#アルダワ魔法学園
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「どこ……!どこに行ってしまったの!」
魔法図書館。この“アルダワ魔法学園”の世界において、学園内に存在する巨大図書館にして、即ちこの世界一の叡智の結晶たる空間。そんな図書館の中で、独り言にしては幾分大きな声で呟きながら、ぐるぐると歩き回る一人の少女がいた。
「ダメ、ダメ、ダメだわ!やっと“あの魔法”の手がかりが見つかったというのに!あの本の行方を見失ってしまうだなんて!」
勉学や研究に励む学生や、小声での雑談に興じる学生たちに、どこか迷惑そうな視線を向けられながらも、少女は悲痛にも見える態度で、図書館で何かを探し続けていた。
「あるいは、迷宮の中になら、その知識も……!」
少女はそう呟いて、図書館を飛び出し駆けだしてゆく。迷宮に潜む災いの恐怖を、本当の意味で理解せぬまま。
●
「ようこそお越しくださいました。皆様には今回、アルダワ魔法学園に向かっていただきます」
グリモアベースを訪れた猟兵たちを、アルレクリア・ジャストロウが優雅な所作で出迎える。彼女はお茶を猟兵たちにふるまい、今回向かう仕事について説明を始めた。
アルダワ魔法学園。災魔と呼ばれるオブリビオンたちと戦う学生を育てる学園で、そのままその世界の通称ともなっている。
「かの学園にて、一人の女生徒が地下迷宮への無謀な挑戦をしようとしています。どうやら、特別な魔法を研究するために、地下へ向かおうとしているようですが……」
災魔を育成するための学園の生徒といえど、学生一人で迷宮に挑むのは危険すぎる。目的を達成する前に儚く命を散らすのが関の山だろう。
「そこで、皆様には、彼女の魔法研究を手伝っていただきたく思います」
一度止めたとしても、研究を完遂できなければ、彼女はきっとまた無茶をしかねない。そこで、猟兵たちの出番と言うわけである。
「まずは、アルダワ魔法学園の誇る魔法図書館にて、彼女の研究資料である、魔法書の探索を手伝っていただくことになります」
どうやら、一度その魔法書を見つけたものの、見失ってしまったらしい。魔法図書館にかけられた不思議な力によって、彼女一人では再び見つけることができなかったようだ。
「魔法図書館は広大で、更に図書館全体に魔法的措置がかけられているようです。見つけるのは簡単にはいかないでしょうが、皆様が力を合わせればきっと問題はないでしょう」
探すにあたっては、足で探してもよいし、聞き込みなどをしてもよい。あるいは、魔法書を無理に探さず、己の知識から、その魔法について導き出してもよいだろう。
「魔法についての調査が終われば、そのまま迷宮に挑戦して頂くことになります。おそらく、魔法の触媒などに、迷宮内でしか獲得できない素材が必要となるようです」
学園から迷宮まで行ったり来たりでご迷惑をおかけしますが、と小さく一礼する。
「迷宮内の災魔を退治して、悩める魔法使いの手助けもできると思えば、一石二鳥……と言えるかもしれませんね」
なるほど、依頼と呼び出されてみれば、使い走りのような真似をさせられるだけ、というわけではなさそうだ。幾人かの猟兵は頷いた。
「今からなら、彼女が迷宮に飛び込んでしまう前に間に合うはずです。……“転校生”の皆様。がんばってくださいね」
アルレクリアの激励を受けて、猟兵たちは学園へとワープしていった。
月光盗夜
このオープニング、何回「魔法」って言っているんでしょうね、月光盗夜です。今回のシナリオでは、みなさんには空回りがちな新米魔法使いさんの手助けをしていただきます。
まず、第一章では少女の求める魔法についてが描かれた書物を、大図書館の中から探していただきます。捜査手段は選択肢の中から選ぶもよし、自由な発想で方法を提示して頂いても構いません。
第二章、第三章では、迷宮での冒険や戦闘となります。
●少女について
魔法学園に入学したばかりの新米魔法使いで、入学者の例にもれず、地元である北国の小さな村からの大きな期待を背負って入学しました。
ある“特別な魔法”について研究しているようですが、その研究は難航しているようです。その内容については――第一章をお楽しみに。
第1章 冒険
『魔法研究を手伝え!』
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POW : 魔法図書館で、彼の本と同じ本を探す
SPD : 聞き込み調査をして、彼の落とした魔法書を探し当てる
WIZ : 自分の知識で、魔法研究を手伝う
👑11
🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵
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種別『冒険』のルール
「POW・SPD・WIZ」の能力値別に書かれた「この章でできる行動の例」を参考にしつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。
| 大成功 | 🔵🔵🔵 |
| 成功 | 🔵🔵🔴 |
| 苦戦 | 🔵🔴🔴 |
| 失敗 | 🔴🔴🔴 |
| 大失敗 | [評価なし] |
👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。
シエラ・アルバスティ
【SPD】
「手伝いに来たよ! 私はシエラ・アルバスティ。焦らなくても本は逃げないと思うよ、まず落ちつこうっ」
とりあえずなだめてから、少女に本の特徴とか本のありそうな場所とかのヒントが無いか聞いてみるよ
【勇者召喚】を使って可愛い魔法学者さんを召喚! ※詳細はお任せ
「良く来てくれたね! さぁ、一緒に頑張ろう! ついでに後で一緒にお食事でも……(照)」
子供体型なのは私の趣味……ふふふ(満足気)
確認をサポート対象の少女に、魔法ギミック解析を学者さんに頼んで私は聞き込みをしつつどんどん本を持って来よう
「図書館では静かにしなきゃいけないっていう鋼の掟が……走るのはやめとこ」
早歩き早歩き
パーム・アンテルシオ
人ひとりの為に、なんて。随分と過保護なものなんだね、猟兵って。
ふふ、冗談冗談。延長線上に倒すべき敵がいるって事でしょ?わかってる。
ただ少しだけ…そう、羨ましい、かな。たくさんの人に、無条件で手伝ってもらえるなんて、ね。
●SPD
さて、個人的な感情は置いておいて、お仕事お仕事。
とは言っても、私は魔法にはそんなに詳しくないっていうか…私の術とは、系統が違いそうだしね。
本の特徴を聞いて、探すのが一番かな。
最初は本人から特徴を聞いて。次は、やっぱり司書さんかな?
