エンパイアウォー①~黄泉流しの凶ツ星
●黄泉流しの凶ツ星
上様より命じられた事は国難を打ち払うための『死』と『必勝』。
首塚の一族が背負い続けた呪詛こそが、この窮地を救うモノなのだと、彼らは胸に刻みながらも街道をゆく。
――刹那。眼前の天が、強烈に輝いた。
「……皆様、あれは一体」
幕府軍の護衛達が、首塚の一族の一人の声に驚愕の声を上げる。
――眼前に、星が墜ちようとしていたのだから。
●凶兆返しの打線最前線?
「――成る程、まぁ縁の深そうな俺が予知するのも仕方のない事か」
アベル・ドゥンケルハイト(もうひとりのおうじさま・f20013)は一人勝手に納得しながらも、やって来た猟兵達を出迎える。
「至急の案件だ。このままだと首塚の一族を護衛する幕府軍の人間達の道行きに『風魔忍法隕石落とし』が直撃する」
既にこの案件に関わっている猟兵達も居るだろうが、アベルは念の為に説明に入る。
「この術だが……術者と思わしき『風魔小太郎』が、配下たるオブリビオンを3~10個単位の隕石の弾丸から形成される流星群に変換、最後に『自爆』させて回収する物だ。そうすることで、着弾地点への壊滅的な被害を齎す。無論狙いは――」
……道行きにおける、交通網の破壊。
「――UDCアースなどの世界とは勝手が違う。物資が絶たれ、交通網が寸断されれば満足な人員も確保出来ないだろう。だから、この隕石を、彼らが到着する前に『打ち返して』貰う」
ぱらりとアベルは手書きの地図を広げる。そこに記されているのは『攻撃目標』とされている街道の一つ。
「俺はお前達をこの攻撃地点の近くに転送する。……そうすれば『彼ら』が通行する前に『隕石落とし』の弾丸に対処出来る筈だ」
彼が語るには、隕石落としの弾丸を迎撃すると、術式が解けて配下のオブリビオンが出現するらしい。此方も当然野放しには出来ない。
「おそらく、『黄泉の本坪鈴』と呼ばれる鈴型オブリビオンの群れが出現するだろう。うっかり周辺の人々を黄泉に連れて行かれないように、1つ残らず撃滅してくれ」
――アベルが転送の準備を始めると、眼差しを真っ直ぐに猟兵達へと向ける。
「彗星なら、俺が直接手を下したい所だが……予知したのは俺だからな。代わりに全力で吹き飛ばしてくれ」
逢坂灰斗
願い事3回唱えてる暇すらありませんね??? 逢坂灰斗です。
今回は『幕府軍到着前に隕石とオブリビオンを全て迎撃する』が目的となります。
【MSより】
・このシナリオは、「戦争シナリオ」です。
1フラグメントで完結し、「エンパイアウォー」の戦況に影響を及ぼす、特殊なシナリオとなります。
・この戦場では、『通常の集団戦に加えて『落下してくる隕石』に対する対応』もして頂きます。
・なお、チームや団体で参加される方は迷子防止の為【一緒に参加される相手】か【一緒に参加するグループ名】を必ずご記述ください。
では、お目に止まりましたら、宜しくお願いします。
第1章 集団戦
『黄泉の本坪鈴』
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POW : 黄泉の門
【黄泉の門が開き飛び出してくる炎 】が命中した対象を燃やす。放たれた【地獄の】炎は、延焼分も含め自身が任意に消去可能。
SPD : 人魂の炎
レベル×1個の【人魂 】の炎を放つ。全て個別に操作でき、複数合体で強化でき、延焼分も含めて任意に消せる。
WIZ : 後悔の念
【本坪鈴本体 】から【後悔の念を強制的に呼び起こす念】を放ち、【自身が一番後悔している過去の幻を見せる事】により対象の動きを一時的に封じる。
イラスト:marou
👑11
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種別『集団戦』のルール
