宝だよ宝ァ、早く寄こしなァ!
#アルダワ魔法学園
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●宝だよ宝ァ、早く寄こしなァ!
ここは平和なアルダワ学園内……の大金庫の一つ。
大金庫とは生徒達がダンジョンで拾った金やアイテム等を収める場所で、よく学生や教師も利用する学園内施設だ。厳重な防壁があり、結構な実力の学生ガードマンが配置されている、非常に警備が厳重な場所……。
なのだが、今まさに何処からか現れた災魔達に襲われており、大変な状況だ。
「邪魔だよ! どけどけぇ!」
ホムンクルスの盗賊が走り回り、ガードマンを殴り倒し、蹴り倒し。
「ヒャッハーッ! 散れ散れぇッ!」
その隙を付いてツッパリヤンキーが角材で防壁をぶん殴りまくると、防壁に穴を開けてしまう。ヤンキーの後ろから、全身に幾つかの金庫が付けられている大男が現れた。
彼こそは災魔、『強欲王』アヴィド・テゾーロ。
恐竜の骨っぽい物を被り、途轍もない威圧感を放ちながら、防壁まで歩いてくると、それを一蹴。防壁は容易く弾け飛んでしまう。
「オラァッ!! ボケ共ォッ!! 遊んでねぇで早く宝を持ってきなァッッ!!!」
凄まじい声量で辺りの部下に怒鳴る。ヤンキーとホムンクルスは、その言葉を聞くと、慌てた様子で大金庫の中を走り回り、アヴィドは金庫内へと侵入して行った。
……それはもう、大惨事だ。
●グリモアベース
「あ、丁度いい所に……ちょっと頼まれてくれますか?」
ウィルバー・グリーズマン(ウィザードもどき・f18719)が猟兵達を呼び止めると、魔本を開いて近寄って来る。言葉自体は冷静だが、心なしか忙しない様子だ。
「えっと、アルダワ魔法学園の大金庫と言う施設が襲われる予知でですね……まぁその、それを止めて頂きたいのです……が」
一旦区切ると、ウィルバーは続けて説明をする。
「まあその、大金庫と言うだけあって相当数の重要物を保管していまして……可能な限り、派手な攻撃を控えて欲しいのですよ。それにほら、学生もいますからね」
爆発物や広範囲魔法。そう言った『金庫を破壊しかねない攻撃を避けて』、敵を撃破して欲しいとの事だ。ただし、撃破が難しそうならばその限りではないが。
「僕も使ってますからね、ここの大金庫。流れ弾で壊されないといいですが……おっと失礼、大金庫内の説明をしますね」
自分のアイテムの心配をしながらも、大金庫の説明を始める。
「まず最初に学生ガードマンや大金庫の利用者がいる、入口からですね。ここはホムンクルスの盗賊が学生を狙って暴れ回っています……が、個々の実力は大した事はありません。適当にボコって下さい」
凄くアバウトだ。ガードマンも手伝ってくれるので、苦戦する事はそうそうない。広範囲の大威力攻撃が利用者などに当たると大変なので、避けた方がいいかも知れない。
「次に金庫内からツッパリヤンキーが出て来ますので、これもボコりながら金庫内に侵入して、『強欲王』アヴィド・テゾーロを探し出して下さい。……ただ、金庫内は意外と広いので、見付けるのには時間が掛かると思います」
同じくガードマンが手伝いをして、利用者は居ない状況になる。ヤンキーを一気に制圧して、手分けして見付け出すのが効率的だろう。
「最期にアヴィドですが……強いですよ。金庫内の宝を自らの金庫……何かややこしいですが、身体に金庫くっ付けてるんですよ、この人。まあそれに入れて、凄くパワーアップしてます」
真面目に強敵なので、油断せずに掛かった方が良い。なので、数の暴力で行こう。
「……あ、分かってるとは思いますが、金庫内の物は勝手に持っていったら駄目ですよ? 後でちゃんと確認されますので、ええ」
ただし、アヴィドや部下達が元々持っていた物は好きにしていいとの事だった。
小強欲
こんにちは、小強欲と申します。
詳しい内容はOPに書いてある通り。
強力過ぎる攻撃は避けた方がいいかも知れません。(難しいなら使っていいです)
一章ではホムンクルスの盗賊との集団戦。
二章ではツッパリヤンキーとの集団戦。
三章では『強欲王』アヴィド・テゾーロとのボス戦。
それでは、楽しいプレイングをお待ちしております。
第1章 集団戦
『ホムンクルスの盗賊』
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POW : 後ろにも目をつけといたほうがいいよ!
【打撃能力を持つ魔法のミサイル】を召喚する。それは極めて発見され難く、自身と五感を共有し、指定した対象を追跡する。
SPD : 早いねキミ、でもウチらも負けないよ!
【攻撃の宣言】を向けた対象に、【ホムンクルスの姉妹たちの連携攻撃】でダメージを与える。命中率が高い。
WIZ : 良いもの持ってるね!ちょっと貸してくんない?
対象のユーベルコードを防御すると、それを【劣化した性能で魔力の回路に一時的保存し】、1度だけ借用できる。戦闘終了後解除される。
イラスト:つかさ
👑11
🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵
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種別『集団戦』のルール
記載された敵が「沢山」出現します(厳密に何体いるかは、書く場合も書かない場合もあります)。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
| 大成功 | 🔵🔵🔵 |
| 成功 | 🔵🔵🔴 |
| 苦戦 | 🔵🔴🔴 |
| 失敗 | 🔴🔴🔴 |
| 大失敗 | [評価なし] |
👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。
尾崎・ナオ
爆発物も範囲魔法もナオちゃん無いしね。むしろ暗殺とか得意分野。はーい、いってきまーす!
入口からだね。学生ガードマンや利用者がいて、ホムンクルスの盗賊が暴れ回っている、と。じゃあ、ガードマンに協力願おうか!
体格の良いガードマンや、盾を持ってるガードマンの後ろに隠れてコソコソ話。壁になってもらおう。ナオちゃんは後ろから【指定UC】でナイフ攻撃。毒を縫ってローアングルから狙ってみよう。
敵SPDの攻撃宣言は避けれない。でもナオちゃん見えてないなら宣言相手はガードマンになるのでは?さすがにもう分けないから宣言聞こえたら優先して姉妹を仕留めにいくけども~。
可能なら眼球を狙おう。目じゃあ、目を潰せー!