それで見つからなかったら…よく図書館に来てる人を、司書さんに聞いてみて。その人に、本を見てないか聞いてみる…とか。
…聞き込みって、結構大変だね。
「もうダメだわ……!こうなったら、やっぱり迷宮に乗り込むしか……!」
「おーっと、っと。待った待った!焦らなくても本は逃げないよ、まずは落ちつこうっ」
切羽詰まった様子で図書館を飛び出そうとする見習い魔法使いを通せんぼしたのはシエラ・アルバスティ(自由に生きる疾風の白き人狼・f10505)だ。彼女が八重歯を見せた人懐っこい笑みを剥けると、見習い魔法使いの少女もひとまずの落ち着きを見せる。
「私はシエラ・アルバスティ。君の助けになれると思うよ!」
「私はパーム。私たち、“転校生”らしいから」
「あ、あなたたちが噂の……?じゃ、じゃあ、お願いしていいですか?私ひとりじゃ、この広い図書館からまた見つけることはできなくて」
パーム・アンテルシオ(桃色無双・f06758)から彼女たちが災魔と戦う転校生だと聞いた少女は、問われるがままに魔法書についての情報を教える。
「うんうん、装丁に表紙に……結構な手がかりじゃない!ありがとねー?」
「いえ、私もそれで本が見つかるなら喜んで……!」
ぺこぺこ、と頭を下げる少女に、ひとまず図書館の入り口ロビーで待っているように告げる。
「……さ、ひとまず目的の本の情報は集まったし、聞き込みでもしてみようか」
「……?うん、そうだね!まずは司書さんからかな?」
一瞬、どこか羨むような視線で少女を見ていたパームにシエラは不思議そうな顔をするも、共に調査に赴いた。
そして、しばらく後、図書館のロビーにて。
「司書さんに、利用客……色々な人に効いて、情報が集まってはきたけれど」
聞き込みって結構大変だね、とパームは小さくため息をつく。そんな桃色の妖狐に後ろから忍び寄る純白の人狼。
「ふっふっふ……疲れてるパームちゃんもかわいいねぇ。お姉さんがぎゅっとして癒してあげようか?」
「もふもふしてもいいけど、お代はきちんともらうよ?一回500円ね」
かわいいものに目がないシエラが冗談めかして言ってみれば、するりと尻尾を逃げさせてパームが笑う。
「ううん、手厳しい。それじゃ、きちんとお仕事して稼がないとね。シエラ・アルバスティの名において命ずる。おいで、魔法学者ちゃん!」
シエラがそう名乗り上げると、眼鏡をかけた愛らしい幼女が呼び出される。これでも彼女のユーベルコードによって呼び出された立派な魔法学者なのだ。
「良く来てくれたね!さぁ、一緒に頑張ろう!ついでに後で一緒にお食事でも……とと、うるさかったですね、ごめんなさい!」
己の呼び出した相手にデレデレになるシエラだったが、利用客からの疎まし気な視線を感じたか、わたわたと手を振る。
「それじゃ、パームちゃん、そっれぽい本を見つけたらこの子に調べてもらおう!アタリだったらそのまま魔法の研究も手伝ってくれるはずだしね!」
そう言って、己も本を探しに行ったシエラ。パームはその背を見送ると、小さくため息をつく。
「少しだけ……羨ましい、かな。たくさんの人に、無条件で手伝ってもらえるなんて、ね」
先ほど飲み込んだ言葉を、誰にも聞こえないようにそっと呟くと、仕事仕事、と己も本を探しにいく少女であった。
大成功
🔵🔵🔵🔵🔵🔵
ノノ・スメラギ
ふむふむ、魔法研究のお手伝いかい?
よしきた! ボクにどどーんと任せておきたまえよ!
【判定POW】
……とは言えボク自身は魔法は使うけれど、デバイス任せで体系だった知識があるわけでも無いからね。
彼が無くしたと言う本を図書館で探すとしようか。
本の題名、特徴を教えてもらって、センサーデバイスに記録して、図書館を当たるとしようじゃあないか。
天下の魔法学園の図書館だから、膨大な数があるだろうから、まずは 魔法の系統?からあたりをつけて、あとは直感に任せて行くとするよ。(技能:世界知識、情報収集、野生の勘)
あとはひたすら体力勝負さ! なーに、ボクはついてるからね(無根拠な自信)、サクッと見つかるさ!
黒白・鈴凛
物探しアルカ?
アイヤー、そう言ったのは得意じゃ無いアル。とは言え、困っているのを捨て置くのも目覚めが悪い、此処は一肌脱いでやろうカ。
【POW】で判定するアルヨ
野生の勘でそれっぽい魔法の本を探して
知識がありそうな猟兵の所に手当たり次第に持っていくアル
ついでに迷宮のことも調べておけばこの後が楽になるアルナ
地図でもついでに探してみようカ。
アドリブOK
他の面子ともお触りがなければどんな交流もOKアルヨ
「物探しの手伝い言われたアルガ、ワタシ、そう言ったのは得意じゃないアルヨ。困っているのを見捨てるのも寝覚めが悪いネ。どうしたものアルカ……」
黒白・鈴凛(白黒娘々・f01262)が悩まし気に己の頭上のパンダの丸耳を掻いていると、その横を、ウサミミを揺らしながら本を探す少女が通りがかった。
「ちょと待つネ。オマエも猟兵だったアルナ?魔法には詳しいカ?」
「任せてくたまえよ。そういった知識なら……ない!」
自信満々でバッテンマークを作るノノ・スメラギ(銃斧の騎士・f07170)に、鈴凛は肩を落とす。
「おっと、見損うにはまだ早いよ?ボク自身はそういった知識には疎いけど、今回探してる本の情報をしっかりデバイスに記録したからね」
他の猟兵から情報が回ってきたのさ、といって、手持ちの端末に情報を表示する魔導機の騎士。
「後はそれっぽい本に片っ端から当たっていけば、このセンサーがアタリを見つけ出してくれるって寸法だよ!」
「オー、それは確かに便利ネ。いやはや、面白いものみたアルヨ。そういうことなら、ワタシが集めてきた本をお前のデバイス?に分析してもらうこともできるアルカ?」
自慢げにウサミミ、改め、頭上のセンサーデバイスを揺らすノノに、鈴凛は興味深げに問いかける。
「勿論だとも!なにせ天下の魔法学園の大図書館、勘や知識でアタリを付けても到底一人では調べきれないからね。手伝ってくれるなら大歓迎さ!」
「そういうことなら少し協力するヨロシ。ワタシの頼りになるところも見せてやるアル」
そういって二人はめいめいに、時に魔法の知識から、時に野生の勘で、めぼしい本をかき集めた。麗しい容貌に反して二人とも結構な力自慢ということもあってか、随分な量の本が集められていた。
「いやー、ずいぶん集めたね。すごいや、お姉さん。ボクも結構体力には自信があったんだけど」
「フフ、ワタシの凄さを見せつけてしまったようネ。さて、この中にアタリがあればいいアルガ……」
似たような見た目をした本の山に魔道デバイスをかざしていくノノを、じっと見つめる鈴凛。しばらく沈黙が続く中、突如、ウサミミ型のセンサーがぴん、と伸びた。
「ビンゴ!これがアタリだよ!」
「オー、あとはこれをあの小娘の所に持っていくだけアルナ!……と、そうネ。これも一緒に持っていくアル」
一冊の本を抜き出して笑うノノの横で、鈴凛も一冊の本を持つ。
「目当ての魔導書を探すうちに見つけた、迷宮探索の手引書のようなものネ。この後迷宮に潜ると聞いてるアル。準備をしておくに越したことはないネ」
「抜け目がないね!いいことだ!さ、見習い魔法使いくんの所にいくとしようか!」
勝気な笑みを交わして駆けて行こうとした二人が、司書さんに呼び止められて、取り出した本の片づけをさせられたのはご愛敬。
大成功
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松苗・知子
【WIZ】心情:
うーん、どういう魔法を目指してるかわからないのに手伝えるかしら?
