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エンパイアウォー㉕~もふもふな逃亡者

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「霊峰富士を噴火させようとした虐殺渡来人『コルテス』の陰謀は、どうやら阻止されたみたいですね」
 これも猟兵達の活躍によるものだが、フェリクス・フォルクエイン(人間のパラディン・f00171)曰く、陰謀を素早く阻止したことで霊峰富士に眠る太陽の力を盗み出して持ち帰ろうとしていたオブビリオンの動きを掴んだとのこと。
「コルテス配下のオブリビオン達は富士の火口近くに儀式場を設けて、そこから富士に眠る太陽の力を『霊玉』に変え奪って脱出しようとしているようです」
 放置すれば、コルテスはこの力を使いよからぬことをしでかしかねない。
「逆に言えば、この霊玉を奪い返し富士の火口に戻す事が出来れば、コルテスは大規模な作戦を行う事が出来なくなるはずなんですよ」
 相手が次の手を打つ前に阻止できれば、後顧の憂いを断つことにつながる。
「そこで、皆さんには富士山火口から撤退するために下山するオブリビオンを迎え撃って撃破していただきたいんです」
 下山するオブビリオンを迎え撃つ形の為、戦場は富士の山中となるだろう。
「皆さんに撃破していただきたいのは、黒くてモフモフした鳥の妖怪になります」
 空腹で気が立っているため、あいまみえた時はそれなりに凶暴になっていると思いますとフェリクスは言う。
「あ、そうそう。首尾よくオブビリオンを倒した場合なんですが、霊玉はそのまま放置すると一定時間後に火口のマグマに変化してしまうので、取扱いに注意が必要なんですよね」
 火口に投げ入れるとか富士五湖あたりに沈めるなどの処置が適当だとグリモア猟兵の少年は言い。
「では皆さん、よろしくお願いしますね」
 軽く頭を下げフェリクスは猟兵達を送り出すのだった。


聖山 葵
 白いモフモフだったので今度は黒で。

 という訳で、今回は待ち伏せして黒いもふもふを倒して霊玉を取り返し、適切な処置をするお話となります。

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 このシナリオは、「戦争シナリオ」です。
 1フラグメントで完結し、「エンパイアウォー」の戦況に影響を及ぼす、特殊なシナリオとなります。
 また、このシナリオに成功する事で、コルテスの次の作戦を阻止するのに必要な、シナリオ数が減少します。
(作戦に必要な太陽の力が足りなかったという扱いになります)
=============================

 では、ご参加お待ちしております。
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第1章 ボス戦 『まっくろピヨたろう』

POW   :    超もふもふひっぷあたっく
単純で重い【もふもふなお尻 】の一撃を叩きつける。直撃地点の周辺地形は破壊される。
SPD   :    ぱくぱくもぐもぐ
戦闘中に食べた【食べ物 】の量と質に応じて【眠くなってしまうが】、戦闘力が増加する。戦闘終了後解除される。
WIZ   :    もふもふあたっくはいぱー
【もふもふ体当たり 】が命中した対象を捕縛し、ユーベルコードを封じる。ただし、解除するまで毎秒寿命を削る。

イラスト:Miyu

👑11
🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​🔴​🔴​🔴​🔴​

種別『ボス戦』のルール
 記載された敵が「1体」出現します。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
 それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
 プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※このボスの宿敵主は💠御剣・誉です。ボスは殺してもシナリオ終了後に蘇る可能性がありますが、宿敵主がボス戦に参加したかつシナリオが成功すると、とどめを刺す事ができます。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。

峰谷・恵
「オブリビオンである以上きっちり片付けさせてもらうよ」

空在渾で飛行状態になり上空からMCフォートと熱線銃の連射(2回攻撃+鎧砕き+誘導弾)で攻撃、敵がよろめいたり食べ物食べ始めるなど動きが止まったらアームドフォートの砲撃も叩き込む。
敵の攻撃は最高速度時速4800kmの飛行で回避(空中戦)。敵の攻撃を避けたらMCフォートと熱線銃の連射を撃ち込み続ける。
敵が強引に逃げようとしても飛行で追いすがってひたすらMCフォートと熱線銃を撃ち込み続ける。
敵を倒せたら霊玉を拾って富士山の火口まで可能な限りの速度で飛行し、霊玉がマグマに戻る前に火口に投げ込む。

