エンパイアウォー㉓~燦めく戦場を馳せて
●
「鉄砲隊撃て、撃てぇー!」
広い戦場に大きな声と銃声が響く。
奥羽諸藩の武士達が次々に鉄砲や弓を構え、何かを撃ち落としていた。
彼らが戦っているのは無数の『水晶屍人』。
指揮官を失い彷徨う彼らを、武士達は丁寧に退治していく。
だがその速度はとてもゆっくりだ。
何故なら屍人に噛まれてしまえばこちらも屍人になってしまう。
そうならないためにも遠くから確実に戦うしかないのだが……。
「このままではいつまで経っても終わらんぞ……」
「だがあいつらを逃す訳にもいかない。なぁに、撃ち続ければいつかは終わるさ」
武士達の顔にも疲弊の色が見えているが、戦いは終わらない。
こんな時猟兵がいてくれれば。
そうは思いつつも、武士達はひたすらに屍人を倒し続けていた。
●
「集合お疲れ様。皆のお陰でエンパイアウォーに新しいチャンスが生まれたんだよ!」
グリモア猟兵のユェン・ウェイ(M.Y.W・f00349)は猟兵達に明るく声をかける。
「皆が『水晶屍人』を指揮するオブリビオンを早めに討伐したから、余裕を持って屍人を掃討出来そうなんだ」
奥羽地方には安倍晴明が生み出した水晶屍人が多数蔓延っており、猟兵達は奴等を指揮するオブリビオンの討伐を行った。
そして残る屍人の処理は奥羽諸藩の武士達に任せてきたが……ここに更に猟兵が介入する機会が発生したようだ。
「武士達は頑張って屍人を倒していってるんだけど、軍の誰かが噛まれたら大変な事になっちゃうよね。だから遠くから弓や鉄砲で倒していくしかないんだけど……そうするとすっごく時間がかかっちゃう。ここでボク達の出番だね」
猟兵ならば彼らに噛まれても屍人化する事はない。
なので猟兵達が戦場に介入し一気に屍人を討伐出来れば、奥羽諸藩の武士達は自由に動けるようになるのだ。
「武士の皆は動けるようになれば幕府軍の援軍に加わってくれるんだよ。そうすれば首塚の一族のユーベルコードはもっと強くなるし、何より動ける味方は少しでも多いほうがいいよね。このチャンス、是非ものにしちゃおう」
この作戦の成功によって増える戦力はざっと1000名分。
魔軍将の企みを直接阻止する事に比べたら少ないかもしれないが、決戦に向けて有利になる事は間違いないだろう。
「屍人に噛まれたら痛いけどそれはちょっと我慢してね。大丈夫、彼らは戦力も知能も大したことないよ。だからばったばったと薙ぎ倒しちゃって!」
そう言ってユェンは猟兵達を送り出していく。
目指す戦場は、無数の水晶により燦めいていた。
ささかまかまだ
●
このシナリオは、「戦争シナリオ」です。
1フラグメントで完結し、「エンパイアウォー」の戦況に影響を及ぼす、特殊なシナリオとなります。
こんにちは、ささかまかまだです。
無双シナリオです。
皆さんには『水晶屍人』との【集団戦】を行っていただきます。
戦場にひしめくいっぱいの屍人を全力で掃討して下さい。
屍人は数こそ多いものの、戦力としては大したことないので簡単に倒せます。
このシナリオをクリアする事で『1000名の奥羽武士が幕府軍に合流して戦力が増加する』というボーナスが発生します。頑張っていきましょう。
今回は戦争シナリオですので、青丸の数がオーバーキル気味になりそうな時等はプレイングを却下させていただく場合がございます。ご了承下さい。
また戦争の詳細ページ、マスターページ等も適宜確認していただければと思います。
それでは今回もよろしくお願いいたします。
第1章 冒険
『水晶屍人掃討戦』
|
POW : 多数の水晶屍人の群れに飛び込み、体力の続く限り暴れまくる
SPD : 群れから逃げ出そうとする水晶屍人を発見し、逃がさないように掃討する
WIZ : 策略を駆使して、多くの水晶屍人を逃がさずに殲滅できる状況を作り出す
👑11
🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔴🔴🔴🔴
|
種別『冒険』のルール
「POW・SPD・WIZ」の能力値別に書かれた「この章でできる行動の例」を参考にしつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。
| 大成功 | 🔵🔵🔵 |
| 成功 | 🔵🔵🔴 |
| 苦戦 | 🔵🔴🔴 |
| 失敗 | 🔴🔴🔴 |
| 大失敗 | [評価なし] |
👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。
峰谷・恵
「ボクは上からやるから、みんなは気にせず撃っちゃってくださーい」
【POW】で挑戦
MCフォート、アームドフォート用の弾薬と熱線銃用バッテリーを持てる限り持って出撃。
空在渾で高速飛行し、奥羽軍の射線を妨げないよう上空からMCフォート、アームドフォート、熱線銃による射撃(2回攻撃、範囲攻撃、鎧無視攻撃)で水晶屍人を撃破して回る。最前列は奥羽軍の射撃で倒れていくと踏んで後方の屍人から始末していく。
持ってきた弾薬とバッテリーが尽きたら空在渾の高速飛行で群れからはぐれた屍人を遅すぎた収穫期で斬り(空中線、怪力)捨てて回る
「こんなやつらさっさと片付けないと安心して眠れないだろうし、早く終わらせないと」
●
奥羽の武士達が戦う戦場の上を、凄まじい勢いで何かが飛んでいく。
白と黒の光を纏ったその存在を目にしざわつく武士達。
「なんだ? 鳥か?」
「いや……あれ、女の子だ!」
その正体は武装した峰谷・恵(神葬騎・f03180)だ。
彼女も武士達のざわめきに気がつくと、柔らかな笑みを浮かべて声をかける。
「ボクは上からやるから、みんなは気にせず撃っちゃってくださーい」
その言葉の通りに目指すは戦場の奥。
最前線は武士達に任せても問題ないのなら後方にいる屍人達をどんどん倒していこう。
そう考えた恵はひとまず彼らへ向けてMCフォートとアームドフォートを向ける。
「それじゃあ……片っ端から撃っていこう」
次の瞬間、凄まじい量の光と熱が戦場を覆った。
恵の砲撃は的確に屍人達だけを焼き払い、次々に殲滅していく。
少女の身である彼女がここまで正確に大きな武器を取り回せるのは『空在渾』による神殺しと意志の力のお陰だ。
「こんなやつらさっさと片付けないと安心して眠れないだろうし、早く終わらせないと」
この世界に住む人達を少しでも安心させたい。そのために全力で戦う。
そんな彼女の意志が力となり、凄まじい戦闘力を引き出しているのだ。
しかし屍人の数も多い。多めに持ち込んできた弾薬もそろそろ底を尽いてしまう。
それならばと今度は熱線銃を取り出せば、恵は再び屍人を撃っていく。
しかしそれでもまだ足りない。屍人を殲滅しきるより早く熱線銃のバッテリーも尽きてしまう。
「しっかり持ち込んだのに……しょうがないか」
ならば更に作戦変更だ。恵は飛行する高度を落としつつ剣型兵器『遅すぎた収穫期』を握りしめる。
彼女の砲撃は多くの屍人を薙ぎ払っていたが、どうしても群れから外れた屍人は残ってしまっていた。
恵はその屍人達へと一気に接近すると、剣を払って彼らを斬り捨てていく。
水晶が砕け敵が倒れたのを確認すればまた別の方向へ。忙しなく動き回る恵だがその表情には強い意志が見て取れた。
全ての敵を倒し切るその時まで。彼女の意志は潰えない。
大成功
🔵🔵🔵
山梨・玄信
嫌なタイプのじゃ敵じゃのう。じゃが、特殊能力がわしらには効かないというなら、とことん、やってやるぞい。
【POWを使用】
アースジャイアント先生を召喚し、一緒に敵中に飛び込み暴れ回ってやるのじゃ。
腕を振り回してアースジャイアント先生には範囲攻撃してもらい、わし自身も気を放出して効率よく敵を薙ぎ倒すようにするぞい。
この際、武士達の方に水晶屍人が飛ばないように注意するのじゃ。
一応、噛みつき攻撃対策にオーラは全身に張っておくぞい。痛いのが好きな変態ではないからのう。…誰じゃ、脱ぐのが好きな変態とか言ってる奴は。
もし、敵の数が減って逃げるようなら、当然追撃するのじゃ。一体たりとも逃す訳にはいかんからのう。
●
数が減り始めたとはいえ、水晶屍人達はまだまだひしめいている。
現場に辿り着いた山梨・玄信(ドワーフの破戒僧・f06912)はその光景にどこか呆れている様子。
「嫌なタイプのじゃ敵じゃのう。じゃが、特殊能力がわしらには効かないというなら、とことん、やってやるぞい」
彼らを放っておけば被害は拡大し、そして猟兵ならば簡単に対処出来る。その希望を胸に気合を入れ直す玄信。
しかし自分一人ではなかなか骨が折れそうだ。それなら協力者を呼び出そう。
「アースジャイアント先生、お願いするぞい」
呼び出されたのは大男のような巨体の大地の巨人。玄信が拳を構える姿勢を見せたなら、巨人も同じく腕を構える。
そして二人で敵地へと飛び出せば、一気に腕を振り回す!