あたしの(たぶん彼女とは体系の異なる)知識や術技の提供ってセンでいきましょう。
違うものを混ぜるってことは、新しい発見がある、かもしれないわ。
協力:
まあまあ、先ずは落ち着くのだわよ。本はみんなが探してくれているわ。
今は慌てず、手持ちの研究内容の整理と本が回収できた後の活用方法を整えるべきと思うのよ。あたしも手伝うから。
って感じでお話しするのよ。邪魔になりそうなら辞めるわ。
で、協力としては前述の状況整理と、自身の陰陽術(符の利用、結界の構築)を掻い摘んで説明、目的の魔法を聞きつつ利用できそうなところがあるか検討するのよ
「どうしよう、どうしよう……。転校生さんたちには待っているように言われたけど、やっぱり私も探しに行った方がいいんじゃ……!」
「まあまあ、先ずは落ち着くのだわよ」
ロビーのソファで待っていたものの、じっとしていられずに立ち上がりかけた見習い魔法使いを、松苗・知子(天翔けるお狐・f07978)は柔らかく制した。
「本はみんなが探してくれているし、今は慌てず、手持ちの研究内容の整理と本が回収できた後の活用方法を整えるべきと思うのよ」
ひとつひとつ、言い聞かせるように語る知子の言葉に、焦っていた少女も落ち着きを見せる。
「そ、そうですよね。本を見つけてきてくださっても、研究をするのは私ですから……!」
「そういうことなのよぅ。そうねぇ、そういえば、あなたはどんな研究をしているのかしら?」
余裕を失いがちなこの少女も、会話しながらなら落ち着いて状況整理ができるか、と、黒髪の妖狐は彼女に問いかける。
「そうですね、ええと。私の研究している魔法は、華を。空に華を咲かせる魔法なんです。一瞬、ぱっと咲いて、そのあとはきらきらと散っていく……」
「空に華?…………もしかして、いわゆる“花火”みたいなものなのかしらね」
ふむふむ、と頷くと、少女はそうです、と手を叩く。
「ええ、ええ。花火、そういう呼び方もあると聞きました。簡単な花火を作るだけの魔法なら既にあるんですけど、私、故郷に、もっと綺麗な華を見せたくて……」
少女の目標を聞くと、知子はにこ、と笑いかける。
「そういうことだったのねぇ。それならあたしも手伝うのだわ。あなたとは魔法の系統は違うけれど、それが逆にひらめきになるかもしれないもの、ね?」
「は、はい!ありがとうございます!」
見習い魔法使いはつっかえながらも己の研究を語り、妖狐の陰陽師は、己の持てる知識からの思い付きを助言する。そうして、猟兵たちが魔法書を獲得してくるまでの時間はあっという間に過ぎていったのだった。
大成功
🔵🔵🔵
「みなさん、ありがとうございました。お陰様で、“華火”の完成の目途が立ちました」
かくして、少女の研究は一先ずの完成を見た。しかし、未だ少女の顔は晴れない。
「……ただ、完成した華火を打ち上げるためには、触媒として、“錬金術ドラゴン”の鱗が必要になるそうで……」
錬金術ドラゴン。迷宮手引書によれば、“ボス級”とされる災魔のひとつだ。その素材が必要ともなれば、浮かない顔になるのも無理はない。しかし、安心しろ、と猟兵たちは少女に語った。
「え……?」
元より転校生が来ていることを知った学園の教師から、探索中の生徒を襲撃する錬金術ドラゴンの討伐を持ち掛けられていたのだ。これは一石二鳥というものだ。
「あ、ありがとうございます!私、なんとお礼を言ったらいいのか……!」
礼を言うにはまだ早い。そう言って、猟兵たちは少女に見送られながら迷宮に足を踏み入れた。
第2章 冒険
『暇を持て余す精霊達と遊ぼう』
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POW : 身体を使って挑戦。<楽器演奏>や<歌唱>など、場を和ませて楽しんでもらおうか。
SPD : 技術を使って挑戦。<料理>や<パフォーマンス>など、技術を使ってご機嫌を取ってみようか。
WIZ : 知恵を使って挑戦。<世界知識>や<優しさ>など、感性や知恵で満足させてみようか。
👑11
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種別『冒険』のルール
「POW・SPD・WIZ」の能力値別に書かれた「この章でできる行動の例」を参考にしつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。
| 大成功 | 🔵🔵🔵 |
| 成功 | 🔵🔵🔴 |
| 苦戦 | 🔵🔴🔴 |
| 失敗 | 🔴🔴🔴 |
| 大失敗 | [評価なし] |
👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。
足を踏み出した猟兵たちを待っていたのは、想像を絶する広大な地下迷宮だった。錬金術ドラゴンを探し出して討伐しようにもそう簡単にはいかない複雑さ。この複雑な迷宮に疲れてきたところをを、ドラゴンの餌食になるのかもしれない。そんなことを考えた猟兵たちに、場違いな楽しげな声がかかる。
「わぁ!学生さん!学生さんだ!」
「違うよぉ、転校生さんだよぉ」
「ねね、遊ぼ、遊ぼ!」
声の主は、小さな精霊たちだった。持ち込んだ手引書によれば、彼らはこの迷宮に住み着く、人懐っこく害の少ない小精霊たちらしい。気分屋な一方、迷宮の事情に詳しいと聞く。
「錬金術ドラゴンー?錬金術ドラゴンかぁ」
「知ってる、知ってるよぉ!がー、っとして、わー、っとして、どっかーん、でしょ!」
「隠れ家も知ってるもんね!」
それを、教えてくれないか、と問うてみれば。
「えー?どうしよう。どうしよっかな!」
「ねね、それじゃ、ボクらと遊んでくれたら教えてあげる!」
「お歌ー?お料理ー?お話ー?えへへ、なんでもいいよ!なーんでも!」
なるほど、そういうことらしい。
パーム・アンテルシオ
なんでもいい、って言われる事ほど、難しい事はない…なんて言うよね。
さて、どうしようかな…尻尾で…いや、寝落ちとかされたら、何か聞くどころじゃないね…
●POW
うん、なんていうか、自分に技能が無いのがわかるっていうか…消去法なのが、なんとも言えないけれど。
ここはひとつ、歌で挑戦してみようかな。
ふふ、こういう時にユーベルコードを使ったって、いいよね?使えるものは使う、ズルなんて言わせないよ。
肝心の曲だけど、何を歌おうかな。楽しむ、和む。軽快でノリのいい曲を…
うーん、できればみんなが知ってそうな曲がいいかな。一緒に歌えると、なお良いと思うし。
それじゃ…ユーベルコード、月歌美人。ミュージック、スタート。
松苗・知子
心情:
子供の相手って難しいわよね。どうしましょ。
ここは日常的な仕事(コーヒースタンド経営)を活かしてみましょう。
行動:
コーヒー淹れるわ。練乳たっぷりのベトナム風で行くわよ!淹れ方は仏式じゃないけど、ご愛敬よ。
ネルドリップのコーヒーセットとポット、使い捨てコップたくさんを持ってくるのよ。あとは店で出してるブレンドと、練乳たっぷりね。
火がないのでフォックスファイアでお湯を沸かして、一杯ずつ丁寧に淹れるのだわ。練乳はお好みだけど、たっぷりがおすすめね。
「ちょっとねー今話しかけないでねー。火加減ちょう難しいのだわ」
戦闘用狐火だもの……。
あと、妖精さんだけじゃなく相手した猟兵の皆にも配るわよ。お疲れ!
浅葱・シアラ
ひぅ……妖精さんだ……
シアみたいなフェアリーとは違うみたいだけど、えへへ……ふわふわしてて可愛い……。
【WIZ】で判定
えっとえっと、遊ぶ……
あ、じゃあ知識、教えてあげるね……
シアの世界知識の技能を持ってはいないけれど、きっと知らないことを知る楽しさはシアと同じはずだよね
技能、優しさを持って近づいて、引っ込み思案なりにお話ししてみるよ
ユーベルコード「蝶々花園」を使用して、光る胡蝶蘭に触れさせて妖精さん達を蝶々達が舞う鮮やかなお花畑に連れて行ってあげるよ
きっと楽しんでくれるかな……シアの大好きなお花畑だもん、きっと楽しんでくれるよね
四樫・マコル
なるほどなるほど、一緒に遊んでくれとはまたまた面白い条件っすね!