「爆発物も範囲魔法もナオちゃん無いしねぇ」
尾崎・ナオ(ウザイは褒め言葉・f14041)は入口に飛ばされると、すぐに身を潜めて金庫の近くまで寄っていた。その近くではホムンクルスの盗賊とガードマンが争っており、利用者はどうにかして逃れようと必死……中々カオスな状況だ。
まずはどうしようかと、事務机の下に隠れていたナオの前に、盾を持った学生ガードマンが吹き飛んでくる。怪我は特にない様子。
「おっ、丁度いいな。生きてるよね?」
「うおっ! な、何でそんな所に……?」
ナオを見ると驚きの声を上げるが、口元に指を当てて静かにする様にジェスチャー。少しの時間、ヒソヒソと何かを話していた。
「そらそらっ! 邪魔しないでよーっ!!」
魔法をガンガン放って、ガードマンや利用者に攻撃を加えているホムンクルス。猟兵にとっては大した存在ではないが、学生達にとっては脅威その物……。
そこへ盾を持ったガードマンが現れる。
「またキミ~? そんなに死にたいのかな?」
掌を向けて、魔法を放とうとするホムンクルス。そして、険しい表情をするガードマン。ホムンクルスが魔法を放つ前に、その足元に何かが通り過ぎる。
「えっ、何……うあっ」
それがホムンクルスの最期の言葉となった。ナオの放った猛毒ナイフがホムンクルスの足を掠って、僅か一撃で倒してしまったのだ。
「……よわっ」
思わず口から溢れるナオの本心。その代わりに異常に数が多いが、掠っただけでこれならば……。
「よくも妹ちゃんをやってくれたね! 覚悟しなよ!」
また別のホムンクルスが現れて、指を突き付ける。……ガードマンに。
「お、俺じゃない……!」
「問答無用ッ!!」
ガードマンの言葉は聞き入れられず、今度は数人で襲い掛かって来る。
先ほどと同じ様に、死角からナイフを発射するナオ。そして、先ほどと同じ様に絶命するホムンクルス達。
「いやいやいや、幾ら何でも弱過ぎだろっ! 何でこんなのに苦戦してんのッ!?」
思わず飛び出てくるナオ。個々の実力は大した事がないとは言え、まさか一撃で終わるとは思ってもみなかった様だ。
毒がホムンクルス相手に相性が良かったのか、ナオが強過ぎたのか、ホムンクルスが弱過ぎるのかは分からない。一つ言える事は、わざわざ隠れる必要は無かった事だ。
ナオは何とも言えない目でガードマンを見る。
「そんな目で見られても……困る」
困られた。仕方がないので、ナイフでホムンクルスを淡々と処理していくナオだった。そのついでとばかりに、命中精度の練習で優先的に目を狙っていた。
大成功
🔵🔵🔵
アドレイド・イグルフ
※アドリブ・連携大歓迎です
(UC:千里眼射ちを発動します)
貴重品には傷をつけてはいけない……そうだな…なにせ貴重。とても大切なものたち、というわけだ。正直…これから弓を射るのにちょっぴり怖気付いてしまっているが……なに、まだ入り口だ。入り口には…そこまで危ない貴重品はない、はず。ガードマンたちが手伝ってくれるようならば、【援護射撃】をしてホムンクルスたちの対処をしたいところだ…よし、冷静にいこう……!
「貴重品には傷をつけてはいけない……。そうだな……なにせ貴重」
続いて現れたアドレイド・イグルフ(スペースノイドのシンフォニア・f19117)は、ロングボウを持って手をぷるぷると震えさせていた。
とても大切な物なのだから、もし誤って撃ち抜いてしまったら……そう思ってしまうと、少し怖気づいてしまって。
「なに、まだ入り口だ。入り口には……」
入り口にも簡易的な金庫はある物の、重要度が低い物ばかり。多少壊してしまっても、恐らくは大目に見て貰えるだろう。……壊さない事が一番だが。
物陰から辺りを見回すと、ガードマンとホムンクルスが争っているのが見える。見るからにガードマンが劣勢だ。
「む、早く援護しなければ……!」
アドレイドはロングボウを構えると、小時間の集中を始める。すぐに集中し終えると、バシィッ! と、凄まじい威力の弓矢が放たれた。
「へっ?」
その音に気付くホムンクルスだが、唐突な外からの射撃には対処が出来なかった。そしてそのまま弓矢は突き進み、一射で三体のホムンクルスを屠ってしまう。
アドレイドはロングボウと倒れたホムンクルスを見て、何故か困惑していた。
「あ、あれ? 狙ったのは一人の筈だけど……」
渾身の弓矢は偶然、三人に同時ヒットした。何故だかよく分からないが、当たってしまったのだ。偶然で片付けて良いのかは不明だが、実にスムーズにホムンクルスを撃破してしまう。
ガードマンが呆然とした顔でアドレイドを見ていた。アドレイドもどんな顔をすれば良いのか迷っていた。こんな事が起これば当然とも言えるが……。
「え、ええと……次に行こう」
ホムンクルスを撃退したアドレイドだが、不思議と居た堪れなくなって、そそくさとその場から移動した。
大成功
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レイニーア・ノックス
『ふむ……あまり派手にやるなですか……なら、あまり派手にはいかないでおきましょう』誓約書用意し、召喚コード発動。
『あまり派手にやりすぎないように』召喚したものたちにも言い聞かせ、それ向きのエンチャントを施す(怪力15、オーラ防御14、騎乗5、2回攻撃5、空中戦5、力溜め5、残像4、地形の利用3、演技3、学習力2、迷彩2、目立たない2)
『これで十分でしょう』施した内容としては奇襲を仕掛けさせ、力でもって蹂躙させる方針の模様。
『それでは行ってきなさい!』
猟兵達による攻撃が始まり、レイニーア・ノックス(竜召喚師にして竜に騎乗するもの・f18202)もまた、それに加わろうと入口の前に立っていた。
「ふむ……あまり派手にやるなですか」
そう言われたからには、可能な限り派手な攻撃は避けた方がいいだろう……レイニーアはそう考えると誓約書を取り出して、まずは巻き込まない為に、学生に向けて言葉を発する。
「学生の皆さん! 今から盗賊を倒すので逃げて下さい! 速やかにっ!!」
大声で指示を出すと、学生達は慌てた様子でその場から離れて行く。また、それを聞いたホムンクルス達がレイニーアの前に出て来る。
「舐めた事を言ってくれるじゃないの……! アタシ達のコンビネーションでボコボコにしてやるわよッ!」
同時に向かってくるホムンクルス。レイニーアは学生が居なくなったのを確認すると、誓約書のコードを発動する。
「契約せしものよ。貴君らの眷属を……僅かばかりの力を、貸し与えよ!」
詠唱と共に誓約書が光輝くと、その契約を結んだ上位存在の眷属達がが現れた。それを見ても臆する事なく、連携攻撃を仕掛けようとするホムンクルス達。
「本来の力と比べれば、極僅かな力ですが……これで十分でしょう」
意図的に力を抑える事で、金庫への被害を防ぐ策だ。しかし、それでもホムンクルスを倒すのには十分な筈。
「あまり派手にやりすぎないように……さあ、行ってきなさい!」
眷属を解き放つと、真っ直ぐにホムンクルスへと向かわせる。ホムンクルス達はすぐに魔法の準備をして、同時に炎の魔法を発動した。
「燃え尽きなよッ!」
それは炎の波となって、眷属達を包み込む。それを見て勝ち誇るホムンクルス達だが、直後に炎の中から眷属が現れて、全員が体当たりで弾き飛ばされてしまった。
レイニーアは眷属達にエンチャントを施しており、オーラによる防御で強化していたのだ。結構なダメージは負ったものの、戦闘は十分に可能。
「さあ追撃を……あれっ?」
弾き飛ばしたホムンクルスに追撃を仕掛けようとするが、ピクリとも動かない。死んだフリか? と思って観察してみたが、普通に死んでいた。
「……も、脆くないですか?」
エンチャントされているとは言え、眷属の能力は抑えてある。それなのに、弾き飛ばされただけで全滅……。
その脆さに唖然としつつも、レイニーアはホムンクルスを殲滅する為に近くを走り回て行く。
ホムンクルスの脆さの理由は不明だが、此方側としては楽で有り難い話だろう。
しかし、腑に落ちないのも事実……その内、理由は明らかになるのだろうか。
大成功
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愛久山・清綱
むむ、なんとも巨大な金庫だな。
俺が以前寄付した硬貨もあるかな?
おっと、今は盗人退治が先だ。
■闘
周囲を壊してはいけないのなら、【剣域】を展開しつつ闘うか。
気配だけなら何も壊さずに済む筈。
……うむ、大丈夫だよな?
