エンパイアウォー⑱~天使と悪魔携える軍神~
●軍神の刃
「……銀河帝国の黒騎士と白騎士は覚えているかね諸君」
異界の天使スフィーエ・シエルフィートの語り出す存在に、何人かの猟兵が耳を傾けた。
銀河帝国の白黒の双騎士と言えば、猟兵達が初めて相対した強敵として印象に残る者も少なくないだろう。
秘宝(グリモア)を輝かせ、スフィーエはとある亡霊(オブリビオン)の姿を映し出す。
「まぁ見たまえ。そう、彼の……謙信公の手に持っている刀だ。黒がアンヘルブラック、白がディアブロホワイトと言うらしい」
数多の刀を浮かべる中、一際目立つ、直接手に持つ二振りの刀の銘を語り奇妙なものだね……と微笑みを一つ。
「さぁ語ろうか。舞台はサムライエンパイア、戦争真っ盛り夏の陣だ。君達には信長六魔将が一人、軍神『上杉謙信』を打倒して貰いたい」
謙信公率いる上杉軍は、現在関ケ原にて幕府軍を叩き潰さんとしている。
だが肝心の謙信公も前に出てきた以上、それを猟兵側が叩き潰す好機でもあると語るが、スフィーエはこれまでと同じようにはいかないと語る。
「これまでの強敵は諸君らが連続で倒せば復活を阻止することができた。しかし彼は、この陣中で時間を稼ぎ復活阻止を逆に阻止する手立てのようだ」
そう言って謙信公を中心に展開される亡霊達の円陣――限りなく防御に特化していながら、攻撃を仕掛けるにも十分な軍集団。
それを淀みなく運用し自身も戦えるという、正に「軍神」に相応しき戦法だ。
「だが陣の指揮の代償だね。これまでの強敵と違って、先制攻撃を仕掛けてはこない……が、敵の能力は解説しておこう」
陣の対処自体は他の猟兵が行うから、陣を抜けて謙信公の対処に集中すれば良いとも補足しつつ能力の説明を始める。
印象的な周囲に浮かべた刀と持つ刀も含めて十二本、名を「毘沙門刀」といい、左上から時計回りに水・光・土・火・樹・薬・風・毒・氷・闇の森羅万象の属性を宿した刀という前提を示し。
十二本の刀で強力無比な連続攻撃を仕掛けるのは勿論、高速移動をしつつ数多の属性を以て猟兵の弱点を突いてきたり、属性を合わせた自然現象を行使するのだという。
「いずれも強力さ。先制攻撃が無いからといって、手痛い反撃を喰らわない保証はどこにもない」
より確かな打撃を与えたければ、反撃を凌ぐ手立ても考えた方が良いだろうともスフィーエは補足した。
「……やはり軍神と呼ばれるだけはあるね。こうまで強いと涙も出る。いや嘘だがね」
先制攻撃もなく、飽く迄ほぼ謙信公との真っ向勝負に挑めて尚、予知で伺える実力差……陣の指揮の為に先制攻撃が無しでその上で免れそうにない激戦の予感に肩を竦め。
それでも彼女は確かな目で猟兵を見回すと、転送の結界を作りながらこう締めた。
「強敵だが、君達を信じて送りだそう。だがくれぐれも無茶はしないようにね……危なくなったら、すぐに逃げてくれたまえ。命あっての物種、私からの『しんげん』だよ」
……謙信公なだけに、お後がよろしいようで。
裏山薬草
●注意!
このシナリオは、「戦争シナリオ」です。
1フラグメントで完結し、「エンパイアウォー」の戦況に影響を及ぼす、特殊なシナリオとなります。
どうも、裏山薬草です。
サムライエンパイア夏の陣、皆様楽しんでますか?
