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朝日とともに出ずる災厄

#サムライエンパイア

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#サムライエンパイア


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 サムライエンパイアの何処かにある集落。何の変哲もないこの村もまた、余所と同様に新しい年を迎えようとしていた。
 初日の出を拝もうと、日が昇る前に起き出す一部の村の者達。野原に出でて、地平の彼方からお天道さんが現れるのを今か今かと待ちかまえていた。
 やがて、陽射とともに地平線を超えようとする、光を纏った「何か」を、村人達は見出す。その明かりは地を照らし、その炎は地平を揺らす。だがそれは、朝日の日差しでも、陽炎の揺らめきですらなかった。取り巻くは、妖しく煌めく鬼火を纏いし首なしの狐達。率いるは、筋骨隆々、強力無双の怪僧。いつものように、平凡に始まると信じていた村人達の一年は、非凡な惨劇に始まり、終わりを迎えようとしていた……。

 激闘に次ぐ一年を乗り越え、新たな年を迎えようとしていた猟兵達。ようやく仕事納めか、そう思う者も幾らかいる中、アイリーン・ルプスが意味ありげな視線を送りながら、残念そうに告げる。
「皆、いつもお疲れ様。今年の仕事はお終い、って思っている人もいるかもしれないけど、残念ながら新しい事件を予知したわ。」
 その残酷な告知にうんざりする猟兵もいる中、アイリーンは事件の詳細を話し始める。
「場所はサムライエンパイアの辺境にある集落。そこに、オブリビオンの一団が向かっているの。」
 その集落に明確な目的があって向かっているのか、単なる道すがらなのか。どちらにせよ、このままでは集落の住民達が蹂躙されるのは間違いない。
「そこで皆には、道中で敵を待ち伏せて迎撃、集落に到達する前に殲滅してもらうわ。」
 いつの間にか現れたバーチェアにゆらりと腰掛けながら、アイリーンは作戦説明を続ける。
「戦場になるのは、村と敵の中間に存在する平原。地平線が見える位見晴らしの良い場所で、特に気にするような点もないから、存分に戦えるわね。そして、皆の戦う相手――オブリビオンの構成ね。」
 今回の相手は、憎しみに濡れた妖孤の集団と、仮面の武僧一体だ。
 憎しみに濡れた妖狐は、全身に鬼火を纏った、首無しの三尾の狐の姿をしている。神通力や鬼火による遠距離攻撃に、心眼による回避能力、何より数が何十匹といるため、気を抜くと思わぬ反撃を受けるだろう。
 仮面の武僧は、かつての戦乱の世で名を馳せた程の実力者。見た目に違わない頑強さと、見た目に違うような術の器用さを併せ持っているため、自身の全力を出し切らねば大きな損害を受ける可能性もありうる。
「以上で、作戦の説明は終了よ。」
 そういえば、と、アイリーンは蠱惑的な笑みを浮かべながら、付け足すように言う。
「どうやらサムライエンパイアには、昔からある、新年を迎えるお祝いがあるみたいよ。村を護ったついでに、ご相伴にあずかるのもいいんじゃないかしら?」
 そう言って、アイリーンは指先で唇から接吻を飛ばす仕草をしながら、猟兵達に一年を締めくくる挨拶を交わす。
「それじゃあ皆、良いお年と、作戦の成功を祈るわ。」


橘田華佗雄
 二度目まして、そしてこのオープニングが公開されるときには早いかもですが、あけましておめでとうございます。橘田華佗雄です。
 第六猟兵開始から早半月超。皆さん、小慣れてきたでしょうか。自分はまだまだ手探りな所もありますが、増々精進していきたいと思います。
 以下、ちょっとした補足になります。

●戦場について
 オープニングにある通り、木の一本も見当たらないような原っぱです。戦闘に影響が出るようなことはありませんが、同様に戦場を利用した策などは基本使えません。己自身、あるいは戦闘によって変化した状況の上で頑張って下さい。
 時間帯としては、ちょうど朝日が昇り始める位。若干薄暗くもありますが、戦闘に支障が出るほどではないので、光源の用意などは不要です。
 なお、オープニング冒頭に出ていた村人達ですが、戦闘前に村に帰ってもらうので、避難誘導などは気にしなくて大丈夫です。

●敵について
 大まかな概要はオープニング通り。ちょっと手強いかもしれませんが、基本、自身に合った適切な行動を取っていれば、大丈夫だと思われます。(もちろん、強いこだわりがあるのならそれもかまいません。)

●戦闘後について
 戦闘後は、護り抜いた村へと自動的に移動、村人や他の猟兵達と共に新年のお祝いに参加する運びとなっております。餅つきに参加したり、羽根つきや凧揚げでの外遊び、カルタや書初めといった内遊びなどがあります。個人的には、餅つきなんかをしてみたいですね。
 また、戦場に皆さんを送り届ける際、ついでに晴れ着も転送しますので、ご希望があれば現地で着付けることも可能です。(着付けそのものも、なんやかんやでどうにかすることも出来ます。)

 今回も前回同様、襲い掛かる敵を討ち倒す→レクリエーションタイムという、非常にシンプルで取っ付きやすいシナリオとなっています。
 それでは、皆さんの参加を、心よりお待ちしてます!
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第1章 集団戦 『憎しみに濡れた妖狐』

POW   :    神通力
見えない【波動】を放ち、遠距離の対象を攻撃する。遠隔地の物を掴んで動かしたり、精密に操作する事も可能。
SPD   :    鬼火
【尻尾から放たれる怨嗟の炎】で対象を攻撃する。攻撃力、命中率、攻撃回数のどれを重視するか選べる。
WIZ   :    心眼
【常に相手の思考を読んでいるかのように】対象の攻撃を予想し、回避する。
👑11
🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​🔴​🔴​🔴​🔴​

種別『集団戦』のルール
 記載された敵が「沢山」出現します(厳密に何体いるかは、書く場合も書かない場合もあります)。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
 それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。


夜明けを目前にした、ろくな草木も生えぬ平原。遮るもののない枯れた地にて、立ち尽くす者達がいた。予測されたオブリビオンの襲来を待ち伏せていた猟兵達だ。新年早々の依頼を前に、体を刺すような寒風にさらされながら、今か今かと気がそぞろな猟兵達。
 そして地平の彼方から光が差し始めた時、背を照らされる形で「奴ら」は現れる。全身に妖火を纏いし妖狐達と、それを従える偉丈夫の武僧。件のオブリビオン達だ。予期せぬ対峙者に一瞬たじろぐ武僧であったが、即座に気を切り替え、配下の妖狐を猟兵達へと差し向ける。
 白んでいく明けの空に目を据えながら、猟兵達の新年初仕事が始まろうとしていた。
神宮寺・絵里香
年明け早々オブリビオンに襲われるのか。
まあオブリビオンに新年もくそもないか。
妖物退治は神宮寺の戦巫女の仕事だ。
早々に退治してみせよう

妖怪相手だ。【破魔】の力がよく効くだろう。
遠距離主体の敵だからなるべくならば敵の懐に入って
【破魔】と【水属性】を纏った叢雲の一撃で【なぎ払い】で【範囲攻撃】
で数を減らしていく。
POWの神通力については【戦闘知識】で攻撃の前兆を【見切り】、
回避する。地形に何か掴んで武器になるものがあればそこからの
不意打ちに注意
【SPD】の鬼火は水属性を纏った薙刀で薙ぎ払い消化
【WIZ】の心眼については【高速詠唱】した【破魔】の力を宿した
UCでの範囲攻撃で分かっても躱せない攻撃で対処


紺屋・霞ノ衣
新年早々、強そうな奴と戦えるなんて幸先が良いね!
めでたい見た目じゃあないけど、相手に不満は無いよ
さあ、アタシの相手をしてくんな!