身を凍らせる剣気で周囲のホムンクルス達に【恐怖を与えて】いき、弱っている者から【鎧無視攻撃】の太刀で斬り伏せていく。
放つ際は巻き込みを防止するため、『ガードのいない場所』で放つか、『ガードにその場から離れるよう要請』し放つぞ。
敵の連携攻撃が来たらその場で身構え、敵の動きを【見切り】つつ【範囲攻撃】を絡めた【カウンター】の太刀で振り払う。
※アドリブ歓迎、可能であればソロ希望
「むむ、なんとも巨大な金庫だな」
大金庫の入口から、愛久山・清綱(飛真蛇・f16956)は全体を見回していた。中は非常に広く、破られた巨大防壁がここからでも見えていた。
清綱が以前に寄付した硬貨も、恐らくはここにあるのだろう。金属などは防壁内にある様なので、後で無事かどうか探してみるのも良いかも知れない。
「だが、先にホムンクルス退治だな」
今は盗人退治が先決。あちこちで戦闘が起こっているので、清綱も被害が大きそうな場所へと急行した。
「あまり破壊するのは宜しくないとの事だったからな……」
であれば、何も壊さずに敵を仕留めるのがベストなのだが、これが中々難しい。しかし清綱にはそれを可能とする術がある。これを使えば……と考えていると、周囲の事務机の下からホムンクルスが現れた。
「おおっと、良い剣を持ってんじゃ~ん! アタシらが有効活用してあげるよッ!」
一斉に掌を清綱に向けると、魔法攻撃を始めようとする。それは見事な連携で、彼女達はかなり戦い慣れている様子だ。
清綱は近くを見て、ガードマンが別のホムンクルスと交戦しているのを確認した。
(「ここでは使えぬか……ならばっ!」)
『今刀』を抜く構えを取ると、ホムンクルスの衝撃魔法が放たれる。瞬間、残像が出るほどのスピードで今刀を抜刀すると、魔法を全て斬り裂いてしまった。
「えっ、あっ!?」
まさか無傷だとは思わずに、驚くホムンクルス。その直後に響き渡るのは、清綱の声。
「ガードマンよ! 今すぐに離れろッ! 今すぐにだッ!!」
清綱の声に気付いたガードマンは、すぐにその場から離れて行く。
「行ったか……では、始めよう」
範囲外に離れたのを見ると、清綱は凄まじい気迫で剣気を放つ……そう、これが物を壊さずに敵の動きを制限する技、【剣域】だ。
「うっ」
それを受けて、次々に倒れ伏すホムンクルス達。心身を凍らせるその技は、見事にホムンクルス達に効いた様だ。清綱はホムンクルス達を仕留める為に近寄ると、衝撃の事実に気付いた。
「さて、トドメを……なっ!?」
ホムンクルスは死んでいた。清綱が放った剣気を受けた瞬間に、即死していたのだ。
「いや、いやいや……! こ、これで死ぬのか……!?」
まさか気を当てただけで死ぬとは思わないだろう。普段は冷静な清綱でも、これには狼狽えていた。今までにも剣域を使った事は何度かある。しかし気を発した瞬間に死んだ者は、果たして居ただろうか……。
「これは……うむ、妙だ。何か有りそうだが」
明らかに戦い慣れている様子だったのに、あの戦闘力はおかしい。しかも相手はオブリビオンだ。人間でもそうそう即死する事はないであろう技だと言うのに……。
恐らくは何かがあるのだろうが、今の清綱に知る術は無さそうだ。清綱は他のホムンクルスを倒す為に、別の交戦場所へと向かって行った。
大成功
🔵🔵🔵
シェーラ・ミレディ
こういう場所は、警備も厳重だと相場が決まっているのだが……相手がオブリビオンともなれば、学生ではいささか分が悪かろう。僕に任せるといい。
……勿論、報酬は弾んでくれるのだろうな?
『落花流水』で精霊を呼び出し、学生を守りながら攻撃だ。
いつもなら、ジャグリングするように4丁の銃を操るのだが……派手な攻撃は控えるよう言われているし、2丁拳銃で我慢しておこう。
僕の精霊が羨ましいのはわかるが、生憎彼女は好みがうるさくてなぁ。
残念ながら、君はお眼鏡にかなわなかったようだ。顔を洗って出直してくるが良い!
……まぁ、彼女が攻撃することはないのだが。念のため防御の隙間を縫うように射撃しよう。
※アドリブ&絡み歓迎
猟兵達の攻撃によって、一人、また一人と倒れて行くホムンクルス達。
恐ろしいまでの美貌を持った少年、シェーラ・ミレディ(金と正義と・f00296)は、あまりにも弱過ぎる彼女らを見て、不思議に思っていた。
なんせ一撃で倒せる程に脆い存在だ。学生でも十分に倒せるのでは無いのでは……と、シェーラは考えて。
「こういう場所は、警備も厳重だと相場が決まっているのだが……」
学生ガードマンもかなりの数が居る様に思える。オブリビオン相手では、やはり分が悪かったのだろうか。
「まあいい、考えるのは後だ。僕に任せるといい」
交戦中のしているガードマンの横を通ると、二丁の拳銃を取り出して、ホムンクルス達の前に立つ。
報酬はホムンクルスが腰にぶら下げている袋だけでもかなりの物……全てが終われば、相当な金額になるだろう。シェーラは意気揚々として、戦闘に臨んだ。
普段は四丁の銃を巧みに操って戦うシェーラだったが、被害が大きくなりそうだったので二丁だけで挑んでいた。
「では、一曲お相手願おうか!」
見た目麗しい精霊がシェーラの傍らに現れると同時に、シェーラ自身も美麗な衣装に包まれて行く。見た目も相まって、途轍もない美しさだ。
ホムンクルスはそれを見て、思わず感嘆の声を上げた……直後に、シェーラの銃弾が放たれて、命中すると同時に事切れた。
「や、やはり弱過ぎる。幾ら何でもこれは」
相手はオブリビオンだ。銃弾一発で即死するのは流石におかしい。と言うか、精霊まで呼び出したのにこれでは……と考えていると、一人のホムンクルスの声がする。
「フッ、なぜ妹ちゃん達が弱いのか知りたい様ね」
声がする方向へ拳銃を撃ち込むシェーラ。それは見事に命中するが、ホムンクルスは倒れていない。ただ結構効いている。
「せ、説明しようとしている所に撃つのは止めて頂けないかしら……!!」
「なぜ生きている……?」
先ほどのホムンクルスよりも明らかに堅い。少し驚いていたシェーラを横目に、ホムンクルスは腰元の袋から大きな宝石を取り出した。
「アタシが強い秘密はこれよ……金庫に隠してあったアーティファクト、名前は知らない! これを手に持って他人に押し付けると、その力を吸収して自分の物にできるのよッ!!」
丁寧に、事細かにアーティファクトの詳細を解説するホムンクルス。察するに、あのホムンクルスは長女で、妹達から力を吸収して自分の物にしたのだろう。
「まあ、アタシの物はアタシの物! 妹ちゃんの物はアタシの物よ!……あっ、ついでにアンタの物もアタシの物ッ!」
「とんだ暴君だな……!」
これによって猟兵に妹達がボコボコにやられている訳だが、長女ホムンクルスは全く気にしていない様子だった。流石はオブリビオンと言った所か。
長女ホムンクルスの攻撃力はかなりの威力で、周囲に炎魔法を振り撒いていく。すぐに辺りは炎の海と化して、学生達にも襲い掛かる。
しかしそれは精霊によって阻まれてしまい、学生達は無傷だった。
「ちょっと! それズルいわよ! アタシに寄越しなさいッ!!」
キレる長女ホムンクルスに、シェーラの容赦のない銃撃が放たれる。強化されても防御力だけは低い様で、必死に避けようとして動き回っている。
「僕の精霊が羨ましいのはわかるが、生憎彼女は好みがうるさくてなぁ」