いいっすいいっす!あたしまともな戦闘は苦手っすけど遊ぶのは大得意っす!
さぁさぁあたしと一緒に遊んでくれるのは誰っすか~!!
【SPD】
とはいってもこんな何もないところじゃちょっとばかしつまらないっすね。
そんなときにはコレっす!!『ガジェットショータイム』!!!
何が出るかな、何が出るかな~(軽快なリズムと共にけん玉、コマなどのおもちゃのガジェットが出てくる)
よっしよっし!これだけあれば十分っすね!!
この玩具で一緒に遊んでやるっすよ~!!
あたしのコマ捌きに敵うやつはおるっすかね~!!!
メア・ソゥムヌュクスス
じゃあ、じゃあ、私は持っている【童話集】を読み聞かせてー、見ようかなー。
いろんな世界を回って、集めた【世界知識】が詰まった童話集だよー。
それでそれで、読み聞かせるときは、【優しい】声で【歌う】様に読んでいくよー。
あまーく、やさしーく。そうだねー、お母さんが子供に絵本を読んであげる時ってこんな感じなのかなー?
ふふ、満足してくれるかな?
※アドリブ大歓迎だよー
「なんでもいい、って言われる事ほど、難しい事はない……なんて言うよね」
「まったくだわね。……あなた、その尻尾触らせてあげるとかどう?人気でそうじゃないかしら」
どうしたものか、と悩むパーム・アンテルシオに、松苗・知子が冗談めかして問いかける。その視線の先では、桃色の見事な毛並みの尾が揺れていた。
「ちょっと考えたんだけどね。……気持ち良すぎて寝落ち、なんてされたら、何か聞くどころじゃないでしょ?」
「ああ、それもそうねぇ。目に見えるようなのだわ。ううん、子供の相手って難しいわ。どうしましょ」
肩を竦めて首を振る桃色妖狐の言葉に、黒白妖狐は苦笑して頷く。二人がどうしたものか、と考えていると、精霊たちに近づくひとつの小さな影があった。
「あの……えっと、えっと、それじゃあね、シアが、素敵な景色、見せてあげる。一緒においで……?」
サイズという意味では精霊たちと大差のない、フェアリーの少女は浅葱・シアラ(黄金纏う紫光蝶・f04820)。彼女が誘うような言葉とともに、ユーベルコードによって生み出した光る胡蝶蘭を差し出すと、それに触れた精霊たち、そして猟兵たちの視界が眩く染まる。
「わぁ!すごいすごい!綺麗なお花畑だぁ!」
「ねね、このお花、なんていうのぉ?」
「蝶々さんもいるよー!」
きゃいきゃいと目を丸くして喜ぶ精霊たち。シアラのユーベルコードによって招かれたそこは、紫色光の蝶が舞う、幻想的な一面の花畑。
「胡蝶蘭のお花畑……綺麗でしょ?あのね、ここで、シアがお話聞かせてあげる。きっと楽しいよ……?」
「へえ、お話!いいわねぇ、それじゃ、あたしは飲み物を用意しようかしらね。ふふ、たくさんお話したら喉が渇くものね?」
精霊たちを呼び集めるシアラの姿を見ながら、知子は持参したコーヒーセットで、普段のコーヒースタンド経営の経験を活かしてコーヒーを淹れる準備をしていく。しかし、このような場所でお湯をどう沸かすのかといえば。
「火加減難しいのが難点だけど、こういう時にも便利だわね、狐火」
なんと、フォックスファイアを呼び出しての代用である。戦闘用の狐火を器用に調節しお湯を沸かして、フランネルのフィルターに淹れられた、特製ブレンドのコーヒー粉を通せば、たちまち香ばしいコーヒーの香りが花畑に漂う。
「わぁ!あったかい不思議なにおい!ねね、どうやって作ってるの~?」
「ごめんねー、ちょっと今話しかけないでねー、火が危ないわよぅ?」
集中が切れると火加減に失敗して狐火を暴走させかねないため、どう対応したものかと悩む知子。それを救ったのは、のんびりとした呼びかけだった。
「お姉さんはー、みんなのための飲み物を用意するのに忙しいからー。こっちで私たちと一緒にお話ししよー?」
それは、メア・ソゥムヌュクスス(夢見の羊・f00334)の呼び声だ。子供の扱いに慣れた彼女の優しい声に呼ばれた精霊たちは、再びメアとシアラを取り囲むように集まる。呼び集めた精霊たちの気まぐれさに圧されていたシアラも一安心。
「えへ、ありがと、メアちゃん……。それじゃ、そうだね、何のお話がいいかな?」
「じゃあねじゃあね、このお花のこと聞かせて?胡蝶蘭っていうんだよね、どんなお花なの?」
精霊の一人の質問に、ぱ、と顔を輝かせるシアラ。
「胡蝶蘭……これはね、シアのお母さんとお父さんも大好きな花でね……そうだ。胡蝶蘭には、ひとつ秘密があるんだよ?みんな、お花の香りをかいでみて?」
自分の両親にもゆかりのある花について問われ、少し早口で嬉しそうに語るシアラ。彼女の語るがままに、精霊たちは胡蝶蘭に顔を付けて聴香すると、小さく目を丸くする。
「不思議ー!お花なのに匂いが全然しないね!」
「そうなの。胡蝶蘭は、殆ど香りがしないお花なんだ……。今も、コーヒーの香ばしい香り、邪魔してないでしょ?」
「へぇ、そういえば聞いたことがあるのだわ。飲食店への開店祝いなんかには胡蝶蘭が贈られることが多いって……っと、そういうわけで、コーヒーが入ったのだわ、お疲れ様!あなたたちには少し大きいかもしれないけど、許してねぇ?」
精霊たちと猟兵たち両方に、知子が練乳たっぷりのベトナム風コーヒーを入れた紙コップを配る。両腕で紙コップを抱えるようにして、少しずつ口を付けると、頬を綻ばせる精霊たち。
「わぁ!にがいけどあまくて、でもすっぱいかんじもして、とっても不思議な味だね!」
「そうでしょうそうでしょう。ベトナムコーヒーを選んだのは正解だったわね」
コーヒー、それも練乳たっぷりのものなど飲んだことのなかった精霊たちは上機嫌。
「それじゃあー、シアちゃんのお話の次はー、喉も潤ったところで、私が読み聞かせをしてあげよー」
おいでおいで、と精霊たちを手招きして、眠たげな瞳の少女人形が語り始める。彼女は己の膝の上に、いつも持ち歩いている童話集を広げると、それを取り囲むような形で精霊たちを座らせる。
「ここにはねー、いろんな世界のお話が載ってるんだよー。今日はー、どんなお話がいいかなー?」
