エンパイアウォー㉓~滅
●殲滅
指揮官を失い、統制を失った水晶屍人。
しかし戦闘能力が激減しようとも、その特殊な力は健在。一般の人間が噛まれてしまえば、その人間も水晶屍人と化してしまう。
奥羽の武士達は屍人化しない様に、投石や弓、火縄銃などで駆除を続けている。効率は非常に悪いが、この方法が最も安全なのだ。
屍人の数は膨大。決して倒せないと言う訳ではないし、現状では被害もない。
だが、時間というものは有限。特に戦争中は……。
●グリモアベース
「そこの御人、スカッとしたくないですか? 今なら暴れ放題ですよ! どうです!?」
ニコニコと笑いながら胡散臭いセールスマンの様な言動で、ウィルバー・グリーズマン(入れ替わった者・f18719)は近くを歩いている猟兵に話し掛ける。
「水晶屍人をぶっ倒して来て下さいっ!」
非常に簡潔だった。
これ以降は補足となる。
「他に説明する事は……奥羽の武士を手助けすれば、彼等が幕府軍に加わります。ですので、掃討作戦を手伝って頂きたい訳ですね」
水晶屍人を撃破し、幕府軍の強化にも繋がる。これを行わない手は無いだろう。
武士と違って、猟兵は噛まれても水晶屍人化しない。それ故に近接攻撃もやりたい放題と言う訳だ。統制を失った事により非常に弱い。思うがままに殲滅してしまおう。
「数だけはとにかく多いですが、皆さんならば問題はないですよ。それでは、水晶屍人の残党撃破、よろしくお願い致しますね」
にこやかに手を振りながら、水晶屍人がいる盆地へと転送を始めるウィルバーだった。
小強欲
このシナリオは、「戦争シナリオ」です。
1フラグメントで完結し、「エンパイアウォー」の戦況に影響を及ぼす、特殊なシナリオとなります。
どうも、小強欲と申します。
そこそこ戦争シナリオを出しています。
珍しくOP画像にウィルバーが出ています。だから何だと言う話ですが。
詳しい内容はOPの通り。
最大火力と最大範囲でぶっ倒しましょう。
それでは、殲滅するスカッとしたプレイングをお待ちしております。
●他
プレイングが来たらとりあえずリプレイを書きます。
4名様以上のプレイングを頂いた後、全リプレイが書き終わり次第に一斉提出してシナリオを終了します。
また、リプレイ提出時には一度リロードしますが、その際にプレイングが増えていた場合は、そのリプレイを書き終えてから一斉提出します。
7人目以降は私の執筆力不足により、採用率が下がります。申し訳御座いません。
第1章 冒険
『水晶屍人掃討戦』
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POW : 多数の水晶屍人の群れに飛び込み、体力の続く限り暴れまくる
SPD : 群れから逃げ出そうとする水晶屍人を発見し、逃がさないように掃討する
WIZ : 策略を駆使して、多くの水晶屍人を逃がさずに殲滅できる状況を作り出す
👑11
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種別『冒険』のルール
「POW・SPD・WIZ」の能力値別に書かれた「この章でできる行動の例」を参考にしつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。
| 大成功 | 🔵🔵🔵 |
| 成功 | 🔵🔵🔴 |
| 苦戦 | 🔵🔴🔴 |
| 失敗 | 🔴🔴🔴 |
| 大失敗 | [評価なし] |
👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。
御園・ゆず
……確かに
確かに、戦い方を学びたい
実戦へ赴きたい
言いましたよ?言いましたけど!
戦争なんて聞いてないです!
