エンパイアウォー②~屍人と孫一
●奥羽屍人戦線
その夜、ひとつの村が『水晶屍人』に襲われた。
まず村外れの家が寝込みを襲われ、噛まれた村人も『水晶屍人』となった。
その後は村人が一人もいなくなるまで『水晶屍人』は殖え続けた。
●グリモアベース
「奥羽地方で大量の『水晶屍人』が発生した」
ラティナ・ドラッケンリット(ビキニアーマー道の冒険者・f04425)は猟兵達の前で状況の説明を始める。
「『水晶屍人』は肩から奇妙な水晶を生やした動く屍だ」
戦闘能力自体は高くないが、噛まれた人間も『水晶屍人』となってしまう為、流行病のように急激に増殖している。
「『水晶屍人』の軍勢は、信長軍配下のオブリビオンの指揮で、奥羽諸藩の砦や村を襲いながら江戸に向かって南下している」
このまま『水晶屍人』の軍勢が江戸に迫れば、徳川幕府軍は全軍の2割以上の軍勢を江戸の防衛の為に残さなければならない。
そうなれば織田信長との決戦に十分な軍勢を差し向ける事ができなってしまうだろう。
「指揮官のオブリビオンさえ倒してしまえば、知性の無い『水晶屍人』の対処は奥羽諸藩の武士達でも可能だ」
問題は無数の『水晶屍人』の中にオブリビオンが隠れ潜んでいるということだ。
「素早くオブリビオンを発見し、これを撃破する必要がある。しかしそれには何かしらの工夫が必要だろう」
幸い猟兵達は噛まれても『水晶屍人』にならないらしい。
それでも『水晶屍人』の攻撃が効かないという訳ではない。
戦闘能力が高くないとはいえ、数百からいる『水晶屍人』の攻撃を無防備に受けるのは危険だ。
「織田信長と戦う為にも、まずこの『水晶屍人』の軍勢を止めるぞ。お前達ならできる筈だ」
刀道信三
どうも、刀道信三です。
このシナリオは『戦争シナリオ』です。
1フラグメントで完結し、『エンパイアウォー』の戦況に影響を及ぼす、特殊なシナリオとなります。
このシナリオでは『水晶屍人』を指揮するオブリビオンを撃破してもらいます。
オブリビオンは『水晶屍人』の軍勢の中に潜んでいるので、ただ攻撃するだけではなく何か対策をした方が良いでしょう。
それでは皆さんのプレイングをお待ちしております。
第1章 ボス戦
『鈴木『孫一』重秀』
|
POW : 八丁念仏
【斬られた事に気付かせぬ切味の名刀八丁念仏】が命中した対象を切断する。
SPD : 血華繚乱
【敵に肉薄した状態で拳銃】から【敵の傷口に銃弾を複数、霊距離】を放ち、【体内に銃弾を放たれた痛みと流血】により対象の動きを一時的に封じる。
WIZ : 八咫烏の加護ぞあらん
【拳銃が狙撃銃】に変形し、自身の【移動速度と近接戦闘能力】を代償に、自身の【命中率と射程距離】を強化する。
イラスト:たがみ千
👑11
🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵
|
高柳・零
POW
何の罪もない一般人を手駒にして来るとは…許せませんね。
これ以上被害を出さない為にも頑張りましょう。
中世の指揮官というのは全軍が見渡せる場所に居るものです
高台、高い建物、木の上などを探し、発見したらUCで飛んで一気に接近します。
一応、下からの攻撃を警戒してオーラ防御は展開しておきます。
「高みの見物なんてさせませんよ!」
UCで強化された戦闘能力を活かし、メイスでの2回攻撃を中心に攻めます。
「無辜の民をこれ以上傷つけさせませんよ!」
敵の太刀は見切りで避け、無理ならオーラを被せた盾で受けます。盾が斬られるか受けられるかはUCでの勝負です!
