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エンパイアウォー③~異国情緒溢れる無慈悲な刃~

#サムライエンパイア #戦争 #エンパイアウォー

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●異国の剣士が斬る
 東洋の神秘と言われる刀も、この世ならざる亡霊の西洋の両刃剣には敵わず。
 数度の打ち合いの末に刀は折れて、矢も尽きた足軽達の遺体が山岳の地に転がる――時に傾斜にそのまま従い転げ落ちた者すらもいる中で。
 最後の生き残りはそれでも懸命に戦う――その周囲に、息も切らさず、真夏の熱が籠る中で汗一つ浮かべない圧倒的な腕前が己を取り囲もうと。
「はあ、はあ……くそっ! 最後まで戦うぞ、この日の国の為に!」
 ただでさえ足場の悪い山岳地帯の傾斜に於いても、それをものともせず動く少女剣士達。
 異国の剣技は、日の国の中でも優れた腕前を持つこの男を容易く翻弄し、よしんば彼の薙ぎ払いが決まりそうになっても瞬間移動の如き速度を以てそれを躱し。
 それから疲労で息を荒げる生き残りを、背中から斬り捨てたのは言ふまでもなく。

●異界の天使が導く
「天の時、地の利、人の和……事を為すに大事な要素なのだけれども」
 異界の天使スフィーエ・シエルフィートは予知で見た光景を映し出しながら呟いた。
 天の時は互角、異国の剣士には地の利、幕府軍には人の和――人の和は地の利に勝ると言うが、それすら覆してしまう実力に肩を竦めながら。
「だが諸君らは必ずやってくれると信じている――というわけで、仕事だよ」
 スフィーエは改めて場に集う猟兵を見回して語り出す。

「さぁ語ろうか。舞台はサムライエンパイア、君達には山岳地帯に待ち受ける異国の剣士を倒して貰いたい」

 幕府は軍を二つに分け、八割を東海道方面へ、そして二割を中山道方面へ進軍させている。
 だが中山道方面の要衝である『信州上田城』は、信長六魔将が一人、軍神『上杉謙信』によって制圧されている。
 謙信は上田城周囲の山岳地帯に配下を潜ませ、進軍中の幕府軍を迎撃しに向かわせているのだという。
「信長公がかつて儀式で呼び寄せた異国……どこの世界かは知らんがね。とにかく異世界から来た彼女達が相手だ」
 先ほど予知で見せた、幕府軍の侍の部隊を軽々と倒した剣士達は、空中を華麗に蹴って移動したり、瞬間移動もかくやの速度で動いたり、敵の攻撃に対し同質の力を宿した剣を以て相殺する力を有しているという。

「場所はここ、植生の濃い森林地帯だ。木々の間を駆け巡ったり、瞬間移動を駆使する彼女達には待ち伏せや奇襲にもってこいの場所だろうね」
 スフィーエの映し出すのは山岳地帯のある領域。
 日当たりが良く、故に植生の濃い場所は背の高い木々が多く、張り巡らされた根により足場も不安定。
 その上、山岳という点で傾斜もある……地の利は確実に向こうにあるだろう。
「だが逆にこっちが地形を利用する手立てがあり、逆に奇襲し返したりできれば有利になるはずだ。される側には慣れてないようだからね」
 同様に木々の間を移動する手段で上回るか、傾斜を利用し突き落としたりするか……地の利を敵に活かされることには慣れてない分、決まれば大きいのだとも語り。

 そうして一頻り語り終え、良く冷えた紅茶を一口して一息入れると、彼女は語りを再開する。
「異界の剣士を以て対抗するならこっちも異界の力を見せてやればいい。故郷の諸君も、これが日の国の力だと見せてやってくれ」
 改めて転送結界を作り上げつつ、猟兵達に任せたと背中を後押しするように語れば、最後に彼女はこう締めた。
「さて、長々と語ってしまったが君達なら心配要らない。予知の光景とならないよう、力を貸してくれ……では、送るから準備が出来たら声を掛けてくれたまえ」


裏山薬草
●注意!!
 このシナリオは、「戦争シナリオ」です。
 1フラグメントで完結し、「エンパイアウォー」の戦況に影響を及ぼす、特殊なシナリオとなります。

 どうも、裏山薬草です。
 引き続き戦争シナリオをお送りしたいと思います。
 今回も張り切っていきましょう!

