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エンパイアウォー㉔~春日山忍隊

#サムライエンパイア #戦争 #エンパイアウォー

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●戦史に綴る一頁
「やっほー諸君! 活躍ぶりは聞いてるよー。信州上田城の戦いをあっという間に終わらせたんだって?」
 エンパイアウォーの情報が錯綜するグリモアベースにて、ウィルマ・シャーオゥ(古書のヤドリガミ・f00154)が猟兵達に声を掛けてきた。ウィルマもまたグリモア猟兵の端くれだ。おそらく何らかの予知を行い人手を集めているのだろう。
「うんうん、お察しの通り戦争に関するご案内です。諸君ちょっと城攻めしてみる気はないかな! これからご案内いたしますのは『軍神』上杉謙信の本拠地となる越後の春日山城でございます! いえーい拍手!」
 先の話に出てきた信州上田城に布陣していたのが上杉謙信の軍勢だ。現在は信州から撤退し、次なる戦場――徳川幕府十万の兵力が合流する関ヶ原へ向け、主戦力を移動させている真っ只中であるらしい。必然として、上杉の本拠地たる越後の守りは手薄にならざるを得ないのだ。
「堅城として名高い春日山城だけど、主力のいない今なら充分攻め落とすに足る目はあるよ。逆に、主力を欠く今しか好機がないとも言えるかな? 敵の本拠地のひとつだし、制圧して調査出来たら……例えば、織田信長の軍全体に関わるような情報とか。何かしら手に入るんじゃないかナーと吾輩睨んでいるわけなのです」
 制圧するためには一定以上の戦力投入が必要になるだろうが、その分見返りは大きいはずだ。戦場では防衛部隊との集団戦が予想される。城の守りを任されている以上、一筋縄とはいかないだろう。
「防衛部隊はだいたい十人前後で編成されてたはずだネ。それぞれ連携して戦ってくるだろうから、広範囲の攻撃で一気呵成っていうのは難しいんじゃないかなー」
 猟兵ひとりあたり、二人も倒せれば上出来と見て良いはずだ。一部隊を壊滅させたら、他の防衛部隊に発見される前に一度帰還するべきだろう。
「猟兵の戦力次第では撤退を余儀なくされる可能性もあるけど、吾輩はこの戦いを支援するよ。諸君、どうぞご武運をー!」

●物陰に潜む者
 周囲各地で防衛部隊と猟兵による戦闘が始まっている。転移した先は山林生い茂る野外だった。敵の姿は未だ見えずとも、ぴんと張り詰めた空気が如実に語っているようだ。
 ここは、既に戦場であるのだと。


藤川棗
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 このシナリオは、「戦争シナリオ」です。
 1フラグメントで完結し、「エンパイアウォー」の戦況に影響を及ぼす、特殊なシナリオとなります。
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 サムライエンパイアよりごきげんよう。急ぎ攻城戦の手配をさせていただきました、藤川です。以下は補足となります。

●戦闘について
 視界のあまりよろしくない山林が舞台となります。敵は地の利を掌握しているオブリビオン忍者部隊。いつ奇襲されるとも知れない緊迫感を楽しむもよし、より戦いやすいように工夫するもよし。オープニング中でも触れられておりますが、一度に襲ってくるとしたらだいたいツーマンセルではないでしょうか。それ以上の敵を相手取ると逆に不利になってしまうかもしれませんね。

●春日山攻略について
 このシナリオに成功すると、春日山城の攻略度が5%上昇します。攻略度が100%になることで、春日山城を制圧する事が出来ます。
 調査等は制圧完了後になりますので、今は目の前の戦闘に集中してくださいませ。

 それでは、皆様の警戒心にあふれたプレイングをお待ちしております!
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第1章 集団戦 『妖魔忍者』

