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エンパイアウォー①~(隕石返し)

#サムライエンパイア #戦争 #エンパイアウォー


●第一の苦難 風魔忍法隕石落とし
 第六天魔王『織田信長』は無敵の魔城『魔空安土城』と7人の魔軍将と共に復活を果たした。
 それらを撃ち滅ぼすべく、江戸幕府軍は『首塚の一族』を伴い、10万の兵を以て九州の島原へと進軍を始めた。
 彼らが江戸を出立して武蔵の国に到達した頃、突如空から幾筋もの光が彼らに向けて降り注いだ。
「「「う、うわああああ!!空から火の玉が降って来るぞ!」」」
「「「な、何だ、何なのだ…これは‥‥!!」」」
「「「に、逃げろおおおおおお!!!」」」
 空から流れ星が襲ってくるという予期せぬアクシデントにパニックになる幕府軍。このままでは大きな被害は免れないであろう。
「信長様の悲願達成のため、貴様らにはここで灰になってもらう」
 恐るべき忍術「風魔忍法隕石落とし」により大パニックに陥り統制の乱れた幕府軍を仮面の奥で見下しながら、百面鬼『風魔小太郎』は静かに呟いた。

●隕石を打ち返せ!
「江戸を出立した幕府軍が早速ピンチだ。キミ達に救援を要請するよ」
 いつものシャチの着ぐるみやメイド服での気の抜けたような笑顔ではなく、珍しく真面目な顔をしたパリジャード・シャチー(因達羅神のハナヨメイド・f17808)は、集まった猟兵達に向けて状況の説明を開始した。
「幕府軍は今、百面鬼『風魔小太郎』から風魔忍法隕石落としの攻撃を受けているんだ。このままでは、甚大な被害を受ける可能が高い。状況は極めて緊迫していると言っても過言ではないと思うよ」
 紫に輝くグリモアを操作して、突然の隕石に慌てふためく幕府軍の姿を雲で作ったスクリーンに投影するパリジャード。
「それでね、この隕石なんだけど。正体はオブリビオンだって判明しているよ。風魔忍法隕石落としは、オブリビオンを『隕石の弾丸』に変えて対象に撃ち込んで『自爆させる』ことによって甚大な被害を与える忍法なんだ」
 隕石の部分を指揮棒でべしべしと叩きながら女神は説明を続ける。
「だからね、キミ達には今から戦場に行って、幕府軍に降り注ぐ隕石を迎撃してもらうことになるよ。そしてその上で、元になったオブリビオンを退治してもらうことになる」
 野球のスイングをするような仕草をするパリジャード。要は打ち返すなりなんなりしろという事なのだろう。
「分かった?①まずは隕石を迎撃。②元になったオブリビオンを倒す。この2つのことをキミ達にはしてもらうよ。オブリビオンは、生き残ると風魔小太郎の元に行ってもう1回隕石になって降り注ぐからね。絶対に逃がしちゃ駄目だよ」
 大事なことなので2回言ったよ。ちゃんと理解してねとない胸を張りながら、念押しをするパリジャード。
「それじゃあ、頑張って隕石を撃退してね」
 そう言うと女神は手にしたグリモアから強い紫光を輝かせる。

 次の瞬間、猟兵達はサムライエンパイアの大地の上に降り立っており、その頭の上には爛々と赤く輝く隕石が落ちようとしていた。


しろべびさん
 お久しぶりです。どうもしろへびさんです。
 サムライエンパイアの戦争が始まりましたね。
 頑張ってノッブを倒しましょう。
 ところで…こっちのノッブは女性なのか、男声なのか。皆さんはどっちだと思いますか?
 このシナリオは、「戦争シナリオ」です。
 1フラグメントで完結し、「エンパイアウォー」の戦況に影響を及ぼす、特殊なシナリオとなります。
 後は誰かと一緒に行く場合はその方の名前を書いて下さい。IDはなくても大丈夫です。
 それではみなさんのプレイングをお待ちしております。
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第1章 集団戦 『万能従者型・渡来の天使』

POW   :    天使の一撃
単純で重い【天使の斧】の一撃を叩きつける。直撃地点の周辺地形は破壊される。
SPD   :    くるくる回る天使の輪
自身が装備する【天使の車輪】をレベル×1個複製し、念力で全てばらばらに操作する。
WIZ   :    兄弟の危機を見過ごせない!
自身が戦闘で瀕死になると【新たな別の渡来の天使】が召喚される。それは高い戦闘力を持ち、自身と同じ攻撃手段で戦う。

イラスト:つばき

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宮落・ライア
ん?打ち返すの? よし!ホームラン狙ってやろ!
って思ったけど逃がしちゃダメならホームランはダメかー。
降ってくる前に空で迎撃して兵隊さん達の居ない方に……
いや!そう言うことか!ボクは!理解!した!
打ち返す!つまり降って来た隕石を打ち返して、別の隕石にぶち当てろってことだな!
なるほど一石二鳥! 
おーし分かったのなら実行あるのみ!