 今回は、山岳地帯で待ち受ける異国の少女剣士の集団を相手にしていただきます。
 山岳で植生の濃い地帯での戦いとなります。
 悪い足場や物陰に潜む術に長け、サムライエンパイアに無い剣技で戦います。
 物陰などに潜む相手に奇襲する手段や、山岳地帯の地形を利用(※同名の技能だけではなく)するプレイングがあれば有利になります。

 それでは皆様のプレイングをお待ちしております。
 裏山薬草でした。
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第1章 集団戦 『異国の少女剣士』

POW   :    跳躍飛翔
空中をレベル回まで蹴ってジャンプできる。
SPD   :    縮地法
【瞬間移動】により、レベルの二乗mまでの視認している対象を、【至近距離からの斬撃】で攻撃する。
WIZ   :    憑呪宿奪
対象のユーベルコードに対し【その属性や特性を奪い取る斬撃】を放ち、相殺する。事前にそれを見ていれば成功率が上がる。

イラスト:ちーと

👑11
🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​

種別『集団戦』のルール
 記載された敵が「沢山」出現します(厳密に何体いるかは、書く場合も書かない場合もあります)。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
 それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。

伊美砂・アクアノート
【SPD 短刀法選・八天斬】
ったく、可愛い嬢ちゃんを斬りたくはないんだが、これも世の習いだ。恨んでくれて構わないが、その首は置いていって貰うぜ?
【暗殺11、投擲10、スナイパー10】で銃による狙撃。銃弾が当らない、もしくは敵が近づいてきたら銃を捨てる。【罠使い11、毒使い10、破壊工作8、物を隠す5、地形の利用5】…糸と毒と爆物のトラップでゴザル。最短距離一直線で来るようなら、草木の茂みを通過した途端に連鎖で罠起動するようにしておくよ。 ……これでダメなら、暗器を投げつけ攻撃しつつ、鉈による斬撃戦に持ち込む。遠近両用、変幻自在がウリなのさ。さあ、あとは速さ比べだ。こっちもギアを上げて行くよ…!



●混沌戦役
 植生の濃い山岳の森林地帯に飛び交う、少女の影とそれを追うは鉛弾。
 木々と枝の妨害を擦り抜けて迫る硝煙と質量の鉄槌が、既に何人かの少女剣士を地に堕としていた。
(ったく、可愛い嬢ちゃんを斬りたくはないんだが、これも世の習いだ)
 伊美砂・アクアノート(さいはての水香・f00329)の突撃銃から放たれる銃弾が、少女剣士達の駆ける動きよりも速く、正確に突き刺さっていく。
 だが少女剣士達も銃による攻撃を見切り、鉛弾を次第にその剣で切り払うようになっていけば、射手の居場所目掛けて瞬間移動を繰り返しながら迫っていく。
 視認の範囲が及ばなければ及ばないで、場からは消えて、すぐさまに別の場所へ現れてを繰り返しやがては追い詰めるのかと思いきや。
「っ、何ッ……!?」
 茂みに隠された糸を踏んでしまったことに気付いたが最期。
 弾かれた糸が迫る少女剣士の柔肌へ食い込みその身体を縛り上げ、続き放たれる焼夷弾と毒霧が次々と少女剣士の体を焼くか、毒に平伏させていき。
「……糸と毒と爆物のトラップでゴザル」
「くっ、卑怯な……」
「どの口が言うんだか」
 毒に命を終えていく剣士の恨み言に、苦笑しながら答える。
 物陰に潜み地の利を得て異国の剣で日の国の侍を仕留める彼女らには言われたくないだろう――そう。
「厄介ですね。何を以て攻めようと対応してしまう」
「遠近両用、変幻自在がウリなのさ」
 罠を逃れた生き残りが、背後から迫らんとした刹那、背中にも目がついているかの如く分銅を投げ放ち手首を捕え。
 引き寄せた勢いで鉈を振るい、少女の剣と鍔迫り合いを躱しつつ。
「さあ、あとは速さ比べだ。こっちもギアを上げて行くよ……!」
「くっ……」
「恨んでくれて構わないが、その首は置いていって貰うぜ?」
 少女の剣を下から掬い上げるように分厚い蛤刃が弾き飛ばし。
 鉈の切っ先が重く、鋭く――少女の喉笛を深く抉り、その命を絶つのだった。