精霊は長女ホムンクルスを冷たい目で見ていた。逃げ惑うその様を見て、無様だと感じていたのだろう。
「残念ながら、君はお眼鏡にかなわなかったようだ。顔を洗って出直してくるが良い!」
「ちょっとぉ! せっかく時間を掛けて強くなったのにぃ!」
幾ら強くなろうが、元が元だ。もしも強欲王がこれを使って部下を吸収していた場合は、恐ろしい事になっていただろうが……ホムンクルスだけでは底が知れている。
逃げながら魔法で応戦する長女ホムンクルスだが、簡単に精霊に防がれた。盾になった精霊の後ろから撃たれた銃弾は、見事に長女ホムンクルスをスナイプして行く。
「酷い酷いッ! 女性には優しくしなさいよッ!」
次の瞬間、長女ホムンクルスの眉間に銃弾が命中して、ようやく倒れた。
「何かどっと疲れたな……」
シェーラは疲れた表情をしている物の、稼ぎは相当な額になった筈なので気分は晴れやかだった。
少し時間を掛けて息を整えると、次は金庫の元へと向かった。
大成功
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第2章 集団戦
『ツッパリヤンキー』
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POW : 角材アタック
【手にした角材】で対象を攻撃する。攻撃力、命中率、攻撃回数のどれを重視するか選べる。
SPD : ヤンキー増援部隊
自身が戦闘で瀕死になると【Lv×3体の、増援のツッパリヤンキー】が召喚される。それは高い戦闘力を持ち、自身と同じ攻撃手段で戦う。
WIZ : メンチビーム
【ガニ股でしゃがみ込んで】から【威圧感を込めた視線】を放ち、【気の弱い相手であれば、怯えさせる事】により対象の動きを一時的に封じる。
イラスト:きすけ
👑11
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種別『集団戦』のルール
記載された敵が「沢山」出現します(厳密に何体いるかは、書く場合も書かない場合もあります)。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
| 大成功 | 🔵🔵🔵 |
| 成功 | 🔵🔵🔴 |
| 苦戦 | 🔵🔴🔴 |
| 失敗 | 🔴🔴🔴 |
| 大失敗 | [評価なし] |
👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。
金庫内から大量に現れるツッパリヤンキー。
角材を持って……いや、武器を持っている者の方が多い。
金庫内から盗んで来たのだろうか。
ナイフ、剣、槍、斧、杖……蒸気ガトリングの他、アーティファクトまで持っている者も居た。個々の実力はホムンクルス(長女除く)よりもかなり上で、更に彼等は武器で強化までされている。
先ほどとは比べ物にならないレベルで強いので、十分に気を付けて金庫内へと侵入しよう。
レイニーア・ノックス
wiz
アドリブ連携大歓迎
『ふむ……さっきのやつよりは強そうですね。大技で一気に仕留めましょうか……』
そう呟くと得物のドラゴンランスを小型ドラゴンに変えて注意引き寄せるよう伝えて飛ばす(保険に迷彩や残像をエンチャント)。
自分はコードの準備をする。使用する技能はものを壊しにくい属性を選択するための属性攻撃と必要ないものを壊さないための誘導弾。そして、引き付けさせてる小型ドラゴンの負荷を減らすためにも早く終わらせようと高速詠唱で進めていく。
敵のビームには呪詛耐性とオーラ防御で対策
愛久山・清綱
どうやら、既に被害が出ているようだ。
奪われた武器を傷つけずに取り戻さねばな。
因みに、その首にぶら下げた数珠のようなものは何だ?
■闘
此奴等は気配だけで倒すのは難しそうだな……
なれば、この技で勝負だ。
身体に【破魔】の力を宿しながら居合の構えを取り、
敵が密集している場所めがけて【範囲攻撃】を絡めた
【心切】を放ち、不良たちの心を切り伏せる。
「心を斬る太刀」だから武器を傷つけずに済む筈だ。
敵の攻撃は【野生の勘】で軌道を【見切り】ながら【武器受け】し、
【怪力】で敵の集団目がけて押し返すぞ。
集団の態勢を崩せたら、反撃と言わんばかりに【心切】を放つ。
※アドリブ・連携歓迎
大金庫の防壁の中から現れる、ツッパリヤンキー達。角材を手にしている者も居れば、バスタードソードを持つ者も居る。多種多様の武器を持って、わらわらと出て来て。
「ふむ……さっきのやつよりは強そうですね」
柱の陰に隠れているレイニーア・ノックス(竜召喚師にして竜に騎乗するもの・f18202)は、大技で一気に仕留めようと考えていた。大技と聞くと金庫が吹き飛びそうだが、彼女には策がある。
ドラゴンランスを小型ドラゴンに変えると、注意を引き付ける様に命じて、エンチャントをしてから飛ばして行く。
愛久山・清綱(飛真蛇・f16956)もまた、別の柱に潜みつつも、状況を確認している。武器を持っていると言う事は、既に被害が出ていると言う事だ……硬貨は無事なのだろうか。
「さて、奪われた武器を傷つけずに取り戻さねばな」
清綱は武器の確保を目的にして、ヤンキー集団の前に姿を現した。
「アァッ!? んだオラァッ、コスプレかコノヤロウッ!!」
ヤンキー達はガニ股になると、清綱に凄んでメンチを切る。立ち上がり、一番前のヤンキーが槍を振り回しつつ構えた。割と様になっている上に、槍自体も結構格好良いのが困る。
しかし、残念ながら清綱にはその威圧は通用しない。どちらかと言えば、恐怖を与える側なのだから。
「……一つ問うが、その首にぶら下げた数珠のようなものは何だ?」
「アァ? ネックレスの事か?」
真面目に答えるヤンキー。清綱はネックレスの事を知らなかった様で、ネックレスか……と静かに呟いていた。買うのだろうか。
そんな会話をしていると、小さなドラゴンが清綱とヤンキーの前を通り過ぎていく。
「ウオッ、何だァッ!?」
ドラゴンを目を追って、首を後ろに向けたヤンキー達。しかしそれは良くなかった。清綱の前で油断するのは、あまりにも危険。
その隙を突いて清綱は身体に破魔の力を宿すと、居合の構えを取った。
「アッ!? テメェ! 卑怯だぞッッ!!」
それに気付いたヤンキー達だが、少し遅い。清綱は既に攻撃可能の状態だ。
「戦闘中に余所見をするのが悪い。秘伝……心切」
清綱が抜刀するが、その手には剣がない。これは心を断ち切る、痛みなき慈悲の太刀。
それを受けた五人ほどが倒れて、武器を落としてしまう。……しかしまだ二人、ヤンキーがその一撃に食い縛り、立っていた。
「何と……やはり先ほどの者とは比べ物にならんか……ッ!」
更には防壁内から増援のヤンキー達が現れて、清綱の元へと走ってくる。
「ク、クク……テメェの攻撃なんて、効くかよォ! ヤンキー魂、舐めんじゃねえッ!」
足をプルプルさせながらも、清綱に凄むヤンキー。ここまで痩せ我慢が出来るのは、敵ながら天晴と言えよう。
そこに、レイニーアの声が響き渡る。
「ヤンキー達を一箇所に纏めて下さいッ!」
「む……承知!」
清綱はその声を聞くと、すぐに目の前のヤンキーの蹴り飛ばす。流れるような動作でもう一人も投げ飛ばした。
