エンパイアウォー③~毘の旗に集う修羅
●呪術兵器を殲滅せよ
「皆さん、この度はここに集まって頂き、ありがとうございます」
緑の板金鎧とマントに身を包んだエメラルドのクリスタリアン、ウィルヘルム・スマラクトヴァルト(緑の騎士・f15865)は、グリモアベースに集まった猟兵達に丁寧に一礼し、感謝を述べる。そして、今回の依頼について話し始めた。
「サムライエンパイアにて、オブリビオンフォーミュラである織田信長麾下の『第六天魔軍将』達が一大攻勢を仕掛けて来たのは、聞き及んでいる方も多いことでしょう」
これに対し、徳川家光率いる幕府軍は十万の軍勢を以て、東海道と中山道より関ヶ原を目指して進軍している、のだが。
「中山道の要衝である信州上田城が、『第六天魔軍将』の一人、上杉謙信によって占拠されました。このままでは中山道方面軍が殲滅されてしまうため、私達が先行して上杉軍の戦力を削ぐ必要があります」
その手段についてであるが、信州上田城に収容しきれず周囲の山岳地帯に集まっているオブリビオンのうち、強力な部隊を撃破していくことであると言う。
「今回、皆さんに撃破して頂きたいのは、魔神兵鬼『シュラ』約二十体の部隊です。彼らはただ命を『強奪』するだけの呪術兵器として、数多の戦いで多くの命を奪って来ました。このまま放っておけば、中山道方面軍の兵士達の命も少なからず奪われることでしょう」
『シュラ』達についてであるが、およそ二十と数こそ少ないものの、それで主力たりうる部隊となる辺り、個々の能力はかなり高いことが予想される。また、攻撃手段は血塗られた刀による近接戦闘のみではあるが、半端な遠距離攻撃はその刀で弾き返して無効化してくるという。
「中山道方面軍の兵士達が徒に命を落とさないように、また、サムライエンパイアの未来が織田信長によって閉ざされないように……どうか、ご協力をよろしくお願いします」
そこまで告げると、ウィルヘルムは自身の掌の上に巨大なエメラルド――グリモア――を浮かべ、念を込める。緑色の輝きが周囲を照らし出し、猟兵達を『シュラ』の部隊の近くへと送り出していった。
緑城雄山
『このシナリオは、「戦争シナリオ」です。
1フラグメントで完結し、「エンパイアウォー」の戦況に影響を及ぼす、特殊なシナリオとなります』
こんにちは。緑城雄山(みどりのじょう・ゆうざん)です。久々のシナリオは、サムライエンパイアでの戦争シナリオです。
OPをご覧頂いたとおり、信州上田城付近の山岳地帯で約二十体のオブリビオン部隊の撃破をお願い致します。信州上田城に中山道方面軍が進軍となると、史実的にはフラグ感バリバリのシチュエーションですが、そうなったりしないように、ぜひご協力下さい。
以下、補足事項です。
●プレイングボーナスについて
今シナリオの特性として、山岳地帯で有利に行動したり、奇襲などの戦いを有利に展開したりするための工夫があれば、プレイングボーナスが入りやすくなっております。
が、無理してそれを狙ってプレイングが変になるようであれば、技能を駆使するなどして自分らしい格好いいプレイングを送って頂いた方が、採用の可能性もプレイングボーナスが入る確率も高くなるかと思います。
●敵の撃破数について
今回、敵の数が約二十と限られていますので、単体攻撃・範囲攻撃を問わず、1つのプレイングによって撃破出来る敵の数は、得た成功度✕1~2で描写する予定です。
●プレイングの採用について
今回は戦争シナリオであること、また、当方の時間的な事情から、シナリオが成功する分だけリプレイを執筆し、それ以上のプレイングは流す可能性が高くなっております。予めご了承下さい。
それでは、皆様からのプレイングを、楽しみにお待ちしております。
第1章 集団戦
『魔神兵鬼『シュラ』』
