エンパイアウォー⑯~隕石と空間と心を忍ばす者~
「皆さん、風魔小太郎の潜伏先が判明しました!」
ルウ・アイゼルネ(マイペースな仲介役・f11945)がグリモアベースに待機する猟兵達に大声で呼び掛ける。
待望の情報に人だかりができる中、ルウは呼吸を整えてから正面を向いた。
「問題の居場所ですが、予想通りといえば予想通りだったのですが……相模原にある『風魔忍軍の忍者屋敷』となります」
無念そうに語る様子を見ているとある意味灯台下暗しで、調査を後回しにしていた所に忍んでいた……といったところだろうか。
「忍者屋敷には想像通りの様々な仕掛けがあり、その仕掛けを突破しながら、風魔小太郎と戦う事になるでしょう。実際に行ったことがないので内容はわかりませんが、オーソドックスなところだと、階段の板が突然動いて坂になるとか、秘密の通路があってワープできるとか……あとは壁がひっくり返って裏から武器が出てくるとかも予想できます」
罠自体は自爆の可能性を避けるために自分にとっても猟兵にとってもそこまで危険な物は設置されていないだろうが、油断すれば足元をすくわれるだろう。
「逆に言えばそれを利用することも、初見の相手のユーべルコードを先制で受けてもどうにか出来る皆さんならば可能でしょう。しかしその程度で風魔小太郎を倒せるとは考えられません」
サムライエンパイア史上最強と謳われた化身忍者、風魔小太郎。
先代の身体を喰らうことで培われた『面』を用いる「隕石落とし」を始めとした忍法は時に天変地異をも引き起こし、生前仕えていた北条氏に楯突く者達に破滅的な被害をもたらしてきた。
「ただし何代か後になるとその力も落ちてきて、普通の徳川家に仕えている武士たちに討ち取られたようですがね」
先代の身体を喰らえば最低でも先代以上の実力をつけられるはずの風魔が下級の武士に討ち取られた事情は定かではないが、今回の風魔小太郎は人間ではなくオブリビオン、更に言えば真に「最強」と呼ばれていた時の者が相手となる。
当然、風魔小太郎も猟兵達渾身の一撃を見切って、先に攻撃を仕掛けてくることは容易に想像が可能である。
「『隕石落とし』レベルの攻撃を自分の住処に放ってくるかは微妙なところではありますが……相手は『魔軍将』に選ばれるほどの実力者であることを忘れずに用意をしてください。準備が出来た方からご案内いたします」
平岡祐樹
初めましての方は初めまして、平岡祐樹です。まずはかつての北条氏風魔忍軍統領、百鬼面「風魔小太郎」との対戦です。
このシナリオは、「戦争シナリオ」です。
1フラグメントで完結し、「エンパイアウォー」の戦況に影響を及ぼす、特殊なシナリオとなります。
百鬼面・風魔小太郎は、先制攻撃を行います。
これは、『猟兵が使うユーベルコードと同じ能力(POW・SPD・WIZ)のユーベルコード』による攻撃となります。
彼を攻撃する為には、この先制攻撃を『どうやって防いで、反撃に繋げるか』の作戦や行動が重要となります。
対抗策を用意せず、自分の攻撃だけを行おうとした場合は、先制攻撃で撃破され、敵にダメージを与える事はできないでしょう。
対抗策を用意した場合も、それが不十分であれば、苦戦や失敗となる危険性があるので注意してください。
第1章 ボス戦
『百面鬼『風魔小太郎』』
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POW : 風魔忍法『風魔頭領面』
自身の【身に着けた『面』】を代償に、【召喚した風魔忍者の軍勢】を戦わせる。それは代償に比例した戦闘力を持ち、【忍者刀と手裏剣】で戦う。
SPD : 風魔忍法『六道阿修羅面』
自身の【髑髏の面の瞳】が輝く間、【六本の腕で繰り出す忍具や格闘】の攻撃回数が9倍になる。ただし、味方を1回も攻撃しないと寿命が減る。
WIZ : 風魔忍法『死鬼封神面』
【歴代風魔小太郎たち】の霊を召喚する。これは【極めて優れた身体能力を持ち、手裏剣】や【鎖鎌】で攻撃する能力を持つ。
イラスト:カス
👑11
🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔴🔴🔴🔴🔴🔴🔴🔴🔴🔴🔴🔴
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種別『ボス戦』のルール
記載された敵が「1体」出現します。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。
| 大成功 | 🔵🔵🔵 |
| 成功 | 🔵🔵🔴 |
| 苦戦 | 🔵🔴🔴 |
| 失敗 | 🔴🔴🔴 |
| 大失敗 | [評価なし] |
👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。
※このボスの宿敵主は
「💠山田・二十五郎」です。ボスは殺してもシナリオ終了後に蘇る可能性がありますが、宿敵主がボス戦に参加したかつシナリオが成功すると、とどめを刺す事ができます。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。
ナミル・タグイール
・最初から呪いの金ぴか鎖や装飾をいっぱい体に付けて防具にする
仕掛けいっぱいで楽しい場所にゃ!色々出てくるにゃー!