蹴り飛ばし、投げ飛ばした先は、増援のヤンキーがいる場所。ヤンキー同士がぶつかり合うと、そのまま倒れ込んでしまう。
「チィ、ここからだ……」
「いいえ、終わりですよ。顎を開け……!」
立ち上がろうとするヤンキーよりも速く、レイニーアが詠唱を始めると、ヤンキーの周囲に九つの魔法陣が現れて。
「我が敵を、我が敵のみを薙ぎ払うためにその代名詞を解き放て……ッ!!」
魔法陣から現れる毒属性のドラゴンブレス。人体にのみ影響し、酸素に触れると数秒で消える特殊な毒。ヤンキー達が吸った後には何も残らないであろう物だ。
ほんの数秒後に毒が晴れると、武器は傷付いておらず、ヤンキー達も虫の息……だが、物凄い生命力で生きていた。
「えぇ、今のを受けてまだ生きているんですか……?」
「……うむ、先程との差が凄いな」
清綱がヒュッと剣を振る動作をすると、心切で止めを刺した。
二人は入口を守るヤンキーを撃破し、防壁を通って大金庫内に侵入して行く。
果たして、この先にはどの様な武器やアイテムがあるのだろう……。
大成功
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シェーラ・ミレディ
武器を狙えば早いのだろうが……金庫から盗まれたものだとすると、壊してしまうのは拙いか。
だが、拾ったばかりなら然したる修練を積んでいるはずもなし。脅威にはなるまいよ。
先ずは『寵愛一身』を発動しておこう。
ふむ。敵はどうやら視線で何事かしているようだ。ならば一カ所に立ち止まらず、常に動き続けていれば問題ないだろう。
右と思わせ左、かと思ったらジャンプ、などのフェイントを交えつつ、ステップを踏んで視線から身をかわし、銃弾を撃ち込んでいくぞ。
敵はダンスパートナーとしては物足りないが、僕の引き立て役ぐらいにはなってくれるだろう。勝利を司る精霊にご満足いただけると嬉しいのだが。
※アドリブ&絡み歓迎
尾崎・ナオ
テンプレートヤンキーの登場ですなぁ。さすがに学生ガードマンは無理だな。帰れ帰れー、学生は帰って風呂入って寝ろー、お疲れさん!!
敵POWは回避で。敵WIZも、威圧的?ハン、ナオちゃんがぁ?問題は敵SPD。ナオちゃんのSPDと競り合う部分になるんだが、瀕死でLv×3て。どんだけ出てくるんだろ、これナイフの本数足りる??
いや、足りると思おう!46本あるんだし。同時に何体も瀕死には限らんし。猛毒べったべたに塗って狙う。増援部隊が現れたら増援部隊より先に本体を落とす。首や頭を狙って串刺しにしていくよ。
敵の数が多い場合は【煽りは任せろ】で距離を取り、更に【クイックドロウ132】で通常の銃撃戦に切り替える。
大金庫内に侵入したシェーラ・ミレディ(金と正義と・f00296)は、まずは物を盗んでいるであろうヤンキー達を探していた。拾ったばかりの武器では修練も積める筈もない。脅威にはならないだろう、とも考えて。
しかし、念には念を入れて、本気で挑むべきだろう。シェーラは目を閉じると、静かに呟く。
「精霊よ……貴女の瞳に映るものが、どうか僕だけでありますよう」
勝利を司る艷やかな精霊を呼び出して、その寵愛によって銃と防具が強化されて行く。そうして金庫内を歩いていると、ヤンキー達が姿を現した。
「オォッ! いたぜッ、叩き潰してやるッ!」
「なっ……!?」
ヤンキー達を見て、シェーラは驚愕した。拾ったばかりの武器では練度が低い。そう考えていたのだが……何と、バットを持っていた。ヤンキー御用達のアレだ。
何でこんな物が金庫にあるのかは不明だが、間違いなく相性は抜群だろう。
「これは、厄介だな」
シェーラはそう言いつつも気を引き締めて、二丁拳銃を構えた。……場合によっては、四丁全てを使うのも視野に入れて。
尾崎・ナオ(ウザイは褒め言葉・f14041)は金庫内に入る前に、同行しようとしたガードマンと会話をしていた。
「帰れ帰れー、学生は帰って風呂入って寝ろー、お疲れさん!! 後は任せときなー!!」
足手まといになる可能性もあるし、何より怪我をされると困る。ガードマンを適当にあしらってから、金庫内へと駆け出して。
「さて、どこに行った物か……ん?」
金庫内は道が分かれており、ちょっとした迷路になっている。ナオはどこに行くか、と考えていると、近くから戦闘音が聞こえた。
急いでその場に向かうと、シェーラがヤンキー達と戦っているのを確認。結構苦戦している様子だ。
「おっ、いたのか。よし援護するか」
どうやら知人なのだろう。猛毒をべたべたに塗りたくった大量の複製ナイフを浮かせて、ナオも戦闘に加わった。
「オラァッ!!!」
全力でバットを振り被るヤンキー。その動きは非常に自然で、極めて精錬されている。相性はやはり最高の様だ。
「フッ、やってくれるな!」
軽いステップを踏んで、フェイントも混じえつつそれを躱していくがシェーラ。実力差は明らからにシェーラの方が上だが、数の差でそれを覆そうとするヤンキー達。
ヤンキーは思わず怯んでしまいそうな威圧的なビーム(視線)を放つが、それもシェーラに難なく躱されて。
隙を見てシェーラが銃弾を放つと、それはヤンキーへと向かって行くが……。
「ホームランッッ!!!」
「なっ……!」
なんと、銃弾をバットで打ち返してきた。すぐにそれを避けるシェーラだが、別のヤンキーがバットを持って迫って来る。
すぐに構えて迎撃しようとするが、突如として、ヤンキーの横からナイフが飛んで来た。それは見事にヤンキーの頭に命中して、即死させた。
シェーラはナイフが来た方向へと目を向けると、そこにはナオが立っており、笑顔で手を振っていた。
「君か……敵は銃弾すらバットで打ち返して来る。気を付けてくれ」
ナオは更にいい笑顔で親指を立てると、ナイフを操ってヤンキー達へと発射。当然、ヤンキーはバットで打ち返そうと構えるが……。
「ホームラン……アァ!?」
打ち返す筈のナイフは静止して、バットは空振った。このナイフはナオの念力で操作している物……事前に知っていれば、こんな芸当も可能なのだ。
「はい、バッターアウトォ~☆」
ナオは再度ナイフを動かして、ヤンキーの首を刺した……が、猛毒のナイフで刺されても尚、まだ生きている。しぶとい。
「め……メンバー交代だ……!」
そう言い終えると、すぐに地面へと倒れて絶命するヤンキーだが、直後に大量の増援が現れた。しかしヤンキーが持っているのはバットではなく、ただの角材だ。
「これでは些かダンスパートナーとしては物足りないが……僕の引き立て役ぐらいにはなってくれるだろう」
ぞろぞろとヤンキーが向かって来るが、武器があれでは二人の敵ではないだろう。いや、恐らくはシェーラ一人でも十分だ。
「後は僕がやる、君は休んでいてくれ」
「おっ、そう? じゃあ見物してるね~」
次の戦いもある事なので、ナオは壁をもたれ掛かって休息に入る。
シェーラは……勝利を司る精霊を満足させる為に、ヤンキー達を次々と撃ち抜いていくのだった。
戦闘が終わる頃には、精霊はご満悦だった様子。
大成功
🔵🔵🔵🔵🔵🔵
アドレイド・イグルフ
※アドリブ・連携大歓迎です
あいつらが持っている武器も貴重品なのか…!?…これは金庫の品々を傷つけない云々は考えない方が……考えたいが……!!大事なものは大事にしてやりたいが…いのちだいじにってやつだ…!ええい、本体だけ狙い射ってやる…!…傷つけたらごめんよ!