首が無い分、目の動きが分からないからちょっと面倒だね
遠距離が使えるから距離を離しても無駄
それなら接近して叩いていこうか
接近するまでは神通力は防御、鬼火は回避だ
叩ける距離まで詰めたらグラウンドクラッシャー
心眼で躱されても、こいつは周辺地形を破壊する
少しでもバランスを崩したのなら狙い時
【捨て身の一撃】のグラウンドクラッシャーぶち込むよ!
まあ、バランスを崩さなくてもやることは変わらないんだけどね


ミサヲ・カリナ
新しく年を始める儀式は各所にあって祝い方は様々だと聞くから、ここではどんな風に祝うのか興味が尽きないね。
だから無事に迎えられる様お仕事頑張ろうか!

*戦闘
序盤は敵のどの攻撃が一番脅威的なのか分からないので
様子見も兼ねて[禍花の大輪]と特技[範囲攻撃]で複数の敵の体力を削り、
中盤戦から後半にかけて特技[2回攻撃]で本格的に敵体力を削りに掛かる。



「おや、ついにご到着のようだね。」
 どこか朗らかな雰囲気を纏った青年妖精、ミサヲ・カリナ。予期された敵が眼前に迫りつつある事を確認すると、彼は身に着けていた霊符を、その小さな手に構える。
「新しく年を始める儀式は各所にあって祝い方は様々だと聞くから、ここではどんな風に祝うのか興味が尽きないね。」
 そんな呑気ともとれる一言を言ってのけながら、彼の胸中は強い思いで満ちていた。旅好きでどちらかというと温厚な性格の彼としては、荒事は苦手で、出来るなら平和的解決で事を収めたい性質の持ち主だ。だが、そこに人の命が関わるとなれば、話は違う。戦うべき時には覚悟を決めて戦う。そうした確固たる決意を胸に、ミサヲはユーベルコード発動の構えに入る。
「だから……無事に迎えられる様、お仕事頑張ろうか!」
 手繰るは深淵への花送り、『禍花の大輪』。手にした護符を無数の牡丹の花弁に変化、嵐と化した百花が、無謀にも突っ込んで来た妖狐の群れを次々と飲み込んでいく。たとえ攻撃を予測出来ようと、避けられぬ程の広範囲攻撃の前では無意味。妖の僕達は、じわりじわりとその身を花片へと沈めていく。
 だが、妖狐達とて無抵抗というわけでもない。身をよじらせ、強引に奔流から脱出した何匹かは、なおも果敢に猟兵達に襲い掛かろうとする。が、そんな無謀者達の前に立ち塞がる闘士二人。神宮寺・絵里香と、紺屋・霞ノ衣だ。
「年明け早々オブリビオンに襲われるのか。まあオブリビオンに新年もくそもないか。」
 そう呆れ気味に、絵里香は目の前の敵に向かうかのように呟く。だが、だからといって手を抜くようなことは決してしない。妖怪――オブリビオンを退治するのは、彼女の連なる神宮寺の家の者の務め。早々にカタを付けるべく、叢雲の名を冠した薙刀の刃を突きつける。
「新年早々、強そうな奴と戦えるなんて幸先が良いね!さあ、アタシの相手をしてくんな!」
 対して、霞ノ衣は闘志に満ち溢れていた。強いて言うなら、慶賀に値しない敵の見た目に多少の不満はあるが、戦いにおける強さとは別の話。命がけの闘争を求める彼女にとって、取るに足らない大した問題ではなかった。戦刃を上段に構え、彼女もまた臨戦態勢へと移る。
「オレが先行するぞ、霞ノ衣。」
「あぁ、頼んだぜ!」
 先に飛び出したのは、絵里香であった。己が身と武装に破魔の力を宿したかと思うと、目にも止まらぬ神速で妖狐の群れへと接近。急な出現に戸惑う妖の集団を前に、彼女は清流の力を薙刀に加算させ、横一閃にその刃を振り払っていく。不意の一撃により、良くて痛手、個体によってはそのまま消滅していくものもいる中、更なる追い打ちをかけるべく、絵里香は真言を高速で詠唱する。
「ナウマク・サマンダ・ボダナン・インダラヤ・ソワカ!神々の王の裁きよここに!魔を滅ぼせ因達羅の矢よ!」
 刹那、破魔の力が込められた雷撃が天より無数に降り注ぐ。心眼を以ってしても避けきれぬ範囲の広さに、妖狐達は着実に疲弊していった。
「それじゃ、次はあたしの番だな!」
 そう吠えながら、絵里香と入れ違うように霞ノ衣が躍り出る。妖狐達に追い打ちをかけるべく、ユーベルコードを乗せた捨て身の一撃を上段から一気に振り下ろす。だが、心眼によって躱されたか、狙いが定まり切らなかったか。その一撃は従僕達には掠る事すらなかった。その隙を逃さず、妖狐の一体が、目には見えぬ波動を放とうとしていた。
 一瞬、大事を覚悟する霞ノ衣。だがその波撃は、花嵐によって阻まれる事となる。
「おや、大丈夫かい?」
「あぁ、助かったよ!……でも、これで終わりじゃないよ!」
 ミサヲの援護により、辛くも危機を脱した霞ノ衣。そして地面に深々と突き立てられた戦斧から、遅れた追撃が発動する。グラウンドクラッシャー……その名の通り、大地をも砕く重撃により、妖狐達の足場が唸りを上げて砕かれていく。体勢を完全に崩され、最早まともに立つ事も叶わぬ妖狐達に、先ほどの攻撃から流れるように、再び牡丹の津波が襲いかかる。
「ふぅ……これでひとまず終わりかな?」
 数々の怒涛の連撃が止んだ時、そこには幽かな種火すら残らず、妖狐の一集団は完全に壊滅する事となった。こうして、この場における戦闘は、猟兵達の勝利と相成った。

成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​🔴​

桜・吹雪
他称:様

新年は心穏やかに暮らしたいもの
皆様が安寧に新年を過ごせるようにするのが、創られた私の使命ですわ
ここより先への通行は許可致しかねます

SPDユーベルコード【白蛇】を呼び出し群れを迎えますわ
白蛇に乗り、共に【殺気】を放ち、相手を怯ませ引きつけるよう心がけますわ
他の猟兵様方の負担を減らすのが私の仕事ですから

相手の攻撃や群れでの行動を【学習力】【見切り】、接近し妖刀で攻撃をしかけますわ
複数に対応する攻撃がありませんので、着物から伸ばした鋼糸で絡め【敵を盾にする】ことで同士討ちを狙う、心があるなら攻撃を躊躇わせる立ち位置を心がけますわ

仲間の掩護が必要であれば、白蛇で巻き付け敵を拘束し駆けつけますわ


北条・優希斗
妖狐の群れに仮面の武僧か。それは看過できないね。
悪いけれど成仏して貰うよ。
仲間との連携・声掛けは行う。
先ずは妖狐の群れをワイヤーでなぎ払い
もし敵を捕らえられたら群れに叩き付けて群れを崩すよ
その後、夢月蒼覇斬
乱舞で狐達をまとめて斬り捨てるよ
夢月蒼覇斬後は残像を残すほどの速度でダッシュしながら双刀で手当たり次第に切り裂妖狐達を斬り裂き攪乱するよ
一撃で仕留められればそれでよし。駄目なら二回攻撃で追撃
敵の中央でなぎ払えば効果はあるかな
手を変え品を変えって奴だね
防御は敵の攻撃を見切りで回避
当たりそうならオーラ防御で被害を抑える
合間を見て、敵を盾にして同士討ちを誘うよ
さて、俺の戦術、何処まで読めるかな?