敵無視しで遊んでたいけど…お仕事はしないとデスにゃ。
忍者の軍勢は金ぴか防具で耐えながら応戦
致命傷だけ【野生の勘】で避けてちょっとくらいは我慢にゃ!
でも雑魚多すぎてうざったいにゃ!
相手がいっぱい不運になるように【呪詛】を武器に込めて【UC】で地形破壊
衝撃で周りの仕掛けを全部発動させてカオス空間つくっちゃうにゃ!
雑魚が一掃されたりボスに隙ができることいいにゃ
どっちがラッキーか勝負デスにゃー!
ナミルはもう仕掛けを食らう覚悟して【捨て身の一撃】をボスにいれるにゃ!
腕1本くらい寄越せデスにゃ!
「仕掛けいっぱいで楽しい場所にゃ! 色々出てくるにゃー!」
金ピカな鎖や装飾をいっぱい体に付けたナミル・タグイール(呪飾獣・f00003)は目をキラキラ輝かせながら忍者屋敷の畳をぶん殴る。
すると畳はその場でぐるんと一回転して、裏に大量の武器が括り付けられた背面が出てきた。
もう一回叩くと元の畳に、さらに叩くとまた武器が……、と忍者屋敷独特の武器の隠し方に興奮したナミルの意識は本来の目的とは全く別の方にいきかけていた。
「何やら騒がしいと思って居れば……でかい猫が迷い込んでいたか」
そんな中天井の板が回り、着地した時の重い音と共に巨大な赤毛の男が広間に現れる。
ゆっくりと立ち上がる男、風魔小太郎に気づいたナミルは名残惜しそうに畳を叩いた。
「敵無視しで遊んでたいけど……お仕事はしないとデスにゃ」
『風魔忍法……「風魔頭領面」』
髪に飾られていた黒い面のうちの一つが宙に浮き、爆散する。すると掛け軸や天井、畳の下から次々に忍者たちが広間に姿を現した。
「皆の者、かかれい!」
忍者たちが思い思いの武器を用いて襲い掛かる中、ナミルは必死になって避けるが切り裂かれた鎖や装飾品が足跡に転がっていく。
「あーもう、雑魚多すぎてうざったいにゃ!」
黒い毛並みが赤い血で汚れる中、限界を迎えた様子のナミルが金ピカで巨大な斧を取り出して振り上げる。
「どっかーんデスにゃ!」
叩きつけた斧の刃から凄まじい衝撃波が起き、周りにあった回転式の仕掛けが一律に動く。巻き込まれた忍者たちはすぐに体勢を立て直して追撃を図ろうとするが、一歩踏み出した瞬間に床が抜けて前につんのめった。
それだけでなく床がひっくり返って出てきた武器に自分の忍者刀が引っかかってしまったり、天井に飾られていた額縁が突然落ちて頭部を直撃したり、仲間の投じた手裏剣と自分の手裏剣がぶつかってしまったりと忍者たちの周りは明らかにおかしくなった。
この異変に頭部をさすりながら視線を下に向けると、先ほど壊されたナミルの鎖から紫色の禍々しい気が放たれていた。
「ナミルの呪詛のお味はいかがデスかにゃ?」
楽しそうに笑うナミルに風魔は腕組みをしながら、仮面の奥にある目を細めた。
「人の運をひたすら悪くする呪詛か……。面白い真似をしてくれる」
「さぁ、どっちがラッキーか勝負デスにゃー!」
満足に動けなくなっている忍者たちを追い越しながらナミルが斧を振り上げて風魔に向けて突進する。
「腕1本くらい寄越せデスにゃ!」
「ふぅん!」
風魔は常人の物の数十倍はある巨大な拳を振りかぶり、飛びかかってきたナミルの斧に真っ向からぶつかる。
先ほどよりもはるかに凄まじい衝撃に周りにいた忍者たちが吹き飛ばされる中、風魔の足元の床はめりこむ。
お互いの体が離れると体重の軽いナミルの体は宙を舞い、一回転して距離を置きながら着地する一方、風魔は血がにじんだ拳を拭いながら無事な床に足場を移そうとする。
