寛永三方ヶ原の戦い~神君を越えよ
――遠江国・三方ヶ原に、甲斐の虎復活の密計有り。
グリモア猟兵の新たなる力、儀式魔術【Q】をもって暴かれた、信長軍の軍事行動。
徳川第三代将軍にしてグリモア猟兵である徳川家光は、これを受けて即座に近隣諸藩より軍勢を招集した。
すでに敵軍・武田家は、精鋭武田二十四将がその手勢と共に復活し、三方ヶ原に集結済。これを放置すれば、七月の終わりを待たずして、戦国最強と名高き武将・武田信玄が骸の海より蘇るだろう。
それだけはなんとしても阻止しなくてはならない。
元亀よりおよそ50年の時を経た、寛永の時代。
今再び『三方ヶ原の戦い』が勃発しようとしていた。
●惰弱の軍勢
浜松藩・浜松城。集められた徳川軍の軍勢が、戦支度を整えている。
「なんだって今更になって戦なんか……」
「うぅ、くそぉ、死にたくねぇよぉ……」
……だがその空気は重く鈍い。兵達の士気は、一様に低かった。
徳川幕府の開府より20年以上、大阪の陣からも10年以上。家柄のみで武士となり、戦を経験していない武士や、戦を忘れ衰えた武士達も多い。
一応、近年ではオブリビオンと言う脅威に対する備えを行って来ているが、大規模な戦は、多くの武士にとって未知数である。
「武田ってのは、神君家康公も勝てなかったんだろ?」
「そんな奴らに勝てる訳ないぜ……」
ましてや、相手は武田軍、戦場は三方ヶ原。戦いが始まる前からすでに、徳川軍の戦意はどん底であった。
●グリモアベースにて
「やあやあ猟兵諸君。くるるちゃんの召集に集まってくれて感謝するねっ」
グリモアベースに集まった猟兵達を前に腕を広げ、鏡繰・くるる(属性過積載型バーチャル男の娘・f00144)は愛らしい笑顔と共に元気よく切り出した。そしてその後、僅かに表情を引き締める。
「今回はサムライエンパイアに飛んでもらう。行き先は三方ヶ原……相手は戦国最強と名高い、武田の軍勢だ!」
オブリビオン・フォーミュラと目される織田信長の軍勢は、自軍の戦力を強化するため、武田信玄の復活を目論んでいた事が発覚した。
今はまだ、信玄本人は復活していない……だが、その配下である武田二十四将とその配下の軍勢は、すでに三方ヶ原に復活し、主君・信玄の復活のため、徳川軍を迎撃する体制を整えている。
信玄復活が成れば、江戸にほど近い遠江国や甲斐国に、巨大なオブリビオンの軍勢が出現する事になる。そうなれば、サムライエンパイアは滅亡の危機に瀕する事になるだろう。
「この目論見は、絶対阻止しないとね。キミ達には、徳川の軍勢と共に、武田の軍勢を打ち破ってもらうよ!」
だが、武田軍と対峙する徳川軍の士気は低い。このまま武田軍と激突すれば、戦いにすらならず壊走する事は間違いあるまい。そうなっては、いくら猟兵が力を尽くそうと、武田軍に勝利するのは不可能だ。
「だからまずは、キミ達には徳川軍の士気を高めてもらうね」
方法はそれぞれの猟兵次第だ。多くに語りかけて演説をするか、一人一人に対しての配慮を行う事で士気を底上げするか。
危険は大きいが、斥候などを相手に一戦して勝利を収めてみる、と言うのも一つの手だろう。
「どんな形であれ、徳川軍との共闘は勝利のための必須の条件だからね。なんとかして、彼らの士気を高めて欲しい」
徳川軍が戦支度を整え次第、三方ヶ原にて武田軍と雌雄を決する事になる。士気を高める事に成功していれば、徳川軍と武田軍の戦力は拮抗する筈だ。
「その隙をついて、キミ達は敵陣深くに切り込み、敵将を討ち取って欲しい!」
無論、すぐに敵将と闘える訳ではない。まずは直属護衛部隊を打ち破り、敵将への道を切り開く必要がある。
「キミ達の相手となる護衛部隊は、魔神兵鬼『シュラ』……命を奪う事に特化した、危険な呪術兵器だよ」
特別な能力は持たない……だが、その剣技は極めて優れたものだ。近づけば斬られ、かといって遠距離からの攻撃はその刀に弾かれる。
どうにかして有効打を撃ち込むための方策を考える必要があるだろう。
「そして、シュラを突破すれば、敵将……武田二十四将の一人と戦えるよ」
どの二十四将と戦う事になるかは、その時になって見なくては分からない。だが、最強武田軍の有力武将ともなれば、誰が相手であっても強力であるのは間違いないだろう。激戦は免れまい。
「敵は戦国最強武田軍。信玄は復活していないけど、強敵である事は間違いない。けどだからこそ信玄を復活させる訳にはいかない。それに、ここで武田の戦力を削げば、信長軍との戦いにおける大きな一歩ともなるはずだよ」
いつもどおりのわざとらしいほど可愛い仕草の中に、強い期待をもって、くるるは猟兵達を見渡す。
「だから、ばっちり解決してきてね。良い知らせを待ってるよ!」
一二三四五六
決戦は三方ヶ原。
ごきげんよう。全体シナリオ、寛永三方ヶ原の戦いをお送りします。一二三四五六です。
第二章の集団戦『魔神兵鬼『シュラ』』は蒐集院・閉(最後の蒐集院・f02941)さんの宿敵です。投稿ありがとうございます。
第一章の冒険『三方ヶ原の徳川軍』は、本シナリオフレーム共通の公式フラグメントとなります。第三章のボス戦『戦国武将』は山田さんの宿敵ですが、二十四将補正的なモノがかかっているので、リプレイはきっと激戦となるでしょう。
本依頼は、30日までに完結させるスケジュールとなっていますので、普段よりちょっと早めに執筆します。私事や他の依頼との兼ね合いもあるのでやや不規則な返却(≒プレイング受付期間)となりますので、その点はご承知おきください。と言っても即日返却とかは普通に無理なので、そこまで焦らずに。
第六始まって実質初めての全体依頼と言う事もあり、参加人数が割と未知数なので、人数次第ではキャパオーバーを理由にした却下も発生します。その場合は、書きやすいプレイング優先で。一応、出来る限り採用出来るように頑張ります。
特に人数多くなかったら普通に全員書きますが。
それでは、皆様のプレイングを楽しみにお待ちしています。
第1章 冒険
『三方ヶ原の徳川軍』
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POW : 陣頭に立って力を見せつける事で、徳川軍の戦意を高揚させます
SPD : 兵士一人一人への細やかな配慮や事前準備によって、士気を上昇させます
WIZ : 演説や説得によって、徳川軍のやる気を引き出します
👑7
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種別『冒険』のルール
「POW・SPD・WIZ」の能力値別に書かれた「この章でできる行動の例」を参考にしつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。
| 大成功 | 🔵🔵🔵 |
| 成功 | 🔵🔵🔴 |
| 苦戦 | 🔵🔴🔴 |
| 失敗 | 🔴🔴🔴 |
| 大失敗 | [評価なし] |
👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。
アイリーン・ミュレット
【オーラ防御】にも使えるカリスマオーラを纏いつつ、ユベコの【カリスマの威光】で【鼓舞】を試みるわ。強化で体が軽くなれば心も軽くなるでしょう、たぶん。
自分の生き方で前のめりに胸張れないやつは豆腐の中に埋まってしまいなさい!
家柄や領地があるのならば特に、環境や先祖に恥じない生き方をするものよ!
あたしも先祖の名に恥じぬよう、そしていずれクソお父様をぶん殴って領民たちを助けるため、日々をよりカリスマに過ごしているわ!
敵がどれほど強大だろうと、弱きを助け、成すべきことをする。そうあるべく生きるの。それがカリスマ大怪盗たるあたし、そして持てる者の責務。
のぶりす・おぶ・なんとかよ!
・アドリブアレンジ歓迎です
フランチェスカ・ヴァレンタイン
ええまあ、不甲斐のない殿方のお尻を蹴飛ばすのは吝かではありませんが
芯のない気概は却って恐慌を招くだけですしねー…
視認高度で翼を広げ、UCの爆導索を宙で炸裂させて耳目を集めましょうか
いかに最強の騎馬軍団と言われようとも、所詮は過去の残骸。敗れ去ったモノの成れの果て
そして皆さんはソレを踏み越えた方々の、更にその先で勝ち取った未来を歩むもの
…ええ、どちらが勝者なのかは明白ではないですか。勝者の営み、皆さんの護るべきモノを敗者の群れに蹂躙されて何とします
相手取るのは既に打ち負かされた戦術で、打ち破った戦術や兵器はより洗練されている
それを思い起こさせるような鼓舞の檄でお尻を蹴飛ばして差し上げますわね、と
劉・涼鈴
さいきょーな敵と戦えるとかテンション上がるシチュエーションじゃん?
サムライなんだしもっとセキガハラしていこう!
だいじょぶだいじょぶ!
私たちは銀河皇帝とかウルトラ自由なヤツとか、色んなのと戦って勝ってきたからね!
タケダとかノッブとかが出てきてもぶっ飛ばすよ!
【怪力】で武器の【覇王方天戟】をぶんぶん振って力強さアピール!(パフォーマンス・存在感)
だからみんなも一緒にがんばろー!
空中に、突如として爆発の華が咲く。
「う、うぉぉ、なんだ、なんだっ!?」
「て、敵か!?」
その音に慌てふためき、慌てて兵達が空を見上げれば、そこにいたのはフランチェスカの姿。
「これは、根深いですわねー。まあ、芯のない気概は却って恐慌を招くだけですが」
戦いに備えるまでもなく、ただただ呆然とこちらを見上げる兵達。ならば、芯を与えてやらねばと、集中する視線を感じながら、息を大きく吸い込み、声を張り上げる。
「聞きなさい! いかに最強の騎馬軍団と言われようとも、所詮は過去の残骸。敗れ去ったモノの成れの果て! そして皆さんはソレを踏み越えた方々の、更にその先で勝ち取った未来を歩むもの!」
それは歴史の事実だ。三方ヶ原でどちらが勝利しようと、最終的に天下を掴んだのは誰か。
「ええ、どちらが勝者なのかは明白ではないですか――勝者の営み、皆さんの護るべきモノを敗者の群れに蹂躙されて何とします!」
その演説一つで急に戦意を奮い立たせられるほど、惰弱の根は浅くない。だが、その檄は確実に、その心に勇気の種を植え付ける。後は、この種を育てていけば。
「それとも……不甲斐ない殿方のお尻を蹴飛ばして差し上げないとですかしら!」
……妖艶な美女のその言葉に、特に一部の兵に一気に火がついたりと言った事も、まあなくはないが。
続いて、今度はアイリーンが、オーラを背負って立ち上がり、大声で呼びかける。
「自分の生き方で前のめりに胸張れないやつは豆腐の中に埋まってしまいなさい!」
独特の言い方では有るが、溢れんばかりのカリスマは、彼女に視線を向けずにはいられない。
「家柄や領地があるのならば特に、環境や先祖に恥じない生き方をするものよ!」
その心を鼓舞する、威厳に満ちた言動。一挙一動が兵達の心を掴む。
「あたしも先祖の名に恥じぬよう、そしていずれクソお父様をぶん殴って領民たちを助けるため、日々をよりカリスマに過ごしているわ!」
「……?」
そして、掴んだ心を、思いっきりぶん投げた。
「敵がどれほど強大だろうと、弱きを助け、成すべきことをする。そうあるべく、生きるの。それがカリスマ大怪盗たるあたし、そして持てる者の責務!」
一般論としてはとても立派なのだが、そこに自分の体験談が入ると、何故か方向性が微妙にずれる。それがカリスマ大怪盗アイリーン。
「そう……のぶりす・おぶ・なんとかよ!」
「なんとかってなんだー!!」
ついには兵から全力の野次が飛んだ。だがアイリーンは一切自信を崩さず、堂々と胸を張る。
「なんとかはなんとかよー!」
「なんだそりゃー!!」
兵の中から上がる笑い声。だが……笑えると言う事は、悲観が少しは晴れたと言う事。
「さすがあたしね!」
その成果を自信満々に誇るアイリーンに代わり、次は涼鈴が呼びかける。
「さいきょーな敵と戦えるとかテンション上がるシチュエーションじゃん!」
どうにも言動が子供っぽい……まあ、身体つき以外は実際に子供なので仕方ないが。
「サムライなんだしもっとセキガハラしていこう!」
「お、ぅ……?」
言いたい事はなんとなく理解するも、その子供らしい言動は、鼓舞と言うよりは兵達を和ませる。
「だいじょぶだいじょぶ! 私たちは銀河皇帝とかウルトラ自由なヤツとか、色んなのと戦って勝ってきたからね!」
だが、彼女もただの子供ではない。兵達が全く知らない世界の戦い――それを戦い抜いてきた歴戦の猟兵でもある。方天戟を軽々と振りかざし、その怪力を見せつける。
「タケダとかノッブとかが出てきてもぶっ飛ばすよ!」
「うぉぉぉ……!」
少女の振るう思わぬ怪力、そして力強い言葉。こんな少女すらと言う思いが、兵達の心を揺さぶる。
まだ、一歩を踏み出すほどの勇気には至らない。けれど、一歩を下がる事を恥じる心も兵達の中に沸き起こる。
「だからみんなも一緒にがんばろー!」
「お……お、ぉ……!」
それは、兵達のごく一部、震えるような声では有ったが。確かに、撒かれた勇気の種が芽を出した。
成功
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日和見・カナタ
合戦の準備…というのはちょっと経験がありませんが、冒険する際に心の拠り所になるものは分かります。
冒険者が欠かさず準備するもの、すなわち頼もしい装備やアイテムです!
彼らの戦いの助けになるモノを作って、少しでも安心させることにしましょう!
まずは【ガジェットショータイム】を起動して手投げ式の爆弾を大量に召喚します!
武具は習熟が必要ですが、投げるだけなら少しの練習で済みますしね!
渡されただけだと安心できないと思うので、使い方を教えるついでに威力確認のデモンストレーションもやりましょう!
実際に敵を倒しうる威力だと分かれば、彼らも心強く思ってくれる…はずです! たぶん!
【アドリブ、協力歓迎】
明星・豹麻
ここで信玄の復活を許せば手が付けられない状況になる。
それだけは阻止しなければならない……!
しかし俺自身は自ら鼓舞するのは得意じゃないからね、影ながら他の人の助力をしよう。
例えどれだけ精鋭といえど大人数、指示を出す為に使番を利用する。
だから俺は使番を換装式多目的銃「トリックスター」を使い【スナイパー】の技能を利用して狙撃する。
各部隊を行き来する役目ゆえに動き回っているから見分けはすぐつくだろう。
指示が伝わらなければ少なからず敵にも動揺はあるはず、そんな敵の情勢を見れば少しは不安は取り除けるかな……?
それで効果が薄くても他の誰かがそんな情勢を利用してくれるとありがたい。
四季乃・瑠璃
緋瑪「わたし達だけで殲滅しちゃダメなのかなー。乱戦は(味方巻き込むから)好きじゃないんだけど」
翡翠「流石に数が多いしね…」
瑠璃「まぁ、私達は私達に出来る事をすれば良いよ」
【チェイン】で分身&シスターズ使用
瑠璃が探知魔法【高速詠唱、情報収集、ハッキング、全力魔法】で戦場一帯の情報を収集。
敵の進軍ルートや斥候等の動きを掴んだ上で、緋瑪と翡翠で【範囲攻撃、鎧砕き、鎧無視、罠使い】遠隔式ボムを地雷罠代わりに事前に設置。
斥候部隊はタイミング見て起爆して敵を混乱させ、潜んでいた緋瑪と翡翠が追加で接触式ボムを大量投入して爆破殲滅。
敵の斥候部隊を爆破殲滅する事で味方の戦意向上のパフォーマンスを行うよ
露木・鬼燈
士気を高めるね。
言葉にするよりは実際に見せた方が早いよね。
軽く一戦してこようか。
狙うのは敵の斥候、それなりに数がいるのがいい。
忍としての腕の見せ所だね。
探りに来た敵を補足し、一方的に狩る!