アドリブ、絡み歓迎です。
「何の罪もない一般人を手駒にして来るとは……許せませんね。これ以上被害を出さない為にも頑張りましょう」
高柳・零(テレビウムのパラディン・f03921)の目前には、森を埋め尽くさんばかりの水晶屍人が行軍していた。
彼らの多くは罪のない一般人達であり、放って置けば被害は増す一方だろう。
「中世の指揮官というのは全軍が見渡せる場所に居るものです」
零は全軍が見渡せそうな高い木の枝を、ひとつひとつ丁寧に見て探した。
果たして零の予想通り、木の葉に隠れる様にして、ひとつの人影が水晶屍人を見下ろしている。
「高みの見物なんてさせませんよ!」
ゴッドハンドで神聖な光を纏った零は、水晶屍人の頭上を越えて一気に人影へと接近した。
「まあ、江戸まで放って置いてはくれないよな」
バスタードソードで斬り掛かる零を見て、人影……鈴木『孫一』重秀は自ら足場の枝を斬って、水晶屍人の中へと落下する。
「無辜の民をこれ以上傷つけさせませんよ!」
逃すまいと零は宙を蹴り孫一を追った。
「切られた坊さんが切られたことに気付かず、八丁歩いてから真っ二つになったというコイツの切れ味は伊達じゃないぜ」
着地した孫一は居合抜きで愛刀を鞘走らせ、空中から襲い掛かる零を迎撃する。
ユーベルコードで切断力を強化された一閃を、零はゴッドハンドの神聖な光で覆われた天霧の盾で受け止めた。
神聖な光と超常の斬撃の間で火花が散るが、零の誰かを護る想いが八丁念仏を凌駕する。
「ちぃ、一旦退かせてもらうぜ」
零にメイスで殴り飛ばされた勢いを殺さず、孫一は水晶屍人の中に紛れていった。
大成功
🔵🔵🔵
鈴木・志乃
……一か八か行くぞ
UC発動
軍勢に宿る
鈴木『孫一』重秀の残留思念を増幅し敵にぶつける
マイク片手に【祈り、破魔、呪詛耐性】を籠めた【歌唱の衝撃波】で思い切り敵を【なぎ払う】よ
さてさて、増幅された思念を辿り
さらに【第六感】で居場所を探り当てるか
あたし、そういう埒外なもんでね
敵攻撃は【第六感】で【見切り】
光の鎖で【早業武器受け】からの【カウンターなぎ払い】
【オーラ防御】常時発動
危ない刀だな
敵の死体を【念動力】で巻き上げて嵐と化し
防御と攻撃に転用
やれやれ本当は死体にこんな扱いしたくないんだけどな
……首洗って待ってろ、信長
「……一か八か行くぞ」
鈴木・志乃(生命と意志の守護者・f12101)は水晶屍人に宿る鈴木『孫一』重秀の残留思念を手繰る。
孫一は先ほど仲間の猟兵と交戦していたし、水晶屍人を指揮しているのは孫一だ。
そこには孫一の意志がどうしても残る。
志乃はマイクを片手に女神の歌(シノの歌)で孫一の残留思念を増幅し、歌唱の衝撃波で水晶屍人達を吹き飛ばした。
志乃の周りだけ木々も水晶屍人も薙ぎ払われ空間ができる。
しかし殺気を察知されたのか本体の手応えはなかった。
「さてさて、増幅された思念を辿らせてもらおうか」
志乃のユーベルコードで増幅された残留思念とは、つまり対象の足跡が強く刻まれたようなものだ。
「あたし、そういう埒外なもんでね」
志乃はソナーのように反響する孫一の思念に耳を傾ける。
波が返すように水晶屍人が志乃の周りを徐々に取り囲んだ。
これに紛れて襲って来ることは明白だが、わかっていたところで普通はそれを防ぐことは難しい。
志乃の背後から八丁念仏が、水晶屍人を紙切れの様に切り裂きながら志乃の首を狙う。
「やれやれまったく危ない刀だな」
残留思念を辿って孫一の正確な位置を把握していた志乃は、水晶屍人を念動力で孫一の手許に飛ばすことで斬撃を止めた。
「本当は死体にこんな扱いしたくないんだけどな」
水晶屍人をぶつけられ一瞬動きを止められた孫一に、志乃は再び女神の歌を発動する。
「まるで手の内が読まれてるみたいでやり難いな……!」
至近距離からの一撃を今度は避け切れず、手傷を負いながらも孫一はしぶとく仕切り直そうと水晶屍人に紛れ込んだ。
大成功
🔵🔵🔵
架空・春沙