しかしその畳は戦いの余波でボロボロになっていたのか、風魔の体重に耐え切れずに折れた。
成功
🔵🔵🔴
ヴィヴィアン・ランナーウェイ
アドリブ・連携歓迎
風魔小太郎と接敵する前に●ダッシュで屋敷の中を駆け回りましょう。
ええ、多少のダメージは●覚悟の上。コラテラルダメージと言うやつですわね。
どうせ引っかかるなら、似たような傾向の罠にかかった時のための対策と利用方法を考えながら進んだ方がいいですし。
風魔小太郎の元にたどり着いたならやることはひとつ。
全力で背後へ●ダッシュ!
逃走ではなく戦略的撤退!
連続攻撃上等!当たらなければ云々!
もちろんただ駆け抜けるだけではありません。板が突然動くなら、それを利用して槍でカウンター、武器が出てくればそれを敵に放り投げます!できるだけ罠を利用しますわ!
寿命と体力が削れたらトドメ!
UCを喰らいなさい!
「曲者、待たんかー!」
「おーっほっほっほ! 止められる物なら止めてみなさい!」
大量の忍者たちに追いかけられながらヴィヴィアン・ランナーウェイ(走れ悪役令嬢・f19488)は高笑いと共に忍者屋敷を駆け抜けていた。
多少のダメージは覚悟の上。どうせ引っかかるなら、似たような傾向の罠にかかった時のための対策と利用方法を考えながら進んだ方がいいと考えていたヴィヴィアンであったが、忍者が各地から飛び出てくるだけで矢が自動で飛んでくるような仕掛けは見当たらなかった。
「あとは畳や壁の裏に隠されている武器と坂道になる階段でしたっけ……」
そんなことを考えていると真横の壁が崩れ、特大の腕が伸びてきた。
「きゃあっ⁉︎」
「小太郎様!」
忍者たちの歓声が上がる中、咄嗟にハードル走の要領で出した足を腕の上に乗せて跳び越えたヴィヴィアンは一緒に飛んできた鎖鎌に肌や服を傷つけられつつも、拘束からは避けてそのまま奥の通路へと走り去る。
崩れた壁から現れた赤毛の大男はおもむろに近くにいた忍者を殴り飛ばした。
「逃げるだけの小娘一人に何を手間取っておる。さっさと捕まえんか」
「申し訳ございません……」
たどり着く前にあちら側から出てきた訳だが、ヴィヴィアンのやることは変わりなかった。
「逃走ではなく戦略的撤退! 連続攻撃上等! 当たらなければ云々!」
そしてヴィヴィアンは二階へと通じる長い階段を駆け上がっていく。
すると突然板が外れ、説明通りの坂道となった。
急斜面の坂道に体勢を崩されたヴィヴィアンは悲鳴をあげながら自分が走ってきた道を強制的に戻される。
その先には小太郎が足を広げて猛攻を仕掛ける準備を整えていた。
『私とこの槍から、逃れることはできませんわよ』
ヴィヴィアンの表情から余裕が消えると同時に、手に握られた槍が小太郎の髪に飾られた面に向けて襲いかかる。
坂道を滑ることで勢いがついた槍は小太郎の武器と接触する前に面のうちの一つに激突し、粉々に破壊した。
「やりました……わっ⁉︎」
「一つ壊された程度で調子に乗るな小娘!」
しかしカウンターのように放たれた拳を鳩尾に食らったヴィヴィアンの呼吸は一瞬だけ止まった。
苦戦
🔵🔴🔴
マリア・フォルトゥナーテ
アドリブ・連携歓迎
技能:『傷口をえぐる』を全面に出す。
使用UCにより、かつて風魔小太郎を討ち取った武士を召喚する。怨敵が目の前に現れれば、矛先は私からその武士に向かうだろう。