このお話がいい、ボクはこれが気になる、メアがページをめくる度、興味津々といった様子で絵本に食いつく妖精たち。彼らをじらす様にページをめくったあと、メアはひとつの物語のページで手を止める。
「それじゃー、今日はこのお話にしようねー。むかーし、むかし、ある所にー、ひとりの女の子がいましたー」
「童話か。ふふ、これは丁度良かったかも、だね?……ミュージック、スタート。なんてね」
メアが、その少女然とした姿には見合わぬ、ベッドで横になる子の隣で子守唄を歌う母親のような優しい語り口で物語を紡ぐのに合わせ、パームが己のユーベルコードを発動する。月歌美人。幻想的な花畑にいつの間にか差し込んでいた月光が歌っているかのように、柔らかなメロディがどこからかあふれ出す。旋律と歌声の響く中で、精霊たちは物語の世界に飛び込んでいく。
それは、ある少女の物語。少女はいたずら好きな妖精に眠りの粉をかけられて、妖精の国へ誘われる。少女が目覚めたときには、彼女は森の妖精たちに取り囲まれており、彼らは手に手を取り合って、歌いながら飛んだり跳ねたり。楽しくなった少女は、彼らと一緒に妖精の国を冒険して、大きな大きなキノコの迷宮を潜り抜けたり、妖精のお姫様と果実をわけっこして食べたり。楽しい時間を過ごした少女は、最後はお姫様に見送られて、妖精の国を後にする。次に少女が気付いた時には、そこはいつものおうちのベッド。
どこまでがメアの語る童話で、どこまでがパームの奏でる歌声だったのか。二人の少女の紡ぐ幻想は最後には混ざり合い、精霊たちがパームの歌に合わせて合唱する中で、メアの言葉とともに物語は締めくくられた。
「それが本当でも夢でも、その冒険が女の子にとって大切な思い出になったのは、間違いないよねー。めでたし、めでたしー」
「丁度知ってる歌の中に雰囲気が合いそうな曲があってよかった。……こういうのも、即興セッションっていうのかな?」
満足げに微笑みを交わす少女人形と妖狐の間で、歌い疲れたかうとうとし始める精霊たち。その姿を見て、猟兵たちは少し慌てる。
「あー、いけないいけないー。お話きいてて眠くなっちゃったー、かなー?」
「……はっ!そういうことならあたしに任せるっすよ!じーっとお話を聞いた後は、体を動かす番っす!ガジェット!ショーターイム!」
自身もうつらうつらしていた四樫・マコル(フォーエヴァー・f00620)がぱんと手を叩き立ち上がる。どんなガジェットが呼び出されるか、使用者本人にも完全には予測しきれないクセモノユーベルコード。しかし、マコルはそれも楽しんでいた。
「さあさあ、何が出るかな、何が出るかな~」
「わ、わ、何が出るのー?」
マコルの掛け声に興味をひかれたか、ぱちり、と目を覚まし、彼女の手元を見つめる精霊たち。
「よーし、出た出たっす!」
そういう彼女の手の中には、奇妙な形のガジェットたちがどさどさと。おおよそ半分ほどは大きく、残り半分ほどは、その五分の一ほどのミニチュアサイズであった。
「何それ何それ!」
「ふふーん、これはぜーんぶ玩具なんっすよ!これで一緒に遊ぶっすよー!」
とうっ、という掛け声とともに、マコルがイガグリのようにトゲの生えた球体をとばす。どうやらそれは形こそ奇妙だが、コマのようなものらしく、絶妙なバランスでくるくると回り始めた。
「わー!すごいすごい!くるくるだー!」
「ささ、みんなも好きなの使うっすよ!お前たちやシアラちゃんはこっちの小さいのを使うっす!」
そう言ってマコルがガジェットを配れば、満面の笑顔であったり、少し苦笑しながらであったり、それぞれの態度で受け取って。
「さあ、あたしのコマ捌きに敵うやつはおるっすか~!?」
「勝っちゃうもん、ボク勝っちゃうもんねー!」
しばし、幻想的な花畑に、幻想差からは少し遠ざかるような、しかし楽し気な声が響くのであった。
大成功
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ノノ・スメラギ
判定技能【POW】
ほう、精霊たちだって? なかなかかわいい子達じゃないか!
遊んであげるのはやぶさかではないけども。
……むーん。歌や踊り、なぁ。
アハハッ! 自慢じゃないが、芸事にはちょっと疎いのさ! ……特に歌に関しては二度と歌うなって歌を聞かせた相手に片っ端から釘を刺されてるしね。声量には自信があるんだけどなぁ。
ふむ、話がそれたね。……そうだなぁ。少し開けたところであれば、そこで曲芸飛行でもしてみようかな?(技能:空中戦)
地上での飛行制御にも慣れてきたからね。何処でだって宙(ソラ)の様に舞って見せるさ!
シノギ・リンダリンダリンダ
錬金術ドラゴン。えぇはい私はとても気になっております。
彼女の魔法がどんなものか。というのも気になっておりますが……
とりあえず今はこの小精霊さん達の相手ですね。
ここで光る私の〈コミュ力〉と〈礼儀作法〉ですね。
礼儀作法はこの子たちが相手となるとあまり意味がないかもしれませんが……何事も無礼なくいきたいですしね。
とりあえず私のコミュ力を全開で小精霊さん達と遊びましょう。
誰かがパフォーマンスをしているのを一緒に見て盛り上げたり、演奏してたりするのを見て一緒に楽しんだり、この子たちの楽しい『隣人』でいましょう。
楽しいを共有するのは、一番のコミュニケーションです。
天通・ジン
広大な地下迷宮なら、飛行機を飛ばせたりはしないかな。
室内で飛行機を飛ばすなんて発想を、地下迷宮の民はそうそうするまい。
なら、驚いてもらえるかもしれない。
精霊を一緒に乗せて、一挙に空を飛んで見せよう。
どうだい? ……いつも飛んでるのとは、一味違うだろう。
精霊たちが慣れてきたら、ちょっと変わったマニューバを見せようか。
加速してたところを、一気にエンジンを切って減速。
宙を……いや、地下迷宮の空をはらはらと落ちる、これぞ木の葉落としってね。
昔俺の世界に、どこか別の世界からやってきた飛行機乗りが教えてくれたと聞く技さ。
どう? 気に入ってくれたかな?
