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エンパイアウォー⑯~北条の忍、此処に

#サムライエンパイア #戦争 #エンパイアウォー #魔軍将 #風魔小太郎

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●グリモアベース
「皆様、やりました!魔将軍の一人、風魔小太郎の居場所を突き止めました!」
 グリモア猟兵の氷雨・燈華は、声のトーンを少し上げて猟兵に告げた。
 サムライエンパイアを巡っていた猟兵たちのお陰で、とうとう風魔小太郎の所在が判明したのだ。
 燈華が開いた地図に、墨で黒い丸がしてある。丁度、三河から少し北上したあたり。
「ここです。ここに風魔小太郎の本拠地………忍者屋敷があります。今こそ、奴を討ち取り、信長軍の戦力を削ぎ落とす時です」
 居場所がわかったのは良い。だが、忘れてはならないのは、猟兵はこれから、敵のテリトリーへと足を踏み入れる、ということだ。
 敵が拠点を構えるなら、わざわざ己が不利になるようなものを作るはずがない。どう考えても、敵が有利であることに間違いはない。
「ここ、忍者屋敷と言われるように、様々な仕掛けが施されているようなのです。落とし天井だとか、回転扉だとか、落とし穴とか………忍者っぽい仕掛けがわんさかあります」
 罠的な仕掛けは、猟兵を著しく阻害することはないだろうが、戦闘の邪魔にはなるだろう。
 逆に、仕掛けを逆手に取った戦法も悪くないと言えよう。
「分かっていると思いますが、風魔小太郎は強敵です。忍者ですから、猟兵を確実に仕留めるために、先制攻撃で狩りにくると思います。それをいかにして防ぎ、反撃に繋げるか………ここが重要となると思っています」
 先制攻撃に対する防御と、そこからの攻撃。この二手が上手く決まれば勝機はある。まぁ、生半可な対策では、軽くいなされて終わりだろうが。
「………皆様ならきっと、勝利を収められると信じて待っております」
 


ツムギとカナメ
====================
 このシナリオは、「戦争シナリオ」です。
 1フラグメントで完結し、「エンパイアウォー」の戦況に影響を及ぼす、特殊なシナリオとなります。

 また、百鬼面・風魔小太郎は、先制攻撃を行います。
 これは、『猟兵が使うユーベルコードと同じ能力(POW・SPD・WIZ)のユーベルコード』による攻撃となります。
 彼を攻撃する為には、この先制攻撃を『どうやって防いで、反撃に繋げるか』の作戦や行動が重要となります。
 対抗策を用意せず、自分の攻撃だけを行おうとした場合は、先制攻撃で撃破され、敵にダメージを与える事はできないでしょう。
 対抗策を用意した場合も、それが不十分であれば、苦戦や失敗となる危険性があるので注意してください。
====================

 どうも、ツムギとカナメです。

 というわけで、とうとう魔将軍の一人、風魔小太郎の居場所が判明しました。これは討ちに行くしかありません。

 オープニングにもありましたように、戦場は風魔小太郎の忍者屋敷。罠や仕掛けがいっぱいです。
 その仕掛けに上手く対応しつつ、風魔小太郎と戦ってください。

 加えて、風魔小太郎は先制攻撃をしてきますので、その対策と反撃をプレイングに記載してください。

 特殊な戦闘ですし、難易度が高いシナリオですので、そこはご注意を。
 それでは、皆様のプレイングをお待ちしています。
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第1章 ボス戦 『百面鬼『風魔小太郎』』

POW   :    風魔忍法『風魔頭領面』
自身の【身に着けた『面』】を代償に、【召喚した風魔忍者の軍勢】を戦わせる。それは代償に比例した戦闘力を持ち、【忍者刀と手裏剣】で戦う。
SPD   :    風魔忍法『六道阿修羅面』
自身の【髑髏の面の瞳】が輝く間、【六本の腕で繰り出す忍具や格闘】の攻撃回数が9倍になる。ただし、味方を1回も攻撃しないと寿命が減る。
WIZ   :    風魔忍法『死鬼封神面』
【歴代風魔小太郎たち】の霊を召喚する。これは【極めて優れた身体能力を持ち、手裏剣】や【鎖鎌】で攻撃する能力を持つ。

