エンパイアウォー①~アストラ・アルマ
「先の『寛永三方ヶ原の戦い』で勝利を得た猟兵達が、武田信玄の復活を阻むと共に、『第六天魔軍将図』を手に入れた事は知っているだろう」
第六天魔王『織田信長』をはじめ、そこに記された者の名を君は見たろうか、と言を続ける枢囹院・帷(麗し白薔薇・f00445)の佳声は鋭い。
凛然たる声音はその儘、迫り来る脅威を語って、
「この『第六天魔軍将図』に記された名前は八つ。三方ヶ原で討ち取った武田信玄以外の『第六天魔軍将』達が、サムライエンパイアを征服せんと一大攻勢をかけてきた」
正に危急存亡の秋(とき)。
戦国の世を経て、徳川三代が築いた盤石之安が揺らごうとしている――それは此処に集まった猟兵らも聞き及ぶ事だった。
「これに江戸幕府将軍が動いたとは、徳川・家光公の呼び掛けを聴いた君達なら知っていると思う」
徳川幕府軍は、この国難に立ち向かう為、諸藩からの援軍も併せ幕府軍十万を招集。
幕府の総力を挙げて織田信長の元に向かい、撃破すべく動き出した。
「織田信長を撃破する為には、この徳川の軍勢は是が非でも必要となる。此度の戦いでは、行軍する徳川幕府軍を信長軍の攻撃から守りつつ、行く手を阻む第六天魔軍将達と戦っていくことになるだろう」
今回、帷が猟兵に依頼するのは、百面鬼『風魔小太郎』が率いる一軍勢の撃破。
『第六天魔軍将』の一人で、戦国の世の関東で暗躍していた風魔忍軍の棟梁、百面鬼『風魔小太郎』は、江戸幕府軍の集結を阻むべく『風魔忍法隕石落とし』を実行した。
「これは配下のオブリビオンを『隕石の弾丸』に変化させ、主要な街道や橋、宿場町、関所、砦、物資集積所に向けて落下させ、衝突の瞬間に自爆させる事で標的を木っ端微塵に破壊する――恐ろしい攻撃だ」
これが非常に強力な上に厄介だとは、帷の表情で分かる。
「迎撃されることなく自爆したオブリビオンは、すぐに風魔小太郎の元に出現し、再度隕石の弾丸となる事で、徳川幕府が滅びるまで何度でも隕石落としを繰り返す」
隕石落としを阻止する事が出来なければ、徳川幕府軍は軍勢を集結させる事に失敗し、充分とは言えない戦力で信長軍との戦いに赴く事になる。
この『風魔忍法隕石落とし』を迎撃することで徳川幕府の軍勢の混乱を防ぎ、万全な状態で決戦に赴けるよう援ける――其が猟兵に求められた、彼等にしか出来ない任務。
「場所は、たたら場……武器を作る為の鉄を生産している山間の村で、小規模な城塞を成している。村民も暮らしているから、より繊細な戦術が求められるだろう」
だが帷は、己が信を寄せる猟兵達なら、必ず脅威を取り払ってくれると信じている。
故に全てを語り終えた彼女は、平素と変わらぬ眼差しで指を弾き、繊麗の掌にグリモアを喚び出す。
「君達はきっと『風魔忍法隕石落とし』を攻略し、弾丸と化した多数のオブリビオンを迎撃して撃破するだろう。だからこそ送り出す」
果報を待っている――と。
一瞬だけ穏やかになった声音を聴いた猟兵は、刻下、あたたかな光の波濤に包まれた。
夕狩こあら
オープニングをご覧下さりありがとうございます。
はじめまして、または、こんにちは。
夕狩(ユーカリ)こあらと申します。
このシナリオは、『エンパイア・ウォー』における第一の戦場、風魔忍法隕石落としを攻略する戦争シナリオ(集団戦・難易度普通)です。
第一章で完結し、現下の戦況に影響を及ぼす特殊シナリオとなります。
三~十体程度のオブリビオンが、風魔忍法によって隕石の弾丸となって降り注いでくるので、その被害を抑えてください。出現数は参加者数によって決定します。
迎撃が成功すると、隕石から本来のオブリビオン姿に戻ります。
このオブリビオン達を、集団戦で撃破しましょう。
プレイングでは、通常の集団戦に加えて『落下してくる隕石』に対する対応も行う必要があります。
遠距離攻撃で迎撃しても良いし、近距離攻撃で肉弾戦で受け止めても良いし、なんらかの方法で軌道をずらしたり、狙われている要人や物資を避難させたりするのでもOKです。
リプレイは、「隕石落とし攻略パート」から「元の姿に戻ったオブリビオンの撃破パート」へと移行します。
●戦場の情報
たたら製鉄を産業として集落を成した山間の村。
良質の鉄を生産し、諸藩と繋がりを持っています。
●敵の情報
妖魔忍者。
既に滅んだ忍者の里で、非人間的な修行と人体改造で造られた人間兵器。忍者として必要とされる以外の精神は徹底的に破壊されており、超人的武技や忍術、改造された肉体で戦います。
●リプレイ描写について
フレンドと一緒に行動する場合、お相手のお名前(ID)や呼び方をお書き下さい。
