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エンパイアウォー②~微笑む姫の龍宮城

#サムライエンパイア #戦争 #エンパイアウォー

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●姫はお供とともに。
 奥州の地を埋め尽くすのは、水晶を生やした屍人達である。彼らは、無辜の民を襲い、仲間を増やし、奥州の諸藩の奮戦も虚しくその勢力範囲を拡大しつつあり、幕府の今回の作戦を脅かしつつある。その屍人達を率いる者の中に、乙姫はいた。彼女は、屍人の中でも容姿が優れている娘たちを選んで側近として侍らせていた。
「ふふふ、これならきっと晴明様も喜んでくださりますね…でも、まだ足りない…」
 彼女は、側近にふさわしい娘を探すため、さらに、屍人達に村や街を襲わせるのであった。

●奥州の危機を救え。
「みんな、集まったわね!」
 グリモアベースにて、猟兵達に招集をかけたグリモア猟兵のカナタ・アマガは、挨拶もそこそに今回の任務を伝える。
「現在、サムライエンパイアで、信長を倒す作戦が発動されたわ。将軍様が、軍勢を集めて決戦に向けて行軍中よ。ウチら猟兵はこれを掩護して、無事に島原まで辿り着かせるの!」
 口で説明するだけならシンプルだが、事はそれほど容易なことではない。信長配下の魔軍将達が、それぞれ徳川軍の進行を阻止すべく動いている。
「ウチらは、魔軍将の一人、安倍晴明の『水晶屍人』に対処するわよ」
 水晶屍人とは、屍に術をかけて操っているものである。しかも、水晶屍人に噛まれた者は、同じく水晶屍人になるため、無限に数を増やしているという。既に奥州の各地は、水晶屍人達に蹂躙されて、江戸まで迫る勢いだという。これを阻止するべく猟兵の活躍が期待される。
「ウチらのやる事は単純。水晶屍人を指揮するオブリビオンを倒すの」
 指揮するオブリビオンを倒せば、水晶屍人は統制を失い、散り散りとなって、奥州の各藩の侍達でも対処出来るようになるのだ。
「当然、水晶屍人達も主人を守ろうとするわ。彼らを突破してオブリビオンのところまでたどり着く作戦が必要ね」
 一時的に水晶屍人を吹き飛ばし、オブリビオンの護衛を丸裸にする、囮になって水晶屍人を惹きつけるなどといった手段が考えられるだろう。
「厳しい戦いになるけど、お願いね!」


夢月
 マスターの夢月です。戦争シナリオ第二弾です。

 このシナリオは、「戦争シナリオ」です。
 1フラグメントで完結し、「エンパイアウォー」の戦況に影響を及ぼす、特殊なシナリオとなります。

 ボス戦ですが、ボスの周りには、水晶屍人がたくさんおり、行く手を阻みます。何からの方法で水晶屍人を突破して、ボスを倒してください。みなさんのアイデアがこもったプレイングをお待ちしております。
 それでは、よろしくお願いします。
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第1章 ボス戦 『『三姫』乙姫』

POW   :    【戦場変更(水中)】溺死のラビリンス
戦場全体に、【干渉し、戦場を水中に変更、複雑な海流】で出来た迷路を作り出す。迷路はかなりの硬度を持ち、出口はひとつしかない。
SPD   :    【戦場変更(水中)】水底の玉手箱
【戦場を水中に変更した後、玉手箱】から【水中でも広がっていく時間に影響を及ぼす煙】を放ち、【周囲の時間を停止させる事】により対象の動きを一時的に封じる。
WIZ   :    【戦場変更(水中)】シズメ、シズメ
【戦場を水中に変更した後、海で死亡した人々】の霊を召喚する。これは【接触した対象を急速に腐敗させる能力】や【海底に沈んだ様々な物を駆使する事】で攻撃する能力を持つ。
👑11
🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​

種別『ボス戦』のルール
 記載された敵が「1体」出現します。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
 それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
 プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※このボスの宿敵主はアララギ・イチイです。ボスは殺してもシナリオ終了後に蘇る可能性がありますが、宿敵主がボス戦に参加したかつシナリオが成功すると、とどめを刺す事ができます。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。