と、言うわけで一石二鳥狙いの脳筋作戦です。
【自己証明】で強化して
【見切り・野生の勘】でどこら辺を打てばいいかなどを判断して【怪力・気合い・覚悟】で力一杯に打ち返して
迎撃します。

元になったのがでてきたら車輪を薙ぎ払いながらダッシュで近づき討伐です。



●混迷の幕府軍
「「「うわああああ!!!逃げろ!!逃げろー!!空から火の玉が降って来るぞぉ!!!」」」
「「「南無阿弥陀仏南無阿弥陀仏‥‥‥!」」
「逃げるな馬鹿ども『首塚の一族』を守れぇええ!!!」
 空から襲い来る紅蓮の炎を纏った凶星。オブリビオンを弾丸にした大忍術『風魔忍法隕石落とし』によって幕府軍は混乱の渦に陥れられていた。
 ある者は襲い来る隕石から少しでも離れようと一目散に後ろへと駆け出していた。
 ある者は茫然自失となり、目に涙を浮かべながら念仏を唱えての仏頼みをしていた。
 またある者は、恐怖に打ち勝ち、自分達の役割を果たすべく怒号を発しながら懸命に指示を出していた。
 そんな幕府軍の窮地を救うべく、紫のグリモアの光と共に猟兵達が現れる。

●1番、センター宮落さん。背番号5053
「ん?打ち返すの? よし!ホームラン狙ってやろ!」
 紅蓮の炎を纏い迫りくる隕石に向けてバットならぬ大剣の切っ先を向けながら、宮落・ライア(ノゾム者・f05053)は、元気よく宣言した。
 狙うは先頭打者ホームラン。どこか遠くに向かって全力全壊でばきーんとぶっ飛ばそうとバッティングフォームを構えたその時、ふとグリモア猟兵の言っていたことを思い出して構えを解いた。
「って思ったけど逃がしちゃダメならホームランはダメかー」
 がっくりと肩を落としながら残念そうな声を上げるライア。
 グリモア猟兵が言った通り逃がしたオブリビオンは、風魔小太郎の元へ行き再度隕石となり、再び幕府軍へと襲い掛かる。それでは元の木阿弥だ。
(降ってくる前に空で迎撃して兵隊さん達の居ない方に……)
 当初のホームランプランが駄目だと悟ったライアは、急いで頭を働かせて第二案を捻りだそうとする……がどうもしっくりとこない。
 そうこうしている間に刻一刻と隕石は近づいてきており、ライアの白い肌を赤く照らしていく。もう時間がない。
 だが、こういうピンチな時ほど不思議と頭働くもので、極限の集中状態のライアに1つの冴えたアイデアが思い浮かぶ。
「いや!そう言うことか!ボクは!理解!した!打ち返す!つまり降って来た隕石を打ち返して、別の隕石にぶち当てろってことだな!なるほど一石二鳥!」
 ライアの赤い瞳でキッと燃え盛る隕石を睨むと、足を肩幅まで開いてバットを構えるようにして大剣を耳の後ろあたりに両手持ちで構える。
「負けられない!死ぬことも止まることも認められない!私は託された!選ばれたんだから!」
 ユーべルコード≪侵食加速:自己証明≫の効力によってライアの華奢な体に【違えられぬ期待】【内に響き続ける祈り】【強く狂気に近い決意】が宿り、ライアの肉体を超強化する。ただし‥代償として体に流れる血のような毒が体を蝕んでいく。
(10時の方向に落ちそうな隕石がある。あれにぶつける!)
「いっけええええ!!!」
 迫りくる文字通りの火の玉ストレートに対して、左足から軸足の右足に乗せた重心を再び左足に乗せてぐっと踏ん張り、右足を捻り腰の力を加えて少し早いタイミングで引っ張るように振り抜く。
 バギィと重い音と共にジャストミートした隕石が狙い通りに弾丸ライナーでもう一つの隕石に向けて真っすぐに飛んで行く。
 ドオオオオン!!
「「へぶっ!?」」
 隕石同士がぶつかり砕け、風魔の術が不発に終わり元の姿に戻ってしまった2体のミレナリィドールがぶつかり合い、気の抜けた悲鳴を上げながら地面へと叩きつけられる。
「くっ…大丈夫かい?兄さん」
「…ああ、問題ないよ、兄さん。それよりも‥‥迎撃しないと」
 ぶつかった衝撃でよろよろとしながらも、互いを兄さんと呼び合う天使の姿をした人形達は念力で複製した天使の輪を、大剣と刀の二刀流となったライアに向けて撃ち放つ。
「そんな、碌に狙いも定まっていない攻撃なんて……!」
 左手の大剣で雑な狙いで飛んできた車輪の群れを薙ぎ払いつつ、ライアはダッシュで一気に距離を詰める。
 数の上では敵が上、時間をかけてぶつかった時のダメージが抜けてしまったら一方的に不利になる。故にこそ、速攻で沈める。
「ボクには効かないよ!」
 ライアは胸の前で交差させた両腕の大剣と刀を渾身の力で振り抜くと、2体の天使型のミレナリィドールを二体同時に斬り伏せる。
「そんな…馬鹿なぁ!」
「兄さん!嘘だぁ!」
 胴体を真っ二つに切り裂かれた2体の人形達は、断末魔の悲鳴をあげるとその姿を塵に変えて骸の海へと帰って行った。
「さて、次の隕石を打ち返しにいかないと」
 オブリビオンの消滅を確認したライアは、次に打ち返すべき隕石をその赤い瞳に映す。
 そして、混乱の渦に陥った幕府軍を助けるべく次の隕石に向けてダッシュで駆けだした。

大成功 🔵​🔵​🔵​

遠呂智・景明
アドリブ・連携歓迎

さて、あの隕石とやらを粉々にしてやりゃいいんだな?
わかった任せろ。

風林火陰山雷番外 風・林
居合の要領で斬撃を放ち、隕石を斬り捨てる。
さて、と。ここからが本題だな。

オブリビオンに戻ったら、●殺気で敵を威圧しつつ●早業で二刀を抜きつつ●2回攻撃で一気に攻める。
早きこと風の如く。
悪いが、悠長にてめぇらを待ってられねぇのよ。
だから死ね。