鏡磨・シロミ
──初日の出… ね。
私も似たことができるけど、きっと眩しいかもしれない。
戦闘の気配が濃いね、最初から力を発揮していくよ。

木の一本も見当たらないような原っぱ。
言い換えれば、なんの障害物も無い開けた場所。
なら、このコードが最も効果的かもしれない。
『SPD+39』『全力魔法』を使用後、【集光術・明星散光波】を発動。
夜明け前の空に浮かぶ輝く金星の如く、鮮烈な光と熱をもって周囲の敵を吹き飛ばす。
無論、他の猟兵を巻き込みかねないので、放つ場合は孤立し過ぎない程度に周囲の仲間達から離れて発動させるよ。



「初日の出、ね。」
 朝日を背に迫り来る軍勢を一瞥し、鏡磨・シロミはそっと呟く。時には太陽にも形容される鏡――そのヤドリガミである彼女としては、このシチュエーションには何か思う所があるのだろうか。
「戦闘の気配が濃いね、最初から力を発揮していくよ。」
 少しずつ距離を詰めていく妖狐を見遣ると、シロミはその内に宿る魔力を高めていく。
「光よ、集え。」
 見晴らしの良い、開けた戦場。ならば、初手に範囲攻撃を行うのは必然。その考えを体現するため、鏡面のようにつややかな薙刀の刀身に朝の陽射しを集めてゆく。徐々にその輝きを増していく刃。やがて敵が有効射程に入ると同時、臨界にまで満ちた魔力光が放たれる。
「──そして、並み居る全てを灰燼と化せ!」
 全身全霊を以って放出される、集光術・明星散光波。明けの明星にも例えられる程に眩い、圧倒的なまでの光熱の爆撃に、妖の僕達は次々と地から足を引き離され、力なくその身を大地に叩きつけられてゆく。
「それじゃあ、後は任せるね。」
 持てる力全てを出し切ったシロミは、攻撃に巻き込まない様に後方へと避難させていた、桜・吹雪と北条・優希斗へと声を掛ける。
「えぇ、了解ですわ。」
「うん、任されたよ。」
 それぞれ返すと、二人はシロミの手により攪乱された戦場へと駆け出す。そして先手を切ったのは果たして、吹雪だ。
「新年は心穏やかに暮らしたいもの。そのためにも、ここより先への通行は許可致しかねます。――七重に巻かれて一廻り。巻かれ絡み融け合い、一つになりましょう。」
 皆が安寧に新年を過ごせるようにする。その使命感を胸に、吹雪は巨大な白蛇を召喚、その頭部へと飛び乗る。そして優希斗を援護すべく、白蛇共々、妖狐達に向け強烈な殺気を放つ。不意の覇気に、思わず一瞬たじろぐ妖狐達。その隙に、近くにいた数匹を白蛇が長尾で捕縛していく。そしてその意味を、優希斗は見逃さなかった。
「悪いけれど、君達は看破できない存在だね。成仏して貰うよ。」
 即座に先程の妖狐をワイヤーで改めて縛り上げていく優希斗。途端、纏め上げた敵を、まるで鎖鉄球が如く振るいだす。轟々と音を立て、仲間達を次から次へと薙ぎ払う妖狐玉。だが、その轟撃から一歩離れた位置にいた一匹が、せめてもの抵抗と、怨嗟の炎を二人へと飛ばす。
「そうはさせませんわ!」
「させないよ。」
 咄嗟に、優希斗は先程の妖狐玉を、吹雪は襟袖から射出された鋼糸で絡め獲った手近の妖狐を、鬼火の射線上へと放り投げる。期せずして似たような戦法を取った二人。やがて妖火は妖狐達へと直撃、仲間の攻撃により、その身は次々と爆散する。やがて妖花火が落ち着いてくると、二人は戦いの総仕上げへと掛かっていく。
「躍るよ、蒼き月の舞を。」
 夢月蒼覇斬による無数の乱舞で、目の前の敵を次から次へと切り払っていく優希斗。そして乱撃によって開かれた突破口から、残像が残る程の瞬脚で、敵陣のど真ん中へと斬り駆ける。やがて、四方八方に敵が居並ぶ状況を作り出した優希斗は、懐からもう一振りを抜刀。気と見切りを駆使し敵の反撃を受け流していく中、二振りの刃で、手当たり次第に妖狐達を次から次へと、薙ぎ払うかのように切り伏せていく。
 負けじと、吹雪もまた、高所からの観察で把握した敵の動きを見切りによって回避しながら、桜吹雪の意匠が拵えられた鍔無しの妖刀で、打ち洩らした敵へとその刃を振り下ろす。
 遂に朝日がその顔を出し始め、その陽光が大地を満たしていく頃になると、妖狐の群れは一匹残らず駆逐されていた。こうして、新春から始まる戦いは、ひとまず幕を下ろす事となった。

成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​🔴​




第2章 ボス戦 『仮面の武僧』

POW   :    末世読経
予め【読経を行う】事で、その時間に応じて戦闘力を増強する。ただし動きが見破られやすくなる為当てにくい。
SPD   :    狛犬噛み
自身の身体部位ひとつを【狛犬】の頭部に変形し、噛みつき攻撃で対象の生命力を奪い、自身を治療する。
WIZ   :    金剛力士の招来
戦闘用の、自身と同じ強さの【金剛力士(阿形)】と【金剛力士(吽形)】を召喚する。ただし自身は戦えず、自身が傷を受けると解除。
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種別『ボス戦』のルール
 記載された敵が「1体」出現します。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
 それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
 プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※このボスの宿敵主は💠山田・二十五郎です。ボスは殺してもシナリオ終了後に蘇る可能性がありますが、宿敵主がボス戦に参加したかつシナリオが成功すると、とどめを刺す事ができます。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。

桜・吹雪
群れが村へなだれ込むのは防ぐことができましたわね
あちらの武僧が頭目でございましょうか
晴れやかな新年にふさわしくないお客様にはお引き取り願います

(真の姿の桜の花に体の一部を変化させながら)
SPD【妖刀開放】
妖刀を開放し、桜吹雪を纏い高速で接近しますわ
皆様の盾になるのがわたくしの役目
【殺気】を放ち相手の気をひき、相手の行動を【学習力】【見切り】、回避為ながら妖刀で攻撃を加えます
1秒でも速く近づき、1秒でも長く相手と自分の命を削り続けましょう
狛犬に噛まれ命をすわれたならば、その頭を切り裂き引き替えと致しましょう

創られたあなたと私
共に散るまで舞い踊りましょう
どちらも、なくてもこまらないものなのですから


御剣・神夜
初日の出、良い物ですよねぇ
あの景色は素晴らしいです。早起きしなければならないのがあれですが
とはいえ、村人たちの折角の楽しみを邪魔はさせません
此処で確実に倒させていただきます

読経を始めたら動きが見破りやすくなりますが、だからと言って際限なく強化されてもあれなので手早く斬りかかって妨害します
狛犬になって噛みつこうとしてきたら野太刀の重量と威力を利用して大上段から真っ二つに斬り裂こうと試してみます
金剛力士は攻撃すれば消えるので無視して武僧へ攻撃します
「貴方もかつては名のある武将だったのでしょう。民草を守るために戦ったのでしょう。その護るものを手にかける前に、終わらせてあげます」


北条・優希斗
大将のおでましか。
仲間との連携・声掛けは行うよ。
最初は【グラップル】、【フェイント】でいなしつつ双刀による【二回攻撃】で隙あらば追撃。
【残像】が見えるほどの速さで攻撃を【見切り】、隙があれば【カウンター】。
ある程度此方のリズムに乗ったら刀速を【早業】で上げて双刀攻撃を軸に切り替え絶えず連撃を。
隙をついて夢月蒼覇斬。
双刀の刀速に敵が慣れてきたら、短剣で【騙し討ち】して致命傷を狙う。
双刀を軸に攻撃中も【グラップル】、【フェイント】を混ぜて苛烈に攻め、確実に当たる時は夢月蒼覇斬。
回避は【見切り】が軸だけど難しければ【武器受け】、【オーラ防御】で被害を抑える。
さて……どの位俺の技は通用するかな?



