エンパイアウォー⑦~蛇の護りの打ち崩し
「えっと、サムライエンパイアに向かって欲しいんだけど……今回は、妖怪退治でも謎解きでもなくてね?」
グリモア猟兵の一人、ティモシーが呼びかける。
「まず前提の、サムライエンパイアの戦争は周知と思うんだけど……今回はその一角、上杉謙信の討伐をお願いしたいんだ。……いや、直接は討伐じゃないんだけど。」
歯切れの悪いグリモア猟兵をせかすと、どうやら上杉謙信の討伐が特殊らしい。
「えっと……まずオブリビオンフォーミュラの織田信長を倒すために、霞が関に幕府軍が集結したけど、その先にもまだオブリビオンが待ち構えているみたいで。
霞が関の先で待ち構えているオブリビオンの一体、上杉謙信は他の軍将と違って先制攻撃をしない……いや、できない……のかな?
先制攻撃の代わりに、『車懸かりの陣』っていうものを使うみたい。具体的には、自分の周囲にオブリビオンを円形に配してるらしくて。
もし一箇所が薄くなっても、陣形全体が風車みたいに回って、残りで防衛しつつ薄くなった分は蘇生して、次の防衛のために防御や攻撃を強化して……を、繰り返してるみたい。」
みたい、を連呼する理由は……陣形の呼称が別の猟兵から聞いたものだったり、風車のごとく回すところを見ていないせいだったり、だろうか。
「それで、上杉軍を討伐して先に進むには、車懸りの陣を削りつつ采配を振るう上杉謙信を討つ必要がある……訳だけれども。」
仮に車懸りの陣だけを削ったところで上杉謙信が全て蘇生するだろう、しかし上杉謙信を討つためには車懸りの陣を削る必要がある。
そんな説明を、バウムクーヘンの外周を指す「7」の矢印と、中心を指す「18」の矢印を――上杉軍らしい、手書きの作戦図を指しつつ説明する。
「それで、僕が予知できたオブリビオンは車懸りの陣の一端……大蛇が何匹かいるエリアでね。かなりの回復力と防御力を上杉に与えられたらしくて、よっぽどの攻撃でもないと耐えて回復しそうなんだ……。」
さすがに、山が消し飛ぶような一撃を耐えるほどの防御力はないはずだが……単独でそこまでの威力は望めないだろう。現実的には『攻撃を一箇所に集中させて、防御力を上回るダメージを出す』か『連携で防御力を上回る』あたりだろうか。
「あ、大蛇は全部倒せなくても、何匹か倒せれば、他のグリモア猟兵が予知した経路で上杉謙信は討たれるはずだよ。だからみんなには、大蛇の討伐にだけ専念してもらって大丈夫。」
逆に懸念としては、車懸りの陣が動いて敵の波から抜け出せない……という状態だろうが、そこまで高速回転しているわけでもないので、意図的に残りでもしなければ転送ゲートには戻れるはず。
「という訳で、幕府軍の進軍のためにも、蛇退治をお願いするね!」
応援の言葉を言いつつ。グリモアを掲げて、転送ゲートを開く――。
唐傘
初めての方ははじめまして。
上杉謙信の守りを削りたい唐傘です。
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このシナリオは、「戦争シナリオ」です。
1フラグメントで完結し、「エンパイアウォー」の戦況に影響を及ぼす、特殊なシナリオとなります。
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第1章 集団戦
『うわばみ』
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POW : 噛みつく
【鋭い牙】による超高速かつ大威力の一撃を放つ。ただし、自身から30cm以内の対象にしか使えない。
SPD : 巻きつく
【素早い行動】から【巻きつき攻撃】を放ち、【締めつけ】により対象の動きを一時的に封じる。
WIZ : 炎を吐く
【体内のアルコールを燃焼した炎】を放ち、自身からレベルm半径内の全員を高威力で無差別攻撃する。
イラスト:塚原脱兎
👑11
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種別『集団戦』のルール
記載された敵が「沢山」出現します(厳密に何体いるかは、書く場合も書かない場合もあります)。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
| 大成功 | 🔵🔵🔵 |
| 成功 | 🔵🔵🔴 |
| 苦戦 | 🔵🔴🔴 |
| 失敗 | 🔴🔴🔴 |
| 大失敗 | [評価なし] |
👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。
霧沢・仁美
歴史の授業で習った軍神様の軍とこうして戦うコトになるなんて…
サムライエンパイアでは有り得たことだけど、実際そうなると何かこう、不思議な気分だよね。
それはともかく、この戦いきっちり勝たないとね!
