エンパイアウォー⑯~メテオスウォーム阻止戦
●風魔小太郎を討ち取れ!!
「見つけた……とうとう見つけたぞ!!」
押し殺すように呟いたグリモア猟兵館野・敬輔の表情は、鬼気迫るそれ。
普段温厚な敬輔のめったに見られぬ姿に驚き足を止める猟兵らを前に、敬輔が朗報を告げる。
「皆聞いてくれ。江戸を中心に隕石を降らせていた百面鬼『風魔小太郎』の居場所が判明した」
集まった猟兵らから歓声が上がる。これはサムライエンパイア各地で猟兵らが信長軍の兵を討伐し続けた結果だ。
「この好機を逃すわけにはいかない。一気に攻め込み、討ち取るぞ!!」
皆を鼓舞するような敬輔の力強い言葉に、猟兵らが一斉に拳を上げて応えた。
「判明した風魔小太郎の居場所は、遠江国日坂宿の近くに風魔忍軍が構える忍者屋敷の中だ」
地図を広げながら説明する敬輔。UDCアース風に言えば静岡県掛川市のあたりとなる。
「問題は、屋敷の要所要所にどんでん返しの仕掛けがあることだな」
どんでん返しの場所を知っている風魔小太郎は、それを利用して自由に移動でき、猟兵の不意を突くことも可能だ。一方で場所を把握していない猟兵にとっては大きな制約になりかねない。仕掛けはユーベルコードでは無いので猟兵にとっては大きな脅威ではないのだが、戦闘の邪魔にはなるだろう。
「上手く使えばこちらに有利に働くかもしれないが、屋敷の主を相手取る以上、仕掛けを利用して不意を討とうとする相手にどう対処するかを考えた方が良いかもしれない」
相手は第六天魔王軍の魔軍将が一。仕掛けがなくとも猟兵に先んじて攻撃をしてくるため、どうしても初撃をしのぐ必要がある。初撃をしのいでも、面を利用した忍法の数々は脅威のひとこと。戦略の練り込みが甘ければ苦戦は必至だ。
「ここで討ち取れば、隕石落としは完全に阻止できる。一歩勝利に近づくことができるんだ」
――それでも、激戦は免れないけど。
「どうか皆、無事に戻ってきてほしい……頼んだ」
敬輔は皆に頭を下げると、丸盾のグリモアを展開し、転送ゲートを開いた。
●遠江国日坂宿近く、風魔忍軍の屋敷
「見つけられたか」
屋敷近くに蠢く気配を察し、風魔小太郎は顔を上げる。
「我が秘策を次々と阻止した輩、幕府より天下自在符を委ねられた輩……猟兵か」
髑髏の面の瞳を輝かせて呟く言の葉には、複数の感情が含まれている。
――己の隕石落としを悉く妨害されたことに対する、憎悪。
――そして、自ら刀を交えて強者と戦えることへの……歓喜。
「ここは我が自ら出るとするか」
風魔小太郎は腰をゆっくりと上げ、得物を手にする。
「そして猟兵を血祭りにあげ、彼奴らに、そして徳川に、我ら風魔忍を相手取った恐ろしさを骨の髄まで叩き込んでやろう!!」
屋敷の大広間に仁王立ちになり、風魔小太郎は猟兵を待ち受ける。
――その胸に戦への高揚感を秘めながら。
北瀬沙希
北瀬沙希(きたせ・さき)と申します。
よろしくお願い致します。
百面鬼・風魔小太郎の居場所が判明しました。
皆様には風魔小太郎の討伐をお願い致します。
ちなみにシナリオタイトルは、拙作「エンパイアウォー①~メテオスウォーム迎撃戦」に引っかけてありますが、そちらは未読でも全く問題ありません。
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このシナリオは、「戦争シナリオ」です。
1フラグメントで完結し、「エンパイアウォー」の戦況に影響を及ぼす、特殊なシナリオとなります。
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●特殊ルール:先制攻撃
百鬼面・風魔小太郎は、先制攻撃を行います。
これは、『猟兵が使うユーベルコードと同じ能力(POW・SPD・WIZ)のユーベルコード』による攻撃となります。
彼を攻撃する為には、この先制攻撃を『どうやって防いで、反撃に繋げるか』の作戦や行動が重要となります。
対抗策を用意せず、自分の攻撃だけを行おうとした場合は、先制攻撃で撃破され、敵にダメージを与える事はできないでしょう。
対抗策を用意した場合も、それが不十分であれば、苦戦や失敗となる危険性があるので注意してください。
