エンパイアウォー⑳~繚乱たるは憤怒の花
●大悪災『日野富子』
豪華絢爛を極めた『花の御所』で。
悪妻と名高い銭ゲバ――大悪災・日野富子は怒りをあらわにしていた。
「金、金、アタシの金を……! クソッ、クソッ!」
悪態をつきながらガンガンッと物に八つ当たりしつつ、悪態をつきまくる。
ただでさえ、集めた金を横取りされて苛々しているというのに。
「アタシの居場所が知れただって? ああムカツク! ああああムカツク!」
……徳川も猟兵も、もちろん信長の野郎も、ぶっ殺す!!!
新築された豪華絢爛な花の御所でその悪意を隠そうともせず。
怒りで顔を歪ませ、憤怒の怨念を撒き散らしていた。
●戦場『花の御所』
「皆のおかげで、日野富子の所在を掴み、決戦を挑む事が可能となった」
筧・清史郎(ヤドリガミの剣豪・f00502)は、集まってくれて感謝する、と。
そう礼を言った後、予知の概要を説明する。
「戦場は、京都の『花の御所』。新築された豪華絢爛な邸宅に日野富子はいる」
日野富子がいる『花の御所』は足利将軍家の邸宅であった場所。
江戸時代には別の建物に代わっていたが、富子は有り余る私財を投入し豪華絢爛な御所を作ったのだという。
そして今そこに、日野富子がいるということが判明したのである。
「しかし、日野富子はかなりの強敵。準備と対策を万全に臨まなければ、返り討ちにあうだろう。心して、決戦に臨んで欲しい」
大悪災『日野富子』は、清史郎の言うようにかなりの強敵。
先手を取ることは不可能である。
なので、富子の先制攻撃を『どうやって防いで、反撃に繋げるか』という作戦や行動がかなり重要となる。
対抗策を用意しても、それが不十分であれば、苦戦や敗北となる危険性が大いにある。
無策であったり生半可な対策では、彼女を攻撃することさえできず、呆気なく倒されれてしまうだろう。
――けれど。
「だが、対策を正しく確りと練って臨めば、勿論、勝機はある。これまで強敵を打ち倒してきた皆の力を、俺は信頼している」
清史郎は、戦場への転送は俺が担うと、皆を見回し、よろしく頼むと頭を下げてから。
武運を祈る――そう、花の御所へと導く満開のグリモアを掌に咲かせたのだった。
志稲愛海
志稲愛海です。
よろしくお願いいたします!
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このシナリオは、「戦争シナリオ」です。
1フラグメントで完結し、「エンパイアウォー」の戦況に影響を及ぼす、特殊なシナリオとなります。
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難易度が高めの内容となっておりますので、相応の判定をいたします。
技能名の羅列などだけでなく、どのような作戦で行動するのか。
以下をご確認の上、しっかりと対策を練ってご参加いただければと。
●この依頼に関して
大悪災『日野富子』は、先制攻撃を行います。
これは、『猟兵が使うユーベルコードと同じ能力(POW・SPD・WIZ)のユーベルコード』による攻撃となります。
彼女を攻撃する為には、この先制攻撃を『どうやって防いで、反撃に繋げるか』の作戦や行動が重要となります。
対抗策を用意せず、自分の攻撃だけを行おうとした場合は、先制攻撃で撃破され、敵にダメージを与える事はできないでしょう。
対抗策を用意した場合も、それが不十分であれば、苦戦や失敗となる危険性があるので注意してください。
●プレイング採用関して
通常の志稲の依頼に関しましては、ご参加くださった皆様のプレイングは極力全採用しておりますが。
戦争関連の依頼に関してはその限りではありません。
成功度+αのみの採用となり、参加者様多数の場合はプレイングお返しする可能性も十分あること、ご理解の上、ご参加ください。
採用は先着順ではありません。
特に今回は募集期間短めで運営の予定です。
運営状況に関しては、MSページやTwitter等のお知らせをご確認いただければと。
それでは、プレイングお待ちしております!
第1章 ボス戦
『大悪災『日野富子』』
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POW : アタシの前に立つんじゃねぇ!
【憎悪の籠った視線】が命中した対象を燃やす。放たれた【爆発する紫の】炎は、延焼分も含め自身が任意に消去可能。
SPD : アタシのジャマをするな!
自身の【爪】が輝く間、【長く伸びる強固な爪】の攻撃回数が9倍になる。ただし、味方を1回も攻撃しないと寿命が減る。
WIZ : 誰かアイツをぶっ殺せよ!
自身が【苛立ち】を感じると、レベル×1体の【応仁の乱で飛び交った火矢の怨霊】が召喚される。応仁の乱で飛び交った火矢の怨霊は苛立ちを与えた対象を追跡し、攻撃する。
イラスト:みそじ
👑11
🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔴🔴🔴🔴🔴🔴🔴🔴🔴
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種別『ボス戦』のルール
記載された敵が「1体」出現します。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。
| 大成功 | 🔵🔵🔵 |
| 成功 | 🔵🔵🔴 |
| 苦戦 | 🔵🔴🔴 |
| 失敗 | 🔴🔴🔴 |
| 大失敗 | [評価なし] |
👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。
※このボスの宿敵主は
「💠山田・二十五郎」です。ボスは殺してもシナリオ終了後に蘇る可能性がありますが、宿敵主がボス戦に参加したかつシナリオが成功すると、とどめを刺す事ができます。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。
氏神・鹿糸
(アドリブ連携、おまかせ)
花の御所、日野富子。
怒らないで、アナタ。
こんな素敵な場所に暮らしているのに…お花が足りないのかしら。
発動するUCは『幻想種の開花』
どんなお花を見せてくれるのかしら。
発動前に撒いた魔法の豆の木「五月」を[ロープワーク]で操るわ。
豆の木に[怪力]を込めて、写されたUCを引き留め。
そのまま炎[属性攻撃]を纏わせて燃やし尽くすわ。
大丈夫。燃え盛る物も愛しいものよ!
それじゃあ、素敵なアナタ。
炎に包まれて、怒りを鎮めて。
再度発動するUCの花はグロリオサ。
ええ、もちろん。追加の炎で[全力魔法]を纏わせて。
イマジンって大切ね。
さあ―幻想種の開花よ。
花の御所――そこは、足利将軍家の邸宅だった場所であり。
美しい花が咲き乱れる庭園があったことから、そう呼ばれていたのだけれど。
『ああああムカツク! どいつもコイツも殺してやる!』
美しい花ではなく、むしろ花も恐れて萎んでしまうのではないかというほどの、憤怒の怨念を咲かせる日野富子。
花に寄り添い、花に向かって歩み、花と共に笑顔が咲けばそれで良しと。
そう花と共に日々生きる氏神・鹿糸(花の妖怪・f00815)にとって、その美しさをも愛でる余裕すらない富子に首を傾ける。
「こんな素敵な場所に暮らしているのに……お花が足りないのかしら」
折角、たくさんの花が咲いた、あんなに素敵な庭がある邸宅にいるというのに。
まだまだ、もっと花を咲かせれば……魔法の豆の木を育み、細い花びらが燃えあがる炎の如きグロリオサを咲かせれば。
富子の激しい怒りも炎に包まれて、鎮められるだろうか。
さあ――幻想種の開花よ、と。
鹿糸は豊かなイマジンを花開かせ、意思を持ち動く無敵の力を宿す巨大な花を戦場へと咲かせんとしたけれど。
『アタシの前に立つんじゃねぇ!』
「……ッ」
刹那咲いたのは、赤き血の花であった。
憎悪の籠った富子の視線が向けられたと同時に、大きく爆ぜる紫色の炎。
日野富子は格上の強敵。故に、必ず行動の先手を取られてしまうと予知でも言われていた。
そして確りと先制攻撃への対策を取っていなければ、防ぐことも避けることも不可能。
幻想の花を咲かさせるその前に――鹿糸は紫色の炎に包まれ、豪華絢爛な戦場へと意識の花を散らせたのだった。
苦戦
🔵🔴🔴
雷陣・通
学校の授業だと応仁の乱の切欠を作ったってことになってるけど、こっちの世界ではどうなのかな?
何にしても
「ライトニングに行くぜ」
先手を取られる?
上等
グリモアの予知でUCが分かっている
対策を立てられる分、こっちが有利だ
狙うは視線
殺気を放ち、憎悪の視線を誘引し、それを視力で見切って
カウンターによる残像を伴うフェイントからのスライディングで視力から逃れ、間合いを取る
「父ちゃんが言っていた」
人中への正拳から始まる『正中線五段突き』
「むき出しの感情は抜き身の刃を持って歩いているようなもの」
一撃、二撃、三撃、四撃
「ならば対策を取れよう」
五撃!