POW   :    忍法瞬断
【忍者刀】による超高速かつ大威力の一撃を放つ。ただし、自身から30cm以内の対象にしか使えない。
SPD   :    忍法鎌鼬
自身に【特殊な気流】をまとい、高速移動と【斬撃による衝撃波】の放射を可能とする。ただし、戦闘終了まで毎秒寿命を削る。
WIZ   :    忍法鬼火
レベル×1個の【鬼火】の炎を放つ。全て個別に操作でき、複数合体で強化でき、延焼分も含めて任意に消せる。

イラスト:カス

👑11
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種別『集団戦』のルール
 記載された敵が「沢山」出現します(厳密に何体いるかは、書く場合も書かない場合もあります)。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
 それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。

ベルベナ・ラウンドディー
●聞き耳・情報収集・おびき寄せ・地形の利用

諜報道具一式による地形観測
およびユーベルコード使用、音による索敵を行う
音量や間隔等の規則性から殺害対象を選定
敢えて素人同然の痕跡を残して油断を誘い、敵を爆弾の仕掛けた場所まで誘導する
…洞窟や崖など行き止まりを作れる地形があればよし、無ければ【トンネル掘り】で用意
そこで逃げ道を塞ぎ始末する



●串刺し・範囲攻撃・見切り
交戦は直刀を主体に展開
爆弾のポイントは2点
1つは鬼火の引火を警戒させ、手段を封じること
1つは生き埋めにする…死体の確認が困難の為、最終手段



好きか嫌いかは別として密偵は本来戦ってはいけないものです
…目標達成後は速やかに撤収
他猟兵の展開を期待します



 戦地に降り立ったベルベナ・ラウンドディー(ドラゴニアンのバイク乗り・f07708)は、朧気な敵の気配を肌で感じ取っていた。それはベルベナ自身もまた諜報を生業としていたが故の直感のようなもの。居所を悟らせないままに、こちらを観察しているのだ……という確信があった。
 密偵が取るであろう動きを脳内でシミュレートしながら、ベルベナは諜報道具一式から双眼鏡といくつかの器機を取り出して索敵ソナーを組み上げた。それを自身の側頭に装備して、音源感知と同時に視界を駆使する。ほどなくして、数百メートル前方に洞穴状の地形を発見した。……まずはそこに誘い込もう。
 何らかの探査ととれる一連の行動を知られているのであれば、完全なる素人を装うのは逆にわざとらしいかも知れない。そう判断すれば、ベルベナは適度な『らしさ』に留めておくことを最良と見た。急ぎこの場を離れつつ、分かりやすい足跡を消しながら茂みに潜る。その過程でも周囲への警戒は怠らず、ささやかな隙を作り出す。洞穴という袋小路に近づいた頃……高速で接近する生体反応を感知した。
「――!」
 小手調べのような忍者刀を無骨な直刀で弾き返し、ベルベナは飛び退いた敵影へ向け掌中の物体を投げつける。遠方に控えていたもう一人が物体を処理しようと鬼火を放った瞬間、狙い通りの流れにベルベナが急ぎソナーの電源を遮断した。
 刹那、物体を中心に爆風が吹き荒れた。それはベルベナ手製の手投げ爆弾のひとつ。至近距離で爆破に見舞われればひとたまりもないだろう。
「得体の知れないものに迂闊に手を出してはいけません。戦闘にもつれ込んだ時点で、密偵は既に後手に回っているのですよ」
 焼け爛れた忍の肉体が音もなく霧散し消失していく。まずは一人。そしてもう一人だ。全くの無傷とはいかないだろうが、一対一で取り逃すほどの相手ではないだろう。高揚する戦意に、ベルベナの口角は人知れず上がっているのだった。

成功 🔵​🔵​🔴​

御園・ゆず
転送されて、周りを見渡す
…遮蔽物が多い
狙撃は辞めて、敵陣に突っ込んで戦おうかな?
うんしょ、と木に登り、狙撃銃のスコープで観察して
単独で行動している方を見つけたら、そこへ駆けつけよう