グループでのご参加は【グループ名】をご記載願います。
以上が猟兵が任務を遂行する為に提供できる情報です。
皆様の武運長久をお祈り申し上げます。
第1章 集団戦
『妖魔忍者』
|
POW : 忍法瞬断
【忍者刀】による超高速かつ大威力の一撃を放つ。ただし、自身から30cm以内の対象にしか使えない。
SPD : 忍法鎌鼬
自身に【特殊な気流】をまとい、高速移動と【斬撃による衝撃波】の放射を可能とする。ただし、戦闘終了まで毎秒寿命を削る。
WIZ : 忍法鬼火
レベル×1個の【鬼火】の炎を放つ。全て個別に操作でき、複数合体で強化でき、延焼分も含めて任意に消せる。
イラスト:カス
👑11
🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔴🔴🔴
|
種別『集団戦』のルール
記載された敵が「沢山」出現します(厳密に何体いるかは、書く場合も書かない場合もあります)。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
| 大成功 | 🔵🔵🔵 |
| 成功 | 🔵🔵🔴 |
| 苦戦 | 🔵🔴🔴 |
| 失敗 | 🔴🔴🔴 |
| 大失敗 | [評価なし] |
👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。
最初に異変に気付いたのは、たたらを取り囲む様に棚田を作って農業を営む「地下(じげ)」の者達だった。
「んん? なんだべや?」
「かなやこ(金屋子神)さま、けぇ……?」
――太陽が増えている。
いや、物凄い勢いで近付いてくるなら其はお天道様にあらず、鐵神様ぞと光を追えば、何処か妖しく照り輝く其は、今も炎を吹き上げる「高殿」目掛けて一直線に降ってくるではないか。
「てぇへんだ、てぇへんだぁ!」
「村下(むらげ)さまにお知らせせにゃあ!」
たたら製鐵の秘技を継ぐ最高技術者、村下も高殿に居よう。
村下をはじめ、たたら場で働く大鍛冶も番子も、建屋の中では外の異変に気付く筈がない。
「急げぇ! ありゃ佳ぇもんじゃねぇ……!」
「あんなモンが堕ちりゃ、村が滅びるでよ!」
地下らが鍬を投げてたたら場に走り出し、俄かに村が騒めき出す。
「く、来る――!!」
禍き妖光を放つ其は今や数を増やして、高殿の真上に迫っていた。
リカルド・マスケラス
「まーたトンデモナイことしでかしてくるっすねー敵さんは」
お面の乗った宇宙バイクが颯爽と登場。
「ま、人々の生活を守るためにも自分のできることをするっすかね」
隕石
宇宙バイクからビーム砲『ミルキーウェイ』を出し、隕石めがけて撃つ。
「最大出力で行くっすよ!」
撃ち落としきれなかったものはアルタイルで受けとめる
「結構頑丈さには自信あるんすよ!」
戦闘
「敵意とか闘争本能とかが残っれていればいいんすけどね」
【鏡魔眼の術】で相手の敵意を跳ね返し、自身に刃を突き立てるように仕向ける。
それ以外にもバイクで走り回って翻弄しつつ鎖分銅の【ロープワーク】で縛って鎖鎌で【なぎ払い】【2回攻撃】したり
「ちゃんと成仏するんすよ」
恐慌に陥った地下衆が、気海丹田を押し上げるような重低音に揃って視線を集める。
見れば白い狐面を乗せた黒鐵が、牡馬より猛々しい気焔を吐きつつ、砂利を蹴って颯爽と現れた。
「なっ、なんじゃあれは……!」
「脚のない鐵馬に跨うておる……」
一際の吃驚に迎えられたのは、宇宙バイク『アルタイル』を駆るリカルド・マスケラス(ちょこっとチャラいお助けヒーロー・f12160)。
自らが起した一陣の風に新緑のバンダナを揺らした彼は、僅かに笑む唇から伸びやかなテノールを――割とチャラめの声を発し、村に疾る緊迫感を宥めた。
「まーたトンデモナイことしでかしてくるっすねー敵さんは」
敵さん。
そう言って橙黄の瞳を蒼穹(そら)に注いだリカルドは、鏖殺の気を迸らせながら迫る隕石――オブリビオンの陰謀に窃笑を零す。
「ま、人々の生活を守るためにも、自分のできることをするっすかね」
言は軽快だが、漸う漲るヒーローのオーラが装着者に満ちていく。
刻下、アクセルを回した彼は、地下衆を守るようタイヤを滑らせて隕石に向き合うと、宇宙バイクからビーム砲『ミルキーウェイ』を撃ち、隕石めがけて焦熱を放った。
「最大出力で行くっすよ!」
銀河色に煌めく粒子が穹を裂き、雲を貫いて、竜の如く駆け登る。
次の瞬間、美しくも凄惨たる光条が隕石の中核を捉え、自爆するより先に撃墜した。
ビームを潜って迫るものには、鐵騎『アルタイル』が我が身を盾に衝撃を代わり、村の損壊を拒む。