敵群の中から一体を狙い、念動電光球で攻撃。
生成したプラズマ球を全て一つに合体させ、狙った敵にぶつけていく。
他の敵に庇われないよう、立ち位置や射出軌道は随時調整。この際、近接攻撃を受けない程度に距離を保つ。
「逃がさないんだからっ!」
もし他の猟兵と連携できるようなら、そちらと同じ敵を狙い確実に敵数を減らしにかかる。
シン・ドレッドノート
アドリブ連携OK
【SPD】
上杉の元へ味方の攻撃を届かせるために。
「ターゲット・ロック。この一匹、確実に撃ち抜きます!」
目標と定めた一匹の大蛇に相対し、閃光の魔盾のビームを展開して防御態勢を整えつつ、【紺青の剣劇】でビットを召喚。
全てのライフルビットを真紅銃に合体。出力を一点に集中して貫通力を増したビームを、スナイパー技能でじっくり狙いをつけて、蛇が威嚇や攻撃のために口を開けた所に撃ち込みます。同時にソードビットを放って傷口を連続攻撃。50本の連続攻撃で、回復の間を与えずトドメを刺しましょう。
蛇を討ち取ったら、貴紅に騎乗して残ったビットと手持ちの銃器の火力を一斉射撃、一気に敵陣を離脱しますね。
「歴史の授業で習った軍神様の軍とこうして戦うコトになるなんて……。サムライエンパイアでは有り得たことだけど、実際そうなると何かこう、不思議な気分だよね。」
敵陣を……いや、それを指揮する軍神を思って感想を呟く、霧沢・仁美(f02862)。
とはいえ、軍神に限らず史実の存在はオブリビオンとして生まれ落ちる可能性はあるはずなのだが……彼女が習った偉人が別の世界でしか見かけない理由は、きっと他のオブリビオンが邪魔をしてなかなか出られないだけだろう。
「それはともかく、この戦いきっちり勝たないとね!」
オブリビオンの出現傾向がどうであれ、上杉軍を倒さないと幕府軍に甚大な被害が出るだろう。
ほぼ同時に転送ゲートを通った、シン・ドレッドノート(f05130)。
「上杉の元へ味方を届かせるために。車懸りの一端を削らせて頂きましょうかね。」
そして、同時に転送された猟兵は互いを認識したが……お互い、相手とするオブリビオンの相談はできなかった。
いや、『相談する必要がなかった』が正しいだろうか。
「何やら人間臭いが……儂への貢物でも持ってきたか? いや、酒の匂いはないな……ただの迷い人か?」
自分の防御力に自信があるのか、元々猟兵を戦力として見ていないのか。歯牙にもかけない態度で、一匹だけが二人を見ていた――そして他の蛇は猟兵に気付いた様子はない。気付いた蛇も排除には自分一匹で十分と思っているらしく、共闘を持ちかける様子もない。
「ターゲット・ロック。この一匹、確実に撃ち抜きます!」
「逃がさないんだからっ!」
口から炎を吐いて迎撃しようとする蛇に向かい――口の中を狙い、合体させたライフルビットで狙撃する!
そしてその弾丸を追うように、合体強化されたプラズマ球と50本のソードビットが口の中に命中する!