大成功 🔵​🔵​🔵​

フレミア・レイブラッド
地形を使ってくるなら、どうせなら逆に利用してあげましょうか♪

周辺の地形図を確認。幕府軍本隊の侵攻ルートから本隊を奇襲するのに有効な潜伏・奇襲ポイントを割り出し、そこに逆に奇襲を掛けたり、先回りして罠を仕掛けておくわ♪

戦闘では【ブラッディ・フォール】で「時計の国の少年アリス」の「狂える時計ウサギ」のうさ耳とドレス姿へ変化。
【念動力】で周囲の空間に念動力の網を張って置いて不意打ちの縮地法を警戒。
念に掛かった瞬間【フェイタル・ショータイム】で時間停止してカウンターを掛け、【サディスティック・メルヘン】で捕縛するわ♪
後は心折れた子を【魅了の魔眼・快】で魅了し、眷属にすると同時に情報を頂こうかしら♪



●御伽草子殺戮噺
 空を自在に蹴り、瞬間移動を駆使する彼女達にとってここは庭のようなものの筈であった。
「馬鹿な!? 読まれていただと!?」
 だが彼女達の悉くが、進軍先と少女剣士の特質をそのもの正にと言わんばかりに見切られ罠に掛けられ動きを封じられていく。
 地を読み仕掛けるならまだしも、罠に嵌める者を如何にして知ったのか――
「一体どうやった!?」
「さぁ? アナタ達で勝手に想像しなさい――さて、行くわよ」
 罠を仕掛けた張本人であるフレミア・レイブラッド(幼艶で気まぐれな吸血姫・f14467)は得意気に、少女剣士達の前に現れると、少女達の疑問を伏してその身に過去の亡霊の力を宿す。
「骸の海で眠るその異形、その能力……我が肉体にてその力を顕現せよ!」
「ぬぅ、面妖な……だが怯むな! 数の利は此方に有りだ!」
 宿す力は御伽の国の白き女王――華美なる白き衣に、兎の如く耳を生やす姿。
 罠を逃れフレミアの背後から一斉に襲い掛かる少女剣士達だったが、想定済み――念力の網は彼女達の存在を既に捕えていた。
「数の利が、なんですって?」
 時空をも操る御伽兎の力を以て、僅かに時を停め――その一瞬で十分。
 逆に背後を捕えんとした剣士の後ろを逆に捉えれば、頸椎に槍の石突を一つ打ち据え激痛で動きを封じ。
 時間が動き出せば数の利など何処へやら、奇襲を駆けんとした少女剣士達はもはや次々と動きを封じられ。
 そこに次々と襲い掛かる、どこか和やかにも見える御伽めいた拷問器具が手足を次々に折っていきつつ。
「……くっ、殺せ!」
「殺しはしないわ。そうね……他の子が後どれくらい居るか、まず喋って貰おうかしら。さぁ、私の目を見て……♪」
 腰を抜かしながら叫ぶ一人の姿に、その紅き瞳に加虐の恐ろしき輝きを宿し。
 フレミアは少女の顎を掴み真っ直ぐにその瞳を見据えれば。
「私がそんな瞳術如きに……わ、我が主君殿……♪」
 其処には、蕩け切った少女剣士の顔が一つ……。