凄まじい衝撃がリカルドを揺るがすが、彼は唇の端を小気味佳く持ち上げて痛撃に耐え、
「結構頑丈さには自信あるんすよ!」
一筋縄では往かぬ様だと、隕石と化していた百面鬼が配下『妖魔忍者』は歯噛みしたか――宙空で姿を暴いた妖邪らは、高殿の屋根に降りてリカルドを睨める。
「――敵意とか闘争本能とかが残っていればいいんすけどね」
蓋し精神を徹底的に破壊された忍なれば、己が命を弾に戦うのみ。
殺戮衝動の儘に降下する妖魔忍者に対し、嘆声を零したリカルドは、【忍法・鏡魔眼の術】――敵意を反射し自滅に導く視線を放ち、自身に刃を突き立てるよう仕向ける。
然れば迫り来る忍者刀は忍自身の喉元を掻っ切って、
『グッ、ブ……ッ――』
更に別なる一体が空を蹴って襲い掛かれば、リカルドはバイクで疾走して己が得意レンジを確保しつつ、刃撃を鎖鎌で弾いた瞬間、鎖分銅を投げて縛する――間断なき連続攻撃。
「ちゃんと成仏するんすよ」
念仏は唱えないが、死は見届けてやる。
狐面を額に被った装着者の橙黄の瞳がスッと細み、絞り出る断末魔を聴く。
弓張月の切先が鎖を伝って戻った瞬間、美し白の狐面に鮮やかな血滴が返った。
成功
🔵🔵🔴
エル・クーゴー
●SPD
『躯体番号L-95』
『迎撃を開始します』
・対隕石
【空中戦】用バーニアで飛翔、高殿上へ布陣
コード発動
最大射程2,025m圏内に到達した隕石に対し、順次フォートからの砲撃で迎撃(一斉発射)
地表到達迄に破壊困難と見られる隕石あらば、人的被害をより押さえられる位置への軌道変更を見込んで【吹き飛ばす】
・対忍者
遠距離ではライフル狙撃
中距離ではフォート砲撃
近距離ではガトリング掃射で、間合いを保ちつつ交戦
飛び道具頼みの猟兵と思わせ距離を詰めたがらせる機運を誘導することが狙い
接近して来た敵には、マニピュレーターによるフォート運用ではなく、素手で出し抜けに抜き撃つ拳銃(クイックドロウ+零距離射撃)で対処
「はぁ、はぁ……はやく村下さまにお知らせせにゃあ……! ――んん?」
高殿に向かって走っていた地下衆は、その敷居の前に立つエル・クーゴー(躯体番号L-95・f04770)の螺鈿を鏤めた様な銀髪に、一瞬、金屋子神と思ったが、娘(おなご)と見るや慌てて声を発した。
「いくら急事とはいえ、たたら場に娘が入っては――」
言い終わらぬ裡だった。
飛行用バーニアを展開して中空に浮いた彼女は、杮葺の高殿にスッと位置取ると、超高度演算式電脳ゴーグルに翠光を疾らせ、周辺地形及び環境情報を電脳魔術で解析し始めた。
「ふなっ! お、降りてこりゃあ!」
「スキャン完了。次いで飛翔体に照準固定。落下速度と着地点を算出……完了」
「娘ッコ! 空から何か危ういモンが降ってくっけぇ!」
「躯体番号L-95。迎撃を開始します」
慌てふためく声を下に、隕石を撃墜するに適した射撃兵装を全展開したエルは、最大射程2,025m圏内に到達した個体を逓次爆砕し始める。
其は【ロングレンジ・ファイアワークス・ドライブ】――遥か上空で爆ぜる轟音と閃光の花火に、穹を仰ぐ地下衆は頗る戦慄して、
「おおおぉぉぉおお……!!」
「かなやこ(金屋子神)さまじゃ、かなやこさまじゃあ……!」
後光を背負う如く砲筒を掲げ、無数の砲弾を射る姿は正に鐵の神。
地下衆が思わず膝を付く頭上では、現下、エルが麗顔の白むほど火花を散らして斉射しており、隕石と魔弾が手を結び合う様に軌道を揃える光景は、演算が弾き出したものとはいえ神がかって見えた。
『――推して参る』
攻むに堅牢と見た隕石群、詰り百面鬼・風魔小太郎が配下『妖魔忍者』は、中空で姿を暴くや高殿に据わるエルに襲い掛かる。
『忍法鎌鼬ッ!』
鎖鎌の廻旋によって特殊な気流を生んだ妖邪が、斬撃による衝撃波を繰り出せば、エルはアームドフォートを展開して邀撃し、
『忍法瞬断ッ!』
別なる個体が手負いながら距離を詰めれば、直ぐさまガトリングが鐵弾の嵐に飲み込み、高殿を血で穢す事もなく地表に叩きつけた。
蓋しこれらは「飛び道具頼みの猟兵」と思わせる為の戦形。
距離を詰めて攻め口を探らんとした者は、陥穽に陥ったとは知らず――繊麗の躯に邪刃を突き立てんとした刹那、ひたり、出し抜けに額へ銃口を突き付けられ、繊指が躊躇いなく銃爪を引いた。
『ずアッ!』
零秒零距離の死弾が脳天を貫き、ずるり、躯体を屋根より転がす。
「――敵性の沈黙を確認しました」
感情の乗らぬ美しい女声が、骸の上に降り落ちた。
成功
🔵🔵🔴
草野・千秋
妖魔忍者恐るべし、ですね
エンパイアに平和をもたらされば!