以上、これが雷陣・通の空手だ
日野富子――学校の授業では、応仁の乱の切欠を作った人物で。
応仁の乱の際は東西両軍にお金を貸し付け、その結果として莫大な資産を築いたとも、習ったのだけれど。
こっちの世界ではどうなのかな? と。
そう首をふと傾けるのは、雷陣・通(ライトニングキッド・f03680)。
戦場となっているこの花の御所も、眼前の富子が有り余る私財を投入し、豪華絢爛な御所を作ったのだという。
通が授業で教わった日野富子と、倒すべき敵として立ちはだかる日野富子が同じであるかどうかは分からないが。
『金、金、アタシの金……! 金を持ってるアタシが正義だろうが!』
金に妄執しているというところは、どうやら同じのようである。
それに、何にしても。
「ライトニングに行くぜ」
通がやるべきことは、眼前の敵に一撃食らわせること。
しかし、相手は格上の強敵。先に動くことは叶わないだろう。
けれどそれでも、通の拳に迷いはない。
「先手を取られる? 上等」
グリモアの予知で、敵の攻撃手段は分かっている。
故に、あらかじめ対策を練って戦いに臨めるのだ。
それは正面から向かっていけば確実に倒されてしまうだろう大きな力の差をも凌駕する、何よりの強みだ。
――狙うは視線。
そう通はその身に殺意を纏いながら富子を見据え、その憎悪の視線を誘引する。
さらに目論む作戦は、引き付けたそれを見切り、技能を駆使して視力から逃れ、絶妙の間合いを取った瞬間。
叩き込むは、正中線上への急所へと向けた正拳突きの五連打。
「父ちゃんが言っていた。むき出しの感情は抜き身の刃を持って歩いているようなもの」
そのような抜き身の刃ならば対策も取れよう――通は憎悪の籠った視線が命中せぬよう、戦場を縦横無尽に駆け、握りしめた拳を叩き込む機会を窺う。
けれど……相手は、決して先手を取れぬほどの能力差がある相手。
そんな強敵の目を晦ます残像を作り出したり、反撃や牽制を行なうには、通の技術の鍛錬度は未熟であった。
そして豪華絢爛な花の御所は豪邸であるだけあり広く、特にグリモア猟兵から事前に注意喚起があるほどの障害物などもない。
要するに逆を言えば、視界的に問題となる障害がない戦場ということ。
意図してその視線を遮る術や対策、遮蔽物等を利用しなければ、一度二度は見切れても。
その視線に捉えられてしまうのは――時間の問題。
『あああ、ちょろちょろと小賢しい!』
それでも必死に粘り、何とか反撃の糸口をつかまんと動く通に、富子は苛立ちを隠せない様子だが。
『言っただろうが! アタシに逆らうなら、ぶっ殺すってな!』
「……ぐッ!!」
刹那、富子の憎悪の視線が創り出された残像に惑わされず、通の身を捉えて。
激しい衝撃音とともに――紫色の炎が、大きく爆ぜた。
苦戦
🔵🔴🔴
祇条・結月
自分を信じる力、我の強さ。あなたの力はそういうものなんだろうね
……でも、負けて帰るわけにはいかないんだ
爪の斬撃が始まることを止める術はない
ダメージを受けることは最初から【覚悟】してる
【第六感】を総動員して、致命傷を避けながら回避や武器での防御を駆使して至近距離で立ち回る
ある程度斬られても【激痛耐性】で動きを鈍らせずに敵のいら立ちを誘ってく
「それで本気で攻撃してるの?」って挑発して
敵の全力の攻撃を受ける覚悟で、ぎりぎりまで引き寄せて≪鍵ノ悪魔≫を降ろす
攻撃が掠めるくらいのタイミングを見定めて、透過して躱して
すれ違いざまに【ロープワーク】で銀の糸を絡めて動きを封じて咎人の鍵で反撃するよ
『ああああクソムカツク! 金、金、アタシの金……!』
キーキーと喚くように悪態をつき続ける日野富子。
そんな怒りを微塵も隠そうとせずあらわにする大悪妻を見据えながら。
「自分を信じる力、我の強さ。あなたの力はそういうものなんだろうね」
金で散々世を引っ掻き回してきたその執念と強すぎるくらいの我を目の当たりにし呟く祇条・結月(キーメイカー・f02067)だけれど。
……でも、負けて帰るわけにはいかないんだ。
瞬間、襲い来る爪の連撃に得物を構えその軌道を見極めんと第六感を研ぎ澄ませる。
敵はかなりの強敵、力量的にも先に動くことは叶わず、放たれる衝撃もこの身に受けるだろう。
けれど……それは元より覚悟の上。
致命傷だけは受けぬようにと避けつつ、得物で防御しながらも、鋭撃に耐えんと歯を食いしばる。
しかし、格上を相手に、至近距離で立ち回るのは限度があり。
「……くっ」
尖った爪が容赦なくその身を斬り裂いては、血の華を戦場へと飛沫かせる。
それでも、激痛耐性で何とか動きを鈍らせず、煽るように結月は言い放つ。
「それで本気で攻撃してるの?」
『いつまで持つか時間の問題の分際で……死ね!』
今にも爪に抉られ地に沈んでもおかしくはないはずの結月の挑発に、あからさまにイラつきをみせる富子。
そして、ならば望み通りにぶっ殺す、と――全力をもって放たれる富子の、長く伸びる強固な爪。
その一撃を受ければ、確実に倒されてしまうだろう。
けれど……僕を、見るな――そう結月が紡いだ瞬間。
『!?』
その身を抉り沈めんと放たれた鋭利な爪が、結月を捉えた……かと思ったのだが。
ぎりぎりまで攻撃を引き寄せ、己に鍵を掛けた結月が発動するは――『鍵ノ悪魔』。
境界を統べる権能を持つ『鍵ノ悪魔』が発動者の身を透過させ、標的を失った強烈な爪が空を切る。
そして銀の鍵から生成されし銀糸が憤怒する敵を絡めとれば。
『……クッソ!!』
突き立てられるは、異形態の銀の鍵――心を刺す、咎人の鍵。
成功
🔵🔵🔴
アネット・レインフォール
▼心情
成る程…これが魔軍将か。
少し無謀かもだが、腰巾着が相手なら都合がいい。
…誓おう。
――たとえ非才の身でも、
技すら無くとも…この剣を届かせることは出来ると!
▼POW
予め葬剣をコートにし、皎剣を即座に抜けるよう準備を。
視線攻撃の仕草を確認したら
残像を囮に使いながら後方へ飛び
皎剣を真正面に突き刺す。
刀身を鏡として使い敵の攻撃を跳ね返せるかカウンターを試す。
逆に剣自体が燃えたら、放置し他の刀剣に換装して攻撃。
刀剣の数だけ盾として利用を。
全て燃えたら念道力で放出し牽制に使いつつ
燃焼中の武器を我慢して掴み、そのまま叩きつける。
炎が自分に及んだらコートを剣に戻すが
影響なければ最後の一振りに。
アドリブ歓迎
『あああ猟兵、ムカツク! ぶっ殺す!!』
猛る怒りはいまだ収まらず。
いやむしろ、自分に楯突き歯向かう猟兵たちに浴びせられる衝撃に、余計に苛立った様子の日野富子。
(「成る程……これが魔軍将か」)
アネット・レインフォール(剣の教導者・f01254)は相手の力量を測るように漆黒の瞳を斬るべき敵へと向けて。
(「少し無謀かもだが、腰巾着が相手なら都合がいい」)
アネットは憤怒の怨念撒き散らす敵にも怯むことなく……誓おう、と。
銀翼の一振りをコートに、翼刻まれし白き大剣は即時抜けるようにと抜かりなく手を添えながらも、心に固く盟う。
――たとえ非才の身でも、技すら無くとも……この剣を届かせることは出来ると!