金庫内に蔓延るヤンキー達の中には、明らかに他の武器とは格が違う武器を持つ者もいる。
金や白銀で装飾された巨大な斧……そう、見るからに強力であろう、アーティファクトを持つ者が。
そんなヤンキーを見て、アドレイド・イグルフ(スペースノイドのシンフォニア・f19117)は、どの様に行動すべきかを考えていた。
「あいつが持っている武器も貴重品なのか……!?」
見るからに強力にそう見えて、金銭的な価値も非常に高いだろう。もしこれを傷付けてしまえば……。
しかし、絶対に傷付けずに金庫内まで破壊しないと言うのは至難の技と言えよう。
「……これは金庫の品々や、あの斧を傷つけない云々は考えない方が……考えたいが……!!」
あのヤンキーと戦闘になれば、ほぼ間違いなく斧や金庫に傷が付くだろう。なんせ、ヤンキーとはタフで超攻撃的な連中だ。遠慮無しに暴れ回るのは目に見えている。
「大事なものは大事にしてやりたいが……いのちだいじにってやつだ……!」
死んでしまっては元も子もない。静かにヤンキーへと近付いて、アドレイドは奇襲の準備を行う。
「へっへっへ、この斧さえありゃ、アヴィドの糞野郎も一発だぜ! 毎度毎度、こき使いやがって……ッ!!」
強欲王への裏切りを考えているのだろうか。見るからにキレながら言葉を発している。斧を掲げ、ヤンキーは言葉を続けて。
「今日からは俺の時代だ! 待ってやがれ、アヴィドッ!! この斧でテメェに引導を……」
言い終える直前、アドレイドが放った弓矢がヤンキーの肩に当たると、その反動で斧が地面に刺さってしまう。
それでも手を離していないのは流石だが……。
「くらえ! 一気に倒し切ってやるッ!!」
容赦なくアドレイドの射撃が続く。事前の集中によって、命中率も抜群だ。
戦闘が始まる前に、奇襲で倒す……これがアドレイドの立てた作戦だ。
「ちょ、待て……」
斧を引き抜こうとするヤンキーだが、深く突き刺さっていて抜けない。状況の悪さもあるのだろうが……。
結局、斧を使う暇もなくヤンキーは動かなくなった。
「お、斧と金庫は……」
辺りを見回して、それらが無事かどうかを確認する。床の傷を除けば、特に問題は無い様だ。
アドレイドはホッと息をして、最良の結果に安堵した。
大成功
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第3章 ボス戦
『『強欲王』アヴィド・テゾーロ』
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POW : ディザストロ・ナトゥーラ
【金庫に収めたお宝から力を引き出すこと 】により、レベルの二乗mまでの視認している対象を、【無数の自然現象を自由に発生させること】で攻撃する。
SPD : アルメリア・フェスティヴィタ
【金庫に収めたお宝から力を引き出し、 】【分裂する剣、攻撃を反射する盾、超火力の砲】【等の様々な武具や兵器を自由に装備すること】で自身を強化する。攻撃力、防御力、状態異常力のどれを重視するか選べる。
WIZ : ディストルツィオーネ
【金庫に収めたお宝から力を引き出すこと 】による超高速かつ大威力の一撃を放つ。ただし、自身から30cm以内の対象にしか使えない。
イラスト:草間たかと
👑11
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種別『ボス戦』のルール
記載された敵が「1体」出現します。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。
| 大成功 | 🔵🔵🔵 |
| 成功 | 🔵🔵🔴 |
| 苦戦 | 🔵🔴🔴 |
| 失敗 | 🔴🔴🔴 |
| 大失敗 | [評価なし] |
👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。
※このボスの宿敵主は
「雪華・グレイシア」です。ボスは殺してもシナリオ終了後に蘇る可能性がありますが、宿敵主がボス戦に参加したかつシナリオが成功すると、とどめを刺す事ができます。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。
『強欲王』アヴィド・テゾーロ。
彼は金庫内の奥で宝を漁っていた。非常に価値の高い物が保管されている場所だ。
強力な宝を自分の金庫にしまえば、アヴィドは強化される。だからこそ、自身の強化の為、宝が欲しいという欲望の為にここまで来たのだ。
欲望は尽きない。アヴィドは宝を自分の金庫にしまい続けている。
この場所でこれ以上放置すると、アヴィドの力は計り知れない物になってしまう……一刻も早く、撃滅せよ。
レイニーア・ノックス
wiz
アドリブ連携大歓迎
『ふむふむ……』技能:目立たない+迷彩で隠れつつ観察
『これ以上、時間は与えれませんね』
静かに空中戦で空に飛び、誘導弾や属性攻撃、全力魔法を用いての高火力弾幕を用意し、一斉発射。
これはあくまで様子見であり、直後に高速詠唱でコード発動し、力溜めと怪力を用い、殴り倒す。
『へし折れなさい!潰れなさい!』
敵のコードに対しては、竜王の強化とオーラ防御に激痛耐性、勇気をもって対処する。
大金庫最重要保管エリア。
『強欲王』アヴィド・テゾーロは周囲にある大量の金庫から、アーティファクトと思わしきアイテムを自らの金庫に蒐集していた。
「ンー、いい場所だぁ……迷宮のアイテムを集めている金庫……宝が一杯だぜぇ」
上機嫌な様子で次々と宝を奪って行き、アヴィドは自身の強化を図っている。
(「ふむふむ……」)
そんなアヴィドを、レイニーア・ノックス(竜召喚師にして竜に騎乗するもの・f18202)が物陰から観察していた。時間を与えれば、それだけ猟兵側が不利になる。
これ以上は時間を掛けられないと、静かに空を飛んでアヴィドに近寄って行く。
「この剣……業物だな。フフフ、これも金庫に入れるか……」
宝に夢中になっているアヴィドの背中に、突如として爆発が起こる。レイニーアによる大量の魔弾が、アヴィドに向けて放たれたのだ。
周囲の金庫に当たらない様に、アヴィドのみを狙った集中攻撃。
「さあ、どうですか……! 一気に行きますよッ!!」
アヴィドに命中しても弾幕を止める事はなく、攻撃を続ける。それは全てアヴィドに命中して、爆発によって発生した煙に包まれていく。
「小突くなよ、金髪の……おっ、ドラゴニアンか。久々に見たなぁ」
煙の中から、すぐにアヴィドが出て来る。全く効いていない様だ。レイニーアが怪訝な表情でアヴィドを見ると、ある事に気が付いた。