●疾きこと風の如く
 赤く爛々と燃え上がる火の玉が紅蓮の尾を曳きながら、次々と襲い掛かってくる。 そんな悪夢のような光景に、パニックになった幕府軍の兵士たちは、蜘蛛の子を散らしたように逃げ惑う。
 少しでも火の玉から離れようと、何とか自分のだけは助かろうと、あの恐ろしいものに背を向けて恐怖でもつれる必死に足を動かしていた。
 そんな中で一人、人波に逆らってその恐ろしい火の玉に向かって悠然とした足取りで歩いていく者が居た。
 その人は黒と白の2本の刀を佩いた背の高い赤目の侍のような姿をしたヤドリガミの青年、遠呂智・景明(いつか明けの景色を望むために・f00220)であった。

「さて、あの隕石とやらを粉々にしてやりゃいいんだな?」
 爛々と燃え上がり着々とこちらに近づく『風魔忍法隕石落とし』によってオブリビオンが姿を変えた紅蓮の流星を指さしながら、景明は隣に立つ一際立派な甲冑を着た若武者に話しかけた。
「ええ、お願い致しまする。口惜しいですが、我々ではあの火の玉に対応することはできませぬ。拙者は、逃げ惑った兵を何とかまとめ上げて進軍できるように努めますので、どうか何卒、あの忌々しい火の玉を、猟兵様のお力で粉々に砕いて下さいませ!」
 ぺこりと90度のお辞儀をしながら、部隊長である若武者は景明に頼みこむ。
「わかった。任せろ」
「かたじけない。この御恩はこの部隊と『首塚の一族』を『魔空安土城』に一人でも多く届けることで返しまする。では、拙者は部隊を纏めに行かせてもらいまする。ではご武運を」
 もう一度深く頭を下げると、若武者は、逃げ惑う兵たちを纏めるべく、大声を上げながら馬を走らせる。
 彼に向けて手を挙げながら見送ると、景明は真紅のマフラーを風にたなびかせて隕石の落下予想地点へと駆け出した。
 
 紅蓮の尾を曳き、重力によって加速する人間大灼熱の隕石弾丸が景明の体を砕かんと襲い掛かる。
 迎え撃つ景明は、左の親指で鍔を浮かせて鯉口を斬り、中腰になりながら右手を黒鞘の刀…自分の本体である『大蛇切 景明』柄に右手を添える。
 所謂、居合の構えである。
 そして居合の構えのまま、隕石が間合いに入るまで、1秒…2秒と待ち。隕石の炎熱を感じられるようになったその瞬間、右手にぐっと、力を入れて一気に刀を抜き放つ。
「風林火陰山雷番外。神速の一撃。臆せぬものだけ前に立て」
「ぐはっ!?」
 詠唱台詞が終わると同時にキィンという甲高い音を立てて納刀をする景明。彼の後ろには隕石を粉々に切り裂かれたことによって元の姿に戻った天使型のミレナリィドールが地面に叩きつけられていた。
「さて、と。ここからが本題だな」
 くるりと後方にいるオブリビオンに向き直る。
「まさか…風魔様の隕石忍法を斬り落とすなんて。だけど…まだまだ負けないよ」
 地面に突き立てた斧を杖のようにしながら、天使の姿をした人形が立ち上がる。
「悪いが、悠長にてめぇらを待ってられねぇのよ」
 ぞっとするような殺気を飛ばしながら、二本の刀を目にも止まらぬ早業で抜き放ち二刀流の構えをとり、土煙を巻き上げるほどの強力な踏み込みで急加速する景明。
「…っ!?天使の車輪よ!」
 それに対して殺気に気を呑まれた天使型の人形は1拍遅れて、念動力で複製した車輪を、妖刀のヤドリガミに向けて撃ち放つ。
 だが‥‥間に合わない。こと高速近接戦闘において1拍、ワンテンポの遅れは致命的な瑕になる。疾きこと風の如く。兵法書『孫子』に謳われた兵法を体現した景明は、その隙を逃すほど甘くはない。
「だから死ね」
 景明は左の黒刀で迫りくる車輪を切り払い、右手の白刃で防御に使った斧の柄ごと天使型人形を袈裟に切り裂いた。
「ごめんなさい……風魔様。兄さんたち‥‥」
 最後にそう呟くと、天使型のミレナリィドールはその身を塵に変えて骸の海へと帰っていった。
「さて、次だ。次!」
 オブリビオンの消滅を確認した景明は、次の隕石を斬り落とすべく、次の落下地点へと赤いマフラーをたなびかせながら、駆け出した。

大成功 🔵​🔵​🔵​

クラウン・アンダーウッド
悲劇なんて起こさせないさ。こんなことは喜劇にしてみせよう♪

大量の応援特化型人形の人形楽団による演奏で場を盛り上げる。

UCで10体のからくり人形を自立化させ、ナイフで味方(主人)を切りつけさせる。出血するように吹き出す炎が人形を包み紅く染め上げる。人形から受けた傷はヤドリガミの特性で再生。ナイフを持たせたからくり人形達に空中機動で隕石を迎撃させる。

仕留め切れなかった敵はボクが受け持とう。さて、投げナイフでハリネズミにしてあげようか。それとも、ガントレットでグチャグチャにしてあげようか。折角だ、楽しもうじゃないか♪