スクールバッグから、ガトリングガンの『スコーピオン』を取り出して、乱射します
小型のガトリングガンなので小回りは効きます
そちらはお願いします、こちらはお任せください!
声を掛けて連携を取りながら

自らが負傷しても構いません
前進します

…だって、これは前哨戦
わたしがあたしになってからが本番なの

……えへへ、倒したと思いました?
残念、『デウス・エクス・マキナのお出ましお出まし』
へらり、卑屈に笑って、膝をつき、終焉(終演)を見届ける


黒谷・英壱
愛用のゴーグルを装着して【目立たない】よう【情報収集】開始
木々の生い茂りから地形含め各種データ化
そういや確か深い堀を作って敵の足止めをする例とかあったなと
歴史上ありえたであろう戦術も考慮し探索

もちろんただ歩くこの姿は当然相手からは格好の的
その気配に【野生の勘】や【第六感】がいち早く気付けば【フェイント】に【だまし討ち】
場合によっては【先制攻撃】もいけるか
そうでなくとも【逃げ足】で距離を取り盛大に花火を起こせばこっちのもの
悪いけどそう簡単にやられはしないぞ

一通り収集が終わればさっさと引き上げよう
俺以外の猟兵達が調査しに来ているならむやみに残る必要もないしな

……もし合流したら情報提供はしておくか



 パーカーのフードを深く被った黒谷・英壱(ダンス・オン・ワンライン・f07000)が、山林の暗がりで目立たないように屈みこむ。愛用している電子ゴーグル『ReLive V2』を装着すると、物音に細心の注意を払いながら周囲の様子を窺った。薄型ゴーグルの視界には、光学的に読み取ったあらゆる地形データが網羅されている。
 ――とりあえず、罠らしい罠はなさそうだな。
 内心でひとつ安堵して、英壱は探索に打って出る。生憎と、専門的な隠遁術には心得を持たないのだ。一通りの地形情報を集めたらすぐさま引き上げて補助に回ることにしよう。
 英壱は常に監視されていることを覚悟の上、肉厚の獣耳をぴくぴくと働かせながら歩いていた。……その時、ぶわりと総毛立つような感覚に英壱の全身が支配される。野生の勘、あるいは第六感とでも呼ぶべきものだろうか。それらが警鐘を鳴らすままに、英壱は半ば転がるようにして回避運動を取った。
「……くそ、やっぱり見つかったか……っ」
 猫のような瞬発力で跳ね起きれば、数秒前の自分がいた座標には深々と暗器が突き立てられていた。視界データを更新、想定される軌道から敵位置を演算――クリア。
 ゆらりと現れる忍の影に、英壱はぐ、と杖を構えた。