イラスト:カス

👑11
🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​🔴​

種別『ボス戦』のルール
 記載された敵が「1体」出現します。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
 それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
 プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※このボスの宿敵主は💠山田・二十五郎です。ボスは殺してもシナリオ終了後に蘇る可能性がありますが、宿敵主がボス戦に参加したかつシナリオが成功すると、とどめを刺す事ができます。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。

仁科・恭介
※アドリブ、連携歓迎
「忍者屋敷か…室内戦なら容赦なく行かせてもらう」
【学習力】で対策を検討
忍者屋敷に入る前から蟻を量産。屋敷に入るなり蟻を進軍させる方法をとる

室内ならば蟻はどこまででも追いかけるだろうし、風魔忍者の軍勢が忍者刀と手裏剣で攻撃してきても小さき物は恐れずに進むだろう
隠し扉や隠し部屋に隠れてこっちの隙を伺っていても…だ

だが、本来の目的は蟻を使い【失せ物探し】のように罠の位置を探ることと仮面を使わせること
忍者は捨て駒と考えた上で【目立たない】ように慢心した振りをし、罠に誘導されたように見せかけ、【残像】が残るほどの【ダッシュ】で間合いを詰め斬る
捕食しているなら更に攻撃力は乗せられるかな


キア・レイス
アドリブ即席共闘OK

忍者屋敷と言うところには初めて来たが、おあつらえ向きの仕掛けが多いようだな。

風魔小太郎の先制はダッシュとジャンプで距離を取ってしのぐ、飛び道具の場合は見切って回避や狙撃での撃ち落としを狙おう。
分が悪い不利をして逃げ足を活かして屋敷を逃走しつつ【俊鋭感知】で手早く屋敷の中の地形を確認、落とし穴が私の場合は利用できるか。
追いかけてくるであろう風魔小太郎から逃げるふりをしつつ落とし穴を踏み抜いて落下、ただし事前に落ちることはわかっているのでフックショットでへばりつき【俊鋭感知】を発動して風魔小太郎が落下の確認してくるタイミングを狙って銃撃によるカウンターを試みる。



 現場に到着した仁科・恭介(観察する人・f14065)は、目の前の立派なお屋敷を観察していた。
「忍者屋敷か……室内戦なら容赦なく行かせてもらう」
 建物の建材は木材が中心、考えていた作戦は通用しそうだ、などと思惑を巡らせ、その作戦の要となる蟻を生産していた、その時。
「ちょっといいか?」
 恭介の中に声をかけたのは、キア・レイス(所有者から逃げだしたお人形・f02604)だった。
 単独潜入でも良いが、敵は強敵であると同時に未知の部分もある。
 大勢で行くのは得策ではないが、ペアならば互いを補完しあい、上手く相手を翻弄できるのではないか、と共闘を申し出た。
 恭介は断る理由もない。二人はその場限りの戦友として名を交わし、屋敷へと足を踏み入れた。