UDC組織のみなさん、恨みますよ…
ウィルバーさんに軽く会釈をして、出来るだけ後方、全体を見渡せるような場所へ転送をお願いを…
転送されたら腹を括るしかない
ヴァイオリンケースの中から狙撃用のパーカーホールM85を取り出して組み立て
安全装置を解除したのち構えて、スコープを覗く
居た
群れから飛び出す奴
実戦で引鉄を引くのは初めてだ
少しの震え、ブレる照準
…大丈夫『ニンゲン』ではない
教わった通り不思議な力『魔弾の射手』を使って
1体に対して2発を遵守
ヒット。次。ヒット。次。ヒット……
…これが、仕事か
守る、力。
五百を超えるであろう水晶屍人の大軍。
遠距離からそれを倒そうと、奥羽諸藩の武士達は奮戦しているものの、中々数が減らない。数も質も武士達の方が上であろうが、水晶屍人はその肉体の堅さにより、火縄銃の直撃くらいでしか致命傷を与える事が出来ない。
近接攻撃ならば効果はあるだろうが、これもまた噛まれると水晶屍人化するという特異性に阻まれている。
勿論だが、非常に面倒な相手だが倒さない訳には行かない……。
そんな厄介な水晶屍人達から大きく離れた位置に、御園・ゆず(群像劇・f19168)が転送されて来る。
「……確かに。確かに、戦い方を学びたい。実戦へ赴きたい。……言いましたよ? 言いましたけど!」
どうやら、誰かに唆されたのだろう。
最初の実戦がいきなり戦争というのには、ゆずも予想していなかった様子。しかし今回は掃討戦。実戦経験を積む、或いは戦いのコツを掴むのには適した依頼と言えよう。
事前にウィルバーに、全体を見渡せるような場所への転送をお願いしていた。この位置ならば、余程の事がない限りは安全だろう。
とは言え、初の戦闘だからこそ、ゆずは緊張している様子で。
「もう腹を括るしかない……!」
ヴァイオリンケースから取り出されるは、狙撃用の銃器『パーカーホールM85』。
それを素早く組み立てて、構えようとする前に……。
「あっ、安全装置。危ない危ない……」
しっかりと安全装置も外してから、銃を構えて、スコープを覗いて。
今度こそは緊張も取れたのか、落ち着いて水晶屍人を見渡す。
「居た」
水晶屍人を見ていると、群れから飛び出して来る個体を見付けて。
実戦で銃の引き金を引くのは初めてなので、やや手元がブレて照準が合わない。しかしこの距離から相手が気付く筈もなく、冷静に考えを巡らせる。
「……大丈夫『ニンゲン』ではない」
相手は既に死んだ人間。もはや言葉を交わす事も出来ず、言わばゾンビの様な物だ。なればこそ、ここで倒してまうのが慈悲と言う物だろう。
タンッ、タンッ、二発の銀の弾丸が水晶屍人の胴と頭に命中すれば、すぐに動かなくなって。
同じ様に、群れから外れた個体を狙って、二発の弾丸で撃ち抜いて行く。
「ヒット。次……ヒット。次……」
機械的な動作。
だが、ゆずの心は揺れ動いている。
「……これが、仕事か。……守る、力」
容易く人を殺せるその力に僅かな恐怖を抱くが、人々を守る事が出来る力でもある。
不思議な感覚に囚われながらも、ゆずは続けて実戦経験を積んで行くのだった。
この戦いを経て、ゆずは一体どの様な経験を積み、果たして何を思ったのだろうか。
答えは彼女だけが知っている。
大成功
🔵🔵🔵
尾崎・ナオ
まかせろ!!!(親指グッ)
単純な戦闘、しかも雑魚掃討戦とか、ナオちゃんの超得意分野じゃーん。あれでしょ?ゾンビみたいなもんでしょ?だったら逃げるやつから仕留めていくってのがいいねぇ。1体でも残したら負けだって、UDCアースの洋ドラで見たもーん。
あ、前衛さん居ますぅ?可愛い女の子の肉壁になりません~?
【指定UC】展開。遠距離から攻撃。念動力の操作を強めにするよ。ナイフの距離・高さを調整して、勢いよく貫通させるようぶっ刺して行こう。まずは迫る敵を優先に、次に逃げようとする敵を。今回は【第六感】をいつも以上にフル回転。急に出てくるのが映画の鉄板だからね!
戦争って楽しいね!あ、勿論良い意味でだよ!?
クロウ・ファンタズマ
安倍晴明、同じ死者を操るものとして興味はあるが……今はこのゴミ掃除が優先か
数には数ぶつけるんだよ。
【死霊ノ大軍勢】を使用して、100体のゾンビ兵士を召喚するぜ
まあそれでも向こうの方が数が多いだろうから、戦闘力を増強させてやるか
予め用意していた私の血液たっぷりのペットボトル三本を代償にしてパワーアップさせてやる!
それでも押されることがあったら、私が行くしかないか。
肉断ち包丁を【怪力】に任せてぶん回す!