 転送されてきた御園・ゆず(群像劇・f19168)は、不安気な背中を少しだけ伸ばしてあたりを見渡していた。事前に聞いてはいたのだが、やはり遮蔽物が多いようだ。狙撃を狙うにせよ、敵陣へと強襲するにせよ、まずは索敵が必要になるだろう。
「えっと……これとか使えるかも。木登りなんていつぶりかな?」
 ゆずは肩に提げていたスクールバックから鋼糸とその巻取り装置を取り出すと、手頃な立木に括り付けた。それを支えに身体を持ち上げ、うんしょという可愛らしい掛け声とともに樹上を目指す。据わりの良い枝ぶりに腰掛けると、狙撃銃のスコープを覗き込んで遠目を利かせた。
「んー……ん? あれ、もしかして」
 走れば駆け付けられるであろう距離。木々の合間を縫ってちらりと赤い光、そして細い煙が見える。間違いない、そこで誰かが戦っているのだ。急ぎ地面に舞い戻ると、ゆずは手早く装備を取り換える。小型ガトリングガン『スコーピオン』――移動中の武装としては、狙撃銃より扱いやすい。
 ゆずが交戦場所と思しき地点へ駆け出すと、待ち受けていたかのように立ち塞がる忍が一人。ゆずは十七ミリの弾丸を小刻みにばら撒きながら、反撃も顧みずにただ走る。しかし、移動中にこの敵くらいは片付けておきたいところ。忍者刀を振りかぶって距離を詰める敵の眼前に、ゆずは総重量六キログラムをゆうに超すスクールバッグを叩き付けた。遠心力で重さの増したそれを頭部に食らった忍は、数メートルほど吹き飛んでから追撃のガトリングに晒され、死体も残さず消えていった。
 そうしてゆずは傷だらけになりながらも目的地に駆け付ける。そこには炎の魔法で鬼火と渡り合うキマイラの少年――英壱がいた。
「応援に来ました! 大丈夫ですか!?」
「それは有難……って、あんたの方が大丈夫なのか! 血まみれだぞ……!?」
 ゆずの有り様にぎょっとした英壱の隙をついて、新たな忍が斬りかからんと迫り来る。間合いに踏み込むその直前、ゆずのガトリング連射がそれを牽制した。
「わたしは大丈夫です! ……だって、これは『あたし』になるための前哨戦だから……こちらはお任せください!」
「わかった、無理はするなよ!」
 何か策があるのだろう。それでもどこか気遣わしげに英壱が応えると、杖を振るっておびただしい数の炎の矢をフェイント交じりに操っていく。敵の鬼火は集まり強化されていくが、火力の総量では英壱も負けていない。背後の守りを任せられるなら、そう遠からず決着を付けられそうだった。

 一方のゆずは失血で徐々に動きが鈍り出していた。十全の状態の敵一体は苛烈に攻め入り、ガトリングを握るゆずの手を深々と切り伏せる。膝を折るゆずに止めをくれてやろう、という正にその瞬間――背後からの弾丸雨霰にて、忍の頭部が西瓜のように弾け飛ぶ。
「さすがは『あたし』。デウス・エクス・マキナのお出ましにて、此度の演目『道化芝居(ファルス)』は……これにて、おしまい」
 満身創痍のゆずが卑屈に顔を歪ませる様を、ゆずと鏡写しのような少女が自信たっぷりに見下ろしていた。

成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​

ネリッサ・ハーディ
【SIRD】のメンバーと共に行動

敵は地の利を生かした奇襲戦法を主体とした、いわばゲリラ戦術を布いてくる様ですね。ならば、こちらとしては不意を打たれない状況に持ち込む必要があります。
敵と接触したらUCの炎の精を召喚。迎撃しつつ敵を味方のいる方へと追い立てます。あくまで追い立て誘導するのが目的ですから、必ずしも敵を撃破する必要はありません。可能ならば敵全てを一箇所に纏めて包囲殲滅を図りたいところですが、まぁ可能な限り、という範疇でよしとしましょう。
ついでに、炎の精で火災を発生させ敵を追い立てるのに利用。地の利である山林を失えば、更に効果は上がるかと。
後はSIRDメンバーか他の猟兵に任せましょう。


ミハイル・グレヴィッチ
SIRDの面々と行動。

幾らアウェイっつってもな、要はアレだろ、全力で叩き潰してやりゃいいんだろ?上等だぜ。そんじゃ、キツネ狩りと行こうか。
敵は忍者で、ちょこまかとすばしっこいのが揃ってるみてぇだが・・・なーに、そんな2、3発躱されても問題にならないくらいの、キツい弾幕張って迎撃してやらぁ。幸い、弾は腐る程持ってきた。ゲップが出るまで鉛弾叩き込んでやるぜ。
無論、こちらが弾幕張っている以上、当然撃ち漏らすヤツや逃げ延びるヤツも出て来ると思うが・・・まぁその手の残った獲物は、他の猟兵かSIRDの仲間に譲ってやるとしよう。むしろ、可能ならば弾幕で他の味方の猟兵がいる方へ追いやる形で射撃を行う。


