エンパイアウォー⑳~絢爛なる戦場
●絢爛なる妄執
「クソッ……!クソッ!クソッ!!アタシの金をよくも……!」
京都、花の御所。元々は足利将軍家の邸宅だった場所で、その女性は呪詛の言葉を吐き続けていた。
集めた金が、猟兵と徳川によって奪われている。元々は全て自分のものだったのに。我が物顔で自分の金を横取りなど、許されるはずがない。
あらゆるものを豪華に、麗美に彩った花の御所は、その女性から漏れ出す悪意とは裏腹に大変似つかわしくない光景だった。
「アタシの居場所が知れた……?いい度胸だ!アタシの邪魔をした罰、しっかりと受けてもらうぞ!猟兵共ッ!!」
ゆらり、と立ち上がった日野富子の周囲に、怨霊が凝縮、拡散する。
金を求める妄執は人の在り方そのものを歪ませるというが、目の前の女性は……否、目の前のオブリビオンは、その妄執によってあり得ないくらいに歪んでいた。
●大悪災を撃破せよ
「こういう手合は、あんまり関わりたくないよなぁ……」
青年姿のアイン・セラフィナイト(精霊の愛し子・f15171)が、やれやれと首に手を当てる。
「皆のお陰で魔軍将の一人、大悪災、日野富子の居場所が分かった。場所は花の御所、京都だな。……とは言っても、普通の花の御所と違って日野富子の資金で金ピカ、豪華絢爛に建て替えられてるみたいだぞ」
花の御所は形を変え、あり得ないほどに装飾された場違いな空間と化していた。ぽりぽりと頬を掻くアインは言葉を続ける。
「他の魔軍将同様に、日野富子は先制攻撃をしてくる。なんの対策もなしにユーベルコードを使えば、即反撃されてアウトだ。そこは……皆もよく分かってるよな」
さて、とアインは杖を掲げた。
「信長の配下、って思ったんだが……なんだか自分の邪魔になるもの全てに悪意を向けてるみたいだな……っと悪い、皆、よろしく頼む!」
転移先は豪華絢爛の花の御所、日野富子が待ち構える屋敷の中だ。
夕陽
正直、怖い。
OPをご覧頂きありがとうございます、初めましての方は初めまして、すでにお会いしている方はこんにちはこんばんは、夕陽です。
このシナリオは、「戦争シナリオ」です。
1フラグメントで完結し、「エンパイアウォー」の戦況に影響を及ぼす、特殊なシナリオとなります。
大悪災『日野富子』は、先制攻撃を行います。
これは、『猟兵が使うユーベルコードと同じ能力(POW・SPD・WIZ)のユーベルコード』による攻撃となります。
彼女を攻撃する為には、この先制攻撃を『どうやって防いで、反撃に繋げるか』の作戦や行動が重要となります。
対抗策を用意せず、自分の攻撃だけを行おうとした場合は、先制攻撃で撃破され、敵にダメージを与える事はできないでしょう。
対抗策を用意した場合も、それが不十分であれば、苦戦や失敗となる危険性があるので注意してください。
今回からくり屋敷等のギミックはありません。
それでは、皆様のプレイングお待ちしております。
第1章 ボス戦
『大悪災『日野富子』』
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POW : アタシの前に立つんじゃねぇ!
【憎悪の籠った視線】が命中した対象を燃やす。放たれた【爆発する紫の】炎は、延焼分も含め自身が任意に消去可能。
SPD : アタシのジャマをするな!
自身の【爪】が輝く間、【長く伸びる強固な爪】の攻撃回数が9倍になる。ただし、味方を1回も攻撃しないと寿命が減る。
WIZ : 誰かアイツをぶっ殺せよ!