「群れが村へなだれ込むのは、防ぐ事が出来ましたわね。」
 敵の先陣を打ち砕き、一抹の安堵を得る桜・吹雪。だがすぐに気を張り直すと、眼前に迫り来る怪僧に強い視線を送る。
「……あちらの武僧が頭目でございましょうか?」
 強者を自負するのも無理はない、頑強な巨躯。全身を覆う、聖職者に似つかわしくないような厳めしい武具。禍々しくも、他を容易に寄せ付けぬ程の威圧的な覇気。それらを兼ね備えた災厄が遂に、猟兵達と刃を交えようとしていた。
「おっ、ようやく大将のおでましか。」
 吹雪の横に居並ぶ猟兵の一人、北条・優希斗が、目の前の脅威に対し軽く返す。ここまでの激闘による疲労は確かにあるものの、彼は余裕のある態度を相手に感じさせるため、表に出さないように努めているようだ。
「村人たちの折角の楽しみを邪魔はさせません。此処で確実に倒させていただきます。」
 そう言って脇に抱えた野太刀に手をやるのは、先程は影で戦闘を援護していた御剣・神夜だ。一度収めた刃を抜くべく、鯉口を切る神夜。すると、その先の刀身が朝の陽射しを受け、燦々と煌めき出す。この刃に映る景色を、それを心待ちにしている者達を護り抜く。そうした思いを表しているかのようであった。
 睨みあう豪僧と、三振りの刃。張りつめた緊張の中、口火を切ったのは吹雪であった。一輪。二輪。まるで己の命を削るかのように凛と咲く桜をその身にいくつも纏わせながら、鍔のない短刀に込められた妖しき力を解放する。
「二度咲き、夢咲き、狂い咲き。泡沫に乱れ咲き、共に散りましょう。」
 瞬間、体を飾る命の花片が散り、やがて嵐となって、吹雪の周囲を逆巻いていく。己の命を削り出して生み出された花嵐を纏い、吹雪は命がけの突貫に挑む。
「晴れやかな新年にふさわしくないお客様には、お引き取り願います。」
 吹雪の敵意に感づいた武僧は、腕部から狛犬を模した頭部を出現させ、その牙を彼女へと差し向ける。が、狂犬の噛み付きは、瞬間的に見切られ空を噛む事になる。敵を間近に捉えるや否や、桜花の奔流を交えながら妖刀で次から次へとその巨躯へと斬りつけていく吹雪。それは確実に、少しずつ、敵も、そして自らの命も、じわり、じわりと削り取っていく。
(あなたと私、共に散るまで舞い踊りましょう。)
 ――どちらも、なくてもこまらないものなのですから。悲観的な思いを抱える吹雪。だが、そんな彼女を放っておくような薄情な猟兵は、少なくともこの場にはいなかったようだ。
「吹雪さんの命がけの覚悟、絶対に無駄にはしないよ。」
 彼女を気遣う様な、優しげな声を掛ける優希斗。怪僧が目の前の敵に手こずっている隙に、万全に調子を整え、その横に駆け込んで並んでいたのだ。あたかも突然現れたかのような新たな障害に、咄嗟に先程の狛犬をけしかける武僧。だがしかし、瞬間の陽動に掛かった攻撃は空を切り、刀剣による返しの連撃で切り刻まれていく。高まる拍子に乗せ、段々と速まる絶え間ない斬撃を、時には武装と気迫を織り交ぜた受け流しをしながらも、吹雪と共に刻み込んでいく優希斗。そんな怒涛の波状連撃の中、優希斗は敵の中に生まれた一縷の隙を見出す。
「再び躍るよ、蒼き月の舞を。」
 再度閃く、夢月蒼覇斬。無心から生み出される斬撃の嵐に、遂に武僧は大きく体勢を崩し、ここまでで一番の隙を見せる。
「後は頼みましたよ、神夜さん!」
「はいはーい!お姉さんに、お任せあれ!」
 後方から、じっとその時を伺っていた神夜。大上段に構えた野太刀を携え、全力の助走から天高く舞い上がる。咄嗟に読経を行い、己が身を固めようとする武僧。が、それは逆に、決定的な無防備を晒す事に繋がってしまう。
「貴方も、かつては名のある武将だったのでしょう。民草を守るために戦ったのでしょう。その護るものを手にかける前に――私が、終わらせてあげます!」
 経を読む暇もなく、日輪の輝きを受けた豪刀・牙龍が振り下ろされる。一閃。その刀身の重みと、それを軽々と使いこなす膂力が合わさった一太刀は、袈裟斬のように武僧の体に深々と裂傷を与えていく。傷口から血潮が大量に噴出し、余りの苦痛に悶絶する武僧。この場における、最大級の大打撃と言えるだろう。
 ひとまず、大きな痛手は与えた。体勢を立て直すべく、そして次の者へと引き継ぐべく、三人は一旦後方へ下がる事となった。

成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​🔴​

神宮寺・絵里香
さて、ようやく出てきたな。んじゃあ大物退治だ。
全力で潰させてもらうぞ。

POWの待世読経については【戦闘知識】で攻撃動作を【見切り】
攻撃を回避していく。攻撃を回避して隙ができた所で、背中に
マウントしていた短槍を取り出し、【槍投げ】で相手の膝に向けて投擲。
これには【属性攻撃】【麻痺攻撃】の技能を使った痺れる雷を纏わせる。
痺れる雷で動きを止めた所に【ダッシュ】で接近。【グラップル】で
刺さった槍を蹴り込み【串刺し】、膝が落ちた所に【力溜め】した
【雷属性】の灰燼拳をぶち込む。
SPD 薙刀の広い間合いで攻撃。攻撃の届く範囲を見切る
WIZ 仲間と連携して抑え込む。隙を見て短槍を【槍投げ】して止める


ミサヲ・カリナ
この土地では始めて目にする日の出だね。
空が徐々に青く染まっていく様子は星が違っても同じなんだね。
と、空ばかり見てられないね。
お次のお相手の登場だ。

*戦闘
敵に近距離から殴り掛かられたら為すすべがないので、成る可く獲物の届かない範囲から遠距離から様子を伺う。
敵から仕掛けてくる気配が無さそうなら【禍花の大輪】と特技[範囲攻撃]で攻撃していく。
敵の攻撃が【WIZ】以外であれば、特技[フェイント]からの【オペラツィオン・マブカル】で攻撃の跳ね返しを狙う。


化野・那由他
新しい一年、新しい一日の始まり――希望に満ちたひとときを台なしにする輩は、それがどんな者であれ許す訳にはいかないわ。

「失われた物語を、ここに」
重厚な奇書の頁を開き、降魔化身法で「妖狐」を身に宿します。狐火を浮遊させ、仮面の武僧に飛ばして攻撃を。
「妖狐だって悪玉だけとは限らないわ」
狛犬噛みに対しては、両目を狙ったり、口を開けたところに狐火を放り込んで撃退を図ります。【呪詛】を駆使し、自身を苛む「毒」に構わず攻撃を。
皆で力を合わせないと勝てない相手でしょうから、味方猟兵と連携しながら慎重に立ち回りましょう。
「新たな年を良きものとする為にも、貴方は此処で討ち果たさねばなりません」

