エンパイアウォー③~強襲のカンフーにゃんこ部隊!
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寛永三方ヶ原の戦いに勝利した猟兵達は、『第六天魔軍将図』を手に入れる事となった。
この『第六天魔軍将図』に記された名前は8つ。
三方ヶ原で討ち取った武田信玄以外の『第六天魔軍将』達が、サムライエンパイアを征服せんと、一大攻勢をかけてきたのだ。
徳川幕府軍はこの国難に立ち向かう為、諸藩からの援軍もあわせ幕府軍10万を招集。
幕府の総力をあげて織田信長の元に向かい、撃破すべく動き出した。
織田信長を撃破する為には、この徳川の軍勢が必須となるのは間違いない。
行軍する徳川幕府軍を信長軍の攻撃から守りつつ、行く手を阻む信長軍の魔軍将達を撃破していきたい。
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グリモアベース。
新たな戦争が勃発したことで、猟兵達はその対応に追われている。
「皆、お疲れ様。サムライエンパイアでの戦場を探しているなら、力になるわ」
セレイン・オランケット(エルフの聖者・f00242)も、今回の戦争ではできる限りの支援を行いたいと、依頼の紹介に気合を入れている。
「……ありがとう。それでは、説明するわね」
参加を決めた猟兵に、彼女は握手を求めてから説明を始める。
集結する徳川幕府軍は、本隊が東海道を、中山道方面軍が中山道を通り、畿内への玄関口である関ヶ原へと向かう予定だ。
しかし、中山道の要衝である『信州上田城』周辺は既に、魔軍将の1人である軍神『上杉謙信』の軍勢により制圧されてしまっている。
「上杉軍は、中山道方面軍を殲滅するべく準備を整えているわ」
中山道方面軍の壊滅を阻止する為には、猟兵の力で『信州上田城』の上杉軍の力を削ぐ必要がある。
セレインが今回、討伐を依頼するのは信州上田城周辺に詰めているオブリビオン一個分隊だ。
信州上田城は小さな山城の為、オブリビオンの軍勢全てを収容する事は出来ない。
その為、城の周囲の山岳地帯に、複数の部隊のオブリビオンが集まっている。
「だから、猟兵達が先行し、山岳地帯にいる上杉謙信配下のオブリビオンの軍勢のうち、主力となる強力な部隊を撃破してほしいの」
そのうちの1つが渡来人『異国のカンフーにゃんこ』で構成された部隊だという。
数は15体。敵は林の中に散開して待ち伏せしようとしている。
これらの敵を奇襲するなどして対策できれば、スムーズに討伐できるかもしれない。
説明を終え、セレインは最後にこう告げる。
「今回の戦争が3つ目となるけれど、サムライエンパイアも私達の手で救わないとね……!」
改めてよろしくと、彼女は今回の1件を参加する猟兵達へと託すのだった。
なちゅい
猟兵の皆様、こんにちは。なちゅいです。
当シナリオを目にしていただき、ありがとうございます。
サムライエンパイアでの戦争開始です。
皆様のお力、お貸しいただきたく願います。
こちらのシナリオは、1章構成、『異国のカンフーにゃんこ』との集団戦です。
●注意
このシナリオは、「戦争シナリオ」です。
1フラグメントで完結し、「エンパイアウォー」の戦況に影響を及ぼす、特殊なシナリオとなります。
●執筆予定
できるだけ早く、全参加者一括執筆予定です。
これまでの戦争シナリオから、以下のパターンになることが多いです。
10名様以上で優先執筆。
6~9名様で、他作業の予定に組み込みつつ執筆。
5名様未満で、最初参加者失効前日(だいたい3日後くらい)まで待って執筆。未クリア―で個別参加、完結を目指します。
シナリオの運営状況はマイページ、またはツイッターでお知らせいたします。
それでは、行ってらっしゃいませ。
第1章 集団戦
『異国のカンフーにゃんこ』
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POW : にゃんこ流一本釣りにゃ