自身が【苛立ち】を感じると、レベル×1体の【応仁の乱で飛び交った火矢の怨霊】が召喚される。応仁の乱で飛び交った火矢の怨霊は苛立ちを与えた対象を追跡し、攻撃する。
イラスト:みそじ
👑11
🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔴🔴🔴🔴🔴🔴🔴🔴🔴🔴
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種別『ボス戦』のルール
記載された敵が「1体」出現します。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。
| 大成功 | 🔵🔵🔵 |
| 成功 | 🔵🔵🔴 |
| 苦戦 | 🔵🔴🔴 |
| 失敗 | 🔴🔴🔴 |
| 大失敗 | [評価なし] |
👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。
※このボスの宿敵主は
「💠山田・二十五郎」です。ボスは殺してもシナリオ終了後に蘇る可能性がありますが、宿敵主がボス戦に参加したかつシナリオが成功すると、とどめを刺す事ができます。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。
神羅・アマミ
「お邪魔しまーす!!」
とかなんとか第一声と共に御所の壁をコード『板付』にてブチ破りながら派手に登場じゃ。
奴さん、きらびやかな現物には余程ご執心と見える故、地形破壊効果による衝撃波や岩柱で攻撃を防ぎつつ、金ピカ御所を尽く潰して回ってやることによって感情を逆撫でしてやろうという算段じゃ。
まずは防御という名目で破壊の限りを尽くしてやろう。
彼奴の募らせた憎悪と苛立ちによって周囲全てが炎に巻き込まれた時こそが本番ともなろうが、妾の取る戦法に変わりはない。
衝撃波と岩柱は鎮火の効果も織り込み済みじゃ。
怒りの炎で妾が焼き尽くされるか、それとも奴の目を曇らせることができるか。
そこは出たとこ勝負じゃな!
●鉄拳
「ほほう、ここが花の御所か。悪趣味じゃのぅ……」
花の御所に転移した神羅・アマミ(凡テ一太刀ニテ征ク・f00889)は、周囲の状況に呆れ返った。
壁は金、柱も金、床に敷かれているのは南蛮の交易によって買収した美麗な絨毯が敷かれている。明らかに花の御所、という場所そのものの在り方を塗り替えていた。
「金、金、金なんて言っておる輩は本当に何を考えておるか分からんからの……」
さてと、とアマミが肩をぶんぶん振り回す。
戦法は至って単純。屋敷を尽く破壊すること。金の亡者かつこれだけ豪華絢爛な屋敷を破壊されれば、日野富子は怒り狂う。その怒りによって自滅をさせる、という考えだった。
考えだったのだが。
「―――クソガキ、アタシの屋敷でなにしてる?」
ビクゥ!とアマミの肩が跳ね上がる。後ろを振り返ってみれば、すごい形相でこちらを見下ろす日野富子の姿。
「は、はは……いやー妾はただの迷子じゃよ?すっごい綺麗な屋敷があるなーと思って見学しておるただの一般人じゃ」
「嘘も大概にしろクソ猟兵ッッ!!」
「ちょっ……ぬおおおおおっ!!!」
日野富子、怒りの紫大火炎。とっさに回避したアマミだったがぎらり、と富子の視線がこちらを射抜く。
「逃さねえぞ、猟兵ッ!!!」
「やめ………やめえええええええ!?」
……繰り広げられたのは屋敷内の戦闘ではなく、日野富子との鬼ごっこだった。
失敗
🔴🔴🔴
ガイ・レックウ
【SPD)で判定
『悪鬼のごときその妄念…たたっ斬るぜ!!」
ユーベルコード【竜騎召喚術『ドラグライド』】を起動し、相手のユーベルコードの攻撃回数が増えるのなら【オーラ防御】によるオーラを【騎乗】する竜にも纏わせ、妖刀とドラゴンランスによる【武器受け】と【戦闘知識】による【見切り】でダメージを最小限にはするが、傷を気にせずに突進する肉を切らせて骨を断つ戦法で行くぜ!!
距離さえ詰めれれば【怪力】での【なぎ払い】と【鎧砕き】、【串刺し】を叩き込んでやるぜ!!