導入はオープニング内ですませてありますので、章冒頭への追記はございません。
プレイングの受付はオープニング公開直後から行います。
強敵ですので、判定は相応に厳しく行います。
場合によってはシナリオ失敗の可能性があります事、ご了承下さいませ。
それでは、皆様のプレイングをお待ちしております。
第1章 ボス戦
『百面鬼『風魔小太郎』』
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POW : 風魔忍法『風魔頭領面』
自身の【身に着けた『面』】を代償に、【召喚した風魔忍者の軍勢】を戦わせる。それは代償に比例した戦闘力を持ち、【忍者刀と手裏剣】で戦う。
SPD : 風魔忍法『六道阿修羅面』
自身の【髑髏の面の瞳】が輝く間、【六本の腕で繰り出す忍具や格闘】の攻撃回数が9倍になる。ただし、味方を1回も攻撃しないと寿命が減る。
WIZ : 風魔忍法『死鬼封神面』
【歴代風魔小太郎たち】の霊を召喚する。これは【極めて優れた身体能力を持ち、手裏剣】や【鎖鎌】で攻撃する能力を持つ。
イラスト:カス
👑11
🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔴🔴🔴🔴🔴🔴
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種別『ボス戦』のルール
記載された敵が「1体」出現します。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。
| 大成功 | 🔵🔵🔵 |
| 成功 | 🔵🔵🔴 |
| 苦戦 | 🔵🔴🔴 |
| 失敗 | 🔴🔴🔴 |
| 大失敗 | [評価なし] |
👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。
※このボスの宿敵主は
「💠山田・二十五郎」です。ボスは殺してもシナリオ終了後に蘇る可能性がありますが、宿敵主がボス戦に参加したかつシナリオが成功すると、とどめを刺す事ができます。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。
グルクトゥラ・ウォータンク
【アドリブ共闘歓迎】
つまりわしらは小太郎が城主を務める風魔!小太郎城を時に痛快に時になりゆきで攻略せよという訳じゃな。任せておけ、賞金はわしのもんじゃ!
まあ普通に死にたくないのでがっつり色々させてもらうが。とりあえず手持ちのガジェットボールズで速乾吹き付け固着剤をあちこちにかけながら進んでいく。どんでん返しを完全に止めないまでも動作を鈍らせることはできるはず。さらに手持ちの電脳妖精を索敵に専念させ敵の【先制攻撃】を警戒、初撃を義手の【盾受け】や電脳妖精の【オーラ防御】で凌ぐ。
初撃を防げたならUC発動、忍者どもは刀や手裏剣や鎖帷子で武装しとるんじゃろ。電撃でがっつり丸焦げにしてやるわい。
●お城でなくて屋敷を攻略
「つまりわしらは小太郎が城主を務める城を、時に痛快に時になりゆきで攻略せよというわけじゃな」
いったい何のことだと頭上にハテナマークを飛ばしているグリモア猟兵を無視し、グルクトゥラ・ウォータンク(サイバー×スチーム×ファンタジー・f07586)は気合万全の状態。
「任せておけ、賞金はわしのもんじゃ!」
とはいえグルグトゥラも死にたくないので、ギャグ属性の矛を収め、屋敷内へ潜入した。
手持ちの電脳妖精に周囲の索敵に専念させ、自身もどんでん返しからの不意討ちを警戒しながら、グルクトゥラは廊下を歩く。
どんでん返しは本来なら敵から身を隠すための仕掛けのため、『廊下側から隠し通路側にしか行けない』仕組みになっているのだが、ここはオブリビオンの屋敷。『敵の不意を突くために、あえて隠し通路側から開くことができるようになっている』どんでん返しがあっても何らおかしくはないだろう。
グルクトゥラはガジェットボールズから速乾性の吹付型固着剤を取り出し、どんでん返しがあると思しき壁の隙間に片っ端から吹き付けていく。固まって動かなくなればそれでよし、そうでなくても動きを鈍らせることはできるかもしれない。もっとも、吹き付けた壁がどんでん返しか否かは全く見分けがつかないので、かなり当てずっぽうなのは否めないが。