寺内・美月
アドリブ・連携歓迎
『共同参加:SIRD』
UC〖完全管制制圧射撃〗にて各特殊火器を複製し警戒網を構築することで襲撃を防ぐ。
・9㎜特殊火器で接触線を維持。敵発見時は当初は9㎜特殊火器で牽制射を加え、さらに近づけば5.56㎜特殊火器の射撃と刺突にて撃破もしくは攻撃の鈍化を行う。
・7.62㎜特殊火器と18㎜特殊火器は、局長の火の精と共に敵に攻撃を加えつつ敵を開けた場所などに追い立る。
・開けた場所に誘導したなら、UC〖黒鞘搭載誘導レーザー『霊光』〗による誘導弾と、複製しなかった203㎜特殊火砲から榴弾を発射して一網打尽にする。
・一応UC〖白鞘搭載型治療レーザー『月光』〗の準備をして負傷者の発生に備える。


メンカル・プルモーサ
【SIRD】の面子とともに行動。
忍者か…地の利が相手にあるからそこが難しいところだね……
【夜飛び唄うは虎鶫】を召喚してソナーや等の各種センサー隠れてる忍者の位置を索敵、皆に伝えるよ……
忍者の奇襲に対してはガジェットを盾とすることで凌ぐ……
ネリッサが追い立てるなら残りのガジェットからの援護射撃で追い立ての補助を…
…集まった忍者に対しては【精霊の騒乱】による炎の竜巻で一網打尽を試みるよ…
……上手く集められなかったら【縋り弾ける幽か影】で忍者を1人ずつ追跡からの自爆で仕留めていくか…
追い立ててる最中なら注意力も削げてるだろうから自爆ガジェットもそうそう見つけられないだろう……


灯璃・ファルシュピーゲル
【SIRD】一員として緊密に連携

待ち伏せする人間は
待ち伏せられている可能性も考慮に入れるべきですよ

事前にギリ―スーツ用意
まず「迷彩、地形の利用、忍び足」で
団長の陽動に合わせ山林の起伏や茂みを利用し
静穏重視で敵部隊の側面に回り込み
銃のスコープを使い距離をとって監視
随時移動情報を味方に無線報告

団長達の誘導で敵が集まり始めたら
一発射撃、同時にコードで狼達を召喚し周囲の茂みに
潜ませ自分は即座に移動

防御態勢or偵察を出す動きを見せたら周囲配置した
狼達を一気に襲撃させ足止めの罠に(罠使い)
味方の制圧攻撃を支援

自身は火炎包囲から逃げ道を探す者や指示をだしてる敵を
優先的に狙撃し連携行動を妨害図る(スナイパー)


エメラ・アーヴェスピア
【SIRD】
さて、久々に共同戦線ではあるけれど…皆、やれる事をやっているようね
お陰で私に出番はなさそうなのよね…

いつもなら探知に手を出す所ではあるのだけど…今回は皆がやっているわね
自分への奇襲封じの為にドローンを上げておくだけにするわ
ついでにそれで地形に関して【情報収集】、待ち伏せできそうな場所を探しておきましょう
視界が良くない【地形の利用】をして『出撃の時だ我が精兵達よ』の兵士達を埋めて(自分から埋まらせて?)機能を停止しておくわ
そして追い立てられてきたら一斉に起動、手に持つ魔導蒸気ライフルを【一斉発射】よ
地形が燃えてても兵士なら問題は無いし、直前で起動すれば気取られる可能性も低いでしょう