この僕……断罪戦士ダムナーティオーが
皆さんと共に参ります!
スナイパー技能とUCで隕石を撃ち落とし
それでも漏れ出たものは怪力技能で壊す
被害を最小限に、いや、ゼロに!
戦闘は2回攻撃とスナイパーと範囲攻撃を主軸に戦う
武器改造により氷の属性攻撃も付与しておく
アサルトウエポンでよく狙って
着実にダメージを与えていく
敵体力が削れて弱ってきたら
接近戦に切り替え怪力パンチをお見舞いする
これが正義の鉄槌だ!
敵からの攻撃は激痛耐性、盾受け、武器受けで耐え凌ぎ
仲間が攻撃されそうならかばう
なんのこれしきですよ
配下のオブリビオンを隕石の弾丸として要所に墜とし、壊滅的被害を与える――。
第六天魔軍将が一人、百面鬼『風魔小太郎』は恐るべき策を実行したが、彼の配下もまた自爆しては何度も弾になるというのだから狂気染みている。
「――妖魔忍者恐るべし、ですね」
義眼型高度演算デバイス『machinery oculis meis』越しに迫る隕石を見た草野・千秋(断罪戦士ダムナーティオー・f01504)は、サムライエンパイアに平和を齎す為に、製鐵の村に平穏を取り戻す為に、ヒーローとして悪を挫かんとする。
「この僕……断罪戦士ダムナーティオーが、皆さんと共に参ります!」
仲間たちと範囲を分けて配置に付いたが、心は一つに。
迫り来る隕石に照準を絞った千秋は、【冷たい雨に撃て、約束の銃弾を】(ヤクソクノジュウダン)――全武装を展開して一斉発射し、高命中率を以て隕石を撃ち落としに掛かった。
きらきらと流星のように煌めく冴弾が、彼の意志を代わる。
「被害を最小限に、いや、ゼロに!」
此処はたたら場がある。
隕石が爆発すれば高殿は壊れ、山深い村は間もなく炎に包まれよう。
漏れ出たものは怪力で壊すつもりで、欠片も逃さぬと撃ち出された銃弾は、精確に隕石の中核を貫き、間際での自爆を阻んだ。
刻下、穹に閃光が爆ぜ、爆音が巨きな桂木をザッと揺らす。
そこに底冷えする声音が混じったのは、この時。
『……小癪な』
『直々に死をくれてやらねばなるまい』
力押しでは儘ならぬと舌打った妖邪が、宙空で姿を暴く。
千秋が弾く銃弾の鋭い軌跡を辛々逃れた妖魔忍者らは、すらり忍者刀を抜き、或いは鎖鎌を旋回して、彼を囲み出した。
囲めるか――いや、精緻なる射撃の腕と、広範囲に及ぶ連続攻撃を行う千秋を捉えるは至難。
『その飛び道具……面妖な』
「特に鬼火を広げられては、被害が大きくなりますから」
『ッ、グゥ――!』
アサルトウエポン『ordinis tabes』は、氷属性を付与されて鬼火をよく禦し、また妖魔忍者らに着実にダメージを与え、数分の後には砂利に朱殷の斑を染ませていた。
『クッ……なれば、忍法瞬断ッ!』
銃弾に翻弄された妖邪は、次いで近接に攻め口を見出したか――忍者刀を逆手に握り替えて間合いを犯した妖魔忍者は、千秋の躯に逆袈裟の斬撃をくれてやらんとするが、構えた刀ごと怪力パンチを喰らって地面にめり込む。
『これが正義の鉄槌だ!』
『ずア、ッ!!』
最後の一体に渾身の拳をくれてやった千秋は、他の場所で戦う仲間は無事だろうかと爪先を弾き、次なる戦場へと走っていった。
成功
🔵🔵🔴
ソラスティベル・グラスラン
隕石落とし、なんと恐ろしき技……ですが、此処にはわたしたちがいます
皆さんご安心を!【勇気】を信じてッ!!【鼓舞】
竜の翼で飛び空中で迎撃します、ここに誓うは不退転の意思!