今回は信長六魔将が一人、軍神「上杉謙信」との戦いをお送りしたいと思います。
謙信公は強敵ですが、これまでの強敵と違い敵のUCに対策を行う必要はありません。
ただし対策があればプレイングボーナスに組み込める可能性はあります。
飽く迄、ほぼ真っ向勝負となります。
ですが謙信公は強敵ですので、普段よりプレイングボーナスは発生しにくい上に成功率自体も低めだと思われます。
ですので苦戦が多めになってしまうと思われますが、承知の上で参加をお願いします。
状況としては、車掛かりの陣を抜け、謙信公に肉薄した状況下から始まります。
陣を抜けるプレイングは不要ですので、謙信公自体への戦い方を書いてください。
疲労しながら陣を抜けた、軽々と抜けていったと説明があれば飽く迄「演出」としては可能なら描写します。
それでは皆様のプレイングをお待ちしております。
裏山薬草でした。
第1章 ボス戦
『軍神『上杉謙信』』
|
POW : 毘沙門刀連斬
【12本の『毘沙門刀』】で対象を攻撃する。攻撃力、命中率、攻撃回数のどれを重視するか選べる。
SPD : 毘沙門刀車懸かり
自身に【回転する12本の『毘沙門刀』】をまとい、高速移動と【敵の弱点に応じた属性の『毘沙門刀』】の放射を可能とする。ただし、戦闘終了まで毎秒寿命を削る。
WIZ : 毘沙門刀天変地異
「属性」と「自然現象」を合成した現象を発動する。氷の津波、炎の竜巻など。制御が難しく暴走しやすい。
イラスト:色
👑11
🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔴🔴🔴🔴🔴🔴🔴
|
種別『ボス戦』のルール
記載された敵が「1体」出現します。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。
| 大成功 | 🔵🔵🔵 |
| 成功 | 🔵🔵🔴 |
| 苦戦 | 🔵🔴🔴 |
| 失敗 | 🔴🔴🔴 |
| 大失敗 | [評価なし] |
👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。
※このボスの宿敵主は
「💠山田・二十五郎」です。ボスは殺してもシナリオ終了後に蘇る可能性がありますが、宿敵主がボス戦に参加したかつシナリオが成功すると、とどめを刺す事ができます。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。
シーザー・ゴールドマン
『軍神』上杉謙信か。グリモア、【Q】を知る者。
背景を知りたい処だが流石にそんな余裕はなさそうだね。
『ウルクの黎明』を発動。オド(オーラ防御)を活性化して戦闘態勢へ。
オーラセイバーを剛柔自在の剣術で振るって戦闘。
(先制攻撃×怪力×鎧砕き×属性攻撃)
(フェイント×2回攻撃×鎧無視攻撃×属性攻撃)など
※属性攻撃はその時点で有効そうな属性があれば見切り、剣の性質を変化。
(見切り×戦闘知識)
敵POWUC対策
謙信本人と宙を舞う毘沙門刀の動きを見切り、オーラ防御が砕かれる刹那の間を利用して回避あるいは受け流してカウンターに繋げる。
(空中戦『空間把握的な意味合』×見切り×第六感×オーラ防御×カウンター)
●千紫万紅
軍神・上杉謙信公――甲斐の虎・武田信玄公と並ぶ古の猛将は待ち構える。
竜巻のように渦巻く数多の亡霊が成す陣中の中央へ――同様にそれを狩る兵(つはもの)の奮戦を以て斬り込む影が一つ。
「一番手は貴殿か」
「如何にも。……さぁ、楽しませて貰おうか」
白き被りの偉丈夫・謙信公に、真紅を纏った偉丈夫シーザー・ゴールドマン(赤公爵・f00256)が互いにその剣を構える。
一人は周囲に森羅万象を宿せし刀を浮かべ、もう一人は真紅の奔流を纏い光輝く刃を手にし互いの切っ先を突き出し合い。
僅かな沈黙の末に動き出したはシーザー、輝く奔流によって限りなく高められた肉体による剛剣が振り下ろされれば、謙信公は白と黒の太刀を交差させそれを受ける。
(『軍神』上杉謙信か。グリモア、【Q】を知る者……知りたい処だが)
剣戟の膠着に依る緊張感――交差させた刀を宙に浮かべたまま光の剣を受け止めつつ、周囲に浮かべた刀の一振り、闇を宿した刀を取り出し振るえば。
シーザーは下からかち上げるようにそれを流し応対する――光剣に、闇の刀の霊力を払う聖なる輝きを宿し。
「っと、流石にそんな余裕はなさそうだね」
「考え事は後にした方がいい」
気にかかることは多々あれど、目の前の相手は容易くない相手――かち上げた剣に地の重力宿した刀が下ろされ、一気にシーザーの剣を叩き落し。
謙信公はその隙を目掛けて一斉に、浮かべた刀の全てを一斉に射出する――シーザーの纏う奔流を打ち砕きに。
(……今だ!)