※アドリブ歓迎です。



戦いが始まり早数刻。宵の闇が白んでいき、やがて蒼穹へと移ろうかという頃、ミサヲ・カリナは空を仰いでいた。サムライエンパイアでは始めて目にする旭日。時が進むにつれ空がその様を変えていく所は、例え天上で輝く星が異なろうと、世界が移ろうと何処も同じだ。そう感傷に浸るも、やがて彼はその視線を天から地へと移す。
「と、空ばかり見てられないね。お次のお相手の登場だ。」
 先程の戦いで大きな傷を負った武僧。そこへ追撃を加えるべく、ミサヲは緋色の甲冑を纏ったカラクリ人形を傍らに従える。
「それじゃ、ようやく出番だな。んじゃあ大物退治の時間だ。全力で潰させてもらうぞ。」
 次いで、神宮寺・絵里香が妖狐達との戦いからそのまま、勇んで前に出る。先程使っていた薙刀をしまい、今度は取り回しに優れていそうな短槍を、今は使い時ではないのか、背部へと配備、身軽さを重視した構えを取る。
「新しい一年、新しい一日の始まり――希望に満ちた一時を台無しにする輩は、それがどんな者であれ、許す訳にはいかないわ。」
 続けて現れるのは、集団戦では見えない所でサポートに徹していた化野・那由他だ。平時であれば残念な面を見せる彼女も、いざ戦場に立てば、清らかで朧気げながらも凛とした佇まいを見せ、本体である重厚な奇書をその手に取る。
 傷ついた身体の修復を試みようと、経を唱え始める武僧。だが絵里香はその隙を逃すまいと、いの一番に飛び出す。読経に集中し始め、周囲への警戒が疎かになった怪僧に近づくと同時、背負っていた短槍を取り出し、雷撃を込めるべく力強く握る。次第に電撃が充填される雷槍『因達羅』。力が高まる度、全体から迸る火花。遂に投擲可能な距離まで迫ると、絵里香は槍投げの要領で豪脚の膝を目掛け短槍を投げ込む。
「とりあえず、これでも食らいな!」
 地を奔る雷と化した因達羅。閃光の如き速さで放たれた雷槍は、隙だらけな膝関節に深々と突き立てられる。数拍遅れ、自身が何をされたのかに気付く怪僧。だが時遅く、電気刺激が全身を巡り、全神経を麻痺という形で拘束していく。
「失われた物語を、ここに……」
 同時に、中衛に回っていた那由他の手にある怪書の頁が風もない中,
はためいたかと思うと、本に収められていた『妖狐』を象徴する怪異譚がその中から湧き出すように現出する。やがて、重なり合うように那由他の体へと溶け込んでいく怪異。それまでに加え、どことなく妖しさを携えた雰囲気を纏いながら、その身の周囲に一つ、また一つと、狐火が燈される。
「妖狐だって、悪玉だけとは限らないわ。」
 先刻は怨火を燃やし、猟兵達にとって害悪でしかなかった妖狐。しかし今この時だけは、彼らを勝利へと導く凱火となるべく、その力を那由他へと託す。全ては、新たな年を良きものとする為、そして眼前の敵を此処で討ち果たす為に。
 一方の武僧も、全身が過度な痺れでまともに動けぬ中、ここまで受けた屈辱を返すべく、辛うじて動かせる狛犬の顎を那由他へと仕向ける。けれども、それでも麻痺によって動きが緩慢になった狂犬など、彼女にとっては下しやすいただの的であった。漂う狐火に呪いの言霊を乗せ、目や口腔といった防御の薄い箇所を的確に焼き貫いていく。
 攻撃を受けた箇所を中心に、次第にその身を炭化させながら崩していく狛犬。だが、せめて一矢報いようという執念なのか、ボロボロの身でなおも迫り来る。落とし切れぬと察した那由他はそれを躱そうとするも、ふいに全身を強烈な痛みが駆け巡る。先程の術による代償で受けた毒のせいだろうか、一瞬だけ立ちくらんでしまう那由他。だが、敵にとってはその距離を詰めるのに十分な隙であった。眼前に迫る、歪で禍々しい凶牙。あわや彼女の柔肌に食い込もうかというその時、狛犬の側に甲冑の騎士が舞い降りる。後方から様子を伺いつつ、広範囲にその眼を向けていたミサヲのからくり人形だ。
 最早思考回路すら燃やし尽くされていた駄犬は、思わず条件反射でそちらへと攻撃目標を変える。ひらり、ひらりと、フェイントを織り交ぜながら、攻撃を自身へ惹き付けてながらも躱していくからくり人形、『ソードダンサー』。やがて好機とみたか、狛犬の噛み付きをあえてからくり人形に盾で受けさせるミサヲ。瞬間、盾から発せられた溢れんばかりの衝撃波が、狛犬の微かに残されていた肉体に襲い掛かる。盾に仕掛けられたユーベルコード――オペラツィオン・マカブルによるカウンターが発動したのだ。ダメ押しの衝撃を受けた狛犬は、遂に粉微塵に砕かれていく。
「大丈夫?怪我はないかい?」
「――はっ!えと……はい!ありがとうございます!」
 あまりに唐突な不幸に、危うく魂が抜けかけた那由他。そんな彼女に、ミサヲはいつもの落ち着いた声色でさりげないフォローを入れる。
「さて、と……そろそろいい頃合いだな?」
 そして絵里香は、攻撃手段を失い全く身動きが出来なくなった武僧を見遣ると、間髪入れずに急接近していく。狙いは、先程打ち込んだ短槍。走り込む勢いに任せたまま、絵里香は膝小僧に刺さったままの槍に蹴りを加える。程なくして、雷槍は膝裏を超え、武僧の膝を完全に貫通していく。膝関節を粉々に砕かれ、遂に片膝をつく武僧。だが、絵里香はそれしきで満足しない。もう片方も灰燼に帰すべく、その利き腕に雷撃の力を溜めていく。避けようにも、片膝を失い、未だ麻痺が抜けきらぬ武僧。そして臨界にまで力が高まったその時、稲光と共に絵里香の渾身の拳が閃く。
「ほらよ、これで……どうだぁ!」
 彼女が拳を振り抜き、激しい閃光が止んだ後。残されていたのは、全力を出し切った絵里香と、両膝を砕かれ、ついに両膝を地に付ける武僧だ。戦いの要となった短槍を回収し、一先ずの目標を達成できた絵里香は、共に戦った二人を伴い、前線から一旦引き上げるのだった。

成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​🔴​

加賀・琴
宗教違いとはいえ同じ神職として、僧侶がオブリビオンになって祝うべき新年に集落を襲うというのは座視できません。
まぁこの仮面の武僧は戦乱の世で名を馳せたということは出家した武将か何かで本当の僧とは違うのかもしれませんが、どちらにしろ見過ごせないのは同じですね。

和弓・蒼月で皆さんの『援護射撃』を行いますね。
金剛力士に攻撃するのは罰当たりな気もしますが、オブリビオンの技ですから仏教の守護神たる本物ではないですよね?
私が用いる『破魔』の矢は、宗教違いでオブリビオンとはいえ今回は普通の矢になってしまいますかね?
ともあれ【破魔幻想の矢】で『2回攻撃』です。合計140本の破魔の矢で敵の隙を作ってみせます。


化野・那由他
危ないところを助けられたわ。連携は大切ね。私も最大限の【援護射撃】を続けましょう。

WIZで判定を。溜まった🔴を使用して力を開放、妖気を滾らせ、毒を消し飛ばします。その上でユーベルコード『叢原火』を使用。奇書の頁を開き、物語を読み、怨嗟を放つ首だけの僧の鬼火を浮遊させ、けしかけます。
「昔々の話でございます。京の都に、仏道に背く悪僧がおりました」
【全力魔法】を以て【呪詛】を放つ炎の【属性攻撃】を。
怪火には数多あれど、これの呪詛は格別よ。同類には特に効くのではないかしら。
余裕があれば『仍て件の如し』で攻撃の回避を試みます。

ところで貴方、寡黙よね。私達と話す言葉を持たない、というところかしら?