春乃・菊生
アドリブ・共闘等歓迎じゃ。

[WIZ]
何故、儀来が姫が魔王なぞに従うておるかと思えば、かの陰陽師が魔王の元に居ったとはのう。

……しかし、それにしても、じゃ。
奴ひとりの為す術で『海』を呼び出すか。
化生故の力技じゃの。


流石に『海』の全てを消し去るのは難しそうじゃが、出来るだけの事はやってみよう。

秘術ノ伍を放つ。
海とは即ち常世の国。
なれば黄泉の国への道を開き、送り返してくれようぞ。

(他の猟兵らのため、乙姫への道を開く)
(UC発動に合わせ、【破魔】の力で敵陣を【なぎ払い】【範囲攻撃】を行う)


鈴木・志乃
か な り き つ い
敵の攻撃が……対抗出来るUCがほとんどないっ


最初は【祈り、破魔】を籠めた【歌唱の衝撃波】で敵を【なぎ払い】ボスを呼び寄せる
水の流れ、水の音に気を付けながら【第六感失せ物探し】

だーっ、UCごと封じるしかないぞこれ
戦場を水中になんてされたら戦えないよ!
出会う前から【オーラ防御】で口元守っておく
歌は私の大切な攻撃源だから、これ防がれたら困る!

視認した瞬間【早業】UC発動
【歌唱、衝撃波、祈り、破魔、なぎ払い】
これ以上私の目の前で死人を操ってみろ
骸の海で延々と後悔する悪夢を呪詛と共に見せてやる

敵攻撃は【第六感で見切り】光の鎖で【早業武器受けからのカウンターなぎ払い】


勘解由小路・津雲
アドリブ連携歓迎
 ふむ、数が多いな。水晶屍人どもが行く手を阻むというならば、ふさわしい舞台をつくってくれよう。

【戦闘】
【八陣の迷宮】を使用、結界の外に水晶屍人を追い出し(あるいは指揮官と水晶屍人の部屋をわけ)、1対1の状況を作る。もし他の猟兵と協力できるなら、同じ部屋に。

 乙姫とは「霊符」による「破魔」属性の攻撃で死人の霊を退け、「衝撃波」で海底に沈んだものを弾きながら近づき、道具「式神」で撹乱しつつ、「玄武の錫杖」による「属性攻撃」(氷属性)をのせた「ランスチャージ」で一撃を。

「水底へ帰るがいい!」



 猟兵達が、テレポートした先は、すでに水晶屍人で埋め尽くされていた。街道の幅に納まりきらないような屍人達がノロノロと前進している。この行軍速度の遅さが幸いして、まだ被害が最小限に留まっているのだろう。勿論これを放っておけば、奥州の人々がすべて犠牲になるだけでなく、江戸の街も危機に陥るだろう。

「ふむ、数が多いな」

 勘解由小路・津雲(明鏡止水の陰陽師・f07917)が、敵情を見て何やら思案している。

「何故、儀来が姫が魔王なぞに従うておるかと思えば、かの陰陽師が魔王の元に居ったとはのう」

 春乃・菊生(忘れ都の秘術使い・f17466)は、水晶屍人の群れの先にいる乙姫を見据える。乙姫は、水晶屍人の中でも美しい娘だった者たちを集めて侍らせているので、どこにいるのか一目で分かった。乙姫も猟兵達の接近に気づいてる。

「来ましたね…邪魔はさせませんよ…」

 妖艶な笑みを浮かべると、乙姫は術を発動させる。山合いの街道がどこからともなくやってきた水に沈み、彼女の拠点、竜宮城となる。

「……しかし、それにしても、じゃ。奴ひとりの為す術で『海』を呼び出すか。化生故の力技じゃの」
「って呑気に分析してる場合じゃないって!これじゃ手の内がないよ!」

 鈴木・志乃(ブラック・f12101)は悲鳴のような声をあげる。水晶屍人は、すでに死んでいるので関係なく水の中を動いている。さらにはかつて竜宮城に引きずり込まれた者達も猟兵達を道ずれにしようと湧き出てくる。