【怪力】を漲らせ、迫る隕石の射線上へ
構えた大斧に轟音と共に雷降り注ぎ集う
邂逅は刹那、【見切り】を以て征します
蒼雷の竜よ、雷の大斧よ
今こそ応えて、わたしの【勇気】に
災厄の一矢を断つ、汝の名は
【我が名は神鳴るが如く(サンダラー)】―――ッ!!!
敵である彼らの事は聞きました
人を人と扱わない非道によって生まれた戦士だと……
ごめんなさい、それでもわたしは貴方たちを討ちます
無辜の民を、そして貴方たちを救う為にッ!!
地下衆が村の危急を告げば、休みを得ていた番子や大鍛冶が次々と長屋を飛び出し、高殿から出てきた村下を囲む。
三日三晩、風を送り続けた炉を止めるか――。
嘗てない厄災に騒然とする男達の声に、凛然たる佳声が澄み渡った。
「火を止める必要はありません」
声主はソラスティベル・グラスラン(暁と空の勇者・f05892)。
美し声音に振り向けば、少女は葵の紋所をベルトに提げており、
「そ、それは天下自在符……! 娘御は猟兵さまけぇ!」
思わず平伏する村下を援け起したソラスティベルは、不安気な面持ちで集まる男衆を前に、花唇を開いた。
「風魔忍法隕石落とし……敵は恐ろしい技を使ってきますが、此処にはわたしたちがいます」
可憐にして雄渾。
力強い語気で語られる言には、魂の奥底から鼓舞するようなエネルギーが溢れ、
「皆さんご安心を! 『勇気』を信じてッ!!」
少女に希望の光を見た男衆は、漸う冷静を取り戻して後を託す。
斯くして恐慌を留めたソラスティベルは、それから竜の双翼を広げて風を掴み、颯爽と飛翔して隕石の射線上に対峙した。
「――ここに誓うは不退転の意思!」
今も炎立つ高殿を背に、蒼空色の巨斧を構える。
繊麗の躯に無尽蔵の力を漲らせた少女は、轟音を連れて雷を呼び、雲を疾走る稲妻を巨斧に収斂して振りかぶった。
「蒼雷の竜よ、雷の大斧よ。
今こそ応えて、わたしの『勇気』に。
災厄の一矢を断つ、汝の名は――。
【我が名は神鳴るが如く(サンダラー)】―――ッ!!!」
邂逅は刹那、軌跡を見切った透徹の双瞳に閃光が疾る。
白磁の花顔が白んだ瞬間、隕石の中核を捉えた斧撃は其を爆砕し、凄まじい衝撃波が空を駆け抜けた。
『――既に猟兵が動いていたか』
『一筋縄では往かぬ……なれば』
自爆するのみでは策は断たれると懸念した妖邪は、宙空で姿を暴き、忍者刀を抜き、或いは鎖鎌を旋回してソラスティベルに襲い掛かる。
妖魔忍者――精神を破壊された人間兵器は、彼女の青瞳にどう映ろう。
「人を人と扱わない非道によって生まれた戦士だと聞きました……。ごめんなさい、それでもわたしは貴方たちを討ちます」
竜の少女は今一度羽搏くや、巨斧『サンダラー』の一閃に邪を薙ぎ払って、
「――無辜の民を、そして貴方たちを救う為にッ!!」
『ずァッ!!』
『グ、ッフ――!』
哀しき今際の声を耳に、「過去」の鎖を灼いた。
大成功
🔵🔵🔵
アリルティリア・アリルアノン
バーチャル魔法少女、アリルちゃん参上!
こんなのどかな山奥にまで、隕石は落とさせません!
まずは撮影アプリを立ち上げ、
広角モードで出来る限り多くの隕石を画角に収めてパシャリと一枚
おっと、遊んでいるわけではないですよ!
これは被写体を撮影した画像と同じ構図に固定してしまうユーベルコードなんです!
さすがにずっとというわけにはいかないですが、
アリルや他のみなさんが隕石を壊す位の猶予はあるでしょう
敵が術を解いたなら、ニンジャが戦うゲームのバトルキャラクターズを召喚して戦わせます
ニンジャを殺すのはやはりニンジャ!
さあ、観念してジセイノクを詠むがいいです!