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POW : 剣刃一閃・奪命
【近接斬撃武器】が命中した対象を切断する。
SPD : 剣刃一矢・報復
敵を【近接斬撃武器による突き】で攻撃する。その強さは、自分や仲間が取得した🔴の総数に比例する。
WIZ : 剣刃一弾・止水
対象のユーベルコードに対し【近接斬撃武器による弾き】を放ち、相殺する。事前にそれを見ていれば成功率が上がる。
イラスト:森乃ゴリラ
👑11
🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔴🔴🔴🔴
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種別『集団戦』のルール
記載された敵が「沢山」出現します(厳密に何体いるかは、書く場合も書かない場合もあります)。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
| 大成功 | 🔵🔵🔵 |
| 成功 | 🔵🔵🔴 |
| 苦戦 | 🔵🔴🔴 |
| 失敗 | 🔴🔴🔴 |
| 大失敗 | [評価なし] |
👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。
上泉・信久
SPD アドリブ可
開けた場所で3、4体くらいなら何とかなるだろう
それ以上となるとちと面倒か
「俺は上泉 信久。勝手ながら斬らせてもらうぞ」
剣術は刀を振るだけにあらず、以前に学んだことを実践してよう
【武器受け】や【見切り】で敵の攻撃をいなしながらも隙があれば斬撃
回避できるものは避ける
同時に斬りかかろうとするなら【早業】と【なぎ払い】で牽制する
錬成カミヤドリ
広場を中心として、取り囲むよう死角になる場所展開していく
大立ち回りをしながらなので、少しずつ
鞘を地に立たせ、棒高跳びの要領と【怪力】で上空数メートルへ
44本の刀が同時に死角から飛ばす
多勢に無勢ではないが、数と策で勝ることが勝利のコツとな
大豪傑・麗刃
わたしは人から変態と呼ばれている。確かに普段は多少おちゃらけているかもしれん。だが曲がりなりにもエンパイアの人間。
今回ばかりはネタ抜きで行くのだ。
さて敵は剣士という事で、本来なら武人としては真っ向から行きたいが、あいにく今回のわたしはシリアスなのだ。山岳ということで隠れる場所も多いであろう。忍び足で進み、敵を見かけたら先制攻撃でだまし討ちをかける。
単独で後ろを向いている隙に。
はああああああ(小声で)
(スーパー変態人2発動)
そして右手に刀2本!左手に脇差(と呼ぶには大きすぎるバスタード・ヒーローソード)2本!これを持って一気にダッシュ、背後から一刀(4刀か)のもとに斬る!あとはそのままラッシュ!
●修羅八体斃る ~壱~
(――わたしは人から変態と呼ばれている。確かに、普段は多少おちゃらけているかもしれん。だが、曲がりなりにもこの世界の人間。今回ばかりは、ネタ抜きで行くのだ)
『シュラ』達との戦闘にあたり、そう決意を固めながら忍び足で進むのは、大豪傑・麗刃(変態武人・f01156)。変態、あるいは奇人として知られる彼ではあるが、自らの世界の危機を前に、奇行を一切封じて戦うことにしたのだ。
そうして麗刃が木々の陰に潜んでいると、一人の飄々とした剣士が『シュラ』達へと駆け出して、斬り込んでいく。剣豪の刀のヤドリガミ、上泉・信久(一振一生・f14443)である。
「俺は上泉信久。勝手ながら斬らせてもらうぞ」
上杉謙信の旗印である『毘』の旗を中心に、まばらに散っていた『シュラ』達のうち、手近な一体が早速、大上段から両断される。その襲撃に、『シュラ』達は抜刀し、すぐさま戦闘態勢を整える。
(三~四体なら何とかなるだろうが、それ以上となるとちと面倒か)
