エンパイアウォー⑤~埋蔵金を得るための答えはなんだー?
「んじゃ今回もやっときますかねー?」
白とも青とも取れる淡い色合いの六翼を持つその人物。どことなく面倒くさそうにしているのは、彼女が自由奔放すぎるが故か。自由奔放すぎる少女、暮陽・黎明(瑠璃色に染まる空の果へ・f00383)。
「あいつ一人じゃ担いきれないっていうんだから、まーしょうがねーよなー」
そう言って、手にする一枚の資料を見やる。
「エンパイアウォーの依頼だぜー。何でも徳川軍は、補給物資も集めてるんだってなー」
猟兵といえども、食事や睡眠など、必ず必要となるもの。それらがなければ、猟兵で耐えられないものが、ただの人間たちに耐えられるはずもない。ましてや、そんな状態で戦うなど、もってのほかと言えるだろう。
しかし、そんな、人間の基本的な生活すら脅かされるほどの大前提が揺らごうとしている。
「大悪災『日野富子』。こいつのおかげで、必要となる物資がとんでもねーくらい高騰してるらしい。こんな状態じゃ国である幕府でも、満足に物資を揃えるのは無理だろうなー」
まー私なら豊穣の神辺りを従えて生産量を増やすなりで供給過多に傾かせるんだが、限界はあるしなーなどと呟きつつ。
「それを覆す唯一の手段が幕府側に存在するっつー話だ」
そう言って、猟兵達に一枚の地図を見せる。
「徳川埋蔵金とやらが眠る場所の地図だ。これがあれば、そんな高騰ひっくり返せるってんだからなー、よほどの財産が眠ってんだろうよー」
それを年季ものだから扱いに気をつけろよーといいながら近くの猟兵に丁寧に手渡す。
「まぁ場所自体はそれでなんとかなるが、問題がひとつな」
徳川埋蔵金を得るためには、盗掘を防ぐために残したと言われる『謎』を解かなければならないようだ。
「戦いの備えは不要だぜー。必要なのは寧ろこっちだな」
頭を指で指し示す。つまり頭脳、と言いたいのだろう。
「問題自体は、直接行って見たほうがはえーだろ。私も向かいてーが、こっち側に立っちまったからな」
よほど行きたかった様子なのか、落胆ぶりがすごい。
「んじゃまー、なんだ。健闘を祈る……とはちげーか。吉報待ってるぜ」
表情はあまり変化がない。何を考えているのかわからないその表情に、しかし一瞬、荘厳なる気配が漂う。次の瞬間、猟兵達の視界は暗転した。
●
転移された猟兵達の視界にまず入ったのは――いや、暗闇で何も見えない。
だが、しばらくすると、ボッという音とともに、一つの蝋燭が独りでに灯った。
それを基点に波紋が広がる。瞬く間に蝋燭の火という淡い光が、その空間を満たした。
どうやら、どこかの洞窟のようだ。そこかしこに綺羅びやかな装飾が施されている辺り、何かがあることを伺わせる。そしてその綺羅びやかな装飾の中央には、一つの紋章。徳川のものを示すそれを見て、いくつかの猟兵達は埋蔵されてるその地点に直接飛ばされたのだろうと思った。
部屋の中央に、古びた木製の木で作られたテーブル。かなり年季が入っていることを伺わせるが、朽ちることなく経っているのは、丁寧な加工が施されてる故か。
そのテーブルには、一つの巻物が置かれていた。
一人の猟兵が、それを開くと、そこに何かが記されている。
『
ゼ
ド参
ヤ壱
ヒ
ク肆
エ
キ弐
ウ
カ
伍
シ
陸ワ
これは、何を示す?