「ふぅ……危ないところを助けられたわ。」
 同士に連れられ、後方へと下がろうとしていた化野・那由他。先の戦いで、彼女は誰かと共に戦う事の大切さを、改めて身に染みて感じていた。だからと言って、いやだからこそ、このままでは引き下がれない。那由他は体を向き直し、再び戦場に舞い戻る決意を固める。
「では、私も同行致しますね。」
 そんな時、後方から上がってきた加賀・琴が彼女に申し出る。一人より二人。仲間がいる事の心強さを理解していた那由他は強く頷き、当然のように快くこれに応じた。
 戦いの場へと駆け、並び立つ二人。そこには、ここまでの戦闘で多くの傷を受けた武僧が、先程の位置から微動だにせずにいた。無理もない。その胴には肩口から腰に至る位の大きな裂傷、膝に至っては、片や膝小僧が木端微塵に砕かれ、片や膝裏まで貫通する程まで跡形もなく抉り取られた状態。最早満足に立ち上がる事も出来まい。
「所で……彼、寡黙よね。私達と話す言葉を持たない、という所かしら?」
「――シ。」
 そう那由他が呟くと、どこからか掠れたような声が聞こえ始める。微かだったにその声は徐々に大きく、そして怨嗟の想いが強く込められていく。
「――憎シ。憎シ憎シ憎シ憎シ憎シ憎シ憎シィ!」
 それは、満身創痍の怪僧から発せられた呪詛であった。強さを至上のものとする彼にとって、絶対的な強者であるはずの自身を此処まで辱めた猟兵達など、最早憎悪を抱く他ない。かつては名うての高僧であったのであろうが、今の憎しみで歪んだ姿からは対話はおろか、理性の欠片も感じさせない。ここで討ち取る他ない、ただの災厄と化していた。
「……せめて、ここからの援護射撃で少しでも体力を削りましょう。宜しいですか、琴さん?」
「えぇ。私も丁度そう思っていた所です。」
 そう答えるが否や、琴は蒼に彩られた和弓――蒼月を構え、那由他もまた、自身の核たる奇書を再びその手に取る。そして武僧もまた、その敵意に感づいたのか、言葉無き咆哮と共に、阿形と吽形それぞれを司る二体の金剛力士像を現出、二人の攻撃に備えようとしていた。身動き一つとれない現状では、おそらく彼の打てる最善の策なのであろう。
「仮にも僧を名乗っていた者がオブリビオンになって、祝うべき新年に集落を襲うなど座視できません。この地で討ち取らせてみせます!」
 遠つ御祖の神、御照覧ましませ――弓に矢をつがえ、弦を目一杯に力強く引くと、琴は祝詞を唱え、武装に破魔の力を降ろす。携えた矢は力の高まりと共に、次第に眩い光に包まれていく。
 一方の那由他も、内に眠る真なる自身に語りかけ、その力の一端である妖力を解き放つと共に、それまで自身を蝕んでいた呪毒を発散させる。そして続け様に、はためく奇書から新たな怪異を呼び出すべく、彼女は収められた奇譚を語り始める。
「――昔々の話でございます。京の都に、仏道に背く悪僧がおりました……」
 すると、那由他の背後に朧気な炎が燈される。語りが進む度、一つ、また一つと灯される怪しげな炎。否、ただの炎ではない。その中には、怨嗟により歪められた僧の顔が浮かんでいた。それら全ては果たして、彼女の語りに出てくる悪僧なのだろうか。気付けば、那由他の周囲を漂う鬼火は八十にまで迫ろうとしていた。
「……これにて、この噺はお終い。そして、次に終わるのは。」
「目の前にいる悪僧、ですね!それでは……参りましょう!」
 破魔の力を宿した聖なる矢と、怨嗟の力を宿した怪異の鬼火。両者の準備が整ったのを確認した後、相反する力を持った二種の光迅が一斉斉射される。先を行くのは、琴の放った一筋の矢だ。いや、一本だけではない。放たれた矢は途中、二重、三重と分かたれ、遂には百四十もの光の雨と化す。朝焼けに染まる空を覆い尽くすほどの光を前に、武僧は己が身を守るべく、二体の金剛力士に自身を急遽取り囲ませる。そして怪像ががっぷりと組み合うのとほぼ同時、破邪の豪雨が降り注がれた。貫き、削られ、抉られていく二体の力士。やがて百四十もの矢が落とされる暴雨が止むも、力士像は見るも無残な程にボロボロとなっていた。
 だが、これだけでは終わらない。気付けばすぐそこまで、膨大な量の怪火が迫っていたのだ。続け様に襲いかかる、怨嗟の込められた鬼火達。これには遂にたまらず、二体の金剛力士像は各所を次々に焼き尽くされ、喰い砕かれていく。そしてそれは下僕だけでなく、それらの主人たる武僧にも迫り来る。呪詛の乗せられた妖火に、全身を焼かれていく怪僧。ようやく全ての攻撃が止んだ頃には、体のあちこちに痛々しい火傷の跡が刻まれていた。
 まさしく阿吽の連携を見せた那由他と琴。作戦の成功の喜びに満ち溢れた二人は、それとなく、互いの掌を軽く叩き合わせる。そして彼女達の活躍により、最早虫の息となった仮面の武僧。勝利の夜明けは、すぐそこまで迫ろうとしていた。

成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​

桜・吹雪
(息を整えて)
猟兵の皆様のご尽力で、あと一押しでございますわね
皆様が穏やかな日の出を迎える為
夜が明ける前に、仕留めてしまいましょう

継続でSPDユーベルコードを使用致しますわ
(真の姿に近づき桜吹雪の量を増しながら)
…身体が花になるのはなんでございましょうね

抑えにまわっておりましたが、仕留める為に切り替えましょう
相手の動きをみて【学習力】【見切り】、回避しながら攻撃を加えますわ
多少の怪我は構いません
動き回る間に不可視の鋼糸を張り巡らせ、どこか一部の拘束を試みますわ
拘束が成功するか隙ができれば【忍び足】で視覚の外にまわりこみ
皆様が砕いた鎧の隙間に全力で【暗殺】を仕掛けましょう

そろそろお眠り下さいませ



 夜明けの刻より続く、猟兵達と仮面の武僧との長き戦いは、いよいよ決着の時を迎えようとしていた。ここまでの激闘で満身創痍となり、息も絶え絶えの武僧。そんな彼との決戦を前に、桜・吹雪はゆっくりと深呼吸をし、昂ぶり過ぎた心と体を鎮める。
「皆様のご尽力で、あと一押しでございますわね。皆様が穏やかな日の出を迎える為、夜が完全に明けきる前に、仕留めてしまいましょう。」
 途端、彼女の体のあちこちに、先程よりも多くの桜の花がぽつり、ぽつりと花開き、やがて散っていく花弁は、彼女の周囲で荒々しく舞う旋風と化していく。
「……身体が花になるのは、何故でございましょうね。」
 荒れ狂う花片のひとひらを手に取ると、吹雪はふと呟く。一時期より前の記憶が無い彼女にとって、この一欠片は数少ない、過去の手がかりの一断片。まだ見ぬ主への想いを抱きつつも、吹雪はその手を強く握りしめ、改めて目の前の怪僧に向き合う。
「それでは……いざ、決着をつけますわ!」
 抑えに回っていたこれまでとは打って変わり、自身の手で討ち取るべく積極的な攻勢に出る吹雪。武僧もまた、残された命の炎を燃やし、数々の攻撃によって開かれた胴から巨大な狛犬の頭を襲い掛からせるも、これまで飽きる程見せられた技とあっては、最早見切るのも容易であった。手負いになる事を恐れぬ、僅かながらも確かな覚悟を胸に、吹雪はギリギリで狛犬の噛み付きを回避しつつ、その巨躯を駆け回りながら全身に薄紅色の放流で斬り付けていく。
 渾身の一撃も躱され、確実に削り取られていく武僧の生命。だが、武僧の目には諦めなどなかった。連撃の最中、吹雪が一瞬背を向けたその時、不意を突くかのように拳を振り上げ――られなかった。彼女が全身を駆ける際、不可視の鋼糸を張り巡らせ、その腕を拘束していたのだ。虚を逆に突き、そっと武僧の死角に回り込む吹雪。その視線の先には、これまで数々の猟兵達が築き上げた活路があった。
「さぁ……これで終いですわ。」
 砕かれた鎧の隙間に、ゆっくりと刺し込まれていく妖しき短刀。急所に的確に討たれたその刃は、その偉丈に深々と沈み込んでいく。不意の一撃を受けた武僧は、声にならぬ咆哮を上げながら、幾らかの悶絶の末、ついに事切れる。
 灯火が燃え尽き、武僧の身体が塵となり骸の海へと還るのを見遣りながら、吹雪はふと空を見上げる。気付けば、初日の出はとうの昔に顔を完全に出し、猟兵達をその陽射しで明るく祝福しているかのようであった。そして吹雪は共に戦った仲間達に向き直り、この日に相応しい言葉で、作戦を締める。
「明けまして、おめでとうございますわ。」

成功 🔵​🔵​🔴​




第3章 日常 『新年を祝い尽くせ!』

POW   :    餅つきに参加。杵で突くも、返す手伝いも、合わせる物の用意も良し。最後は美味しく、いただきます!