こいつは切れ味もそこそこいいぞ、鈍器としても使えるしな
おっと他の猟兵をぶった斬らないように気を付けないとな!
ゾンビ兵士にも他の猟兵を攻撃しないように注意しておく
「よし! まかせろ!!!」
いい笑顔で親指を立てながら転送されてくる尾崎・ナオ(ウザイは褒め言葉・f14041)は、転送と発言のタイミングが全くの同時だったらしく、近くにいた水晶屍人に親指を立てていた。
即座に表情は変えずに指を下に向けるポーズ。一応、ちゃんと聞こえていた筈だ。
辺りを見渡して、誰かが居ないかを確認する。
「安倍晴明、同じ死者を操るものとして興味はあるが……今はこのゴミ掃除が優先か」
クロウ・ファンタズマ(黒焔のネクロマンサー・f21283)はナオのすぐ近くにおり、水晶屍人を見下していた。
巨大な肉断ち包丁を振るえば、強い風圧が発生して。
見るからに前衛型の戦士に見える。
「おっとぉ、前衛さんだぁ! 可愛い女の子の肉か……盾になりません~?」
ニッコニコで前衛がいて助かったと考えるナオに対して、クロウは少し首を傾げて。
「肉が欲しいのか? 分かった、待ってろ……来たれ我が眷属よ!」
クロウは三本のペットボトルを取り出して、それを代償にしてゾンビの兵士を100体喚び出す。
ペットボトルの中身はクロウの血液。相当な量の血液を使用した事によって、その力は最大限にまで引き上げられて。
「うわ……肉壁だ……」
本当に肉を呼び出して来るとは思わなかったのか、ナオは少し驚いた表情だ。
そして、ゾンビ兵士はすぐに動き出してナオの元へ……。
「何でこっちにくんの!?」
「おっと、悪い悪い! 猟兵と武士には攻撃するなよー!」
ゾンビはすぐにその言葉を聞き入れて、水晶屍人達へとターゲットを移す。
無駄に嫌な汗を流したナオは、この鬱憤は敵にぶつけようと考えて、約50本のナイフを複製して、浮かせて操作する。
そうして、掃討戦が始まる……。
数とは正義である。同じく質も正義だ。何方も伴っていれば、その力は絶大と言える。
100体のゾンビ兵士。50本のナイフ。両方の質は十分で、水晶屍人軍団には数で負けるが、質の量は比べ物にならない。
要は……一方的である。
「一歩も退くなよッ! 俺も前に出るッッ!!」
ゾンビは剣で水晶屍人を切り裂いて、クロウは肉断ち包丁を豪腕に任せて振り回している。
切れ味も良く、面で叩き潰すと言う、鈍器のような使い方も可能。暴力の嵐だ。
一方のナオはと言うと。
「全部ぶっ倒せーっ! 一体でも残したら負けだって、UDCアースの洋ドラで見たもーんっ!!」
水晶屍人をゾンビに見立てていた。その考えは正しく、やる事なす事はゾンビと変わらない。
そして肝心の戦いは、単純な戦闘、雑魚掃討戦。更にはその雑魚も非常に弱い……言ってしまえば、ナオの超得意分野。
群れから逸れたり孤立した水晶屍人を狙いつつも、近付いてきた敵を優先的に処理。ナイフの制圧力は凄まじい。
勢いよく投射されたナイフが水晶屍人を貫通してどんどんとぶっ刺して行けば、そこに畳み掛けるようにゾンビ兵士が雪崩込む。
中々の防御力を持つ水晶屍人達も、これには為す術もなく倒されて行って。
「戦争って楽しいね! あ、勿論良い意味でだよ!?」
急に現れた水晶屍人にも、ナオは第六感を働かせて気付いており、スパッと本物のナイフで頭を破壊すれば動かなくなる。
「分かるぜ! 私もゴミ掃除は楽しい!!」
ゾンビ兵士達と共に暴力で前線を支配して行くクロウ。
意外と楽しんでおり、次々と水晶屍人を駆逐して行った。
数と質の暴力は、あっと言う間に水晶屍人を制圧する事だろう。
大成功
🔵🔵🔵🔵🔵🔵
鎧坂・灯理
【鎧坂探偵社】
気晴らしにどうぞとの事ですし、遠慮無く蹂躙しましょうか。
二人で暴れるのも久しぶりですね。
ええ、ハティ。準備は万端です――参りましょうか
UC発動。正気のまま、狂った姫のように暴れ狂おう
硬化した『思念の鎧』と、隈無く念動力で強化し尽くした身で、
慣性無視、超高速超威力の連撃を目に付いた屍人全てに叩き込む
『青龍』の補助もある、自身のみの転移であれば容易に可能だ
四肢を、胴を、首を、顔を
片端から砕いて散らしてやろうとも
――地を染めろ
お疲れ様です、ハティ。
ふふ、いつもながらあなたの戦い方は見ていて快いですね。
笑顔のあなたが一番好きです。
ヘンリエッタ・モリアーティ
【鎧坂探偵社】
思う存分に暴れていいということですし
それでは容赦なく絶滅させてしまいましょうか
暴力はシンプルでいいわ――黙らせましょう、灯理
ダンスの準備は済んだ?そう、じゃあ行きましょうか
【黄昏】を発動します
喧しいのよ。音も見かけも最悪だわ――存在が腹ただしい
『死樹の篭手』を使って只只、暴力を振るうわ
掴んで、割いて、割って、蹴って、穿って、殴って
無残に無様に殺してあげる
だって、私の前に立ったでしょう。お前達
そういうことよ、ね?