まずは忍の経験と地形から進行ルートを予測。
士気を高めるって目的もあるし派手にね。
高所から破滅的な一撃を加え、混乱しているところに突入。
これでいくっぽい。
狩りに最適なポイントは…ここかな。
忍体術を駆使してポイントに移動し潜伏。
補足したら最高のタイミングで<流>を撃ち込む。
着弾と同時に突入。
生き残りを狩るのです。
魔剣を手元の再召喚。
魔剣で斬り、魔弾で貫く。
敵の攻撃は練り上げた気の防護膜で弾く。
血と戦に酔うっぽい。
「ここで信玄の復活を許せば手が付けられない状況になる……」
櫓の上、城の外を真っ直ぐに見据え、緊張に息を呑む豹麻。
手にした愛銃『トリックスター』を長距離用に換装し、握る手に力がこもる。
「それだけは阻止しなければならないよな……!」
感覚を鋭く尖らせる。自らの鼓動の音すら聞き分けられるほどの、精神の集中。僅かな変化すら見逃すつもりはない。
「――!」
引き金を引いたのは、それを視認するよりも先の事。見るよりも、肌で、直感で感じ取り――その目が捕らえたのは、脳天を撃ち抜かれ倒れる、武田軍の伝令の姿だった。
「よしっ……!」
武田には負けられない。だが、鼓舞するなど自分の柄ではないし、その能力もない。
出来るのは戦う事――それを兵達に見せる。
「敵の動揺を広げる……そうすれば、武田とて無敵ではないと知らせられる筈。あとは頼むぞ……!」
「今がチャンスっぽい!」
伝令を撃ち抜かれ、動揺が走る斥候部隊。その中心へと、超高速で一本の魔剣が撃ち出された。
「う、うぉ、なんだっ!?」
何人かの兵を巻き込み、地形を破壊するほどの一撃。兵達の混乱が広がった所を逃さず敵陣へと飛び込む鬼燈。
「戻ってこい!」
重力制御で撃ち出した魔剣を、手元に再召喚すると、すぐさま兵に斬りかかる。魔剣が鎧を切り裂き、一刀のもとに斬り捨てた。
「て、敵襲、敵しゅ……!」
「もう遅い! 忍びの腕の見せ所!」
返す刀で、もう一人。敵陣の混乱を突くのは忍びの本領とばかり、舞うような忍体術で敵兵を次々と狩っていく。
「くっ、撤退だ、一旦立て直……ぐぁっ!?」
さらに、退却しようとした兵が、地雷の爆発で吹き飛んだ。
「逃さないよ、ここで死んでもらうね」
「兵の士気を上げるためには、やっぱり一戦勝つのが一番だからね」
仕掛けたのは、緋瑪と翡翠の殺人姫達。司令塔である瑠璃の探知魔術にサポートされ、敵の進軍を予測して先回りする。
「しかも出来れば派手に死んで貰えると嬉しいかな!」
さらなる爆弾の投下で、次々と兵達を吹き飛ばす。その光景は間違いなく、城からも見えている筈だ。
「わたし達だけで殲滅しちゃダメなのかなー。乱戦は好きじゃないんだけど……」
「確かにそうだけど……ほら、見て」
緋瑪のぼやきに、敵兵へと視線を向ける。これほどに圧倒的な奇襲を受けたにも関わらず、兵の混乱は徐々に収まりつつある。
「なるほどー……戦国最強って言うだけの事はあるか」
「本隊を殲滅するのは確かに簡単じゃなさそう。でも……」
今更立て直してももう遅い。斥候程度の数ならば、たとえ混乱から立ち直ろうと、飽和爆撃で吹き飛ばす。
「まぁ、私達は私達に出来る事をすれば良いよ」
「そうだね、出来る事からっ!」
殺せる相手から殺していこう。瑠璃の言葉に頷き、爆弾をひたすら放り投げる。
「く、なんと言うことだ……むぅっ!」
斥候部隊の指揮官と思しき騎馬兵が、驚きに目を見開く。随伴の兵に次々と突き刺さる手裏剣。
「悪いけど、一人も返す訳にはいかないっぽい」
それを魔弾として投げ放った鬼燈は、そのまま剣を手に指揮官へと斬りかかった。
「否、お館様復活のため、ここで死ぬ訳にはいかん!」
魔剣を弾き返し、返す刀を鬼燈めがけて振り下ろす。さすがは武田の兵、この程度の地位でも相当な実力であり……。
「でも、勝つのは僕だから、ね」
「がっ……」
その刀を練り上げた気によって阻み、魔剣が戦槌に変わり兜ごと相手の頭を打ち砕く。
「無……無念……」
「敵将、討ち取ったっぽいー!」
返り血に、戦の空気に酔い痴れるように、大声を張り上げる鬼燈。指揮官を喪った兵達は流石に立て直せず、一兵残らず殺し尽くされる。
「よし……よくやってくれた!」
その光景を櫓で見ていた豹麻は快哉を上げた。兵達もその光景を見て、喜びの声を上げる。
そう、武田とて、無敵ではない。それを事実として見せつけた事は、極めて大きい。兵達の不安は大分取り除かれる。
「でも……あんなすげぇ事、俺らには出来ないしなぁ……」
「任せてください!」
ここは畳み掛けどころ、新たに沸き起こった不安を広げまいと声を張り上げるカナタ。
「あの人達が使っていたのと同じものです……思い切り投げ飛ばすだけで使えますよ!」
そう言って兵達に見せるのは、ガジェット製の手投げ式爆弾だ。元々用意しようとは思っていたが、他の猟兵が派手にその効果を示してくれたなら、好都合。
「おぉ……そ、そんなにすごいものが、本当に……?」
「ええ。見てください、こうして……!」
試しに一つ放り投げれば、起きる爆発。素人用にしっかりと安全性を確保しているが、爆発力は十分。
「おぉぉ……」
「合戦の準備とかは分かりませんけど、というのはちょっと経験がありませんが……冒険する際に心の拠り所になる物はわかります」
感嘆する兵達に、冒険者としての経験を語るカナタ。戦と冒険は違うが、人が挑戦するものである事に変わりはない。
「冒険者が欠かさず準備するもの、すなわち頼もしい装備やアイテム……戦でもそれは同じ筈。頼もしいアイテムがあれば、不安なんて吹き飛びますよ!」
自身の弱さが不安の根底にある兵達にとって、たとえ外付けの兵器であっても、自分を助けてくれる存在と言うのは心強い。
「少しでもこれが安心に繋がるなら……さあ、どうぞ、持っていってください。ああ、でも扱いには気をつけて!」
戦いが始まる前に、可能な限り爆弾を生産しようと、ガジェットをフル稼働させていくカナタ。
成功
🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔴🔴🔴🔴
純・ハイト
ただ騎兵の軍団が突撃してくるなら罠や対騎兵用の陣形を考える事ができるだろうに(呆れながら)
徳川軍の戦意を上げるために広範囲に声が届く位置から鼓舞をします。
内容は兵士の家族や友など守るべき者や隣の友を皆殺しにされていいのかと問います。降伏や寝返りなどと言う者には殺気や恐怖を与えるで威圧しながら、今ここで徳川軍から抜けたいや武田軍に降伏と言う愚か者は武田軍の兵士と見て抹殺する、と言っときます。
文句のある兵士は俺の戦車で相手をしてやるとして、戦中に降伏や裏切れないようにしとかないとな。
ユーベルコードは鼓舞をしながら使います。
黒川・闇慈
「鼓舞だの演説だのは魔術師でなく軍師や将軍の仕事でしょうに。慣れない仕事ですねえ。クックック」
【行動】
wizで行動です。
ただ演説するだけでは弱いですし、見た目のインパクトのためにUCを使用してがしゃどくろを召喚し、がしゃどくろの肩に乗り、コミュ力の技能をもって演説してみましょう。
「いやあ、どうもどうも、徳川軍の皆さん。随分と湿気っていらっしゃる様子。武田が恐ろしいですか?無敵の騎馬軍団が怖くてたまりませんか?埒外の力を持つ敵に震え上がっていますか?ですが、我々猟兵もまた埒外の力を行使する化物です。皆さんにも埒外の力の加護があること、お忘れなきよう。クックック」
内容はこんな所ですか。
アドリブ歓迎
フレミア・レイブラッド
まぁ、兵士と言っても、半分農民の兵士とかもいるし、仕方ないわよね…。
とはいっても、このまま戦わせるわけにもいかないし、仕方ないわね。
【魅了の魔眼・快】と【催眠術】を併用して兵士達を鼓舞するわ。
更に自身は【ブラッディ・フォール】で「黒竜を駆る者」の「ドラゴンテイマー」の姿(フレミアがテイマーの黒衣と剣を装備し、翼が生えた姿)へ変化。持ち込まれた旗やら道具等適当な無機物や敵兵士の武具すら全て【文明侵略】で黒竜へ変化させ、更に【ギガンティックダイウルゴス】も召喚。
敵陣の一角を変化させた黒竜に蹂躙させ、自陣に再配置する事でこちらは数も質も圧倒していると示す事で自陣を鼓舞し、敵の戦意を挫けさせるわ。
神元・眞白
【SPD/割と自由に】
なんだか話を聞いてると大変みたい。観光と合わせて助けに行ってみよう。
飛威、状況の把握はお願いね。まずはできる事を1つずつ。
…そう、あんまり戦ったこともない人もいるのね。
それならいきなり戦いになって怖いのも無理ないし。
まずは訓練をしてもらって実地で経験してもらおう。
オブリビオンなら幾らでも呼べるし倒される様に演技もさせないと。
少しずつ何人かで回りながら自信を持ってもらうのが大事。
時間がある時にこの世界の観光の準備もしないと。
人が集まっているなら見どころの1つ2つきっと教えてくれる、はず?
弥久・銀花
アドリブ、他の人との絡み、ピンチシーン歓迎です
【SPD】
さて、はっきり言います。
騎馬武者なんて馬を止めてしまえば唯のカモです。
念入りに準備しましょう。
なんと言っても先ずは頑丈な置盾は必須です。
騎馬兵は実は槍より弓を使う物ですからね、長篠の戦をしようとして柵ばかり作ってたら射られちゃいます。
出来れば馬が飛び越えられなくて騎兵の体当たりに余裕を持って耐えられるくらいの頑強さの置盾を一杯作りましょう。
ちょっと必殺の鋭刃線閃で近くの森を伐採してくるので誰か木材の運搬を手伝って下さいな。
後は盾の後ろで見えない位置に、馬が飛び越えられない幅、人の背丈よりも深い深さで塹壕でも掘っておけば便利ですよ。
「ただ騎兵の軍団が突撃してくるなら、罠や対騎兵用の陣形を考える事ができるだろうに……」
兵達の惰弱をそう嘆くハイト。だが、それも仕方がない……徳川の兵達は、あまりに戦から遠ざかってきた。罠や陣形を考えないのではない――考えると言う発想すら浮かばないのだ。
「まあ、それなら私達が教えればいいだけですから。はい、よく聞いてくださいねー!」
パンパンと手を叩き、大声で集めた兵達に呼びかける銀花。
「さて、はっきり言います。騎馬武者なんて馬を止めてしまえば唯のカモです」
「う、馬を止めるったって……」
そもそもその発想すらない彼らに、その方法などわかる筈もない。無論銀花もその反応は予想の上。
「なんと言っても先ずは頑丈な置盾は必須です。騎馬兵は実は槍より弓を使う物ですからね」
「そ、そうなのか……?」
真偽を理解出来る経験値は彼らにはない。それよりも、自信満々な銀花の語りが、彼らをその気にさせていく。
「ええ、出来れば馬が飛び越えられなくて騎兵の体当たりに余裕を持って耐えられるくらいの頑強さの置盾を一杯作りましょう。近くの森を伐採してくるので誰か木材の運搬を手伝って下さいな」
「お、おぅっ……」
言われるがまま、ついていく兵達。移動の間にも講義は続く。
「盾の後ろで見えない位置に、馬が飛び越えられない幅、人の背丈よりも深い深さで塹壕でも掘っておけば便利ですよ」
「ざんごう……」
出来るのか、と不安そうな様子にまあ仕方ない、と頷くと木の前に立つ銀花。
「まあ、出来る事だけでもやっておきましょう……はっ!」
「……お、ぉぉぉ……!?」
必殺、鋭刃線閃。一刀の元に木を斬り捨て、さらに一人でその木を担ぎ上げる様に、兵達からどよめきが上がる。
「なんだか話を聞いてると大変みたいねぇ……」
そんな様子をのんびりと観察していた眞白。戦いと言うよりは、観光気分で、人形に情報収集をさせる。
「ご苦労さま、飛威。……そう、あんまり戦ったこともない人もいるのね」
事情を聞いて、そうであるなら怖いのは仕方ないと納得して頷く。
「なら、まずは訓練をしましょう。ほら、オブリビオンならいくらでも呼べるわ」
「な……うわあああ!?」
突然姿を現した死霊の騎士と蛇竜に驚く兵達を、のんびりとした空気で宥める眞白。
「ほら、大丈夫よ、怖くないわ。この子達を相手に戦いの経験を積んでみて?」
「うぅ、そ、そんな事……」
多少は士気が上がって来ていたが、やはり訓練とはいえ戦いとなれば不安が募るのか。途端に怖気づく兵士たち。
「――傾聴!」
その光景に呆れ苛立ったハイトは、大声を張り上げた。フェアリーの小さな身体から、兵達の隅々にまで届く大声が迸る。
「お前達は、家族や友など守るべき者や隣の友を皆殺しにされていいのか!」
「そ、それは……」
流石にそう言われれば、逃げる事は許されないと理解する。理解はするが……。
「どうやら、鞭が必要か」
ただ不安を煽るだけでは足りぬなら。自身のために魔改造された戦車の上に立つと、彼は声を張り上げる。
「徳川軍から抜けたいだの、武田軍に降伏だのと言う愚か者は、今ここで速やかに名乗りをあげよ。武田軍の兵士と見て抹殺する!」
「ひぃっ!」
煽ってダメなら、後は脅しつけてやれば良い。恐怖は人を動かす強い原動力の一つだ。
「文句があるのなら、俺の戦車で相手になろう!」
「おお、まさしく軍師や将軍、と言った類の演説ですねぇ。魔術師などよりよっぽど適正だ、クックック」
何が楽しいのかその光景に怪しく笑う闇慈。だが彼もまた、言葉とは裏腹に兵達へと呼びかける。
「いやあ、どうもどうも、徳川軍の皆さん。随分と湿気っていらっしゃる様子」
他の者とは違い、あまり大きな声を響かせる事はない。ただ、その底冷えするような声は、遠くからでもやけに耳に響く。
「武田が恐ろしいですか? 無敵の騎馬軍団が怖くてたまりませんか? 埒外の力を持つ敵に震え上がっていますか?」
「そ、そりゃあ……怖いに決まってるだろうよ……」
怯える兵の回答に、満面の笑みを浮かべて頷く闇慈。最も、彼の笑みは見ようによってはとても恐ろしいものであり――。
「ひ、ひぃっ!?」
彼が呼び出した巨大ながしゃどくろは、それ以上に恐ろしい。
「ですが、我々猟兵もまた埒外の力を行使する化物です。皆さんにも埒外の力の加護があること、お忘れなきよう。クックック」
「ひ、ひぃぃぃぃ……!」
鼓舞と言うよりもはや脅迫に近い絵面……だが、がしゃどくろは味方なのだし、内容は鼓舞で間違っていない。
怖いのはがしゃどくろよりも、発言内容よりも。きっと闇慈、その人である。
「ええ、そうよ。私達がついているわ!」
それが証拠とばかり、フレミアは赤き剣を掲げ、黒衣を纏う。キマイラフューチャーを脅かした強大なオブリビオン、その記憶を纏った彼女は、八翼を広げて兵達に呼びかけていく。
「これを――見なさい!」
言ってフレミアは、その力を周囲に広げる。存在を書き換え、侵略し――ありとあらゆる無機物が、黒き竜へと変化した。
「さあ、いくのよ!」
さらに巨大な黒竜を呼び起こし、敵陣へとけしかける。それどころか敵陣そのものからも竜を呼び……その強大な力を見せつける。
「こちらは、数も質も圧倒している――どう? これでも恐ろしい?」
「お、おぉぉ……」
その強大な力に勇気づけられ、声を上げる兵達。それを見たフレミアは竜達を呼び戻して、自陣へと布陣させる。
(――侮れないわね、さすが、言われるだけの事はある、かしら)
早々に呼び戻したのは、長く戦わせれば、竜を落としかねない――そんな空気が有ったからでもある。
やはり、どれほどの力があっても、武田軍を攻め落とすのは猟兵達だけでは不可能。徳川軍の協力が、絶対に必要なのだ。
「私がやっている事と大して変わらないと思うんですがねぇ、クックック」
「やっぱり、笑い方が悪いんじゃない?」
そんな光景を見ながら闇慈が笑えば、ズバッと切り込む眞白。のんびりとした空気のまま、兵達に呼びかける。
「それじゃあ、訓練する気になった?」
「お、おぅ……!」
士気を取り戻した猟兵達と死霊を戦わせる眞白。もちろん本気は出さず、手を抜かせる事で、『勝利の経験』を兵達に与えていく。
「お、おぉ……俺たちにもやれる……!」
「うんうん、自信を持つのは大事。ところで……」
倒れた死霊を蘇らせながら、順番待ちの兵士に呼びかける。
「この辺りの観光名所って何かないかしら?」
「え……そりゃまあ富士山だろうけど」
やはりどうも、これから戦うと言う緊張感は、あまり感じられない。
成功
🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔴🔴🔴🔴🔴
黒玻璃・ミコ
※美少女形態
◆心情
戦国の世でさえ恐れられた甲斐の虎が
ましてや今世では……そんな感じなのでしょうかね?