刹那、憎悪の感情が迸る視線が向けられる仕草を察知し、アネットは後方に飛んで。
残像を囮に使わんとするも、強敵を欺くほどの熟練度はなく破られてしまうけれど。
真正面に地に突き立てたのは、抜かれた白き翼の大剣――皎剣【忍冬白焔】。
その刀身を鏡とし、憎悪の視線を跳ね返し反撃できぬかと試してみるも。
「……!」
アネットのかわりに憎悪の視線を向けられた剣が爆ぜ、紫の炎に包まれる。
けれど、アネットは瞬時に判断し炎に包まれた剣を後目に、冷静に次の刀剣を同じ様に盾とする。
しかしそれは、紫の炎に燃える刀剣を増やしていくだけ。
だが――例え全て燃えても、その刃は十分武器と成る。
紫の炎燃える刃を念道力で放出し、牽制にと飛ばして。
「ぐっ……!」
この剣を届かせると、そう誓ったから。
アネットは半ば強引に紫の炎に包まれた剣を抜き、富子に叩きつける。
けれど相手は格上。その刃は弾かれ、さらに握った手に紫の炎が延焼する。
『そのまま燃えろ、猟兵!』
富子はそう、成す術がなくなったようにみえるアネットへと言い放つも。
握られるは、コートから戻した銀翼刻まれし――最後の一振り。
『な……!』
予想していなかった刃が振り下ろされ、富子が大きく瞳を見開いた刹那。
紫の炎にその身を侵され倒れるその前に、アネットは真面目な性分故に意地を貫き通す。
立てた誓いを守るべく――握る葬剣の斬撃を、敵へと叩きつけるのだった。
成功
🔵🔵🔴
春日・釉乃
【SPD】
日野富子の怨念…思った以上にヤバいね
折角の豪邸をずたずたにするなんてちょっと許せないかも
…って魅夜(f03522)ちゃんが行くなら、あたしも一緒にいくんだからねっ!
[オーラ防御]の『鶴姫』装着した状態で魅夜ちゃんの目の前に出撃して、『シールドスレイヴ』を[一斉発射]
手数の多い富子の爪攻撃を[第六感]で軌道を読み取って、[早業]で的確に臨機応変に[盾受け]していくよ
こっちは素早い攻撃の手段がないけど…魅夜ちゃんのUCならきっとやれるって信じてるから
あたしはこの身の全てを賭して、機械鎧が全損しようと魅夜ちゃんを守り抜いてみせる
そう――誓ったんだから!
黒城・魅夜
【SPD】
釉乃(f00006)さんと出撃
大切な友が作ってくれた反撃の暇、無駄にはしません
彼女が庇ってくれている間にこの身を斬り裂き、鮮血の霧を創りだします
真紅に染まった世界の中で、あなたの五感は鈍り、その爪も精度を落とすことでしょう
釉乃さんのシールドに加え、『第六感』と『見切り』、『残像』を使って極力回避
無論、それでも被弾は承知
ですが、あなたが私に血を流させるほど、この血の霧は濃くなるのです
『激痛耐性』と『覚悟』で耐え抜いて間合いに入れば
我が呪われた鎖が、『傷口を抉り』ながらあなたの体内を引き裂くでしょう
この一撃に込められた想いの力、お金と怒りしか知らないあなたには決して理解できないでしょうね
『あああムカツク! 猟兵っ、ぶっ殺す!』
ヒステリックに喚き、折角の豪華絢爛な花の御所に在りながら、ガンガンと周囲の物に当たり散らす富子。
「日野富子の怨念……思った以上にヤバいね」
そんな様を見遣り、春日・釉乃(蒼薔薇のPrince・f00006)は引き気味にそう呟くも。
折角の豪邸をずたずたにするなんてちょっと許せないかも、と立派な邸宅に八つ当たりしている富子に眉を顰めてから。
「釉乃さん、行きましょう」
「……って魅夜ちゃんが行くなら、あたしも一緒にいくんだからねっ!」
共に戦場へと降り立った黒城・魅夜(悪夢の滴・f03522)と共に、富子の前へと立ちはだかる。
そんな釉乃と魅夜に、憤怒に満ちた視線を向けて。
『クソッ、アタシのジャマをするな!』
鋭利な爪が妖しく輝きを放った刹那、長く伸びた爪がふたりの身を抉らんと放たれれば。
その姿は、まるで戦神の如く。武者甲冑の形をした機械鎧纏いし釉乃が、一歩前へと出て。
瞬間成すのは、全方向の攻撃に対応出来る動く盾――『シールドスレイヴ』。
襲い来る富子の爪の軌道を必死に読み取り、その動く盾で素早く鋭撃を防がんと、確り盾を構える。
『ハッ、そんな盾でアタシの攻撃が防げると思ってるのか!』
「……くっ!」
富子はかなりの強敵、その爪を全て防ぐことなど、釉乃の盾ではできない。
それでも傷を負いながらも歯を食いしばり、友のことを必死に守る釉乃。
しかし、このままでは盾は破られ、二人とも血の海に沈められてしまうだろう。
けれど……富子の攻撃を防がんと動くのは、釉乃だけでは勿論ない。
「大切な友が作ってくれた反撃の暇、無駄にはしません」
瞬間、戦場に飛沫いたのは――己の身を斬り裂き生じた、魅夜の鮮血の霧。
ただでさえ爪の攻撃で、釉乃だけでなく魅夜の身も浅くはない傷を負っているというのに。
自傷した魅夜の行動に、富子は鼻で笑うけれど。
『自ら傷つけて気でも触れたか! ……っ!?』
「真紅に染まった世界の中で、あなたの五感は鈍り、その爪も精度を落とすことでしょう」
――鮮血の屍衣を纏いし呪いの鋼、喰らい尽くせ汚濁の魂。
戦場を赤に染める鮮血の霧は、ただの血飛沫ではない。
それは、相手の五感を鈍らせる鮮血の濃霧。
赤き霧に覆われ、爪の連撃も、先程よりも勢いが落ちている気はするけれど。
「無論、それでも被弾は承知」
釉乃の盾の間隙を縫って尚も襲い来る爪の衝撃に、二人の傷は深くなるけれど。
「ですが、あなたが私に血を流させるほど、この血の霧は濃くなるのです」
『くっ! このクソがァ!!』
赤の霧が濃くなるごとに、富子自身の五感を鈍らせていく。
とはいえ、たとえ五感が鈍ったとしても、気を抜けばやられるだろう。
それほどに、日野富子は格上の強敵であるが。
「こっちは素早い攻撃の手段がないけど……魅夜ちゃんのUCならきっとやれるって信じてるから」
共に戦場に立つ信頼できる友に、釉乃は全て後を委ねて。
「あたしはこの身の全てを賭して、機械鎧が全損しようと魅夜ちゃんを守り抜いてみせる」
そう――誓ったんだから!
ただひたすら倒れぬよう気を確り持ち、盾を構え、友を守り続けるのみ。
そして魅夜も、大切な友の覚悟を背負って。
傷を負うことも厭わず、鮮血の濃霧により鈍った富子の隙をつき、漆黒の髪を靡かせながらすかさず間合いへと入れば。
刹那、放射されるは――霧の中の敵に転移し内側から引き裂く鎖。
『……ぐっ!』
「この一撃に込められた想いの力、お金と怒りしか知らないあなたには決して理解できないでしょうね」
赤き霧が満ちる中、魅夜の呪われし鎖が富子の体内を引き裂いて、その傷を抉る。
成功
🔵🔵🔵🔵🔴🔴
尭海・有珠
忠誠でもなく、力でもなく、金か
随分豪華な場所であるのも金を如何様に使おうと、私は構わないんだが
…どうやって集めた金なのかによって印象も変わるがな
折角の絢爛な御所で顔を歪ませるのは勿体ないだろ?
召喚された怨霊の数を確認し、軌道と癖をある程度分析し予測
背後だけは取られないよう動きを追いつつ
正面左右頭上と、ギリギリ視界に入る分は2回攻撃で手数を増やしながら
来た怨霊を払う形で応戦
杖を盾代わりにし、ジャケットでも敵視界を誤魔化し
急所への直撃さえ避けられれば充分
可能なら怨霊同士の衝突による相殺や、追跡を一方向に纏められるよう移動
敵を取り囲むような剥片の戯で反撃だ
カネが欲しいのだろう?