――絶えて死ね
ああ、スッキリした。よく動いた
灯理もいい働きでした。ご苦労様です
頭を撫でて感謝と一緒に微笑んで
お互いに血腥いけどまぁいいでしょう
――貴女が一緒だと後味がいいわ
今回の依頼で戦う理由は様々だが、多くの者は暴れたいと言う感情による物だろう。
それは彼女達も同様で、凄まじい気迫を放っている様にも見えて。
「気晴らしにどうぞとの事ですし、遠慮無く蹂躙しましょうか。……二人で暴れるのも久しぶりですね」
鎧坂・灯理(不退転・f14037)がそう言って隣に目を移せば、そこに立つヘンリエッタ・モリアーティ(犯罪王・f07026)が静かに微笑んで。
「そうね。暴力はシンプルでいいわ――黙らせましょう、灯理」
そこへ、目の前に現れて、二人の元へ近寄って来る水晶屍人。唐突に動きを止めれば、それはバキバキと音を立てて砕け散った。
まずは灯理の念動力。ほんの少しだけ力を入れただけで、簡単に壊れてしまう。
「ダンスの準備は済んだ?」
「ええ、ハティ。準備は万端です――参りましょうか」
「そう、じゃあ行きましょうか」
軽く言葉を交わしながら、水晶屍人達の元へと向かって行く。
二人は似た者同士なのか、戦法も似通った物だった。
ガチャガチャと足音を立てて、水晶屍人達は近寄って来て。
「喧しいのよ。音も見かけも最悪だわ――存在が腹ただしい……皆殺しじゃ、生ぬるい――絶滅よ」
それらを激しく憎悪した事によって、攻撃性を極限まで引き上げたヘンリエッタ。
その力は例え竜であろうと、素手で引き千切られてしまうだろう。
「ふふ、私も負けてはいられませんね……」
灯理もまた、自己強化を施す。
ヘンリエッタの様に感情からの肉体強化ではなく、やはり念動力。
隈無く念動力で強化し尽くされると、攻撃、防御、更には速度も隙がない、恐るべき状態へと変貌して。
そんな彼女達の強さも露知らず、水晶屍人達は食べる事しか考えていないのだろう。鋭い牙をかち鳴らしながら、二人へと向かって行く。
その戦場を言葉で表すのならば、圧倒的な力。
灯理が念動力で得た力は、かなり無茶……と言うよりも、人体では不可能な動きも可能にしていた
慣性を無視した、目にも追えない超絶的な速度の連撃は、視界に入った水晶屍人を破壊する。
更には思念増幅機環『青龍』によって、転移による猛襲。その動きは屍人の肉体の至る部分を破壊し続けても、止まる気配がない。
一方のヘンリエッタは、死樹の篭手による暴力。暴力、暴力の嵐。
水晶屍人を掴めば、それごと別の屍人に殴り付けて。握り締めて割ってしまえば、手を押し込んで穿ってしまう。
その攻撃力は絶大。僅かに触れただけでも、水晶屍人は砕け散ってしまう。
「無残に無様に殺してあげる……だって、私の前に立ったでしょう。お前達。そういうことよ、ね?」
「四肢を、胴を、首を、顔を……片端から砕いて散らしてやろうとも」
殺戮はまだ終わらない。寧ろ、ここからが本番だ。
「――絶えて死ね」
「――地を染めろ」
今の二人を前にして、水晶屍人達が出来る事は、砕ける事以外にはなかった。
暫くして、辺りに散らばっているのは水晶屍人の欠片。
周辺一帯の屍人は完全に駆逐したのか、辺りには二人以外はいない。