 随所で戦闘が行われる中、特務情報調査局『SIRD』の面々が山林に降り立った。メンカル・プルモーサ(トリニティ・ウィッチ・f08301)が通信・索敵機能を持つガジェットを上空に放ち、エメラ・アーヴェスピア(歩く魔導蒸気兵器庫・f03904)も自身への奇襲に備えて魔導蒸気ドローンを飛ばす。地形や敵配置の情報収集に励む二人に向けて、ギリースーツに現地細工を施す灯璃・ファルシュピーゲル(Jagd hund der bund・f02585)が成果を尋ねていた。
「索敵の調子はいかがでしょうか?」
「私のはあくまで自分用ね。とにかく視界が悪いわ。メンカルさんのガジェットは、確か熱探知も出来るのよね」
「……全体的に散ってるね、やっぱり……。基本的には二人一組、でも聞いてた数よりは若干少ない……かな……」
「おそらくですが、先んじて交戦した猟兵がいるものかと。人員が減っているならどこかに穴がありそうですね」
 家柄を感じさせる丁寧な言葉を発するのは寺内・美月(霊兵の軍を統べし者・f02790)だ。特殊火器各種をしっかりと装備し、報告に対する所感を述べる。
「……そうだね……ここから南西八百メートル下ったあたり、全体的に距離があって風下の場所……待ち伏せするならいいと思う……」
 メンカルの提案に、『SIRD』団長のネリッサ・ハーディ(クローク・アンド・ダガー・f03206)は前髪を右耳に払いながら頷いた。
「……敵は地の利を生かした奇襲戦法を主体とした、いわばゲリラ戦術を布いてくるようです。よって、こちらとしては不意を打たれない状況に持ち込む必要があります。陽動の指揮は私が執りますが、同行する方はいらっしゃいますか」
「俺は行くぜ。幾らアウェイっつってもな、要はアレだろ、全力で叩き潰してやりゃいいんだろ? 上等だぜ」
 いち早く応じたのはミハイル・グレヴィッチ(スェールイ・ヴォルク・f04316)だ。それに美月、メンカルが続く。
「私もお供いたします。制圧射撃で誘導の補助を」
「……索敵担当がいた方が良い……私も行くよ……」
「うーん……私は合流ポイントで待ってるわ」
「では、私が中間地点からの連絡役を担いましょう。メンカルさんのガジェット、そしてエメラさんとの回線を開いておきます」
「助かります、灯璃さん。何か気付いたことがあればこちらにも逐次共有をお願いしましょう」
 エメラは先んじて待ち伏せ、灯璃は潜伏しながらのフォロー。他四人が連携して追い込む……それぞれの動きを確かめると、ネリッサは仲間達へと号令をかける。
「目標は残存敵戦力の包囲殲滅。それでは状況開始――各員の健闘を祈ります」
 了解、と答える声が揃い、対ゲリラ戦術行動へと移っていった。

 陽動に向かう四人の中で、特に堂々と動き回るのはネリッサとミハイルの両名だった。メンカルからもたらされる敵の潜伏位置を元に周辺へと接近し、山林の中を足早に駆ける。
「フォーマルハウトに住みし荒れ狂う火炎の王――その使いたる炎の精を我に与えよ」
「奴さんお出ましかい? そんじゃ、キツネ狩りと行こうか!」
 驚異的な速度による奇襲攻撃をミハイルが弾幕で削ぎ、その隙にネリッサの操る精霊の炎が豪快に草木へと放たれていく。忍達は先制に失敗した以上、数的不利の状況で戦いたくはないのだろう。想定されるその後の行動は、再び隠れてからのヒットアンドアウェイ。山林という忍び隠れる絶好の環境を失いたくはないはずなのだ。
 しかし、ネリッサの荒れ狂う炎はそれを許さない。木々を焼き払い、身を隠す暗がりを強引に奪い去る。結果、他の仲間と合流するまでその姿を露にし続ける羽目になっていた。
「ちょこまかとすばしっこいが、それなら二、三発外しても問題にならないくらい撃って、撃って、撃ちまくるのみだぜ! 弾ァ腐るほど持ってきてんだ! ゲップ出るまで食らいやがれ!」
「ゲップで済むなら幸運な方だ。前方の敵に火力集中、接触線から逃すものか……制圧射撃始め!」
 ミハイルの軽口へ粗暴な口調で返しつつ、美月が複製火器・火砲を統制した射撃を放つ。敵の一体を散弾が打ち据えながら、背後の林にまで火の手が及ぶ。それを見たミハイルがヒュウと口笛を鳴らした。
「派手にやるねぇ……でもネリッサの炎以外は自在に消したりできねぇんだろ? このまま山火事は御免だぜ」
「……私が、あとで『精霊の騒乱』で鎮火できるから……多分平気。次、そろそろ来るよ……」
 メンカルが更なる敵影を知らせ、精霊の炎が荒々しく火柱を立てる。その激しい炎は野山において殊更目立つ。遠方数キロメートル離れていたとしても、炎の術者の存在を他に知らしめることだろう。炎の精が踊り、放火射撃や牽制弾幕がその密度を増すと共に、二人、四人、六人と敵が増えていく。敵の数的不利が解消されつつあると、忍達は次第に攻勢を見せるようになってきた。