そうは思うも、信久は飄々とした様子を崩すことなく、横に大きく刀を薙いで牽制し、『シュラ』達との間合いを保つ。
「はああああああ――」
これを好機とみた麗刃は、声量を最大限に抑えつつも気合いを入れて、ユーベルコード『スーパー変態人2(スーパーレイクンツー)』を発動する。青白いスパークを伴う金色のオーラに包まれた次の瞬間には、信久に注意を奪われた『シュラ』達の一体を横合いから急襲し、右手に持つ刀二本と左手に持つ脇差し代わりのヒーローソード、バスタードソードで瞬時にズタズタにしていた。真面目に戦うのを終わらせて奇行に走りたい心情に比例した戦闘力増強をもたらすこのユーベルコードは、普段は奇行を主とする麗刃の戦闘力を爆発的に増大させていたのだ。
「やるなぁ……それなら」
最初の『シュラ』を斬り捨てた勢いに乗って、ズバズバズバズバッと四刀流で二体目、三体目と次々と斬り捨てていく麗刃の姿に、信久は感心したように呟く。同時に、『シュラ』達の注意が自身から麗刃に逸れた隙に、ユーベルコード『錬成カミヤドリ』を発動し、自身の本体である刀を四十四本複製する。
「ふん!」
さらに信久は、鞘を地に突き、渾身の力を込め、棒高跳びの要領で上空五メートルほどに跳び上がり、戦場を俯瞰する。
「……そこだな」
四体目を斬り捨てにかかる麗刃を取り囲んで、ユーベルコード『剣刃一閃・奪命』で攻撃しようと血塗られた刀を向けた『シュラ』三体に、信久は自身の複製達を浴びせかけた。
一度に十四~五本もの刀に次々と貫かれ、斬り裂かれれば、如何な呪術兵器とて耐えられる道理はない。『シュラ』三体は、瞬く間に活動を停止する。
「助かりました。ありがとうございます」
四体目を斬り伏せた麗刃は、信久の援護に神妙な面持ちで深く頭を下げ、礼を述べるのだった。
成功
🔵🔵🔵🔵🔴🔴
アイオン・ライラー
合戦など性に合わんが…クリスタリアンの同胞よりの依頼となるなら話は別だ。
宇宙海賊「アイオン・ライラー」の名に誓い、呪術兵器とやら「撃ち」取って見せよう。
…しかし大見得を切ったものの、遠距離戦を基本とする私は相性が悪い。まともにはやりあえんな。
で、あるならば闇討ちをする。山岳地帯なら幾らでも死角はある。更に我らクリスタリアンの妙技【クリスタライズ】を用いる。手頃な仲間を抱えてな。匂いは誤魔化せんが奴等の血濡れた刀はさぞ鉄臭かろう。
足音はあえて立てる。どこから聞こえるかわからんように疎らにな。こうすれば連中は敵の姿も数も判らず狼狽えるだろう。
後は懐に潜り【零距離射撃】で仕留める。これぞ必勝の策也。
クロエ・ウィンタース
この手合いとは尋常に戦う必要が無いな。
こいつらを効果的に運用する人間と合流する前に
ここで始末をつけてしまおう。
【SPD】共闘アレンジ歓迎
>行動
山賊や野伏と同じだ。気配を殺し横合いから奇襲を掛けて討ちにいく
【忍び足】【ジャンプ】等を駆使し
身を隠せる木々の枝の上や深い茂みの中に隠れ機を狙う
共闘者の戦闘開始ないし、なにかしら気が逸れた時点で
横合いから奇襲をかけよう
奇襲後は敵集団の中に飛び込んでいく。攪乱と攪拌が目的
【フェイント】を織り交ぜ【2回攻撃】で攻撃
首を狙うと見せて手足を
正面の敵を狙うと見せて背後や側面の敵を狙っていく
敵集団からの攻撃はUC【一寸の見切り】で【見切り】、【カウンター】を入れる
●修羅八体斃る ~弐~
時は、信久が『シュラ』達に仕掛ける前に遡る。
(合戦など、性に合わんが……)
それでも、クリスタリアンの同胞の依頼ならば話は別とこの場に参じたのは、紫水晶を思わせる鉱石質な髪に白磁のような肌の宇宙海賊、アイオン・ライラー(菫青色の反骨海賊・f19719)だ。
(『宇宙海賊アイオン・ライラー』の名に誓い、呪術兵器とやら、『撃ち』取って見せよう!)