成功 🔵​🔵​🔴​

四季乃・瑠璃
【破壊の姫君】で分身

【情報収集、高速詠唱、全力魔法、ハッキング】で森林地帯一帯に探知魔術を掛けて情報を収集し、敵の移動経路等の動向確認と周辺地図で奇襲ポイントをチェック。
先行して予め潜伏予想ポイントに【罠使い、範囲攻撃、早業】遠隔式ボムを設置。探知呪術で敵部隊が各ポイントに着いた瞬間を見計らって同時起爆。
更に混乱に乗じて飛び出し、空中から接触式ボムによる空爆の雨で更に混乱を加速させ、一体ずつ仕留めて行くよ。
跳躍してくる敵は逆にこっちから大鎌の加速を使ってタイミング崩して叩き斬るよ

緋瑪「相手も既に移動先に罠が仕掛けられてるなんて思わなかっただろうねー」
瑠璃「ついでに空爆も初体験だろうしね」


上野・修介
※連携、アドリブ歓迎
戦であろうと、やることは変わらない。
もとより常在戦場。

【覚悟】を決め、腹を据えて【勇気+激痛耐性】推して参る。

呼吸を整え、無駄な力を抜き、戦場を観【視力+第六感+情報収集】据える。
敵の大まかな数と配置、周囲の地形を把握。

まずUCを使用し周囲の地形ごと遮蔽物を【――砕く】

常に【フェイント】を掛けながら動き回って燻り出しつつ、【ダッシュ】で相手の懐に肉薄して武器のリーチを殺し一体ずつ確実に倒す。
囲まれそうになれば迷わず退き【逃げ足】仕切り直す。
擒拿術と柔術を主眼にした超至近戦闘【グラップル+戦闘知識】で攻める。
飛翔する敵は砕いた遮蔽物を打撃で飛ばし【地形の利用】て対処。



●天に爆ぜたり、地に震えたり
 静かな山岳地帯の木々の中、隆起する木の根に足をかけ静かに呼吸を整える。
 息を吐き無駄な力を体から棄てて、息を吸えば周囲に巡る木々の気配と静かな――否、違う……狭い其処に潜む敵意をありありと感じる。
「…………」
 数にして三十は下らない、少女の身で静かな暗殺者の如き殺意を感じる――それと同時に、自身より先行していたであろう者が仕掛けた爆弾の存在も感じる。
 上野・修介(吾が拳に名は要らず・f13887)は改めて大きく息を吸う。
「――スゥー……」
 やることは変わらない、仕掛けるのは――
「――フンッ!」
「なっ……!?」
 ――少女剣士の一人が、先に仕掛けられた爆弾に秘められた呪的なる探知に引っ掛かったその瞬間。
 仕込まれた火薬が爆ぜ、少女達を飲み込むと同時――修介が、隆起した木の根を紙風船を潰すが如く踏み砕けば。
「くっ……何という無茶を!」
 発生する衝撃によって薙ぎ倒された木々と、立て続けに起こる爆発に呑まれていく少女剣士の一人が青冷めていく。
 奇襲など意味を為さない――木々の薙ぎ倒された今、地の利もなく人の和も混乱を極めた今となっては。
「行くよ、緋瑪」
「行こう、瑠璃!」
 その爆弾を仕掛けたのは四季乃・瑠璃("2人で1人"の殺人姫・f09675)と緋瑪、一つの体に二つの御魂持つ多重人格者。
 事前に森に巡らせた術により、剣士の動きを探り仕掛けていた彼女達は、その背に魔導機械の翼をはためかせ、混乱に乗じて飛び出し。
「「さぁ、わたし達の破壊を始めよう」」
「空からだと!?」
 慌てふためく少女剣士達に、二人で一人の殺人姫は容赦なく爆弾を投げ込んでいき。
 日の国に馴染み浅き空爆の熱風が次々に少女剣士を分断し、時に孤立する少女が爆炎の中に呑まれていく。
 天からの爆撃を唯一にして辛うじて隠すであろう木々も、薙ぎ倒された今となっては、最早、瑠璃と緋瑪の餌食に他ならず。
「慌てるな! 男の方を狙……え?」
「……もとより常在戦場。これしきのこと」
 その混乱を指揮官らしき少女が声を張り上げ、体勢を立て直そうとしても。
 地に強く在るこの男、修介は狙われる餌に非ず。
「既に覚悟は……できている」
 剣の懐に潜り込み、刃の利を生かせぬ状況に持ち込まれ。
 一瞬の硬直の隙に、その刃を握る手首を強く握り潰さん勢いで掴めば、苦痛の喘ぎと共に剣を落し。
 その少女の脚を払い、勢いで傾斜に幾度となく打ち付けるように投げ飛ばしていき。
 驚愕する少女の懐に又潜り込むと、剣持つ手首を再び抑え、胸倉を引っ掴みその首を圧し折る勢いで地面に叩き付けることで、一つ一つを確実に斃していく。
 だが少女剣士達も負けてはいない――数の利だけは活かし、飽く迄一対一の戦闘に特化した彼を取り囲み追い詰めていくが。
「私達のことを忘れてない?」
「いいね~、ここまで気を取られると空爆しやすいよ」
 必死に修介を取り囲み四方八方からの一斉攻撃で斬り伏せんとしても。
 天に待ち受ける瑠璃と緋瑪が投げ放つ爆弾の、容赦なき熱風が修介が離脱するのと入れ替わりに落とされて。
「逃がすか」
 それでも、必死に空を蹴ることで爆風から逃れ瑠璃と緋瑪にその刃を向けて斬りかからんとしても。
 圧し折れた木を盛大に蹴り飛ばした修介の、地からの重く強かな一撃に少女達はよろめき。
 その隙は命取り――爆発の推進を利用した瑠璃と緋瑪の大鎌が、加速をつけてその刃を、少女の体に通り抜けさせて。
 地に降り注ぐは血の雨……それを後方へ跳躍し躱しつつ、修介は共闘した瑠璃と緋瑪に軽く会釈をし。
「相手も既に移動先に罠が仕掛けられてるなんて思わなかっただろうねー」
「同じくして、木々が倒されることも予想外だったでしょう」
「ついでに空爆も初体験だろうしね」
 ――そうして言葉を交わしていれば、木々の隙間から這い出る影の一つ。
 天地に共闘した三人の戦いですらない蹂躙は、続く――!