焔さん(f04438)と協力します
かつて村を滅ぼされた者として
同じ悲劇は許せません
汝罪有り、断罪です
頑張りましょうね、焔さん
断罪の緋鎌を携えて戦闘
敵は屍人の軍勢の中に潜んでいるようで
まずは発見しなければなりませんね
緋鎌一閃で範囲攻撃の衝撃波を放ち、屍人の数を減らしつつ
視力で探します
ボスであれば一撃くらい凌ぐでしょうし
また敵が先手や奇襲をしてくるなら第六感での感知も出来るでしょう
ボスとの戦いでは緋鎌一閃で攻撃します
2回攻撃やフェイントを織り交ぜ
屍人が邪魔してくるならなぎ払い、範囲攻撃で纏めて倒してしまいます
敵の攻撃は視力で見切り、武器受けで防御
断罪の緋鎌が切断されたら真紅の三日月で戦います
四王天・焔
春沙さん(f03663)と一緒に参加
アドリブや他猟兵との絡み歓迎
SPD判定
■心情
水晶屍人かぁ、どんどん数が増えてしまうのは厄介だね
焔たちで、水晶屍人を操る者を見つけ出し、必ず倒して見せようね
■行動
白狐召還符を使用して白狐様に騎乗して戦うよ
【属性攻撃】で蒼い狐火を強化して【範囲攻撃】で
邪魔をする水晶屍人は纏めて倒していくね
【視力】で敵のボスを見つけ出す様にするね
ボスには、白狐召還符での狐火と、焔も武器を持って
【フェイント】を織り交ぜ
【2回攻撃】で一気に攻め【マヒ攻撃】や【気絶攻撃】で動きを止める
春沙さんと声を合わせて協力して戦う
敵が血華繚乱を使ってきたら【見切り】で避けたり
【盾受け】で防御
「水晶屍人かぁ。どんどん数が増えてしまうのは厄介だね」
「かつて村を滅ぼされた者として、同じ悲劇は許せません。汝罪有り、断罪です」
「焔たちで、水晶屍人を操る者を見つけ出し、必ず倒して見せようね」
「頑張りましょうね、焔さん」
ここまでどれだけの人を巻き込んで来たのか。
四王天・焔(妖の薔薇・f04438)と架空・春沙(緋の断罪・f03663)から見える範囲はまだまだ水晶屍人で埋め尽くされている。
「敵は屍人の軍勢の中に潜んでいるようです。まずは発見しなければなりませんね」
春沙は水晶屍人を減らすべく断罪の緋鎌で薙ぎ払い、緋鎌一閃で目に付く水晶屍人達を両断した。
「おいでませ白の御狐様! 焔と白狐様も屍人の数を減らすよ」
焔は身の丈10尺近くある白狐を召喚すると、その背に飛び乗る。
白狐は蒼い狐火を吐き、焔がそれを強化して水晶屍人達を焼き払っていった。
「ふぅ、キリがありませんね」
春沙が一群の水晶屍人を刈り取り、次の標的へと視線を向ける。
「春沙さん!」
その一瞬に倒れた水晶屍人の下から鈴木『孫一』重秀が春沙に向かって飛び出した。
「流石に二人と一匹の視線を掻い潜るのは無理か」
焔の声に反応して、春沙は咄嗟に断罪の緋鎌で八丁念仏を受ける。
柄が滑らかな断面で切断されるが、断罪の緋鎌から手を離すことで致命傷を避けることができた。
「春沙さん、焔たちが隙を作るよ!」
白狐は蒼い狐火を吐きながらその爪牙で孫一を攻め、騎乗している焔も行動を縛る呪詛を穂先に乗せてドラゴンランスで連携する。
「戦国一の腕と謳われた雑賀衆頭目の銃の腕、御覧じな!」
槍が掠め炎に炙られながら、孫一は白狐に肉迫すると回転拳銃に込めた6発の弾丸を零距離から手を抉り込む様に一息で撃ち切った。
「こんな近距離で銃の腕も何もないよ……!」
「まあ、早撃ちも銃の腕の内ってことで……」
生命力を共有した白狐が負傷したことで焔は痛みに眉を顰め、孫一は麻痺毒で痺れる手足の先を不敵に笑うことで誤魔化し距離を取る。
「私の処刑具はひとつではありませんよ」
真紅の三日月に得物を持ち替えた春沙が孫一へと間合いを詰めた。
焔達との戦いで疲弊し、断罪の緋鎌を破壊することで春沙に対する注意が疎かになっていた孫一に、渾身の緋鎌一閃を叩き込むだけの隙は十分である。
「ここまでか……」
八丁念仏の使い手が皮肉なことに首を切断されながら、その首が落ちるまでに最期の言葉を遺しつつ絶命するのだった。
大成功
🔵🔵🔵🔵🔵🔵