「まぁ、確かに。これではこちらから手が出せないな…」
「そこは我に任せてほしいのじゃ。流石に『海』の全てを消し去るのは難しそうじゃが、出来るだけの事はやってみよう」

 菊生が進み出る。

「何か策があるのだな。ならば、そちらは任せるとして、だ。あの屍人達だ。奴らの動きさえ封じてくれれば、俺が後は、乙姫と奴らを引き離せる」
「……だぁー!分かった!そっちはなんとかするよ!」

 志乃がヤケクソ気味に叫ぶ。

「よし、なら決まりだな。では行くぞ!」

 津雲の合図で一斉に行動を開始する。

「海とは即ち常世の国。なれば黄泉の国への道を開き、送り返してくれようぞ!」

 菊生が、気合の声と共に、手のひらを突き出す。そして、術式を展開する。『秘術ノ伍』。乙姫の過ちは、海を死者を呼び込む門としたことだ。それによって、菊生のユーベルコードによって打ち消されるのだった。もちろんそれを全ては消し去れない。だが、乙姫の元までいくのは十分だ。

「よし!いまだ!」
「わかってるよ!」

 志乃と津雲が、菊生によって開かれた道に走りこむ。霊や屍人はむしろ動きやすそうになって、彼らの前に立ちふさがろうとする。

「全ての生命と意志を守ろう、『───』!」

 生命賛歌。志乃の歌は、生きる者の希望になるようにと、すでに死した者たちの動きを止める。志乃が敵を止めている間に、津雲が一気に乙姫に迫る。

「水晶屍人どもが行く手を阻むというならば、ふさわしい舞台をつくってくれよう休・生・傷・杜・景・死・驚・開。今や三吉門は閉ざされ、汝に開かれたるは死門のみ。八陣の迷宮!」

 津雲が放った符が、自分の持ち場につくようにひとりでに飛んでいく。そして、乙姫と津雲や猟兵達とそれ以外のものとを分断する迷宮へと変わる。

「おのれ!」
「水底へ帰るがいい!」

 津雲は玄武の錫杖による渾身の打撃を乙姫に叩き込むのであった。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

四王天・焔
燦お姉ちゃん(f04448)と一緒に参加
SPD判定
アドリブや他猟兵との絡み歓迎

■心情
水晶屍人かぁ、どんどん数が増えていくのは厄介だよね。
ボスを倒せば良いから、燦お姉ちゃんも一緒に頑張ろうね。

■行動
白狐召還符を使用して、白狐様に騎乗して戦うね。

白狐様の上から、視力を駆使して敵のボスを見つけ出すよ。
特に、水晶屍人が密集して守りを固めている辺りが怪しいかな?
その辺りを中心に攻撃。

白狐召還符の蒼い狐火を属性攻撃で強化し、範囲攻撃で水晶屍人を纏めて倒す。
マヒ攻撃や気絶攻撃も織り交ぜて、敵の動きを止めるね。

水底の玉手箱を使用されたら、水泳で敵から離れる様に泳ぎ
煙に触れない様に注意。


四王天・燦
焔(f04438)と乙姫討伐隊

正装の巫女服で参る。
一符術士として晴明様の術に挑む。
「符術士・四王天燦。推して参る」
名乗りを上げ乙姫の興味を引くぜ

焔の白狐様に相乗り。
四王稲荷符を撒き、破魔の範囲攻撃で屍を解呪する。
「南無三。成仏しろよ!」

「なんで浦島太郎を爺にした?」
乙姫に好奇心から質問

玉手箱の煙は符の範囲攻撃による衝撃波で散らしたり、水流を起こし焔共々回避を狙う

「晴明様に及ばないだろうが、符には自信があるんだ」
乙姫には破魔ではなく呪詛・気絶・精神攻撃を乗せて稲荷符を投擲

乱戦の中、注意が反れたら符術『百鬼夜行』で影に潜んで接近…忍び足・迷彩で忍び寄り神鳴で斬る!
「浦島と晴明様に二股かけた天罰さ」



 津雲達によって乙姫への道は開かれた。彼が作った迷宮は、水晶屍人達にかち合わずに乙姫のところまで行ける道となって、機能している。そこを、四王天・燦(月夜の翼・f04448)と四王天・焔(妖の薔薇・f04438)の姉妹も駆け抜ける。

