エンパイアウォー③~怪
●青の怪異
信州上田城。
今やそこは、軍神『上杉謙信』の軍勢に制圧され、徳川幕府軍の『中山道方面軍』を殲滅する準備を整えている状況。
そんな信州上田城がある山岳地帯に、大量の刀や槍、弓などが転がっている。青い妖気を纏って辺りに散らばるそれは、当然ながらただの武器ではない。
この全てが怪異によって動き出す、曰く付きの武器なのだ。
武器は魔軍将の合図を待って、静かに佇んでいた。
●グリモアベース
「はい、どんどん予知をしますよ。今回は山岳地帯にあるオブリビオンの集団を撃破をお願いします」
ウィルバー・グリーズマン(入れ替わった者・f18719)はニコニコと笑いながら、三度目の戦争予知の内容を語り出す。
「上杉謙信に制圧された信州上田城は小さな山城なので、オブリビオン全てを収容する、といった事が出来ない訳です。そして、城に入り切らない分を周囲の山岳地帯に配置した訳ですね」
かと言って余り物という訳ではなく、戦力は充実している。
特に主力部隊の戦闘力はかなりの物で、今回の敵も相当強いらしい。
「今回の敵は、呪われた武器の集まりですね。ポルターガイストと言った方が分かり易いでしょうか? 妖気で動いて襲い掛かって来ます」
場内に放置していると呪い振り撒くからか、山岳地帯に送られたのだろうか。
兎も角、正面から挑むとかなり危険な相手との事だ。
ウィルバーは少し考えてから、口を開いて。
「戦場が山ですからね、奇襲も容易かと思います。上手い具合に地形を活かせれば、相当楽に戦闘を進められると思いますよ。樹木も多いので、隠れながら戦うのも有効かと」
正面からだと危険ならば、策を持って戦う。
障害物を盾にするなどで戦えば、相当楽に戦える筈だ。
「勿論、自信があるならば正面から戦っても構いませんよ。それでは、武器を操る怪異のオブリビオン撃破、よろしくお願い致します」
そう言うと、ウィルバーは山岳地帯のオブリビオンの近くへと転送を始める。
小強欲
このシナリオは、「戦争シナリオ」です。
1フラグメントで完結し、「エンパイアウォー」の戦況に影響を及ぼす、特殊なシナリオとなります。
どうも、小強欲と申します。
またまた戦争シナリオを出してみました。
詳しい内容はOPの通り。
奇襲して、地形を利用しつつ、オブリビオンを叩き潰しましょう。(要約)
正面から挑む場合、かなり傷を受けると思います。
それでは、楽しく素敵なプレイングをお待ちしております。
●他
プレイングが来たらとりあえずリプレイを書きます。
4名様以上のプレイングを頂いた後、全リプレイが書き終わり次第に一斉提出してシナリオを終了します。
また、リプレイ提出時には一度リロードしますが、その際にプレイングが増えていた場合は、そのリプレイを書き終えてから一斉提出します。
第1章 集団戦
『兵器百般』
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POW : 騒霊カミヤドリ
【纏っている妖気の色が血のような赤】に変化し、超攻撃力と超耐久力を得る。ただし理性を失い、速く動く物を無差別攻撃し続ける。
SPD : ひとりでに動く武器
【念動力で浮遊すること】により、レベルの二乗mまでの視認している対象を、【自身が持つ武器としての機能】で攻撃する。
WIZ : 武器の知恵
技能名「【武器攻撃】【武器受け】【戦闘知識】」の技能レベルを「自分のレベル×10」に変更して使用する。
イラスト:童夢
👑11
🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵
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種別『集団戦』のルール
記載された敵が「沢山」出現します(厳密に何体いるかは、書く場合も書かない場合もあります)。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
| 大成功 | 🔵🔵🔵 |
| 成功 | 🔵🔵🔴 |
| 苦戦 | 🔵🔴🔴 |
| 失敗 | 🔴🔴🔴 |
| 大失敗 | [評価なし] |
👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。
水元・芙実
…武器かあ。…木の柄とか除けばほとんど無機物よね?
じゃあやることは簡単ね、幻炎合成法で別の物質に置き換えて形を保てないようにしちゃおう。
じゃあ酸素に変えちゃおう、えいっと。
ついでに周りの空気も酸素に変わっちゃうかも知れないけど。…複数の敵が固まっていれば酸化も促進させそうだし。
簡単に言うと錆びるって事ね。
直接変化が効きにくい?