だが彼は読んでいた。狙うはその一瞬――纏う光壁が砕かれた僅かなその一時。
守りを砕き一気呵成に攻める、その一時に全てを賭けて。
「ぐはぁっ……か、紙一重で突いてくるとは」
――その覚悟と決意の差は如実なる結果となって現れる。
手に振るう過去斬りの黒がシーザーの肩口に触れんとしたその紙一重で、シーザーの光剣が謙信公の肩を深く斬り裂いていた。
成功
🔵🔵🔴
イデアール・モラクス
12の神刀を扱う軍神か、魔剣を統べる女帝として挑ませて貰おう!
・戦術
「征くぞ、軍神!」
UC【魔剣の女帝】を『高速詠唱』で行使。
真の姿となり、次々と『全力魔法』の力で威力を増した魔剣を無尽蔵に召喚し、その全てに『属性攻撃』でいくつもの属性を無秩序に纏わせ『一斉射撃』で雨霰と射出、圧倒的弾幕の『範囲攻撃』と成して飽和攻撃をかける。
「我が剣は無限、尽きる事なき刃の洗礼だ!」
そして高速飛翔の『空中戦』で巧みに天変地異を避け斬り込み、刀や天変地異現象を魔剣ドミナンスで斬り払い『武器受け』して『薙ぎ払い』、返す刀で斬り刻んでから『串刺し』にし『吸血』して『生命力を吸収』する。
※アドリブ歓迎
※陣は軽々抜いた
●神刀と魔剣
肩口に受けた傷の痛みを気合で制し叫ぶ――軍神の雄叫びが、激戦区の中に響きその果て無き闘気が空間に張り詰める。
その揺さぶりをものともせず、目まぐるしき陣を軽々と突破しながら現れたのは、惜しげもなく肌を晒し冷たい白銀の髪を持ち、禍々しき真紅の魔剣を持つ女だった。
「十二の神刀を扱う軍神か、魔剣を統べる女帝として挑ませて貰おう!」
イデアール・モラクス(暴虐の魔女・f04845)の禍々しくも圧倒的な覇気に呼応し、謙信公は次なる強敵との戦いに唇を吊り上げて闘志を示し。
「征くぞ、軍神!」
「来るがいい、女帝とやら!」
その闘志に呼応し、魔剣を構え叫ぶイデアールに、白き悪魔の刀を突き出して応える――互いの女帝と軍神の覇気がぶつかり合う様はそれだけで大気に稲光迸らせて。
迸る稲光は、女帝の魔力――十の剣を浮かべる軍神に対し、女帝はその十倍では収まらぬ莫大な剣の群を生み出し。
「我が剣は無限、尽きる事なき刃の洗礼だ!」
「我が刀は闘神、過去を制し未来を拓く聖魔の洗礼だ!」
軍神の浮かべる刀と同様に無秩序に宿した属性の剣と、軍神の刀から放たれる正に天変地異と呼ぶに相応しき属性の嵐がぶつかり合う。
「……流石!」
量より質とはいうが、イデアールの質自体は紛れもなく一級品。
にも関わらず、莫大な量の暴力を闘神の刀が放つ万華鏡の如き属性の大嵐が膠着する。
「なればこそ、我が魔剣に斬られるに相応しい」
天変地異の混沌とした嵐を潜り抜けるように女帝は駆ける――圧倒的な質の強さへ、その魔剣を以て切り払い氷雪と爆炎の為す、消滅の嵐を逆に斬り裂き。
風と大地が成す岩石の竜巻を斬り伏せて迫る――過去と未来司る刃構えし軍神へ。
黒き過去斬りの刃を未来を予知するかのような動きで打ち払い、白き未来拓きの刃を、過去のごと斬り伏せる勢いで叩き落し。
返す刀が軍神の身を刻み、深く脇腹を指し抉り、その血を喰らっていくのだった。
大成功
🔵🔵🔵
フレミア・レイブラッド
軍神と呼ばれた程の武将…貴方との戦い、非常に楽しみにしてたわ。
さぁ、楽しみましょう。心行くまで!