黄金の刃を撃ってやる
湧き出る憤怒を撒き散らしている敵が妄執しているもの。
それは有り余る私財を投入し作られたという、この豪華絢爛な花の御所をみても窺い知ることができるが。
『金、金、元々アタシの集めた金なんだ……! それを!!』
何より、本人がそれを隠そうとしない。
怒り心頭であるそんな日野富子の姿を、どこか眠そうにみえる海色の瞳で捉えつつ。
「忠誠でもなく、力でもなく、金か」
尭海・有珠(殲蒼・f06286)はそう口にして。
「随分豪華な場所であるのも金を如何様に使おうと、私は構わないんだが」
……どうやって集めた金なのかによって印象も変わるがな、と続けるけれど。
金、金とヒステリックに喚き散らしては悪態をついているその様を見れば、それも御察しである。
有珠は戦場に揺蕩う様にゆるく流れる黒髪をふわり躍らせて。
「折角の絢爛な御所で顔を歪ませるのは勿体ないだろ?」
『誰かアイツをぶっ殺せよ!』
さらに怒りで顔を歪ませながら苛立ちをあらわにする富子が喚んだ火矢の怨霊を、冷静に見据える。
確認するはその数、そしてその軌道と癖。
富子の金への執着と同じように、躱したかと思えど追撃してくる火矢の怨霊。
背後だけは取られないよう動きを追いつつ、正面から襲い来る一矢を叩き斬れば。
次は左右、さらに頭上からと、休みなく追従し、有珠の身を射抜き燃やさんと飛び交う怨念の炎。
左右から襲いくる火矢を一度二度と叩き落し、宝珠の海色抱きし真鍮の蔓茨纏う青の仕込み杖を盾として。
翻る昏い夜色がひらり、燃え盛る怨念を翻弄する。
けれど、京の都を焼け野原にしたという応仁の乱で飛び交った火矢の怨霊は、執拗に有珠を燃やさんと迫って。
「……っ」
格上の放った怨霊の火矢は、掠っただけでも相当のダメージを受ける。
けれど――急所への直撃さえ避けられれば充分。
解析した軌道の癖を読み地を蹴れば、左右から迫る怨念がぶつかり相殺されて。
追従してくる特性を逆手に取り、巧みに火矢の軌道を一方向にするべく立ち回る。
そして有珠は火矢の衝撃を纏めて叩き落した刹那。
――来たれ、世界の滴。群れよ、奔れ――『剥片の戯』。
高速詠唱し編み出された魔力が成すは、魔法の薄刃。
黄金の閃きが、ぐるりと富子を取り囲んだ瞬間。
『……っ!』
「カネが欲しいのだろう?」
お望み通り、憤怒するほど執着している金の輝きを、有珠は富子へと見舞ってやるのだった。
成功
🔵🔵🔴
リリスフィア・スターライト
女の恨みは恐ろしいとは言うけれど、
富子の憎悪には恐れはないかな。
ただ立ち向かって乗り越えるだけだよ。
天体破局による大洪水で召喚された
火矢も纏めて洗い流すつもりだよ。
最大火力で発動させたいしそれまでは
なるべく目立たず苛立ちの対象とならないよう
後方で大人しく戦いの様子を観察してタイミングを伺うよ。
狙いを分散させる意味でも仲間同士で固まらないようにかな。
それでも狙われるようなら周辺の地形を利用して
直撃によるダメージは避けて、反撃できる程度には余力は残しておくね。
発動する時は他の猟兵達を巻き込まない時を狙ってかな。
「まさに火のような存在だけれど、洗い流してみせるよ」
「チャンスは一度だけ、逃さない!」
『クソッ、猟兵! ぶっ殺してやる!!』
眼前には恐ろしい形相をしては憤怒の怨嗟を撒き散らす、強力なオブリビオン。
その執念はおどろおどろしいと言っても過言ではないが。
「女の恨みは恐ろしいとは言うけれど、富子の憎悪には恐れはないかな」
――ただ立ち向かって乗り越えるだけだよ、と。
全くこの金の亡者・日野富子に関して恐怖を感じない、リリスフィア・スターライト(プリズムジョーカー・f02074)。
ヒステリックにただ喚いているだけの守銭奴に対してただ抱くのは、その強大な力を乗り越えるという意思。
『誰かアイツをぶっ殺せよ!』
瞬間、リリスフィアへと目掛け飛び交うは、応仁の乱にて放たれた火矢。
その飛び交う炎は、応仁の乱の際、京都を焼け野原にしたほどのものだというが。
けれどもリリスフィアは慌てることなく、襲い来る火矢の怨念に対抗するべく紡ぐ。
「まさに火のような存在だけれど、洗い流してみせるよ」
――唸れ雷光、轟け嵐、渦に飲まれ、全てを灰燼に帰せ!
刹那、発動するは『天体破局』――戦場に起こるは、大洪水。
暫くは後方から戦況を見守り、狙いを分散させるべく仲間とは固まらずに心掛け、目立たずに行動し魔力を温存していたが。
最大火力に近い状態から放たれたその水の荒振りが、飛び交う火矢を纏めて洗い流す。
けれど……日野富子はかなりの格上。
激しく飛び交う火矢への対策を万全に取り、まずは確りと防ぐ必要がある。
そしてグリモアから予知された富子の攻撃は、ただの火矢による単純なものではないのだ。
「……!」
高いレベルを誇るであろう『第六天魔軍将』のひとりである彼女の攻撃は、まだ止んではおらず。
さらに火矢の怨念は、追撃という特性も持ち合わせていると、事前にも知らされていた。
そして天体破局の大洪水は強力だが、制御が難しく暴走しやすい。
四方から追撃してくる怨念の火矢を、起こした洪水をもって全て飲み込むよう細かくコントロールすることができないのだ。
リリスフィアは迫る火矢の怨念を、戦場の地形を利用し躱そうとするが。
技能の熟練度的に数発は防ぎ躱せたものの。
「ぐ……っ!」
しつこく追跡してくる強烈な怨念の火矢全てを防ぐことができず貫かれ、華美な戦場に崩れ落ちたのだった。
苦戦
🔵🔴🔴
霑国・永一
あっはっは、これは面白い。俺が普段金を盗んだ相手もこんな風になってるの良く見るよ。
先制攻撃対策:飛び退いて花の御所の影とかに隠れながら先制攻撃終わるまで回避専念するところだけど、無論それだけじゃあリスクも多い。事前にエンパイアにおけるお金を……そう、銭や少量の金とか持ち込んで、飛び退くと共に富子へ向けてばら撒いてみよう。金に執着凄そうだしねぇ、少しは気を引けるかな?
先制攻撃終わったら此方の番だねぇ。狂気の銃創を爪目掛けて遠くから当てていくかな。強固だろうと傷広げて崩壊させてやろう。
爪の後は無論本体狙いさぁ。腕や脚狙って攻撃や機動力を削ぎ、崩壊させてやらないとだ
ああ、金は倒したら後で回収するよ
織銀・有士郎
随分落ち着きがない守銭奴だなぁ……世の中金が全てという訳ではないのだが。
まぁ適当に戦って勝てる相手でないのは確かだし、気を引き締めんとな。
「守銭奴ならこれでどうだ……?」
持っている小銭を指ではじき、少し離れた所に落として金の音を立てる。
金の音に一瞬動きを止める、もしくは気が少しでも逸れたなら、相手の攻撃精度は落ちるはず。
【野生の勘】も全力で駆使し、9回の攻撃を【見切って】回避するもしくは【武器で受けて】凌ぎきってみる。
凌ぎきったら『三千世界の太刀』で反撃だ。
可能なら他の猟兵が先制攻撃を受けそうな所に何本か射出して、妨害も狙ってみたいところだな。
『クソッ、元々アタシの集めた金なんだ……!』
ギリィッと顔を歪め憤怒と怨嗟を撒き散らしている日野富子。
そんな酷い形相をして悪態をつきまくっている姿を愉快そうに眺めるのは霑国・永一(盗みの名SAN値・f01542)。
「あっはっは、これは面白い。俺が普段金を盗んだ相手もこんな風になってるの良く見るよ」
永一の生業は、日々働き、日々盗み――盗んだ後の珈琲は格別、そんな日々。
だから、盗まれたと気付いた時の相手の顔は見慣れていて。
皆決まって、ちょうど目の前にある富子のような顔をしているのだ。
「随分落ち着きがない守銭奴だなぁ……世の中金が全てという訳ではないのだが」
逆に呆れたように富子を見遣るのは、織銀・有士郎(織りなす銀の一振り・f17872)。
怒り心頭、金に妄執しているその姿はまさに守銭奴。
けれど、その凄まじい金に対する執念を抱くこのヒステリックな守銭奴は、『第六天魔軍将』のひとりであるという強力なオブリビオンである。
「まぁ適当に戦って勝てる相手でないのは確かだし、気を引き締めんとな」
そう有士郎が、刀身が少し錆びている嘗ての名刀・『涼鳴』を構えた瞬間。
『金を持ってるアタシが正義だろうが! アタシのジャマをするな!』
誰よりも早い動きを見せ、鋭利な爪を長く伸ばし、猟兵たちを穿たんとする富子。