◆行動
【POW】で判定
ふふふ、兵士の皆さんは知っていますか?
戦国の世では優れた武功を挙げた者には
特別な槍を所持することが許されたことを
斥候部隊が襲い来る中、先陣に立ち愛槍をくるくると【催眠術】の様に
一定のリズムを取って回転させながら語り掛けます
恐怖を忘れさせ、気分を高揚させる成分を
【毒使い】で生成し【念動力】で兵士の方々に届けながらです
眼前に迫ったら裂帛の【気合い】で【怪力】で貯めたエネルギーを
【槍投げ】て解放し【串刺し】にしましょう
はい、道は開けましたよ?
◆補足
他猟兵さんとの連携、アドリブ歓迎
桐崎・早苗
●WIZ
他の方の説得の補助を行えればと存じます
名を上げ褒美を得たいものがあれば、これは正に好機!
此度は敵方の行動を先んじ打ち砕く策。なれば、万全にない相手へ攻める有利な戦。
私も【覚悟】をもち家のため邁進する所存。その為の【気合い】も十分にございます。
もし不幸や不運を恐れる者が居れば、陰陽の家の者としてその恐れを除く一助もできましょう。
有効そうなら、不運などを除き魔を打ち破る九字などの【破魔】の儀式を行ったり、敵方へ【呪詛】を送る儀式を行うなどをし「これにて我が方は有利である」と説得を重ねたい所存。
また加えて陣頭に何かしら力を見せる方へ加わりますれば説得力も増しましょうか
●アドリブやアレンジ歓迎
橘・逸香
なるほど、戦を知らない方が多いのですね。
平和ボケも悪くはないですが、三河武士ともあろう方々がこれではいけません!
徳川方の皆様に何も書かれていない旗を持っておいて頂きます。
かつて武田信玄は「南無諏訪南宮法性上下大明神」の旗の元、鬼神のような戦いを見せ甲斐の虎となりました。
徳川にも御座いますよね。
皆様の持つ白い旗にUCでブワッと一斉に、突然出現した墨と筆をもってこの文字を書きます。
【厭離穢土 欣求浄土】
これは徳川の心の拠り所でもあり、誓いの言葉でもあるかと思います。
オブリビオンの蔓延る国に永遠に平和な浄土は来ませんし、仏の加護もございません。
さぁ三河武士の意地、見せて下さいませ。
いざ、出陣!!!
――開戦の時刻が近づいてきた。城の門を開き、兵達はついに出陣する。
士気は大分取り戻した……それでも、やはり戦前の緊張が完全に晴れる訳ではない。
「名を上げ褒美を得たいものがあれば、これは正に好機!」
そんな彼らに最後の一押しを加えるべく、早苗は大声を張り上げる。
「此度は敵方の行動を先んじ打ち砕く策。なれば、万全にない相手へ攻める有利な戦。私も陰陽の一族の娘として、家のため邁進する所存!」
育ちは良さそうに見えるが、その闘志はこの場の兵達よりも戦に……エンパイアの戦に向いている。一族のために戦う、それは武士にとっては比較的馴染みの深い価値観だ。
「それでも恐れ有らば――それを除く一助となりましょう。それこそ陰陽の家の者としての役割にございますれば!」
言って兵達に向け、印を切る。一つ一つに篭める、破魔の力。
「不幸よ、不安よ、この者達から去り給え。臨・兵・闘・者・皆・陣・烈・在・前ッ!」
その声は、その祈りは。確かに、兵達の間から何かを払い飛ばした。
「続いて――臨・兵・闘・者・皆・陣・烈・在・前!」
さらに、次は敵陣に向けて印を切る。払い飛ばした『何か』を、武田へと押し付ける呪詛の印。
「これにて我が方が有利……必ずや勝利は我ら、徳川方に!」
「お……おぉぉぉぉ……!」
エンパイアの民にとって馴染み深い陰陽の技と言う事もあり、兵達の士気は俄然高まった。強張っていた不安は解きほぐされ、あちこちから力強い声が上がる。
「すみません。これを持って頂けますか」
「ん? お、おぅ……?」
そんな兵へと、旗を渡したのは逸香。何も書かれていない無地の旗を見て怪訝そうな表情を浮かべる兵達を尻目に、彼女は声を張り上げる。
「かつて武田信玄は『南無諏訪南宮法性上下大明神』の旗の元、鬼神のような戦いを見せ甲斐の虎となりました。ご存知ですか?」
無敵の武田信玄を支えたのは、諏訪大神の神威であった、とされる。無論、それを語るのは、敵の恐ろしさを教えるためではない。
「そして、また……徳川にも御座いますよね?」
「あ……」
兵達の反応に満足気に頷くと、彼女はその手を振るう。突如として現れる、墨と筆――そう、彼女は硯のヤドリガミ。古の歌人を主とした彼女は、言葉を尊ぶ。
筆は一人でに動き、無地の旗に、その言葉を刻みつけた。
――『厭離穢土 欣求浄土』。
「意味は、ご存知ですね?」
穢土とは戦国、浄土とは平和。戦いを終わらせ、平和を掴むために、戦う。それこそが徳川家康の旗印。
「オブリビオンの蔓延る国に永遠に平和な浄土は来ませんし、仏の加護もございません。
さぁ三河武士の意地、見せて下さいませ!」
「お……お、おぉぉぉぉぉっ!」
猟兵達が高め続けた士気が――ついに爆発した。次々と、兵達から鬨の声が上がる。
「ええ。平和ボケも悪くはないですが、三河武士はこうでなくては」
その光景に、満足げに頷く逸香。と、そこでミコが楽しげに笑みを浮かべて歩み出た。
「ふふふ……兵士の皆さんは知っていますか? 戦国の世では優れた武功を挙げた者には特別な槍を所持することが許されたことを」
例えば、天下三槍の如く。槍とは武士にとって、刀に並ぶ重要な武器である。
「――さて」
先陣に立ち、くるくると舞い踊るミコ。一定のリズムで回る槍を見ていた兵士達は、次第に目が離せなくなって来る。
そしてまた、ミコから立ち昇る香りも、兵士たちを包み込み……。
「そぉ……れぇぇぇぇぇぇっ!!」
その香りが全ての兵に行き渡り、その槍に全ての兵達の注目が集まったのを見計らい。
ミコは迸る気合の声と共に、渾身の力で敵陣へと槍を放り込んだ。
「――はい、道は開けましたよ?」
「おぉぉぉぉぉぉぉ!」
それは一つの暗示だ。侍は武功を、槍を求める。ならばその槍を敵陣に放り込めば……兵達は敵陣に突貫するしかない。
「……よろしいのでしょうか」
「まあ、やる気の最後のダメ押しをしただけです。当人達のやる気がなければ、暗示に意味はありませんよ」
首をかしげる早苗だが、ミコは悪びれずに微笑んで。
「――さて、とはいえ。ここまで煽りに煽って徳川軍の助けを借りた以上、負ける訳には、いきませんよねぇ」
突貫する徳川兵の後を追い、猟兵達も次々と戦場へと突入する。
――おそらくは、後の世に『寛永三方ヶ原の戦い』として伝わるであろう、戦い。
ついにその戦端が開かれた。
成功
🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔴🔴🔴
第2章 集団戦
『魔神兵鬼『シュラ』』
|
POW : 剣刃一閃・奪命
【近接斬撃武器】が命中した対象を切断する。
SPD : 剣刃一矢・報復
敵を【近接斬撃武器による突き】で攻撃する。その強さは、自分や仲間が取得した🔴の総数に比例する。
WIZ : 剣刃一弾・止水
対象のユーベルコードに対し【近接斬撃武器による弾き】を放ち、相殺する。事前にそれを見ていれば成功率が上がる。
イラスト:森乃ゴリラ
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種別『集団戦』のルール
記載された敵が「沢山」出現します(厳密に何体いるかは、書く場合も書かない場合もあります)。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
| 大成功 | 🔵🔵🔵 |
| 成功 | 🔵🔵🔴 |
| 苦戦 | 🔵🔴🔴 |
| 失敗 | 🔴🔴🔴 |
| 大失敗 | [評価なし] |
👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。
猟兵達が最大まで士気を高め……さらに武器と戦術を授け。
それによって力を得た徳川軍は、武田軍と真正面から激突する。
近隣諸藩から兵を集めただけあって、数ではこちらが有利。それもあって、徳川軍は武田軍を相手に、互角の戦いを展開する。
――そう、互角なのだ。ここまでお膳立てをして、やっと。
それこそが、武田。それこそが、戦国最強の軍勢。
しかし、猟兵達が徳川軍の手助けをする訳にはいかない……そのような余裕はない。
「シュラ隊――前へ!」
号令一下、戦場へと姿を現したのは、魔神兵鬼『シュラ』の部隊。
彼らが徳川軍の軍勢に切り込めば、いかなる陣形も紙のように容易く貫かれる。刀も矢も銃すらも、その刀に弾かれ届かない。
これの相手を出来るのは、猟兵以外にあり得ない。他の武田兵の相手を全て徳川軍に任せてでも、速やかに、排除しなくてはならない――。
桐崎・早苗
アイリーン(f10614)さんとカナタ(f01083)さんと、三人で連携致します
桐崎の家の者、早苗!この桐紋にかけ世を乱す賊を打ち払わん!
いざ、参ります
アイリーンさんが敵の注意を引きつける間にこちらは準備を
霊符をなるべく目立たず【投擲】して陣を展開いたします
【第六感】と【戦闘知識】も用い注目されにくい位置取りにて素早く。【早業】も活かせますでしょうか
霊符を巡らせますれば放つは【範囲攻撃】を意識した広範囲の生命力を奪う【九星凶方陣】
そしてカナタさんの技を合図に私も刀にて切り込む所存
●戦闘様式
・右に刀、左に短刀の二刀流
・基本は片足を軸に円の動きや半歩動くことで避けたり武器で受け流す動き
アイリーン・ミュレット
桐崎さん(f10614)と日和見さん(f01083)とで連携
できれば命はとりたく無いけど…戦だもの、覚悟を決めるわ
カリスマ大原則ひとぉつ!仲間のため進んで前に出るべし!
アイリーン、出陣よ!
【カリスマ大怪盗の本気】を発動させ存在感ともに黒剣を手に敵陣へ
放射するカリスマと存在感の【オーラ防御】と【気合い】で身を守りつつ敵を集めるわ
あたし身体の丈夫さには自身があるの
可能なら【自称カリスマの意地】で防御も底上げ
気配の遮断も交えて仲間の手が回らない方をカバーしたり庇ったりしたいわ
敵の武器や鎧の部品も抜き取れるならそういう妨害も
あたしから目を離さないことね
●アドリブアレンジ歓迎
日和見・カナタ
早苗さん(f10614)、アイリーンさん(f10071)と連携します!
むむ、徳川軍の皆さんは一進一退って感じですね。
本当はあっちに行きたいですけど、シュラたちを放っておくわけにはいきません。
あなたたちはここで倒れてもらいます! さあ、覚悟っ!
アイリーンさんが注意を引きつけている間に、【機械蜂】を散布してシュラたちの挙動を観察しましょう!
早苗さんの陣から外れたのを【ガジェットドローン】や自分の射撃で押し返しながら、相手を一か所に纏めていきますね!
十分に纏まったら【メルティアサルト】の準備をして、全力のラリアットで敵陣を薙ぎ払いますよ!
【アドリブ歓迎】
「むむ、徳川軍の皆さんは一進一退って感じですね……」
戦の推移を横目に見つめ、つぶやくカナタ。
「本当はあっちに行きたいですけど……」
目の前のシュラ達が、それを許してはくれない。今徳川軍を助けにいった所で、シュラを討たねば、徳川軍の犠牲は増えるばかり。
ならば躊躇う訳にはいかない。覚悟を決め、アイリーンは己の血で黒剣を生成する。
「できれば命は取りたく無いけど……戦だものね!」
普段はちょっぴり(?)ポンコツなカリスマ大怪盗は、遊びのない本気の気迫を身に纏い、真っ直ぐに敵陣へと切り込んだ。
「カリスマ大原則ひとぉつ! 仲間のため進んで前に出るべし!」
その強い存在感は、兵器にすら無視を許さない。周囲のシュラを引き付けていく……だが、シュラ達の刃は鋭い。
「っ……くっ!」
無数の突きを、華麗な身体捌きで躱し、オーラと剣で捌く。だが、取り囲まれればその全てを防ぐ事など不可能。急所こそ庇い続けるものの、幾度となく肌を掠め、時には刃が食い込み、アイリーンの身から血が溢れ出す。
「ふ、ぅっ……大したことないわね。このあたしをどうにかしようというなら、この10倍でかかってきなさい!」
口から溢れるのは強がりだ。全身が痛い。血がとめどなく溢れる。いつ倒れたっておかしくない。
「あたしは……カリスマ大怪盗よッ! それに丈夫さにも自信があるしっ!」
だが、誇りは強がりを現実にする。どれだけ斬られ、刺され、血を流しても、アイリーンは止まらない。大怪盗として、止まれない。
「流石です、アイリーンさん。お陰で……こちらも準備が整いました!」
その奮戦で稼いだ隙を突き、シュラの意識の外を突き、早苗は八枚の符を戦場へと投げ放っていく。気配を消し、気づかれぬように築き上げた陣。星の理を、場を整えて……最後の九枚目を、自らの足元へと叩きつけた。
「我、九星の理を以て汝に厄を与えむ……之、九星凶方陣っ!」
効果は目に見えず、されど劇的だ。戦場全ての『凶』が、シュラ達へと収束する。その身体を動かす呪の力を削ぎ取り、動きから精彩と速度を奪っていく。
しかしシュラとて、その程度では止まらない。凶を纏いなお鋭く、展開された陣を切り裂かんとする。
「させませんよ!」
その動きを制限するように、カナタの放つドローンがシュラ達を撃つ。稼いだ時間で行動していたのは無論早苗だけではない、戦場全体に張り巡らせた観測機が、その動きを見逃さない。
銃弾はその大半が斬り落とされるが構わない、陣の中に彼らを閉じ込められればそれで良い。
「後は、自分で討つまでです!」
「ええ。参りましょう」
自分も撃っていた銃を捨て、地面を踏みしめるカナタ。合わせて早苗も刀と短刀、二刀を構えてシュラ達をまっすぐに見据えた。
「さあ、いきますよ!」
足跡が燃えるほどに赤熱した義足で地を蹴り、戦場へと飛び込んだカナタ。広げられた両の義腕が力任せにシュラを薙ぎ倒す。
「桐崎の家の者、早苗! この桐紋にかけ世を乱す賊を打ち払わん!」
そうしてかき乱された戦場へと早苗も斬り込んだ。振り下ろされる敵の刃を退魔の短刀が捌き、右手の刀で命脈を断ち切る。一撃を弾かれようと漣の如き連撃で畳み掛け、守りを許さない。
陣に力を奪われたシュラの反撃は鈍い。だが、鈍った程度では止まらない。カナタの爆走を抑え、早苗を取り囲み、その足を止めようと立ちはだかる。
されど、その手に刀はない。
「……散々血を流させてくれた、お陰よ?」
シュラの注意が陣に、カナタ達に向かった瞬間を逃さず、気配を断った大怪盗がシュラ達の刀を盗み取ったのだ。
溢れる血で形作った黒き大鎌で数多の刀を絡め取ったアイリーンは、痛みを堪え不敵に笑う。
「あなたたちはここで倒れてもらいます! さあ、覚悟っ!」
武器を喪ったシュラ達を、カナタは容赦なく破壊していく。からくりの硬い身体も、速度を力に変えた灼熱の豪腕の前では、鉄屑と化すより他はない。
「どれほど優れた剣士であろうと、その凶を纏ったままならば、脅威ではありません!」
刀を盗まれなかったシュラも、早苗が確実に一体ずつ屠っていく。片足を軸にして円を描くようなその足捌きは流麗、陣で動きの鈍ったシュラに捕らえさせはしない。
「――せいっ!」
半歩の動きで斬撃を躱し、すれ違いざまの一閃。装甲の継ぎ目を、狂いなく断ち切っていく。
大成功
🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵
相馬・雷光
さーて、士気上げに出遅れた分は、戦働きで挽回するわよ!