自身に【念動力】の主に苦手属性やダメージ軽減を目的とした防御膜を展開。
【吸血姫の覚醒】と【残像】を駆使した超高速と【見切り、第六感】で敵の攻撃を回避、魔槍で【武器受け】や莫大な魔力を用いた多様な属性による攻撃魔法【属性攻撃】で刀を迎撃する等で対応しつつ、こちらも手傷覚悟で魔槍による連撃【怪力、早業、二回攻撃、鎧砕き】で攻めるわ。軍神相手に無傷で勝とうなんて思ってないわよ!
そして隙を見て一瞬でも【念動力】で動きを抑え込み、作った時間で相打ち覚悟でも【神槍グングニル】を至近距離から叩きこんであげる!
●必滅槍対闘神刀
口から吐き出す血を袖で拭った謙信公の下に、烈しい突風が叩き付けられた。
浮かべた刀が僅かに揺らめき、謙信公自身が吹き飛ばされそうなその風を放ったのは、四対八枚の悪魔の真紅の翼。
深き紅の剛槍をその手に持ちし、フレミア・レイブラッド(幼艶で気まぐれな吸血姫・f14467)の姿だった。
「軍神と呼ばれた程の武将……貴方との戦い、非常に楽しみにしてたわ」
「次の相手は貴殿か。……槍と戦うのも悪くのも悪くない」
謙信公は力強く大地を踏みしめ、フレミアの持つ槍に目を向け使い手の力量を推し量り唇を吊り上げる。
「さぁ、楽しみましょう。心行くまで!」
フレミアの開戦を告げる声と同時、未来を叩き潰す勢いの白き太刀と、真紅の魔槍がぶつかり合う。
互いに弾かれるまま、謙信公は次々に、今度は浮かべた十の刀を嗾けてフレミアを貫かんとするが、フレミアは槍を横にし勢いよく旋回させそれを弾き。
弾かれた刀の、炎と聖なる光による放射を、氷と深き闇の波動を以て相殺する。
その波動を放った僅かな時間でさえも、謙信公は見逃さない――過去から既に決まっていたかのように、黒き刀を以て続けて斬り込めば。
槍の柄を以て黒き太刀を強引に受け流し、続く剛槍の刃が謙信公の脇腹を薙ぎ――その一瞬に、念動力を放ち動きを停める。
「なんと……!」
今こそ――フレミアはその手に持つ魔槍に全てを込めて突き出す。
だが。
謙信公の力、あまりにも強く――念力の捕縛は瞬きにも満たぬ僅かな時。
突き出される槍と同じくし、白黒の時司る聖魔の太刀を突き出し、謙信公の腹を槍が穿つと同時、フレミアの腹を同時に白黒の刃が貫いていた。
「ッ……! 流石だ……」
「軍神相手に無傷で勝とうなんて思ってないわよ……ッ!」
それでも互いに互いを称えつつ、血を吐き出しながら互いの体を蹴り付け、刃を引き抜かせ。
荒く息を吐く軍神と吸血姫の血が、空中で交錯し地に吸い込まれていくのだった。
苦戦
🔵🔴🔴
四季乃・瑠璃
瑠璃「軍神…確かに、ヒトを相手にしてる気がしないね」
緋瑪「超大物だね!確実そう、瑠璃!」
瑠璃「油断できないよ。全力で殺ろう、緋瑪」
UCで分身&能力・武装強化
二人で【ドロウ、早業】K100で先制で牽制射撃を掛けつつ、もう片方の手で【範囲攻撃、鎧砕き、鎧無視、早業】接触式ボムを生成して放つ事で敵の接近を防ぎ、距離を取りつつ爆風の檻で敵の刀ごと動きを封じ込めるよ。
敵の動作を【見切り、第六感】で警戒。
天変地異等で強引に突破してくる様なら、こちらも【高速詠唱、全力魔法】の【エレメンタルファンタジア】や【力溜め】ジェノサイドノヴァ、【ジェノサイドブレイカー】等の大火力で迎撃。