何枚目かの壁に固着剤を吹き付けつつ廊下を歩いていたその時、電脳妖精が何かを感知したか激しいシグナルを出す。
――風魔忍法、風魔頭領面
壁の向こうから、低く重い声が聞こえた気がした。
電脳妖精のシグナルに反応しグルクトゥラが身構えると同時に、右側の壁がくるりと90度回転、闇に溶け込むような濃紺で統一された忍者装束の忍者が現れる。その壁にも固着剤は吹き付けてあったのだが、速乾性でも完全硬化までには時間がかかるため、今は止めることはできなかった。
「ぬお!?」
グルクトゥラの急所を狙った初撃の忍者刀の突きは義手で受け止めかろうじて逸らし、頭を狙って飛ぶ十字手裏剣は電脳妖精が身を挺して受け止め凌ぐ。電脳妖精がシグナルを出して知らせたからこそ、ギリギリで対応できた。忍者の飛び出した壁の奥にグルクトゥラが目を凝らすと、面の1枚が外れた派手な装束の忍者が佇んでいるのを発見。
「風魔小太郎、発見したわい!!」
「いかにも」
先制攻撃は凌いだ。今度はグルクトゥラが攻撃に転じる番。【攻性電脳妖精多重召喚】で攻性電脳妖精を多数召喚すると、見えない程の速度で忍者と小太郎に群がらせ、一斉に電撃を放たせる。
「ガッツリ電圧上げとるからの、電撃で焼き鳥になりたくなければ降参した方がいいぞい」
「ぐ…………ぬっ…………小癪な!!」
合計2000体近くもの攻性電脳妖精に群がられ、鎖帷子を着込んでいた忍者は全て電撃に耐え切れず消滅する。風魔小太郎に群がった攻性電脳妖精は粗方斬り捨てられたものの、立て続けに電撃を浴びせかけられたのが効いているのか、足元は軽くふらついていた。
成功
🔵🔵🔴
シリン・カービン
【SPD】
聞き耳を立てながら通路を進み、
開閉音が聞こえたら飛びのいて仕掛け扉に射撃。
風の精霊弾が通路内でつんざく様な大音量を響かせます。
音響弾に堪らず風魔小太郎が姿を現したら次の仕掛け。
手数の多い『六道阿修羅面』に近接戦は不利と
【シルフィード・ダンス】で宙を跳んで距離を開け、
面を狙い撃ちます。
実はこれは誘い。
小太郎が距離を詰めて追い込んで来たら
宙を蹴ってカウンターの様に突っ込みます。
迎え撃とうと反応したら、マントを投げつけて
視界を塞ぎ、同時に精霊猟銃を床に落とし、
音で足元からの攻撃と錯覚させます。
自分は残りの跳躍回数全てで宙を蹴って加速。
精霊猟刀でマントごと小太郎を貫きます。
アドリブ・連携可。
●縦横無尽に空翔けて
どんでん返しの仕掛けを利用し、猟兵に気取られずに自在に移動可能な風魔小太郎。その姿、まさに神出鬼没。
少しでも小太郎の居場所の手がかりをつかむべく、シリン・カービン(緑の狩り人・f04146)は、忍び足で足音を極力殺しつつ、聞き耳を立てながら通路を進んでいた。
――キィ……ッ。
どんでん返しが開くと思わしき、軋んだ音。
シリンは素早くその場を飛びのき、目についた隙間目がけて風の精霊弾を1発撃ち込んだ。
廊下に、隠し通路に轟く、つんざくような音の大合唱。
しかし。
「なるほど、音響弾とは考えたものだ」
「……っ!?」
髑髏の目を輝かせ、忍者刀や鎖鎌を構えながら目の前に接近した小太郎の姿に、シリンは一瞬息を呑んだ。その姿に風の精霊弾の大音響に怯んだ様子はない。どんでん返しの開閉は小太郎の意で行える。シリンが開閉音に気づいて飛びのき行動を起こすより先に、小太郎は隠し通路から廊下に出ていた。
だがシリンは冷静に対応する。シリン目がけて繰り出される忍者刀と格闘の波状攻撃の暴力から距離を取るべく【シルフィード・ダンス】で宙を舞い距離を稼ぎ、面に精霊猟銃から1発。一瞬だが小太郎の攻撃の手を止める。
「この狭い屋敷で距離を取ろうとは、愚かな」
小太郎の投げつけた鎖鎌がシリンの肩を掠めるが、シリンは構わず宙を蹴り、天井に頭をぶつけぬ様身を低くし、カウンターの如く突っ込む。
「ぬ?」
一転接近するシリンに、反射的に忍者刀を、扇子を構え、迎撃態勢を取る小太郎。
――この時点で、小太郎は既にシリンの策に嵌っている。
シリンはマントを外し、投げつけて小太郎の視界を奪う。