【ダッシュ】で戦場を駆け巡り、ヴァジュラブラスターから雷撃弾を撃ちまくる!(属性攻撃・2回攻撃)
【だまし討ち】や【フェイント】も織り交ぜて見切らせないわ!
通常攻撃かつ実体のない雷の弾丸よ! 好きなだけ喰らいなさい!
手を撃つことで筋肉を硬直させて刀を落とさせる(武器落とし・スナイパー)
地面に落ちる前に拾われるかもだけど、一瞬でも隙ができれば(時間稼ぎ)周りの仲間がぶっ倒してくれるって信じてるわ
【全力魔法】【帝釈天降魔砲】で近くのヤツをまとめてぶっ飛ばす!
雷撃使いの前で刀を振り上げるなんて間抜けもいたものね
頭がメカってんならよく効くでしょ!
フランチェスカ・ヴァレンタイン
あちらの方は信じてお任せするしかありませんわね、と
こちらはこちらで少々手子摺りそうですし…?
相手は近接武器だけですが、砲撃自体を斬り払ってきそうなんですねえ… ああ、いっそ逆手に取りましょうか
砲撃に属性攻撃での雷撃を纏わせ、上空からUCによる誘導性の範囲砲撃を一斉発射でシュラ隊へと
余所のお侍の雷切の逸話は聞き及んでますけれど、仮に模倣できたとしてもこの数を捌き切れますかしら?
他の方への援護砲撃もしつつ、雷撃で動きが鈍ったシュラがいればそちらへ向けて迷彩/フェイントでの急降下強襲を
勢いを付けた斧槍の一撃を刀で受けさせ、体勢が崩れたらガラ空きの頭に2回攻撃で即座に戦槌の一撃など、いかがでしょう?
「さーて、士気上げに出遅れた分は、戦働きで挽回するわよ!」
戦場を駆けながら、二挺のブラスターから雷の弾丸を連射する雷光。迸る雷を、シュラは刀で切り捨てる。
「ふぅん……流石にやるじゃないっ!」
通常攻撃なら、ユーベルコードすら使わず刀の冴えのみで斬り捨ててくるシュラ。だが諦めず、雷光もフェイントを交えてその守りを掻い潜ろうとしていく。
「砲撃自体を斬り払う……これは手古摺りそうですわねー……」
兵装を構えながら、空中でシュラに狙いをつけるフランチェスカ。だが弾丸を斬り捨てるその鋭い剣技を見れば、いかに攻めるか思い悩む。
「まだまだぁっ!」
その間にも雷光の弾丸が一発、ようやくシュラを捕らえ、その腕を痺れさせる。刀がその手から零れ落ち……だが、それを左手で受け止め、隙を見せない。
「もう、面倒ね!」
「……ああ。なるほど」
苛立ちを顕にする雷光だが、その攻防は、フランチェスカに一つの着想を与えた。動力炉に雷の魔力を注ぐと、砲火を降雷として降り注がせる。
シュラはその雷すら断ち切っていく。呆れるほどの剣の冴え、しかし。
「なるほど……ねっ!」
フランチェスカのその砲雷の意図を察した雷光は、さらなる雷を銃口から迸らせる。それら全てを斬り裂き続けるシュラ、だが、斬られても斬られても、空と地上、数え切れぬほどの雷が迸り続ける。
「余所のお侍の雷切の逸話は聞き及んでますけれど……」
「さあ、いつまで持つかしら……ねっ!」
雷を斬り続けた刀に、雷が滞留する。刀の柄が高まる電圧に耐えきれなくなると、シュラの身体に遡り流れ込んだ。
「そこです……っ!」
その隙を逃さず、上空より舞い降りるフランチェスカ。痺れた身体で迎撃しようとするシュラだが、不用意に刀を振り上げれば、そこを逃さず狙う雷光の弾丸。
「雷撃使いの前で刀を振り上げるなんて間抜けもいたものね……今よっ!」
「ええっ!」
痺れ動きの鈍ったシュラへと振り下ろされる、渾身の斧槍。なんとかそれを受け止めようとする防御の刀を、落下の勢いを乗せた重量で、力強く叩き崩す。
「さあ、これもお受け取りになって……ください、なっ!」
そこへさらに、戦鎚。落下のベクトルをそのまま遠心力に変えた一撃が、シュラの頭を叩き砕き、その機能を停止させる。
「これもおまけにっ!」
さらに振りかぶって豪快に追撃。シュラの残骸を、そのまま敵陣めがけて派手に吹っ飛ばす。
「頭がメカってんなら、これがよく効くでしょうよっ……」
それに銃口を向けながら、雷光はカートリッジを装填した。神酒の霊気が篭められた、とっておきの弾倉。
「因陀羅耶莎訶――まとめてっ、ぶっ飛ばすっ!!」
迸るは、これまでとは比べ物にならない莫大な雷。シュラの残骸を包み込むと、そこを中心に爆発的な勢いで広がり、周囲のシュラ達を全て消し炭に変えた。
「威力が強すぎて、メカとか関係なかったかしら……?」
大成功
🔵🔵🔵🔵🔵🔵
弥久・銀花
アドリブ、他の人との絡み、ピンチシーン歓迎です
落ち付いて下さい
ここは我ら猟兵が当たります、落ち着いて雑兵の対処を続けて下さい
猟兵を信じなくても良いですが、少なくとも貴方達が逃げたり負けたら死ぬのは家族で、故郷が燃え、国が消えます
では、そちらも頑張って下さいね
さて、お待たせしました(挨拶直後に【先制攻撃36】【鎧無視攻撃76】で頭に斬り掛かります)
怒りましたか? 戦場での雑兵の作法なんて敵を殺す事と味方を殺さない事だけでしょうに、シュラとは名前負けですね
【演技38】で相手を侮り怒らせる演技をし【見切り37】で相手の攻撃を捌きます
そして愛刀の白嵐玉椿でユーベルコードの鋭刃線閃で両断です!
橘・逸香
戦国の世に太平をもたらした徳川の治世、それは容易な事ではなかったはずです。
我ら猟兵も後に続きオブリビオンを排除したいところ。
【嬉しやと二度さめて一眠り 浮世の夢は暁の空】
目が覚めてもう一度眠れるのは嬉しいこと。
この世の出来事はまるで明け方に見る夢のようだ。
これは徳川家康の辞世の歌。
戦国最強軍団を目の前にして夢ならいいのにと思うことは簡単ですが、この歌は大望を成し遂げてこそ見れる夢なのです。
私も最期はこんな風に爽やかな楽しげな歌を詠みたいとそう思います。
きっと皆さんもそうですよね?
届くことを願ってUCに乗せてこの歌を皆様に。
歌は弾けません!
基本的に共闘希望の回復役ですが敵が来たら薙刀で応戦。
「落ち付いて下さい、ここは我ら猟兵が当たります、落ち着いて雑兵の対処を続けて下さい!」
シュラと対峙しながら、徳川軍へ大声で呼びかける銀花。
「猟兵を信じなくても良いですが、少なくとも貴方達が逃げたり負けたら死ぬのは家族で、故郷が燃え、国が消えます!」
腹の底から鼓舞すべく叫びながら、シュラへと真っ直ぐに斬りかかる。
「――っ!」
先制攻撃を狙って繰り出した斬撃を、冷静に捌くシュラ。そこに有るのはただ、目の前の敵の命を奪うと言う、その純粋な意志と技術の結晶。
「あー……確かにシュラですね、これは。挑発とか効きませんかね……?」
そもそも、指令以外の言葉を解する機能が付けられているかどうかすら疑わしい。あまりに揺るぎなきその刃と、銀花は正面から斬り結ぶ。
「まあだとしても、引くつもりはありませんがっ!」
鋭い剣技で、全身を刻まれ、血が溢れる。だがその痛みを顧みない。傷など後で治せば良い。踏み込んでは斬り、斬られては斬り、一体でも多くのシュラを断つ。それしか考えない。
「さて……」
そんな過酷な戦場を見渡しながら、逸香は筆を手に取り、朗々と歌い上げる。
「嬉しやと二度さめて一眠り――浮世の夢は暁の空」
目が覚めてもう一度眠れるのは嬉しいこと。この世の出来事はまるで明け方に見る夢のようだ――。
「これは徳川家康公の辞世の句……戦国最強軍団を目の前にして夢ならいいのにと思うことは簡単ですが、この歌は大望を成し遂げてこそ見れる夢なのです!」
徳川軍を、猟兵達を、勇気づけんと、ユーベルコードに乗せて声を張り上げる。
「私も最期はこんな風に爽やかな楽しげな歌を詠みたいとそう思います! きっと皆さんもそうですよね!」
死地にあるものに与えた勇気は生きる意志へと変わり、力へと変わり、その傷を塞いでいく。
「例え敵が、あらゆる攻撃を刀で斬り捨てようと……歌を斬り捨てる事は出来ません。私はこの歌で、この言葉で戦います!」
「助かります……これなら」
数多刻まれた傷が塞がり、力が満ちていくのを感じると、銀花は強く愛刀を握る。自分は辞世の句など読める死に方をするかどうか疑わしい、だが、誰かがそんな死に方を出来るように、そのためならば。
「いざ……断ちます――っ!!」
真っ直ぐに踏み込み、斬られながら斬る。深々とシュラの刀が身に食い込み、血を噴き上げて……構わずに振り切った愛刀が、シュラの胴体を両断する。
「っ、ふぅ……」
傷は塞がるが、血が流れる。だが構わずに突き進む。
そんな銀花は流石に極端にしても、生死を賭けた戦いは戦場のあちこちで繰り広げられる。
「戦国の世に太平をもたらした徳川の治世、それは容易な事ではなかったはずです……」
過酷な戦を繰り返してようやく掴み取った平和。それを覆そうとする侵略者。
「オブリビオンは、必ず……排除しましょう!」
より歌に力を……心をこめ、逸香もまた、己の戦いを続ける。
大成功
🔵🔵🔵🔵🔵🔵
劉・涼鈴
ふふー、強そーなヤツらが出てきたね!
【怪力】で覇王方天戟をぶん回して突撃だー!
いっくぞー!
戟と刀のリーチ差を利用して、こっちの間合いで戦う!
ぶおんぶおん振り回してまとめて【なぎ払う】!
おりゃおりゃおりゃー!
なんかサイボーグっぽい(?)けど、【鎧ごと砕く】パワーでぶっ潰す!
どっせーい!
地面を戟でぶっ叩いて足場を崩す!(地形の利用)
戟を棒高跳びみたいに使ってアクロバティックに!(ジャンプ)
定石的な戦い方をせずに翻弄する!
斬りかかって来られたら、【見切って】【戟で受け】流して、体勢を崩したところに密着して【灰燼拳】!!
でぇーい!
露木・鬼燈
血と戦に酔うのは羅刹の性。
テンション上がる!
そこに強者との死合が加われば、ね。
死線で踊る楽しさ。
化身鎧装<黑鐵>を展開。
空中戦闘機動を地上でも利用。
呪炎と重力制御で間合いもタイミングも自在。
忍体術が合わされば全身が必殺の刃。
異形心眼で見切れば刀を圧し折ることだってできる。
呪詛と気を纏ったこの肉体。
よほど当たり所が悪くない限り生体装甲を貫いての致命傷はない。
殺れると思えば負傷を許容してでも殺る。
漆黒の外骨格を血で染め上げ、血の香りで闘争心を高める。
魔剣が吸収した生命力さえも捧げて更なる力をっ!
ああ、なんて楽しい!
でも一対一では物足りない。
いくらでも相手するですよ。
すべて喰らい尽くしてやるっぽい!
「テンション上がる!」
シュラとの戦いをこの上なく楽しみ酔い痴れる鬼燈。黑鐵に命を捧げて己の身を覆うと、魔剣を手に、激しい戦いに興じ抜く。
「さあ、もっと……もっとっ!」
限界を越えた飛翔を可能にする重力制御を、身体の切り返しのためだけに利用する。吹き上がる呪炎も合わせ、限界を越えた身体の動き。全身が軋み悲鳴を上げるが、その痛みすら享楽。
「圧し折り――砕くッ!」
武器は魔剣だけではない。振り切った隙を狙って繰り出されたシュラの刀を、渾身の頭突きでへし折った。武器を喪った相手の土手っ腹に蹴りを叩き込み、文字通りその身体を折り砕く。
「ああ、なんて楽しい……!」
身体の動きは限界を越え、シュラの刃は時に装甲を貫き血が溢れる。だが、致命傷でないなら止まる理由にはならない。血と戦に酔い痴れる、それが羅刹の性。
「いっくぞー、おりゃおりゃおりゃー!」
涼鈴もまた、その戦いを心ゆくまで楽しんでいく。覇王の戟を豪快に振るい、力の限りぶん回す。
「ふふー、良いね、強いね、楽しいねー!」
斬って、突いて、薙いで、その力強い攻撃を、シュラの刀で弾かれ、捌かれる。それが楽しい。強敵であればあるほど心が躍る。
「でも防いでばっかりじゃ勝てないよ!」
刀と方天戟のリーチの差で、一方的に攻めかかる。無論シュラも反撃は試みんとはしているようだが、怪力で力任せに畳み掛ける事で、その隙を与えない。
「まあこっちも防がれてばっかりじゃ勝てないから……どっ、せーい!」
渾身の力で振り下ろす一撃。だがそれは躱され、大きな隙が出来た……と、見たシュラが踏み込んできた所で、地面に打ち付けた反動で、棒高跳びのように跳躍する。
「そりゃーっ! どうだー!」
定石を外した攻撃は、相手が達人ならばこそ効果的。隙を見せたシュラの脳天に、跳躍の勢いで回転し、踵落としを叩きつけた。
「もっと、もっと……いくらでも相手をするですよッ!」
「うんうん、ガンガンいくよー!」
過酷な戦においても、それに興じる2人は止まらない。むしろ過酷であらばこそ、止まりはしない。
「隙ありっ……でぇーい!」
斬りかかって来たシュラの刀をギリギリで檄で受け流し、拳で相手の身体を打ち砕く涼鈴。紙一重の見切りは、斬られるリスクなど考えもしない。
「もっと……もっと血を流させるっ!」
逆に鬼燈は、斬られる事を厭わない。己が刺されようが構わず、代わりに魔剣を深々と突き立てる。シュラの肉の部分を抉り、溢れる血をその全身に浴び、恍惚とその生命を啜りとる。
「とにかく……殺るっ!」
「ガンガン倒しちゃうよっ!」
死線での戦いは続く。それを厭うでなく、喜びを隠さず、彼らは獲物を、拳を、振るい続ける。
大成功
🔵🔵🔵🔵🔵🔵
黒川・闇慈
「あれが呪術兵器シュラですか。どの程度の性能か、お手並み拝見といきましょう。クックック」
【行動】
wizで対抗です。
属性攻撃、全力魔法、高速詠唱の技能を活用し炎獄砲軍を使用します。
さて、遠距離攻撃を弾くそうですが、弾きたいなら弾かせて差し上げましょう。
炎を操作してシュラの前後左右頭上から一斉に突入させます。武器で炎を弾こうとした瞬間に炎を一斉起爆させます。炎を弾くつもりでいたのに、全方位からの爆風を弾けるものか試してみましょう。
「なまじ弾くという防御手段があるせいで、避けるという選択肢がないのでしょうねえ。クックック」
【連携・組み合わせ・アドリブ歓迎】
オウカ・キサラギ
SPD
シンゲンだかインゲンだか知らないけど
強力なオブリビオンの復活は絶対に阻止しなくちゃ!
トクガワ軍が勝てるようにがんばろー!
遠距離攻撃は刀に弾かれるんだっけ?
そういう奴にはボクの宝石弾が役に立つよ!
宝石弾は触れると爆発するように魔力を込めてる!
弾こうが直撃しようが宝石弾の【属性攻撃】【範囲攻撃】【鎧無視攻撃】で大ダメージだ!
【ダッシュ】【迷彩】であちこちを隠れながら移動することでできるだけ敵に捕捉されないように気を付けながら爆撃していくよ!
もし撃ち漏らしがボクに近づいて来たら【襲撃する疾風の刃】で迎え撃つ!
速さには自信があるからね!【先制攻撃】【早業】で素早く双短剣に持ち替えて迎撃するよ!