解を得られた時、道は開かれる』
どうやら、これが謎解きの問題となるようだ。
るっこい
はいどうも、るっこいです。通常依頼で謎解きしながらこっちでも謎解きです。
解説も何もありませんね。謎を解いてください、としか言いようがありませんので。
プレイングには“必ずパット見た時にそれが答えだと分かる形”で解答をご記載ください(「答えは~~」や答:~~など)。
なお、プレイングに考察シーンなどご記載いただければリプレイへ反映しやすくなりますので、宜しくおねがいします。
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このシナリオは、「戦争シナリオ」です。
1フラグメントで完結し、「エンパイアウォー」の戦況に影響を及ぼす、特殊なシナリオとなります。
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●プレイングについて
同行者の方がいる場合は一行目にお相手さんのお名前とID、もしくはグループ名をお書きください。お名前の場合はフルネームでなくて構いません。
絡み歓迎、アドリブ歓迎、連携歓迎の方、字数に余裕があればお書きいただけると助かります。ステシでもOKです。とてもとても書きやすくなります。
また省略文字もご利用いただけます。詳しくはマスターページを御覧くださいませ。
まだまだ不慣れな部分が多く拙い文章になってしまうかもしれませんが、よろしくお願いします。
皆様の素敵なプレイング、お待ちしております。
第1章 冒険
『神君家康公の謎かけ』
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POW : 総当たりなど、力任せの方法で謎の答えを出して、埋蔵金を手に入れます。
SPD : 素早く謎の答えを導き出し、埋蔵金を手に入れます。
WIZ : 明晰な頭脳や、知性の閃きで、謎の答えを導き出して、埋蔵金を手に入れます。
👑3
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種別『冒険』のルール
「POW・SPD・WIZ」の能力値別に書かれた「この章でできる行動の例」を参考にしつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。
| 大成功 | 🔵🔵🔵 |
| 成功 | 🔵🔵🔴 |
| 苦戦 | 🔵🔴🔴 |
| 失敗 | 🔴🔴🔴 |
| 大失敗 | [評価なし] |
👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。
亜儀流野・珠
M
(巻物を見て)何かの鳴き声…じゃないな。
ふむ…壱から陸の数と…最低限しか書かれていないが五十音の表だな?
数の場所にあるべき文字を、数の順に並べると…
マ イ ゾ ウ キ ン
か!答えは、埋蔵金のカギは「マイゾウキン」だ!まんまだな!
さあ埋蔵金を運び出すぞ…出口どっちだ?
直接来たからな…帰り道が複雑で無い事を祈ろう!
念の為「千珠魂」で分身…俺たちを出し帰り道の探索と運搬を手伝って貰おう!
アイレキア・ベルフィオーレ
【Wiz】
これは…50音に関係ある感じかしらね
ゼの下ドの右で…ゾ
ヤの右ヒの左上だから…マ、ね
この法則で解いていくとなると
「ゾ」「マ」「ウ」「イ」「キ」「ン」
で、こちらの漢数字の順番に並べ替えてみましょう
「マ」「イ」「ゾ」「ウ」「キ」「ン」
即ち答えは…「まいぞうきん」!
ま、まんまだったわ…
い、いえ…まさか目的の物そのものの名前とか誰も思わないのかもしれないし、
これは一つの引っ掛けなのかもしれないわ
二天堂・たま
アレ…UDCアースで似たようなパズルを見たぞ?
確かそう、クロスワードだ。空白の文字を埋め、記号の着いたマス目に入っている文字を順番に読むというものだな。
文字の並びはごく普通の“あいうえお順”。漢数字の場所は読む文字の順番。
3ゾ 1マ 4キ 2イ 5キ 6ン
並びかえれば“マイゾウキン”というわけだな。
見つけた財宝はUC:妖精の里へ収納すれば簡単に運べる。
流石徳川の大御所。これだけの財があれば民の未来を明るく照らす一助となるだろう。
この意志、今代の将軍にもしかと引き継がねばな。
有栖川・夏介
※アドリブ歓迎
巻物をまじまじと観察
奇妙な並びにみえますけど、法則はあるみたいですね
ふむ。この文字の並びはかなの位置を、数字はかなを読む順番をしめしているのでしょうか
…となるとこの問いの答えは……
(メモを書きながら)
ま、い、ぞ、う、き、ん
答えは『埋蔵金』でしょうか?