そんな鋭撃に、咄嗟に飛び退いて調度品などの障害物の陰に隠れる永一。
このまま激しい爪の攻撃が止むまで、身を隠しつつも回避に専念……と言いたいところだが。
相手は、能力的にはかなりの格上。
障害物に隠れ回避、というだけでは心許なく、無論リスクも多いだろう。
そこで富子の気を逸らすべく考えた手段、それは――。
「金に執着凄そうだしねぇ、少しは気を引けるかな?」
攻撃を避け飛び退くと共に永一の手から投じられたのは、サムライエンパイアの通貨。
銭や少量の金を、金に妄執している富子へと向けて、ばら撒いてみれば。
「守銭奴ならこれでどうだ……?」
同じように、持っている小銭を指ではじく有士郎。
守銭奴である富子の気を逸らさんと、少し離れた所に落とし、金の音を立ててみる。
(「金の音に一瞬動きを止める、もしくは気が少しでも逸れたなら、相手の攻撃精度は落ちるはず」)
富子が金に執着していることを利用し、襲い来る攻撃の手元が少しでも狂えばと、有士郎も永一と同じくそう考えたのだ。
『……!』
そして確かに、ピクリと金の落ちる音に反応を示した富子。
瞬間、放たれた二撃目の爪の狙いは定まらず、猟兵たちを掠めることもなく不発と終わる。
けれども――落とした金の効果は、それだけであった。
猟兵たちが防がなければいけないのは、攻撃回数が9倍となった長く伸びる強固な爪。
それに、富子は金の音に反応は示したものの。
大金を奪われた怒りとばら撒かれた小銭への関心、どちらがより強いかは明確である。
いや、守銭奴であることには変わりない。
『大金でも積まれればまだしも、そんなはした金でアタシが怯むか! まぁ猟兵もみんなぶっ殺した後にでも、残らず金は回収するけどな!』
小銭でも残さず拾うという、守銭奴根性も確かにあるようだ。
けれど相手は、猟兵たちに金をとられたとはいえ、有り余る金でこの花の御所をつくるほどの資産を持っているのだ。
一、二発ならばだが、九発に及ぶ爪の衝撃が全て狂うほどの効力は、小銭程度には正直ない。
それに――相手は棒立ちでただ直線に攻撃を放つような相手ではなく、『第六天魔軍将』である強敵だ。
「……ッ!!」
やはり、隠れ回避しつつ攻撃が止むまで待つなどという甘いことを許してくれる相手ではなく。
「ぐ……っ!」
長く伸びた爪を躱した永一の身を、さらなる爪の追撃が貫いて。
有士郎も、全力の野生の勘や見切り、武器受けの技能で何とか猛攻を凌ごうとするも。
普段相手にするオブリビオンとは、格が違う相手。
突出して鍛錬された技能であればだが、ただ漠然と、勘に頼り見切って武器受けというだけでは通用しない。
具体的な対策が、もう少し必要であった。
「くっ!」
六撃目まではその剣技と技能で防げたものの、残りの爪の衝撃で有士郎もその身を貫かれて。
豪華絢爛な戦場に、崩れ落ちることになったのだった。
苦戦
🔵🔵🔴🔴🔴🔴
香神乃・饗
誉人f02030と共闘、力を合わせて爪を乗り切るっす
敵の爪をよく見て香神共鳴で全て叩き斬るっす
殺気を警戒しフェイントや暗殺を喰らわないよう苦無で受け流す
出来そうなら畳返しする等地形も利用して避けるっす
誉人が流しきれない爪はかばうっす
誉人には傷一つつけさせないっす!
命は無駄に削らない、覚悟を決めて突き進み
爪をかいくぐり力溜めた苦無で一閃、ぶった斬るっす!
金、金、金!
空しくないっすか
命がなければ使うこともできない唯のモノっす
かき集めてなんになるっていうっすか
俺は命のほうが大事っす!
ともに生きて、ともに勝ち、笑うんっす!
同じ囚われるなら生きる者に囚われたいっす!
鳴北・誉人
饗f00169と
天刃百華で脇差を複製させて武器受けで凌ぐ
オーラ纏わせてこっちも強固にする
脇差は防御に専念させるように展開し、それをフェイントに俺自身もオーラで防御し刀で斬りにいく
四十余の脇差、唯華月代、それに饗――いくら手数増やしたところで、これだけの刃、逆に防いでみろよ
殺気を噴き挑発する
複製の脇差でも斬りかかり、二回攻撃で刀振って立ち回る
もし饗に危害がおよぶなら武器で受けていなして庇う
「触らせねえよ
金、結構――それねえと生きてけねえ、けどてめえほど囚われりゃ辛えだけだ
そうやって命削ってろ
どうせ俺らに討たれる運命だ
金以外にだって心奪われるもんがありゃあ良かったなァ
キレーに笑えよ、もったいねえ
『猟兵! このクソがァ!! アタシに逆らうヤツはぶっ殺す!!』
ギリィッと怒りにその顔を歪ませ、悪態をつきまくる日野富子。
そんな富子の前へと躍り出たのは、香神乃・饗(東風・f00169)と鳴北・誉人(荒寥の刃・f02030)。
瞬間、富子の強固な爪が長く伸び、二人へと襲い掛かる。
けれど、そんな激しい爪の鋭撃にも決して怯むことなどない。
力を合わせて……この攻撃を乗り切る。
――存分に喰らうっす!
迫り来る爪に対抗するは、饗の発動する『香神共鳴』――森羅万象を両断する疾風迅雷の刃。
それは誉人と共に戦場に在るからこそ、成せる刃。
全て叩き斬るっす……そう疾風迅雷の刃を振るい、畳返しや苦無で受け流すなど、必死に爪を防がんと立ち回る饗。
けれど、富子は格上の強敵。
「!」
疾風迅雷の刃の間隙を縫って伸びる爪。
けれど……饗が襲い来る爪を全て防ぐ必要はないのだ。
「触らせねえよ」
――刻み尽くす。
迫る爪の鋭撃を叩き落したのは、仄青く光る一太刀――脇差《絶花蒼天》。
『天刃百華』にて複製した脇差は鋭利な爪を防ぐことに専念させて。
スラリと誉人が抜き構えるは、白銀の刀身が美しい『唯華月代』。
「四十余の脇差、唯華月代、それに饗――いくら手数増やしたところで、これだけの刃、逆に防いでみろよ」
『このクソがァ!!』
殺気を噴き挑発する誉人に煽られ、苛つきを隠せない富子。
互いに、相棒には傷一つつけさせない……そう立ち回る饗と誉人だが。
「!!」
「……くっ!」
強敵である富子の爪が、その身を抉って鮮血が走る。
けれども、隣に立つ相手を傷つけたくない……その想いは変わらず、むしろ強まる一方で。
「金、金、金! 空しくないっすか。命がなければ使うこともできない唯のモノっす。かき集めてなんになるっていうっすか」
『ハッ、世の中金が全てだろ! 金を持ってるアタシが正義なんだよ!!』
「金、結構――それねえと生きてけねえ、けどてめえほど囚われりゃ辛えだけだ」
そうやって命削ってろ、そう饗を守りながら吐き捨てる様に誉人は告げた後。
疾風迅雷の刃に守られながら、一瞬の機を逃さずに地を蹴って。
「俺は命のほうが大事っす! ともに生きて、ともに勝ち、笑うんっす!」
――同じ囚われるなら生きる者に囚われたいっす!
仄青き脇差が弾いた爪をかいくぐり、力溜めた苦無を握りしめて。
「どうせ俺らに討たれる運命だ」
「ぶった斬るっす!」
刹那、白銀と漆黒の閃きが同時に富子へと振り下ろされる。
『……ッ!!』
命は無駄に削らない、そう覚悟を決めて突き進んで振るった渾身の一撃。
同時に、二人の身体を鋭利な富子の爪が貫くけれど。
「金以外にだって心奪われるもんがありゃあ良かったなァ」
――キレーに笑えよ、もったいねえ。
深追いはせず、共に退く饗と誉人。
それは金よりも大切なものを、お互いがよく知っているから。
成功
🔵🔵🔵🔵🔴🔴
シャルロット・クリスティア
【弾丸殺界】
やれやれ、初共闘でいきなり大物狙いとなるとは……。
とは言え、彼も相当の本気のようですし……こちらも存分に振るわせて頂きましょう。
前はヴィクティムさんに任せて、私は視線を向けられないように物陰に【目立たない】よう【地形を利用】して隠れています。
合図があったら手持ちのポイズンボール(麻痺【毒】の煙玉)をヴィクティムさんへパス!
煙が広がって相手の視界を塞げたら、攻撃開始。
こちらも正確な位置は目では見えませんが、大丈夫。敵の位置は彼が教えてくれる。
居場所さえわかれば、煙だろうと遮蔽物だろうと関係ありません。
このまま、遮蔽越しに跳弾射撃を叩き込む!
【スナイパー】の【早業】をお見せしましょう!
ヴィクティム・ウィンターミュート
【弾丸殺界】
用意はいいかい?チューマ
では──ランだ!
まずは外から建物の構造をざっと解析してから…GO
視線を向けられるな!物陰に隠れてな!