オブリビオンと化した今、その武士が風魔に勝てるはずもないが、一瞬の隙ができれば充分。
新たにUC『拉げた感性』を使用。
「復讐を果たせて満足したか?お前を生前、人間のまま討った相手を、人間をやめて外法に縋って縊り殺した気分はどうだ?風魔の技も名も、地に落ちたな。他ならぬお前自身の手によって。先祖を犠牲にして継いだ力も、磨いた技も、お前自身が裏切ったのだ。忍や侍が恥を雪ぐ時の方法は私も知っている。今すべきだろう?ハラキリをな」
『喜劇は友と、歌劇は妻と、そして悲劇は酒と共に観るものだ』
ヴィヴィアンの体が屋外に吹っ飛ばされると同時に外から女性の声が聞こえてくる。
風魔がゆっくりと庭へと出るとそこにはマリア・フォルトゥナーテ(何かを包んだ聖躯・f18077)と何十人にものぼる武士達が控えていた。
「さぁ、お前たち、お仕事の時間だ。ノコノコと地獄から戻ってきたお尋ね者を捕縛し直せ!」
マリアの号令と共に武士達が鬨の声をあげながら一斉に風魔に向けて刀や十手を構えて走り出す。
風魔は無言で武士を薙ぎ払うために6つの手を振るったが、その手はどれも幻影の中をすり抜けるだけだった。
「復讐を果たせて満足したか?」
武士に対処している内にどこかに消え失せたマリアの声が辺りに響く。しかし当の風魔は首を傾げていた。
「……我は弟子の手で死んだのだが、それにしては実力がお粗末すぎるのだが……しかしこうもわらわらと来られたら面倒くさいことこの上ないな」
そして不意に胸の前で印を構えた。
『風魔忍法「死鬼封神面」』
面が次々と地面に落ち、大小様々な風魔小太郎に姿を変える。そして一斉に武士に向かって攻撃をし始めた。
その中には周りよりも遥かに華奢で小さな者が1人いた。
「くそっ、貴様らさえいなければ!」
「お前を生前、人間のまま討った相手を、人間をやめて外法に縋って縊り殺した気分はどうだ?」
その男は半ば狂乱しているかのように向かい来る武士の幻影に向かって鎖鎌を振るっていた。
「風魔の技も名も、地に落ちたな。他ならぬお前自身の手によって。先祖を犠牲にして継いだ力も、磨いた技も、お前自身が裏切ったのだ」
面白がっているようなマリアの声色に、男は激昂しながら返す。
「うるさい、黙れ!」
「忍や侍が恥を雪ぐ時の方法は私も知っている。今すべきだろう? たしか……」
「なるほど、貴様のトラウマだったか」
その声と同時に男の体は風魔の手で優しく握られた。
「風魔の名の元に育てられていない者達に敗れる程度の実力しかないのに『風魔小太郎』の名を継いだのか」
「せ、先代⁉︎ 違うので……」
「貴様は我々の列に加わるべきでない。邪魔だ」
反論を許されなかった男の体は手の中で潰され、肉と血の塊と化す。それと同時に風魔の周りを取り囲んでいた武士の幻影は消え失せた。
「……なぜこの程度の男が『風魔小太郎』の名を継いでいるのだ、この塊の先代よ」
「申し訳ない。病を得た我すらも倒せない者ばかりだったのだが……どうやら病で死んだ我の身を食べて風魔の名を得たらしい」
一人が手を挙げて釈明すると周りにいた別の風魔達は揃って深いため息をついた。
「ろくに育成も出来なんだか、お主は」
「……不徳の致すところにございます」
「今はよい、貴様の処遇はあの金髪を見つけてから行おう。ところで……」
「ここにいるぞ、『最強』とやら」
いつのまにか懐に潜り込んでいたマリアは左の拳を固めると一切の躊躇もなく叩き込んだ。
