアーサーと大山を繋ぐ。
「この程度の手傷、この陣に居ればどうと言うことはなし! 食らえィ!」
大山は返り血と共にユーベルコード『侍の意地』を発動し、神速の一閃を以てアーサーを袈裟に斬る。
「痛ぇ……! でも、この程度は織り込み済みだぜ!」
肩から鳩尾にかけてザックリと深い傷が入ったが、アーサーは苦痛に顔を歪ませ、歯を軋ませつつも、光の鎖を強く握りしめ、体に力を込める。
「行くぜッ! うおおおおおおッ!」
「何ッ!? ぐぬうううううッ!」
傷口から血を噴き出しつつ、大山を『車懸』の外に投げ飛ばそうとするアーサー。その意図を察し、投げ飛ばされまいとする大山。二人の力比べは、アーサーに軍配が上がった。
「……しまった!」
『車懸』の外に放り投げられたことに気がつき、大山は慌てて『車懸』の中に戻ろうとする。だが、それをアーサーが許すはずがない。大山にタックルして転倒させると、馬乗りになる。
「ここなら、厄介なバフも無くなるだろ? ……後は、ボッコボコにするだけだぜ!」
その言葉どおり、アーサーは馬乗りになった大山に剛腕を振るい、拳を叩き付けていく。『車懸』の加護を失った大山がその殴打に耐えられるはずはない。
「おのれ、徳川……無念……っ」
しばらくすると、大山は絶命した。『車懸』に集った旧関ヶ原西軍諸将の旧臣は、これで全て斃れた。
成功
🔵🔵🔴