●道化師は戦場で踊る
 紅蓮の尾を曳きながら迫りくる流星の雨は依然として止まない。
 何とか恐慌を治めようと、声を上げて味方を鼓舞して回るものもいるが、如何せん頭上から迫りくる脅威が何とかならないことには、逃げだすものは減らないだろう。
「猟兵様達がきっとこの忌々しい火の玉を何とかして下さる!だから耐えるのだ!」
 忌々しい気に天から降り注ぐ隕石を睨む若武者。
 そこに耳慣れない音楽が流れ始める。
「な…なんだこの音は?」
「不思議だけど綺麗な音楽だなぁ…」
 混迷の渦に陥った戦場に、不釣り合いなオーケストラの演奏を響かせながら、大量の応援特化人形を伴い、ヤドリガミの道化師は戦場に舞い踊る。

「悲劇なんて起こさせないさ。こんなことは喜劇にしてみせよう♪」
 雄々しく響くオーケストラの演奏に合わせて、身振り手振りを加えながらクラウン・アンダーウッド(探求する道化師・f19033)は、演技がかった口調でぽかんと口を開けて立ち止まってしまった観客である幕府軍の兵士達に向かって宣言する。
「「「……うおおおお!!お願いします!猟兵様!!」」」
 突然始まったミュージカルに驚き、一瞬思考が止まる幕府軍の兵士達だったが、猟兵が救援に来てくれたということが分かると、喜びの歓声を上げる。
「あの火の玉は猟兵様が何とかして下さる。我々は我々のできることをするぞ」
「「「応!!」」」
 若武者の号令の下に、部下の足軽たちが一斉に動き出す。彼らも自分たちのできることを必死に行おうとしている。
 そんな彼らを横目に見ながら、クラウンはとっておきの大道芸の準備を開始した。
本日の演目は、人形による隕石解体ショーだ。

 クラウンの指先がピアノを奏でるように子気味のいいリズムで踊る。すると指先の糸によって繋がった10体のからくり人形が、お辞儀をしながら現れる。
 彼らの手には投擲用の小刀が握られている。
「さぁ、パーティーの始まりだ!!」
 そして道化師のパーティー開会宣言と共に、瞳を赤く輝かせ手にしたナイフで次々と主である道化師を斬りつけていく。
 そして道化師から飛び散る鮮血のような噴き出す地獄の炎が人形を包み紅く染め上げる。
「紅妄舞踏(スカーレット・エクスマキナ)。さあ、あの隕石を蹂躙しておいで♪」
 ヤドリガミの元となった器物を壊されなければ、仮初の肉体を修復できる体質を活かして傷を修復しながら、クラウンは自立行動をする人形たちに指示を出す。
 すると人形たちは狂気に染まった笑みを浮かべながら、ナイフを手にして紅蓮の尾を曳きながら地面に向かって加速する隕石に向けて飛んで行った。
 ユーべルコード≪紅妄舞踏≫で強化された人形たちの攻撃は苛烈なものであった。地獄の炎を纏った通常の9倍の攻撃回数の人形が10体。その手数はまさに圧倒的という他がなかった。
 人間大の大きさがあった隕石は、何度も何度も刻まれて、段々とその姿を小さくして地面に近づく頃にはすっかりと解体され、粉々になってしまった。
「くっ‥‥風魔様の術が…」
「隕石になっていたオブリビオンが元に戻ったね。さて、投げナイフでハリネズミにしてあげようか。それとも、ガントレットでグチャグチャにしてあげようか。折角だ、楽しもうじゃないか♪」
 隕石を細切れにされたことで術が解けて元の姿に戻った天使型のミレナリィドールに向けて、挑発するようにいい笑顔で猟奇的な台詞をいい放つクラウン。
「やれるものなら、やってみるといい!!」
 渡来の天使は、道化師に向かってビシリと指を差し向けながら、複製した天使の車輪を念動力で操り叩きつけようと繰り出す。
「ふふっ、じゃあやらせてもらおう♪」
 それに対してクラウンは、両手の指の間で投擲用のナイフを何本もつかみながら、天使の輪のことは気にせずに一直線に駆け出す。
 天使の輪の迎撃は、攻撃回数が9倍になった自立する人形が勝手に行ってくれる。故にクラウンは、本体に集中することができる。
「まずは、ハリネズミになるといいよ♪」
 天使の輪の操作に集中する人形の四肢に向けて両手のナイフを次々と投擲する。
「ぐっ!!」
 人形の四肢に投擲された投げナイフが何本も深々と刺さる。そしてナイフに込められた地獄の炎が体を内側から燃やしていく。
 渡来の天使の意識が刺さったナイフに向かう。そしてナイフを慌てて抜いているその隙に一気に接近。
「後はガントレットでぐちゃぐちゃだ♪」
「がはぁ‥‥!!」
 そしてガントレットを装備した右手の抜き手が人形の胴体を貫き、噴き出す炎が人形を内側から焼き尽くす。
「兄さん!風魔様ぁ!もうし…」
 断末魔の悲鳴も言い終わらない内に、地獄の炎は人形を焼き尽くし、その身を真っ黒な炭へと変えた。

大成功 🔵​🔵​🔵​

ウィルトス・ユビキタス
この戦いには多くの人命を費やすことになるだろう。だからといって徒に
人死にを出して良いわけではあるまい。
ここは俺が止めてみせよう。

方法は至ってシンプルだ。
迎撃位置は幕府軍から少し離れた地点。
使用するUCは『エレメンタルコード』。
炎属性のハリケーンを【全力魔法】で起こし、隕石を乱気流と炎で【範囲攻撃】し【薙ぎ払う】。
迎撃が完了したら、そのままハリケーンの強風で動きを封じつつ元になったオブリビオンを焼く。
別の天使が召喚されたら、そのままハリケーンで同じように焼く。
増援が来なくなるまで焼き続ける。