成功
🔵🔵🔴
テラ・ウィンディア
罠が満載で且つ実力もけた外れの相手との戦いか
上等だ
可能な限り忍者屋敷の構造を頭に叩き込む
突入時に構造の把握も更新
【戦闘知識】で屋敷の構造からどのように足止めや妨害を行えるかの解析
【空中戦】で踏み付け系の罠を警戒
対風魔頭領面
基本的に狭い通路を利用して軍勢に近接戦闘へと持ち込む
【串刺し】で可能な限り軍勢を切り捨て
更に構造上手裏剣の使用の封鎖
【早業】で剣と太刀に切替
少しずつ交代しながらも斬撃で切り結びながら風魔小太郎も捕捉し最初の接敵交戦ポイントへと入るのを把握すれば
これは…おれを打ち倒した帝国騎士の技だ
消えざる過去の痛み発動!
斬斬斬斬斬斬!
そしてこれは…ちょっとしたおまけだ
【一斉射撃】で重力波砲!
「罠が満載で且つ実力もけた外れの相手との戦いか……上等だ」
獰猛に笑ってみせたテラ・ウィンディア(炎玉の竜騎士・f04499)は服部忍軍が所有していた風魔忍軍の忍者屋敷の見取り図を頭の中に叩き込んでこの一件に臨んでいた。
一夜漬けの知識と多くの戦場を経験したことで身につけた戦闘知識で屋敷の構造から、どのように足止めや妨害を行えるかの解析し、危なそうな床は飛んで避けた。
「いたぞ、猟兵だ!」
「おっと、見つかったか」
風魔の姿や罠の無さそうな場所を探していると、その配下の風魔忍者と出くわしてしまった。
テラはその場で引き返すと床の間に隠された、自分の体がギリギリ通るほどの細い隙間に入り込んだ。
「この中に逃げたぞ、追え!」
「通路の先に何人か回れ!」
入り込む後ろ姿を見た忍者の指示で他の忍者達も通路へと腹這いになって入って行く。
その先で忍者が見たのは腹這いになっているにもかかわらず、こちらを向いて槍を構えるテラの姿だった。
「骸の海に、ご案内だ!」
とっくのとうに反対側に到達し、改めて入り直したテラは狭い通路で身動きが取れない忍者に向かって強烈な突きを放つ。
避ける余裕も武器を抜く余裕も無かった忍者は反撃出来ぬまま顔面や肩口を串刺しにされ苦痛の呻き声を上げたり絶命したりする中、テラは何かに気づいて後退りして再び出口に降り立つ。
そして素早く剣を抜くと出口を塞ごうと集まってきた忍者達を一気に斬り伏せた。
「何を手間取っておる!」
部下からの報告があったのか、入ってきた側の方から風魔の声が聞こえてくる。それを聞き逃さなかったテラは太刀を入れ替えるように抜いて叫んだ。
「これは……おれを打ち倒した帝国騎士の技だ、受けてみろ!」
入口で怪我した同僚の体を収容する中、突如歪んだ空間から斬撃が飛び、風魔達の体を斬りつけていく。
「そしてこれは……ちょっとしたおまけだ!」
悔恨のユーベルコードによる死に際の悲鳴が聞こえる中、テラはトドメとして通路に向けて重力波砲を放った。
ドン、という重い音がしてから無音になった向こう側と死屍累々となっているこちら側の様子を見てテラは満足げにグラビティ・バスターの銃口を下ろす。
すると通路から鎖が飛んできてテラの足首に巻きついた。
「あっ⁉︎」
反応する間も無く巻きついた鎖は思いっ切り引っ張られ、体勢を崩されたテラの体は入口へと引き戻される。
背中を擦らされながら暗闇に引き摺り込まれたテラの視界に光が戻った瞬間、赤毛の大男の拳がテラに振り下ろされた。
苦戦
🔵🔴🔴
推葉・リア
あの風魔小太郎と戦う!一筋縄じゃいかないけどやるだけやってみるわ!