「水晶屍人かぁ、どんどん数が増えていくのは厄介だよね」

 サモン・フォックス“白狐召還符”によって呼び出した白狐様に乗りながら、焔は左右を見回す。迷宮に阻まれた水晶屍人達は恨めしそうに二人を見ながら、壁をがりがりと削っている。


「気をつけないと、敵に進路を塞がれるな」

 燦がそう呟いた途端、前方の迷宮の壁が破られ、水晶屍人達が侵入する。

「噂をすればか!南無三。成仏しろよ!」

 燦がすかさず四王稲荷符を撒き、破魔の陣をしく。動きの止まった屍人達の間を白狐様が駆け抜ける。そして、

「あそこにいた!」

 焔が乙姫のいるところを発見する。

「お願い!」

 白狐様がさらに、速度を上げる。

「符術士・四王天燦。推して参る」

 白狐様の背から燦が、飛び上がり、乙姫に挑む。

「そうはさせませんよ」

 乙姫は、さっと手をふると、周囲に不思議な煙が漂い始める。

「燦お姉ちゃん!危ない!」

 焔が、蒼い狐火で煙を散らそうとする。だが、弾ける前に、その炎はその場で停止する。

「あれが、浦島太郎のお話にでてくる煙!」
「なんで浦島太郎を爺にした!?」
「ふふふ、決まってますわ。彼は私のところから逃げようとしたので、お仕置きをしてあげたのですの」

 乙姫は狂気に満ちた笑みを浮かべる。

「そうか…貴様が、外道なのはよくわかった!ここで退治する!」

 燦が、呪符を周囲に展開する。それはあるものは爆破し、さるものは水流を起こす。煙も巻き起こった爆風にあおられまき散らされる。そこに、焔が再び狐火を放つ。

「無駄ですよ!」

 乙姫も海水で防壁を作る。が、

――一人いない?どこへ?

 燦の姿を見失う乙姫。符術『百鬼夜行』。彼女は既に影に潜み、乙姫の背後にまわっていた。

「はぁあああああ!」

 気合の声と共に、神鳴を一閃。雷撃を纏った一太刀に、乙姫が顔を歪めて苦痛に耐える。

「浦島と晴明様に二股かけた天罰さ」

成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​

神計・紅牙
女人を侍らずにしても屍であろう?
悪趣味よなー。まこと悪趣味

もっとも、あのセイメイの配下ならば当然であるかのぅ。

さて、見たところ女人の屍人が多くいるところが指揮者の居場所で間違いなかろう。
ならば単純明快、そこまでの道行きを開いてやればよい。
囮となりてUC計の陣・驚天動地で周囲の屍人を根こそぎなぎ倒してやろう。
なに【拠点防御】も嗜みの1つだ。ここと決めた場所であればどうにか耐えてみせようぞ。

ハッ、水中に変えるとは面白い。
よもや水中なら振動が無いとは思ってはおらぬよな?
ハッハッハ、時間でもなんでも止められるものなら止めてみるがいい!


フリージア・カットラス
(絡み・アドリブOK)


「連中は私に任せろ、道は私が作ってやる」

【ブレイズフレイム】で全身から炎を噴出させ、【鉄塊剣】を勢い良く振り回し水晶屍人の集団を吹き飛ばすように攻撃。
(【吹き飛ばし】【怪力】)


「さぁ行け!」
ある程度敵を吹き飛ばしたら他の猟兵達を先に進ませる。
その後は、決着がつくまで邪魔が入らないように同じように水晶屍人達を吹き飛ばして戦い続けます。


ユリウス・リウィウス
水晶屍人相手の囮なら、俺の亡霊騎士団が最適だろう。
喚起し、戦場に放つことで、水晶屍人たちを引きつけさせる。
その隙を縫って、指揮官のところへ。

指揮官は厄介な能力だが、迷宮の外に逃げるわけでもあるまい?
海流で作られた迷宮なら、ある程度透過出来るはず。

息が続く間に指揮官を討滅しなければな。
指揮官を見つけたら、悪意の怨霊を自動発動。こいつらが出るってことは、俺は相当憤慨しているぞ?