連携・アドリブ可



●不条理を覆す者
 紅蓮の尾を曳きながら空から炎が落ちる。恐るべき『風魔忍法隕石落とし』。彼の忍法によって、大混乱に陥っていた幕府軍も漸く少しずつ統制が戻りかけていた。
「猟兵様達の活躍によってあの忌々しい火の玉が飛んでくる頻度も段々と減って来ておる。耐えろ!あと少し…!あと少しの筈だ!」
 立派な甲冑を纏った若武者が、弱気になる足軽たちを懸命に鼓舞する。
「そうだな…猟兵様もついているんだ」
「おれたちもあんな火の玉に負けてたまるか!」
「ああ、『首塚の一族』を天草に届けるんだ!」
 不条理によって折れかけた心を奮起させて、何とか立ち直りかけた幕府軍を嘲笑うかのように、彼らを目掛けて赤く燃える凶星が襲い掛かろうとしていた。
 そんな彼らを救うのは、不条理を覆す1人の魔術師。

「この戦いには多くの人命を費やすことになるだろう」
 奮起する幕府軍の様子を少し離れた所から眺めていた、ウィルトス・ユビキタス(武闘派デスクワーカー・f01772)は、そっと呟いた。
 ウィルトスが言うように今回の戦争では、『魔空安土城』のユーべルコードを打ち破るために、『首塚の一族』と『1万人の幕府軍』の協力が必要となる。
 元々は10万人居た幕府軍が天草まで1万残れば勝利というほどの過酷な戦いだ。これからも多くの兵士の命がオブリビオンの魔の手によって奪われるだろう。
「だからといって徒に人死にを出して良いわけではあるまい」
 幕府軍の頭上から襲い来る不条理の化身、『風魔忍法隕石落とし』によって作り出された隕石型オブリビオン爆弾を、睨みつけながら魔術師は言った。
「ここは俺が止めてみせよう」
 守るべき幕府軍を背にウィルトスは一人、隕石迎撃地点へと歩きだした。

「さて、やるか」
 幕府軍から少し離れた迎撃地点にたどり着いたウィルトスは、早速魔方陣を展開することにした。
 迎撃方法は至ってシンプルだ。大火力のユーべルコードを以て隕石を焼き払う。単純だが非常に効果的な方法だ。
「不条理を以て不条理を覆せ」
 魔術師が呪文を詠唱すると、まず初めに炎の意匠が描かれた魔方陣が励起して赤く輝く。そしてそれの上に重なるようにしてもう1個、水や風を想起させるような意匠の魔方陣が展開して、淡い水色のような輝きを発する。
「顕現するは炎属性のハリケーン」
 さらに魔術師が呪文を追加すると、属性を司る魔方陣と現象を司る魔方陣が1つになり、炎のハリケーンの魔方陣が完成する。
 これこそがウィルトスの扱うユーべルコード≪エレメンタルコード≫だ。属性と現象を組み合わせて、新たな現象を生み出す奇跡の魔法。
「薙ぎ払え!」
 強力であるが故に制御が難しい魔法を完全に制御した魔術師の言葉に従い、炎のハリケーンは、その暴威をオブリビオンが化けた隕石に炸裂させる。
 炎の乱気流は隕石を焼き尽くし、一片も残らず焼滅させる。
「くっ、風魔様の術を焼き尽くすとは何て言うバ火力ですか‥」
 隕石が焼き尽くされたことで現れた、元になったオブリビオン、万能従者型・渡来の天使が呆れたような声を上げる。
「おっと、お前もそのまま燃えていきな」
 ウィルトスは、炎のハリケーンを操作して強風を引き起こし天使型ミレナリィドールの動きを止める。
 そしてそのまま、炎のハリケーンで飲み込みその身を膨大な熱量で蹂躙して焼き尽くした。
「僕がやられても第二・第三の兄さんたちが……!!!」
断末魔の悲鳴を上げながら、渡来の天使はその身を真っ黒い消し炭へと変えて骸の海に帰って行く。
「ああ、知っているさ」
 どこからどう見ても悪人のゲスイ笑顔を浮かべるウィルトス。
「よくも兄さんを…!僕が相手ってうわああああ!!!」
「飛んで火に入る何とやら…だな」
 ニヤニヤとゲスイ笑顔を浮かべながら、天使を焼くウィルトス。
 敵のユーべルコード≪兄弟の危機を見過ごせない!≫による増援の召喚を予測していたウィルトスは、予め召喚される位置に炎のハリケーンを設置していたのだ。
「召喚魔方陣の上にハリケーンを置くだけの簡単な仕事だな。さて、増援が来なくなるまで焼き続けるぞ」

 宣言通り、増援が来なくなるまでひたすら天使を焼き尽くしたという。

大成功 🔵​🔵​🔵​

イヴ・クロノサージュ
アドリブ◎


――

『天使さん達が……、隕石となって……降ってくるの……』

敵さんとはいえ……使い捨てのように
隕石として使う風魔小太郎をイヴは許さないの
ちょっと、ホンキで戦う……ね?