アヴィドの脚にある金庫の一つが白く輝いており、周囲は金色のオーラが発生し、それによって守られていたのだ。
「アークシールド……聖なる加護って良いよなぁ、どんな魔法も防いじまうんだよ」
悪党が聖なる盾を使うというのも妙な話だが、これで魔法は完全にシャットアウトしてしまった。……であれば、別の攻撃手段にすれば良い。
あくまで様子見の攻撃だったが、それに防御を割くと言うのならば、此方もやり易い。
「我が祖と契約せし竜王よ。今、再び契約に従い共に戦え」
レイニーアは竜王の一部を自らに纏って、戦闘能力が爆発的に向上。空中から一気にアヴィドへと急襲して、圧倒的な暴力を以て殴り掛かった。
「おお、まだやり合う気か。それ、光の裁きだ」
アヴィドが指を向けると、アークシールドの光がレイニーアへと迫って来た。光速のそれはオーラを破り、レイニーアの身体を貫いてしまう。急所は確実に避けているものの、受け続けるのは危険過ぎる。
「ぐっ……ですが……ッ!」
激痛が走るものの、勢いは全く衰えずにアヴィドの元へと突っ込んで行って。
「まーだ止まらねぇのか……じゃあ、これでどうだ」
掌に魔力を込めると、光球を作り出して、限界まで溜めると一気に解き放った。その光はビームとなって、レイニーアを破壊しようと襲い掛かる。
しかし、先ほどの予備動作のない光と違って、放つまでの時間があった。レイニーアは両手を前に出すと、全ての力をオーラによる防御に費やした。
凄まじい光が辺りを包んで、アヴィドは手で目に当たる光を遮って。
「さて、消え去ったか……ぐおッ!?」
腹に響き渡る衝撃。それは、レイニーアの渾身の拳だった。
「馬鹿な、何故……!」
「教えませんッ! へし折れなさい! 潰れなさい!」
幾つかの怪我は負ってしまったが、致命傷は無い。ここからはレイニーアの時間だ。
ストレートを腹を打てば、アヴィドはくの字に曲がる。そこにアッパーを頭を打てば、上空に吹き飛ぶ。右フックで脚の金庫を叩けば、鎖が千切れて吹き飛んだ。
先ほどのお礼とばかりに、暴力のコンビネーションで一気に攻め込んで、最後は渾身のミドルキックでアヴィドを別のフロアへと蹴り飛ばしてしまった。
「す、少し血を流し過ぎましたか……」
流石にダメージがあるので片膝を付くレイニーアだが、アヴィドには絶大なダメージを与えて、更にはアークシールドも封印した。
言うまでもなく、十二分の成果だろう。
しかし、強欲王の欲望は尽きる事はない。
大怪我を負いつつも、新たな宝を求めて金庫を開けていくのだった。
大成功
🔵🔵🔵
アドレイド・イグルフ
※アドリブ、連携歓迎です
(SPDを選択します)
……厄介だな…守らなきゃいけないもので守備を固められている…隙も…ないな……。…元を断てばいいのか?……鎖を引きちぎる力は…ない。金庫を吹き飛ばせば、周りにも被害が及びかねない…。………宝を…しまう時が…唯一のワタシが攻撃を与えられるチャンスだろうか…。戦闘力を向上させて…突撃だ!
「チィ、妙な奴に邪魔されちまった。金庫も奪われるたぁな」
『強欲王』アヴィド・テゾーロ』 は金庫を破壊された足を見て、溜息をついていた。
かなりの怪我を負っており、疲労もかなりの物……。それでも強欲に、金庫からアーティファクトを取り出している。
(「……厄介だな……守らなきゃいけないもので守備を固められている……」)
アヴィドを見て、アドレイド・イグルフ(スペースノイドのシンフォニア・f19117)は、どの様に戦うべきかを考えている。
先ほどの襲撃から警戒しているのか、アヴィドはいつでも攻撃可能な状態だ。
(「隙も……ないな。……いや、一つだけある……!」)
宝を金庫にしまう瞬間だ。
その瞬間ならば、アヴィドにも一瞬の油断が出来る筈……。 そう考えると、アドレイドはそのタイミングを待つ。
時間も掛からない内に、アーティファクトの魔導蒸気式拳銃を取り出すと、自らの金庫に入れようとしていた。
「ここだッ!」
すぐにアドレイドが姿を表す。AI搭載型浮遊砲台を呼び出して、戦術ドローンで自身を操らせると、真っ直ぐアヴィドに飛び掛かった。
それに気付いたアヴィドは、金庫に入れずに拳銃を構えて。
「フフフ、やはり来たなッ! 死にやがれッッ!」
予測していたのだろう、アドレイドに向けて拳銃を連射して来る。
迫る魔導弾。ドローンによって操作されたアドレイドの身体は、ステップを踏むようにして、流麗な動きで魔導弾を躱して。
「ここがワタシの唯一のチャンス……絶対に逃すものか……ッ!」
浮遊砲台がアヴィドに銃弾を放って、魔導弾を撃つのを一旦遅らせると、その隙を狙って散弾銃『M870MCS』を突き付ける。
放たれた銃弾はアヴィドの被り物を撃ち抜いて、一部を破壊する。
「ぐうッ! 何だこの威力は……」
「ここしかない……突撃だ!」
間髪を入れずに散弾銃のリロード、からの射撃を行って、アヴィドを吹き飛ばし続ける。その連射によって、肩の金庫の鎖が撃ち抜かれて、ガコンッと地面に落ちる。
しかし、何度も銃撃を受けても倒れる事はなく、アヴィドは反撃の機会を狙っていた。散弾銃の弾が切れると即座に反撃に移る。
「そのドローンだな……邪魔だッ!!」
拳銃でドローンを撃ち抜くと破壊され、同時にアドレイドの戦闘力も元に戻って。
直後に、弾が切れたのであろう拳銃を投げ付けられ、それに怯んだ所にアヴィドの蹴りが炸裂。アドレイドは大きく吹き飛ばされて、床を転げ回る。
「くっ、まだ……! ……あっ、居ないッ!?」
吹き飛ばされても十分に戦闘は続行可能だったが、床から立ち上がった時にはアヴィドはその場に居なかった。別のフロアに逃げたのだろう。
「あれだけ撃ったのに……なんて逃げ足が早いんだ……!」
アヴィドのタフさに驚愕しつつも、落ちた金庫と魔導蒸気式拳銃を、確保した。
金庫が減った事によって、更にアヴィドが弱体化した。
恐らくは、そう長い時間を掛けずとも倒し切れるだろう。
大成功
🔵🔵🔵
尾崎・ナオ
◆シェーラさんとペア!
シェーラさんじゃーん、やっほー、こんなとこで会うなんて奇遇だねぇ。ははは、なんてな!連携組もうぜ!
シェーラさん強いんよね。作戦としては、彼の強みを生かす。シェーラさんVS敵(wiz対決)の構図が前提で、ナオちゃんが敵の眼前をちょろちょろ動いて邪魔する嫌がらせするの。はは、任せろ。大得意だ!
はぁい、ナオちゃんに大☆注☆目!
【指定UC】で敵WIZ攻撃を避け続けるよ。【クイックドロウ132】で敵の目玉を狙いながら煽りつつ攪乱。30cm範囲に入らないよう注意を払って回避。別に倒してしまっても構わんのだろー?華麗なナオちゃん選手、蝶のように舞い、蜂のように刺す!なんて可愛い!!!