●その妄念を穿く
「ちぃっ……!どこ行きやがったあのクソガキッ!」
アマミを見失った日野富子が、屋敷外の庭園を見渡した。そこかしこに存在する灯籠も金に塗られており、外の光景でさえもその輝きに目が痛くなりそうだ。
「日野富子…悪鬼のごときその妄念…たたっ斬るぜ!!」
はっ、と日野富子がその先を見つめた。現れた猟兵は黒き双角を持つ竜に騎乗し、こちらを睨んでいる。ガイ・レックウ(相克の戦士・f01997)の姿に、ちぃ、と日野富子が舌打ちする。
「次から次へと……いいだろう!!アタシを邪魔した罰、受けてみろッ!!」
ざっ、と両腕を広げた日野富子の爪は、ありえないぐらいに伸びていた。ぎらり、と輝く爪は、明らかに業物の刀と同等、それ以上の切れ味を誇ることが伺える。
(ダメージは最小限にはするが……)
ドラゴンランスと妖刀を構え、身構える日野富子へと視線を送る。攻撃全てを受けきれるとは思っていない。たとえ、傷を負おうとも、一撃は入れてやる、と。
ざっ、と大地を蹴る音が聞こえた。
「―――!!!」
疾い。ユーベルコードによって強化された日野富子は、十二単に似た着物を着ているにもかかわらず、あり得ない程の速さでガイに肉薄してきた。
「死ねッ!!!」
「ぐっ…ぬ…ッ!」
急所への攻撃をなんとかガードできたのは、ガイの豊富な戦闘知識の賜物だろう。
竜とガイ、どちらも四方八方から襲いかかる爪によって裂傷を負い続けている。
ガイが、吼えた。
「う、おおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおッッッ!!!!!」
「―――!!クソッ!!!」
襲い来る長爪の攻撃を薙ぐように、渾身の一撃を持ってドラゴンランスを振り払った。
渾身の一撃は日野富子を後退させる、そして。
「あ、アタシの……アタシの着物がッッッ!!!」
ランスの先によって裂かれたのか、二の腕の布が裂け、血のシミが広がっていく。
「クソッ……クソックソックソッ……クソがああああああああああああッッ!!」
ガイが負っている傷もまた深い。肩で息をしながら、ガイは次の者に場を譲るのだった。
苦戦
🔵🔴🔴
レパル・リオン
ぶん殴りに来たわよ、金持ち怪人トミコ!
爪が輝くと9倍の攻撃…って事は、爪が輝いていないなら普通の攻撃になるわね!
予めあたしの体に闇属性を宿しておくわ
怪人の腕の動きを見切り、野生の勘で先読みして、ダッシュとジャンプで動き回り、オーラ防御で逸らす…!
それでも9倍の爪攻撃はきっと躱しきれない…痛みを覚悟して、激痛耐性で耐えるしかないっ!
ダメージを受けた時!あたしが纏う闇が、切り裂かれた衣服が、飛び散る血が、アンタの爪にまとわりつき、汚して輝きを奪い取るわ!
その隙を狙わせてもらうわ!
顔面にぶち込むっ!【竜咆拳】っ!
●絢爛に影を
「ああムカツク……ムカツクムカツクムカツクムカツク!!!」
袖の切れた着物に手を当てながら、屋敷内へと戻った日野富子は、自分の着物を切り裂いた猟兵を思い出してブツブツと同じことを繰り返す。
傷は浅い。だが、それよりも自分の金で買った着物が汚されたことへの憎悪が、彼女の力をより高めていた。
「ぶん殴りに来たわよ、金持ち怪人トミコ!!」
屋敷の廊下先から声がした。ギロリ、と憎しみの籠もった目をそちらへ向ける。
レパル・リオン(魔法猟兵イェーガー・レパル・f15574)が腰に手を当て、目の前のオブリビオンを指差す。堂々とした所作、悪を絶対に許さないという覚悟が現れた、忌々しい目。
「……猟兵、猟兵猟兵猟兵うっとうしいッッッ!!!」
それは神速の突撃だった。富子は伸ばした爪をギラリと瞬かせ、超速の攻撃を繰り出す。
「やっぱり……速いわね……!!」
レパルの動体視力と野生の勘によって、危機的な攻撃を掻い潜る。だが、そのスピードに対応できるほど、肉体の信号伝達は早くはない。
ザクリ、と腕の先が切り裂かれる。
「アハハハハ!!ざまぁないわね!私の攻撃……を」
富子の表情が曇る。それは、自分の動きが急激に減退したことを認知したからだ。なぜだ、と両爪を見て、
「―――!!」
驚愕に目を見開く。爪がレパルの血液と、何か黒いオーラのようなもので濁っている……!