巨人の巨体から繰り出される拳は次々に屍人を薙ぎ払い、彼らを消滅させていく。
その横で玄信も拳と共に気を放てば、丁寧に屍人達の対処をする事が出来た。
二人の攻撃は大地を揺るがし道を開く。遠くで戦いっぷりを見ている武士達からも歓声が上がっているようだ。
大柄な巨人と小柄な玄信が同時に攻撃する事で撃ち漏らしの心配を減らす作戦だ。
「っと、アースジャイアント先生や。屍人を飛ばす方向だけは気をつけるんじゃぞ」
二人共ド派手に立ち回っているように見えるが、その行動はしっかりと計算されている。
まずは絶対に屍人を武士達の方向へと吹き飛ばさないように気をつけて。
そして二人で連携する事を心がけ、互いに倒しきれない敵をカバーし合うように立ち回るのだ。
しかしやはり屍人は多い。接近戦を行う以上どうしても噛みつかれてしまう時はある。
「くぅ……防御しているとはいえ痛いのう」
玄信はオーラを巡らせる事で自分の身を守っているが、痛みだけはどうしても響いてくる。
痛いのが好きな変態ではない以上防御もしっかりと。
彼はよく服を脱いでいる姿が散見されるが、あれは必要な事だからやっているだけで趣味ではないのだ。
それは兎も角、玄信と巨人はひたすら敵を倒して行く。
撃ち漏らしがあればすぐに対処して、それでいて一体でも多く素早く確実に。
二人が生み出す地響きはまだまだ鳴り響きそうだ。
成功
🔵🔵🔴
尾崎・ナオ
無双シナリオ、だぁいすき☆
こういう斬った張ったの戦い、好き。何も考えず倒せばいいだけだし!
水晶屍人、言ってしまえばゾンビだな? ナオちゃん自分の命が何より大事なので、鉄砲隊の真横に立つよ。いやいや、ちゃんと理由があるんだって。
【指定UC】を発動!10秒間、絶対に身の安全を確保できる状態じゃないと困るからここまで下がったんだぃ。砲撃ラインを下げないように頼むね~?一掃するから、ナオちゃんに近づく敵を優先して倒すように☆
10秒。集中し視覚を広く持つ。武士の後ろに布陣しなかったのは前で敵の数をしっかり見るためだ。
UC後は通常攻撃に切替。【クイックドロウ145】の超高速早打ち。武士と一緒に砲撃戦だ!
●
「無双シナリオ、だぁいすき☆ こういう斬った張ったの戦い、好き。何も考えず倒せばいいだけだし!」
明るい声と共に鉄砲隊の傍に現れたのは尾崎・ナオ(ウザイは褒め言葉・f14041)だ。
「猟兵さんか! あいつらを倒すの手伝ってくれるのかい?」
「そうそう。それでナオちゃん自分の命が何より大事なので、ここに立たせてもらうね?」
ナオの言葉を受けた武士達は少し驚いた顔をした。
彼らと屍人の群れにはかなりの距離があり、猟兵がここに立って攻撃するとは思っていなかったからだ。
その反応を見たナオは慌てたように、けれど笑顔は崩さず作戦を述べる。
「いやいや、ちゃんと理由があるんだって。あ、今から10秒間、絶対に身の安全を確保できる状態じゃないと困るから。砲撃ラインを下げないように頼むね~?」
そう言いつつ鉄砲隊の前に立ち、黒い拳銃を構えるナオ。
彼女の武器も銃ならばきっと何か作戦があるのだろう。武士達は少し不承不承といった雰囲気を出しつつも彼女を守るように戦う事に決めたようだ。
「あいつら一掃するから、ナオちゃんに近づく敵を優先して倒すように☆」
少しふざけたようにそう言って……次の瞬間にはナオの纏う雰囲気は変わる。
静かに、鋭く。戦場を冷静に見渡し、視覚を広く持って。ナオはただひたすらに意識を集中されていく。
後ろで武士達が鉄砲を放っているのも、近付いた水晶屍人が吹き飛ぶのも全て関係ない。
10秒。その間にナオは全てを把握しきる。
「……今!」
集中の後放たれるのは全力の『千里眼射ち』!