こちらも手札の全てで迎撃するよ
●一騎当千二心同体
猟兵に与えられし損傷は中々に深い筈――それでも、圧倒的なこの闘気収まる気配もなければ戦闘能力に一切の衰え無し。
「軍神……確かに、ヒトを相手にしてる気がしないね」
四季乃・瑠璃("2人で1人"の殺人姫・f09675)は半身の緋瑪を具現させ、命を削る覚悟で互いの総てに光を纏い。
「超大物だね! 確実に斃そう、瑠璃!」
「油断できないよ。全力で殺ろう、緋瑪」
強敵の気配に銃と爆弾を構える彼女達に、謙信公は興味を向ける。
「双子……? いや、分け身の術か。面白い」
轟音飛び交う戦場の中に於いても鮮烈に響く拳銃の音、瑠璃と緋瑪の一斉の発砲を浮かべた刀と持つ刀で斬り伏せ。
一歩を踏み出そうと思えば、瑠璃と緋瑪の得意とする爆弾が飛来する――それを切り落としても、爆ぜる熱風と衝撃は謙信公の進軍を緩める。
敵の剣戟は強力無比、近づけば膾は免れない――距離を取りつつ、銃撃と爆弾を使い潰す勢いで放ち続けるが。
「ハアアアアッ!」
激しい雄叫びと共に解き放たれた属性刀からの大津波が、彼女達の爆風と銃弾を強引に突き破る。
「瑠璃、凄いよ! あれだけやってるのに、足止めにすらなってない!」
「流石軍神だね……やるよ緋瑪。手札の全て、使い切るよ」
膠着を破る烈風と氷雪の大津波を前に、寿命を削る危険を厭わずに力を極限まで高めた同質の術を以て受け止め。
それでも及ばぬ力量差は、僅かな膠着の隙を以て力を溜めて放つ必殺の閃光を以て補い漸く謙信公の放つ大津波を払えば。
大津波払った後に映るは、刀を構え駆けていく謙信公の姿――ここで全魔力を使い切る勢いで。
「「これが(私/わたし)達の全力全壊! ジェノサイドブレイカー!!」」
銃を向ければ、既に刀の射程に。
力を溜めれば謙信公が刀を二人に振り下ろし始める。
――そして刃が届くその前に。
残された全ての力を振り切る勢いで、二人の銃口から放たれた激しい奔流が、謙信公を迎え撃っていた。
成功
🔵🔵🔴
アリス・フェアリィハート
アドリブや連携も歓迎です
軍神と吟われた
上杉謙信さん…
私の力で…どこまで
戦えるのか
判りませんけど
ここで退く訳には…!
【WIZ】
【第六感】【見切り】【残像】
【早業】【オーラ防御】等を
攻撃や防御・回避等に
フル活用し戦闘
自身の剣や槍
『ヴォーパルソード』や
『プリンセスアリスランス』の
光焔の槍の軍勢各々に
敵の毘沙門刀に対応した
属性を付与しつつの【属性攻撃】や
【なぎ払い】
【ランスチャージ】
【鎧無視攻撃】等の近接攻撃や
剣や槍から放つ
【衝撃波】【誘導弾】等を
【2回攻撃】での
時間差攻撃等とも組み合わせ
攻撃
敵のUCには
こちらもUCを使い
相殺を試みます
『まるで…自然そのものを相手してるみたいです…けど…私だって…!』
●時空操作
(軍神と吟われた上杉謙信さん……)
アリス・フェアリィハート(不思議の国の天使姫アリス・f01939)は全身より白煙を噴き上げながらも、淀みなく指揮を繰り広げ刀を振るう姿に背筋を震わせた。
(私の力で……どこまで戦えるのか判りませんけどここで退く訳には……!)