レベル×1tまでの対象の【衣服(棒の先に引っ掛けることで)】を掴んで持ち上げる。振り回しや周囲の地面への叩きつけも可能。
SPD : これがにゃんの超速戦闘術にゃ
自身の【装備する鈴】が輝く間、【鈴の音が一切聞こえない無駄のない体術で】の攻撃回数が9倍になる。ただし、味方を1回も攻撃しないと寿命が減る。
WIZ : にゃんにとってはこの世の万物が武器となるのにゃ
自身からレベルm半径内の無機物を【使い捨ての自身の装備武器】に変換し、操作する。解除すると無機物は元に戻る。
イラスト:ひろしお
👑11
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種別『集団戦』のルール
記載された敵が「沢山」出現します(厳密に何体いるかは、書く場合も書かない場合もあります)。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
| 大成功 | 🔵🔵🔵 |
| 成功 | 🔵🔵🔴 |
| 苦戦 | 🔵🔴🔴 |
| 失敗 | 🔴🔴🔴 |
| 大失敗 | [評価なし] |
👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。
ラムダ・ツァオ
事前の手としては、こちらも鈴を用意しておこうかしら。
ちょっと場が荒れるかもしれないけれど、
鈴が鳴らない程の技術に自信を持っているのなら、自分のではない鈴が鳴ったとしても動揺は隠せないでしょうし。
私が狙われた時でもいいし、他の猟兵がいれば彼らの攻撃の折に鳴らすのもいいかしら。
それと衣服をひっかけるつもりなら、だったら脱いでしまえばいいわよね。
相手の攻撃に合わせて目くらまし代わりに外套を脱ぎ捨て、そのまま踏み込んでシーブズ・ギャンビットでヒットアンドアウェイ。
といったところかしら。
敵の数も多いでしょうし、他の皆とも力を合わせて、優勢に事を運びたいわね。
スピネル・クローバルド
WIZ判定
アドリブや他猟兵との絡み歓迎
■心情
カンフーにゃんこですか、とても可愛い容姿ですけど
あれもオブリビオンの軍勢、油断はできませんね。
■行動
敵を奇襲する様に戦いますね。
【目立たない】と【迷彩】で林の中で隠れて敵に近づき
【先制攻撃】で奇襲しますね。
フォックスファイア(UC)を使用して戦います。
【属性攻撃】で炎属性を強化し【高速詠唱】で素早く放ち
【範囲攻撃】で敵を纏めて攻撃します。
弱っている対象から優先的に狙いますね。
無機物を武器化されたら【スナイパー】でUCを使い武器を狙い
【武器落とし】で無力化しますね。
敵の攻撃は【見切り】で避けるよう努め
常に周囲に気を配り敵に囲まれない様に注意します。
黒鵺・瑞樹
林の中で散開して待機って奇襲してくださいって言ってるような物じゃないか。
右手に胡、左手に黒鵺。
UC空翔・【ジャンプ】【忍び足】で木の上の枝を渡るように移動、その時は【存在感】を消し【目立たない】ように気を付ける。
殲滅対象を見つけたら上から奇襲をかけて【先制攻撃】【暗殺】の一撃。殺しきれない可能性も考えて、動かれないよう【マヒ攻撃】かつ【傷口をえぐり】でよりダメージ増を狙う。
倒したら状況次第ではあるが再度上に上がって、もしくは草木に隠れて同じように奇襲の繰り返し。
相手の攻撃は【第六感】【見切りで】回避。
回避しきれなものは黒鵺で【武器受け】【盾受け】からの【カウンター】で確殺していく。
鹿村・トーゴ
故郷の世界がマズイ事態ならちっとは何かしたいよなー
場所はある程度割り込めてるみたいだしもうチョイ近づいて敵の潜んでる場所を深入りしない程度に調査【追跡/暗殺/地形の利用/忍び足/野生の勘】
特により撃破できそうな個体(敵仲間から離れてる・こちらが上方から狙える)から襲うようにしよう
こっちが敵全体の風上を取れそうなら【目潰し】で撹乱、砂と胡椒混ぜたよく有るやつだけどね
これはやるなら同じ戦場の者と情報を共有だな
接近できればオレはUCで強化してあとはクナイで斬り付けか投げつけ