 恭介の体から溢れんばかりの軍隊蟻たちは屋敷へと先行し、壁や戸の隙間からぞろぞろと進んでいく。
「………忍者屋敷と言うところには初めて来たが、おあつらえ向きの仕掛けが多いようだな」
 進むに連れて姿を現す回転扉や坂になる階段など………仕掛けを見てレイスはどこか感心したように言葉を零す。
 罠を探りつつも廊下を進んでいたのだが……
「そうだろう、そうだろう。この百面鬼がわざわざ用意したものだからな………!」
 何処からか猟兵二人のものではない何者かの声が屋敷に響く。と、同時に、廊下の奥から風魔小太郎が姿を現した。
 警戒を強める二人のことを交互に見ると、床を蹴って突撃してくる。
 咄嗟に避けようと恭介とレイスは脚に力を込める。
「……逃げようったってそうはいかない。蟻野郎、お前の相手はこいつらだ!」
 風魔小太郎がそう叫ぶと、壁の隠し扉から次々と風魔忍者が飛び出し、恭介へ強襲を加える。
 本体は髑髏面の瞳を輝かせ、レイスへと刃を向けていた。
 六本の腕での攻撃が9倍の回数で襲いかかってくる。懸命に回避を試みるも、ただ跳んで避けるだけでは躱しきれない。時折狙撃で攻撃を弾きながら耐えるので精一杯だ。
「小細工を仕組むのも良いが、先ずは己の身を考えよ………!」
 風魔忍者の群れは統率が取れており、恭介一人で対応するのは無理がある。蟻が建物を喰らい、戦闘力が上がっていたとしても、酷だ。
「恭介、このままでは分が悪い。逃げよう………!」
 風魔小太郎の忍者刀を弾き返した反動で距離を取り、レイスは来た道を走って戻る。恭介もそれに従い、一度戦線離脱する。
「敵を前に背を向けるとは……笑止!直ぐに仕留めてくれる!」
 獲物を逃すまい、と風魔小太郎はもちろん追う。
 ここまでは手筈通りだ………わざわざ敵に聞こえるように離脱を指示して良かった。
 何も、策が尽きて闇雲に逃走したわけでないのだ。レイスにはちゃんと作戦がある。
 走りながら思い出す、ここまでの道のり、どこに何が仕掛けられていたかを………。
 彼女は屋敷に入ってから、常にユーベルコードで全ての仕掛けを感知していた。それは罠にかからないためでもあり………敢えてかかるためでもある。
 後ろからは風魔小太郎の足音が迫る。この通路には確か………此処にあった筈。
 レイスは狙いを定めた床の上をわざと走り抜けようとした。そこにあるのは落とし穴。案の定、床は抜けてレイスはその穴へと姿を消した。
 人の気配が消えて恭介が振り向くと、そこにレイスはいない。丁度追いついてきた風魔小太郎と目が合った。
「おや?もう一人は………」
 一部無くなっている床板を見て察したのか、彼は面の下で微かに笑った。
「残念だが、君の相棒は………ぐっ!?」
 落とし穴を覗き込もうとしたその顔が、銃声と共に弾かれた。
「今だ!一撃を………!!」
 穴の中から響く女性の声。レイスは無事だった。
 彼女は敢えて穴に落ちてフックショットで壁に貼り付き、覗き込むのを待っていたのだ。そこに銃弾をぶち込み、カウンターに成功した。
 恭介は標的を逃さんとすかさず間合いを詰めて刀を抜き、そのまま振り下ろした。
 顔面射撃を受けてよろけた風魔小太郎の腕一本から、赤い血が流れ出す。
「小癪なッ………!」
 風魔小太郎は跳びのき、天井裏へと姿をくらましてしまった。
 穴から上がってきたレイスは恭介と目配せすると、敵を確実に仕留めるために屋敷の奥へと駆けていく。

成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​

マヤ・ウェストウッド
「アンタ、ニンジャのくせに忍んでなさ過ぎじゃあないか?」
・屋敷の仕掛けを[野生の勘]で検知し、[メカニック]技能で仕組みを分析する
・敵の猛攻に対しては事前に確認した罠に対して[咄嗟の一撃]で回避を試みる:たとえば回転扉を蹴り飛ばして近接攻撃を弾くなり、畳を怪力で持ち上げるなりして剣戟を防ぐなり、落とし穴踏み抜き手裏剣をやり過ごすなり(中のトゲを悪徳ナイフで切り取って投げ返すなり)……
・[ダッシュ]で肉薄、巨体に[騎乗]して[零距離射撃]を敢行する。装備の合間を狙い[鎧無視攻撃]を試る。ついでに[盗み攻撃]で得物の一つや二つを掠め取り、次の攻撃へ繋げる