「太陽の力を奪うなら天照大御神取り込みとか狙いそう」


フォルセティ・ソルレスティア
【ペア/f00964】【WIZ】(アドリブ・共闘可)
鳥の妖怪を落とし穴に落として一方的に攻撃するね!
【行動】()内は技能
「よし、これで完成っと」
進軍予想地点に巨大な穴を掘って落ち葉や木々で迷彩だよ
(注:UCで隕石を落として作成)
「プレミアム仕様の鳥の餌をばらまいておくから大丈夫だね」
(おびき寄せ)の準備もばっちり
近くに潜んでいて鳥の妖怪が罠に嵌まったら戦闘開始だよ
罠に嵌ると木の上から白ペンキが落ちてくる仕掛けだよ
「ペンキはただの嫌がらせだよー」
とにかく(全力魔法)でカラミダド・メテオーロを叩きつけるよ
さらに抵抗、暴れるようなら(ダッシュ)で接近しモグラたたきみたいにイスベル・ウラーノで攻撃だ


フィオリナ・ソルレスティア
【ペア/f05803】【WIZ】(アドリブ/連携可)
■作戦
富士山中に巨大な落とし穴を仕掛けピヨたろうを罠に嵌める(待ち伏せ)
■行動
「こんな単純な罠に引っ掛かるかしら」
弟がUCで作った穴を拡張し樹木や草で覆い、近くの樹の陰に隠れて待機(目立たない)
一応、鳥目だからとなるべく樹木が鬱蒼とした場所を選ぶ
ピヨたろうが登場したら状況に関わらず戦闘開始する
「ちょっと気が立っているみたいね」
フォーカスで敵をロックオンしつつ(全力魔法)で【バベルの光】を撃ち落とす
「ところであのペンキは何なの」
弟のいたずらに呆れつつ、抵抗するピヨたろうに【フィンブルの冬】を浴びせる
無事に倒せたら「霊玉」は精進湖に沈める予定。


高柳・零
WIZ
え?まっしろピヨすけの後ですから、まっくろクロ(検閲により削除)が出て来るかと思ってましたよ。

「あそこまで行くと飛べなさそうな気もしますが…オブリビオンですからねえ」
空中からの攻撃も警戒しつつ盾受けと武器受けで味方を守り、オーラで自身を守ります。

もふもふ体当たりは全力のオーラを纏わせた盾で弾き返します。
弾き返した瞬間、指差して天からの光を落とします。
「自分に近付くからこうなるんです!」

その後もUCでどんどんまっくろピヨたろうを倒して行きます。
「指差すだけで攻撃出来るって本当に便利ですねえ」

アドリブ、絡み歓迎です。


山梨・玄信
富士山の儀式を止めたと思ったが、まだ企みがあったのか。

【SPDを使用】
先ずは敵のど真ん中に飛び込み、気の放出(範囲攻撃)で先制攻撃じゃ。
オーラを全身に展開して、多少の反撃なら受け止めるのじゃ。

敵が餌を食べ始めたら、こっちもUCを発動して食べている隙に倒してやるのじゃ。
食べ終わった奴も寝ている内に…何!寝ながら避けて反撃して来たじゃと。激痛耐性で耐えながら、こっちも脱いで更にスピードを上げるぞい。
幻影に頷き、真っ向勝負じゃ。

敵を片付けたら、霊玉は火口に戻すぞい。

「うむ、ここは脱ぐしかあるまい」
「さて、少々大変じゃが霊玉を戻す為に富士登山と行くかの」

アドリブ、絡み歓迎じゃ。


ニコリネ・ユーリカ
【WIZ】
もふもふが霊玉を持って下山。やだ可愛い。
【Santuario Segreto】を使って富士の山中に潜伏して、愛らしい姿を暫く観察した後に奇襲を掛けましょ