「小細工など!」
同時にシリンの精霊猟銃が派手な音を立てて木張りの床に落ちる。
「な?」
足元からの攻撃が来る。音でそう錯覚した小太郎の視線が、頭がわずかに床を向く。
――その一瞬こそ、シリンが練り上げた策が成就した一瞬。
シリンは【シルフィード・ダンス】の残りの跳躍回数全てを使い、空中を走るように蹴って移動し急加速。
「あなたは、私の獲物です」
懐に隠し持っていた精霊猟刀を取出し、マントごと小太郎を貫いた。
「ぐっ……お見事!!」
胸を貫かれた小太郎の呻く声が、マント越しにシリンの耳に届く。
――二重三重に張り巡らせた策が成就した、結果だった。
成功
🔵🔵🔴
クー・フロスト
アドリブ◎
――
●心情
風魔…有名な忍者衆か…、徳川軍を守る為にも
ヤツの撃破はここでしておかないと、な。
●屋敷対策
忍者屋敷に侵攻する際は、注意深く探索し
罠を発見したらすばやく氷の礫を発射して
どんでん返しを凍らせながら、前に進めるとしよう
他にも落とし穴や弓矢にも注意していこう
仕掛けは見つけ次第全部凍結させようと思う
●戦闘
私は氷や冷気を扱う事が得意だから
長所を更に伸ばしていく方針でいこう
鎖鎌の先制対策は手持ちの大鎌で弾いて【武器受け】
手裏剣は、素早く動いて【早業】【ダッシュ】回避していこう
先制攻撃を防いだら、反撃だ
UCを使い、敵に巨大な冷気のビームを放とう
『風魔小太郎よ、見つけたぞ!――覚悟せよ!!』
●氷を持って霊を制す
(「風魔……有名な忍者衆か……。」)
クー・フロスト(《甦生氷姫》氷の死神少女・f08503)は、かつて「氷の女王」であった頃の知識を思い出していた。
「徳川軍を守る為にも、ヤツの撃破はここでしておかないと、な」
かつていた世界においても風魔忍と徳川軍配下の忍は敵同士。それはこのサムライエンパイアでも変わらないようだ。なら、人々の為に猟兵として戦うクーにとって風魔忍は敵、ということになる。
クーは忍者屋敷に潜入し、罠を警戒しながら進む。
ほんの少し罠の心得があるクーは、どんでん返しのありそうな壁に氷の礫を打ち込んで凍らせて行くが、そもそも忍者屋敷の仕掛けは「侵入した敵からは一見するとわからず、予測もされづらい」場所にあるが故に仕掛けとして機能するものなのだ。
――つまり屋敷全体、あらゆる場所に仕掛けられている可能性がある、ということになる。
よって、氷の礫を打ちこんだとしても、その場に本当にどんでん返しがあるか否かはわからない。運よく隙間に礫が入り込み、凍ったことでどんでん返しがあると判明するくらいである。
そして、罠に気を取られていると、必然的に背後からの奇襲に対し警戒が疎かになる。
「猟兵、覚悟!」
いつの間にか召喚された歴代の風魔小太郎の霊が2体、クーの背後から鎖鎌と手裏剣を手に迫っていた。
「くっ……!」
クーは咄嗟に身を翻し大鎌で鎖鎌を受けるも、同時に投げられた手裏剣は躱せず、クーの肩に突き刺さる。手裏剣に毒が塗られていたらしく、クーは一瞬めまいを覚えるが、毒に対する耐性を持ち合わせている故、それ以上の影響はない。
「仕掛けはそれとわからぬように仕掛けておくものよ」
廊下の端から姿を見せた六腕の忍者が、クーを嘲る。のぞき窓の存在にも気づかなかったが、忍者屋敷ののぞき窓は一見しただけでは見破れぬもの故、これは仕方のないことだ。
だが慢心して向こうから姿を見せてくれたなら、クーにとっては絶好の攻撃チャンス。
「風魔小太郎よ、見つけたぞ!」
覚悟せよ!! と気迫と共に撃ち出される【《甦生氷姫の祝福》フロストシュネーヴァイス】の冷気の極太ビームが、霊を消滅させながら廊下を氷の雪原へと塗り替え、小太郎へと迫る。
「ぬっ!」
廊下を埋め尽くすほどの太さを持つビームを、小太郎は六腕を交差して受け止めるが、その腕は凍りついていた。
苦戦
🔵🔴🔴
パトリシア・パープル
●プレイング
予め、全身の各所に着火剤を仕込んでおく
伸びる武器を使って怪しい場所を安全な位置から突くことで【情報収集】し、敵の位置を探る
敵が現れたら攻撃を『バリアパラソル』で【盾受け】
【オーラ防御】と【激痛耐性】も合わせて耐えつつ、着火剤にライターで点火してUC発動!