 屋敷の一室、畳張りの部屋にマヤ・ウェストウッド(犬耳のマヤ・f03710)は居た。
 屋敷に来たのはいいが、中々敵が見つからない。流石は忍者といったところか。
 といっても、何もしないわけにもいかないし、仕掛けの解析でもしてみることにした。
 部屋の壁から天井、床………隅々まで、勘で罠の位置を把握して、身につけたメカニックの技術で仕組みを分析する。

 大分時間が経っただろうか、あらかた全ての仕掛けを理解して、部屋を出ようとしたその時、天井がくるりと回って、上から、撃破目標が降って来た。腕の一本から鮮血を垂れ流している。
「中々頭が回る奴だ………ん?」
 風魔小太郎はマヤの存在に気づくと、距離をとって忍具を構える。
「一人か………!」
 髑髏の瞳が妖しく光を放ち、握られた忍者刀がマヤへと振るわれる。
 だが、風魔小太郎は知らない。マヤはこの部屋のことをほぼ知り尽くしてしまったということを。
 剣戟に対してまず、足元の畳を思いっきり踏みつけた。そこは畳返しになっており、勢いよく跳ね上がった床が太刀を防いだ。
「くッ………まだまだ!」
 六本の腕が一斉に手裏剣を投げつける。が、マヤの姿は地面の下に姿を消した。
 先程ひっぺがした畳の下は穴になって居た。そこに潜り込み、飛び道具をうまく躱す。
「今度はこっちの番だよ!これでも喰らいな!!」
 穴の中に配置されて居た竹槍を、ナイフで刈り取って敵に投げつける。
 その後すぐ、投げ槍に続いて穴から飛び出して風魔小太郎の巨体へ飛びかかった。
「近づいてくるとは………愚策だ!」
 風魔小太郎の腕がマヤを引きはがそうと迫る。
 その前に一撃を………銃口を敵に押し付けると、多少強引に引き金を引いた。
 ブラスターが風魔小太郎を撃ち抜く。痛みに怯む僅かな時間に、これでもかとクイックドロウで攻撃。
「………邪魔、だぁぁ!!」
 無理矢理掴まれて、マヤは部屋の壁まで投げられた。
 しかし、攻撃だけでは飽き足らず、風魔小太郎の手裏剣をいくつか盗んでおいた。寝癖の悪さで素早く正確に、少しでも相手の戦力を削ぐ。
「………アンタ、ニンジャのくせに忍んでなさ過ぎじゃあないか?」
 風魔小太郎のガツガツ攻めるスタイル。マヤは少し挑発するようにそう告げる。
 マヤは強敵。そう悟った風魔小太郎はマヤと睨み合う。互いに迂闊に手が出せない状況で、静かな闘争が繰り広げられていた。

大成功 🔵​🔵​🔵​

メンカル・プルモーサ
…ふむ、忍者屋敷…敵の拠点だけあってえぐい仕掛けが多い…
…罠の類は罠使いの知識を応用しつつ、仕掛けの情報を収集、学習していくよ…
…そして仕掛けられた罠を解除した、と思わせておいて…
…遅発連動術式【クロノス】により、私の意思をトリガーとして発動するように変更……
…逆にその罠と地形を利用して風魔小太郎や歴代の霊の達の攻撃を妨害するよ…
…それでも妨害しきれずに襲いかかる鎖鎌や手裏剣は全力魔法によるオーラ防御で障壁を張って防御…とにかく時間を稼いで…
【縋り弾ける幽か影】を発動、『撃破の必要性』を感じた風魔小太郎本人に対して追尾する自爆機能付きガジェットをけしかけ、爆破するよ……