ナオが視界に入れた全ての屍人達が次々に銃弾に撃ち抜かれ、次々に塵となって消えていく。
その攻撃は波のように屍人を薙ぎ払い、群れの奥までどんどん到達していった。
後ろで武士達のざわめきも聞こえてくる。彼らも何が起きたのか分からないのだろう。
ユーベルコードの発動が終わってもナオの攻撃は終わらない。
今度は卓越した射撃技術による超高速早撃ちで屍人退治の始まりだ。
「ナオちゃんまだまだ撃つから、皆もまだまだやっちゃってね?」
合間にちらりと後ろを向いて武士達と顔を合わせれば、呆然としていた彼らも再び銃を構え直す。
ここから先は全力の砲撃戦。ナオも楽しむようにひたすら銃を撃ち続けていた。
成功
🔵🔵🔴
鈴木・志乃
※人格名『鈴木・志乃』で参戦
昨夜に叩き起こされたから来てみれば
……納得
これは私が相手しなきゃね
UC発動
祈り、破魔の全力魔法を籠めた歌唱の衝撃波で邪なる全てをなぎ払うよ
……おやすみなさい、皆さん
全てに隅々まで届くよう、上空からマイク片手に飛び続ける
まだ生きたかった命
何かを成し遂げたかった命
想いの成れの果て全てと
手を繋ぐように進む
安倍晴明の邪法を祓う
第六感で一人として残しはしない
皆探し当てる
置いてはいかないよ
……骸の海で安良かに眠れますように
安倍晴明の事は気にかかるけど
今は只、目の前の屍人達に祈りを捧げる
●
まだ少しだけ眠たげな顔つきで戦場へ訪れた鈴木・志乃(オレンジ・f12101)。
自身に宿る女霊に叩き起こされてここへとやって来たのだが……眼前にひしめく屍人を見れば志乃の表情も凛としたものに変わる。
「……納得。これは私が相手しなきゃね」
死してなお苦しめられる死者達へ出来る事が志乃にはあった。
まずは白い翼で上空へと舞い上がり、ヘッドセットマイク『夜明けの歌』の準備を整えて。
「……それじゃあ、歌うね」
『祈願成就の神子』としての力を発動した志乃はひたすらに歌う。
祈りと破魔の力を乗せた歌声は戦場に響き渡り、邪悪なものを薙ぎ払っていく。
屍人達の身体から生えた水晶が次々に砕けていき、残った身体は光になって消え始めた。
まだ生きたかった命。何かを成し遂げたかった命。想いの成れの果て全てへと志乃は祈る。
彼らの一人ひとりに手を繋ぐように、誰一人として見捨てないように。
「大丈夫、誰も置いてはいかないよ」
志乃の歌は安倍晴明の邪法だけを祓いながら戦場を満たしていく。
せめて屍人と化してしまった人達が、骸の海で安らかに眠れますように。
もちろん安倍晴明本人の事も気にかかる。これだけの邪法を扱うような敵だ。放っておく訳にはいかないだろう。
けれど今は目の前の事に集中して。とにかく屍人達へ祈りを捧げよう。
聖者として、或いは歌手として。自分に出来る全力を志乃はぶつけていく。
屍人の数はまだまだ多い。けれど全ての生命の幸福と笑顔を祈る限り、声は枯れない。
「……おやすみなさい、皆さん」
屍人達は虚ろな目をしているが、志乃の祈りが届いた瞬間だけは安らかな表情をしているように見えた。
その瞬間だけは彼らは人に戻れたのだろう。志乃も彼らへ柔らかな笑みを浮かべ、そして歌を届けていく。
だからきっとこれでいい。
全ての屍人が眠りに就くまで、祈りの歌声は止む事がなかった。
成功
🔵🔵🔴
ロレンツ・イラーク
【POW】
【連携・アドリブ大歓迎】
まさか覚醒して間もなく異世界の戦場に立つことになるとは。
しかし……屍人なのにまるで飾るようにキラキラと……元々人間だったかもしれないものを利用している上に、趣味の悪い(舌打ちし敵陣を睥睨する大鴉
敵陣に突っ込んでいくことにする。
【怪力】頼みのメイスによる【なぎ払い】をお見舞いしてくれるわ!