記載された敵が「沢山」出現します(厳密に何体いるかは、書く場合も書かない場合もあります)。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
| 大成功 | 🔵🔵🔵 |
| 成功 | 🔵🔵🔴 |
| 苦戦 | 🔵🔴🔴 |
| 失敗 | 🔴🔴🔴 |
| 大失敗 | [評価なし] |
👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。
アイ・リスパー
「隕石落としの忍術とか、もう滅茶苦茶ですねっ!?」
ま、まあ、ともかく。
まずは落ちてくる隕石を迎撃しないといけません。
「修理が終わったオベイロンの力、見せてあげましょう!」
【夏の夜の夢】で『機動戦車オベイロン』をパワードスーツとして装着。
『小型宇宙戦艦ティターニア』と合体することで飛行して空中で隕石に攻撃です。
「ロケットランチャーにミサイル、荷電粒子砲を受けてくださいっ!」
隕石が地上に落ちたら、レーザーガトリングで一気に殲滅させてあげましょう。
「火炎攻撃などこのパワードスーツには効きませ……」
ふと操縦室の温度計を見ると、ぐんぐん気温が上がっていき……
「ちょっ、これじゃ蒸し焼きですっ!?」
七篠・コガネ
僕の世界での戦争では沢山の方々に協力してもらいました
だから今度は僕が、他世界を救うのに協力したいです
隕石、ですね
いつもお仕事で隕石を撃墜してる僕からすればあんな隕石!石ころも同然!
視覚デバイスで隕石落下までの時間と距離を検知計測【視力】【情報収集】
時間の許す限りエネルギーを貯めておきます
目標捕捉!貯めた分を【一斉発射】で『code-Nobody』から放射!
▼集団戦
可愛い顔してなんて凶悪な
残念ながら温感はありませんもので!
あえてこの手、燃やしてもらいましょう
炎を灯した手でクリムゾンティプト(命中率重視)使用
1匹ずつ確実に潰していきましょう
本当の地獄、見せてあげますから
●地元じゃある意味日常茶飯事
「……隕石落としの忍術とか、もう滅茶苦茶ですねっ!?」
アイ・リスパー(電脳の天使・f07909)の言葉も最もである。
だが、この忍法。蓋を開けてみればオブリビオンを種火とした強襲戦法なのだから誰かが止めなければならないのだ。
ましてや幕府軍の人員に『これを止めろ』という方が酷な話だ。
そうと言っている内に輝きは1つ2つ3つと数を増やしていき――
傍らで視覚デバイスをフル稼働させ、対処が為のエネルギーを充填し始める七篠・コガネ(コガネムシ・f01385)が叫ぶ。
「……飛来予測開始、来ますよアイさん!!」
――そも。彼らは宇宙生まれである。
コガネの方に至っては仕事で邪魔な隕石を撃墜しているのだから、足場や環境が変わっただけで、やっていることは普段と変わらないとすら言える。
「……僕からすればあんな隕石!石ころも同然!」
下手すりゃスペースデブリとかの方が巨大なのだから仕方ないのかも知れない。
そうこうしている内に地上に向け轟音を立てながらオブリビオン隕石が飛来してくる。彼が探るのは『撃ち落とせるギリギリのタイミング』。それまで充填は手放さない。
「目標捕捉! ――全砲門、解放ッ!!」
コガネの背にある『翼』は広がる。それは、この世界の未来を守らんが為。飛び立たぬ代わり、それは飛来せんとした隕石の尽くを撃ち落としていく。だが――
「くっ、まだ数個……再充填はまだ時間が……」
だが、彼だって一人でこの場所に立っている訳ではない。彼も予測をするのであれば、彼女だって同じ様に予測をし、万が一に備えている!!
「――撃ち漏らしは私に任せてください! オベイロン、ティターニア……合体プログラム起動!!」
即座に電脳空間から2機が射出され、主を呑み込むような形で合体。以前より彼女が行使している物とは違う――生まれるはその上を行く強化型パワードスーツ!!