「…ふむ、忍者屋敷…敵の拠点だけあってえぐい仕掛けが多い………」
 屋敷に入ってからというもの、メンカル・プルモーサ(トリニティ・ウィッチ・f08301)は罠という罠を弄くり回している。
 己の知識を元に仕掛けの所在をほぼ当てる。それは彼女の経験と知恵がモノを言うのだろう。
 見つけたらとりあえず、破壊はせずに仕組みを解析して、配置のパターンから、どこにまた罠があるのかを予想する。これの繰り返し。
 彼女は戦いのフィールドを確実に学習し、戦場を少しずつ、己のものへと作り変えていく。
 せっかく用意された仕掛けだ。使わないのは勿体無い。どうせなら、自分のものとして使いたいものだ。
 なので、メンカルは少し、罠に細工をしてみることにした。
 【クロノス】と呼ばれる術式を、印として様々な仕掛けに刻んでおく。使えそうな仕掛けにはありったけ付けておいた。
 遅発連動術式と呼ばれるこれは、名前の通り、使用者が設定した条件に連動して対象を発動させる……遅延のような効果を持たせる術式だ。
 今回の条件はメンカルの意思。つまり、罠はメンカルが任意で動かせる仕掛けになったわけだ。

 手早く準備を済ませると、まもなく風魔小太郎が、畳部屋の引き戸を突き破って登場。猟兵と戦いながらここまで来たのだろう。
「また新手………ん?」
 風魔小太郎は既に仕掛けが荒らされていることに気づいた。回転扉がひしゃげていたりだとか、落とし穴がいくつか抜かれているだとか。
 正確には、メンカルがまるで荒らしたかのように見えるよう弄っておいた、と言ったほうがいい。
 だが、風魔小太郎がそれを知るはずはない。
「仕掛けが無くても良い。己の力でねじ伏せるのみだ!」
 風魔小太郎が念じると、一体、また一体と霊体が召喚される。それは今まで受け継がれて来た風魔小太郎一族の御魂である。
「歴代の風魔小太郎と共に、完膚なきまでに叩きのめしてくれる………!」
 敵の猛攻が始まった。手裏剣や鎌鼬の術を使い、遠距離から怒涛の勢いで攻めてくる。
「まずは………」
 もろに喰らえば即、戦闘不能になってもおかしくない。最初は落とし天井。落下の衝撃で忍具と風を弾き、天板を即席の壁とする。
 てっきり罠は破壊されていたかと思っていた風魔小太郎は不審に思いつつも、攻撃の手は緩めない。
 ある時は回転扉に飛び込んで躱したり、防ぎきれない時は魔障壁で防御に徹したり……メンカルが攻勢に出るような動きはない。
 彼女には時間を稼ぐ必要がある。逆に、時間さえあれば攻撃を加えられる。召喚したガジェットが風魔小太郎の元に届くまでの時間。
 回避、防御だけをしていると思ったら大間違い。こっそりと少しずつ、自爆できるガジェットを放っておいたのだ。
 元々発見されにくいそれは、戦闘の騒々しさによって更に気づくことは困難。
「どうした?手も足も出ないのか?」
 ありったけの罠を使って防ぎ、防ぎ、防ぎ………あと少し、少しだけ。もうすぐ到着するはずだ。
 ガジェットは荒れたフィールドを進み、静かに風魔小太郎の足元へ止まった。こうなってしまえばもう遅い。
 一つが大きな音を立てて爆発。衝撃と熱、煙が風魔小太郎を襲う。
「な、なんだ………!?」
 そして一つ、また一つと誘爆気味に、50を超えるガジェット達が次々と爆発。
 至近距離での爆発などたまったものではない。先代の霊達は形を保てずに消えてしまうものも。

 やっと煙が晴れた頃、そこに風魔小太郎の姿はなく。ただ、彼が居た場所の四方に赤い華が咲いているだけであった。

大成功 🔵​🔵​🔵​

ルク・フッシー
あ、相手は最強のニンジャ…(恐怖で震える)
しかも、場所は罠や仕掛けだらけ……?
…あれ?ニンジャ屋敷と迷宮アルダワって、もしかして似てる?