もっと直接攻撃に長けた仲間がいるなら援護射撃【投擲】か、飛んでくる変なもんを打ち落とすか【武器受け】
この場の化け猫は倒したいよな
バスティオン・ヴェクターライン
「面白い戦い方するじゃないか?じゃあおじさんも真似てみようかな。」
【WIZ】戦闘知識で相手が潜んでいそうなところを捜索、先ずは棒を右義腕のグラップル+怪力に加えて服の下に仕込んだドーピング機構で握りつぶすなり、逆に釣り上げたりしてみようかな。
戦闘は基本的に他の猟兵に攻撃を任せて、おじさんは猟兵を護る事と敵の戦力を削ぐ事に専念するよ。
使い捨ての武器を生み出すみたいだけど、それならおじさんもUCで盾群を生み出して迎撃して見せようじゃないか。
超速戦闘術とやらは武器受け(剣)と盾受け(盾群付右義腕)に激痛耐性で耐えつつ、隙を見てグラップルで鈴の破壊を狙おうかな。
「皆の事はおじさんが護ってみせるよ。」
愛久山・清綱
上杉謙信。ようやくお目にかかれるのだな。
俺の技がどれだけ通じるだろうか……
だがその前に、奴らを討たねばならんな。
■襲
現場は林か……なれば、木々に隠れつつ移動しよう。
【空中戦】で木々の間を低空飛行し、距離を詰める。
移動時は音で気づかれないよう羽ばたく回数は少数に抑え、
木に隠れる際は羽を隠す。
敵を発見したら距離『50m』まで接近、気づかれる前に
【早業】の抜刀術から放たれる【空薙】で切り伏せる。
■闘
見つかったら戦闘へ。
棒による引っ掛けは【野生の勘】で軌道を【見切り】、
【武器受け】しつつ振り払う。
此方は敵が密集している場所目掛けて【空薙】を放ち、
【範囲攻撃】で一斉に攻撃する。
※アドリブ・連携歓迎
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サムライエンパイアで始まった戦争『エンパイアウォー』。
この世界を征服すべく、第六天魔王「織田信長」傘下の『第六天魔軍将』が動き出した。
「故郷の世界がマズイ事態なら、ちっとは何かしたいよなー」
この世界出身の羅刹の少年、鹿村・トーゴ(鄙村の忍者見習い・f14519)も他の猟兵と共に立ち上がり、サムライエンパイアへと舞い戻っていた。
世界各地で争乱は起こっているが、そのうちの一つ、中山道の要衝である『信州上田城』。
この地はすでに、織田軍の手中にあるという。
「上杉謙信。ようやくお目にかかれるのだな」
背に猛禽の翼、牛の角に蛇の鱗を備える少年、愛久山・清綱(飛真蛇・f16956)はこの地を攻め入る軍勢の将の名を呟く。
「俺の技がどれだけ通じるだろうか……」
敵の力に清綱も興味を抱くが、今は目の前の林に散開して隠れているという連中を討たねばならない。
「カンフーにゃんこですか」
金のウェーブヘアを風で揺らしつつ、スピネル・クローバルド(家族想いな女の子・f07667)が仲間達へと告げる。
見れば、林の中でまれにぴょこっと顔を出す大きな瞳のカンフーにゃんこ達。
その姿はなんとも可愛らしく、人によってはもふもふしたい衝動にかられそうな見た目である。
「とても可愛い容姿ですけど、あれもオブリビオンの軍勢、油断はできませんね」
スピネルもそうだが、皆その可愛らしさには惑わされず、しっかりと討伐に当たる心構えだ。
丸眼鏡に色黒な肌のエルフ、ラムダ・ツァオ(影・f00001)は敵が胸部にある鈴を鳴らさぬように立ち回ると知り、対抗策として自らも鈴を用意してきていた。
長い銀髪のヤドリガミ、黒鵺・瑞樹(辰星月影写す・f17491)は敵が林に散開して待機していることに着目して。
「奇襲してくださいって言ってるようなものじゃないか」
右腕をサイボーグ化した戦場傭兵、バスティオン・ヴェクターライン(戦場の錆色城塞・f06298)はマイペースな調子を崩さずに。
「面白い戦い方するじゃないか? じゃあ、おじさんも真似てみようかな」
敵が潜む場所を見定めつつ、バスティオンは仲間と共に林へと踏み込むのである。
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林で待ち伏せしているカンフーにゃんこ達。
