2
エンパイアウォー⑤~目盛りの足りない定規

#サムライエンパイア #戦争 #エンパイアウォー #謎解き

タグの編集

 現在は作者のみ編集可能です。
 🔒公式タグは編集できません。

🔒
#サムライエンパイア
🔒
#戦争
🔒
#エンパイアウォー
#謎解き


0




「謎解きの得意な人、またサムライエンパイアに行ってもらえるかな?」
 グリモア猟兵の一人、ティモシー・レンツが呼びかける。

「サムライエンパイアの戦争で、なんやかんやで軍資金が……うん、あちこちで聞いてるよね。」
 サムライエンパイアにオブリビオンフォーミュラが現れ、討伐の準備をあの手この手で妨害している。
 その妨害の一端として、日野富子が物資を買い占めることで物価を釣り上げ、比喩ではなく軍資金が不足しており、対応のために徳川埋蔵金を頼ろうとしている――という現状を、『あちこちで聞いただろうから』と省略した。
「それで、僕が借りれた地図の場所、というか離れの隠し部屋は……座敷牢、っていうの? 普通の座敷に見えるんだけど、奥の宝と手前の問題文の間に、障壁があって。」
 物理的には木組みの柵だか格子がはめられただけだが、魔力的な結界も張られているらしく、木組みの奥には手が伸ばせず、力ずくで壊すこともできないらしい。
 とはいえ、奥の埋蔵金――少しの千両箱と、換金用らしい大量の宝石、少量だが何故か鉄鍋や鉄釘、櫛のような日用品を見ることはできる。

「じゃぁ宝が取れないじゃないか、って思うけど……謎を解けば、解錠されるみたい。問題文の他に、木箱が1つと、木札が……10枚かな? 赤字で1から5まで書かれたものと、黒字で1から5が書かれたもの、何も書かれてない1枚があるんだ。」
 数え間違えたポンコツ猟兵。赤字が5枚、黒字が5枚、無地1枚、で合計11枚です。
「とにかく、謎が木札の1枚だか10枚だかを指し示して、それを木箱に入れれば……なんやかんやで連動してるらしくて、解錠されるみたい。」
 木箱と木札がどう連動しているのかは疑問だが、とりあえず謎を解けばいいらしい。
「あ、もし間違えた札だけ入れたり、正解と余計な木札を入れると、良くないことが起こる……気がする。」
 よく外れる占いではなく、グリモア猟兵としての勘が警鐘を鳴らしているらしい。

「と、とりあえず、正答できるよう、頑張ってね!」
 良くないこと、のイメージに怯えつつも、グリモアを掲げて転送ゲートを開く。

●目盛りの足りない定規
 転送ゲートをくぐった先、隠し部屋に入ると、グリモア猟兵の言った通りに木箱と木札が置かれ、隣に問題文が置かれていた。
 問題文を手にとった猟兵の一人が、謎を読み上げる――。

 あるところに、ケチな男が居た。
 定規に使う墨も勿体無い、と基準点と二寸、三寸、五寸、七寸、拾一寸にだけ目盛りを打たせた。
 ある時、基準点と二寸の間、七寸と拾一寸の間で折れた。
 しかし、壊れたとしても直線が引ける、と男は捨てようとしなかった。

 さて、この壊れた定規で一度だけ測り、五寸以下の測れない長さはあるだろうか。
 あるいは、一度の測定でも二通り以上で取れる長さはあるだろうか。
 測れない長さがあれば赤字の木札を、二通り以上で測れるものは黒字の木札を、すべて木箱に入れろ。
 一寸から五寸をもれなく測れ、一通りのみでしか測れない場合、無地の木札を入れろ。

 ――つまり、赤と黒、赤だけ、黒だけ、無地、のいずれかが木箱に入れる札の組み合わせだろう。


唐傘
 初めての方ははじめまして。財政難の討伐をしたい唐傘です。

 このシナリオは、「戦争シナリオ」です。
 1フラグメントで完結し、「エンパイアウォー」の戦況に影響を及ぼす、特殊なシナリオとなります。

 不正解は出ないと思いますが、正解と不正解が混在する場合は正解者のみ描写します。
35




第1章 冒険 『神君家康公の謎かけ』

POW   :    総当たりなど、力任せの方法で謎の答えを出して、埋蔵金を手に入れます。

SPD   :    素早く謎の答えを導き出し、埋蔵金を手に入れます。

WIZ   :    明晰な頭脳や、知性の閃きで、謎の答えを導き出して、埋蔵金を手に入れます。

👑3
🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

種別『冒険』のルール
「POW・SPD・WIZ」の能力値別に書かれた「この章でできる行動の例」を参考にしつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
 プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。