魔法学園で学んだ【戦闘知識】を活用します
その知識により、ニンジャ屋敷の罠の場所や内容を予測する事で対抗します
敵UCにより召喚された霊もどこかで襲ってきたり、不意打ちを狙ってくる筈です
彼らの襲撃ポイントや隠れ場所も【戦闘知識】により予想し、大筆での打撃により不意打ちをしかけます

風魔小太郎の元にたどり着き次第、召喚された霊の攻撃を【武器受け】【オーラ防御】で防ぎつつ、速やかに【連射塗装】(火属性)をしかけ、屋敷ごと焼き尽くします!

う、上手くいくといいですけど…



 風魔小太郎………かつて最強と言われた忍がオブリビオンと化し、我らの前に立ちはだかっているこの状況。
 最上級の定義からすると、風魔小太郎は言われ上、忍者の実力として右に出るものはいないと言うことだ。
 一言に最強、で済ませればそれまでだが、それが頂に君臨する者だと熟考すると、その恐ろしさは増してくるかもしれない。
 その恐怖に、ルク・フッシー(ドラゴニアンのゴッドペインター・f14346)の身体は自然と身震いした。
 しかも、戦場は罠だらけ。

 ………?よくよく考えてみると、未知の罠なんてアルダワ迷宮にこれでもかと存在している。
 屋敷と迷宮ってかなり似ているのでは……?そう考えると、恐怖も多少和らいだ気がする。ルクは意を決して屋敷へと侵入したのだった。

 屋敷の中は広くて入り組んでいるが、普段の迷宮探索でそういったものは慣れている。
 そのセンスを生かして、罠の位置を予想して、少しでも危なそうな場所には近づかないように歩みを進めていくルク。
 からくりに近しい仕掛けばかりだから、アルダワの魔法や術式で突然発動する罠よりは幾らか良心的か。
 そんな調子でどんどん奥へと進んでいくと、壁に不自然な木材が増えてきた。
 嫌な予感と共に筆を構えると、回転扉から亡霊達が奇襲を仕掛けてくる。風魔小太郎も傷ついて弱っているため、確実に仕留る手口を取っているのだろう。
 もちろん、ルクは知識と感覚でそれを捉えていたため、対応は容易。大筆で重たい一撃をぶちかましてやる。
 防御態勢を取っていない敵など恐るるに足らず。リーチも生かして相手の襲撃を何度か退けた。

 屋敷をアルダワ迷宮探索のテンション少々で進んでいく。ここはどこだろうか、恐らく、屋敷の一番奥の部屋と思しき扉の前に辿り着く。
 取手に手をかけ一呼吸置いたあと、勢いよく開け放つと、そこには結構な傷を負った風魔小太郎が待機していた。
 彼はルクの姿に気づくと、よろけながらもすぐに立ち上がって、武器を構える。
「む………先代達を向かわせていたはずだが、来てしまったか。仕方あるまい。ここにいる者で戦うしかあるまいな………ゆけッ!!」
 素早く召喚された霊達が一斉に襲いかかる。
 容赦無い先制に対して、ルクは大筆を身体の前に構えて攻撃を受け止めつつ、取りこぼしはオーラ防御で少しでも軽減。
 怒涛の攻撃………だが、怯むわけにはいかない。これさえばら撒いてしまえば、こちらのものだ。
「こ、これでどうだ………!」
 多少の被弾を厭わず、ルクが大筆を一振り。
 筆先から飛び出したのは、燃えるような赤橙色。否、それは実際に燃える赤橙色であった。
 壁に、床に、天井に。描かれた数多の色はたちまち熱を発してメラメラと燃え始める。
「炎、だと……!?」
 和風建築に火は天敵。どんどん燃え広がっていく火事を鎮火する術はない。
 歴代風魔小太郎は虚しくも、炎と煙に飲まれて、その姿を現わすことはなかった。

「う、上手くいって良かった………」
 ホッと胸を撫で下ろすルク。
 だが、まだ、風魔小太郎は骸の海に一度沈んだに過ぎない。
 戦争はまだまだ続く。全ては、悪を統べる者の首を討ち取るまで。

成功 🔵​🔵​🔴​



最終結果:成功

完成日:2019年08月07日


挿絵イラスト