「シンゲンだかインゲンだか知らないけど、強力なオブリビオンの復活は絶対に阻止しなくちゃ!」
「復活するのがインゲンなら……ま、今より楽だったでしょうねぇ、クックック」
元気なオウカの言葉に陰鬱な笑いを浮かべながら、魔術杖を構える闇慈。
「あれが呪術兵器シュラですか。どの程度の性能か、お手並み拝見といきましょう」
小手調べとばかりに、魔術杖を構えて炎の砲撃を撃ち込まんとする。
そしてシュラはその炎を易々と断ち切った。魔の炎すら斬り捨てる卓絶した剣技。
「うわ、本当に遠距離攻撃を刀で弾いちゃうんだ……厄介だね、でも!」
「ええ、そんなに弾きたいなら弾かせて差し上げましょう」
だがそれは彼らにとって、攻撃を断念する理由とはならない。オウカは懐から無数の宝石を取り出して、闇慈はさらに多くの、さらに熱い炎を練り上げていく。
「ボクの宝石弾、受けてもらうよ!」
「こちらも……この灼炎の王威、存分に堪能してもらいましょう」
そうして投げ放たれる宝石、そして爆炎の矢。シュラは当然、己に向けて飛んでくるそれを刀で斬り伏せ……その瞬間、宝石が、炎が大爆発を起こした。
その爆発に巻き込まれたシュラは、吹き飛ばされ、砕け飛ぶ。
「触れると爆発する宝石弾っ、いくら斬られた所で意味なんかないよっ!」
「流石に全方位からの爆風は、防げなかったようですねぇ?」
闇慈はさらに、次々と爆炎を解き放つ。防げぬと分かれば当然避けようとするシュラだが、絶技と呼べる刀の冴えに比べれば、その体捌きはせいぜいが達人の域に留まる。躱しきれるものではない。
「なまじ弾くという防御手段があるせいで、避けるという選択肢を磨かなかったのでしょうねえ。クックック」
「それじゃあこれも防げないよね!」
避けはしたが、爆炎で体勢を崩したシュラ、その背へと宝石が叩きつけられる。巧みに爆炎の合間を縫い、隠れながら繰り出すオウカの宝石弾が、次々と敵を仕留めていく。
これ以上回避は無意味と見たシュラは、間合いを詰め、斬りかかる事を選択する。当然避けねば爆炎で吹き飛んでいくが、中には運良く刀の間合いに飛び込む者もおり。
「おや、なかなか考えますねぇ……ですが惜しい、最初からそうしていれば」
「こっちだって――速さには自信があるんだっ!」
だが、その僅かな数ならば、オウカの双刃が、斬り捨てる。爆炎の影から飛び出してくる疾風は、いかにシュラと言えど防ぎきれない。
「なかなかの性能ではありましたが残念ですね、まだまだ設計が甘い、クックック」
「このままトクガワ軍が勝てるように、もっとがんばろー!」
防御不能の爆炎が、防御を上回る速度の疾風が。次々とシュラの身体を吹き飛ばし、斬り捨てていく。
大成功
🔵🔵🔵🔵🔵🔵
四季乃・瑠璃
【チェイン】で分身&シスターズ使用
翡翠がK100の二丁拳銃連射で敵の動きを止め、瑠璃が【範囲攻撃、鎧砕き、鎧無視、早業】接触式ボムによる爆風で更に敵を拘束+敵の防御を崩し、緋瑪が機巧を作動させた大鎌による【早業、残像】の高速斬撃で一気に斬り裂く、といった連携で基本対応。
時に役割を入れ替えたり、ボムの集中爆破等に切り替えたりと3人で連携しながら戦闘を進めるよ。
敵が各個撃破を嫌って密集陣形を取る様なら、3人分の魔力を込めた【範囲攻撃、力溜め】ジェノサイドノヴァで一気に殲滅する。
緋瑪「なかなか強そうなのが来たね~♪」
翡翠「数が多い上に相手するの面倒そう…」
瑠璃「なんであろうと殺すだけ…行くよ」
黒玻璃・ミコ
※美少女形態
◆心情
戦場に最後に立つは修羅か羅刹か
それとも化生か……
考えても栓無きことですけどね
◆行動
戦場に着いたならば
【黒竜の闇帳】でこの地を私の領域とさせて頂きましょう
うふふふ【暗視】可能な私にとって闇は妨げになりませんしね
そして暗闇に乗じて【毒使い】で精製した腐食毒を
【念動力】による風に乗せて件の剣鬼の元へ運び妖刀を腐らせ
闘気も【生命力吸収】してしまいましょう
仮に心眼の域に達しており私の気配を察知し【おびき寄せ】られたらそれも好機です
【第六感】に従って致命的な攻撃は躱し
逆に手痛い【カウンター】をお見舞いしましょう
◆補足
他の猟兵さんとの連携、アドリブ歓迎
「なかなか強そうなのが来たね~♪」
「数が多い上に相手するの面倒そう……」
楽しげに大鎌を構える緋瑪、少し嫌そうに眉を寄せる翡翠。同じ身体から生ずれど、人格ごとに反応は変わる。
「なんであろうと殺すだけ……行くよ」
その主人格たる瑠璃が号令を下すと同時に、翡翠はすぐさま二丁の拳銃から銃弾を連射した。雨の如き弾丸を、シュラはその刀で全て斬り落とす。
「ほら……面倒」
「まあ面倒なだけ、殺せない訳じゃないけどね」
だがいくらシュラでも、弾丸の相手をしながら動ける訳ではない。そこに瑠璃が爆弾を放り投げ、爆風で包み込む。当然シュラは爆風すらも斬り裂くが、ますますその場に釘付けになり、防御に専念せざるを得なくなり。
「はい、まずは一人っ♪」
その爆風と爆炎に紛れて接近する瑠璃。シュラがとっさに迎撃するが、斬り裂かれたのは残像のみ……機巧で加速した大鎌の刃が、その首を斬り落とす。
「うん、確かに強いけど、わたし達3人なら問題なく殺せるね♪」
なるほど1対1なら強敵だろう。だが、あくまで己の剣技を磨き上げた兵器に過ぎず、複数のシュラが連携してかかってくる訳ではない。であるならば、3人の殺人姫の連携が勝らぬ道理はない。息のあった変幻自在の連携で、次々とシュラを殺していく。
「ふぅむ、戦場に最後に立つは修羅か羅刹か、それとも化生か……考えても栓無きことですけどね」
一方ミコは、戦場に己の領域を広げる事で、優位に立とうとする。広げるは屠竜の魔女の暗黒、五感を封じる絶対の闇。
「闇のみならず……これはいかがでしょうかねぇ?」
そこにさらに、己の身体から生成した毒を流していく。それは全てを腐らせる毒。刀は無論、命すらも腐敗させ、奪い取る。
「……おっと?」
だがシュラの方も、一方的に腐らされはしない。鋭い剣戟が刃を断ち、毒を裂く。実体無きものすら斬り捨てる、まさしく絶技たる剣技。
「ほう、これはなかなかに厄介ですねぇ……」
さらに闇を斬りながら、ミコへと迫ってくる。黒竜の闇は視覚のみならず五感を封じる闇、耳にも皮膚にも頼れぬ状況で、こうも正確に動くとは。
「――まあ、そもそも私にとって闇は妨げにならない訳ですが」
そんなシュラの行動を逐一把握しているのだから、当然ではあるが。闇に視覚を遮られる事なく、冷静に魔槍を握ったミコは、実に無造作に振るわれた刀を躱し、カウンターで左胸に魔槍を突き刺し、貫く。
「いくら第六感が働いていても、五感を封じられればその脅威は大きく封じられる……そういう事ですねぇ、うふふふ」
「じゃあ、殺すのも簡単かな?」
シュラ達が取り込まれた闇を見ながら、瑠璃達は集まり、魔力を一つの爆弾に溜め込んでいく。
「ええ、構いませんよー。どうぞ、ドーンとやっちゃってくださいな」
「じゃ、遠慮なくっ♪」
そうして投下される鏖殺の巨大爆弾。3人分の魔力が爆ぜると、闇が全て吹き飛ぶ……だがそこにいた筈のシュラも、せいぜい破片程度しか残らない。
大成功
🔵🔵🔵🔵🔵🔵
明星・豹麻
徳川軍の士気を高める事には成功した。
だからこそここでその勢いを止める訳にはいかないな。
シュラの部隊は俺達がここで止めてみせる!
今回は遠距離戦は不利そうだ……だから俺は霊刀「祓」で応戦する。
【残像】の技能を使って【フェイント】をしかけて撹乱しながら攻撃をする。
そして敵の大技を放つタイミングでユーベルコード『超直感』を発動して回避し、それに合わせてカウンターで大ダメージを狙う。
相手の攻撃を相殺するのが得意みたいだけど、攻撃に当たらない事ならこちらも得意とする事だ……!
アリス・セカンドカラー
おっと出遅れた。たまにはガチファイトしますか。
アストラルプロジェクションで意識と感覚を戦場に拡大。更にアリスズワンダーワールドを展開し、妖刀使いとしての幻想を自らに適用。
この手に握りしは我がアストラル(幽体)より鍛えし長尺刀、魂喰いの妖刀なり。あ、悦楽の狂宴での想造生物よ、この妖刀。
念動力由来の怪力で片手で長尺の妖刀をぶんまわしてのなぎ払いで範囲攻撃。幽体製の妖刀は物理的なモノはすり抜けその幽体を切ります。大食い、盗み攻撃、生命力吸収で切った幽体を喰らうことで自らのダメージを回復しながら傷口をえぐるわ。幽体のダメージは肉体にフィードバックされ、傍目には一瞬遅れて切り裂かれたように見えるわね。
「ここで徳川軍の勢いを止める訳にはいかないな……シュラの部隊は俺達がここで止めてみせる!」
銃火器は撃ち落とされると見て、刀を手にシュラへと斬りかかる豹麻。
「相手の攻撃を相殺するのが得意みたいだけど……!」
その斬撃は、シュラの刀に防がれる。だが、返す刀の反撃を、豹麻もまた巧みに躱して見せた。
「攻撃に当たらない事なら、こちらも得意とする事だ……!」
こちらの斬撃を幾度となく防がれながら、シュラの斬撃を幾度となく躱す。剣技では相手の方が上かもしれない、だが豹麻には、鍛え抜かれた直感が有る。
「危険には敏感じゃないと、旅から旅への生活なんて出来なくてね……!」
フェイントで相手の攻撃を誘いつつ、それが放たれるよりも先に、斬撃の軌道を予測する。狙うタイミングは先の先、相手よりも速いカウンター。
「貰った……!」
手にした刀は祓邪の名刀、鍛えたるは無名の刀匠なれど切れ味は十分。敵の間合いに踏み込んで、シュラの胴体を袈裟斬りに斬り捨てた。
「うーん、出遅れたけど、みんなガチバトってるわねぇ」
そんな戦いを見ながら、アリスは己の意識と感覚を戦場に広げていく。
「じゃ、私もたまにはガチファイトしますか」
妄想より刀を想造しその手に握ると、戦場の常識を書き換えて己の身に幻想を宿す。今この戦場において、アリスは魂喰いの妖刀を使う剣士と言う物語が、現実となる。
「それじゃいくわよ、そぉ……れっ!」
もっとも、自身の身体よりも長い刀を振るうその怪力は、元より現実に変えるまでもない事実。サイキックヴァンパイアの念動力がその腕に力を与え、事実は幻想に説得力を与える。
より強固となった幻想は、揺らぐ事なく、シュラを横薙ぎに斬り裂かんとする。当然、シュラはその刀を防ごうとするが……そこになにもないかのように、透過する刀。
「無駄よ、この刀は幽体ですもの」
物体がそれを捕らえる事はない。ゆえにシュラの身体も、斬り捨てる事なく通過した。されど通過した刃を通し、アリスはその生命を喰らう。
「斬り捨て御免……とか言っといた方が良いのかしらね?」
命を喰らわれたシュラは、遅れてその胴体を断たれて崩れ落ちる。斬られた後から、遅れて裂ける傷口は、仕組みを知らねばまるで達人の一刀。
「ま、種も仕掛けもあった所で……あなたに防げるかしら?」
派手に振り回し、シュラ達を次々と斬り裂いていくアリス。感情なきシュラ達にも、僅かに困惑が垣間見える。
「さて……こっちもまだまだっ!」
そんなアリスに負けじと、豹麻も鋭く刃を振るう。敵の攻撃を紙一重で躱し、見切り。すれ違いざまの斬撃が、シュラ達を斬り捨てる。
大成功
🔵🔵🔵🔵🔵🔵
神元・眞白
【WIZ/割と自由に】
富士山富士山……山?観光地?
やっぱり世界が変わると不思議な事をよく聞く。
もう少し情報を集めてからじゃないと。まだまだ不勉強。
一段落したらもう少し聞き込みをして飛威に準備してもらわないと。
ただその為には今の状況を終わらせないと。飛威、状況の把握を。
…そう、やっぱり間に合わせの力だとそれぐらいになるってこと。
助けは……うん、暫く様子見。こういう時に頑張っていければ力になるし。
相手もたくさんいるし、数には数で抑えてみよう。相手より多い数で。
でも皆そのままで当たると大変そう。それなら皆同じ格好に変装させて…
これならこの世界でいう「分身の術」って言えそう。にんじゃしすべし?
フレミア・レイブラッド
第一章に引き続き、「ドラゴンテイマー」の力で【文明侵略】の使用を続けて黒竜を量産。
総数の3分の1を徳川軍の援護に向かわせ、残り3分の2をシュラへ。
更に【ギガンティックダイウルゴス】は全て合体させ、量より質を取り、シュラに回すわ。
黒竜の数と触媒がある限り【文明侵略】で無限に増やせる点を活かし、複数体で囲む様に多方向からの同時攻撃を徹底させ、数体撃破されても確実に落とす様に黒竜達に指示するわ。
後はわたし自身、敵の攻撃を【見切り、残像】で回避したり、赤剣で防御【武器受け、怪力】したりしつつ戦闘。
適宜【念動力】で攻撃や防御で妨害を掛ける等して隙を作りつつ、【クリムゾンキャリバー】で叩き斬っていくわ!