「そのユーベルコード、爪が輝いてないと使えないのよね?」
「な、に……!?」
にやり、と得意気に微笑んだレパルはすでに反撃の体勢へ移行している。ぐっ、と拳を引き、腰を垂直にさせた武道の一つの型。回避を試みようとした富子に、それは襲い来る。
「その隙を狙わせてもらうわ!!竜砲拳ッッッ!!!!」
拳は、螺旋の衝撃を伴って撃ち放たれる。肩から肘、そして拳へと流れた螺旋の衝撃は、富子の顔面へと吸い込まれ。
廊下を駆け抜けるような勢いで数十メートルふっ飛ばされたのだった。
大成功
🔵🔵🔵
メイスン・ドットハック
【WIZ】
応仁の乱で飛び交った火矢の怨霊対策として、電脳魔術で自身の複製ホログラムを複数作成
【ハッキング】【暗号作成】でプログラム化して自動動作するように仕込み、狙いを分散させる
自身は【第六感】【視力】【情報収集】を駆使して軌道を読み、電脳魔術による爆弾で相殺することを狙う
先制攻撃を凌いだら、UC「昨日の強敵は今日の親友」でディアブロの電脳シュミレート霊子体を召喚
10秒後の未来を予知し、怨霊の大群の隙間を通し、日野富子に届くレーザーを発射
さらにその軌道を電脳【ハッキング】でトレースし、渾身のミサイル【誘導弾】を【一斉発射】叩き込む
アドリブ絡みOK
七草・華癒
いい呪詛だ、ある意味今のボク以上に暴言の化身してるかも。
でも首塚の呪詛程の楽しみさはないね。ここでご退場願お。
対策は少し心もとないけど、
まず技能オーラ防御と破魔の力で怨霊をガードするよ。
装備の守言符で早めにバリアも張るようにするし、
呪詛耐性で気圧されないようにもしたいね。
ただこれだけだと防戦一方だし今のボクの技量では危うい。
から出来るだけ早くUCを発動、
といっても相手ではなく地面に符を叩きつける。
そうして出した怨霊の手で相手の足を止めて、
かつ自分の戦闘力を向上、怨霊に僕を敵に向けて投げつけてもらい突っ込む。
突っ込む間は杖の水鏡麗禍を回転させて火矢を弾きたい。
近づければ真言の符を叩きつけるよ。
●憎悪を断て
「く……そ!!クソクソクソクソクソ!!猟兵共め……!猟兵共め!!」
ふらり、と立ち上がった日野富子は、憎悪をより一層深くしてその目を濁らせる。
「見てるだけで嫌になるのう。金に溺れるとこんなに醜くなるものか」
はぁ、とため息の声。
メイスン・ドットハック(ウィザード級ハッカー(引き籠り)・f03092)が、メガネをくぃ、と持ち上げる。妄執を原動力にして生きる様はあまりにも醜く、そして美しくない。
「いい呪詛だとは思うよ?ある意味、今のボク以上に暴言の化身としてるかも。でも首塚の呪詛程の楽しみさはないね。ここでご退場願お」
そして、その傍らに立つ七草・華癒(いまはおさなきのろいのことば・f19055)が、目の前の妄執の具現を言葉で一刀両断した。
「黙れ……黙れ黙れ黙れッ!!アタシの金を返せッ!!」
ばっ、と両手を広げる。後方から立ち昇った呪詛の奔流が、火矢の怨霊となって撃ち放たれた。拡散する火矢は、彼女に苛立ちを与えた猟兵2人を追跡し襲い来る。
「その攻撃は対策済み。これでどうかの」
メイスンの全面に展開するのは、作成しておいた自身の複製ホログラムを生成する。苛立ちを与えた者は、『メイスン・ドットハック』である。姿が同一となれば、富子の苛立ちの対象は必然的に拡散する。
飛び交う火矢の怨霊を既の所で回避し、電脳魔術による爆裂が怨霊の攻撃を防ぎ切る……!