仕掛けの対策としては【第六感】【聞き耳】で仕掛けを探して迂回、迂回が難しそうなら【ジャンプ】【ダッシュ】あとは【忍び足】で回避
それと絶対に風魔の所へつながる通路があるはず、それもさがしだして【地形の利用】するわ、少しでも不意をつけるようにね
いざ出会ったのなら『バトルキャラクターズ』で近接攻撃が得意あとは身長が高いなどの大柄な推しキャラ達を召喚
彼らに忍具や格闘を請け負ってもらって私は推しキャラの皆に紛れて【目立たない】ように風魔の背後に周りの【覚悟】と【勇気】を持って私の狐火を【だまし討ち】して打ち込むわ!
【アドリブ共闘歓迎】
「あの風魔小太郎と戦う! 一筋縄じゃいかないけどやるだけやってみるわ!」
第六感と聞き耳で仕掛けを探して迂回している推葉・リア(推しに囲まれた色鮮やかな日々・f09767)の周りには不自然なまでに人の姿が無かった。
別の猟兵達の対処や攻撃に巻き込まれて巡回する忍者達の総数が減っているのがその原因だったが、捜索する側にとっては非常にありがたい状況である。
何か嫌な感じがした床を助走をつけて跳び越えると、リアは茶の間と思われる場所にたどり着いた。
「うーん……ゲームだと大体こんなところに……」
今までやってきたRPGの知識も駆使して壁や戸棚の中を探ってみる。
すると何かがカタン、と外れて落ちたような音がすると同時に掛け軸のかかっていた壁が横にずれて隠れていた通路が姿を見せた。
「こう仕掛けが複雑な隠し通路の奥って何か特別な物があるよねー」
「その通りだ」
慎重に隠し通路を進んでいたリアの耳に低い声が入る。
思わず足を止めて身構えるとすぐ横の壁が音を立てて粉砕され、赤く光る目が視界に入った。
「貴様らが見つけたつもりの隠し通路をこちらは全て熟知しておる……出し抜けると思うな!」
腕を交差しても全力が込められたストレートを防御しきることは出来ず、リアは通路から別の部屋へと殴り飛ばされる。
「がはっ……『私の声に応えて……』」
畳の上を転がったリアの呟きに呼応して思い入れのあるゲームのキャラクター達が現れ、一斉に風魔へと襲いかかる。
しかし単体対多数とは思えないほどの風魔の手数にキャラクター達は劣勢を強いられていた。
その中でもキャラクター達の頑張りに応えるためにリアは痛む体を引きずりつつ、風魔の死角へと回り込んで狐火を放った。
「言っておろう、出し抜けると思うなと!」
狐火はその体を焼いたが、風魔はまるで服についた埃を払うかのように消し去った。
苦戦
🔵🔴🔴
神元・眞白
【SPD/割と自由に】
忍者屋敷。……忍者でお屋敷。なんだか意外。
忍者は隠れているものってガイドブックで読んだ気がするけど。
つまり……この建物自体が忍者の罠?なるほど。大体分かった。
どこから出てくるか分からないし、探検みたいにうろうろしてみよう。
相手も相手だし、先に動かれるのは仕方がないし……1回は頑張って耐えよう。
どんな攻撃かは周りの音を聞き分けながら、大げさなダメージでの演技を。
1回目の不意打ちを受けて、次からは受けていく様に。
何回か攻撃されるなら少しずつ弾ける様にして……魅医に頑張ってもらわないと。