意を決し、アリスは軍勢を抜け出し謙信公の下へ推して参る。
現れた御伽草子の童女のような姿に一瞬驚くも、すぐさまに謙信公は考えを改めた。
「ここは子供の来るところでは……否、貴殿も猟兵か」
「お初にお目にかかります。……行きます!」
裾を手で軽く広げ挨拶一つ――互いにそうした遠慮は無用。
右手に無敵の怪物殺しの剣を、左手に姫騎士の槍を構え。
槍から呼ばれる軍勢と、その剣に謙信公の刀に対応する属性を宿し、彼からの切り込みを受け止めて。
返す刀で剣と槍から放つ衝撃が謙信公の体を幾度となく打ち据え、打撃を与えていくが――謙信公もまた、それを白黒の太刀で弾き、二刀を掲げると森羅万象の嵐を呼び出す。
だが放たれる謙信公の属性の嵐は強力無比――展開した筈の光壁も破られ、アリスの体を炎を載せた鎌鼬が切り刻み、砂塵の大津波の大質量が彼女を押し流す。
「まるで……自然そのものを相手してるみたいです……」
打ち据えられた身体と、熱傷に顔を顰めつつ立ち上がる。
彼が操る力、正に自然の暴力……でもこの身が動ける限り、まだ負けじゃない。
「けど……私だって……!」
童女に完全なるとどめを刺さんと、謙信公が再び森羅万象の暴力を叩きつけんとしたその刹那。
「! これは私の技……!?」
「【白の女王の鏡】に、映らないものはありません……!」
僅かに現れた鏡の幻影より解き放たれた『過去』、謙信公の操る森羅万象の暴威と正確に同じ暴威が放たれ、相殺していき。
驚愕する謙信公の刀を怪物殺しの剣で弾き、槍からの衝撃が脳天を強く打ち据えるのだった。
苦戦
🔵🔴🔴
カイム・クローバー
見事な陣形だな、軍神。この陣形の弱点みてーなもんを教えてくれると助かるんだが。『敵に塩を送る』っつーんだろ?こういうの。ま、期待しちゃいねぇがな。
【残像】を残してSPD勝負。高速移動に翻弄されるフリをするぜ。【二回攻撃】【一斉発射】で銃撃を撃ちつつ、【見切り】【第六感】で放射を躱して長期戦に。謙信のUCのリスクを考えれば長期戦はこっちが有利……そう見せかけて、真の狙いは謙信自身に接近させること。
銃を手放し、炎と共に生まれた剣を手にUCを使用。【属性攻撃】【串刺し】【範囲攻撃】【二回攻撃】を併用し、高速移動を【見切り】でぶちかます。水の剣で受けてくれるなら好都合。俺の雷はちょいと激しいぜ?