もふもふしてみたいけど、体当たりには気を付けなきゃ
物音を立てないよう地形に気を配りながら、忍び足で死角から接近して、シャッター棒を振り下ろすわ
ありったけの魔力を籠めた一撃を、怪力でぶつける!
攻撃後は直ぐに後退して、カウンターを喰らわないように逃げるわ
誰にも見えてないけど疲れる…はぁはぁ

霊玉を奪取したら、富士五湖に投げ込みましょ
アンダースローで水切りして、なるべく遠くに、跳ねてけー!
山のものは持ち帰っちゃいけないの。ちゃんと返さなきゃね



「富士山の儀式を止めたと思ったが、まだ企みがあったのか」
 腕を組み、山梨・玄信(ドワーフの破戒僧・f06912)は視線を火口の方へと向けたまま呟いた。
「悠久に揺蕩う無限の星屑よ。星柩満ちて此へ集うは漆黒の紅炎」
「ん?」
 声に振り返ると、聖箒ソル・アトゥースを何もない地面に向けたフォルセティ・ソルレスティア(星海の王子様・f05803)が居り、何をしているのかと問うよりも早く、上空に光が生まれる。そは、炎に包まれた巨大隕石であった。
「あれ?」
 他の猟兵が気づいて声を上げる間に隕石はどんどん大きくなり。遂にはフォルセティの示した場所へと落ちて土砂を巻き上げ、クレーターを形成する。
「うん、大元は出来たから、形を調整して――」
 出来たてのクレーターへと木の枝や落ち葉を抱えてフォルセティが降りてゆき作業をすること暫し。
「よし、これで完成っと」
「こんな単純な罠に引っ掛かるかしら」
 樹木や草を抱えつつ疑わしげにフィオリナ・ソルレスティア(サイバープリンセス・f00964)は弟がダイナミックに作成した落とし穴を眺める。
「言ってくれれば手伝ったんじゃがの」
 とはトンネル掘りの心得があるとあるドワーフの言。
「こうやってプレミアム仕様の鳥の餌をばらまいておくから大丈夫だよ」
 この間にもフォルセティは姉の疑問も問題ないとばかりに穴を隠ぺいした上から鳥の餌を撒き。
「準備完了だね」
「まぁ、ここまで来たら待つしかないわね」
 罠を完成させたフォルセティがフィオリナと共に身を潜めれば、他の猟兵達も件のオブビリオンを待ち伏せるのみ。
「ぴょぴょ!」
「あ」
 やがて山頂側から真っ黒なもふもふしたものが現れたのは、樹木が鬱蒼と茂る中からフィオリナが何度か火口の方向を確認した後の事だった。
「やだ可愛い」
 潜伏していたニコリネ・ユーリカ(花売り娘・f02123)の口から思わず声が漏れた。下山しようとしているもふもふは嘴へ確かに何かを咥えており。
「私とあなたの秘密の聖域。繋いだ小指はチョップでしか切られないの」
 他の猟兵達が物陰などに身を隠している中、ニコリネは自身を透明にすることで隠れることなく接近及び観察することを可能とする。これで愛らしい姿を充分に堪能できると思うニコリネであったが。
「え? まっしろピヨすけの後ですから、まっく」
「ぴょぴょーっ!」
 何にかはわからないが驚いた高柳・零(テレビウムのパラディン・f03921)の言葉を遮るようにして鳴いた真っ黒な鳥のオブビリオンが大声で鳴きつつ飛び跳ねた。
「餌を見つけたみたいね」
 視線の向きと若干変わった進行方向からもふもふの観察を始めたニコリネは、オブビリオンのアクションの理由を察す。
「ちょっと気が立っていたみたいね。ただの魔法使いだと思った?」
 罠にかかるのを待つことなく、詠唱を始めたフィオリナの視界にあるのは、ただ一直線に餌の元へ駆ける黒いもふもふ。