「富士山富士山……山? 観光地?」
激戦続く戦場で、眞白の一角だけ、やはりどうにも雰囲気がふわふわしている。
「やっぱり世界が変わると不思議な事をよく聞く……もう少し情報を集めてからじゃないと」
彼女の頭の大部分を占めるのは観光の事であり。そこに緊張感などまるでない。
「まだまだ不勉強。もう少し聞き込みをして飛威に準備してもらわないと……でもその前に」
だからといって流石に、戦いを無視するほどではない。情報を集めさせていた飛威が、戻ってくる。
「そう、やっぱり間に合わせの力だとそれぐらいになるってことね」
そんな中、徳川軍は良くやっているようだ。それならあちらに助けはいらないと、こちらの戦場に集中する。
「こういう時に頑張っていければ力になるし……で、えーと、こっちの敵もたくさんいるのね?」
だったらどうするかと、のんびり首を傾げた眞白は、ぽんと手を打って、からくり人形を呼び出した。
「じゃあ、数には数で抑えてみよう。みんな、いって」
雲霞の如き人形の軍勢。シュラを上回る数が、襲いかからんと……。
「……あ、ちょっと待って。あっちは強いのよね?」
する前に止める。やはりズレている。
「これでよし。この世界でいう『分身の術』ね。にんじゃしすべし?」
全ての人形に同じ恰好をさせると、津波の如く一斉に襲いかかる。……それに深い意味がある訳でもない。気分の問題だ。
「……あら? にんじゃはこっちだから、しんじゃったら、ダメなのかしら?」
シュラの刀が、次々と人形達を斬り捨てていく。敵は達人、簡単に倒せるものではない……だが、人形も数が多く、シュラ達を呑み込んでいく。
そして、さらに壊れた人形の残骸が、次々と、黒き竜へと姿を変えていく。
「必ず複数体で囲みなさい。こちらは無限、あちらは有限よ!」
無数の黒竜を生み出すはフレミア。ありとあらゆる無機物が、黒竜を生む媒体に変わっていく。シュラのからくりパーツの残骸、眞白の人形の残骸、死んだ兵士の武装。
ここまでくれば、竜を生み出す、と言う言葉は不適切だろう。世界を竜へと変化させると言う、文明への侵略。
「3分の1は援護に回りなさい。その分は……」
無論、フレミアも竜だけに任せている訳ではない。黒竜の群れに紛れて接近し、赤剣でシュラと斬り結ぶ。
「ここまでしても対抗してくるのは、まあ、確かに立派なものね……!」
戦場は完全にフレミアが支配したと言っても良い。にも関わらずシュラは、的確に反撃を繰り出していく。黒竜達すら、近づけばその刀に斬り捨てられるほど。
「だとしても……!」
数で戦場を支配しようと、フレミアに『質』が伴っていない訳ではない。シュラの刀を赤剣で受け止めると、念動力でその刀をグッと強く押しこむ。
体勢を崩した所で一閃……斬り裂き、体勢を崩したシュラを、黒竜の群れで蹂躙し、破壊した。
「まあ、なんだかすごいのね」
そんな竜達の群れを、眞白がのんびりと見上げるうちに、戦場は駆逐されていく。
大成功
🔵🔵🔵🔵🔵🔵
第3章 ボス戦
『戦国武将』
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POW : 合戦具足
無機物と合体し、自身の身長の2倍のロボに変形する。特に【自分の城の一部もしくは武者鎧】と合体した時に最大の効果を発揮する。
SPD : 乱世斬
【日本刀による衝撃波を伴う斬撃】を放ち、自身からレベルm半径内の全員を高威力で無差別攻撃する。
WIZ : 戦国兵団
【自分に従う兵士達】の霊を召喚する。これは【火縄銃】や【弓矢】で攻撃する能力を持つ。
イラスト:酉作
👑7
🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵
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種別『ボス戦』のルール
記載された敵が「1体」出現します。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。
| 大成功 | 🔵🔵🔵 |
| 成功 | 🔵🔵🔴 |
| 苦戦 | 🔵🔴🔴 |
| 失敗 | 🔴🔴🔴 |
| 大失敗 | [評価なし] |
👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。
※このボスの宿敵主は
「💠山田・二十五郎」です。ボスは殺してもシナリオ終了後に蘇る可能性がありますが、宿敵主がボス戦に参加したかつシナリオが成功すると、とどめを刺す事ができます。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。
猟兵達は、シュラの陣を突破し、敵将の陣へと脚を踏み入れる。
徳川軍と武田軍の戦いは未だ互角。されど、それがいつまで持つか分からない。
速やかに、敵将の首を取らねばなるまい。そうして、武田を壊滅に追い込めば……。
――その瞬間。全ての猟兵が脚を止めた。
何を見た訳でもない、何を聞いた訳でもない。
ただ、悟ったのだ。ここより先が、死地である、と。
『――猟兵よ、見事なり』
そうして姿を現したるは、武田の将。その姿に、戦場に緊張が走る。
纏いし甲冑は十二尺(約360cm)にも及ぼうか……にも関わらずその動きは、重さを感じさせぬほどに軽やかで、まるで戦場を自在に飛び回るかのよう。
振るう双刀は疾く、それでいて重く、シュラのそれを児戯と切り捨て得る程の絶剣。
率いし兵団は勇壮にして勇猛。一騎一騎が剛弓を携え、鋭い殺気を放つ。
されど、真に恐るべきはそれらではない。
歴戦の名将としての、決して無視出来ぬ存在感。それこそが猟兵を釘付けにする。
曰く。武田三代に仕え、四天王の最年長としてその存在感を示した。
曰く。信玄に一国の主になれる器量人と讃えられ、重用された。
曰く。飛びの加藤と名高き忍び、加藤段蔵を暗殺した。
曰く。三方ヶ原においては徳川家康を浜松城まで追撃し、恐怖させた。
曰く。四十余年、七十以上に渡る合戦を戦い抜き、かすり傷一つ負わなかった。
曰く。その勇猛無双を讃え、『不死身の――。
『――呵』
その、並び連ねた己の勇名を、将は鼻で笑い飛ばす。
『不死身などと、笑わせる。儂は死んだのだ――あの、長篠で。ここに居るのは所詮、過去の残り滓に過ぎん』
己の存在を仮初と切って捨て、自嘲し……けれど、そこに自棄はない。
『然れど――然れども。たとえ残り滓、仮初の生であろうとも、今再び、生を受けたならば、儂には成し遂げねばならぬ事がある――此度こそ、御館様に天下を取らせるのだ』
ただその為に、その為だけに。将は偽りの生を享受し、戦場に立つ。
『然らば、ここは引いてもらうぞ、猟兵よ。止めたくば――』
そうして――この戦場における決戦の、その戦端は開かれる。
『この馬場美濃守の首、見事取ってみせいっ!』
黒川・闇慈
「馬場美濃守……つまり馬場信春ですか。猛将ですねえ。さて、どう対処したものでしょう。クックック」
【行動】
wizで対抗です。
相手は配下の兵団を呼び出すようですねえ。対多数への戦術を採った方がよさそうです。
属性攻撃、全力魔法、範囲攻撃、高速詠唱の技能を用いて氷獄槍軍を使用します。氷槍を広範囲に展開し、相手の兵団に向けて一斉発射して薙ぎ払うといたしましょう。兵団の掃討が完了したら、残りの氷槍で馬場美濃守へ攻撃です。
「それではここに長篠の再現を成しましょう。信長のように三段撃ちではありませんが、ご容赦を。クックック」
【連携・組み合わせ・アドリブ歓迎】
弥久・銀花
アドリブ、他の人との絡み、ピンチシーン歓迎です。
ババミノモリなんてモンスターみたいな名前の武将なんて全っ然知りません!
ですが今の貴方は何処に出しても恥じない立派な武者ですよ。
私みたいな若者の手柄首となりなさい!
と、威勢の良い啖呵を切ったものの力量差は明らか、しかもここまでの連戦で疲弊してるので全うにやっては勝ち目なんて無いのですよね。
ここは若者らしく無謀に突撃してみます、勇猛に戦う者こそ戦場の徒花ですので。
そして、私は致命傷を受けたらユーベルコードの不死身の人狼を使います。
何度でも立ち上がり勝つまで斬り込み続けましょう。(実際には血が足りなくなるか手足を切り落とされて遠くに捨てられるまでです)
神元・眞白
【SPD/割と自由に】
ん、いっぱいいるのは何とかなったみたい。
……けどまたいっぱいいる?大将が1人で後は…そう、賑やかし。
でも強いみたい。うん、胸を借りるつもりでお相手を。
まだまだ未熟な私でどこまでやれるか試してみないと。
とは言っても私1人の力じゃどうしようもないし、皆に助けてもらわないと。
飛威、受けに回って。符雨は隙間を打って攻撃を。魅医は……ちょっと待ってて。
相手は動きが早いみたいだし、2人はツーマンセルを。確実にね。
魅医は……そう、他に大変な人がいるみたいだからサポートに回って。
きっと、私はそんなに動けなくなると思うから
四季乃・瑠璃
瑠璃「うん…コレは大物だね…」
翡翠「より面倒そうなのが来たね…手強いよ」
緋瑪「名将を殺す…良いね、殺人姫冥利に尽きるよ♪」
UCの効果で分身&能力・武装強化&シスターズ使用
二章同様、最初は翡翠が二丁の【早業、鎧無視】K100で銃撃、瑠璃が【範囲攻撃、早業、鎧砕き、鎧無視】接触式ボムによる爆破、緋瑪が機巧による【早業、残像】大鎌での高速斬撃とシュラに二章で行った連携を【覚醒】で強化して使用し先制。
具足や兵団が出て来たら一人が二丁拳銃で牽制し、二人が広範囲を爆破で殲滅という布陣に切り替え、隙を見てジェノサイドノヴァで纏めて消し飛ばしたり、至近距離で【ジェノサイドブレイカー】を叩き込んだりして仕留める
橘・逸香
連携、共闘希望。
命を削ろうとも構いません。
まさしく死ぬか生きるかの狭間、戦さ場とはそういうもので御座いましょう。
紛う事なき百戦錬磨の兵、武田四天王 馬場信春様。
今こそ千年を生き抜いた戦巫女の舞をその目で確とご覧下さいませ。
UCを展開。
四天王が呼び出す最強武田軍の弾丸や矢を完璧に避けるのは恐らく私には無理でしょう。
ならば敵の攻撃力を軽減しながら擦り傷にとどめ突っ込みます。
馬場様に一太刀浴びせたいところではありますが、無謀は勇無き者のすることなり。
周りの敵兵に衝撃波を放ち馬場様への道を開きましょう。
敵将の首はお味方の方々にお任せを。
ここで出逢ったのも何かの御縁。
なにとぞお頼み申し上げます!
「紛う事なき百戦錬磨の兵――」
将からぶつけられた殺気を肌で感じながら、一歩も引かずに踏み込む逸香。
「武田四天王、馬場信春様。今こそ千年を生き抜いた戦巫女の舞をその目で確とご覧下さいませ」
『良かろう、見せてみよ!』
信春の刀から放たれる衝撃波が、地を裂き削って迫る。それをひらと躱しながら舞えば、その身に神霊が宿る。
「く……」
人の身で神を宿す代価として、その魂が削られる。だがそれが足を止める理由にはならない。
「まさしく死ぬか生きるかの狭間――戦さ場とはそういうもので御座いましょう!」
その身に降り注ぐ無数の矢、それも同じ事。神霊を宿してなお、その鋭い矢は逸香を正確に狙う。
全てを躱す事は不可能で、だがそれでも構わない。急所だけを庇い、肌を次々と裂かれながら、突き進む。
「馬場様に一太刀浴びせたいところではありますが――無謀は勇無き者のすることなり」
己の技量を鑑みれば、これ以上前に出るのは無謀。ならば、その役目は。
「ここで出逢ったのも何かの御縁。なにとぞお頼み申し上げます!」
「ええ、いきますよ!」
振るわれた薙刀より走る衝撃が、兵団の陣形をこじ開け、道を開く。そこをまっすぐに駆けていく銀花。
「ババミノモリなんてモンスターみたいな名前の武将、全っ然知りません!」
『呵……知らずば、それで構いはせぬ!』
互いの刀がぶつかり合うと、銀花の身体が軽く後ろに吹き飛ばされる。
斬撃が重いのは、刀が巨大だから、と言うだけではない。その技量が、一撃を何倍にも重くする。
「ぐっ……ですが、今の貴方は何処に出しても恥じない立派な武者です」
おそらく自分よりも。それでも引かない。
「ですから……私みたいな若者の手柄首となりなさい!」
『出来るものなら――!』
打ち合いは、三度。一度ごとに銀花の体勢が崩れ……四度目の斬撃が、その身を袈裟に斬り裂いた。
『……ほう。入ったと思ったが』
「ええ……入りましたよ、それが何かっ!」
その傷口が塞がっていく。彼女は不死身。腕を落とされようが足を落とされようが、その超再生能力で身を繋ぐ。
「無謀は勇無き者のすること、だそうですが……生憎若者は無謀なものでして!」
『なれば……力尽きるまで刻むのみよ!』
幾度となく打ち合い、幾度となく斬られ。それでも銀花は立ち上がる。全身を血で赤く染め、決して倒れはせぬ。
――そこへ降り注ぐ、無数の氷槍。
『ぬぅっ!』
それが、自身への物ならば、信春は苦もなく断ち切っていただろう。だがその狙いは彼の従える兵団。
流石は武田の精鋭、彼らも氷槍を撃ち落とすほどの技量は持つが、その全てを射落とすのは不可能。物量に任せ、徐々にその兵力を削り取る。
「馬場美濃守……つまり馬場信春ですか。猛将ですねえ……クックック」
慈悲無き氷槍の軍勢を従えるは闇慈。昏い笑いとともに魔杖を掲げ、敵陣を薙ぎ払う。
「それではここに長篠の再現を成しましょう。信長のように三段撃ちではありませんが、ご容赦を。クックック」
『若造め。小癪な真似をしてくれる』
自身の死地を再現されても信春に動揺はないが、このまま兵団を削り取られるつもりもない。
『なればそろそろ――退けっ!』
「がっ――!」
術者を止めるべく、まずは目の前の銀花を斬り捨てる。首を撥ねられては、いかに銀花と言えど。
「まあ、大変。サポートしてあげて、魅医」
瞬きの間に、その首が繋がった。のんびりとした声でそれを成し遂げたのは、戦闘用人形――戦術器。ならば無論、それを操るのはアーデルハイトだ。
「大将は、とても強いみたいね。私1人の力じゃどうしようもないし、助け合わないと」
他者に命の灯を点す戦術器が銀花の傷を次々と塞ぎ、失った血を与える。銀花自身の再生力と合わせれば、不死身の言葉に偽りはなくなる。
『ぬぅ……見事』
「あら、褒められたわ。未熟な私でも、結構やれるものね」
だが当然、治癒の術者は優先して狙われる。降り注ぐ矢――それを見上げ、アーデルハイトは動かない。
いや。魅医は己一人で創り上げた戦術器、それを動かすには命を注ぐ必要がある。癒やしの対価に自ら血を流す彼女は、動けない。
「だから――お願いね、飛威、符雨」
それでも彼女は慌てない。黒髪の戦術器がその矢弾全てを双剣にて撃ち落とし、金髪の戦術器が符と銃弾で反撃を加える。
「賑やかしも、とても強いみたいなの。だから、ツーマンセルで。確実にね」
飛威が守り、符雨が撃ち、そして魅医が癒やす。彼女の頼もしき人形達は、彼女自身が動けずとも、命ずるままに力を振るう。
『成程、なかなか厄介な――ふんっ』
飛来する銃弾を、信春は真っ二つに斬り裂いた。返す刀で爆弾を。触れれば爆ぜる危険な兵器に、触れたと言う事すら認識させずに断ち切って。
「うん……コレは大物だね……」
「より面倒そうなのが来たね……手強いよ」
その達人技に、緊張の表情を見せる瑠璃と翡翠。そして――その背から斬りかかるは緋瑪。
「名将を殺す……良いね、殺人姫冥利に尽きるよ♪」
『殺せるならば、な!』
左手の一刀で背を庇い、振るわれた大鎌を受け止める信春。逆に跳ね飛ばそうと力をこめれば、緋瑪は爆発機巧で加速して勢いを相殺する。
『背後からか――だが、忍びの技も、儂には通じぬ』
「忍者じゃなくて殺人者、なんだけど」
戦場の作法など知った事ではない。殺せればそれで良いのが殺人姫の流儀。とはいえ成程、目の前の相手は殺すのに難儀する。
「まあだから、殺せるならなんだって良いんだけどね♪」
なら殺しやすい方から殺すだけ。緋瑪は躊躇わず鎌を捨て、代わりに爆弾を周囲にばら撒いた。
「邪魔はさせないよ……」
「まずは簡単な方から片付けていくね」
瑠璃は信春の牽制に専念。翡翠は爆破に加わり、戦場に破壊と殺戮を撒き散らす。
「いかに名将の軍勢と言えど、全員が名将同様の実力、と言う訳ではないですからねぇ、クックック」
「今のうちに遠慮なく殺させてもらうよ♪」
闇慈の氷獄には抗っていた兵達も、そこに無数の爆弾が加われば、陣形が乱れる。そこを逃さず、緋瑪達が大型爆弾でさらに混乱を呼び起こせば、氷槍はその傷口を容赦なく広げていく。
「無論、邪魔もさせませんので」
『ふん。見事なものよ』
氷槍の一部を信春に差し向ける。全て斬り落とされ傷は付かぬと言えど、足止めには十分。
『だが――いつまでもその策には乗らぬ』
「っ――!」
そう思っていた矢先。信春の二刀が竜巻の如く周囲を斬り裂いた。銀花の身体がバラバラに断ち切られ、吹き飛ばされる。
「む……魅医、お願い」
いかに不死身の再生力と言えど、身体の部位をあちこちに散らされれば再生には時間がかかる。失血死より先に癒やさねばと、すぐさま命令を下すアーデルハイト。
「見事……なんと言う技でしょう」
銀花の道を開いた後はアーデルハイトの守りに入っていた逸香が、その剣の冴えに目を見開く。まさしく、その剣の間合いは死地。
「ですが、退く訳には参りません。私の技では届かずとも、必ずやどなたかが――」
大成功
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オウカ・キサラギ
SPD
他者との絡み、アドリブOK
これはやばい奴かも……。
でも、ここでボクたちが退いちゃうわけにはいかない!
こいつを倒さなきゃいけないなら、やりきるのが猟兵だ!
あの大きさから来る斬撃は脅威でしかないし
ボクはスリングショットでの遠距離戦を主体に戦うよ!
下手な小細工はしない!
【属性攻撃】【クイックドロウ】【早業】で弾幕を張ってその場へ釘付けにするよ!
さらにとっておきの宝石弾【輝き放つ金剛の弾丸】で大ダメージを与えてやる!
当然反撃が来るだろうから【第六感】で察知して【ダッシュ】【見切り】で被害を抑えるよ!
それでも回避しきれないなら【オーラ防御】で防いで【激痛耐性】で我慢しながら攻撃を続けていくよ!