「……修理が終わったオベイロンの力、見せてあげましょう!」
演算は彼女とて得意とする所。術が完全に解ける前の数瞬を縫うように、鉄騎は空を舞い、鮮やかに『刺し込む』。
「ロケットランチャーにミサイル、荷電粒子砲を受けてくださいっ!」
猟兵故に致し方ない状況だが、SF世界だったかと見紛うばかりのレーザーの乱舞により隕石は壊滅。全て叩き落された。
「――確かこの後、核となったオブリビオンが出現する手筈になってるんですが……」
派手な兵器の雨霰で若干土煙の舞う中、アイは捕捉の為の演算を怠らない。それは地上のコガネも同じ。
「……もう地上部にいます! 熱源反応複数!!」
その叫び声と時を同じくして、黄泉の門が一斉に『開く』。
鈴達が境目を繋いだ先は地の獄。そこから噴出する獄炎が二人に牙を剥き――襲いかかる。
「火炎攻撃などこのパワードスーツには効きませ……」
しかし、ただの火炎でなく、これは地獄の焔。彼女を『スーツ』ごと焼かんとするモノだ。
「け、計器異常……じゃないのなら、こ、このままじゃ蒸し焼きになっちゃいます!!」
急ぎアイがレーザーガトリングの展開を急ぐ中、地上の機人の青年は焔がその身を燃やすのも構わずに駆け抜ける。
「可愛い顔してなんて凶悪な……ですが、この身に温感なんてないですからね!!」
人ではあるけれど、人では無い故に。彼は突き進む。
「――本当の地獄、見せてあげますから」
獄炎纏いし鉤爪が敵陣を確実に屠る中、上空での準備が整った。
「……これ以上のサウナはお断りです――沈んで下さい!!」
その頃、幕府軍は遠目に、数多の流星のような雨が降り注ぐのを見た、という。
その下では、彼らを滅ぼそうとした『災禍』が滅びを迎えていることも知らず。
大成功
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キャロライン・ブラック
紅玉さま(f03420)と参加いたします
よもや隕石を打ち返す日が来ようとは……
人生とは何が起こるかわからないものですわね
さて、打ち返すには近づかなければなりません
此度は紅玉さまがいらっしゃいますから
バイクへと乗せて頂きましょう
あら、予測をする必要はありませんわ
だって、ほら、そちらに丁度良い傾斜があるでしょう?
ええ、わたくしは紅玉さまを信じておりますから
そうして近づいたら、柘榴石の橙を用い隕石を迎撃いたします
わたくしの魔力を一点に凝縮させた橙色の輝き
隕石であろうと負けるつもりはございません
オブリビオンが現れても方針は同様ですわ
紅玉さまに移動と回避をお任せし
わたくしは攻撃に専念いたしましょう
神久・紅玉
お友達のローラさん(キャロライン・ブラック)と一緒に参加します
今回は打ち漏らしがあってはいけません
短い時間ですがコミュ力をフル活用して、連携が出来るように皆さんと仲良くなりましょう!