不破・彩雅
ふむ、少し微妙な所だが考えてみるか。

まず、その定規は墨が打ってあるもので言うと、
『2 3 (4) 5 (6) 7』
このようになっているわけだな。

そうなると
1寸は2と3
2寸は3と5、5と7
3寸は2と5
4寸は3と7
5寸は2と7
の目盛りを使えば測れるわけだ。
となると全て測れるため赤札は必要ないな。
二通り以上で取れる長さとなれば、測る方法が2種ある2寸のことだろう。
つまり『黒の2』の札だけ入れればよいのではないだろうか?

解釈を間違えていることもある、見落としもあるかもしれない。
間違っていたら困るからな、他の者の考えも聞いてみたいところだ。


アニカ・エドフェルト
ええと、基準点と11寸が、使えません、から、
2寸、3寸、5寸、7寸の、目盛だけ、使う……
言い換えれば、「基準点、1寸、3寸、5寸」の、目盛で、となりますね。
差をとって、「1,2,2」としたら、わかりやすい、ですね。
1、3、4、5は一通り、2は「3-5」「5-7」で、2通り、出来ますから、
入れる札は【黒の2】と、いうことで、いかが、でしょう……?



「ふむ、少し微妙な所だが……黒の2、が答えだろうか?」
 最初に声を上げたのは、不破・彩雅(f19165)。
 その後、ちらほらと「赤と黒」や「黒を全て」と声が上がり……だんだん、不破が不安そうな顔になる。
「ええと、私も、黒の2……と、思い、ます……。」
 不破に続いて声を上げたのは、アニカ・エドフェルト(f04762)。
 とはいえ、二人とも不安そうなので答え合わせとして互いの考えを言うことにした。

「まず、定規に打たれた墨は、『2』『3』、4を飛ばして『5』、6を飛ばして『7』……となっているわけだな。」
「はい……。基準点と、11寸は、使えませんから……。
 そして、差をとって……目盛りの間隔、『1、2、2』とすれば、考えやすい、でしょうか……。」
「まず、1寸は2寸と3寸の間で測る1通り。……測る方法が1通りの時点で、赤の1と黒の1は不正解の札となる。」
「2寸を測る方法、差として出てますが……3寸と5寸の間、5寸と7寸の間、で2通り……つまり、赤の2は不正解、黒の2は正解の1つ、ですね……」
 そして同時に、2通り測れる長さが出た時点で無字の札も不正解となる。
「残りの3つ……3寸、4寸、5寸……それぞれ、1通りでしか、測れません、ね……」
「3寸は2と5の目盛り、4寸は3と7の目盛り、5寸は2と7の目盛り……以外に測る方法はないね。」
 寸法の測り方が1通りなので黒字の3枚は不正解となり、測定方法が存在するので赤字の3枚も不正解となる。

 複数の測り方があるのだから、黒字の札を全てでは――と、どこからともなく疑問の声があがるが。
「こ、この場合、条件を満たす札が2枚以上あるのに1枚しか入れないのはダメだよ、という事と……思い、ます……」
「私も、そう思って黒の2の答えに行き着いたが……。例えば、『1寸は2通り、2寸は1通り、3寸は1度では測れない』のような定規であれば、黒の1と赤の3を入れろ……というのが、こういった問題の『全て』だからね。」
 視線を集めて消え入りそうなエニカの後を継ぐ不破。
 それに、一通りしか測れない長さも入れる……という問題であれば、赤と黒は5枚でなく、『そういった長さがある』の1枚で事足りてしまう。

 ともあれ、二人の答え、考え方は一致しているので、黒の2の札を木箱に入れ――ほどなく、音もなく格子の一部が扉として開いた。
「え、えぇと、みなさんで、運び、ましょう……」
 千両箱に宝石に。……鉄鍋のような金属製の日用品は、現物支給のつもりか換金用かは不明だが、ひとまず運び出してから考えても遅くはないだろう。
 埋蔵金はいくらあっても足りないが、それを運ぶための人手も、何人居ても足りないだろう。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​



最終結果:成功

完成日:2019年08月05日


挿絵イラスト