――

●隕石降下

空高く飛び(ジャンプ)、空中で戦います(空中浮遊)
聖槍に魔力を込めて力を蓄え(ランスチャージ)
投擲(槍投げ)して、降ってくる隕石を撃ち落とします。

込められた力は、激しい光を放ち(破魔)
聖槍の威力は、その衝撃により幅広く敵を貫くでしょう(範囲攻撃)

――

●戦闘

攻撃は対オブリビオンは指定されたUCを使います

空中を自在に飛行し(空中戦)
相手の動きをよく見て(見切り)
よけきれない攻撃はバリアをはり防ぎます(オーラ防御)



●戦場に舞う機甲天使
 まるで夜空に打ち上る花火のように空に紅蓮のラインを曳きながら、魔軍将『風魔小太郎』の忍術『風魔忍法隕石落とし』によって、オブリビオンが姿を変えた隕石爆弾が真っすぐに打ちあがる。
 圧倒的な速度と質量で襲い掛かり、着弾すると自爆をする極悪な攻撃である『風魔忍法隕石落とし』。その攻撃回数も時間が経つに従い段々と頻度が少なくなっている。
 隕石の元になるオブリビオンの数が、猟兵達の活躍により段々と少なくなってきているのが主な理由であろう。
 それでも依然として、オブリビオンが隕石となって降り続いている状況は続いており、それが幕府軍に直撃すれば甚大な被害を与えることは変わっていない。
 そして、その危機的状況を打破するべく、また1人の猟兵が戦場に降り立った。

「天使さん達が……、隕石となって……降ってくるの……」
 紅蓮の尾を曳きながら飛翔する、天使型のミレナリィドールが風魔小太郎の忍術によって姿を変えた隕石を見上げながら、イヴ・クロノサージュ(《機甲天使》感情と記憶を代償にチカラを得た少女・f02113)はポツリと呟いた。
(敵さんとはいえ……使い捨てのように隕石として使う風魔小太郎をイヴは許さないの。ちょっと、ホンキで戦う……ね?)
 同じ天使型のミレナリィドールを、使い捨ての弾丸扱いで消費する風魔小太郎への怒りを胸に抱き、機甲天使は3対の機械天使の翼を展開して、隕石を破砕するべく空を舞った。

 隕石の落下コース上に到達したイヴは六枚羽根の機械天使の翼を大きく広げて滞空する。そして手にした白銀の聖槍に魔力を込める。
「聖槍よ。あの隕石を砕いてっ!」
 イヴは、空に紅蓮の尾を曳きながら重力に引かれて加速する隕石に向けて、白く明滅する白銀の聖槍を全力で投擲する。
隕石の表面に深く突き刺さった聖槍は白く眩い破魔の光を放つ。破魔の光は、隕石の内側を焼き尽くし、隕石の表面に亀裂を刻む。そして、そこからあふれ出る光はどんどんと強くなり、ひと際大きな光と共に隕石を消滅させた。
 
「くっ、風魔様の術が破られましたか。でも、ボクはまだ負けていません」
 隕石から元の姿に戻った渡来の天使は、天使の輪を複製してイヴに向かって念動力を使ってぶつけようとするが……。
「――参ります」
 イヴの体から発せられた220本に及ぶユーべルコードを相殺する光に悉くを貫かれて、天使の輪は消滅する。
「だったら、近接戦で!」
 天使の斧を構えて、純白の両翼を羽ばたかせた渡来の天使が急降下しながらイヴに迫る。
 重力によって加速しながら繰り出される斧の一撃は非常に強力だ……当たればの話だが。
「そんな攻撃……当たりません」
 イヴは相手の動きを冷静に見切り、機械天使の翼を羽ばたかせて急加速をすることで、直撃コースから2mほど横に位置をずらす。
 渡来の天使が振り下ろした天使の斧は空を切り、渡来の天使はその勢いのまま下への方へと移動していく。
(勝負は一瞬、神速の槍撃で決めます)
 斧の一撃を横移動することで躱したイヴは、すぐさま渡来の天使を追いかけて追撃を開始する。
 そして空中で反転して翼を羽ばたかせながら何とか制動をしようとしている渡来の天使に向けて急降下しながら、貫通属性の聖槍を使った連続突き攻撃をしかける。
「くっ…」
 渡来の天使は、斧の刃と柄を使いながら何とか捌こうとするも上下の位置関係と体勢の不利さ、イヴの繰り出す槍の速さ等の要因により、攻撃を捌き切れない。
 聖槍と天使の斧がぶつかり合う度に火花が散り、その度に渡来の天使の体に裂傷が刻まれていく。
「これなら…どうですか!」
 渡来の天使は…斧の柄を大きく振り、石突の近くに巻き付けた刃付きの鎖を大きくしならせてのカウンター攻撃によってイヴの頭を狙うが‥‥。
「届きませんか…」
 その攻撃はイヴが予め張っておいたバリアによって弾かれる。
「聖槍よ!」
 渾身のカウンター攻撃によって斧によるガードがなくなった渡来の天使の胸に白銀の聖槍が突き刺さる。
「がはっ!!ぐっ…!!ぼ、ぼくがやられても他の兄さんたちが…」
 胸を聖槍で深々と貫かれた渡来の天使の手から天使の斧が零れ落ち、地面へと突き刺さる。
「…どうして!そうか…最初の光で。ごめんなさい…風魔様、兄さんたち‥」
 渡来の天使は、大きく目を見開くと、風魔小太郎と他の兄弟機達への懺悔の言葉を口にしながらその身を塵に変えて骸の海へと帰って行った。
「どうか安らかに」
 イヴは風魔小太郎によって使い捨ての弾丸にされた渡来の天使が安らかに眠ることが出来るように祈りを捧げると、次の隕石を破壊するために機械天使の翼を広げて、空に赤い軌跡を刻んで飛ぶ流星の下へと飛び去って行った。

大成功 🔵​🔵​🔵​

マスター・カオス
フハハハ…我が名はグランドフォースに導かれし、秘密結社オリュンポスが大幹部、マスター・カオス!