「ボクの対策は少し心もとないけど、これでどうかな……っ!」
華癒の周囲に呪詛のオーラが展開する。メイスンによって対象が拡散されたため、襲い来る火矢の数は少量だ。自身の攻撃を受けきった猟兵2人に、忌々しそうに憎悪の視線を向ける富子。
「さて……ではディアブロ君、やってくれのー」
『了解した、マスター』
メイスンの横に立ったのは、かつてのスターシップワールドの銀河皇帝の幹部である白騎士ディアブロだった。しかし、本物ではなく、電脳の模倣体のようだが。
「ちぃ……ッ!それなら、もう一度火矢の怨霊たちを……ッッ!!」
再び火矢が襲い来る。しかし、ディアブロが現れた時点でその攻撃は無意味に等しかった。
「無駄じゃよ。ディアブロの未来視はすでに観測済みじゃ」
飛び交う怨霊が、“まるでメイスンを避けるかのように”通過する。
「!!?」
「さあ、終いじゃ」
ディアブロがレーザーを撃ち放とうと銃を構える。危険を察知し、退避しようとした富子だが。
「な、なんだよこれッ!?」
足が、亡霊の腕によって拘束されていた。はっ、と顔をあげてみれば、こちらへと飛ぶように近づいてくる人影。
「その呪詛は、ちゃんと奪わないとね」
突きつけられた符によって体を痙攣させ。
その後に襲いかかったディアブロのレーザーが、日野富子の体を灼いたのだった。
成功
🔵🔵🔵🔵🔴🔴
燈夜・偽葉
なんという金の亡者でしょう…
でも関係ありません
斬り捨ててあげます
視線は、第六感を頼りに、また残像のフェイントを囮に回避
大太刀を顔目掛けてスナイパーで投擲
一瞬の時間稼ぎの内に早業、カウンターでUCを発動
視線から逃げるように動き回りつつ
屋敷の中というのなら、襖の裏を移動するなどの地形の利用
その間に刀を目立たないように配置しておき
一気に距離を詰めて太刀で斬りかかります
…と見せかけて、本命はこっち
配置しておいた刀を念動力で操作して騙し討ち・暗殺
お金に溺れた末路、ですねぇ
●妄心を斬れ
「金……!アタシの金……!お前ら猟兵なんかに……ッ!!」
身を灼かれながらも、富子は再び立ち上がる。揺らぐ体を怨霊の炎で支えながら、次に現れた人影を睨みつけた。
「なんという金の亡者でしょう……でも関係ありません」
すらり、と腰にさげた太刀を抜いたのは、燈夜・偽葉(黄昏は偽らない・f01006)だ。全ての金は自分のものだ、とでもいうように、憎悪と妄執の眼を宿す富子に、偽葉は哀れみを含んだ視線を送る。
「黙れッ!!消え去れえええええええッ!」
呪詛の籠もった視線が、偽葉を射抜く。それを回避するように、偽葉は屋敷の一部屋へと逃げ込んだ。ぎりっ、と奥歯を噛み締めた富子が、偽葉を追うべく駆け出す。
「逃がすか……ッ!!」
障子から覗いた偽葉の影。その視線が命中した障子そのものが紫の炎によって焼却される。紫炎に照らし出される屋敷の陰、そこから飛び出すように偽葉が富子へと接近する。
「無駄だッ!アタシの前に立つんじゃねぇ!!!」
飛び出した偽葉に、紫の炎が纏わりついて、刹那爆ぜた。炎に侵される体、そして爆発によって体が後方へと飛ばされる。
「アハハハハ!!アタシを甘く見るなよ!小娘ッ!!」
「くっ!!!いいえ、まだ私の攻撃は―――!」
偽葉の両目が輝いた。念動力によって、周囲の空気が軋み、そして。
「!!!この小娘ッ!!」
富子の後ろから飛び出したのは、部屋の陰に置かれていた太刀だった。火炎に侵される痛みに念動力が狂ったのか、富子の腕を微かに斬りつけるだけだったが、紫の炎はその攻撃によって霧散する。
「クソッ!!!クソクソクソクソクソ……!!!」
片腕に刻まれた傷を庇いながら、炎によって灼かれた猟兵が転移によって退避したのを、富子は恨めしく見つめていた。
苦戦
🔵🔴🔴
御劔・姫子
都は御劔の…そして宮様のおわすところや。それやのに、また応仁の乱みたいにするやなんて…絶対に許せへんっ!