SPD   :    外で体を動かす遊びに参加。羽突やコマ回し等で他の人との対戦や、のんびり一人で凧揚げに興じる等どうぞ。

WIZ   :    屋内で過ごす遊びに参加。カルタや福笑い等で他の人と楽しむ、一人で書初め等に専念してみるなどいかが?

👑11
🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​🔴​🔴​🔴​🔴​

種別『日常』のルール
「POW・SPD・WIZ」の能力値別に書かれた「この章でできる行動の例」を参考にしつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
 プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。


 長かった激闘を終え、護り抜いた村へと向かう猟兵達。そこでは、村人達がせめてものお礼にと、様々なものを用意して待っていた。
 餅つき用具一式に餡子等の付け合せ。羽突やコマ、凧といった外遊び道具。カルタや福笑い、書道具と屋内で使うもの。等々。
 こちらへ転送される際、ついでに送られた晴れ着で身を飾るのも良いだろう。村人達と触れ合うも良し。共に戦った仲間達と交流を深めるも良し。猟兵達は、思い思いの正月を満喫する事になった……。
 なお、とっくに正月は過ぎているような気もするが、時間軸としてはまだまだ元旦の昼前である。
アマータ・プリムス
絵里香様と連携。

新年のお祝いをすると聞きつけ駆けつけますが依頼を終えてそのまま帰ろうとする絵里香様を発見。引きとめてそのまま餅つきへと連行します。
「いい考えですね。張り切ってつきましょう」

絵里香様が餅をついて当機は返します。手先の器用さには自信がありますし【料理】と【世界知識】があるので完璧な仕上がりになるはずです。 つきたてのお餅はずんだやきなこ、餡子をまぶして重箱に詰めて持ち帰ります。
「いいお土産ができました。絵里香様お疲れ様です」

余ったお餅は村の皆様へ配ります。猟兵商業組合の宣伝も忘れずに。絵里香様に合わせて
「今後も猟兵商業組合を御贔屓に」


神宮寺・絵里香
アマータ・プリムス(人形遣いの人形・f03768)と一緒に参加。 新年の祭りか。うーん…オレは別にいいんだがな、そういうの。 村長にでも報告したらさっさと帰る…ってアマータか。 えっ、今から新年の祭回るのか…えっ、マジかよ。 折角だし餅つきでもやるか。商会のやつらにお年玉だ。 本来はお年玉って餅やるもんだしな。 オレが杵で餅をつくから、アマータが返しでいいな。 んじゃ、タイミング合わせて行くぞ。 つきおわった餅は手慣れた手つきできな粉餅や黒胡麻餅 餡子餅などに加工していく。 帰る前に一応商会のアピール。 「そんじゃあ、今後も猟兵商業組合を御贔屓に!」 薙刀の先に土産を括って片手を上げて村を出る



「ふぅ……これで、今回の依頼も片が付いたな。」
 先の戦いの報告をするため、件の集落の村長を訪ねていた神宮寺・絵里香。その報告を終え、村長の家の周囲を見渡すと、そこには、ある者は村の住人と、ある者は仲間と共に、新年を祝う行事に興じている他の猟兵達の姿があった。
「新年の祭りか。うーん……オレは別にいいかな、そういうの。」
「あら、ごきげんよう、絵里香様。」
 そう言って、そそくさとその場を後にしようとした絵里香に、アマータ・プリムスが声を掛ける。彼女は絵里香が参加している依頼で新年のお祝いをすると聞き、急遽駆けつけてきたのだ。
「えっ、今から新年の祭を回るのか……そうか。けど悪いな。オレ、もう帰らせて……」
「まぁまぁ。そうおっしゃらず。折角なんですから。行ってみましょうやってみましょうさあさあさあ。」
 それでも絵里香は一人帰ろうとするも、アマータの熱意に半ば押し切られる形でズルズルと餅つきの会場へと連行されていく。
「そうだな……折角だし餅突きでもやるか。商会のやつらにお年玉だ。」
 少なくとも絵里香の元いた世界において、元来お年玉とは餅を配るもの。いつも懇意にさせている今の仲間達に、これを機会にちょっとした贈り物でも――そう思い直したのだろうか、彼女は少なからず前向きな姿勢を示す。
「ほう、いい考えですね。では、張り切って突きましょう。」
 そんな絵里香の提案に、アマータはクールっぽい素振りの裏で、内心ウキウキワクワクしまくりなのであった。
「オレが杵で餅をつくから、アマータが返しでいいな。」
「えぇ、もちろん。当機にお任せください。」
 言うが否や、村の人達から餅突きに必要な一式を借り受けた二人は、絵里香は突き役、アマータは返し役に分かれ、蒸し上がったもち米を絵里香が軽く潰し捏ね終えると。
「んじゃ……タイミング合わせて行くぞ……」
「えぇ。いつでも、どうぞ……」
「「……覇ぁ!!」」
 途端、猟兵二人による、目にも止まらぬ速さの超人的な餅突きが繰り広げられる。絵里香がまるで餅に組み付くかのように力強く、それでいて広範囲攻撃の如く全体をまんべんなく突いたかと思えば、アマータもまた、持ち前の手先の器用さ、これまでに積み上げてきたあらゆる世界の料理知識、ついでに餅を盾にする技術により、絶妙なタイミングで、かすり傷一つ付くことなく鮮やかに返していく。数分後、そこには、眩さを感じさせる程きめ細かく美しい、最高級の出来を誇ってもいい餅が突きあがっていた。
「いいお土産ができました。絵里香様、お疲れ様です。」
「おうよ。アマータもありがとな。存外、楽しめたと思う。」
 突きたての餅を、ずんだやきな粉、黒胡麻に餡子等のバリエーション豊かな食材と合わせていく二人。必要な分だけ自前の重箱へと詰め、残った分を村の住人や他の猟兵達におすそ分けすると、絵里香の薙刀の先に土産を括り、彼女達は仲間の元へと帰り着こうとする。
「絵里香様、あれもやっておきましょうか。」
「そうだな。それじゃあ、せーの……」
 自身に注目を集めるためか、絵里香が片手を勢いよく、大きく掲げると、近くにいる猟兵達への宣伝のため、二人は仲間達の名を大きな声で名乗り上げる。
「「今後も猟兵商業組合を御贔屓に!」」

成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​

桜・吹雪
改めまして皆様もあけましておめでとうございますわ

ご歓待有り難う存じます
皆様のお手伝いをさせて頂きますわ、なんなりとお申し付け下さいませ

【料理】
楽しんでいる皆様に、温かい飲み物をご用意致しましょう
竈か台所をお借りして、緑茶や紅茶、私は嗜みませんが熱燗やホットミード等もご用意致しますわ
大きなお鍋をお借りできれば、豚汁等取り分けて召し上がれるものをおつくりしますわ
宜しければどうぞ、暖まっていかれて下さいませ

羽根突きにコマ、カガミビラキ…楽しそうな伝統が沢山ありますわね
恥ずかしながらアルダワからあまりでませんので、外の料理は珍しいですわね
村人のかたに、宜しければこちらの世界の料理を教わりたいですわね