俺の方は火矢の怨霊か?なら──飛び道具だな
全サイバネを【ハッキング】で出力を限界まで上げる
向上した身体能力と知覚、反射で猛追する火矢を【ダッシュ】【フェイント】【早業】【見切り】で避ける
避けてる間に内部から建物の構造を解析…よし
逃げながらUC展開、反射板で自分を覆って防ぐ
シャルに合図を出しポイズンボールのパスを貰う
そのまま蹴り飛ばし、反射板で軌道変更、着弾
シャルに脳波ハッキング、建物の構造送信
跳弾箇所は分かるな?では──
反射板も織り交ぜ、弾丸の殺界を展開しよう
豪華絢爛を極めた、足利氏の栄華の面影を感じさせる邸宅――花の御所。
その立派過ぎる建造物をまずは外から眺めるのは、ヴィクティム・ウィンターミュート(impulse of Arsene・f01172)。
けれどその青の瞳が見ているのは、煌びやかな外見や繊細な彫刻などではない。
そして華美な装飾に迎えられ足を踏み入れれば……優美とはかけ離れた、怨念溢れる女の姿。
「やれやれ、初共闘でいきなり大物狙いとなるとは……」
ヴィクティムと共に花の御所へと乗り込んだシャルロット・クリスティア(彷徨える弾の行方・f00330)は、照準を合わせるかのように敵の姿を青き瞳に捉えながらも。今回初めて組む相方・ヴィクティムへとちらりと視線を向けて。
(「とは言え、彼も相当の本気のようですし……こちらも存分に振るわせて頂きましょう」)
『どいつもこいつも、金持ってるアタシに逆らいやがって!』
怒りを微塵も隠さず撒き散らしている日野富子へと意識を集中させれば。
「用意はいいかい? チューマ」
では──ランだ!
同時に地を蹴り、怨念渦巻く豪華絢爛な戦場へ。
だが二人が一斉に飛んだのは全く別の方向。
「視線を向けられるな! 物陰に隠れてな!」
そう叫び前へと出るヴィクティムの声を耳にしながら、煌びやかな戦場に金色の髪を揺らして。
シャルロットは日頃から努力し鍛錬を怠らぬ技術を駆使し、目立たぬよう無駄に豪勢で大きな調度品や家具などを逆に利用しすかさず身を隠せば。
『猟兵! ぶっ殺してやる!』
富子がまず狙うは、姿の見えぬシャルロットではなく、眼前のヴィクティム。
「火矢の怨霊か? なら──飛び道具だな」
刹那、全サイバネティックスがハッキングにより限界までその出力を上げて。
放たれし火矢のフィードバックを取り込みながらプログラムを構築修正し、即座にそう判断を下せば。
「俺がいる限り、お前の弾は通らねぇ」
展開し立ち上がるレスポンスは――Create Program『Reflect』。
向上したスキルを駆使し、無機物から変換させた無数の障壁があらゆる飛び道具を反射する壁となって。
「……あぁ、そうそう。さっきのお前の弾だけど、せっかくの好意を無駄にするのも悪ィから―――返すぜ?」
火矢の怨霊をリフレクトさせるヴィクティム。
だが相手は遥か格上、そう簡単に攻撃は通らない。
いや……今は、それでも構わない。
全ての火矢は避けられないが、反射板で己を覆い極力防ぎながらも激しい炎から逃げるように立ち回って。
「……よし」
先程は外部から。そして今度は、建物の構造を内部から解析し終えたヴィクティムが、シャルロットへと視線を向けて合図を送れば。
日頃から先人の知恵を学び、薬や魔術の触媒の調合や実験はお手の物。
ヴィクティムへと正確にパスされたのは、ポイズンボール。
「……ッ!」
投じられたれを蹴飛ばしたヴィクティムは、生じた隙をつかれ、刹那怨念の火矢に貫かれるけれども。
ニッと笑んだ彼の瞳に灯る自信という光は、全く消え失せてはいない。
『なっ、ああムカツク! 小癪な真似を!』
蹴り飛ばされたポイズンボールが地に着弾した刹那、戦場を麻痺毒孕む煙が一面覆って。
ヴィクティムにより脳波ハッキングされたシャルロットへと送信されるのは、解析された建物の構造。
「跳弾箇所は分かるな? では──」
「居場所さえわかれば、煙だろうと遮蔽物だろうと関係ありません」
立ち込める煙で視覚が奪われている中、身を隠している場所から狙いを定めるシャルロット。
そんなシャルロットよりも早く、憎悪の籠った視線を向け爆発を起こす紫炎を放とうとする富子だが。
能力は相手の方が格上でも、グリモアの予知にてもたらされた情報が、猟兵たちにはある。
『くっ! アタシの前に立つんじゃねぇ!』
煙で覆われた中では、シャルロットの姿をその視線で完全に捉えることができない。
勿論、シャルロットからも富子の姿は目では見えないが。
――大丈夫。敵の位置は彼が教えてくれる。
刹那、怒り心頭の富子とは逆に、あくまで冷静にと。
青地に金装飾のコートをバサリと靡かせながら、煙の向こうに在る標的に照準を定めて。
ヴィクティムの反射板も織り交ぜた弾丸の殺界が展開されれば。
「スナイパーの早業をお見せしましょう!」
『な……がはッ!』
素早く狙い澄まされたシャルロットの跳弾射撃が、富子の身体へと叩き込まれたのだった。
成功
🔵🔵🔵🔵🔴🔴
呉羽・伊織
【花守】★遵守
随分御立腹のよーで
こりゃ花も台無しだな
さて、じゃじゃ馬馴らしはアンタの十八番だろ
不甲斐無く蹴散らされてくれるなよ
★共通
地形の利用で戦場の絢爛な品や壁等の陰縫いつつ
合間に残像見せ矛先定め難くなるよう撹乱
清宵と反対に回る
同時や交互にフェイント加え動く
等で注意も散らすよう連携
敵動作や視線観察し情報収集
致命傷だけは避けるよう見切り
■反撃
一瞬でも隙ありゃ、カウンターからの早業で衝撃波を――フェイントに
本命は2回攻撃によるもう一手
衝撃波の影に毒塗布風切投射し目潰しを
まだ尚此方に動く力残ってりゃ、衝撃波と直接攻撃を清宵と不規則に繰出し首を狙いに
安心しなよ、もう金は取らねーさ
代わりに頂くのは――
佳月・清宵
【花守】★遵守
文字通り骨が折れそうなこって
ありゃ最早じゃじゃ馬なんて可愛いもんじゃねぇだろ
てめぇこそ――情けなく振り回されたら笑ってやるから覚悟しとけ
★共通
撹乱で済む程甘くねぇのは百も承知
故にもう一手――爪が輝く間が厄介なら、その間と輝きを奪う迄
其々の眼と血に輝き塗潰し殺す呪詛仕込
痛みは激痛耐性で凌ぎ、見据え血塗れる程に黒く暗く翳るよう呪う
UC使用可能なら即高速移動利用
◆反撃
伊織と呼応し衝撃波で気絶とマヒの2回攻撃を――奴の本命を影に晦まし通すべくフェイントとして放つ
当たれば儲け
外れても最後に笑えりゃそれで良い
更に動けるなら伊織同様に
怒りは鎮めてやれねぇが
――その狂騒ごと、骸の海に沈めてやろう
『金、金、アタシの金……! どいつもコイツも、アタシが殺してやる!』
猟兵たちの攻撃を幾度となく食らい、日野富子の怒りは勢いを増すばかり。
花が咲き乱れる庭園の美しさから「花の御所」と呼ばれた室町殿であったはずが。
眼前に繚乱に咲くは、金に妄執する悪妻の憤怒の華。
「随分御立腹のよーで。こりゃ花も台無しだな」
呉羽・伊織(翳・f03578)は華美な邸宅に似つかわしくない、顔面歪ませ悪態をつく稀代の悪女を見遣ってから。
「さて、じゃじゃ馬馴らしはアンタの十八番だろ」
不甲斐無く蹴散らされてくれるなよ、と。
そう共に戦場へと赴いた佳月・清宵(霞・f14015)へと目を向ける。
そんな視線にも、ふっと瞳を細め不敵に笑み返して。
文字通り骨が折れそうなこって、と清宵は紡いでから。
「ありゃ最早じゃじゃ馬なんて可愛いもんじゃねぇだろ」