「御劔家第三十二代当主、御劔姫子。都に仇なす悪鬼を斬るため…参上っ!」
見たものを燃やす力…近づかな戦えへんうちには厄介な相手やけど…【覚悟】を決めて、【ダッシュ】っ!
(その時、<狐のお守り>が光り【火炎耐性】の力を発揮する)
お守りが…守ってくれてる?
でも、いつまで持つかは分からへん。それやったら…いち早く決めなあかん!
まずは太刀で【目潰し】【部位破壊】…つまりは目を狙っての一閃やっ!
更に【2回攻撃】…密着しての【捨て身の一撃】、【奇手・虚空徹】っ!
「都は…うちが守ってみせるっ!」
※アドリブ可
●悪鬼を斬れ
「都は御劔の…そして宮様のおわすところや。それやのに、また応仁の乱みたいにするやなんて…絶対に許せへんっ!」
肩で息をする富子は、次いで現れた猟兵に視線を送る。そして、ハッ、と鼻で笑った。
「……宮様だって?バカ言ってんじゃねぇ!金を持ってるアタシが正義だッ!権力なんて金で買えんだよ小娘!!」
金が全てだと。金が人の地位を左右すると。絢爛なる屋敷で、富子はにたり、と御劔・姫子(はんなり剣客乙女・f06748)に嗤った。
言葉で説得することも、ましてや敵の思考、在り方を変えることなど不可能。ならば。
剛刀『巌太刀』を抜き放った姫子は、一度目を瞑り。
「御劔家第三十二代当主、御劔姫子。都に仇なす悪鬼を斬るため……参る!!」
駆け出す。それは、富子の魔の視線をも恐れぬ突撃。
「血迷ったか!!何度も言わせるな……アタシの前に立つんじゃねぇ!」
ぎらり、と輝いた視線が姫子を貫いた。瞬間、溢れ出す紫の火炎が猟兵を包み込む。
「ハハハハハ!!なぁにが御劔家第三十二代当主だ!!アタシの力、思い知ったかよ!!」
高笑いが響く。目の前の敵が一瞬で焼却されたことに、ただただ可笑しいと嗤い続ける。
だが。
「―――シッ!!」
紫の爆風を掻き分けるように、姫子が飛び出した。
「!!!なんでだッ!?なんでアタシの炎が効かないッ!!消えろ!!!消えろ消えろ消えろ消えろ消えろッッッ!!!!」
瞬く視線が、姫子を幾度も業火で焼き尽くす。だが、それが何かのオーラに遮られるように阻まれていた。
(お守りが……守ってくれてる……!いつまで持つかは分からへん、それやったら……)
刀を頭上に構え、一撃必殺の一撃を。
「いち早く決めなあかんなッ!」
「!!!」
富子が怨霊の束を眼前に収束させる。それは、呪詛と覚悟の鍔迫り合い。そして、勝ったのは。
「はああああああああああああああッ!!!」
呪詛が、剛刀によって押し負ける。霧散した呪詛を驚愕の表情で見つめる富子に、姫子はその太刀を振り下ろした。
「ぎぃ……あああああああああッ!!」
右目が斬り裂かれた富子が、苦痛の絶叫を上げた。そのまま近接した姫子は、懐に持っていた短刀を抜き放つ。
「都は……うちが守ってみせる!!」
それは、急所を穿つ一撃。
静寂に包まれる空間に、富子の声が小さく響いた。
「アタシ……の……か……ね……」
塵と化して散っていく富子を見ながら、姫子は二つの刃を鞘にしまった。
絢爛なる屋敷が再び鎮静に包まれる。しかしその鎮静は、徳川に仇なす者を討った後の、清浄の鎮静だった。
成功
🔵🔵🔴