御剣・神夜
まぁ、これはこれは。ありがとうございます
折角ですし、振袖に着替えてみましょうかね
振袖に着替えて満喫しましょう

振袖に着替えて餅つきでできた餅を食べる
餡子をつけたり、醤油をつけたり、食べ方は様々
満足するだけ食べたら子供たちに交じってコマで遊ぶ
「こう見えてもコマ回しには自信があるんですよ?」
とコマを回し、紐で手の上に置いたのを右から左へ肩から首を通って移動させる
「どうです?」



「まぁ、これはこれは……素敵な振袖ですね、とてもありがたいです。」
 村のとある空家を借り受けて作られた着替え部屋にて、御剣・神夜は、桜の柄をあしらった、紅白のグラデーションが艶やかな振袖姿に身を包んでいた。猟兵達が此方へ送られた時、一緒に送られてきた晴れ着一式を、折角だからと着込んでみたのだ。早着替えの技術を織り交ぜた何やかんやにより、無事に着付けられた神夜。激闘の果てに手に入れた正月を満喫すべく、空き家を出た彼女は村の中心部へと足を延ばすことにしてみた。
「あら、神夜様。改めまして、あけましておめでとうございますわ。」
「あっ、吹雪さん。こちらこそ、あけましておめでとうございます。」
 そこでは、桜・吹雪が歓待で忙しい村の人達を想い、諸々の手伝いをしていた。見るとそこには、緑茶や紅茶、熱燗やホットミードといった、種類豊富なホットドリンクが出揃っていた。奥に目をやると、なんと大きな鍋一杯の豚汁まで用意されているという至れり尽くせりぶりである。
「すごいですね。これ全部、吹雪さんが作ったのですか?」
「そうですよ。宜しければどうぞ、暖まって下さいませ。」
 数々の良質な手作り料理を披露する吹雪に、家事修行に勤しんでいる身である神夜は感心しつつも、薦められるがまま、彼女はアツアツの豚汁、そして先程突かれたホカホカの色とりどりな餅を手に取る。喉を通る度、そして噛みしめる度、温感と満腹感に満たされていく神夜。身も心も充足していくと、ふと、コマ回しで遊んでいる子供たちを見かける。元気満タンになった彼女は、子供達に自分も混ぜてもらうよう声を掛ける。
「こう見えても私、コマ回しには自信があるんですよ?」
 そう言うと、神夜は子供達からコマを借り受け、空中へと回し放つ。すると、掌で器用に受け、いつの間にか紐を首の後ろに回し肩に通すと、コマを紐伝いに右から左、左から右へと、まるで一流の曲芸師の様な鮮やかな綱渡りの往復を披露してみせる。
「どうです?意外とこういうのも得意なんですよ。」
「えぇ、とても素晴らしかったですわ。」
 見ると、いつの間にか吹雪もまた子供達に混じって、いや、大勢の村人や猟兵も集まる中、神夜の一芸に魅入っていた。
「羽根突きにコマ、カガミビラキ……この世界には、楽しそうな伝統が沢山ありますわね。」
 アルダワからあまり出ない吹雪にとって、外の世界で体感するあらゆる事が刺激的であった。特に、先程の手伝いを通して、外の世界の料理に大きく興味を特に引いていたようである。軽業で皆が盛り上がる中、吹雪はこの世界の料理を、あらゆる色々な事を教わってみたいと、心に決めていたのであった。

成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​

加賀・琴
元旦早々に災難でしたし、妖狐や僧侶に襲われるなど縁起も悪かったので巫女としてお祓いをしますね。
それと一人で道具も全部は揃いませんし準備もしてなかったから略式になりますけど新年を迎える儀式と、神楽舞もしておきましょうか。
一年の始まりの元旦で縁起が悪いとよくないですからね。神式ですがお祓いと儀式などで村人達が厄除けになったと思って貰えれば何よりです。
お祓いと儀式は、まぁ子供達には堅苦しいかもしれませんがその分、大人も子供も神楽舞を見て楽しんで貰えれば幸いですね。
やはり新年最初の日である元旦は祝い事の日でなくては。ですからあの災いは今は忘れて楽しみましょう。

使用技能:破魔、祈り



 猟兵達が各々の正月を満喫している頃、加賀・琴は村の一角を借り、簡易的な神事の準備を整えていた。新年早々にオブリビオンに襲われるという災難に見舞われかけた村を想い、お祓いや新年の儀式、神楽舞を執行するためだ。残念ながら彼女一人のみで行う上、このための用意もしていなかったために略式ではあるが、何よりも大事なのは村人たちに良き一年を過ごして欲しいという事を願う想い。村人達がある程度集まったのを確認した琴は、厳粛な空気の中、厄払いの儀式を粛々と執り行い始める。
(やはり、新年最初の日である元旦は、祝い事の日でなくてはなりませんからね。)
 破魔の力を込めながら、順調に儀式を進行させていく琴。続けて行われた新年の無事を願う儀式を終えると、やはり厳かで堅苦しい空気は苦手なのか、隠れて遊んでいたり、眠気でうつらうつらとしている子供達の姿が所々で目についてしまう。
 だがそんな事は承知であったか、琴は特に気にせず、神に捧げる歌舞の披露を始める。しゃん、しゃんと綺麗な音を揺らす鈴の音。静かに、それでいて流麗な動き。村の一年の無事への祈りが込められた舞は、大人は勿論、子供達の目をも惹き付けていく。
「さぁ、あんな災いの事は忘れて、今この時を楽しみましょう。」

成功 🔵​🔵​🔴​

ミサヲ・カリナ
無事に新年が迎えられて良かった。
さて、報告方々連絡しなくちゃいけないことが終わったら、
色々見て回りたいな。

*POW
木製のハンマーを振り下ろしている人達を見に行きたいな。

木製の受け皿…鉢?を支えている人の掛け声とハンマーを振り下ろす姿が揃っていて圧巻なんだけど、異様な光景にも見えてしまう…。
周りでは甘い香りや醤油を煮立てている香りもするけど、これはひょっとして料理をしているのかも知れないね。
うんん、これはすごく気になる……!
邪魔をしないように見学させてもらおうかな。



「ふぅ……これでようやっと終わりかな?」 
 先の戦いに続き、今回の依頼に関する方々への連絡を終え、ようやく一息つけられたミサヲ・カリナ。その息には、連絡による疲れだけでなく、自身が、村人達が無事に新年を迎えられたことへの安堵も込められているようであった。
「さて……とりあえず、村のあちこちでも見て回ってみるかな。」
 そう呟くと、ミサヲは心機一転、ぶらりとその足、いや羽を伸ばしていく。荒事よりも渡り旅を愛する彼としては、こちらの方が本領なのだろう、この地域の正月観光へと繰り出す。すると、彼の目に、見た事もないような珍妙な光景が飛び込んでくる。
「あれは、木製の受け皿……鉢?それに、木製のハンマーを振り下ろしている?」
 そこでは、臼に入れられた餅を杵で突いている村人達の姿があった。杵を気合十分に打ち下ろす男の迫力、それに合わせるかのように素早く餅を返す男の掛け声に、思わず圧倒されるミサヲ。ふと、その周囲から匂いが立ち込めている事に気が付く。熱々の餅から漂う、デンプン質特有の甘い香り。煮立たせた醤油から香る、香ばしくも甘辛い芳香。
「これは……ひょっとして料理なのかな?うんん、これはすごく気になる……!」
 その小さな体ではと敬遠しているのであろうか、遠巻きに見学する事を決め込むミサヲ。すると、そんな彼が目に入った村人が彼に向かい手招きをしている。見遣ると、こんな事もあろうかと用意されていたのか、彼に丁度良さそうな大きさの餅つき用具一式が揃っていた。
「そうだね……邪魔にならないのなら折角だしね。」
 どこまでも澄み渡る青空の中、猟兵達を明るく照らす暖かい陽光の元、彼らは初日の入りが終わるまで、存分に各々のお正月を祝い尽くすのだった。

成功 🔵​🔵​🔴​



最終結果:成功

完成日:2019年01月23日


挿絵イラスト