咎力封じを使って能力を封じよう。まともに力を振るわれるのはまずい。
「生命力吸収」「精神攻撃」「2回攻撃」「傷口をえぐる」「呪詛」を乗せて、虚空斬を仕掛ける。

散々なことをしてくれたようだが、これで自ら生み出した海の藻屑となれ。



 猟兵たちの度重なる攻撃により乙姫もダメージを追っている。しかし、水晶屍人達も主人を守ろうと、津雲が作り出した迷宮を突破しつつあり、乙姫の元にたどり着きそうであった。

「死の顎に囚われ迷う怨念の塊どもよ、汝らの憎悪をもって偽りの生命に終焉を与えよ!」

 ユリウス・リウィウス(剣の墓標・f00045)がユーベルコード『亡霊騎士団』を使用して、ゾンビやスケルトンといった兵力を呼び出す。

「よし!コイツでしばらくは持つだろう」
「やるのぅ。しかし、女人を侍らずにしても屍であろう?悪趣味よなー。まこと悪趣味」

 神計・紅牙(天の御柱・f01140)は、そんなこと口にする。

「確かに…でも、今はそんなこと言ってる場合じゃない」

 フリージア・カットラス(人狼のブレイズキャリバー・f06651)が静かにツッコミを入れる。

「勿論、わかっておる。要はさっさと奴を倒せばいいのだろぅ?」
「そりゃそうだ」

 津雲の作り出した迷宮は、本人の疲労と水晶屍人の攻撃により破られつつあり、今いる場所も通路に水が流れ込んできている。時間がたてば立つほど相手に有利になる。短期決戦こそがこの戦いの鍵なのだ。

「連中は私に任せろ、道は私が作ってやる」

 迫り来る水晶屍人を見て、フリージアが前に出る。眼帯をした右眼を中心に彼女の全身が地獄の炎に包まれる。突撃。爆散。そして、鉄塊剣を振るう。宙に舞う水晶屍人達。

「いけっ」

 フリージアの作った道を、ユリウスと紅牙が走り抜ける。

「これ以上はやらせぬ…!」

 乙姫が、術で水を呼び出し、操る。それは、二人の行く手を塞ぐように、幾重にも重なって水流の壁となる。

「ハッ、水中に変えるとは面白い。よもや水中なら振動が無いとは思ってはおらぬよな?」

 「セィィ!」と掛け声とともに、紅牙が地面を強く踏み鳴らす。そこが、起点となって、強烈な揺れが起こる。計の陣・驚天動地。地脈を操作することによって、局地的な地震を起こしたのだ。揺れは、やがて周囲の水に伝わり、それは徐々に波となって、水の壁を飲み込む。

「ハッハッハ、時間でもなんでも使って止められるものなら止めてみるがいい!」

 紅牙が豪快に笑う。

「ぐぅ!おのれ!」

 乙姫が水を操ろうとするが、自然の猛威を止めることなどできない。津波となった振動は、水晶屍人をも巻き込み、乙姫におそいかかる。

「くぅうう!」

 かろうじて自分の周りに煙を展開して、自分が流されるのを防ぐ。その隙に、ユリウスが、二振りの黒剣を手に肉薄する。

「散々なことをしてくれたようだが、これで自ら生み出した海の藻屑となれ」

 十字に剣できりさく。

「そ、そんな…晴明様…!」

 驚愕の表情で末期の言葉を口にしつつ、煙のように消滅していった。彼女が消えると、それまで大量に湧き出していた水も跡形もなく消え去っていた。

 こうして、一つの脅威が取り除かれた。しかし、屍人を作りだして暗躍する晴明は、まだ見つかっていない…。新たな戦いに向けて、猟兵達は今しばしその身体を休めるため、戦場を後にするのだった。

成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​🔴​



最終結果:成功

完成日:2019年08月06日
宿敵 『『三姫』乙姫』 を撃破!


挿絵イラスト