「ああ、スッキリした。よく動いた。……灯理もいい働きでした。ご苦労様です」
「お疲れ様です、ハティ。ふふ、いつもながらあなたの戦い方は見ていて快いですね」
微笑みながらも灯理の頭を撫でるヘンリエッタに、灯理もまた笑顔で返して。
互いに血腥いのは置いといて、灯理はヘンリエッタの一番好きな笑顔に心を癒やされて。ヘンリエッタもまた、灯理と共にいる事に、心地良さを感じるのだった。
大成功
🔵🔵🔵🔵🔵🔵
鈴木・志乃
人格名『鈴木・志乃』で参加
親友が起こしてくれたから何かと思えば
なるほどね
相分かった
皆、見届けよう
これ以上、苦しませないよ
UC発動
祈り、破魔の全力魔法を籠めた歌唱の衝撃波で全てをなぎ払います
邪なる全てを、この手で
今まで強制的に操られていた人々が
せめて最期は安らかに眠れますようにと
心から祈る
痛まないよう、優しく、葬ろう
……結局は殺戮となんら変わりないけどね
誰一人置いては行かない
最期の一人まで見つけ出し
消滅させる
【第六感】
安倍晴明への怒りが天井知らずだが
今は只
屍人の為に、歌う
必要があればはぐれた屍人を念動力で引き寄せる
……多くの失われた命
どうか、どうか、安らかに
誰かが呼ぶ声がする。
その声のする場所へと向かって行って。
「……親友が起こしてくれたから何かと思えば、なるほどね」
鈴木・志乃(生命と意志の守護者達・f12101)が目を覚ませば、目の前に広がるのは無数の水晶屍人。
志乃に憑依している女霊、昨夜。彼女が見せた光景は、すぐに志乃の頭の中を冷静にさせて行って。
「相分かった。……皆、見届けよう」
昨夜に向けて一つ頷くと、水晶屍人の元へと歩き始めて。
「これ以上、苦しませないよ」
そう誓って、大きく息を吸った。
辺りに響き渡るのは、聖なる歌。邪なる全てを薙ぎ払う、魂の祈り。
(「せめて、最期は安らかに……」)
ほんの一瞬で命を奪われて、死しても尚、命を弄ばれた人々。
語る事も考える事も出来ずに屍人と化した、彼、若しくは彼女達は何を思って天に昇るのか。
痛みを与えずに、可能な限り優しく葬ろうと、志乃は歌を響かせる。
歌の波動が水晶屍人達に当たれば、それは完全に消滅してしまう。
(「……結局は殺戮となんら変わりないけどね」)
暴力を以て倒されても、歌を以て眠らせても、殺すというのに変わりはない。
しかしそれでも、身体を散らされるよりは、完全に消滅された方が、魂も救われると言う物。
……それは本人の魂達にしか分からない事だが、多くの場合はそう思う筈だ。
感覚を研ぎ澄ませて、誰一人として置いて行くものかと、何処までも歩き続ける。
一人、また一人と。確実に、正確に消滅させ続けて行く。
(「安倍晴明……」)
水晶屍人発生の原因。多くの命を奪った、許し難い魔軍将。
志乃の怒りは天井知らず。しかし、今は只、屍人達の為に歌い続ける。
多くの失われた命に向けて。どうか、どうか、安らかにと、祈り続ける。
彼等の魂は救われたのだろうか。
それは誰にも分からないが、命は巡る。来世が善き物である事を祈るとしよう。
●掃討を終えて
全ての水晶屍人は倒されて、奥羽の武士達も無傷。
これで彼等も幕府軍へと加わって、戦力が強化される事だろう。
戦争はここからが本番だ。力の限り戦い続けよう。
大成功
🔵🔵🔵