万が一吹き飛ばしただけでも生き残ってしまった屍人がいた場合には【黒翼の炎】でトドメだ。吹き飛ばし焼き払いながら敵を殲滅していくぞ!
荒々しい火葬ですまないが、新たに屍人を生み出すわけにもいかないんでな!
●
「まさか覚醒して間もなく異世界の戦場に立つことになるとは……」
ロレンツ・イラーク(怒りの黒炎・f20876)は眉間に刻まれた皺を更に深めて戦場を見る。
目の前にひしめくのはまるで飾るようにキラキラと水晶を燦かせる屍人達。
元々人間だったかもしれないものを利用している上に、とても趣味の悪い光景だ。
故郷のオウガ達と変わらない悪辣さに思わず舌打ちも出てしまう。
ならばこの状況を終わらせるのみだ。ロレンツは黒い炎の翼を広げ、一気に敵陣へと切り込み始めた。
屍人達もロレンツへと向かってきたが、両手に握りしめた『鉄戦鎚』で薙ぎ払えば彼らは一掃されていく。
怪力任せの攻撃は次々に屍人の水晶を砕き戦場を輝かせた。
その光景すら腹が立ち、ロレンツの表情は更に険しいものとなり始める。
もっと早く彼らを救いたい。
その思いを胸に、ロレンツは大きく翼を展開する事にした。
「私は確かに飛べなくなった鴉だ。だがな、代わりにお前たちを燃やし尽くすことができるぞ!」
とても大きな声で発せられたその言葉と共に、翼から広がる黒い炎が戦場を薙いだ。
ロレンツの『黒翼の炎』は次々に燃え広がり屍人達を燃やしていく。
炎が燃え盛るその間にもロレンツは槌を振るい続けた。
鉄塊による衝撃と黒い炎が戦場を巡る様はどこか地獄のようで、それでいて弔いのような優しさも感じられる。
「荒々しい火葬ですまないが、新たに屍人を生み出すわけにもいかないんでな!」
再び大声を轟かせるロレンツ。その声色はどこか威圧的な雰囲気を纏いつつも、屍人達への慈悲にも溢れていた。
故郷でも罪なき人々が蹂躙されてきた。そしてこの世界でもそのような事は起きている。
ならばここでも手を休める道理はない。
ロレンツはひたすら目の前の悲劇へと立ち向かう。
傷つき戦い続ける自分のような存在が生まれないように。自分達を傷つけた悪と同じような存在を許さないために。
「声をあげるだけでは終わらない、全て終わらせよう……!」
大鴉のような炎の翼は、屍人を燃やし尽くすまで羽ばたき続けていた。
成功
🔵🔵🔴
フォルセティ・ソルレスティア
【ペア/f00964】【WIZ】(共闘/アドリブ可)
「好きなだけ攻撃していいの? なんだか無双ゲームみたい!?」
フィオ姉ちゃんとウィザード乱舞で無双しちゃうんだ!
【行動】()内は技能
「続いて魔術師隊、撃っちゃうよー」
武士たちの前に颯爽と飛び出して、聖箒をひと振りするよ。
(2回攻撃)のウィザード・ミサイルだね。
機械兵器の頭上を超えて水晶屍人達に着弾だー。炎の矢で浄化しちゃうよ
「そしてこれでトドメだよ」
星箒を高く掲げて(全力魔法)でカラミダド・メテオーロ!
巨大隕石で水晶屍人の群れを叩き潰すよ。あとは力の続く限り撃ち尽くすだけ!
「お侍さん、ここはボク達で十分だから、幕府軍、お願いするよ」
フィオリナ・ソルレスティア
【ペア/f05803】【WIZ】(連携・アドリブ可)
「遊びじゃないわよ、フォルセティ。油断しないこと」
一応弟に釘を刺しつつ、水晶屍人に立ち向かう
■作戦
弟と連携して遠距離からの魔法攻撃(UC)で水晶屍人を殲滅する
■行動
「機械兵器の一斉投入から始めるわよ」
[2回攻撃]で【エレクトロレギオン】を使用し500体の機械兵器を一斉投入。
水晶屍人の群れに突撃を仕掛ける
「私も負けていられないわね」
弟の攻撃に続いて【ウィザード・ミサイル】を[一斉発射]
そして止めとばかりに[範囲攻撃]で【フィンブルの冬】を唱え、
氷雪の竜巻で水晶屍人を殲滅する
「みなさん、ここは大丈夫ですから。少し休んだら幕府軍に合流しましょう」
●
「好きなだけ攻撃していいの? なんだか無双ゲームみたい!?」
「遊びじゃないわよ、フォルセティ。油断しないこと」
そんな風に話しながら戦場へとやって来たのはフォルセティ・ソルレスティア(星海の王子様・f05803)とフィオリナ・ソルレスティア(サイバープリンセス・f00964)だ。
弟のフォルセティは魔法を全力で撃てるのが嬉しいようでどこかハイテンション。
一方で姉のフィオリナは弟に釘を刺しつつ、自身もしっかり魔術の用意をしている。
二人は颯爽と武士達の前に立つと、彼らへ向けて軽くウインク。ここは自分達に任せて欲しい、という合図だ。
彼らも二人の邪魔をしないように陣形を組み直してくれた。それならあとは暴れるだけ!