そう意気込みながら木々の陰に潜みつつ、ユーベルコード『クリスタライズ』で姿を消しているアイオンに後ろから抱きしめられているのは、銀色の長髪に蒼い瞳の人狼の剣士、クロエ・ウィンタース(刃狼・f15418)。アイオンに抱きしめられていることによって、クロエにも『クリスタライズ』の効果が及び、その姿が透明になって消えている。
(……この手合いとは、尋常に戦う必要が無いな。こいつらが効果的に運用される前に、今ここで始末をつけてしまおう)
アイオン同様、クロエの戦意も高い。二人は奇襲を仕掛けるべく、その機を今か今かと待ち構える。
――程なくして、その機は訪れた。「毘」の旗を挟んで反対側で、信久と麗刃が攻勢に出たのだ。『シュラ』達の注意がそちらに逸れたのを好機とみて、二人は木々の合間から、『シュラ』達の中へと飛び込んでいく。
アイオンが手近な『シュラ』に肉薄し、頭部に改造ブラスター『Xb3/a-rs6C』の銃身を押し当て、撃つ。不意を衝かれた上に、見えない相手に対応出来ずに、その『シュラ』は『撃ち』取られた。
それに続き、『クリスタライズ』の効果を外れて姿を現したクロエも、『シュラ』のうち一体の頭部を断ち割りつつ、フェイントを交えて他の『シュラ』達を攪乱する。クロエに翻弄されている『シュラ』達は、姿を消しているアイオンにまで注意を払うことが出来ずに、次々と『Xb3/a-rs6C』で撃ち抜かれて活動を停止する。
「――――!」
残された『シュラ』達は、ユーベルコード『剣刃一矢・報復』を発動。斃された仲間の分も敵にダメージを与えんと、疾風のような突きでクロエを狙う。
「――切っ先一寸。剣術の奥とはこの間にあるものと知れ」
だが、クロエはユーベルコード『一寸の見切り』で、その全てを完全に回避する。如何に速かろうともただ命を奪うだけの呪術兵器の剣は、鋭い感覚を持ち合わせる上に剣術を修めた彼女にとっては驚異たり得なかったのだ。
それどころか、仕掛けてきた『シュラ』のことごとくが、突きの間にクロエの反撃を受け、地に倒れ伏した。
その攻防の間に、アイオンがまた一体『シュラ』の胸部に『Xb3/a-rs6C』を押し当てて、撃ち抜いた。
「どうやら、奴らを上手く『撃ち』取れたようだな。協力、感謝する」
「俺の方こそ、礼を言うよ。お陰で上手くいった」
二人で周囲の八体ほどを討ち果たしたところで、アイオンは姿を現し、微かに笑いかけながら礼を述べる。それに対し、クロエもやや微笑みながら、礼を返すのだった。
成功
🔵🔵🔵🔵🔴🔴
法月・志蓮
山岳地帯で少数の相手か……得意分野だとは思うが、さて。
山岳を【迷彩】した状態で【忍び歩き】し、時にはアンカーワイヤーを利用した【ロープワーク】で【クライミング】したりして縦横無尽に動いて狙撃ポイントと丁度いい地形を探そう
【地形の利用】が出来そうな場所を見つけたら【目立たない】ように【早業】で手早く【破壊工作】。いつでも岩崩れを意図的に起こせるようにしておくぞ
下準備が済んだら本番だ。狙撃ポイントへ移動したらタイミングを見て破壊工作を起動。岩崩れを起こし、それを陽動として《致命への道筋》で【見切】った箇所に《崩壊を招く一射》を撃ち込む
俺は【スナイパー】だ。仕留める時は、確実に決めてやる……!
●『シュラ』隊、壊滅
再び、時は遡る。
(山岳地帯で少数の相手か……俺の得意分野ではあるが、さて)
色彩変更機能を持つハイディングコートにより自身の姿を隠し、クライミングも交えながら信州上田の山岳地帯を如意自在に忍び歩くのは、黒い短髪に紅い瞳の法月・志蓮(スナイプ・シューター・f02407)。普段は適当で大雑把ではあるが、今は依頼の最中――それも、世界一つの未来を左右する戦争に関わる――と言うわけで、伊達眼鏡を外し、ストイックな雰囲気を醸し出している。
やがて、志蓮は目的の場所を見つけ出す。『シュラ』達より上方の、切り立った岩石質の斜面。そこに素早く『The Grenadiers』の爆薬をセット。
そして自身は斜面の上に上り、ユーベルコード『致命への道筋(クリティカル・スタンス)』を用いて、狙撃の体勢を取り、『シュラ』達を観察して見極めることで、攻撃力を強化する。
その時、『シュラ』達の隊の両側から、計四名の猟兵達が仕掛けた。
今が好機とばかりに、志蓮は爆薬を起爆。岩崩れが「毘」の旗の付近にいる六体の『シュラ』を襲う。
「――――!?」
戸惑いつつも、刀で岩を切り払う『シュラ』達。だが、それは陽動に過ぎなかった。
「俺はスナイパーだ。仕留める時は、確実に決めてやる……! 虎の子の弾丸だ……食らっていけ……!」
ユーベルコード『崩壊を招く一射(デストラクション・トリガー)』。狙撃銃『アサルトウェポン・カスタム《ThunderBolt》』から放たれた、砲弾以上の威力を持つ『徹甲炸裂焼夷弾』の一撃が、『シュラ』達の中心の「毘」の旗に直撃する。
次の瞬間、着弾地点の地面は摺鉢状に大きく抉られ、そこには炎と『シュラ』達の残骸が残るのみとなった。これを以て、『シュラ』達の部隊は消滅した。
大成功
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