じゃあ濃塩酸で溶かしちゃおう。強度がちょっとでも落ちればそれで十分だし。なまくらな刃物は脅威度が減るわ。
正直質量弾とかのほうが厄介ね。
例えば(手近な石を投擲)こういうのとか。
戦国時代の死亡率一番は投石だったわよね?
あ、炎使う人がいたら注意した方がいいかな、よく燃えるから。
山岳地帯にある開けた大地に、大量の武器が転がっている。
刀、弓、槍や斧。鎖鎌に手裏剣、本当に様々な武器が。
「……武器かあ」
狂科学者見習いである水元・芙実(スーパーケミカリスト・ヨーコ・f18176)は、樹木の陰からその武器を見て考えている。
その武器の多くは鉄などの金属を使った無機物である。唯一、弓は木材を使っている有機物だが、それ以外はほぼ金属が材質だ。
故に、単純に戦う場合はかなり頑丈だが、奇襲を仕掛ける場合は弱点も多い。
「じゃあ酸素に変えちゃおう、えいっと」
芙実はそう言うと、幻炎合成法を発動する。
周囲の無機物を狐火で包み込んで、別の物質に置き換えるユーベルコード。
それが発動されれば、数本の武器が一瞬にして消滅して、辺りに多量の酸素を発生させる。
すると、幻炎合成法の攻撃範囲から逃れた鉄製の武器が、酸化で錆びて行ってしまう。
一足遅れて武器に青い妖気が纏われると、それは空中に浮かび周囲を警戒して。
「っと、効きにくくなったわね」
同じ様に酸素に変換しようとするが、妖気がそれを軽減してしまい、最初ほどの絶大な効果はない。
それならば、変換させる物質を別の物に変えて、再度、幻炎合成法を発動。
金属の武器が濡れるとドロリと溶けてしまい、それの強度が大きく失われて、なまくらへと変わってしてしまう。
そう……その物質とは、濃塩酸だ。
「あ、効いてる効いてる。後はこれで……」
手近な石ころを掴み取ると、それを一本の刀に向けて投げてみて。
放物線を描いて石は見事に刀に命中。ボギィッ、と鈍い音を立てて、折れてしまった。
「……投石ってほんと怖いわね」
戦国時代の死亡率は、投石が最も高いとも言われている。
安価で手に入るのでよく使われ、投石隊なる部隊も存在したとか。
酸化と濃塩酸の合わせ技によって強度は最低限にまで減少し、後は隠れながら投石だけで倒せるだろう。仮に見付かっても、あの性能では芙実を傷付けるのも難しい。
一方的に投石を続けて、芙実は次々と武器を砕いて行くのだった。
大成功
🔵🔵🔵
虎熊・月霞
武器がひとりでに戦うって――すっごい便利そーだよねぇ。僕の言う事聞いてくれるんだったら一個ぐらい持って帰りたいなぁ。
……まぁ絶対無理だろーけどねぇ。楽しようとして余計に大変になるやつだろうしなぁ。
【POW】
まぁウィルバーの言うとおりに【地形の利用】をして、【忍び足】とか【目立たない】様にして【暗殺】していこうかなぁ……武器相手だけど暗殺であってるのかなぁ?