(旗色が悪いようなら適宜融合させて強さを上げていきます)
魑魅魍魎や妖怪変化が跋扈する世にあっても、妖気の塊が火球の如く降り注いだ例(ためし)はなく、村の者達は嘗てない恐慌に陥っていた。
「あんなモンが高殿に降ってきたら、たたらが終わっちまう!」
「うぅぅうっ、村がおっ死んじまうでよ……」
今や高殿を守る様に、いや縋る様に集まっていた村下や番子、大鍛冶、そして地下衆らは、危急存亡の秋(とき)に燦然と現れたアリルティリア・アリルアノン(バーチャル魔法少女アリルちゃん・f00639)の軽快な声色に、一気に視線を集めた。
「バーチャル魔法少女、アリルちゃん参上!」
「!? なん、娘ッコ……?」
「い、いや……腰元に葵の紋所を提げる御仁は猟兵さまで!」
「もちろん!」
高殿の傍に在る神木・桂木を背に、堂々と小さな胸を張る可憐。
男衆の吃驚に溌剌な笑顔を返したアリルティリアは、次いで煌めく翠瞳を不穏の穹に注ぐと、その華奢に厖大なる魔力を漲らせる。
「こんなのどかな山奥にまで、隕石は落とさせません!」
吃、と柳葉の眉を蹴立てた少女は、端末を取り出すや撮影アプリを立ち上げる。
抜刀するでなし、小さな板に繊指を滑らせる奇妙を見た男衆は、アリルティリアが空にカメラレンズを掲げる様子に首を傾げ、
「あのう、猟兵さまは何をしなすっとる」
「おっと、遊んでいるわけではないですよ!」
広角モードで出来る限り多くの隕石を画角に収め、パシャリと一枚。
彼女の【フォトジェニック・ステイシス】は、被写体を撮影した画像と同じ構図に固定する――落下エネルギーを停止させ、現状の座標に留める強力なユーベルコードだ。
「さすがにずっとというわけにはいかないですが、アリルや他のみなさんが隕石を壊す位の猶予はあるでしょう」
隕石の時だけを止めたのだ。
あまりの呪術法力に男衆が目を瞠るが、数秒の後に爆砕を逃れた幾つかの隕石は、アリルティリアが有する脅威に姿を暴き、忍者刀を抜き、或いは鎖鎌を旋回して襲い掛かった。
『自爆が敵わぬなら、直に手を下すのみ』
『いざ、参る!』
蓋しアリルティリアは既に『妖魔忍者』の攻略も出来ており、ニンジャが戦うゲームのバトルキャラクターズを召喚して角逐させる。
「ニンジャを殺すのはやはりニンジャ!」
『何――ッ!?』
「さあ、観念してジセイノクを詠むがいいです!」
『く、っ!!』
バーチャルなれば、個体数も強さも、相手に合わせて変えられよう。
バーチャル魔法の使い手たるアリルティリアは、その小柄な躯に数体の妖邪を組み伏せ、今の激戦に胸をアツくした男衆より喝采を浴びた。
大成功
🔵🔵🔵
愛久山・清綱
そんな忍法聞いたことないでござるよ。
して、隕石か。破壊は苦手分野なのだが……
元がオブリビオンなら、刀で壊せるかもな。
■止
【空薙】で隕石を斬るぞ。
俺にできることはそれくらいだ。
隕石が限界距離の『51m』へ到達するまで居合の構えを取り、
到達したら【早業】の抜刀で斬り伏せる。
隕石が複数存在・密集している場合は【範囲攻撃】を絡めて
放ち、一斉破壊を狙う。
■闘
敵が元の姿に戻ったら再び中距離から【鎧無視攻撃】を
絡めた【空薙】を放ち、強力な一撃を浴びせる。
技を放ったら後方へ【ダッシュ】し、距離を取る。
万一距離30㎝に入られたら【野生の勘】で刀の軌道を
【見切り】、【武器受け】で押し返す。
※アドリブ・連携歓迎
幼少より古武術に触れ、日々その技の研鑽に励み、故郷での戦を終えてからは、この侍の地で巫覡を務めながら「兵」の道を歩んでいた愛久山・清綱(飛真蛇・f16956)は、忍についても知悉していたが、斯くも大胆に攻め込むとは慮外の奇手であった。
「風魔忍法隕石落とし……そんな忍法聞いたことないでござるよ」
淡然と呟く声音に滲むは愕然か茫然か。
蓋し精悍の貌はその儘、冴ゆる炯眼を穹に射た清綱は、迫り来る妖気の塊に五感を研ぎ澄ませると、拇指球を踏み締めて砂利を噛む。
「破壊は苦手分野なのだが……元がオブリビオンなら、刀で壊せるかもな」
言ちて、静黙する。
妖光を尾と引いて墜下する隕石群――その最も速いひとつが限界距離51mに到達するまで神経を集中させた清綱は、刹那の邂逅に『今刀』を抜く。