そして隕石は"トイピース"を"変幻自在の乗り物"でバイクに変形
ローラさんを乗せて落下予測地点に先回りして隕石を順次対処――
ええ!?跳ぶのですか、分かりました。スターライダーの実力見せましょう
運転もお姉さんにバッチリお任せなのですよ
隕石の迎撃が終わったら次はオブリビオンの群れの対処なのです
そのままローラさんを乗せて、バイクで炎を回避しながら各個撃破なのです
対応に遅れた友達がいるならそこへ共に急行しフォローですよ
●空を染める『色』の輝き
「よもや隕石を打ち返す日が来ようとは……人生とは何が起こるかわからないものですわね」
キャロライン・ブラック(色彩のコレクター・f01443)は遠い空に少し煌めいたそれを見て独りごちる。
そんな体験猟兵にでもならなければ出来るもんでも無いのだが、やはり刺激的過ぎる経験になってしまうだろう。
彼女の傍らでトイピースをバイクへと『組み上げている』神久・紅玉(つま先立ちの林檎・f03420)は、彼女に真っ直ぐ信頼を寄せる。
「それでも、ローラさんとわたしがいれば大丈夫ですよ! 予測地点に先回りして順次対処すれば――」
「あら……予測をする必要はありませんわ?」
ローラが微笑んでその眼差しを向けるのは――街道脇にまるでジャンプ台のように形成されている傾斜。
「ええっ、跳ぶのですか!?」
まるで面食らったかのような顔をする紅玉だが、それにも微笑みは崩さない。
「ええ、わたくしは紅玉さまを信じておりますから」
言外に『お前なら出来る』とでも言いたげな言葉だったが、彼女はそれを受けて胸を張る。
「分かりました。スターライダーの実力、見せてあげましょう――運転もお姉さんにバッチリお任せなのですよ!!」
バイクのエンジンが唸りを上げる。目標、今飛来せんとする――『凶兆』の中。
彼女らを背に乗せたトイヴィークルは、空を翔けた。
「――流石に至近距離だと物凄く暑いです! 早めにお願いします!!」
そりゃあバイクで特攻しにきた訳じゃない。あくまで『撃ち落とす』為に間合いに入ったのだ。
「心配いりませんわ……『柘榴石の橙』の輝きは、隕石であろうと負けるつもりはありませんから」
パレットの上の絵の具を手繰るように、練り込まれたその塗料の輝きが『凶兆』を染め上げ。
駆け抜ける程に撃墜されていく隕石は、その衝撃とともに化けの皮が剥がれていく――
「来ましたね、わたしは操作に専念しますから――」
「ええ、油断なくわたくしが全て『輝かせて』差し上げますわ」
隕石より現れた鈴の群れが彩るのは人魂と獄炎という画材。
「そんな物騒な『色』では――」
だが、そのような波すらもかき分け、的確に本体まで到達するバイク捌きにはそれは無力で。
「……わたくしの『色』には、勝てませんわ?」
鈴が全て、ガーネットに染まって、消えた。
成功
🔵🔵🔵🔵🔴🔴
死之宮・謡
アドリブ&絡み歓迎
隕石ねぇ…忍法(笑)の間違えだろ…と言うか、どういう発想をしていたらオブリビオンを隕石にして降らせるなんてことになるんだ?
まぁそれこそ考えても仕方がないだろうが…
向こうが隕石を降らせるなら私も隕石を降らせよう…
【虚空より降りし星の雨】発動
空中でぶつけて破砕…序でにオブリビオン自体も巻き込む…
撃墜後は崩落の「呪詛」を掛けた大太刀を「怪力」で「2回攻撃」して「なぎ払い」…
後悔?そんなものがあるとでも思ったか?私は何時だって想うがままに生きてきた…悔いなどありはしない
前座は引っ込め…さっさと上司を出してくれよ?
出水宮・カガリ
ステラ(f04503)と
『隕石落とし』に、『黄泉の本坪鈴』か
我らが出向かずに誰が行く
なぁ、ステラ
『本物』を、見せてやろう
空中へ打って出るのは、カガリの星に任せよう
カガリは――カガリこそは、黄泉戸ゆえ
ひとへの苦痛はもちろん、同じく脅威となる土地への被害も防いでみせよう
【内なる大神<オオカミ>】、名を磐戸大神(いわとのおおかみ)
門を開き、繋げ、侵すものあらば
是を閉ざし、隔て、守るものが吾らである
地より来れば地を、空より来れば――空をも、閉ざす!
【籠絡の鉄柵】を大型に広げて乗り、隕石の空へ
【泉門変生】をなし、隕石の群れを空へ封じる空中城壁となる
これは境界を示す壁
自らが地へ堕ちて侵略する事は無いとも
ステラ・アルゲン
カガリ(f04556)と
(アドリブOK)
隕石……流星剣たる私も元々は灰色の隕石だったな
あぁそうだな、カガリ
過去たる影を打ち払う今の輝きを見せようか!