てめぇこそ――情けなく振り回されたら笑ってやるから覚悟しとけ、と。
スラリと妖しく閃く刀を抜きながら愉しそうに、烱々たる色を隠した瞳で伊織の姿を捉える。
逆にそんな清宵の様子をちらりと見て返しただけで、ひとつ息を吐く伊織。
だがすぐに、同時にじゃじゃ馬ならぬ憤怒の怨念を撒き散らす大悪妻へと鋭く剣呑のいろを宿した双眸を向けた。
『あああイラつくっ! ぶっ殺す!!』
刹那、ヒステリックな声が響いたと同時に放たれるのは、伸ばされた長い爪の鋭撃。
金にものを言わせ揃えた調度品や壁の陰を縫うように漆黒の髪を靡かせ、闇に紛れる様に立ち回る伊織と清宵。
残像を駆使し矛先定め難くなるよう撹乱する動きで、漆黒の鴉と相手を拐かす狐は左右反対に飛んで。
同時に、そして次は交互にと富子の意表をつくような動きを加え、注意を散らさんとするが。
敵は遥か格上……全てを躱すことは到底難しく、その足を止めんと、妖しく光る爪が容赦なく襲い掛かる。
けれども、撹乱で済む程甘くないというのは百も承知のこと。
致命傷だけは避けるよう爪の軌道や富子の視線を読み、傷を負うも倒れず地を蹴る伊織。
清宵も代償を負う事など厭わず、妖刀の怨念を纏い高速移動しながらも。
さらにもう一手――襲い来るその爪の輝きを奪うべく呪詛を仕込む。
それは、血塗れる程に黒く暗く翳るよう……其々の眼と血に輝き塗潰し怨敵を呪い殺す。
『この猟兵風情が……クソがァ!』
光を失った爪に瞳を見開き、ほんの一瞬だけ生じた富子の隙。
けれど、それを見逃すわけはない。
「安心しなよ、もう金は取らねーさ。代わりに頂くのは――」
「怒りは鎮めてやれねぇが――その狂騒ごと、骸の海に沈めてやろう」
音もなく素早く地を蹴った伊織が爪の攻撃を逆手に取り、衝撃波を繰り出すと同時に。
その動きに呼応し、気絶とマヒを与える衝撃を絶妙のタイミングで放つ清宵。
『はっ、この程度の攻撃がアタシに通じるとでも?』
ぶっ殺してやる、そう富子が二人の攻撃を躱した瞬間。
『……ッ!』
二人から放たれた衝撃波は、陽動。
その影に潜ませ暗躍し飛ぶは、毒孕みし闇に染む暗器。
――当たれば儲け、最後に笑えりゃそれで良い。
光を取り戻した富子の爪が刹那、鴉の羽を捥ぎ、狐の身を貫くも。
『クソ! ……ぐぅっ!』
捷巧に脈所を突かんと伊織の手から投じられていた刃が風を切り、過ぎるじゃじゃ馬の片目を潰したのだった。
成功
🔵🔵🔵🔵🔴🔴
アヤネ・ラグランジェ
「金を取り戻してやろうか?徳川も信長も潰すのを手伝うよ」
本心だ
金も徳川も信長も興味はない
日野富子に特別な感情もない
これで苛立ちがこちらに向かわなければ成功だ
いくつか飛んできたらUC発動
触手で防ぐ
ダメージは激痛耐性で耐える
でも心のどこかにチクリと罪悪感を感じた
冷え切った今までの僕に一条の光と温かさを与えてくれた人がいる
だから
「ああ、でも」
猟兵も、って言ってたっけ
あの子に手を出すなら話は別だネ
Silver Bulletをケースからとりだし数秒で組み立てる
攻撃ばかりに偏って守りが疎かになっている頭にぶち込んでやるよ
『金、金、アタシの金……!』
眼前に在るのは、金に妄執し、金を取られた憤怒を撒き散らしている女。
その苛立ちからくる怨嗟の炎を隠しもしない日野富子に。
アヤネ・ラグランジェ(颱風・f00432)は、こう声を掛けるべく口を開く。
「金を取り戻してやろうか? 徳川も信長も潰すのを手伝うよ」
それは口から出まかせなわけでは決してない、アヤネの本心からくる言の葉。
金も徳川も信長も興味はなく、日野富子に特別な感情もない。
けれど……そう持ち掛けるよりも早く。
『誰かアイツをぶっ殺せよ!』
富子はアヤネへと、苛立ちの感情のまま、召喚した火矢の怨霊を放っていた。
『第六天魔軍将』のひとりということだけあり、富子の能力は猟兵たちよりも遥か格上。
予知されていたように、誰よりも早く、ことを起こせるのは富子であるのだ。
……それに。
『金を取り戻すだって? アタシから散々金を奪っておいて、さらに盾ついてきているのは、猟兵だろ!』
いくらそれが本心から出る言葉であったとしても。
金を奪い富子の激怒の理由を作った猟兵の言葉を、富子が簡単に信じて苛立ちをおさめるとは思えない。
逆に調子の良いことを言ってまた金を奪おうとしているのではないかとさえ、思われているようだ。
「……!」
けれど苛立ちこそ消せず、火矢の怨霊が容赦なく襲い掛かってくるも。
アヤネとて迫る攻撃に無策というわけではない。
――UDC形式名称【ウロボロス】術式起動。かの者の自由を奪え。
刹那、己の影から複数の蛇に似た異界の触手を放ち、火矢の怨霊を防ぎながらも。
ふとアヤネは、心のどこかにチクリと感じた罪悪感に気付く。
そして脳裏に浮かぶのは、冷え切った今までの自分に一条の光と温かさを与えてくれた人の存在。
……だから。
「ああ、でも」
憤怒を撒き散らす目の前の富子は言っていた。徳川も信長も……猟兵も殺す、と。
――あの子に手を出すなら話は別だネ。
アヤネはSilver Bulletを瞬時に組み立て、守りが疎かになっている富子の頭に弾丸をぶち込んでやろうと、そう思うけれど。
眼前の敵は、普段相手にしているオブリビオンとは比べ物にならないほどの強大な力を持っていて。
そして、必ず先手を取られるとそう予知されるほどの力の差が、猟兵とはあるのだ。
まず確りと考えるべきだったのは、どうしても先に繰り出されてしまう、敵の強烈な攻撃への具体的な対策。
異界の触手が動きを奪える火矢の怨霊の衝撃は、真向からただ防ぐというだけでは、能力差をみれば手数も力も負けてしまうのは明らか。
「……くっ」
触手で防ぎきれなくなってきた火矢の攻撃も、持ち前の激痛耐性で暫くの間、持ち耐えることはできたものの。
苛立ちを消すことが叶わず、そして激痛耐性の技能のみの対策では、倒れるまでの時間を長く稼ぐというものでしかなく。
その身を火矢で射抜かれながらも、Silver Bulletの引き金を咄嗟に引いたアヤネであったが。
的確に打ち出された弾丸も、富子に容易く叩き落されて。
「……!」
富子の金への執念の如くしつこく追従してくる火矢の怨念が、アヤネの急所を射貫いたのだった。
苦戦
🔵🔴🔴
ヴォルフガング・ディーツェ
いやあ、良いキャラしてるねえ富子!その清々しいまでの強欲、自分を中心に世界を回さんとする傲慢さ、実にオレ好みだよ!
UC【魔狼傀儡】を発動
これは自分の部位を化け物に変える業……ならキミにはない部位を変化させれば良いだけさ
尻尾を魔獣に変えて抉り込むとしよう
相手の視線や爪を躱す為、グラップルでの組み付きやフェイントを交え立ち位置を頻繁に変えつつ死角から攻撃を加えていこう
他にもガジェットを爪型にシフトし、雷属性を上乗せした斬撃の乱舞を見舞おう
火矢の怨霊は武器で叩き伏せる、或いはハッキングで強制的に存在情報を消去出来ないかも試行
相手が強い事は分かっている、油断や深追いはせず確実にダメージを与えていこう
戦場となる花の御所の華やかさとは逆に。
日野富子が纏い撒き散らす怨念は、禍々しき強欲と憤怒の色。
『どいつもこいつも、アタシに逆らいやがって! 金を持ってるアタシに黙ってヘイコラ従えよ!』
「いやあ、良いキャラしてるねえ富子!」
……その清々しいまでの強欲、自分を中心に世界を回さんとする傲慢さ、実にオレ好みだよ!