霊気は闘気と相混じって立ち上り、
「隕石を斬る。俺にできることはこれくらいだ」
閃刀、【空薙】(ソラナギ)――居合の構えから解き放たれた一太刀は、碧落を斬り叢雲を斬り、そして迫り来る隕石を斬る。
聢と隕石の中核を捉えた斬撃は、妖邪が自爆するより先に爆砕させ、抜けるような青き穹に曼殊沙華の花火を散らせた。
『ム……既に猟兵が守りに付いていたか』
『なれば直々に奴等を為留め、村を破滅させるまでッ!』
まだ策が破られた訳ではないと、中空で姿を暴いた『妖魔忍者』が清綱を睨める。
【空薙】の刀閃を辛々逃れた妖邪らは、忍殺具を手に襲い掛かるが、51mを超えた彼等が招かれたのは血腥い泥黎。
「――此方の方が幾許か得手だ」
彼は嗤ったか――いや、その端整は飽くまで冷徹。
『参るッ!!』
懐に迫らんと爪先を蹴った妖魔忍者が、清綱の恐ろしく閑かな瞳を見たのも一瞬。
光の帯を引いて疾った双眸は、強力な一撃を土産に置いて去り、既に事切れた邪を地に転がす。
技を放てば直ぐに距離を取る清綱なれば、絶叫に麗顔を歪め、血飛沫を拭う事もない。
『クッ、……忍法瞬断ッ!!』
仲間の死を盾に懐を犯した妖魔忍者は、忍者刀を逆袈裟に突き上げて臓腑を屠らんとするも、清綱は野生の勘で軌道を見切り、僅かに半身を引いて躱す。
『くおおぉぉ嗚嗚!!』
鎬が削れて火花が散るも、距離を取られれば【空薙】が勝ろう。
「主の元へは還らせない。此処で散るがいい」
『ず、ぁ嗚呼……ッ!』
胸当ても鎖帷子も斬る刃撃が躯を駆け抜け、骸が二分される。
哀れ妖魔忍者は、我が主の秘技が破られた事を、死を以て知らされたのだった。
成功
🔵🔵🔴
鞍馬・景正
隕石、落とし。
……鞍馬家は元小田原北条氏の臣であり、風魔忍軍の事は多少知っているつもりでしたが、そんな妖術を秘していたとは驚きです。
とまれ、天からの大岩を防げ、と。
――結構。武運試しの据え物としては手頃でしょう。
◆岩融
愛馬に【騎乗】し、【鬼騎乗崩】の力を以て跳躍。
九天の上にて断つ。
飛び立てばそのまま接近し、全力の【怪力】による太刀打ちの【衝撃波】にて、小石となるまで宙空に在る内に切り刻んでくれましょう。
◆戦闘
忍びが姿を見せれば、そのまま撃破に移行。
襲い掛かられれば動く瞬間を【見切り】、夙夜の手綱を絞って棹立ちにさせ、狙いを空振りに。
そのまま隕石を断った刃を返しての【早業】にて仕留めさせて頂く。
恐慌に陥った村人が、間もなく訪れた蹄の音に一気に視線を集める。
「おお、お武家さまじゃ!」
「おさむらいさま!」
危急を訴える声を宥め、脅威が近付く穹を仰いだ鞍馬・景正(天雷无妄・f02972)は、斯くも大胆な奇手を放った第六天魔軍将、百面鬼『風魔小太郎』の暗翳を瞳に映した。
「隕石、落とし。
……鞍馬家は元小田原北条氏の臣であり、風魔忍軍の事は多少知っているつもりでしたが、そんな妖術を秘していたとは驚きです」
繊指を細顎に添え、暫し思案する。
此度の戦は、慮外の呪術法力や妖怪変化が跋扈するやも知れぬ――そうなれば、無辜の民がまた脅威に晒され、生きて泥黎に堕とされよう。
幾許の困難が待ち受けるか――浮き世を知る身とはいえ、義憤は泡沫と消えぬ景正は、凛冽たる声で村人に告げた。
「とまれ、天からの大岩を防げ、と」
「へぇ、何卒」
「ですがお侍さま、あれがとんでもねぇモンだとは儂らも分かるモンで、万一にもお命が……」
「――結構。武運試しの据え物としては手頃でしょう」
言うや景正は愛馬『夙夜』を鐙で推し、【鬼騎乗崩】(キバジュウリン)――弓馬刀槍、全てを合わせた武士の神髄を以て地を蹴り、空を翔る。
雲を抜ける風より疾く、宛ら雷光の如く駆けた景正は、隕石の軌道を見極めて一閃、渾身の力を籠めた一太刀を浴びせる。
「九天の上にて――断つ」
邂逅は刹那。
須臾、凄まじい衝撃波が碧落を貫き、隕石群が他愛ない欠片となるまで爆砕した。
然れば自爆を封じられた百面鬼が配下『妖魔忍者』は宙空に姿を暴いて、
『既に猟兵が守りについて……然し策が破られた訳ではない』
『自爆が敵わぬなら直々に破壊するまで。任務の遂行に問題はないッ!』
忍者刀を抜き、或いは鎖鎌を旋回して景正に襲い掛かる。
取り囲めるか――否。