私は攻撃を受ける事に集中するから飛威と符雨は攻撃手としてお願いね。
「……忍者でお屋敷。なんだか意外。忍者は隠れているものってガイドブックで読んだ気がするけど」
2体の人形に先導に忍者屋敷を彷徨う神元・眞白(真白のキャンパス・f00949)は興味深げに辺りを見渡していた。
「つまり……この建物自体が忍者の罠?なるほど。大体分かった」
くるくると回転する壁に見せかけた扉や隠された武器庫を見て眞白は感心したように頷いた。
その時、天井から巨体が落ちてきて眞白の体をぶん殴った。
眞白が畳の上を跳ねるように転がる中、先導していた2体の人形がそれぞれの武器を構える。
「殴打。他に鎖、剣を抜く音、刃物が擦れる音……」
壁に叩きつけられて止まった眞白はフラフラと立ち上がって現れた風魔の体を見据える。
ナイフと銃弾の雨あられを剣と手裏剣で相討ちにしつつ、風魔は全く音を感じさせない足捌きで眞白へと接近していく。
そして再び振るわれた拳によって眞白の体は吹っ飛ばされた。
「……先程よりも当たりが弱いか。しかしこのようなカラクリは所有者が倒れると同時に止まる物、女子とは言え戦場に立っている以上容赦なくいかせてもらう」
手に残った感触に満足いっていないのか、風魔は殴った手を開いたり閉じたりしながら飛威と符雨の必死の攻撃を明後日の方向を向いているにもかかわらず、軽々と受け流す。
『さぁ行って、誰かに灯をつけて』
眞白の転がっていた所から2つの人影が立ち上がる。
血を頭から流した眞白の頬を、もう1人が撫でるとその傷は一瞬で跡形もなく消えていった。
「……なるほど、回復担当の人形もいたのか。つまり持久戦がお望みか、ナメた物よ」
眞白の企みが分かった風魔は仮面の下で笑みを浮かべる。
「少しずつ弾ける様にして……頑張らないと」
再び接近してきた風魔はまずは魅医の体を殴り飛ばすと、別の手に持った刀で眞白の体に斬りかかる。
眞白のドレスが破れる中、魅医は空中で回転してブーメランのように眞白の元へ舞い戻る。
「なんという忠義よ! しかし戻る前に再び殴られたらどうする!」
しかしその間に入った風魔によって再び弾かれてしまう。
苛烈さを増す飛威と符雨の攻撃でも全く致命傷が与えられる気配が無い中、眞白は飛んでくる攻撃を必死に受け止めていた。
苦戦
🔵🔴🔴
テラ・ウィンディア
ぐく…すげーな…やはり最強の一人って奴か(ずたぼろになりながらも笑いながら立ち上がる
だが…おれは…まだ…負けてないぞ?(ゆらぁと立ちあがり真の姿発動!
更に【属性攻撃】で炎を全身に纏う!
元より強敵なのは承知の上だ!
対風魔頭領面
既におれの手は見切られた
ならば…ちょいとばかり力技で行かせて貰うぞ!
【一斉放射・戦闘知識】で敵の陣形を解析の後グラビティ・バスターの砲撃で一気に忍者共の粉砕に掛かる
それでも尚立つ輩は【見切り・第六感・残像・空中戦】で飛び回り避けながら槍で【串刺し】にしながら
その上で常に小太郎の察知を意識
捕捉後
単純にいくぞ!
メテオブラストぉ!!(上空から全てを粉砕!
【踏み付け】で破壊力強化!