とりあえず武器相手だし【鎧砕き】とか【武器落とし】の要領で相手取れば問題は無いかな!それに、斬鉄ぐらいは出来るしねぇ。
忙しいしぃ、さくさくっと一本ずつぽっきんぽっきんへし折っていこー。
「武器がひとりでに戦うって――すっごい便利そーだよねぇ」
警戒を始めて周囲に展開している武器を、虎熊・月霞(電紫幻霧・f00285)は木の上で、遠目から観察している。
もしも自分の言う事を聞く怪異ならば、一つくらい持って帰るのも良いと考えている。問題は、相手がオブリビオン……それも上杉謙信の配下と言う点だろうか。
「……まぁ絶対無理だろーけどねぇ」
言う事など聞く筈もないし、間違いなく自身を攻撃してくるだろう。怪異を大人しくさせる為に手数を割く必要もある。
無駄に疲れそうな気もするので、諦めて月霞は各個撃破を狙う事に決めた。
野太刀『童子切・鬼血』を抜くと、木の上を飛んで移動。
音を立てないように静かに着地して、次々と渡って行く。一本の樹木の下を覗けば、そこには片手斧が存在して。
(「さて、暗殺……武器相手だけど暗殺であってるのかなぁ?」)
心の中でそんな事を思っているが、オブリビオンだから恐らくは合っているだろう。
小時間集中して、パチィッ、と野太刀に雷光を纏わせれば、木から飛び降りて、片手斧に一太刀を浴びせた。
パキィン! 鋭い音が辺りに鳴り響けば、片手斧の怪異は両断されて、動かなくなってしまう。
「よし、一本目……おっと」
それに気付いたのか、別の武器が飛来する風切り音が聞こえて。
すぐに木の裏に潜むと、そこに現れるのは刀と弓。弓の方は矢が付属している。
(「うっ、なんかヤバそうな雰囲気……」)
妖気が血の様に赤く染まり、見るからに嫌な気配だ。
正面から戦うと危険、と言うのはこの部分が大きいのかも知れない。
このまま隠れ続けるのにも限界がある。
ならば、先に近接武器を破壊して、次に遠距離武器を。確実に破壊しようと考えて、すぐに実行に移す。
「せぇいッ!」
姿を現すと同時に野太刀を突き付ける。地面をしっかりと踏み締めたその一撃は、先ほどの一撃よりも速く鋭い雷が発生して、まずは刀を切り裂いて。
即座に反応した弓は、矢を番えて発射……しかし、月霞の切り払いがその矢を、弓ごと切り裂いてしまった。
「さて、この近くのは全部倒したねぇ。忙しいしぃ、残りもさくさくっと一本ずつぽっきんぽっきんへし折っていこー」
月霞は野太刀を鞘に収めると、再度木に登って行って、同じ様に奇襲で武器を狙って行く。
次からは危うげなく、楽に倒せる事だろう。
大成功
🔵🔵🔵
愛久山・清綱
ポルターガイスト。俺の故郷にも存在する会談だ。
呪いに憑依と、様々な原因があるのだよな。
■襲
目立つ羽を隠し、足音を立てないよう歩く。
大股でそーっと動き、木々に隠れつつ移動。
敵の集団を見つけたら気取られる前に【早業】の
抜刀から【空薙】を放ち、切り伏せる。
全て倒せたら再度隠れる。
■闘
仕留めきれなければ戦闘へ。
武器が赤く光ったら大なぎなたを【怪力】を
込めて投げ、【念動力】で素早く操作。
敵の意識をなぎなたに向けさせる。
縦横無尽に操作することで理性を失った敵を密集させ、
互いを『速く動く物』と認識させて同士討ちを誘発。
その間俺は集団目がけて【鎧無視攻撃】を絡めた
【空薙】を放ち、今度こそ止めだ。
※アドリブ歓迎
樹木が密集する地帯。
ここにも様々な武器が青い妖気を放って、警戒して動いており、非常に危険な場所となっている。
木々の間を静かに歩いている愛久山・清綱(飛真蛇・f16956)は、大きな羽を隠して、足音を立てないように移動して。
とても小さな川が流れている場所を見付けると、そこに幾つかの武器がある事を確認。
「……ポルターガイストか」
小声で呟く。
清綱の故郷にも存在している怪談。呪いに憑依と様々な原因があるが、今回の武器は曰く付きの妖気がある。呪いと憑依の両方だろう。
一本一本に怪異があり、それぞれが別の行動をする。これが一つの怪異が操っていたのならば、もっと楽に終わったのだが……。
「あまり時間は掛けられん」
そう言って、無骨な合金製の刀、今刀を抜き放つと、まずは最も近い武器に向けて、空間断ちの一撃……空薙を繰り出した。
一本がパキンッ、と音を立てて折れてしまうが、すぐに他の武器の妖気が赤く変化して、強化されてしまった。
「あれは、まずいな。近寄らせてはならんか」