確かに、彼らは信長が目をつけて召喚した手練れのカンフー使いなのかもしれない。
ただ、相手がどこで待ち伏せしているのかが分かっている状況は、猟兵達にとって大きなアドヴァンテージだ。
それを最大限に生かし、メンバー達は奇襲を試みる。
自らに迷彩を施したスピネルは、目立たぬように林の中へと隠れながら接敵していく。
少し距離を置いた場所では、林という立地を生かした清綱が猛禽の翼で木々の間を低空飛行していた。
できるだけはばたく回数を減らす清綱は羽を隠して木の陰に潜み、さらに敵へと迫っていく。
存在感を消し、瑞樹も木々の枝を渡るように移動していき、人目につかぬよう気を付け対象を探す。
足音を消し、木々の間を跳躍する瑞樹。
距離が空いていれば、彼はユーベルコード【空翔】で空中を多段ジャンプし、遠くの枝の上へと着地していく。
移動する仲間から敢えて離れ、トーゴは深入りしない程度の距離を保って敵の位置を探る。
トーゴもまた木々の茂る林という地形を十分に生かし、待ち伏せするにゃんこ達を風上から狙う。
(「そろそろいいかな」)
皆、林に潜み、敵に襲撃をかけるチャンスを窺っている。
下手なタイミングだと、奇襲に失敗してそれだけで皆を窮地に立たせる危険がある。できるだけ仲間達と合わせたいところだ。
そんな中、敵の捜索に当たるバスティオンは、仲間達を守る為にと囮のような立ち位置で林へと入っていく。
そして、奇襲を受ける形となるバスティオン。
「かかったにゃ!」
六尺棒で、にゃんこは彼を吊り上げようとする。
しかしながら、冷静にそれを右義腕でつかみ取ったバスティオンは、持ち前の力と服の下に仕込んだブースターで出力を高め、その棒を握り潰してしまう。
「にゃっ!?」
それが皮切りとなり、メンバー達はそれぞれ隠れるカンフーにゃんこ達を奇襲していく。
トーゴは風上から隠れる2体のにゃんこ目掛け、砂と呼称を混ぜたものを投げかける。
「にゃああああっ!!」
大きな目を潰され、悶えるにゃんこが木から転げ落ちる。
「敵が来ているにゃ!」
敵の1体が叫ぶが、もう遅い。
時を同じくして、猟兵達は次々に仕掛けていたのだ。
清綱はにゃんこが気付く前に、自らの間合いにまで接近していた。
『今刀』で早業の抜刀術を繰り出し、清綱は空間ごと狙ったカンフーにゃんこを切り伏せる。
とはいえ、敵もギリギリのところで殺気に気づいたらしく、とっさの判断で斬撃が来る方向へと六尺棒を振るって相殺を試みる。
「……いきます」
大声を出さずに素早く詠唱を完了させたスピネルが使うのは、多数の狐火。
火属性を強化したその狐火は広範囲へと広がり、隠れていたにゃんこ達を直接燃やし、あるいは炙り出していく。
戸惑うカンフーにゃんこ目掛け、真上から襲撃する瑞樹。
右手に『胡』、左手に『黒鵺』を握る彼は、命を奪うつもりで敵の首を狙う。
「にゃっ……!」
敵も素早く応戦し、六尺棒を縦にして斬撃を避けようとするが、瑞樹に抜かりはない。
殺しきれない可能性まで想定していた彼は斬撃と同時に相手を麻痺させる一撃を与えており、傷口を抉って確実にオブリビオンを仕留める。
カンフーにゃんこが動かなくなったことを確認し、瑞樹は再度頭上へと飛び上がり、次なる獲物を探しに行く。
交戦が始まる林へと、ラムダも飛び込む。
現状、仲間達が奇襲を仕掛けている。それなら、絶好のチャンスだとラムダは判断して。
「ちょっと場が荒れるかもしれないけれど」
彼女は用意していた鈴の音を林の中で鳴り響かせる。
「「「にゃにゃっ!?」」」
驚き、戸惑うカンフーにゃんこ達。これこそ、ラムダの思うつぼ。
林に潜入した猟兵達は、一気に敵の殲滅の手を強めていくのである。
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多くの敵を引き付けようと立ち回るバスティオン。
「皆の事はおじさんが護ってみせるよ」
彼は仲間達が敵の攻撃に専念できるように3、4体のカンフーにゃんこを同時に相手し、対処していた。