全身火達磨になることでUCの効果範囲拡大と威力の増強を計る特攻作戦!
「さあ、火遁の術を見せてあげるわ!
「対象はズバリ、あなたの髑髏面の瞳、全部よ!
相手の瞳を全て炎獣に変える形での【目潰し】を行い敵UCの解除を狙う
炎のダメージは【火炎耐性】と炎獣の噛み付きによる体力吸収で軽減
「瞳がなければ、そもそも輝かせることもできないわよね?
●炎獣を持って忍術を制す
パトリシア・パープル(スカンクガール・f03038)は、どんでん返し対策として他の猟兵とは少し異なる対策を用意していた。
それは伸縮自在な如意フォークを携えて潜入、野生の勘で怪しいと感じた場所があれば、片っ端からフォークを伸ばして突き刺す、というもの。単純なようだが、フォークで突き刺され押された壁がどんでん返しだった場合、刺した段階で90度壁が回転するため、これは極めて有効な対策と言えよう。
もうひとつ、風魔小太郎との戦闘に備えて、全身の各所に着火剤を忍ばせておく。これは小太郎との戦闘における「秘策」だ。
慎重にフォークを壁に突き刺すこと数度目。
「ぐっ……!?」
手ごたえあり。
「そこね!!」
パトリシアがさらに深くフォークを押し込むと、壁を破って風魔小太郎が現れる。
「まさか見破られるとはな」
髑髏の面の瞳を輝かせながら六腕の武器全てを激しく縦横無尽に振るい、パトリシアに猛攻を仕掛ける小太郎。パトリシアも拳や忍者刀はバリアパラソルで受け、思いもよらぬ方向から飛び交う鎖鎌の攻撃はオーラを展開して防ぐ。
かろうじて全てをしのいだところで、パトリシアは秘策を発動。ライターを取出し、忍ばせてあった着火剤に火をつけた。あっという間に全身火達磨になるパトリシアを見て、さすがに小太郎も驚く。
「貴様、何を考えている!?」
「さあ、猟兵流火遁の術を見せてあげるわ!! 対象はズバリ……」
――あなたの髑髏面の瞳、全部よ!!