採用してくれた場合、アレンジは大歓迎だよ
「君はお花畑の方、行かなくてよかったのかい?」
「俺はあの精霊たちへのパフォーマンスの準備が必要だったからね。君の方こそ」
迷宮の地面にぽつんと咲いた花――胡蝶蘭の花畑へ旅立った彼らは、この中にいる――の周囲で、言葉を交わすのは、己のデバイスの調整をするノノ・スメラギと、相棒たる宇宙戦闘機の調子を確認する天通・ジン(AtoZ・f09859)だ。お互い、スペースシップワールドの出身同士、やりたいことを薄々察しているのか、ニヤリ、と笑みを交わす。
「ボクだって、今考えてることを流石にお花畑でやるわけにもいかないからね……っと、そろそろかな」
「実際の問題として、彼らが胡蝶蘭の中に旅立っている間、多少なりともこちらで警戒しておく人員も必要でしたから。丁度良かったのではないでしょうか……おや、そのようですね」
楽し気に言い合う二人に、シノギ・リンダリンダリンダ(ロイヤルドレッドノート船長・f03214)が冷静な意見を向けていると、胡蝶蘭が再び眩く光り、5人の猟兵たちと小精霊たちが、再びこの場に現れた。
「お帰りなさい。お花畑は楽しかったですか?」
「うん、とってもー!ね、ね、まだ何かあるの?」
遊び疲れた様子の精霊たちが、それでもまだまだ好奇心は尽きぬと問いかければ、シノギはテーマパーク船の案内係として培った丁寧な応対で精霊たちの好奇心をくすぐる。
「ええ、最後にとっても見ごたえのあるショーを、あちらのお二人が見せてくれるようですよ?さあ、一緒に応援しましょうね」
シノギによって、精霊たちの視線が二人に向くと、機械鎧を纏った勝気な笑顔と、ヘルメット越しのさわやかな笑顔で手が振られる。
「ふふ、前振りをありがとう!さあ、それじゃあ最後にボクらのとっておきを見せてあげよう!」
「それじゃあ行くぜ!――準備は上々。天通・ジン、ショーを開始する!」
大仰な口上とともに、ノノは鎧の周囲に魔導の力場を展開し、ジンは愛機の動力機関を起動する。
「なになに、なにがはじまるのー?」
「ふふ、それは見てのお楽しみです。私と一緒にカウントしましょうね。3,2,1……」
テイクオフ!シノギの掛け声に、ノノとジンの声が重なる。ごう、と音を立てて、戦闘機と機械鎧が、迷宮の空へ飛び立った。
「わぁ!すごいすごい!こんなに狭いのに、あんなに早く、びゅーんって!」
自分たちも、浮遊する程度に飛ぶことはできるとはいえ、風を切る、という言葉が相応しいような高速飛行には驚いたようで、精霊たちは目を丸くする。そんな精霊たちの姿に小さく微笑んで、彼らの隣で小さくシノギが拍手をすれば、精霊たちも見様見真似で拍手する。
「ふふっ、どっちを見てるんだい?……ただいま、なんてね!」
「えー!すごい、いつの間にこっちにきたのー?瞬間移動みたい!」
瞬く間に視界から飛び去った二人は、迷宮を小さく一周してきたのか、すぐさま、見送った精霊たちの後ろから戻ってきて、いったん着地。
「はは、驚くのはまだ早いよ!さ、一緒に乗ろう!」
「おっと、先に言われちゃったね。それじゃ、そこの君は、こちらへおいで」
ジンが、近くに寄ってきた幾人かの精霊たちを担ぎ上げて相乗りさせれば、ノノも一人の精霊を抱きかかえる。
「え、え?どうなるのー?」
「お二人とも、安全運転でお願いしますよ。それでは、行ってらっしゃいませ」
「忠告ありがとう。気を付けるよ。それじゃ、再出発だ!」
シノギの恭しい一礼に見送られて、再び魔導鎧と戦闘機は飛び上がる。狭い屋内を自分たちのものだと言わんばかりに疾駆する二つの陰の中で、精霊たちは大喜び。
「すごいすごーい!風がごうごういってるよ!」
「どうだい?……いつも飛んでるのとは、一味違うだろう」
「楽しいだろう!ボクもこればかりは自信があるからね!」
色よい反応を見せる精霊たちに、二人も上機嫌な笑顔で語りかけ。しかし、高速で飛ぶ二人は、またもあっという間にスタート地点まで戻ってきてしまう。もう終わりか、と残念そうな顔になる精霊たちを他所に、ジンはノノに挑戦的な笑みを投げかける。向けられたノノはといえば、その意図を瞬時に介したように、やってみなよ、と小さく顎をしゃくる。
瞬間。高速で飛んでいた戦闘機は、一気にエンジンを切って急減速。遅れることコンマ秒、魔道鎧も飛翔フィールドをオフにし、失速する。失速した二つの飛行体は地面へと落ちるが、直前までの高速飛行による慣性も合わさって、はらはらと、まるで空中を舞う木の葉のように、独特な軌道を描いて地面に降り立った。
「これぞ秘技、木の葉落とし……ってね」
「ふふん、やるじゃないか!まあ、打ち合わせもなしに即座に対応したボクが一枚上手ともいえるだろうけどね!」
ヘルメットを取りながら小さく笑う飛行機乗りに、魔導の騎士は、負けず嫌いな彼女なりの称賛の言葉を贈る。しかし、そんな二人にジトッとした視線向ける機械少女が一人。
「流石です、お二人とも。……ところで、安全運転は?」
うっかりしていた、と苦笑する二人を他所に、ふわふわと降り立った精霊たちはといえば、興奮冷めやらぬ様子できゃいきゃいと喜ぶのであった。
大成功
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第3章 ボス戦
『錬金術ドラゴン』
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POW : 無敵の黄金
全身を【黄金に輝く石像】に変える。あらゆる攻撃に対しほぼ無敵になるが、自身は全く動けない。
SPD : ドラゴンブレス
【炎・氷・雷・毒などのブレス】を放ち、自身からレベルm半径内の全員を高威力で無差別攻撃する。
WIZ : アルケミックスラッシュ
【爪による斬撃】が命中した対象にダメージを与えるが、外れても地形【に錬金術の魔法陣を刻み】、その上に立つ自身の戦闘力を高める。
イラスト:V-7
👑17
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種別『ボス戦』のルール
記載された敵が「1体」出現します。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。
| 大成功 | 🔵🔵🔵 |
| 成功 | 🔵🔵🔴 |
| 苦戦 | 🔵🔴🔴 |
| 失敗 | 🔴🔴🔴 |
| 大失敗 | [評価なし] |
👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。
※このボスの宿敵主は
「💠山田・二十五郎」です。ボスは殺してもシナリオ終了後に蘇る可能性がありますが、宿敵主がボス戦に参加したかつシナリオが成功すると、とどめを刺す事ができます。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。
精霊たちを見事満足させた猟兵たちは、彼らの案内で、迷宮の“隠しフロア”を訪れていた。複雑な、しかし行き方さえ聞いてしまえば、確かに奇襲には向いている位置にある隠しフロア。己の安息の地に土足で踏み入られた部屋の主は、重厚な吠声を上げて侵入者たちを威嚇する。
錬金術によって作られた黄金の体を持ち、日々、己を錬金術によって研磨し続ける驚異のボス級災魔。その成り立ちにより、一度倒せばしばらく生活に困らないほどのドロップ品を得ることができるというが、物欲で倒せるほど容易くはない。――そう、猟兵たちの目的。錬金ドラゴンである。
猟兵たちは、精霊たちに礼とこの場から逃げるように告げ、武器を構えた。
――さあ、決戦の時だ!
浅葱・シアラ
ひぅ……!これが……錬金ドラゴン……!
倒せば生活に困らない富を得るとか……
富はいらないけれど、アルダワの生徒さんの為、倒そう、シアたちなら、きっとできる!
使うユーベルコードは「胡蝶閃」
強大なドラゴンだけれど、お母さんからもらった胡蝶の閃光は脱力を誘発させることができるから!
技能の【高速詠唱】で相手が攻撃するよりも速く!何度も、何度も胡蝶閃を唱えて錬金ドラゴンを脱力させていくよ
脱力させるだけじゃない、全力魔法で威力を高めて確実に相手の体力を削っちゃうから!
大丈夫、アルダワの生徒さん
シアたちが必ずその魔法、その手に掴ませてあげるから!
教えてくれた妖精さん達の為にも!
四樫・マコル
精霊さんたちありがとうっすよ~!
ってでっかいっす!!!あんなでかいドラゴンあたしたちでどうにかなるんすか?なるんすか!?
でもどうにかしないといけないんすよね…!やってやるっす!!(フンスフンス)
【SPD】
ひぇ~!!!あんなブレス当たったらマコルなんてひとたまりもないっすよ~!!
『繋いだその手は離さない(ゴー・トゥ・ヘブン)』~!!(逃げ惑いながら何かないかとガジェットをぽいぽいする)
来た!来たっす!!このミサイル型ガジェットならこの距離からでも!!!