「ぴょ」
 あれを食べたい、その一心で他の事は何も考えず走ったまっくろピヨたろうの嘴はいちばん近い鳥の餌を掬い取ることに成功し。
「貫け、バベルの光よ!」
「びょばーっ?!」
 フィオリナによって向けられたオートフォーカスの先に居た真っ黒な鳥の妖怪は天から降り注ぐ高出力レーザーに焼かれると落とし穴を踏み抜いて転がり落ちた。
「飛ッ!」
 白と黒の混在したオーラ状の何かに身を包んだ峰谷・恵(神葬騎・f03180)が空に舞ったのは、ほぼ同じタイミング。
「オブリビオンである以上きっちり片付けさせてもらうよ」
 上空からMCフォートと熱線銃を向けて穴へ落ちて行くオブビリオンめがけ撃ちかければ、穴の中へと白いペンキが注ぎ込まれた。
「ところであのペンキは何なの」
「ペンキはただの嫌がらせだよー」
 即座にフィオリナが穴の製作者に問えばフォルセティはあっさり答え、罠の一部であったことが判明し。
「動けないなら――」
 恵は上空で更にアームドフォートで穴へと砲撃を加え、爆音に妖怪の悲鳴はかき消され、ペンキと土砂の混じった飛沫が周囲にはねる。
「さて、わしも行くとするかの」
「罠にはまったとはいえ、油断は禁物ヌギ。玄信、気を付けるヌギ!」
「言ってることは正しいが、またその語尾か!」
 味方の攻勢に乗るべく落とし穴へと飛びこもうとした玄信は盟友である零の忠告にツッコミを入れ。
「なんとなく脱ぎそうな気配を感じましたから。それはそれとして、あそこまで行くと飛べなさそうな気もしますが……オブリビオンですからねえ」
 一応分類上は鳥の妖怪。体勢を立て直し、穴の底から飛び立つのではないかと言う危惧なのだろう。盾を構えつつ零も穴の方へと進み始め。
「もふもふしてみたいけど、穴の底では厳しいかしらね。体当たりにも気を付けなきゃ」
 姿を消したままのニコリネもシャッター棒を手にじりじりと落とし穴へ近づいていた。死角に回り込みながら、気づかれぬように。
「あ」
「びょあ゛ーっ」
 そんなニコリネの視界を上から下に隕石が通り過ぎて、穴の底から悲鳴が響いた。まぁ、落とし穴から出てこられれば、味方が反撃を受ける恐れがある。容赦ない攻撃は落とし穴の中へと注がれ。
「はぁ……氷の檻に閉じ込めてあげる。氷結へ導け、黄昏の吹雪よ!」
 弟の悪戯に呆れつつも、フィオリナは光り輝く白銀のドレス姿へと変じると、穴の中へと凍てつく氷雪の竜巻を出現させた。
「……玄信」
「うむ、ここは脱ぐしかあるまい」
 やがて穴の縁までたどり着いた玄信は空を仰ぐと上空に浮かぶ自身にしか見えてない神々しい女性の幻影に頷くと衣服へ手をかけた。氷雪の竜巻が消え去った穴の真上に脱ぎ捨てられた衣服が舞う。
「行くぞ、先制攻撃じゃ!」
 あちこち凍りつかせたモフモフ目掛け、玄信が穴の縁を蹴り。
(「今ね」)
 これに乗じ、ニコリネも透明のままシャッター棒を振り上げて落とし穴の壁面を滑り降りる。
「ぴょ、びょげ?!」
 穴の底、ようやく身を起こそうとしていたまっくろピヨたろうは玄信を知覚した直後視覚から後頭部を金属製のナニカで強打され、再び底の地面へと突っ伏した。
「びょ」
 その身を玄信の手にした刃が切り裂き。
「びょーっ!」
 怒りも露わにもふもふオブビリオンは穴の底から飛び出した。底に居ては一方的に攻撃を受けるということぐらいは理解したのか、攻撃によってそこに残っていた餌が吹き飛んでしまったからかはわからない。