 基本構成であるツーマンセルを大幅に超えた人数による連携となれば……自然と、上位の指揮系統というものも見えてくる。一定の距離を保っていた灯璃は的確にそれを見抜き、狙撃銃を構えていた。身を包むギリースーツで擬態は万全。一段高い地形から腹ばいになり、拍動を計算に含めて照準を絞る。二秒、一秒……軌道に対象が踏み込む、今。
 スコープの先で着弾を確認すると同時、灯璃は素早くその場を離れ走り出した。その途中、無線機での連絡も怠らない。
「団長、今狙撃した個体が上位指揮官である可能性が高いです」
「――了解。合流前に潰しておきます」
「灯璃・ファルシュピーゲル、一足先に誘導地点への移動を開始します。ご武運を」
 微かな無線ノイズの後、一人待つエメラから応えが返る。
「――エメラ了解よ。こっちも仕込みは完了済み。道中気を付けてね」

 遠方からの狙撃手に対して忍達が殺気付く。射線から狙撃手の居所にあたりを付け、そちらに向かおうとする動きを見せ始めていた。
「行かせるかよ!」
 そこにミハイルの弾幕が浴びせられ、胸部を狙撃された忍の身体が大きく傾いた。行動を阻害するように炎がくねり、火炎の合間を縫うようにして美月の銃剣がその首を撥ね飛ばす。そのまま指揮官と目される忍びは炎に呑まれ、肉の焼ける匂いを残して焼失した。
「一体撃破を確認。メンカルさん、この集団以外に散布する敵は」
「合流地点との直線上に一組……そろそろ追い込みに掛かっていいと思う……」
「ならば私は火炎放射に集中する。貴様は引き続き警戒だ」
「残存敵戦力をすべて確認後、誘導に加わってください」
「了解……引き続き援護するよ……」
 ネリッサと美月が更に炎を放つ。闇雲のようでいて、特定の方角へ誘導するようなやり方だ。そこに『SIRD』の思惑を感じ取っていたとしても、忍達は着実に追い詰められてくのだった。