ブレスを撃ってる口ががら空きっす!!!そんなぽっかりお口には爆弾をプレゼントっす~!!!!
天通・ジン
ドラゴンとの戦闘、わくわくするね
戦闘機は、精霊さんに良い恰好見せるためだけの道具じゃないってこと! 見せてあげようじゃないか
相手は翼を持っている、空を飛ぶドラゴンは何も不自然ではないさ
空を飛ぶ相手に下から攻撃を当てるのは、けっこー大変
でも、空を抑えてやれば、地上の味方の攻撃が通るようになるはず
ユーベルコード【電脳補助下高速戦闘】で、音速の戦闘をしかけるよ
ブレスを使おうが、爪で攻撃されようが、ぜんぶ回避してやるさ
【空中戦】なら立体的に逃げられるはずだしね。戦力の有効利用さ
ドラゴンに口があるとしても、卑怯だなんて言うなよ?
味方の支援要請があれば、それに当然応える
アドリブは歓迎。臨機応変に戦うよ
パーム・アンテルシオ
すっごく、これでもか、ってぐらいにボスな存在が出てきたね。
相手は元より強大、さらに体格差を考えると、一発でも当たるとマズい…かな。
みんなと協力して戦いたいのはもちろんだけど、何か対策を考えたい所だね。
それじゃあ…二人静火。
大きい方は…狐火とかで思い切り攻撃して、出来るだけ目立って。
小さい方は、素早さを生かして、目の前をちょろちょろしたり、邪魔するように動いて。
あなた達は、仮初の命。悪いけれど、私達の命を守るための…囮。生贄になってもらうよ。
ふふ、ずるいなんて言わないでほしいな。こういう役割だって、重要でしょ?
…それにしても…今まで何も考えてなかったけど。この子達、名前とかあった方がいいかな…?
「すっごく、これでもか、ってぐらいにボスな存在が出てきたね」
目の前の黄金の威容を見て肩を竦めるパーム・アンテルシオ。
「強大な相手だもの、仲間と協力したいところだけれど……まずは、この子たちと遊んでもらおうかな」
影の下、火の下、消えた灯火を呼び覚まそう――。桃色妖狐が詠唱とともに大小二つの黒い炎を生み出せば、それぞれが狐の姿に変化する。
大きな狐が、錬金術ドラゴンに駆け寄りながら狐火を生み出して攻撃を仕掛ける。身の程をわきまえない攻撃に、悠々と爪を振り下ろそうとするドラゴンであったが、今度はその剛腕の上をくすぐるように小さな狐が駆けまわり、その攻撃を妨害する。
「その爪の一撃が私たちに当たるとマズそうだもの。……囮になってもらうよ」
距離を取ったパームが尻尾を幻想的に揺らす度、その指示を受けたかのようにちょこまかと動き回る狐火二匹。爪をかわし続ける二匹の狐に業を煮やしたように、黄金の竜は、その背中に生えた双翼を大きくはためかせ迷宮の空へ飛び立った。空からブレスによって地を焼こうとでもいうのだろうか。
「おおっと、その翼で自由に飛ばれちゃ不利だからね、そうはさせないぜ!」
「ふふ、機体の準備は間に合ったみたいだね。空はあなたに任せるよ」
だが、そうはさせぬと空飛ぶ巨体にドッグファイトを仕掛ける機影があった。天通・ジンの操る戦闘機だ。機体操縦に特化したAIによるオートパイロットは超高速機動を実現する。
「俺の戦闘機は精霊さんたちに良い恰好見せるためだけの道具じゃないからね!音速の世界、見ていくかい?」
傍を飛ぶ羽虫を叩き落そうと剛腕を奮うドラゴンであったが、音速で飛行する戦闘機には掠ることすらできない。むしろ、双翼に正確に誘導弾を当てられ地面に墜落する有様であった。
「また飛んだってもう一度叩き落してやるさ!空は封じさせてもらったぜ!」
黄金の鱗は落下の衝撃でも殆ど傷を受けていなかったが、己の支配する迷宮の空を奪った戦闘機を忌々し気に睨め上げるのであった。
「さて、地面に落ちてきたなら、もう一度さっきの続き……とは、いかなさそうかな」
再び狐たちをけしかけようとするパームだったが、錬金術ドラゴンの様子を見て、警戒を深めて狐たちを制止する。見れば、錬金術ドラゴンは、今までさんざん振り回した爪の斬撃によって、フロアに錬金術の魔方陣を刻んでいたのだ。魔法陣の上に立つ巨体は眩く光り、その全身から発せられる重圧は一層増したように感じられる。
「そういうことなら、シアに任せて……!」
先ほど散々馬鹿にされた仕返しをしようと、錬金術ドラゴンは、飛べない代わりにパーム目掛けて地を駆けようとする。しかし、その足に淡い光がまとわりついたかと思うと、錬金術ドラゴンはよろめき、その場に崩れ落ちる。
「これはお母さんからもらった力……!胡蝶の閃光で、あなたの恐ろしい力、奪っちゃうから……!」
それは、浅葱・シアラの呼び出した光の胡蝶。誇り高き胡蝶の騎士から受け継がれたその煌めきは、強大でありながらも邪な力を持つ黄金竜を脱力させていく。
いいや、脱力させるだけではない。錬金術ドラゴンが反撃をしようとするよりも早く、次々と生み出された胡蝶の群れが、その眩い黄金の体を、淡い紫色の光で覆いつくしていく。自己中心的な黄金の輝きは、他者を守るための淡い光によって、確実にその体力そのものを奪われていた。
自身の絶対の力を振るえる領域にありながらも苦戦に立たされる黄金竜は、どうにか体勢を立て直さんと、頭上を我が物顔で飛び回る羽虫を打ち落とそうと決意する。奴さえ引きずりおろしてしまえば、未だろくな傷を負っていない自分の有利は間違いないからだ。
だが、彼がそう考えて、戦闘機に狙いを定め、ブレスを吐くべく口を大きく開く瞬間を、今か今かと待っていた者がいたのだった。
「――開いたね、口」
「開いちゃったっすね~!あんぐりと!!」
竜の大きな口に飛び込む、謎の物体。何か異物が飛び込んだことに気づいた彼が吐きだそうとしたのも束の間、飛び込んだナニカ――ミサイル型ガジェットが大爆発を起こす。口内で発生した爆発は、今にも吐き出そうとしていた火炎のブレスと誘爆を起こし、口どころか、体内にあまりにも大きな損傷を与えることとなった。
「しっしっし!狙い通りっすね!あたしからのプレゼント、喜んでもらえたっすか~!?」
ジンの戦闘機の後部座席から顔を出してにししと笑うのは四樫・マコルだ。彼女はジンの戦闘機に相乗りし、取り出した爆弾ガジェットを放り込む好機を今か今かと待っていたのだった。
「どうっすか!この場に適したガジェットを選び出すあたしの判断力!」
「そうだね、お見事お見事。……後でちゃんと、そっちも片付けといてくれよ?」
爆弾ガジェットを探し当てるまでに機内にぽいぽいと投げ捨てられたガジェットたちを見て苦笑いしたのも、戦果の前にはご愛敬。
ついに、手痛い傷を与えられた錬金術ドラゴンは、空を見上げて、焼けた喉で忌々し気な咆哮をあげる。傷を負えど未だ爛々とした戦意を見せる姿に、シアラが小さく身を竦めた。
「……ひうっ。ま、まだ倒れないの?どうしよう……?」
「……ううん、大丈夫、見ておいて」
パームがそう指させば、元々黄金の鱗を持っていたドラゴンは、その全身を余すところなく黄金像へと変化させていく途中であった。
「これだけ攻め立ててあげれば、防御態勢を取るのは想定通り。後は彼女たちに任せて――それより、この子たちにも、何か名前、付けてあげたほうがいいのかな」
「え……?どうだろう。お花の名前、とか……?」
緊張をほぐすための冗句か、あるいは本気か、そんなことを呟くパームに戸惑いつつも律義に答えるシアラであった。
大成功
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黒白・鈴凛
フフフ!本当に黄金の竜が居るとはナ!!