上杉謙信を護るオブリビオンに付与された回復は、攻撃を受けてからの時間差が大きいらしく、被弾箇所が回復する様子はない――。
「ガッ! 人間ごときに……」
呪詛を吐きつつ、力なく倒れるウワバミだが……その呪詛はただの言葉でしかなく、猟兵たちにダメージはない。
「さぁ、他の蛇に気付かれる前に、戦線離脱しましょう!」
「そうだね、さすがに2匹相手はきついもんね……」
貴紅に――スペースバイクへの騎乗を考えていたシンだが、霧沢を残して単独騎乗か二人乗りか……を瞬考したが、バイクの乗り降りのほうが時間がかかりそうなので並走することにしたらしい。
とはいえ、グリモアベースへの転送ゲートまでそう遠くはなく、転送先以外のオブリビオンも含めたところでこちらに気付いている様子もない。猟兵の全力疾走をもってすれば、戦線離脱も容易だろう。
大成功
🔵🔵🔵🔵🔵🔵
樫倉・巽
将を射んとせば、と言うものだな
焦ることはない
一つずつ斬っていけば良いだけだな
覚悟と気で圧すれば戦いはこちらのもの
戦場とて同じ事だろう
こちらが場を制するために
一番槍となるとするか
【無風刃】を使い飛びかかってくる蛇を狙う
相手が蛇なら、仕掛けてくるまでは止まっているだろう
蛇と睨み合い、目線で牽制して相手の仕掛けをコントロールしようとするとともに、
蛇の飛びかかってくる間合いを計る
蛇が飛びかかってきたら
一撃で切り捨てる覚悟と胆力で迎え撃つ
呼吸を合わせ一歩横に踏み出し、
刀を抜き撃ち、蛇の口を裂くか柔らかい腹を斬ろうとする
俺はきっかけであれば良い
最初に均衡を崩すな
あとは仲間がとどめを刺すだろう
次を斬るか
田中・香織
催涙ガスで動きを封じてから、ショットガン(アサルトウェポン)とアームズフォートの大砲の一斉射撃を一人の敵に集中させて一体ずつ確実に仕留めていくようにします。
今回は他の方もいるので、声を掛け合ったりするなど、他の方と積極的に連携して動くようにします。
『これから、催涙ガスを撃ち込むから、あいつに集中攻撃して!!』
遠呂智・景明
アドリブ・連携歓迎
蛇。
はっはっは、ぶっ殺す!!
小細工はいらねぇよなぁ。
風林火陰山雷番外 雷・火。
てめぇの心の臓だけを狙う、しめて490の斬撃。1度に喰らえば一溜りもねぇだろう?
かつて大蛇をぶった斬ってんだ。ただの蟒蛇が、この剣戟をかわせるとおもうなよ。
我が名は大蛇切景明。天敵の名前、覚えてテメェらの海に帰るんだな!
モティアナ・クロスウィート
連携歓迎
「攻撃力もちぃか。わたしはどっちかって言うと守りが得意もちぃけどな」
得意でないなら食事によるパワーアップで補う。UCで自身を強化、フェイントを交えつつ鎧無視かつ二回攻撃でうわばみへと斬りかかる。
「ともあれ、助太刀するのだ」
味方が近くに居れば連携及び攻撃を集中させる様留意
「うむ、厄介なのは炎だけだな」
牙は残像を纏いつつ武器受けからのカウンター攻撃で、しめつけは不定形の身体を活かし抜け出すことで対処
炎は不定形の身体を活かしたフェイントであらぬ方へ吹きつけさせるなどで回避
また可能なら部位破壊で牙の破壊も試みる
「牙が使えなければこいつの攻撃手段が一つ減る。うむ、そう攻撃は最大の防御だな」
一匹の蛇が――オブリビオン『うわばみ』が倒されたのとほぼ同時刻。
「将を射んとせば、と言うものだな。焦ることはない、一つずつ斬っていけば良いだけだな。」
「そうだね、とはいえ私は斬るより撃つほうが表現としては正しいんだろうけど。」
討ち取るオブリビオンを見定める、樫倉・巽(f04347)と田中・香織(f14804)。