ただ、敵も集団戦には慣れているのだろう。
林に転がる大岩を三節棍や九環刀に変え、バスティオンを狙ってくる。
鈴を輝かせて繰り出す連撃は脅威だ。全てを避け、受け止めるのは難しい。
「それなら、おじさんも盾兵の本領発揮だ」
バスティオンもまた近場の地面に埋まる大岩を、自らの義腕の盾群の一部に変換してしまう。
その上で、彼は大型長剣と義腕の盾で敵の武器を受け止める。
隙を見たバスティオンは相手の鈴を義腕でつかみ、力を込めて握り潰す。
「うにゃあっ!!」
弱体化に成功すれば、盾で受けるのも楽になると、彼はにやけてみせたのだった。
個々のメンバー達も確実に敵を1体ずつ叩く。
清綱は敵が繰り出す六尺棒の軌道を読み、冷静に避け、あるいは刀で弾く。
「そう簡単に服をひっかけさせはせん」
かかってしまえば、相手の意のままに振り回され、木々や地面へと叩きつけられるのだろう。
だからこそ、棒と衣服の接触には十分気を払わねばならない。
一度、刃を鞘へと納めた清綱は、もう1体敵が合流し、こちらへと向かってきたところを目掛け、抜刀する。
「空薙……」
前のめりに飛び込んできていたにゃんこ達は、空間ごと切り裂く清綱の一撃に対処できず、体を寸断されて林の中へと消え去っていった。
瑞樹も個別に、敵の襲撃を続けていく。
敵によっては、瑞樹の接近を察して距離をとる。
「超速戦闘術……見るにゃ!」
胸元の鈴を輝かせ、瑞樹へと躍り込むカンフーにゃんこ。
素早い動きに瑞樹も直観と見切りを生かしてなんとか棒術を両手の刃や、自身の七つ道具で受け止めていた。
ただ、いくら連撃を仕掛けるにせよ、相手には武器を振り抜く大きな隙ができる。
瑞樹はそれを逃さずカウンターを繰り出し、敵の首を跳ね飛ばして見せたのだった。
こちらは、合流する形で敵と応戦していたスピネル、トーゴ、ラムダの3人。
ある程度敵が集まれば、役割分担して少し面倒になる。
自分達を狙う敵数体はすでに、大岩を使って変換したヌンチャクやトンファーを手にしていた。
それらの殴打は敵によって異なり、複数になれば軌道を読むのが困難になる。
「それなら、無力化するまでです……!」
狐火を操るスピネルは相手の手元目掛けて狙撃し、炎を飛ばす。
大きく燃え上がる炎に、にゃんこ達は思わず武器を手放すと、それは元の大岩へと戻ってしまう。
「この場の化け猫は倒したいよな」
自らの体に妖怪、悪鬼、幽鬼といった類のものを降ろし、戦いに臨むトーゴは呪いで異常な体の重さを感じていたが、クナイを投げつけながらも仲間を援護する。
そのクナイは、ラムダを吊り上げようとしていたにゃんこの腕に突き刺さった。
吊られるくらいならと考えたラムダは、いっそ服を脱ぎ去ってしまって。
「素早いのは、あなたたちの専売特許じゃないのよ?」
敵目掛けて投げつけた外套は、にゃんこたちの目くらましとなる。
その外套を顔面から取り去ろうとする敵目掛け、ラムダは黒い短剣を埋め込んで仕留め、その場から飛び退く。
別の1体には、トーゴが直接クナイで切りかかる。
ただ、鈴を輝かせるにゃんこ相手ではさすがに速さで劣り、トーゴに分が悪い。
しかしながら、そこでスピネルが素早く詠唱してこの場のにゃんこ達を纏めて広がる狐火を燃え上がらせ、大きく怯ませる。
すかさず、トーゴは敵の胸部へとクナイを埋め込んでとどめを刺すと、ラムダも今度は白い刃で相手の心臓を一突きし、地面に沈めてしまう。
そして、スピネルは自らの炎で弱ったカンフーにゃんこの顔面に直接狐火を撃ち込み、敵を地面へと伏してしまった。
「これで終わりですかね」
スピネルは、この場の猟兵達へと仕留めた数を確認する。
厄介な敵ではあったが、うまく対処できたこともあって、15体全てのカンフーにゃんこを躯の海へと返すことができた。
目的を達成したメンバー達。
まだまだ倒すべきオブリビオンがいることを再認識し、彼らは新たな戦場を目指すのである。
大成功
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