ほう…オブリビオンを隕石の弾丸に変えて落としているのか。中々、侮れぬな。(人間大砲とかで今度試しに組織の部下にでもやってもらうか……? いや、なんかデジャヴュ?)

だが、我が前には所詮は石ころ。
目には目を歯には歯を隕石には隕石をだ。
我が力の一端、流星群にて、隕石を残さず迎撃してくれる!!

カオスは、念動力で隕石の落下速度を操作しつつ【彼方ヨリ進軍セシ軍神ノ槍】を発動し、隕石を空中で迎撃します。
元となったオブリビオンへの対処は、空中にいる場合は、流星群で対処。地上にいる場合は、聖刀銀河にて2回攻撃します。



●オブリビオン隕石vsマーズの槍
 魔軍将『風魔小太郎』による『風魔忍法隕石落とし』による上空からの質量攻撃が始まってから数刻。
 猟兵達の活躍により隕石が打ちあがるまでの期間が段々と長くなり長かった隕石攻撃も漸く終わりが見えて来そうだった。
 だが、全ての隕石を撃ち落として安全が確保さなければ、進軍を再開することはできない。
 なればこそ、1刻も早く全ての隕石を破壊したいのだが、オブリビオン隕石の破壊には、隕石の撃退とオブリビオンの殲滅という2工程が必要な為、一息に全て破壊ということも難しい。
 そんな人手不足に喘ぐ戦場に、また1人助っ人の猟兵が現れた。

「フハハハ…我が名はグランドフォースに導かれし、秘密結社オリュンポスが大幹部、マスター・カオス!」
 高笑いをしながら戦場に現れたのは、世界征服を企み混沌(善と悪)を司る(公然の)秘密結社オリュンポスの大幹部であるマスター・カオス(秘密結社オリュンポスの大幹部・f00535)だ。
「ほう…オブリビオンを隕石の弾丸に変えて落としているのか。中々、侮れぬな」
 空に打ちあがるオブリビオン隕石を見上げながら、感心したような声を上げるマスター・カオス。
(人間大砲とかで今度試しに組織の部下にでもやってもらうか……?)
 技術力も行動力も無駄にありすぎる部下たちの顔を思い出しながら、頼めばノリノリでやってくれそうだよなぁとぼんやりと思うマスター・カオス。
(いや、なんかデジャヴュ?)
 無意識に腰を擦りながら、首を傾げる大幹部。
 そう、本人?(本仮面?)は、割とエライ目に遭ったので記憶を忘却の彼方に押しやったのか、どうなのかは不明だが過去に人間ロケットは過去に行っている。
 結果は……うん、まあね。大変だったね、マスター・カオス。
 割とグダグダだった某幹部戦の記憶の扉が開きそうになった大幹部は、気を取り直して隕石へと向き合うことにした。
「だが、我が前には所詮は石ころ。目には目を歯には歯を隕石には隕石をだ。我が力の一端、流星群にて、隕石を残さず迎撃してくれる!!」
 紅蓮の炎を纏う隕石に向けて、黒い籠手に包まれた右手を突き出しながら、マスター・カオスは宣言する。
 そして腕に嵌めたサイコキャノンによって増幅された念動力を使って隕石に干渉をすると、落下の速度を緩めた。
「彼方より来たれ、軍神マーズの槍先よ! 堕ちよ流星!」
 念動力を放つ右手の人差し指と中指をオブリビオン隕石に向ける。
 すると空の彼方からプラズマを纏った巨大流星群が襲い掛かり、念動力によって落下速度が落ちたオブリビオン隕石に次々と衝突していく。
 隕石と隕石。硬い物がぶつかりあった音と共にオブリビオン隕石は砕け、元になった天使型のミレナリィドールが姿を現す。
「くっ、まさか隕石に隕石をぶつけるなんて…」
「フハハハハハ!目には目を歯には歯を隕石には隕石をということだよ」
 驚愕に眼を剥く渡来の天使の反応に対して高笑いで返すマスター・カオス。
「貴様も我が力で地に落ちるといい。堕ちよ、流星!」
 白い翼を広げて滞空する渡来の天使に向けて指先を向けるマスター・カオス。
 するとプラズマを纏った巨大流星群が再び召喚されて、天使型の人形へと次々に襲い掛かる。
「くっ…こんな石ころ」
 飛来する隕石に向けて斧を叩きつけて何とか叩き割ろうとする‥‥が。
「うわああああ!!」
 隕石を砕くことはできず、巨大流星群と一緒に地面に叩きつけられる。
「フハハハハハ!これぞ、軍神マーズの槍の力よ!」
 作戦通り天使を撃墜したマスター・カオスは勝利を確信して腰に手を当てて高笑いをする。
「兄さん…後は任せた」
「うん?‥‥兄さんだと?」
 気になって後ろを振り向くと何やら召喚用の魔方陣と思われる幾何学模様が空中に展開している。
「分かった、任せてよ。兄さん!」
 魔方陣から新たな渡来の天使が現れると、天使の斧を構えてマスター・カオスに向けてダッシュで駆け寄る。
「その程度の不意打ち見抜けないと思ったか!」
 内心、尋常じゃなくびっくりしながらも振り向きざまに聖刀銀河を引き抜き、渡来の天使に向けて2回、剣を振り抜く。
一度目の斬撃で天使の斧を弾き飛ばし、2度目の斬撃で渡来の天使を切り裂く。
「ごめんなさい…兄さん。仇は取れなかった…」
 不意打ちを防がれて、体を袈裟に切り裂かれた渡来の天使は、自分の兄弟機への懺悔の言葉を口にすると、その身を塵に変えて骸の海へと帰って行った。
「……他の敵は、もういないか」
 キョロキョロと周囲を見回して別の敵が居ない事を確認するマスター・カオス。
「フハハハハハ!この程度の敵、偉大なる秘密結社オリュンポスが大幹部、マスター・カオスの敵ではないわ」
 今度こそ安全であること、完全に勝利したを確認したマスター・カオスは、勝利の高笑いを戦場に響かせた。