埋蔵金を目の前にしても冷静に対応します。
…あまり金には興味ないので。
(埋蔵金を手に入れたことより謎が解けたことのほうが嬉しい)
さて、一刻も早く運び出しましょうか。
一つの巻物を中心に、四人の猟兵は頭を突き合わせ、考える。
「何かの鳴き声……じゃないな」
亜儀流野・珠(狐の恩返し・f01686)は、それを見た時、鳴き声にも見えたようだ。
存在するカナは『ゼドヤヒクエキウカシワ』。三つ目の『クエ』なんかは鳴き声にありそうだが、『ゼド
』などは鳴き声として考えるには無理がありそうだ。ないとは言い切れないが。
「これは……」
何か法則に気づいた様子なのか、アイレキア・ベルフィオーレ(銀桜の聖華姫・f00055)は声を上げるもそれのみ。その法則が正しいかどうかを実際に当てはめてみているのだろう。
「アレ……UDCアースで似たようなパズルを見たぞ?」
パズルと見たらしい二天堂・たま(神速の料理人・f14723)。確かに傍目はパズルに見えなくもない。
「確かそう、クロスワードだ。空白の文字を埋め、記号の着いたマス目に入っている文字を順番に読むというものだな」
クロスワード。それを参考に解いて見ようと思えば、おそらくは解けてしまうだろう。カタカナ二文字の言葉というものは意外と多い。だが、たまがいいたいのはそこではなく、マス目を埋めるという点に着目してるのだろう。
「奇妙な並びにみえますけど、法則はあるみたいですね」
有栖川・夏介(白兎の夢はみない・f06470)もまた、法則に気づいたらしい。
「ふむ……壱から陸の数と……最低限しか書かれていないが五十音の表だな?」
「そうなるわね。ゼの下ドの右で……ゾ」
「“あいうえお順”だな」
「かなの位置ですね」
皆が同時に気づく。
もう一度問題を見てみよう。
『
ゼ
ド参
ヤ壱
ヒ
ク肆
エ
キ弐
ウ
カ
伍
シ
陸ワ
これは、何を示す?
解を得られた時、道は開かれる』
アイレキアが実際に解いてみせた法則に従い、それぞれ辿る。
ヤの右、ヒの左上は、五十音表でマ。
同様に辿ると、残る四つが示すのはそれぞれ『ウ、イ、キ、ン』となる。
つまり、六つ並べると、『ゾ、マ、ウ、イ、キ、ン』だ。しかし、これだけではまだ何を意味しているのかわからない。
「漢数字の場所は読む文字の順番だな」
「並べ替えると、壱はマ、弐はイ……あれ、これって?」
「ゾ、ウ、キ、ン……ってまんまだな!」
「答えが『埋蔵金』……」
数字に関しては誰もが最初から気づいていたようだ。
導き出される答えは、『マ、イ、ゾ、ウ、キ、ン』。そのまんまである。
あまりの安直さに驚く珠とアイレキアを余所に、答えが解けたことを嬉しそうにしながら呟くように言われた夏介の言葉がきっかけとなったか、最初に灯った蝋燭の側のその後ろ。ただの壁に見えていたそこが、ズズズという音を響かせながら左右に開いていく。
「ま、まんまだったわ……」
まさか本当に開くとは思っていなかったらしいアイレキア。
「い、いえ……まさか目的の物そのものの名前とか誰も思わないのかもしれないし、これは一つの引っ掛けなのかもしれないわ」
色々疑問が尽きないが、アイレキアは自身に言い聞かせるようにそういう。
「でもこれ、なんかの表紙に埋蔵金って言ってたらどうするつもりだったんだろうな?」
そんなアイレキアの思いを汲んだかのように、気になった様子の珠。
「答えは、に続くような言葉でないと開かないのではないかと……」
「ワタシもそう思うよ。そうじゃなかったら盗掘を防げないことだしな」
珠の疑問に答える夏介とたま。
「灯台下暗しってやつかしら……?」
「かもしれないね。或いは、解く過程を見せるのも一つの開く条件だったのかもしれない」
「どちらにしても、私達には知ることの出来ない思いです。さて、一刻も早く運び出しましょうか」
それを知るには、その問題を作った埋蔵金を残したその人に聞くほかないだろう。
夏介の言葉に、一同は目の前にある埋蔵金を運び出そうと動き出す。
量がとんでもないため、運び出すのに骨が折れそうだったが。
「ワタシの妖精の里なら簡単に運び出せる」
たまのユーベルコード、《妖精の里》が大いに役立った。触れた端から消えていく埋蔵金。三人も手分けしてたまの元へ運び、あっという間にその場にあった埋蔵金は一つもなくなる。
「あとは戻るだけだが……出口どっちだ?」
荷積みも終えてさあ帰ろうというところで、珠が気づいた。
「そういえば、私達直接飛ばされたんでしたね……」
「一刻を争う自体だと思うのですが……どうしましょうか」
「こっちであることは確かだと思うが……」
たまの見る先は、埋蔵金があった場所とは反対側。そちら側にも通路は伸びている。一本道しかなさそうではあるが、埋蔵金が隠されている場所がそんな簡単な場所にあるはずもない。
「……帰り道が複雑で無い事を祈ろう!」
いいながら、念の為と珠は《千珠魂》で分身し、探索の道を探りながら帰路についた。
幸いにして、途中複雑に入り組んだ迷路のようになっていたが、珠の祈りが届いたのか、分身がなくとも帰り道自体はさほど苦労するものでもなかった。
大成功
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