雷田・龍子
アドリブ・連携歓迎
【POW】
「相手の得意とする地形効果に乗り込む必要はないんですよ」
人派ドラゴニアンの龍子は忍者屋敷の外、相手のユーベルコードの射程外である上空から狙いを定める。
「猟兵の皆さんは避けてくださいね。……これが私の全力だ!」
ユーベルコード「雷龍拳(ドラゴンストライク)」を発動。ドラゴネットの【援護射撃】を受けつつ上空から凡そのポイントへ向けて建物諸共の破壊を試みる。
忍者屋敷の各地で畳や壁、折れた石塔に殴り倒されて気を失った猟兵達が転がされる中、めり込んだ畳から一つの手が伸び、床の間の段差を掴んだ。
「ぐく……すげーな……やはり最強の一人って奴か」
ずたぼろになりながらも笑いながら立ち上がったテラの体に炎がまとわりつき、黒かった服が真っ白な物へと変わっていく。
「だが……おれは……まだ……負けてないぞ?」
口から煙のような白い息を吐きながら、テラは踏みしめるようなゆっくりとした足取りで廊下へと出る。
その頃、庭では空を飛ぶ雷田・龍子(人派ドラゴニアンの剣豪・f14251)を撃ち落とさんとする風魔忍者達の姿があった。
「くそっ、なかなか当たらんぞ!」
「構わん、こちらへの攻撃の体勢を取らせなければ大丈夫だ! 放て放てぇ!」
風魔忍者が放つ大砲の弾をひらひらと避けつつ、龍子は勝ち誇ったような笑みを浮かべる。
「相手の得意とする地形に乗り込む必要はないんですよ」
とはいえ、こうも火薬玉をポンポンと撃たれていると一気に下降することは出来ず、龍子は唇を噛み締めていた。
そんな中、炎を纏った誰かが屋根が崩れて剥き出しになっている廊下に姿を現したのを見つけた。
「む? あれは……」
記憶の中では黒い服を着ていたはずの少女の姿に違和感を覚えつつも、龍子は少女のやろうとしている行動を予測し、存在に気づかれないように派手に立ち回ることにした。
「ドラゴネット、頼む!」
ドラゴネットの口から放たれた雷撃が火薬玉に触れ、大爆発を起こす。
頭上で起こる爆発に忍者達が片腕で頭を守る中、グラビティ・バスターの充電が終わった。
「ちょいとばかり力技で行かせて貰うぞ!」
先程よりも太い光線は庭にいる忍者達を容赦なく飲み込み、火薬玉とも反応して屋敷の一部を炎上させる。
「しまった、陽動だったか!」
幸運にも生き延びた忍者がテラに斬りかかるが、その忍者刀で斬られた姿はぐにゃりと歪んだ。
「色々と遅ぇよ」
直後、心臓の辺りを火を纏った槍が突き出し、忍者は呻き声を上げながら消滅していった。
「見ないうちに随分とキレイになった物だな」
白髪の少女が庭に投げ出され力無く転がされていった後を追うように風魔が外へと現れた。
味方や建物の一部が消し炭にされたにもかかわらず、余裕そうに腕を組む風魔に苛立ちながらも残骸を駆け上がって天井にまで到達したテラの前を赤い女性が墜落していった。
「猟兵の皆さんは避けてくださいね……『これが私の全力だ!』」
帯電した拳の一撃を風魔は6つの手を使って受け止める。
はるか彼方から落ちてきたことによる加速がついた一撃だったからか、度重なる戦闘でガタが来ていたのか受けに回っていた刀や巨大な苦無、鎖鎌の刃にヒビが入り、粉々に折れる。
「ちぃっ!」
腕を全て振り払い、龍子に距離を取らせた風魔は苦々しげに折れた武器を捨て、代わりの物を出そうとして……やめた。
龍子やテラは知らなかったが、眞白との戦闘の中で飛び道具のほとんどをその部屋に投げっ放しにしていたため、手持ちが無くなっていたのだ。
しかしそんなことは知らなくても、風魔の守りに隙が出来た事実だけでテラには十分だった。
『星よ……世界よ……流星の力を我が身に宿せ……!今こそ我が身、一筋の流星とならん……メテオ・ブラスト……受けろぉ!!!』
単純で重い上空からの超重力を纏った踵落としが背後から放たれる。
炎を纏った一撃を風魔は反射的に巨大な腕1本と装備のない5本の腕で止めにかかるが、灼熱の炎で焼かれたそれは形を失っていく。
「いい加減、当たれぇ!」
剥き出しになった異形の骨をへし折った踵がついに風魔の顔面に直撃する。
炎は風魔の髪に燃え移ると被っていた面にも延焼し、腕を失った風魔は声を上げずにその場で棒立ちになって1つの火柱へと化していく。
「…………では、復活される前にもう一発、念のため食らわせていただきます」
踵落としを食らわせた後、その場で転がっている満身創痍で動けない様子のテラに代わり、龍子が腕に電撃を纏わせる。
そして炎を物ともせずに放たれた右ストレートに風魔の体は燃え盛る自らの屋敷の中に叩き込まれ、消えていった。
成功
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