守りはカガリに任せ、私は迎撃に集中しよう
空から落ちてくる隕石に向けて【流星雨】を放とう
【全力魔法】で威力を上げ【オーラ防御】で強度を増した隕石だ
敵の隕石が落ちる前に打ち砕いてやるとも!
本坪鈴が見せる後悔の過去、その技から【泉門坂鞘】が守ってくれるはず(呪詛耐性、狂気耐性)
あの門の力によって私は剣としていられる
我が流星剣の力にてお前達を斬り捨てようか!
●其は空に座す『境界』
「『隕石落とし』に、『黄泉の本坪鈴』か――」
望む空には、まだ小さな煌めきがひとつふたつと増えている。その光景を一瞥しながらも出水宮・カガリ(荒城の城門・f04556)は呟く。
「我らが出向かずに誰が行く。……なぁ、ステラ」
その名を呼ばれたステラ・アルゲン(流星の騎士・f04503)は元より隕鉄より鍛造されし剣のヤドリガミ――故に、空から来たるものにはとても縁深い物だ。
「あぁそうだな、カガリ。過去たる影を打ち払う今の輝きを見せようか!」
二人が構える最中、それを楽しげに見つめていた影も1つ。
「成る程――向こうが隕石を降らせるなら此方も、と言う事か」
其の様子を見遣っていた死之宮・謡(統合されし悪意→存在悪・f13193)は笑う。まさか自分と同じく『同じもの』をぶつけようとする者が居るとは思うまい!!
「私も一枚、噛ませて貰おうか?」
その笑みはとても嗜虐的で。彼女の招く物も本物に違いないと、確信さえ持てる表情だった。
「ああ、ならば――『本物』を、見せてやろうか」
星の煌めきが、降り注ぐ。この地に災厄を齎すであろう、『過去』の星が。
だが、それでも尚、カガリが揺らぐことはない。
彼は『門扉』。別け隔て、境界を敷き――『守るもの』。
「カガリは――カガリこそは、黄泉戸ゆえ」
頭蓋無き鉄骨の魚が、その真実を白日の下へ晒し、カガリを天高くへと運んでいく。
「内なる大神<オオカミ>、名を――磐戸大神(いわとのおおかみ)」
門を開き、繋げ、侵すものあらば――是を閉ざし、隔て、守るものが吾らである、と。
「地より来れば地を、空より来れば――空をも、閉ざす!」
境界門が中空に築かれた瞬間、地にて構えていた2人は示し合わせたように空に指を、剣を向ける。
「ああ、せめて――過ぎ去る瞬間を祈る暇ぐらいあれは良いがな?」
「――降り注げ、流星たちよ!」
2つの流星が、苛烈にも隕石に注ぐ。
その流星は、地へ注ぐことは無い。空中の境界は、それを阻み続けているからだ。
「これは境界を示す壁――自らが地へ堕ちて侵略する事は無いとも」
術が空中で解け、半ば流星の雨に閉じ込められるような形になった鈴の群れ。それに対抗するように獄炎に念を織り交ぜて放射するも――2人は止まらない。
「後悔? 私は何時だって想うがままに生きてきた……悔いなどありはしない」
「それに、あの門が私を『剣』たらしめてくれている。――我が流星剣の力にてお前達を斬り捨てようか!」
地に鈴の群れは哀れにも地へ叩き落される。そうなれば待っているのは二振りの刃。
「前座は引っ込め…さっさと上司を出してくれよ?」
全ての鈴があっけなく斬り捨てられたと同時に、隕石の墜ちる予兆は、完全に消え失せたのだった。
程なく、幕府軍の一行は、この地に数多の隕石が落ちようとしていた事を知らず、通り過ぎていく。
少しだけ荒れた道行きを見て、彼らの命を守った者達が居るのだと、少しだけ気付きながら。
大成功
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