同じ様に空薙で斬り裂こうとするが、超硬度のそれは一撃では折れず、放たれた位置に気付いたのか、清綱に向けて飛来して。
「くっ、速い……ッ!」
強度もそうだが、その速さは清綱でも避けるのがやっとと言う、凄まじいものだ。……だが、これには大きな弱点がある。
清綱は後退しつつも、大なぎなたを素早く取り出すと、それを凄まじい腕力で空中へと投げてしまう。
すると、清綱に向かっていた武器達が、全て大なぎなたへと標的を変更して、そちらに向けて移動を始める。
「少し危うかったな。だが、後は俺の時間だ」
大なぎなたに念動力を込めれば、その速度を保ったまま動かして、縦横無尽に操作をして行く。当然、武器達もそれを追って移動するが……。
無茶苦茶に移動したそれは、他の武器も巻き込む様にして動いてしまい、空中でガキンガキンッ、と音が鳴り響いて、同士討ちが発生した。
赤い妖気は圧倒的な攻撃力と硬度を得る代わりに、速く動く物を執拗に狙い続ける、バーサーク状態の様な力だ。だからこそ、この様に味方同士で争い合う事もある。
「今度こそ止めだ……空、薙っ!」
清綱、渾身の居合抜き。
その空間を断つ剣閃は、同士討ちで強度が著しく低下した、密集している武器に向けて放たれる。
僅か一撃の空薙で、全ての武器を叩き斬ってしまった。
大成功
🔵🔵🔵
峰谷・恵
「待ちには待ちってね」
息を潜め岩陰に隠れて敵と他の猟兵が戦闘し始めるまで待つ。
戦闘音がし始めたらそちらに向かって走り、敵集団を見つけ次第敵密集地に接近し全射撃武器によるフルバースト・マキシマムを発動、一気に撃破する。
その後はMCフォートと熱線銃の連射(誘導弾+2回攻撃+鎧砕き)で一つずつ撃破、妖気が赤く変色したものにはアームドフォートの砲撃で追撃。周囲に敵が集まってきたら再びフルバースト・マキシマムで一掃する。
敵の攻撃は極力回避。かわせないものはダークミストシールド(盾受け+オーラ防御)で防ぎ、遅すぎた収穫期を叩きつけ(怪力)て破壊する。
「ひとりでに動く武器に夜襲かけられてたらホラーだったね」
山岳地帯の木々が比較的少ない場所にて、峰谷・恵(神葬騎・f03180)が岩陰に隠れて、機を待ち続けていた。
迂闊に動いて武器と鉢合わせるのは危険……確実に奇襲できるようにと、恵は静かにそこで息を潜める。
(「待ちには待ちってね」)
敵も動く事は多くはなく、せいぜい一、二体が警戒活動で動く程度。それも、山岳地帯を広範囲にだ。
纏めて吹き飛ばす戦法を取る場合、奇襲で気付かれない内に削るのが良い。
なればこそ、恵はその瞬間を待ち続けている。
暫くすれば、辺りに響き渡る戦闘音。
これは川の近くだろうか、恵はすぐにその場へ向かって行く。その道中に目にしたのは、同じく音に気付いたであろう、複数の武器達。当然とばかりに、一纏めになって音のした場所へと向かっている。
「チャンスッ!」
二種のアームドフォートを展開して熱線銃を構えれば、そこから一斉発射される弾丸や光線の数々。
移動する武器に向けて放たれたそれは、大半が避けられずに爆散してしまった。
しかし、一斉射撃から逃れた武器も幾つか存在する。
小刀や片手斧、鎖鎌の鎌部分、暗器などの小型武器がそれだ。暗器の妖気が青から赤に変質すれば、性能が強化されて行って。
「そうは行かない……!」
すぐにマシンキャノンなどの弾幕で動きを封じて、熱線銃で燃やし尽くしてしまう。
恵が攻撃している間に他の武器が恵に飛来して、一気に仕留めようと掛かる。これは避けられない……。
それならば仕方がないと、彼女が片手を前に出せば、そこから黒い霧状のエネルギーが発生して、武器の動きを止めてしまう。
「ぼくに近付くなッ!」
剣型兵装『遅すぎた収穫期』を霧で受け止めた武器に叩き込んで、大きく吹き飛ばすが、幾つかの破片が壊れただけで、完全破壊には至らない。
だが、吹き飛ばした位置はアームドフォートの射程に丁度良い距離。
すぐに熱線銃を構えると、二度目の一斉射撃で武器を完全消滅させてしまった。
●怪異消滅
「ひとりでに動く武器に夜襲かけられてたらホラーだったね」
今は昼なのでそこまで怖くはなかったが、夜に鉢合わせれば、妖気も合わさってかなり怖いだろう。
しかしその怪異も猟兵達の活躍によって全て倒されて、上杉謙信軍の戦力を大きく削る事に成功した。
だが、戦争はまだ続く。歩みを止めずに、次なる戦場へと向かうとしよう。
大成功
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