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

ティエル・ティエリエル
SPDで判定

「おサムライさんの代わりにボクが相手だー!」
背中の翅を羽ばたかせて「空中浮遊」、空中を蹴って跳躍してくる少女剣士達と「空中戦」を繰り広げるよ!

小さな身体を利用して木々の間を飛び回って相手の視界から一瞬消えることで瞬間移動で至近距離まで近寄ってくるのを防ぐね♪
それでも空中にいるボクに【縮地法】で近寄ってきたら、相手のお株を奪うように【スカイステッパー】で緊急回避!
きっと【縮地法】の直後なら空中を蹴って逃げることも出来ないはず!
風を纏わせたレイピアによる「属性攻撃」で地上に叩き落しちゃうぞ!

※アドリブや他の方との連携も大歓迎です


山北・樅
隠れて殺すのは得意。
けど相手も同じなら、工夫しないと殺せないか。

敵を誘い出すように移動してみる。
基本的には木陰や草叢の暗い所へ身を隠しながら進んで、速度重視に見えるように、途中で木漏れ日が差してる明るい所をわざと通る。
次に暗い所を渡るときに、石とか木の枝とか、ないなら私の服の一部を草叢に投げ込んで、そっちに隠れたと偽装する。
少し待って敵が近付いて来たら、死角から【刺天】で殺す。
また距離を取られないように組み付いて、首か胸を確実に刺した方が良さそう。