 転移地点より南西約八百メートル。誘導地点と定められた場所に灯璃が到着した頃、エメラはやや手持ち無沙汰にしながら倒木へと腰掛けていた。
「おかえりなさい、灯璃さん。首尾は上々かしら?」
 少女らしい軽やかな声音でエメラが問いかけた瞬間、どうとまたひとつ大きな火柱が立つ。そして間断のない銃声が少しずつその音量を増しているように感じられた。
「御覧の通り、と言ったところでしょうか。直に合流できそうです」
「ええ。それじゃあ私達も姿を隠しておかないとね」
 頷き、灯璃とエメラがそれぞれに身を隠す。その状態で数分ほど経っていただろうか。二人の背後にも精霊の炎が張り巡らされる。唯一炎が口を開けている方角から、黒い影の集団が飛び出してきた。
「さぁ出番よ、私の勝利の為に――今再び立ち上がりなさい!」
 エメラの発した号令と共に、集団――忍達を包囲するように大地が続々と隆起する。左肩に刻印をもつ戦闘用魔導蒸気兵『出撃の時だ我が精兵達よ(メイクアサリー)』の伏兵達が地中より現れ、魔導機関の駆動と共にゆらりと煙を噴き始める。更にいつの間にか漂っていた深く暗い霧の中より、狼のような影が牙を剥いて唸っていた。
 前方には蒸気兵と影の狼、後方からは猟兵達がその猛威を奮いながら迫り来る。消耗の果てに追い込まれた袋小路の状況に忍達が僅かにたじろいだ。それでも戦意を失わないのは、忍達がそのように作られた存在であるからに違いなかった。
 忍達は負傷箇所から血が巻き上げられるのも厭わずに、忍法鎌鼬の吹き荒ぶ気流を身に纏う。包囲を切り崩そうと魔導蒸気兵に斬りかかるが、その動きはやや鈍い。ここまでの戦闘が確実に響いているのだろう。エメラは臨機応変に魔導蒸気兵を融合させ、強化された精兵によって攻撃を受け止めさせた。数を増した刻印の分、相応に装甲も強度を増している。衝撃波を伴う斬撃を弾いてもなお、精兵の装甲には傷ひとつとして見受けられなかった。
「皆頑張っているようだから、今回は私の出番もなさそうだと思ったのだけど」
 エメラがすっと手を挙げると、魔導蒸気兵が陣形を新たにする。必要に応じて強化精兵を矢面に配置し、跳び上がって包囲から逃れようとする忍を即座に叩き落とした。地に叩き付けられた忍の身体はあらぬ方向へと捻じ曲がり、びくびくと痙攣した後に物言わぬ骸と化す。
「少しはお役に立てそうでよかったわ」
「お待たせしました。誘導・合流の完了を確認……これより殲滅に移ります」
 僅かに遅れて『SIRD』の面々が駆け付けると、ネリッサが作戦の最終段階への移行を宣言した。鬼火をガジェットで払いながら、メンカルは魔術の言霊を紡ぎ始める。
「世の理よ、騒げ、暴れろ。汝は天変、汝は動地。魔女が望むは安寧破る元素の乱……!」
 エメラの精兵達による包囲陣の甲斐あって、『精霊の騒乱(エレメンタル・ウォー)』の制御を失うこともなさそうだ。メンカルは魔力と大気を合成し、敵陣の直中で炸裂させる。それは炎の竜巻となって、忍だけを的確に巻き込み轟いた。美月が誘導弾と榴弾で逃れようとする忍を竜巻の範囲に吹き飛ばし、あらかたの弾を使い切ったミハイルは後方で指を吹き鳴らしながら拳を突き上げる。
「いいぞ! トドメだやっちまえ!」
「ではお言葉に甘えようかしら。斉射、用意」
 エメラの言葉に反応し、魔導蒸気兵達が備え付けられた魔導蒸気ライフルを構えた。竜巻が止んだその瞬間、忍達の体躯は宙に投げ出される。
「これで終わりよ。――放て!」
 ともすれば既に事切れていた者もいたかもしれない。しかし、わざわざ区別する必要性なんて欠片もないのだ。一切の慈悲を持たない一斉射撃が黒く焼け焦げた人型を射抜き、砕いてバラバラにした。
「待ち伏せする人間は、待ち伏せられている可能性も考慮に入れるべきですよ」
 忍が絶命し朽ちていった様を見遣りながら、灯璃は冷淡に呟いた。焼野原と化した一帯に、忍の防衛部隊はもういない。
 生木の燃える煙に誰ともなしに咳き込めば、あとは鎮火という後始末が待っている。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​



最終結果:成功

完成日:2019年08月12日


挿絵イラスト