桜のグリモアに導かれ豪華絢爛な花の戦場へと降り立ったヴォルフガング・ディーツェ(花葬ラメント・f09192)は、金への執着や他者への憤怒を隠そうともしない富子の、ある意味潔い姿に、そう赤の瞳を細めて。
『アタシの前に立つんじゃねぇ!』
そんなヴォルフガングへと、憎悪漲る視線を向けんとする富子。
ヴォルフガングはそれを躱すべく、日々磨き上げているグラップルの組み付きやフェイントの技能を駆使し交え、立ち回りながらも。
――我が身を一時捧げよう、終幕に向けて、ね。
刹那発動するは『魔狼傀儡』――己の部位を化け物に変える業。
呪詛で尻尾を変貌させ、魔獣のものへと変えて。富子の死角から攻撃へと転じる、その機会を窺う。
けれど、相手はかなりの格上。
その上、向けられる視線を何度も躱し続けることは難しいが。
(「相手が強い事は分かっている、油断や深追いはせず確実にダメージを与えていこう」)
それは勿論、戦場に赴く時から承知の上だ。
そして、今度こそその憎悪の視線でヴォルフガングの姿を捉え、紫の炎で爆破し燃やしてしまわんと。
富子は、立ち位置を頻繁に変え戦場を駆けるヴォルフガングへと、再び憎悪の視線を向ける。
けれど富子の視線が命中したのはヴォルフガングにではなく――雷を纏った爪型のガジェット。
斬撃の乱舞を見舞わんと成されたガジェットが富子の憎悪の視線を浴び、攻撃を仕掛けるその前に、紫の炎に包まれるけれど。
一瞬の機を逃さず、死角から颯爽と飛び出したヴォルフガングが振るうのは、魔獣と化した尻尾による超高速かつ大威力の一撃。
その魔狼の尻尾の強烈な打撃が叩き込まれ、その身に抉り込まれれば。
『! ……クソッ!』
富子の強欲な怨念の色に染まった憤怒の表情が、さらに大きく歪んだのだった。
成功
🔵🔵🔴
キトリ・フローエ
禍々しい炎…よっぽどの恨みを抱いてオブリビオンになったのでしょうね
この場合は…化けて出たとでも言うべきかしら?
いずれにせよ、あなたの居場所はここにはないわ
さっさと在るべき場所へ還りなさい!
火矢の怨霊達は惹きつけるように空を翔んで
そのまま日野富子の元へ翔んでいくわ
攻撃は痛いけれど、第六感で躱し、オーラ防御で可能な限り凌いで
一気に日野富子の懐へ、近づくことが叶ったなら
高速詠唱で編み上げるのは全力魔法のエレメンタル・ファンタジア
属性は氷・天気は雷。
氷の雷を範囲攻撃で広範囲に降らして、怨霊共々攻撃するわ!
過去は過去、そして、それは決して覆らない。
…それは、あなたが一番良くわかっているんじゃないかしら?
戦場となる花の御所は、煌びやかな装飾が施された華やかな見目だけれど。
この豪華絢爛な邸宅は金の亡者である日野富子が、有り余る私財を投入して作ったという所謂妄執の賜物。
そして、女の執念や怨念というのものは恐ろしいとはいうが。
『ああムカツク! 金、金、アタシの金……!』
「禍々しい炎……よっぽどの恨みを抱いてオブリビオンになったのでしょうね」
この場合は……化けて出たとでも言うべきかしら? と。
悍ましいくらいに燃え上がる、強欲と憤怒の醜い炎纏う富子に、キトリ・フローエ(星導・f02354)はアイオライトの瞳を向けて。
「いずれにせよ、あなたの居場所はここにはないわ。さっさと在るべき場所へ還りなさい!」
強い意志の色を宿した声で、はっきりと富子へとそう告げる。
そんなキトリの言葉に、富子はさらに苛立ちを募らせて。
『誰かアイツをぶっ殺せよ!』
ヒステリックに叫び、応仁の乱で飛び交った火矢の怨霊を喚んで、キトリへ向けて放つ。
そんな容赦なく迫りくる火矢の怨霊達を惹きつけるように。
銀白色の髪を靡かせ、瞳と同じ菫青の色合いが美しい翅を羽ばたかせたキトリは、空高く舞う。
そして追従してくる火矢の軌道を研ぎ澄ました第六感で躱し、纏うオーラで防ぎながら、富子へ向かって真っ直ぐに飛ぶけれど。
「……!」
格上の相手が放つ攻撃全てを避けることは、勿論叶わない。
その身に受けた火矢の炎がじりじりとその身を燃やし、全身が痛いけれど。
キトリは富子の元へと飛ぶことを決して止めない。
けれど、しつこく追従してくる火矢が、その美しい翅を射抜いて。
「! ……っ」
その衝撃に耐えきれず、地へと落とされてしまうキトリ。
そしてさらに勢い良く燃え盛り迫る、火矢の怨霊。
でも……アイオライトの瞳に煌めく星は、まだその輝きを失ってはいない。
残る力を振り絞りキトリが飛び込んだのは、敵の懐。
「過去は過去、そして、それは決して覆らない」
……それは、あなたが一番良くわかっているんじゃないかしら?
そう紡いだ刹那、高速詠唱で編み上げられるのは全力魔法で生み出した氷と雷。
至近距離から繰り出された氷の雷が富子へと降り注ぎ、火矢の怨霊たちをも巻き込んで荒ぶって。
『チッ!!』
憤怒の炎を撒き散らす富子の身へと、見舞われたのだった。
成功
🔵🔵🔴
黒玻璃・ミコ
※美少女形態
◆行動
花の御所が金ぴかですねー
視覚的に惑わされ易いとも言えますが
【第六感】で先制攻撃の気配を感じたら
【気合い】を入れ防御体勢を整えるのと同時に
『徳政令』と書かれたキラキラした紙を【念動力】で
富子の眼前にばら撒き視界を奪いましょう
その隙に【空中戦】の応用で天井に飛び付き
【毒使い】で誘眠効果のある毒を撒きましょう
あまりにも視界と感情に依存し過ぎている、それが弱点です
以上を以て【黒竜の邪智】の証明としましょう
何かを為す為にお金を追い求めた当時の貴女はむしろ革新的だったと思います
でも何も為せない今の貴方は否定しましょう
他でもない貴方自身の為に
◆補足
他の猟兵さんとの連携、アドリブOK
『クソ! 猟兵、ぶっ殺す!!』
これまで猟兵たちの攻撃を浴び、さらに寿命が減る代償の技を使い続けてきた富子の身体は限界が近づいていた。
けれど、日野富子は上体を揺らしながらも、金を取られさらに楯突いてくる猟兵への憤怒はさらに増すばかり。
だが醜い怨念のオーラを纏う禍々しい富子とは逆に、戦場は有り余る金で建てられた豪華絢爛な建物。
「花の御所が金ぴかですねー」
視覚的に惑わされ易いとも言えますが、と、ぐるり華美な装飾の御所を見回すのは黒玻璃・ミコ(屠竜の魔女・f00148)。
戦場に降り立った彼女の今の見目は、ポニーテールの髪を靡かせた美少女形態。
『アタシの前に立つんじゃねぇ!』
そう叫ぶ富子の声が響く前に第六感で憎悪の籠った視線を向けられる気配を感じて。
俊敏さはあまりないが頑丈だという美少女形態の上にさらに気合いを入れ、防御体勢を整えるのと同時に。
大きく地を蹴り空中戦の応用で天井に飛び付きながらも、念動力でばら撒くはキラキラした紙に『徳政令』と書かれた紙。
富子の憎悪の視線を、一度は天井へと張り付いて避けたミコ。
そしてそんなミコを燃やさんと再度視線を向けた富子の目に移る、『徳政令』の文字。
「は、徳政令だと! いくら徳政令多発したってな、アタシにかかれば逆手に取って大儲けなんだよ!」
現に『徳政令』を出されては困っていた富子だが、そこは守銭奴、色々と逆手に取って逆に金儲けしたといわれている強欲さだ。
だが作戦的に功を奏し、今度はミコのかわりに『徳政令』と書かれた紙が、憎悪の視線の対象となり紫色の炎に包まれる。
けれど、今度こそミコの番だと――富子が憎悪の視線を、天井のミコへと向けんとした瞬間。
――いあいあはすたあ……拘束制御術式解放。黒き混沌より目覚めなさい、第伍の竜よ!
そう紡がれた刹那、発動するは『黒竜の邪智』。
それからミコは、はっきりとこう告げる。
「あまりにも視界と感情に依存し過ぎている、それが弱点です」
……以上を以て『黒竜の邪智』の証明としましょう、と。
瞬間、戦場に出現したのは、屠竜の魔女に屠られた無数の竜の残骸。
『……!』
富子のユーベルコードの弱点を確りと指摘したミコの言の葉で、『黒竜の邪智』の効果が発揮されて。
180秒の間、富子のユーベルコードを封じることに成功したのだった。
富子が憎悪の視線をミコに向けるも、爆破を伴う紫の炎は180秒間は現れない。
『クソッ!』
刹那、戦場に満ちるのは、手練れの毒使いであるミコの撒いた毒。
そして、その強烈な毒をモロに浴びて大きく揺らぎ、ついに崩れ落ちる富子へと、ミコは紡ぐ。
「何かを為す為にお金を追い求めた当時の貴女はむしろ革新的だったと思います。でも何も為せない今の貴方は否定しましょう」
他でもない貴方自身の為に――と。
成功
🔵🔵🔴