「逃がさん」
「天よ邪なる力を封じたまえ」
「ぴょば」
 ただ、自身をこんな目に合わせてくれた誰かを探し、周囲を見回したまっくろピヨたろうは追いすがる恵に熱線銃で撃たれた上、零に指さされ天から差し込む光に打たれて、地に落ちた。
「自分に近付くからこうなるんです!」
 たまたま飛び出した先に零が居ただけなのだが、オブビリオンに弁解する間も不当と抗議する間もない。
「星霜纏いし冷厳の天王。黄天より招くは無窮の霊氷」
「びょぶ」
 聖箒を掲げ、フォルセティの召喚した氷塊が頭上に振ってきて押し潰したからだ。いや、それだけではない。
「指差すだけで攻撃出来るって本当に便利ですねえ」
 若干焦げた臭いを漂わせるピヨたろうへと零は指を向けていたし、他にも武器を向けた猟兵が数名オブビリオンを囲んでいたのだ。
「……はぁはぁ。戦いはどう」
「ビョエエエエェッ」
 透明であり続けたことと落とし穴の壁を登って来たことで疲弊したニコリネはようやく顔を出すと、言葉の途中で仲間たちの集中攻撃を受けたまっくろピヨたろうの断末魔を聞いたのだった。
「もふもふしてみたかったわ……」
 ポツリとこぼすが、ニコリネの視界に残されたのはオブビリオンが持っていた霊玉のみ。
「これが問題の霊玉なんだね。太陽の力を奪うなら天照大御神取り込みとかも狙いそうだけど」
 拾い上げてマジマジ見ながら恵は呟き。
「後はこれを精進湖に沈めてしまえば、一件落着ね」
「それじゃ、富士五湖に投げ込みましょ」
「さて、少々大変じゃが霊玉を戻す為に富士登山と行くかの」
 ほぼ同じタイミングで口を開いた、フィオリナ、ニコリネ、玄信。
「「えっ」」
 これに恵を加えた四名がお互いを見合って同時に声を上げる。どうやら霊玉の処置方法について何人かと意見が異なっていたらしい。
「どうしたものかな」
「どれもフェリクス殿が推奨していた方法じゃしの、これでなければいかんということはないのじゃろうが」
「だったら――」
 一部の面々が唸る中、霊玉の元に進み出たのは誰だったか。
「え?」
 遅れて気が付いたニコリネ達が目にしたのは、いくつかに割れた霊玉であった。
「「割れたー?!」」
「なる程、これなら処置の方法で揉めることはありませんね。何かに使うわけでもなかったわけですし」
 ポンと零が手を打つと、声を上げた面々は無言で顔を見合わせ。
「それじゃ、ボクは行くね」
 恵は欠片の一つを拾い上げると空へ浮かび上がり。
「そうじゃの」
「ここでお別れね」
 玄信とフィオリナもそれぞれ欠片をとると踵を返し。
「山のものは持ち帰っちゃいけないの。ちゃんと返さなきゃね」
 欠片の一つを手にしてニコリネは歩き出し、やがて目的地へとたどり着く。
「ふぅ」
 たどり着いたタイミングで思わず息が漏れたのは、透明になり続けたことでたまった疲れが身体に残っていたからか。
「これで、終わり……なるべく遠くに、跳ねてけー!」
 それでも笑顔で下手投げすれば、言葉通り霊玉の欠片は何度か湖面を跳ねてからとぷと水の中に沈み。
「きゃあっ」
 数秒五、生じた爆発によって湖面に水柱を立てつつもマグマの固まりとなった欠片は冷えた溶岩塊として湖底へ沈んだのだった。

成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​🔴​🔴​🔴​🔴​



最終結果:成功

完成日:2019年08月12日


挿絵イラスト