これだけ私達が配下を殺して回ってるのに出てこない軍神、分かんないな。
そういうものかな、神様って。

アドリブ連携歓迎



●光と影、二つの疾風
 木々の中を、存在感のある黒い影が走る――それを追う白き影の剣士達。
 剣士達が見るに、物陰に潜む遁術はほぼ互角……時折移動をする為に影となって出ていく姿見るに、その正体を捉えることは敵わない。
 ただし……木漏れ日のより鮮やかに指す部分も厭わず進むのは、二流と少女剣士達は解釈していた。
 それが山北・樅(自由隠密・f20414)の策略であることに気付く者は誰も居ない――敢て光指す道を厭わぬように進む、速度を重視しているように見せかけるのは、誘き寄せる為の策略であることを。
 そうして物陰に潜みつつ、少女剣士達が己についてくることを確認しつつ――服の一部を引っ掴み。
 木漏れ日の指す地点を見計らい、それを投げ放つ――全ては別の茂みに逃げ込んだと見せかけて、背後を突く作戦だ。
(! 二手に分かれた……けど計画通り)
 だが少女剣士達も警戒を怠っていないのか、ここで戦力を二つに分けて一つは留まり全体を警戒する動きに変わり、もう一つはそのまま追う。
 一筋縄ではいかない……と思いきや、留まる側の方に光の煌めきを残すように踊りでる妖精が一人。
「おサムライさんの代わりにボクが相手だー!」
 細剣を突き出してくるティエル・ティエリエル(おてんば妖精姫・f01244)の攻撃を、小ぶりな剣で受け流しつつ少女剣士は手近な枝に立つ。
 どうやら留まった少女剣士達は、ティエルに標的を向けたのか、一斉に小ぶりな剣を以て彼女目掛けて斬り込んでいく。
 だがその動きを、本来ならば潜り抜けることも叶わぬだろう――しかし妖精族の小さな体は、逆にこの状況下、大きな利点となり得る。
 剣士の刃が振るわれて、これは逃げられぬだろう……そう思うほどの密集した刃であっても、妖精の翅が光の軌跡を残し木葉と枝の間を擦り抜けて妖精は翻弄する。
 囮を追う少女剣士達の背後を追う樅に、こっちは任せてと無言で見送りつつ、ティエルは少女剣士達を翻弄する。
「瑛吾・踏律玖!」
 翅煌めかせ、舞うティエルに業を煮やしたか、少女剣士は異界の詠唱による瞬間移動を以て背後に回りその刃を以て斬り伏せんとしたが。
「こ、この技は……っ!」
「ふっふーん♪ ボクに出来ないと思ったー?」
 それすら予測していたと言わんばかりに、虚空を蹴り宙に勢いよく飛翔して斬撃を躱す――それは、少女剣士が得意とする技の一つ。
 完全にお株を奪われ、呆気に取られる彼女達の隙を目掛けティエルは次々と蜂の如く鋭き突剣を繰り出していく。
 剣より走る旋風は、空中で一瞬硬直する少女剣士達を地面に次々と叩き落していく……大抵は助かる位置でなかったが。
「……」
「ッ……!」
 堕ちた少女剣士の立ち上がらんとする身体に体重を掛け忍び寄ったは樅。
 振り向く暇もなく頸動脈を短刀で抉り確実な死を与えたのを確認して立ち上がる。
 既に彼女の策略そのままに、囮に気を取られ茂みに殺到してきた少女剣士達を、その背後から組み付き心臓を貫き。
 時に短刀を引き抜く動きからそのまま懐に潜り喉笛を掻き切り命を絶つことで殲滅してきた彼女は戻ってきたのだ。
 確実に、今度はティエルに気を取られているであろう少女剣士の背後を取り突き刺し殺す為に――!

「これだけ私達が配下を殺して回ってるのに出てこない軍神、分かんないな」
 これで最後、ということをティエルと共に確認しながら樅は呟く。
「そういうものかな、神様って」
「んーと、良く分かんないけど」
 そんな樅の疑問に首を傾げながらティエルは答える。
「ニックネーム?みたいなので、本物の神様とかじゃないと思うよー☆」
「ん、そっか……」
 飽く迄ただの異名。
 神と呼ばれるに等しき力を持っているだろうが、神そのものではない……だが、決戦はいずれ来るだろう。
 だが一先ずは。
 かの軍神の戦力を一つ潰したことに安堵しつつ、猟兵達は場を後にするのだった。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​



最終結果:成功

完成日:2019年08月06日


挿絵イラスト