 空を舞う流星は残り僅か。長かった武蔵の国での攻防も終わりを迎えようとしている。

大成功 🔵​🔵​🔵​

アマニータ・ビロサ
大量の胞子を創造し呪殺弾の誘導弾として一斉発射して範囲攻撃を行い隕石の迎撃を行う。
隕石に付着した胞子はそのまま菌糸を伸ばして宿主寄生(ハッキング、盗み攻撃)し、隕石からオブリビオンに戻った後も生命力吸収で養分を吸い上げつつ毒使い、ドーピング、マヒ攻撃でその身を蝕みます。
まだ息があるようならマヒして動けないのをいいことに、宿主寄生で身体の制御を奪いつつ創造した子実体共々盗み攻撃、生命力吸収で契りを結びましょう。
『いーとみぃ♪』
喰われるのは子実体きの娘の本懐です。イケメン天使戴きます。

すべてを白く染め上げる純白☆天使ここにあり。
けっして、殺戮☆天使ではないのです、いいね?



●Eat me(わたしを食べて)
 武蔵の国で幕府軍を襲った恐るべき忍術『風魔忍法隕石落とし』の撃墜戦も漸く終焉を迎えようとしていた。
 空に打ちあがる隕石が1つまた1つと少なくなり、そして1つまた1つと撃墜されて元になった天使型ミレナリィドールのオブリビオンも倒されていく。
 そして絶え間なく降り続いてきた隕石の雨が途絶えて少し経った後、最後の隕石が猟兵達の守る幕府軍の元に降り注いだ。

「すべてを白く染め上げる純白☆天使ここにあり」
 純白の花嫁を思わせるような清楚なドレスを身に纏った可愛らしい顔立ちの茶髪の少女が、オブリビオン隕石の前に現れる。
 彼女の名前はアマニータ・ビロサ(殺戮☆天使・f21109)。アリスラビリンスの山から世界を超えてやってきた白い天使…ではなく白孤独という名のキノコを萌え擬人化した愉快な仲間である。
 白孤独というのは、ドクツルタケの秋田県あたりの地方名であり、毒キノコ御三家にも数えられる強力な毒キノコだ。その毒性の凄まじさから欧米では‥‥。
「けっして、殺戮☆天使ではないのです、いいね?」
 アッ、ハイ。ソウデスネ、アマニータさんは清楚な純白の天使デス。

「純白の天使の力、お魅せしましょう」
 アマニータによって想像し創造された無数の無敵の胞子がまるで天使の羽根のようにふわりと彼女の周囲を漂う。
「それでは隕石も白く染め上げましょう」
 そう言うとアマニータは、胞子をホーミング呪殺弾として一斉射出する。
 紅蓮の炎を纏い、空に赤いラインを刻みながら降下する隕石に向けて夥しいまでの白が襲い掛かる。
 それは隕石の表面を焼く紅蓮の炎を物ともせず、表面に付着した後はそのまま中枢に向けて菌糸を伸ばし、宿主寄生していく。
 そして隕石の表面が白く染まると…術の効果が切れたのかボロボロと大量の白孤独が付着した表面から崩れ落ちていった。
「な…何なんだ。このキノコ‥‥うう‥気分が…」
 崩れて落ちた隕石の大きな破片から真っ白い翼や腕などの体の各所から白孤独を生やした渡来の天使が青白い顔をしながら現れる。
 通常のでも1本(8g)で人間一人を殺し切るほどの強力な毒性を誇る白孤独。それが猟兵の力で強化されたものとなると‥‥その毒性は推して知るべし。
「う…うう…。何か手足が痺れてきた‥‥」
 カランと音を立てて手にした斧を地面に落とし膝から崩れる渡来の天使。
 動けない天使型人形に向けて、花嫁衣裳を着た白孤独の少女がゆっくりとした足取りで近づいていく。
「な…なにをする気…ですか…」
 後退りをして逃げようとする渡来の天使の上に馬乗りになるアニマータ。
「いーとみぃ♪」
 アニマータは、渡来の天使の耳元でそっと囁いた。
「や…やめ…ぼくに何をさせ…やだ……兄さん…兄さんたち……助けて……。ああああああああああ!」
「いーとみぃ♡」
 戦場に渡来の天使の悲痛な悲鳴が響き渡った。

●風魔忍法隕石落としの術敗れたり
 斯くして最後の隕石は迎撃され、元になったオブリビオンは全て倒された。
 幕府軍は若武者を中心としながら再び統制を取り戻し、関ケ原を超えて天草に到着するべく進軍していく。
 武蔵の国における風魔小太郎との戦いは幕府軍と猟兵達の勝利によって終わったのだ。

大成功 🔵​🔵​🔵​



最終結果:成功

完成日:2019年08月05日


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種別『集団戦』のルール
 記載された敵が「沢山」出現します(厳密に何体いるかは、書く場合も書かない場合もあります)。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
 それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。


挿絵イラスト