●疾風迅雷
混迷を極まる軍神との決戦、その渦中にて互いに駆け合う二つの影があった。
「見事な陣形だな、軍神」
言葉の投げかけと共に双頭魔犬の銃より放たれた弾を、白の太刀で予測していたように謙信公は斬り払った。
反撃に放たれる雷の帯を躱しては、銃弾を放ちカイム・クローバー(UDCの便利屋・f08018)は問う。
「この陣形の弱点みてーなもんを教えてくれると助かるんだが。『敵に塩を送る』っつーんだろ? こういうの」
「あれは米塩の争いではなかったからな。争いのことに便宜は図れぬよ」
周囲に円陣を組ませ旋回させた刀で銃弾を斬り飛ばし、毒液の放射で反撃する謙信公は苦笑を浮かべていた。
謙信公の源とするそれ――諸説はあるが、戦そのものに融通を利かせるわけにはいかないだろう。それはカイム自身も分かっていたのか。
「ま、期待しちゃいねぇがな」
その毒液が肩を竦めるカイムを溶かした筈――だが、それは残像だった。
中々の速度だが謙信公は自身を追い切れてはないと見えていれば、惜しむ寿命は無い……しかし。
「追い駆けっこも飽きてきただろう」
手早く斬り伏せ、先に進もう――決意し周囲に刀を旋回させつつ地を縮める如き速度でカイムに迫るが。
「得物を棄てた……!? 否、まさか」
「そのまさかって奴さ!」
それこそはカイムの狙いそのもの――謙信公が駆け出すと同時、銃を棄て虚空に黒銀の炎を浮かべ。
炎から取り出した魔剣を手に、その刃に紫電を纏わせ、迫る謙信公目掛け正に雷電の如く駆け出し。
互いに劣らぬ超速度がぶつかり合い、互いの黒と黒の刃が重なり火花を散らし弾かれる。
「痺れさせてやるぜ? 受け取りな!」
「――水刀!」
弾かれても返す魔剣の雷が迫らんとした刹那、謙信公も純水の刃で雷を阻まんとする。
「……俺の雷はちょいと激しいぜ!?」
――それよりも尚烈しく、魔の雷は純水の刃をも喰らい盛大に軍神の体を打ち据え……続け様の刺突が軍神の胸を貫いた。
成功
🔵🔵🔴
山北・樅
軍神、やっと会えた。
ここまで長くて面倒だったけど、もうどうでもいい、殺す。
弱点を突いてくるなら、私に向けてくるのは火か光、両方もあり得る。
初手の【刺天】で狙うのは属性の刀の峰。
勘を頼りに切先を最小限の動作で回避、攻撃に支障が出るような負傷だけは避ける。
刀を弾けたらそのままの勢いで軍神の懐に飛び込んで【刺天】。
「…お命、頂戴」
殺してみたいと思うから殺す、ただそれだけ。
アドリブ連携歓迎
●竜を倒す者
――終局はもはや近く。
胸を抑え絶え間なく血を吐き出す軍神の命も、時間の問題だろう――それでも、振るわれる力に一切の衰えがない。
「軍神、やっと会えた」
ここで確実に仕留める……陣を潜り抜けてやってきた山北・樅(自由隠密・f20414)の被りから覗く冷たい殺気と、妖刀の煌めきに謙信公は肩を竦めた。
「ここまで長くて面倒だったけど、もうどうでもいい、殺す」
「もう長くは無い命だが……殺されて奪われる訳にはいかぬな」
手には過去と未来を司る悪魔と天使の刀を、周囲には十本の刀を円陣のように広げ旋回させ。
炎と光を司る刃が樅へと向けば、熱と光の波動が樅を焼き尽くす――筈だったが。
熱と光の帯の下を滑りこむように樅は駆け抜けていき、立ち上がると妖刀の刃で以て、炎を司る刀の峰を打ち据えて。
弱り切っていた刀が地面に堕とされ、飴細工のように砕け散りながらも軍神は距離を取って光を司る刀を再び向ける。
「良く躱すものだ……」
しかし、光の放射が樅を飲み込むことはなく――僅かに外套を焼くだけに留まる。
円陣を補うように白太刀を浮かべ、烈しく旋回させ最早破れかぶれに数多の属性の帯を放射するも、樅はごく僅かな放射の隙間すらも見切り、彼に迫る。
そうして、次なる弱点の刃――光を司る刀を峰から妖刀で突き刺し、砕き散らし。
続け様に旋回しながら首を狙う未来斬りの白太刀を、髪の数本を犠牲にしてしゃがんで躱すと。
「……お命、頂戴」
切れた外套を脱ぎ捨て、上衣を、靴を次々と脱ぎ捨てて。
軍神の超速度が再び距離を取るその前に、その喉笛へ潜り込み。
妖刀から滴る呪詛の水が軌跡を残すように飛散り――かつての逸話が如く、軍神の喉笛より血の雨を降らす――!
「……」
殺したいから殺した。
ただ、それだけ……そう、それだけのことだ。
何も語らずに樅は妖刀を拭い、倒れ伏した軍神の脈が無いことを確かめて。
消えゆく身体を背に、戦の陣を後にするのだった。
成功
🔵🔵🔴