私の美貌からすると見劣りするが、なるほど、その輝かしさは称賛に値するネ。
錬金術で自身を研磨し続けるというのも鍛練に通じるものがあって気に入ったアル
【POW】で判定
ほぼ無敵と言われるほど堅さアルカ
上等ネ!私の拳は岩だろうと鋼だろうと砕いて見せるアル
竜が無敵の黄金を使用してから
【怪力】を加えた熊猫の崩拳を【捨て身の一撃】と【鎧無視攻撃】で放つアル
クフフ、私の拳が無敵を破る矛となるか、楽しみアルナ
ノノ・スメラギ
ドラゴンハントの時間だね!
なかなか強そうな面構えだけど、金ぴかでちょっと目がくらくらとするね!
なんにせよ、ボクの敵じゃあないね。
防御形態になる力がある様だけど、ボクのVMAXランチャーに砕けなものなんで、あんまりないのさ!
というわけで、最大火力をぶつけてキミの守りが強いかボクの銃斧が強いかためさせてもらおうじゃないか!
スライサーとガンナーズを展開してまずは牽制の一斉発射と2回攻撃で動きを固めるよ。その上で、VMAXランチャーのファイナルシーケンスにボクの全力を乗せて決めさせて貰うよ!(怪力、捨て身の一撃)
相手の攻撃はシールドデバイスの盾受けとナノメタルコートの特性変化(防具改造)で対応するよ!
シノギ・リンダリンダリンダ
あぁ、否応にもテンションが上がるというものですね。
何度見ても素晴らしいです、このドラゴン。
えぇはい。鱗が必要なのでしたね。もちろん鱗は差し上げます。
当然、鱗以外は、みなさんで分配。ですよね?
えぇはい。倒してみせましょう。はい、物欲のみ、ブチ倒してさしあげます。
しかし飛ぶような敵が相手となりますと、遠距離攻撃を持たない私には不利。
でしたら己の大きさを変えるほかないですね。
周囲の無機物を取り込み、【ビルドロボット】です。
その固い鱗を『鎧砕き』、他の方の攻撃でできた傷には『傷口をえぐる』、時には拳に魔力をのせて『属性攻撃』でブン殴ってさしあげます。
「ふふふ、すっかりお膳立てをされてしまったね!」
「アイヤー、まったくネ。これで倒し損ねたら女が廃るアルヨ」
「えぇはい、問題ないでしょうとも、私たちにかかれば」
不動の黄金像と化しつつある錬金術ドラゴンを取り囲むように立つ女が三人。魔導デバイス、VMAXランチャーを構える魔法の鎧装騎兵、ノノ・スメラギ。道士姿のパンダの獣人めいた女、黒白・鈴凛。そして、豪奢なマントをはためかせるミレナリィドール、シノギ・リンダリンダリンダである。
「なかなか強そうな面構えだけど、金ぴかでちょっとくらくらするね、まったく!」
眩しいじゃないか、と目を覆うようなしぐさを取りながら、魔導デバイスの照準を合わせるノノ。
「フフフ、ワタシの美貌には見劣りするが、なるほど、研磨し続けた輝きは称賛に値するネ。気に入ったアルヨ」
己を研磨し続けるその生態を鍛錬に例え、鋭い熊爪でくいくい、と手招きするようなしぐさを取る鈴凛。
「まったくです。何度見てもテンションが上がりますね。……鱗は学生さんに差し上げますが、それ以外は私たちでいただいていい、ですよね?」
爛々と、隠すことのない物欲を虹色の瞳に湛えながら、錬金術ドラゴンの貯めこんだ触媒を取り込み、大きなロボットと化していくシノギ。
三人の猟兵から取り囲まれ、今まさに最大の一撃を撃ち込まれんという状況になってもなお、黄金竜は微動だにしなかった。防御態勢を取ったことにより身動きが取れなかったのも勿論ではあるが、それ以上に、研磨し続けてきた己の黄金の鱗が破られるはずはないと信じていたからだ。己の防御を打ち砕けると信じている愚か者たちの攻撃を受け止め、隙だらけの体に攻撃を打ち込む。その算段であった。
「物欲で倒せるほど容易くはない、ですか。上等じゃないですか。えぇはい、ブチ倒してさしあげます――物欲のみで!」
「ボクのVMAXランチャーに砕けないものなんて、あんまりないのさ!さあ、キミの守りが強いか、ボクの銃斧が強いか、試させてもらおうじゃないか!」
「無敵と言われる堅さ、上等ネ!私の拳は岩だろうと鋼だろうと砕いて見せるアルヨ!」
シノギが錬金素材を纏い、大きさも勇ましさも本来の二倍以上になった拳に、魔力を纏わせてふりかぶれば、ノノは己の持てる最大威力の連携を当てるべく、射撃携帯の魔導デバイスから苛烈な弾丸を放つ。そして、とびかかる直前の獣のようにゆるりと腰を落とした鈴凛が獰猛にすら見える笑みで笑う。
かかってこい、と言わんばかりの、錬金竜の唸り声を合図としたように、三つの影が、煌めく黄金の竜に肉薄する。丁度錬金素材を纏ったゆえか、普段以上に効率よく魔力を帯びた大きな拳が。弾丸の命中した場所に生じた僅かな窪みを的確に穿つような斧型に変形したデバイスの一撃が。僅か半歩で勢いよく飛び込んできた熊猫の重たい崩拳が。堅牢な黄金の城砦を砕いた。
最後まで己の無敵を確信した表情のまま、黄金の竜はその場へと崩れ落ちていくのであった。
「フフフ、やはりワタシの拳の前に砕けないものはなかったアルネ!」
「ちょーっと待った!一番有効な一撃を与えたのはボクのVMAXランチャーだ、そこは譲れないよ!」
「どちらでも構いませんが、お二人とも、素材の回収を手伝ってくださいませ。こういったものは鮮度が大事ですので」
ドラゴンを打倒した三人の猟兵はといえば、その勝利すらも当然だというように、姦しく言葉を交わしていた。
大成功
🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵
「みなさん、この度は本当にありがとうございました!」
地下迷宮での激戦からしばらくして。仕事を終えて、魔法学園を後にしようとする猟兵たちと、その見送りに来た新米魔法使いの女生徒が、校門の前で言葉を交わしていた。
「お陰様で、無事、“華火”が完成しそうなんです。……これは、祝い事の際に送る花も満足に咲かない、故郷のために作ろうと思っていた魔法なのですけれど。よければ、みなさんに最初に見ていただけないかと」
そう言って、少女は魔法を発動する。あるいは、今まで花火を見たことがある者であろうとも感心するような、黄金の大輪の華が空に描くのを見て満足げに笑うと、猟兵たちは学園を去るのであった。