「蛇。はっはっは、ぶっ殺す!!」
殺意を隠そうともしない、遠呂智・景明(f00220)。
「攻撃力もちぃか。わたしはどっちかって言うと守りが得意もちぃけどな。」
愛用食の餅ではなく、干し肉を持つモティアナ・クロスウィート(f02000)。
彼ら4人も、オブリビオンを討とうとしていたが――やはりウワバミは、猟兵を歯牙にかける様子はなかった。
「なんだ、もう飯の時間か? それとも酒の時間か?」
「肉の匂いがかろうじてするが、匂いの薄さからして腹の足しにもならん量だろ。迷い込んだ雑兵だろ。」
尻尾を「しっし」の手振りのように振りつつ、口元に酒を注ぎ込む……どうやら眼前の二匹も、猟兵を戦力として見ていないらしい。
「場を制するために、俺が一番槍となろう……。斬る覚悟とは斬られる覚悟――」
不意にウワバミに近付いた樫倉が、音もなくオブリビオンを斬り――納刀と同時に味方の元へ戻る頃、ウワバミから血しぶきが上がった。
「あぁもう、一番槍はともかく攻撃のタイミングは先に言ってよ!」
「ともあれ、助太刀するのだ!」
戦うに値しない、追い払う程度の雑兵に斬られた――という事実を認識するとほぼ同時に、次の一撃が……催涙ガス弾と、食器じみたナイフによる斬撃が傷をえぐる!
「小細工はいらねぇ……にしても、配分の調整は必要か?」
490発の斬撃を打ち込もうと考えていた遠呂智だが……既に負わせた傷も考えると、目標として例示された『山をえぐる』どころか『山を削って代わりに新しい湖を作る』程度にダメージ過多になるだろう。
仕方がないので2匹に分散して、合計490発を打ち込もうとしたが……。
「俺はきっかけであれば良い。斬る覚悟とは斬られる覚悟――。」
「牙が使えなければこいつの攻撃手段が一つ減る。うむ、そう、攻撃は最大の防御だな。」
「あぁもう、またタイミング言わないで攻撃する! そっちにも催涙ガスを撃ち込むから!!」
なんか既に、牙を折ったり口を斬ったり催涙ガスまみれにしたり、味方が手負いにしていた。
「くそっ、小賢しい雑兵共が……!」
あとなんか、遠目のせいで仔細が見えないが、蛇が黒い何かを締め上げて噛みつこうとして……骨がないかのようにしなって噛みつきを躱したうえに、締め付けからもすり抜けていた。
ともあれ、斬撃をどう割り振っても、討ち漏らして回復される……という懸念は必要なさそうだ。
「我が名は大蛇切・景明。天敵の名前、覚えてテメェらの海に帰るんだな!」
総数490発の斬撃を、オブリビオン――手負いのウワバミに撃ち込み、より確実なトドメとなるように心臓狙いを多めに撃ち込む!
「くそ……雑兵ごときに……」
「かつて大蛇をぶった斬ってんだ。ただのウワバミが、この剣戟をかわせるとおもうなよ? あと雑兵って、名乗ったよな!」
大蛇切が――いや、遠呂智が抗議を上げるも虚しく。オブリビオンは力なく倒れ……回復や復活する様子はなかった。
「2匹……いや、3匹のウワバミが倒されたのだ、本陣は別の猟兵に任せよう……もちぃ。」
「あぁ、トドメは仲間が刺すだろう……。俺達は、均衡を崩す事が役目だからな……。」
「そうと決まれば、他の蛇……は見当たらないから、風車の穴埋めで周囲から来ないうちに撤退するわよ!」
見当たる範囲にウワバミはおらず、戦闘の必要もない状態で。転送ゲートまで離脱する、という意見に反対が出るはずもなく。
蛇を討ち取った猟兵4人は、転送ゲートを目指して一目散に――追撃がない事を確認しつつ――戦線離脱をしたのだった。
大成功
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