「機械兵器の一斉投入から始めるわよ」
先に動いたのはフィオリナだ。彼女は『エレクトロレギオン』を連続で発動すると、屍人に負けないくらいの数の機械兵器を呼び出した。
機械兵器達は次々に屍人達へと向かっていき、一気に大乱闘が始まりだす。
「続いて魔術師隊、撃っちゃうよー」
今度はフォルセティが前へ出て『聖箒ソル・アトゥース』を一振りすれば、無数の炎が上空を過ぎっていく。
彼の放った『ウィザード・ミサイル』は上手く機械兵器達を躱し、次々に屍人だけを燃やし始めた。
二人の魔術はどんどん屍人を浄化していくがまだまだ攻撃は終わらない。
「私も負けていられないわね」
フィオリナも『銀翼杖セラファイト』を手に取れば、『ウィザード・ミサイル』を一気に放つ。
出来るだけ多くの敵を倒せるように工夫して絶え間なく魔法を操るのだ。
姉弟が同じ魔法を操ればコンビネーションは抜群。
遠くにいる屍人にも的確に炎の矢は降り注ぎ、次々と悪しき者を撃ち抜くのが分かる。
「嬢ちゃんも坊っちゃんも凄いな!」
「まだまだ、とっておきの魔法があるんだよ?」
「ええ、私達に任せて下さい」
武士達の感心の声を受けて微笑む姉弟。その言葉の通り、とっておきはこれからだ。
二人は再び銀翼杖と聖箒を空へ掲げ、得意の大魔術の準備を進めていく。
「悠久に揺蕩う無限の星屑よ。星柩満ちて此へ集うは漆黒の紅炎」
フォルセティの詠唱と共に聖箒へと魔力が集まり始めた。
宇宙に漂う星屑のように、次々と星の魔力が形作られていく。そしてそれが極限まで高まれば……。
「……カラミダド・メテオーロ!」
次の瞬間、戦場に星が爆ぜた。
灼熱の巨大隕石が屍人達の上に落ち、一気に焼き払っていったのだ。
しかもそれは一発ではない。フォルセティの魔力が尽きるまで何度も何度も星は落ちてくるのだ。
フィオリナも負けじと敵陣へと進み、水と風の魔力を自らへ集中していく。
「氷の檻に閉じ込めてあげる。氷結へ導け、黄昏の吹雪よ!」
詠唱と共に魔力がフィオリナの身を包み、彼女を守る光り輝く白銀のドレスへと姿を変える。
これなら灼熱の隕石が飛び交う戦場でも問題なしだ。
「インビエルノ・デ・フィンベル!」
敵陣の中央で放つは『フィンブルの冬』。そこから生じる氷雪の竜巻は次々に屍人達を薙ぎ払った。
フィオリナも魔力が尽きるまでひたすら竜巻を生み出し続ける。
熱と氷。真逆の性質を持つ魔術だが、姉弟のコンビネーションなら同時に扱う事も容易い。
そして二人は魔法を扱いつつも武士達への配慮も忘れなかった。
「お侍さん、ここはボク達で十分だから、幕府軍、お願いするよ」
「みなさん、ここは大丈夫ですから。少し休んだら幕府軍に合流しましょう」
二人の優しい声に武士達もハッとして、そして猟兵の戦いぶりにも安堵した彼らは次々に軍を撤収させていく。
そしてもうしばしの時間が流れ……猟兵達の活躍により、全ての水晶屍人が掃討される事となった。
奥羽武士達も準備万端。すぐに幕府軍との合流に向けて出発するだろう。
こうして猟兵達は無事に依頼を達成し、エンパイアウォーの勝利へ向けて歩を進めたのであった。
大成功
🔵🔵🔵🔵🔵🔵