冷艶なる騎馬武者は、犀利な藍瞳に忍らが動く瞬間を見切り、刃撃が降りかかるタイミングで夙夜の手綱を絞って棹立ちにさせ、虚空を斬らせる。
『な、に――ッ』
全身を具足で覆い、また己が馬術、馬上打物、騎射の腕前によって強靭を増した彼を捕えられよう筈もなく、先に隕石の中核を捉えた『濤景一文字』は、蒼穹に翻るや光を躍らせ邪を屠った。
「仕留めさせて頂く」
花唇を擦り抜ける声は玲瓏に冷徹に。
小石も落とさねば、肉の一片も落とさぬか――景正は妖邪の群れを悉く空にて始末し、高殿の神聖を一縷と穢さなかった。
大成功
🔵🔵🔵
アルトリウス・セレスタイト
度々言いたいのだがな
忍ぶ気はないのか。忍者を名乗る連中は
破天で掃討
魔弾を掌に集中して展開・統合
一挙動で二撃分、都合470発程を束ねた光束として射出し隕石を撃つ
そのまま消し飛んでくれても構わない
なるべく多数を巻き込めるよう射角は調整
残りがあれば繰り返し地表到達前にできうる最大数を撃墜する
着地して交戦となったらそのまま破天での攻撃続行
高速詠唱と2回攻撃で限りなく感覚を無とし、全力魔法と鎧無視攻撃で損害を最大化
爆ぜる魔弾の嵐で蹂躙する面制圧飽和攻撃
目標の周囲一帯を巻き込んで回避の余地を与えず、攻撃の密度速度で行動の機を与えず
攻撃の物量で全て圧殺する
己が配下を隕石と化し、要所に墜として壊滅させる。
第六天魔軍将が一人、百面鬼『風魔小太郎』が敢行した奇手『風魔忍法隕石落とし』は慥かに脅威であったが、美し銀糸の揺れる前髪より藍き炯眼を穹へと注いだアルトリウス・セレスタイト(忘却者・f01410)は、それ以上に言わねばならぬ事があった。
「度々言いたいのだがな。
忍ぶ気はないのか。忍者を名乗る連中は」
僅かに嘆息して、炎の尾を引く隕石群を視界の全てに捉える。
白昼堂々、大胆にも空から襲撃する妖邪に相応の『原理』をくれてやろうと、アルトリウスが鼓動を以て詠唱するは【破天】――死の原理で存在根源を直に砕く魔弾が、彼の繊指を青白く輝かせた。
「それ以上は降り落ちない。――行き止まりだ」
掌に収斂した魔弾を展開し、統合する。
然れば一挙動で二撃分、480発を束ねて柱の如く長大した光条は、射出されるや碧落を裂き、浮雲を貫いて、間もなく隕石の中核を捉えた。
「そのまま消し飛んでくれても構わない」
なるべく多数を巻き込めるよう、射角は精緻に調整して。
一定距離に到達した隕石から逓次【破天】にて爆砕すれば、妖邪の塊は自爆するより先、透徹の穹で曼殊沙華の如き花火となった。
『!! 小癪な……』
焦れたのは、隕石と化していた百面鬼が配下『妖魔忍者』。
間断なき魔弾の嵐を辛々逃れた忍らが、宙空にて変化の術を解き始める。
『猟兵が既に守りについていたか……然し、これで策が破られた訳ではない』
『我等が直々に村に乗り込み、破壊の限りを尽くせば同じことよ……ッ!』
忍者刀を抜き、或いは鎖鎌を旋回して。
空を蹴りながらアルトリウスに襲い掛かった妖邪らは、然し超高速の機動を以てしても、彼が檻した領域を抜ける事は敵わない。
「攻撃の物量で全て圧殺する」
『ッッ、ッ!!』
間隙を許さず放たれる【破天】は、その全てに厖大な魔力が籠められ、胸当ても鎖帷子も貫いて肉を屠る、凄然たる威力。
『――ずアァァアッッ!!』
呼吸すら灼く程の面制圧飽和攻撃に遭っては回避も反撃も儘ならず、速度も密度も上回る【破天】に、次々と骸が転がった。
「結局、堕ちただけか」
畢竟。
隕石だろうが、人型だろうが、空を飛んで落ちた――それだけの事。
魔弾の嵐にあっては骸も形を残さぬか、妖邪らは死の臭いだけを残して潰え、美し銀の艶髪を静かに揺らした。
「あっ……ありがとうごぜぇますだ!! 猟兵さま!!」
「猟兵さまのご尽力で、炉の火を消さずに済んだでよぅ」
「ありがたや、あぁ~、ありがたや!」
高殿に集まっていた村の者達が、猟兵の戦いぶりに熱狂する。
彼等より盛大な喝采と感謝を捧げられた一同は、一先ずの安堵を得て笑みを挿した。
然し真の脅威は、去っていない。
抜けるような碧落の向こうに、百面鬼『風魔小太郎』を見据えた猟兵らは、村の平穏を守って尚、闘志を燃やすのだった――。
成功
🔵🔵🔴