パトリシアは火達磨のまま髑髏面に特攻を仕掛け、髑髏面の全てを炎獣の頭部へと変換。あえて全身火達磨にしたのは、ユーベルコード【激怒火炎獣】の効果範囲を広げ、威力を増強するのが目的だった。もちろん大やけどは免れないが、持ち前の火炎耐性で耐える。
「ぐぅっ!!」
髑髏面が消えたことで視界が遮られた挙句、【風魔忍法『六道阿修羅面』】による攻撃回数増強の効果も解除されてしまった小太郎は出鱈目に忍具を振り回すが、パトリシアにはかすりもしない。いくら暗闇の戦闘に慣れていても、突然の目潰しに即時対応するのは難しい。それはオブリビオンたる風魔小太郎も例外ではないだろう。
「瞳がなければ、そもそも輝かせることもできないわよね?」
「このような特攻作戦を思いつくとは、猟兵の力は……素晴らしい!!」
炎獣に全身を噛みつかれ、パトリシアに生命力を奪われながらも、なお小太郎は嗤っている。
――それは、強者に出会えた歓びだった。
大成功
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イサナ・ノーマンズランド
アドリブ・連携歓迎
敵の猛攻撃を動体【視力】で追いかけながら棺桶での【盾受け】と【激痛耐性】でやせ我慢、棺桶内蔵の重機関銃で撃ち落として凌ぎつつ【時間を稼ぎ】、取り出した手榴弾を投げつける【破壊工作】で妖しく目を光らせる髑髏面を爆破して効果時間短縮を狙う。反撃にユーベルコード・改造散弾銃『挽肉屋』を発動。取り出した複数連結式ショットガンにて、容赦ない【一斉射撃】を浴びせかける。
……寿命?そんなの全然気にしないよ、わたしまだ12歳だもん。
それに、戦いに負けたらね……寿命なんて関係なくそこで死んじゃうんだ!
『あいつの動きはオレが視るから、全力で凌げ……!』
「サー、アイコピー!!」
「……ぶっ散れ!!」
●散弾銃のラプソディ
イサナ・ノーマンズランド(ウェイストランド・ワンダラー・f01589)は、棺桶型コンテナ・再殺兵装『カズィクル・ベイ』を背に屋敷へと潜入、風魔小太郎を探していた。
だが、イサナはどんでん返しへの仕掛けには一切注意を払っていない。他の猟兵が起動阻止のために吹き付けた固着剤や魔力の氷の効果も薄れつつあるため、いつどこでどんでん返しが起動してもおかしくない状況だった。警告を受けていたにも関わらず一切注意を払わないのは、敵地では致命的だ。
「敵の拠点をただうろつくだけの不注意者は、ここで散れ!」
突然、イサナの背後から重苦しく敵意に満ちた声が浴びせられる。それとほぼ同時に、背後に背負っている棺桶型コンテナが衝撃で激しく揺れ、イサナの頭を激しく打ちつけた。
「敵襲!!」
即応したイサナが棺桶型コンテナから重機関銃を取出しながら180度反転すると、視界に入ったのは髑髏面の瞳を光らせる六腕の忍者、風魔小太郎。
『あいつの動きはオレが視るから、全力で凌げ……!』
「サー、アイコピー!!」
イサナは『レイゲン』の助言を受けつつ動体視力の高さを生かして小太郎の六腕の動きをとらえ続け、都度重機関銃で撃ち落としていくが、やはり相手の奇襲を許したからか、どうしても反応が1歩遅れてしまう。撃ち落とし損ねた忍者刀が、鎖鎌が、手裏剣が、拳が次々とイサナの身体を捕らえ、徐々に追い込まれて行く。
「……ぶっ散れ!!」
たまらず取り出した手榴弾を髑髏面に投げつけ、煙と爆音で視界を奪っている間に、イサナは棺桶型コンテナから複数連結式ショットガンを取出し、構える。右目の眼帯が外れ、失われたはずの右眼が黄金色に激しく光る。
「……コイツで死なない化け物はいないよ。流れ弾も飛ぶだろうけど、なんとか避けてよね!」
右目に黄金を宿しながら、イサナは複数の散弾銃を束にし、目にも止まらぬ9連射を小太郎にぶっ放す。散弾銃は密閉空間程その威力を発揮する故、小太郎は至近距離から全身に大量の散弾を浴びることとなった。だが9連射の反動でイサナの身体に激痛が走り、思わず顔をしかめる。
「身体に負荷をかけてでも我を打ち倒す気か」
「全然気にしないよ、わたしまだ12歳だもん。それに、戦いに負けたらね……寿命なんて関係なくそこで死んじゃうんだ!」
「そこまでの覚悟があるなら、ここで果てろ!」
全身に埋まった散弾の痛みをこらえながら、小太郎は再度六腕の武器でイサナを打ちのめす。
「が……はっ……!!」
イサナの意識はそこで途切れ、地に伏した。
小太郎の全身から、撃ち込まれた散弾が滝のように床に落ちる。
「ぐっ……」
確かにイサナを行動不能に追いやったが、イサナに撃ち込まれた散弾の量も尋常ではなかったのだ。
苦戦
🔵🔴🔴
出水宮・カガリ
ここは、忍びの屋敷なのだな?