劉・涼鈴
へっへっへー、さっきのヤツらも強かったけど、今度のはガチにさいきょーっぽいね!
【神獣変化】でパワーアップだ!
テンション爆上げ! 闘争心は無尽蔵!
よっしゃあああ! 行っくぞぉぉおおおっ!!
巨大化したのなら重さもすごそう! 落とし穴戦法は効果的なハズ!
なら……こうだー! 敵の足元の地面を覇王方天戟で豪快に叩き割る!(地形の利用)
【野生の勘】で太刀筋と衝撃波を【見切り】ながら吶喊!!
途中で敢えて方天戟を【投擲】!
簡単に弾かれちゃうだろうけど、一太刀分は隙ができるハズ!
【勇気】を持って【捨て身の一撃】!
【怪力】【鎧砕き】のフルパワーでぶん殴る!
赤くて最強はこの私だぁあああ! ぶっ潰れろおおおおおッ!!
相馬・雷光
馬場美濃守、ね
えーっと、日本史の教科書で読んだと思うわ、たぶん
……あんま歴史得意じゃないのよ
まぁ、とにかく、天下なんて誰が取ってようが民はぶっちゃけ興味ないのよ!
折角の太平の世をあんたらの功名心でぶっ壊すな!
二挺のヴァジュラブラスターから雷撃弾を撃ちまくり!(属性攻撃・2回攻撃)
馬鹿デカいから当てるの自体には苦労しないけど……
斬撃を【見切って】【ダッシュ】で回避!
岩陰に隠れたり(地形の利用)、【ロープワーク】で立体的な機動も駆使!
ったく、やりたい放題ね!
これだから周りを気にしない無双キャラはやり辛いのよ!
カートリッジ連続解放……これでもうすっからかん
【全力魔法】で【帝釈天降魔砲】をぶっ放す!
「っ、もう、馬鹿デカい癖にっ!」
2丁拳銃より雷撃弾を放ちながら、苛立ちの声を漏らす雷光。敵の的は大きい、普通なら当てるのは容易の筈。
『長篠の二の舞とされる訳にはいかぬので、な』
「ながしの……ああ、もうっ、あんま歴史得意じゃないのよ!」
にも関わらず信春は、ひらりひらりとかろやかに戦場を跳ね、その弾丸を躱す。
『……破ッ!』
「っ――ったく、やりたい放題ね!?」
そのまま斬りかかって来た相手を、とっさに岩陰に隠れて躱せば、その岩が真っ二つに断ち切られる。慌てて転がり逃れる雷光。
「これだから周りを気にしない無双キャラはやり辛いのよ!」
「うん、これはやばい奴かも……」
その力、その技、その速さ。戦慄し息を呑むオウカ。
「でも、ここでボクたちが退いちゃうわけにはいかない!」
スリングショットで無数の砲撃を放つ。次々と爆ぜる魔力は弾幕の壁、避けられたとしても、近づけさせはしない。
「こいつを倒さなきゃいけないなら、やりきるのが猟兵だ!」
『やってみるが良い。だが儂とて退かぬ!』
その壁を、刀で断ち切っていく信春。爆発を斬り裂き、そこを潜り抜けてくる。
『御館様の天下のため……』
「天下なんて誰が取ってようが民はぶっちゃけ興味ないのよ!」
信春の、将の固執する天下を、雷光は一言で斬って捨てる。
「折角の太平の世をあんたらの功名心でぶっ壊すな!」
『なれば主らが阻んでみせよ、猟兵――ッ!』
飛び込んできた信春が、刀を力強く振り下ろす。とっさに身を転がして避けるオウカ。
「っ……くぅっ!」
斬撃を躱しても、その風圧だけで肌が裂ける。それほどの威力でありながら、刀を返す隙も見つからない。裂傷の痛みに耐え、オーラで塞ぎながら、必死に身体を動かし続けるオウカ。
「なんて強さ……っ!」
「へっへっへー、さっきのヤツらも強かったけど、今度のはガチにさいきょーっぽいね! テンション爆上げだよ!」
それほどの無双の将が敵なればこそ、涼鈴の心は燃え上がる。
「よっしゃあああ! 行っくぞぉぉおおおっ!!」
燃える心は、赤き闘志となってその身を覆う。神獣の如き勇猛さをその身に宿し、斬りかかる。
『ほう、その闘気、侮り難し。されど――!』
それを迎撃する信春。重い斬撃が真っ向から方天戟を迎撃し……二つの刃はすれ違う。
『ぬっ!?』
「これでどうだー!」
涼鈴の狙いは、信春ではない。いかに軽やかな動きであろうとその大甲冑が重くない訳ではない、ならば崩すべきは、その足元。
「くっ……」
かろやかな跳躍で、開いた大穴から逃れる信春。されど咄嗟の跳躍ともなれば、その動きのキレは鈍い。
「今っ……とっておき、行かせてもらうよっ!」
「私も……カートリッジ連続解放ッ!」
その隙を、逃さない。
オウカは高純度のダイヤをスリングショットに装填し、雷光はありったけのカートリッジを握り締めて。
「小細工はしない――この一撃っ!」
「全弾……持っていきなさい!」
放たれる、2人の切り札。空中にいる信春は、それを刀で斬り落とさんとして。
『ぐ……ぬぉぉぉぉっっ!』
だが、小さなダイヤに込められた爆発的な魔力量は、信春の刀すら跳ね返す。体勢を崩した所に起きる大爆発、そして焼き付くほどに降り注ぐ豪雷の雨。
「どう……だっ!」
『――まだ、この程度ぉっ!』
さしもの信春も、その衝撃に吹き飛ばされ……それでも足から着地し、踏みとどまる。
「そこ、だぁっ!!」
『っ!?』
その瞬間、涼鈴が、手にした方天戟を投げつけた。その行為に驚きつつ、刀でそれを撃ち落とすが……電撃の痺れに僅かに動きが鈍り、隙が生まれる。
「赤くて最強はこの私だぁあああ!」
そこに涼鈴は走り込んだ。獲物は投げた、ならば残る武器は当然。
「ぶっ潰れろおおおおおッ!!」
『んぐっ……はぁっ!』
渾身の拳。それが、信春の甲冑の腹に突き刺さった。再び吹き飛ばされた信春は、なんとかもう1度踏み留まる。
「どうだっ!!」
『ぐ、ぅぅ……見事……』
殴られた部分を中心に、甲冑に巨大なヒビが刻まれた。魔力もその身に滞留し、動きを鈍らせる。
「――それで済ませる辺り、本当にやばいけどね……」
「もう、こっちはすっからかんだって言うのに……!」
刻みつけた確かなダメージ。だが討ち取るには足りぬ。改めて将の力に息を呑むオウカと、吐き捨てるように睨む雷光。
「でも……傷がつけられたって事は」
「そうよね。決して無敵じゃない――!」
相手は不死身ではない。一度死んだ過去の武将、二度殺せぬ道理はない――。
大成功
🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵
フレミア・レイブラッド
名乗りには名乗りで応えましょう…わたしの名はフレミア・レイブラッド、真祖の血を継ぐ吸血姫よ。
貴方のその意気、忠義は感心するわ…でも、今の太平の世に再び戦乱を齎すのなら…その命、刈り取らせて貰うわ!
【吸血姫の覚醒】を発動。【念動力】の防御膜で自身を覆い、覚醒による速度と【見切り、第六感、残像】で敵の攻撃を回避。回避し切れないものは【武器受け】で防御。
覚醒による魔力を用いた多様な属性の魔力弾【属性攻撃】を展開した魔法陣から放ち牽制をかけつつ、魔槍による膂力と【怪力、早業】を活かした【鎧砕く】程の超高速とパワーの撃ち込みあいを行うわ。
後は隙をついて全魔力を込めた【神槍グングニル】を直接敵に叩き込む!
秋穂・紗織
その口上、その名乗り、その武勇と忠義
正しく、将たる士の武魂ですね
自らが名乗る通り、過去の残滓となれど、これほどならば、一度、生きている頃にお会いしてみたかったのですけれど
「どんなに忠と義を持っても、仮初の命が世と今を動かすべきではないのです」
今をどうするかは、今を生きるものの特権
それが、輝きと温もりの筈です
結局、譲れないから刃を交える
「――成し遂げる為に生きる、それが私の想う在り方なのですから」
その首を討ち取るだけの武芸見せねば、決して納得出来ないでしょうから
狙うは後の先
負傷は厭わず、けれど見切りで最小限に抑えて
相手が双刀を振るった直後に飛び込み
捨て身の一撃+早業+カウンターで剣閃を届け、刻む
アリス・セカンドカラー
ふむ、この格の相手に上っ面だけの生半可な幻想では太刀打ちできないわね。
……“義経千本桜”や“勧進帳”の豪腕無双の荒法師『武蔵坊弁慶』の幻想を纏い、先程まで使っていた悦楽の狂宴で想造した妖刀は薙刀へと姿を変えるわ。これが今の私ができる最強のイメージよ。
アストラルプロジェクションと自己への催眠術で大量の脳内麻薬の分泌して一時的に痛みを麻痺させ、神憑り(トランス)と呼ばれる覚醒状態(封印を解く)へと至るわ。
自分も含めたすべてがスローな世界の中、拡大した意識だけが加速する。
念動力由来の怪力で薙刀を振り回し、ハッキングと盗み攻撃で攻撃の機会や間合いを奪い、早業の先制攻撃で暴風雨の如く攻め立てるわ。
「その武勇と忠義。正しく、将たる士の武魂ですね」
信春の勇猛なる戦いに、その芯を支える信玄への忠に、紗織は感嘆する。
だが。だからこそ惜しい。生きている頃に出会えれば。
「どんなに忠と義を持っても――仮初の命が世と今を動かすべきではないのです!」
『今更道理を説かれても、な!』
そんな事、信春自身が一番良く理解している。理解してなお、その忠に命を捧ぐ。
「そうですね――結局、譲れないから刃を交えるのです」
『そういう事、だっ!』
一気に斬りかかる信春……そこへ瞬きの間に割って入るは、赤い影。
「あなたはもう名乗った事だし、私も名乗りで応えましょう」
爆発的な魔力を身に宿し、真紅の魔槍で重い斬撃を受け止める。激突で生まれた剣風の衝撃波を、身を覆う念動の壁が弾き飛ばす。
「わたしの名はフレミア・レイブラッド、真祖の血を継ぐ吸血姫よ!」
『ほぅ……だが、退いてもらおう、異界の姫よ!』
二刀目が叩きつけられれば、真祖の力とて受け止めきれない。後ろに弾かれ……その間合いを埋めるように魔法陣を描く。
「貴方のその意気、忠義は感心するわ……でも」
『ぬっ……破ァッ!』
放たれるは色とりどりの弾丸。四大、五行、陰陽、聖邪、考え得るありとあらゆる属性が解き放たれれば、信春は剣圧と気合でそれを弾き返す。
「今の太平の世に再び戦乱を齎すのなら……その命、刈り取らせて貰うわ!」
『乱を呼ぶは承知の上。されど儂とて止まりはせぬっ!』
その防御の隙をついて再び間合いを詰める。今度は踏み込みの勢いを載せた魔槍が二刀を押し返し……されど信春も、斬風でフレミアを牽制してくる。
「ふむ、この格の相手に上っ面だけの生半可な幻想では太刀打ちできないわね……」
割って入る事すら困難な、真祖と名将の激突。されどアリスはそれを傍観するつもりはない。
「なら……これが今の私ができる最強のイメージよ!」
身に纏いし幻想は、豪腕無双。エンパイアの歴史にも名高き、忠義の荒法師。
「武蔵坊弁慶――あなたも良く知っているでしょう!」
『ほう……いかなる業か。古の勇士を纏うかっ!』
薙刀を想造し、信春へ斬りかかる。精神を武器とする少女を支えるのは己の想像力、されど今はそれだけでは足りない。いかに強固な想像であろうと、この将は構わず打ち砕いてくるだろう。
ならばもっと強い想像を纏えば良い。これ以上の幻想が思いつかぬのなら、脳そのものを書き換える、それがサイキックヴァンパイアの戦い方。
「ええ――あなたに、打ち破れるかしら!」
大量の脳内麻薬を発生させ、脳のリミッターを外す。痛覚を麻痺させ、身体の限界を越える。周囲の時間が緩やかに知覚出来るほどの、神憑り。
「さあ……さあっ!」
『ぬぅ、ぉっ……』
限界を越えた力と手数で繰り出す、暴風雨の如き乱撃。さしもの信春とて、驚愕の呻きを漏らす。
『ぐぬ……だが……退かぬっ!』
「しぶとい、わねっ、全く!」
フレミアとアリス。互いに限界を越えた動きを見せる少女達の暴虐の嵐を、その二刀でなお単身で受け止め続ける信春。流石に押されていると見えるが、僅かな隙あらば致命の反撃も襲い来る。
『いかに強敵であろうと、退く理由にはならぬ!』
「ええ――その通りです。退く理由にはならない」
その、立ち入る事の出来ない暴力領域。だが紗織はそこへ、まっすぐに踏み込んだ。
「――成し遂げる為に生きる、それが私の想う在り方なのですから」
『む、ぅっ……ふぅんっ!』
流石は信春、2人を相手にしながら、強引に一撃を割り込ませ、迎撃を仕掛けて来る。
重い斬撃……だが退かぬ。好機はこの一瞬。
「ぐぅっ……ですから……退きません!」
『っ――!』
死中に活有り。退く事なく踏み込んだ紗織の一閃が、信春を捕らえ、甲冑のヒビを拡大する。だがそれ以上に、その体勢を崩し。
「そこっ……喰らいなさいっ!」
「もらったわっ!」
その瞬間、フレミアとアリスの最大火力が、信春の身体に叩きつけられた。真祖の全魔力をこめた神槍が、間合いを奪い繰り出された幻想の一閃が、深々と信春に突き立てられる。
『ぐ……はぁっ!』
その二撃は、甲冑を突き抜け、深く突き刺さった。受けた勢いで大きく下がり離れていく。
「流石に、手応えあったわね。どうかしら?」
『ぐ……見事……!』
甲冑の奥の肉体にも攻撃は届き、血が溢れ出す。それを筋肉で固めて止める信春。
「今をどうするかは、今を生きるものの特権――それが、輝きと温もりの筈です」
捨て身の一撃を放った紗織には、代償に深い刀傷が刻まれた。しかし、致命には至らない。
もしあの瞬間、下がっていれば――その仮定に意味はない。ただ、踏み込んで勝ち取った一撃だ。
「それを理解っていてなお戦うのならば……こちらも、譲れない――!」
大成功
🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵
桐崎・早苗
引き続きアイリーン(f10071)さんとカナタ(f01083)さんと連携
死を示す陰の気が増せばそれを打ち消す様に生を示す陽の気も強まりましょう
陰陽制約の働きにより強き陰もまた蔓延ることは能わず
また人は死して名を残します…その残した名も悪名で地に落としては家の名も傷つき子孫も哀しむというもの
然らば、貴殿を祓い申します
●
私は呪殺符に【呪詛】を乗せ【投擲】による【援護射撃】を行いましょう
隙が出来ましたら【覚悟】と【気合い】を以て退魔刀へ高めた力を集め持てる最大の業、【石縛ノ太刀】を放ちます
この一太刀にて動きを削ぎますれば他の方の助けにもなるはず
現し世へ留まらず、黄泉へ戻りませ
●アドリブアレンジ歓迎
アイリーン・ミュレット
引き続き桐崎さん(f10614)と日和見さん(f01083)と連携
出たわね、親玉!出し惜しみ無しでいくわよ!
真の姿のコウモリ羽があるヴァンパイアになり、ナイフの【投擲】や黒剣で【空中戦】や【フェイント】や【だまし討ち】も混ぜた攻めをするわ
【生命力吸収】と【オーラ防御】と【気合い】も加えてしぶとくいくわよ
敵の攻撃はとにかくあたしが引きつける!
【早業】や【盗み攻撃】や【盗み】で敵の装備の部品を抜いて装備の不具合も狙いたいわ
【鍵開け】や【早着替え】の技能も活かせば相手の鎧を脱がせやすいかもね
重い一撃は【紫光鎧装】で回復よ
『今』を生きる生命の底力、かつもくしなさい!
●アドリブアレンジ歓迎
日和見・カナタ
早苗さん(f10614)、アイリーンさん(f10071)と連携します!
これが武田二十四将…!
紛れもなく強敵です…が、だとしても絶対に退きませんし、ここで止めてみせます!
先ほどと同じく、アイリーンさんが注意を引きつけている間に【機械蜂】を散布します!
この【機械蜂】と【ガジェットドローン】のカメラアイで武将の初動を観察しながら、【援護射撃】で装備破壊を狙っていきますね!