派手に破壊しても、誰にも迷惑が掛からないな?
一応、転移前に確認はしておこう
どこから出てくるかわからん相手だ
己の身を【籠絡の鉄柵】で虫篭のように覆う事で全方位の不意打ちに対応する
前後と、天井と床もだ
この鉄柵の強度はカガリの意志によるとは言え(【不落の傷跡】・オーラ防御)、歴代風魔小太郎達にどこまで耐えられるか
最初の一体か一撃を確認したら、【鉄門扉の盾】を【隔絶の錠前】で施錠し、守りを更に強固に
守り一辺倒ではいずれ折れるだろうが
この守りが、強くなり続けるとしたら?
【神都落城】で、忍者屋敷を黄金都市で上書きした上で破魔の力を与えた炎で炎上させる
諸共に落城せよ、忍びの城
●忍者屋敷が黄金郷に変わり、崩落する時
出水宮・カガリ(荒城の城門・f04556)は、転移前にグリモア猟兵にあることを確認していた。
「ここは、忍びの屋敷なのだな? 派手に破壊しても、誰にも迷惑は掛からないな?」
グリモア猟兵は残しておいても禍根を残しそうだし問題ないか、と首を傾げつつ頷いていたが、彼がカガリの思惑に気づいていたとは到底言えまい。
どんでん返しの仕掛けがある以上、相手はどこから出て来るか分からない。カガリは廊下の適当な場所で己の身を籠絡の鉄柵で上下左右しっかりと虫篭のように覆い、全方向の不意討ちに対応する。床まで覆うとカガリ自身も動けなくなるが、下手に歩き回るよりはましだろう。あとは我慢比べである。
(「この鉄柵の強度はカガリの意志によるとは言え、歴代風魔小太郎達にどこまで耐えられるか」)
カガリはただ、じっと機会を待つ。
その機会は、さほど待たずに訪れた。散弾や氷、炎獣による傷が嵩んだ風魔小太郎が、歴代風魔小太郎の霊をカガリにけしかけ、勝負を仕掛けてきたのだ。
「来たな」
鉄柵に手裏剣が弾かれる音を確認し、カガリは鉄門扉の盾を隔絶の錠前で施錠。門の内と外を擬似的な別空間として切り離し、さらに守りを固める。歴代風魔小太郎達の霊は立て続けに鎖鎌で門を破ろうとするが、破れない。小太郎本人も六腕で破ろうとするが、さらに固まる守りの前ではやはり無力。
歴代の霊たちと小太郎本人が1か所に固まったその時、カガリは優雅に指を鳴らした。
――汝、邪なる黄金の都。
――再び来たりて諸共に燃え尽きよ。
指音と共に、忍者屋敷を中心とした半径50m程の空間が眩いばかりの黄金に輝く都市へと変貌した。
「ぬう、これは渡来人の都か……!」
侵略渡来人にでも話を聞いていたのだろうか、小太郎が驚き呻く。
しかしカガリが伸ばした指をもう1度鳴らすと、黄金都市は破魔の力を宿した青白い炎に包まれた。
――常世の都、落つる時。
――諸共に落城せよ、忍びの城。
眩いばかりの黄金が青白い炎に焙られ、次々と崩れ始める。
「ぬぬぅ……っ!?」
小太郎自身も崩れ落ちる瓦礫に打たれた上、青白い炎に包まれ床を転がる。髑髏面がパキッと音を立てて割れ素顔を晒すが、崩壊に巻き込まれぬ様一足先に屋敷を脱出したカガリがそれを見ることはなかった。
「ああ、なるほどな」
青白き炎に包まれ崩落する屋敷と共に、小太郎は妙な安堵感に包まれる。
――今の我も信長様も、骸の海から蘇りし存在。
――信長様が自刃された時に最後に見たのは、おそらくこの光景か。
こうして、風魔小太郎は屋敷の崩落に巻き込まれ、消滅。
カガリは、黄金郷と化した屋敷が完全に崩落するまで、離れた場所でそれを見届けていた。
ここにいた風魔小太郎は、骸の海から蘇ったうちの1体。
だが、いずれ完全に討伐される日も遠くないのかもしれない。
大成功
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