早苗さんの準備が終わってからが本番です! 【ヴァリアブル・ウェポン】も使ってありったけの弾丸を叩き込んで、武将の隙を作り出してみせますよ!
【アドリブ歓迎】
「これが武田二十四将……紛れもなく強敵です……!」
猟兵達を相手取り、一歩も退かぬ勇猛無双。息を呑み、だが、しっかりと大地を踏みしめるカナタ。
「が、だとしても絶対に退きませんし、ここで止めてみせます!」
「そういう事ね。出し惜しみ無しでいくわよ、親玉っ!」
アイリーンは真なる姿を晒し、蝙蝠の翼をその身に背負う。ヴァンパイアとなり、空中からナイフを投擲。それを追って一気に間合いを詰めた。
『止めさせはせぬっ!』
「うぉ、っとっ!」
ナイフを切り払いながら、衝撃波で撃ち落とさんとする信春。それをかろうじて、変則的な機動で躱していく。
「あぶな……でも、当たらないわ……さあ、こっちよ!」
空中の利など有って無いような物、一撃当たるだけでも致命傷になり得る。それでもアイリーンは恐れない。死線上を華麗に舞い、全ての攻撃を引き受けるつもりで、派手に飛び回る。
「死を示す陰の気が増せばそれを打ち消す様に生を示す陽の気も強まりましょう」
その間、早苗は符に呪力を篭める。陰ある所に陽あり、なればオブリビオンある所に猟兵有り。
「陰陽制約の働きにより、強き陰もまた蔓延ることは能わず――!」
解き放つは呪殺の符術。神秘を殺し、死者を殺す、退魔の呪。
「こちらも行きますっ!」
カナタもそれに合わせ、ドローンより銃撃を放つ。小型観測機とサイバーゴーグルで信春の動きを分析し、最も回避し難いタイミング、角度を狙っての射撃。
神秘と科学、2つの攻撃が信春へと迫り。
『なればその理、御館様のために覆そうではないか――!』
「きゃっ……」
それを2つ同時に斬り捨て、さらにその斬撃で迫るアイリーンすら遠ざける。
「また人は死して名を残します……その残した名も悪名で地に落としては家の名も傷つき子孫も哀しむというもの」
『我が子、我が孫よりも御館様、それが戦国の将たるものよ!』
信春の決意と忠誠は固い。早苗の言葉にも僅かたりとも揺らがず、さらに刃を振るう。
「くっ……本当に強い……それだけ強固な思いに支えられているんでしょうか……」
「だとしてもっ! 私達だって負けてない!」
息を呑むカナタに、アイリーンは力強く声をかける。
先程から信春と何度も斬り結び、その度に傷がその身に刻まれて。それを紫光で塞ぎ、致命傷こそ避けてはいるが、全身は血で赤く染まる。
だが止まらない。強がりなどではない。誇り高き大怪盗は今、強き心をもって肉体の悲鳴をねじ伏せる。
「……ええ、そうですね!」
それに勇気づけられ、カナタは両の掌を強く打ち付けた。その間から生じるのは奇怪なガジェット。
組み立てられるは、ねじまがった巨大な塔。それを脇に抱え、まっすぐに信春へと向ける。
「ありったけ、いきますよ――!」
『無駄だ!』
放たれた弾丸は、信春に易々と斬り裂かれた。だが構わない。
「無駄なんかじゃありません!」
一発が斬られるなら十発、十発が斬られるなら百発。弾丸の続く限り、撃ち続ける。
「今よっ!」
千発の弾丸が僅かに信春の体勢を崩し、その瞬間、アイリーンは黒剣を斧に変えて振り下ろす。高度と重量で叩きつけた一撃は、信春の防御を打ち砕かんとして――。
『無駄だと――言っているッ!』
「くぅぅぅっ!?」
それすらも跳ね返す信春。アイリーンの身体が宙に舞い上げられると、それを斬り捨てようと刀を――。
『……ぬぐっ!?』
「無駄じゃ……なかったわね!」
斧の斬撃は本命ではない。あの刹那、大怪盗は甲冑の螺子を一本盗み取った。信春の動きが鈍る。
とはいえ、それで作れる隙はせいぜい数瞬。
「そこですっ!!」
ならばカナタがそれを引き伸ばす。ありったけの弾丸の雨――それを無理に斬り落とそうとすれば、動きの鈍化は、硬直に変わり。
「還らぬと言うのならば――貴殿を祓い申します!」
そこへ踏み込むは早苗。研ぎ澄まされた霊力を、その一太刀に乗せる。渾身の力と、そして全ての気合を乗せた一閃。
「現し世へ留まらず、黄泉へ戻りませ――!」
『ぬ、ぅぅぅぅっ!?』
それは、動けぬ信春の脇腹に叩きつけられた。そのまま引ききれば、甲冑に一文字の傷を刻み――鎧と言う概念を断ち切り、鋼を石に変えていく。
『まだだ……まだ……戻らぬッ!』
信春もまた気合を迸らせ、その呪詛を引き剥がす。だが、斬った所は戻らない。石化した部分は気合に耐えきれず崩壊し、甲冑に大穴が空いて生身の肉体が露出する。
「仕留めきれませんでしたか。ですがこれは、他の方の助けにもなるはず――!」
大成功
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黒玻璃・ミコ
※美少女形態
◆心情
還り人と識りつつも忠義を果たす
稀れ人に過ぎない猟兵が戦うには上等な兵(つわもの)ですよ
◆行動
【黒竜の恩寵】で防御力UPです
強敵を相手に大切なのは流れを読み取ること
下は足場、上は日の光
地の利とは天の采配にも関わるのです
事前にでこの日、この時、この場所の天気について
記された書物がないか地球で調べておきましょう
決定打を与えるのは誰かに委ねます
私は己が知る護り手としての技を駆使し
その時まで耐え切りましょう
大丈夫、痛みなど先送りにすれば良いのです
勝敗を分かつ要因があったとするならば
貴方はお館様の為に
私達は世界の為に戦ったその重みの差でしょうか?
◆補足
他の猟兵さんとの連携、アドリブ歓迎
露木・鬼燈
思わぬビックネームの登場。
これはテンション爆上げですよ!
死力を尽くしても尚…届かない。
そんな雰囲気がある。
でも、だからこそ、戦う価値がある。
強くなるのは楽しい。
なら…これほどの強者を打倒したとき。
その成長と悦びはどれほどかっ!
戦場の空気と血で昂った心を御し、明鏡止水の領域へ。
真の姿を発動。
流れ落ちた血が装甲に力のルーン描く。
気を練り上げ、生命力を喰らわせた魔剣で斬り結ぶ。
魔剣による徹しの業で徐々に体幹を崩す。
そして大きく態勢を崩した瞬間、魔剣を敵の足に突き刺す。
同時に踏み込み<血霧腕>を撃ち込む。
残された生命力を注ぎ暴喰之呪法をブースト。
内側から百足型の呪詛に喰らわせつつ、臓腑を引き摺り出す。
明星・豹麻
ここが正念場、名将が相手でも負ける訳にはいかない。
俺達の全力でお前を討ち取る!
まず機動力を奪う為、動き回りながらトリックスターを使い【鎧無視攻撃】で鎧の繋ぎ目を的確に狙いダメージを与える。
人でもロボだろうと間接は重要な部位、多少なりとも効果はあるだろう。
動きが鈍ったなら霊刀「祓」に持ち替え『転臨「現人神」』を発動して高速移動で接近しながら斬撃を繰り出す。
至近距離から中距離の間で動き回りながら攻撃し、敵の攻撃は『超直感』で回避してカウンターを狙う。
敵とはいえ死してなお主に忠を示すその姿は武士として尊敬の念を覚える。
だからこそ一切の迷いなくその首を討ち取る!
「馬場美濃守手前の働き、比類なし……!」
フランチェスカ・ヴァレンタイン
例え残り滓であっても、その御館様とやらを現世に呼び戻すわけには参りませんの
生憎ながらその悲願、打ち祓わせて戴きます…!
空戦強襲で斧槍を揮って打ち合うものの、合戦具足の効果もあってか徐々に打ち負けて弾き飛ばされ
途中で翼を一打ちすると噴き上がる光焔と共に【真の姿】へ
光跡を曳きながらの姿勢制御でUCを起動、慣性無視の機動で周囲を旋回しながらの全方位砲撃などを
ハイパーソニックに迫る速度で火力や力学的エネルギーの消費を繰り返すことで戦闘力を極限まで引き上げ、知覚を振り切る異常機動での騎槍突撃と参りましょう…!
「穿ち貫きませ…! バード――ストラァァイクッッ!」
(トドメなら)馬場美濃守、討ち取ったり…!
『退けぬ……還れぬ。御館様の御為に――!』
「還り人と識りつつも忠義を果たす――稀れ人に過ぎない猟兵が戦うには上等な兵(つわもの)ですよ」
信春の叫びを聞き、しみじみと呟くミコ。
「それでも――その御館様とやらを現世に呼び戻すわけには参りませんの!」
「そうですね。ならば、稀れ人として存分に力を振るいましょう」
フランチェスカは斧槍を構え、ミコもまた、黒竜の恩寵をその身に纏う。目配せもなく合図もなく、だが2人は同時に飛びかかった。
「生憎ながらその悲願、打ち祓わせて戴きます……!」
『そうは……いかぬっ!』
フランチェスカは空から、ミコは地から。その斧槍と爪を、信春は双刀で受け止める。否、受け止めたばかりか、その力で押し返そうとすらしてくる。
「ここまで来てなお、これほどの力とは――」
「だとしても、ここが正念場、名将が相手でも負ける訳にはいかない!」
感嘆している暇などないと、豹麻はその愛銃を信春へと放つ。狙いは関節の継ぎ目。装甲が人体を模しているならば、そこは弱みとなる筈。
『否――儂は斃れぬ!』
無論、信春の方も簡単には狙わせてくれない。巧みに銃弾を弾かれ、斬り落とされる。
「流石は――それでも、俺達の全力でお前を討ち取る!」
だが、防がれるなら、防げなくなるまで。何発でも銃弾を放っていく。強敵だろうと止める理由はない。
「思わぬビックネームの登場――これはテンション爆上げですよ!」
否、むしろ強敵だからこそ鬼燈は止まらない。確実に追い詰めている筈なのに、一切そうと感じられぬ信春の勇猛さ。
「これほどの強者を打倒したとき――その成長と悦びは、どれほどかっ!」
その高揚する心に、しかし溺れはしない。明鏡止水、昂ぶれば昂ぶるほど雑念は消え、思考は澄み渡る。
「いざ――勝負ッ!」
その身から血が溢れ、力のルーンを黒鐵に刻む。自らの命を魔剣に吸わせると、重い斬撃を繰り出した。
『ぬぅっ……!』
近間に三人、さらに豹麻の射撃。4人がかりの猛攻に、さしもの信春もジリリと後ろに下がる――否。
『まだだ……退け――ッ!』
「く――ぅぅっ!」
下がって地面を踏みしめた信春の、渾身の一閃は、3人を纏めて吹き飛ばした。特に、空中で踏みとどまれぬフランチェスカは遥か上空へと舞い上げられる。
「ここまで死力を尽くしても尚……届かないかっ!」
その強さに、むしろ喜悦さえ滲ませる鬼燈。信春はそのままさらに追撃の刀を振るい。
『断ち切る――!』
「そうは――いきませんよっ!」
それに合わせ、地面スレスレを潜るように接近したミコが、足元を斬り裂いた。爪は甲冑で防がれるが、だが腐食の毒でじわりと装甲を溶かす。
「……くっ」
代わりに、斬撃は直撃こそしないものの、背中に纏った鱗に傷を刻む。一瞬顔を歪めるが――痛みは先送りとばかり、踏み留まって飛び離れる。
「強敵を相手に大切なのは流れを読み取ること――ええ、今は攻め時ですよ」
「そうですわね――!」
翼を一打ち、噴き上がる光焔。上空に舞い上げられたフランチェスカが真なる姿へと変じる。慣性無視の機動が光跡を曳けば、全方位より降り注ぐ光。
『ぬぅっ!』
「さあ、捕らえる事はできまして――?」
双刀でそれを阻む信春、されど砲雨は数多。そしてそれを放つフランチェスカの空中機動は、目の前の猟兵を相手にしながらではさしもの信春も捕らえ難い。
「地の利とは天の采配にも関わるのです――が、光の雨と言う天気は予想外ですねぇ、お互いに?」
『なれば天をも覆す、まで――っ!?』
一歩を踏み込もうとしたその瞬間、足首にに突き刺さる銃弾。先程ミコが腐らせた装甲は信春の予想以上に弱まっており、その一点を豹麻は逃さない。
「そこだっ!!」
動きを止めれば、銃を捨て、霊刀を抜き放つ。過去の残滓を打ち払うべく、身に纏うは神気。
「これが俺の奥の手だ!」
『ぐっ……ならば打ち砕くッ!』
装甲の狂いを力づくで動かして足元を安定させ、双刀でそれを阻む信春。そのまま反撃の一閃を放つ。
「流石に焦りましたかね?」
『っ!?』
その刀へ、ミコが爪をぶつけて軌道を反らす。空いた隙へと豹麻はまっすぐに踏み込んだ。
「貰った――っ!」
隙は出来た、だがそれでは足りない。さらにもう一歩、紙一重……いや、半枚にまで踏み込む。薄皮を斬られながらの一閃が、信春の腕に喰い込んだ。
『ぐっ……』
「好機ッ!」
片腕が封じられた今こそ、千載一遇。鬼燈もまた魔剣にて斬りかかる。それを、もう一本の刀で受け止める信春。
『まだ、だっ……!?』
「いいや……」
受け止められた魔剣を、鬼燈は躊躇なく手放した。衝撃だけを伝え、懐に潜り込む。
「これ、でっ……!」
狙いは、他の猟兵が開けた装甲の穴。突き出した右腕に百足の呪詛を纏い、膂力を増強する。
「掴んだッ!」
「どう、だっ!!」
鬼燈が、握りしめた臓腑をそのまま一気に引き抜いて。豹麻も喰い込んだ刀を押し切って、右腕を斬り飛ばす。
『が、はっ……ぐっ……まだ……』
それでもなお、信春は耐える。血を流し、血を吐き、それでもその身体を執念にて突き動かし。
そこへ、光焔が舞い降りる。
「穿ち貫きませ……!」
目に映るのは、その光が曳く航跡のみ。知覚を振り切る異常機動で生み出した全てのエネルギーを、騎槍に篭めて。
「バード――ストラァァイクッッ!」
その一撃が。信春の首をまっすぐに貫いた。
ピシリ。衝撃でその兜が砕けた。初老に達しなお精悍なる美丈夫は、猟兵達をゆっくりと見渡す。
「――猟兵よ、見事なり」
響き渡る声は、澄み渡っていた。悔しさはあれど……恨みはない。
「――やはり、所詮……過去は、過去か」
「いえいえ。立派なものでした、が――」
自嘲を否定するようにミコは首を振る。
「勝敗を分かつ要因があったとするならば、貴方はお館様の為に。私達は世界の為に戦ったその重みの差でしょうか?」
「呵――それがお主ら猟兵の強さか。ならば――勝てぬ訳だ」
悔しげに、だが得心がいったと、将は笑う。
その、堂々たる態度を見た豹麻の口から、自然と、言葉が紡がれる。
「馬場美濃守。手前の働き、比類なし――!」
「儂には――勿体なき言葉よ、なぁ……」
そうして彼は天を仰ぐ。
「ああ、御館様。再び仕える事は叶わねど……これも……また、良き――」
今まで繋がっている事が不思議であったその首が、落ち。将の身体はついに――地に倒れ伏した。
「馬場美濃守、討ち取ったり――ッ!」
フランチェスカが上空に飛翔し、高々と勝鬨を上げる。
「「おぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉっ!!」」
徳川軍から上がる歓声。
いかに武田と言えど、指揮官を欠けば戦えぬ。互角か、やや劣勢であった戦況は瞬く間に逆転し、軍勢は壊走していく。
「はぁ……楽しかったっぽい――」
臓腑を握り潰した感触を反芻し、未だ戦いの余韻に浸る鬼燈……ふと見下ろした甲冑の残骸、その胸元に忍んだ一巻の巻物。
「む――?」
拾い上げれば、刻まれしは『第六天魔軍将図』。そして連なるは、信長軍に従いし、『偉人武将軍団』の勇名。
「また、強敵と戦える予感がするっぽい――」
その予感は、きっと遠からず、現実となるだろう。猟兵達は勝利の喜びと、来るであろう戦いへの思いを胸に抱き、戦場を後にする――。
大成功
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