シェーラ・ミレディ
◆ナオと。
2人とも猟兵だからなぁ。偶には戦場で遭遇することもあるだろうよ。
……では、僕から仕掛けるとしようか。
盾役はナオに任せ、僕は敵の力を削いでいこう。
『艶言浮詞』ならば無機物を精霊にできる。周囲に散らばっているお宝や武器を精霊に変え、逃がすぞ。
敵の金庫の中身や手にした武器も精霊にしてしまいたいが……流石に難しいだろうか。できるなら敵の内側から、金庫の扉を食い破らせたいな。
攻撃は本来のスタイルで臨もう。何、お宝は逃がしたのだから遠慮することはあるまい。
敵と距離を置き、ジャグリングするように4丁の精霊銃を操って銃撃だ。
敵が既に攻撃を受けている箇所や、金庫を狙って銃弾を撃ち込むぞ。
※アドリブ歓迎
「やっほー、こんなとこで会うなんて奇遇だねぇ」
ヤンキーを倒し終えたシェーラ・ミレディ(金と正義と・f00296)へと、尾崎・ナオ(ウザイは褒め言葉・f14041)は話し掛けていた。
「2人とも猟兵だからなぁ。偶には戦場で遭遇することもあるだろうよ」
やや疲れた様子だが、シェーラは少しだけ笑みを浮かべつつ言葉を返した。
折角、同じ戦場で顔を合わせたのだ、とナオは考えて。
「んじゃ、連携組もうぜ!」
シェーラはその言葉に頷いて返すと、二人は大金庫の奥へと向かって行く。
『強欲王』アヴィド・テゾーロ』は二つの金庫を失い、ダメージも大きく弱体化している。そんな状態でも、その実力はかなりの物。
「厄日だ。んで、当然……来るよなぁ」
そこに向かって来るのは、ナオとシェーラ。
アヴィドは大きく溜息をつくと、直ぐ側にあったアーティファクトらしき杖を取ろうとして、手を伸ばすが……。
「おいで、僕に手を貸してくれ」
シェーラがそう呟くと、杖は無邪気な精霊へと変換されて、アヴィドの手は空を掴む。仰天するアヴィドは別の物を取ろうとする。
「おお、すっごいなぁ~」
しかし、周囲にある金庫は全て精霊と化して、あっと言う間に別のフロアへと逃げ去ってしまう。ナオはそれ見て感心している様子。
それを見て、アヴィドは頭を掻いて。更に大きな溜息を一つ。
「マジで厄日だ……仕方ねえ、同時使用と行こうじゃねえか」
肩と脚に残った二つの宝の力を解放し、アヴィドは分解の魔剣と無限魔法の指輪を創り出す。凶悪極まりないアーティファクトを用いて、二人を迎撃するのだった。
「さて、もう遠慮することはあるまい」
お宝は全て逃したのだ。シェーラは本来の戦闘スタイル……四丁の精霊銃をジャグリングをする『彩色銃技』を用いて、戦闘に臨む。
「曲芸士か、テメェは」
しかしそれはとても精錬された動き。迂闊に攻め込むのは危険……なのだが、アヴィドには魔剣がある。一気に攻め込むべきだと、歩み始めて。
不意に、横から声がした。
「はぁい、可愛い可愛いナオちゃんに大☆注☆目!」
金庫の物品を置く為の机に、ナオが拳銃を向けて立っていた。ついでに自画自賛でスピードアップもしている。あまりにも突然の事だったので、アヴィドは困惑。
その隙を狙って、シェーラの超連続四丁銃撃。更にはナオによる至近距離射撃をまともに受けてしまう。
「ちぃぃッ! 穿てッ!!」
アヴィドは目の前のナオに向けて、雷の魔法を発射。
「おおっと! 残念でした~!」
ナオはそれをササッと避けて、机の後ろに隠れる。
四丁の拳銃による怒涛の連続射撃は止まらず、次々と魔法の弾丸を受けていくアヴィド。それは頭の骨や金庫を狙って、弱体化を狙ったダメージを与え続けて。
「穿て、穿て……ッ!」
それでも引かずに応戦するアヴィドは、雷をシェーラに連射。
「おっと、それに当たるのは勘弁だな!」
身を屈めて一射目を避けると、ジャグリングしていた銃を大きく投げて、二射目、三射目も身軽に避けて行く。別の場所に着地したシェーラは、銃をしっかりとキャッチした。
それを見たアヴィドは、更に連射を続けようとするが……。
「別に倒してしまっても構わんのだろー?」
今度は後ろから声がすると同時に、アヴィドは頭に銃撃を受けてしまう。
「分解……解放ッ!!」
これ以上は不利になるだけだ。分解の魔剣の真の力を解放すると、剣身が消えて、それと同じ形の闇に染まる。
振り向き様にそれで薙ぎ払い、それを躱そうと後ろに下がるナオの目の前を通って、大金庫の壁に当たると、壁が消滅してしまう。
「か、華麗なナオちゃん選手、蝶のように舞い、蜂のように刺す! なんて可愛い!!! イエーイッ!!!!」
内心冷や汗で、声も若干震えているが、自画自賛する事でそれらを払拭。スピードと反射速度は更に増大する。
連続して分解の魔剣を振り続けるアヴィドの攻撃を見事に躱していくが、当たれば即死する可能性も十分にある。
「下がれ! ナオ! もうすぐ時間だっ!」
「り、了解ぃ!!」
シェーラの言葉を聞いて、慌てた様子でアヴィドから距離を取るナオ。アヴィドは怪訝な顔をして、何の時間なのかを問おうとするが、自らの金庫に異変を感じて。
「ん……なぁッ!!?」
その中にいた精霊が金庫の扉が食い破られると共に、逃げ出してしまう。金庫の宝がなければ力も引き出せない。魔剣と指輪は消滅してしまう。
そう、先ほどからシェーラは金庫を狙った射撃をしていた。それによって金庫が痛んで、中の精霊が逃げ出す機会を作っていたのだ。
「こ、こんな事がぁ……!」
更に二つの金庫を破られて弱体化するアヴィドに、二人は銃を突き付ける。
「ここまでだな。潔く諦めてくれると助かるのだが」
「大丈夫! ズドンッって終わらせるからさっ!」
そんな二人を見ても、まだアヴィドは諦めていない。まだ一つ、精霊の暴れと銃撃すらも通さない、頑丈な腹部の金庫があるのだ。アヴィドはニヤッと笑うと、辺りが強烈な光に包まれる。
「なんだ……!」
光を手で防ぐ二人だが、それが消えるとアヴィドは居なかった。
「ああっ! 逃げたなッ!?」
流石は強欲王と言うべきか、自分の生命にも強欲な様だ。
またもや、アヴィドは猟兵から逃げ去って行った。
大成功
🔵🔵🔵🔵🔵🔵
愛久山・清綱
残念……もはやこれまでだ、盗人。
其方には黙秘権があると言ってやりたいところだが、
生憎『討て』と頼まれていてな……覚悟せよ。
■闘
あの宝を何とせねばならんな。
先ずは、テゾーロが宝を金庫を開ける瞬間を【見切り】、
取り上げられそうな宝を【念動力】で没収だ。
うまく取り上げられたら、戦場の外へ丁寧に置く。
以降の攻撃は【オーラ防御】を纏いつつ【武器受け】で耐え、
攻撃の機会を伺うとしようか。
好機が来たら居合の構えを取り、テゾーロを直視。
そこから【破魔】の力を身体に宿し、【鎧無視攻撃】を絡めた
【心切】で欲望共々斬り伏せてやろう。
※アドリブ・連携歓迎
「残念……もはやこれまでだ、盗人。其方には黙秘権があると言ってやりたいところだが、そうも行かぬ」
逃げて来た『強欲王』アヴィド・テゾーロ』に立ち塞がる愛久山・清綱(飛真蛇・f16956)は、既に『今刀』を構えていた。
残る金庫はあと一つ、しかしそれはアヴィドが持つ切り札だ。
「何だその翼に角は……まあいい、使わせて貰うぜ、イビルレイ・オーブ」
キマイラを見た事が無かったのだろう。若干困惑しつつも、アヴィドは宝の力を引き出して光り輝く。
それは呪いの力……自らの命を代償に、物理攻撃、魔法攻撃を無効化し、更には戦闘力も高める反則級の代物。しかし代償が大き過ぎる、すぐに寿命を奪われて行く。
「時間はねえ、ここを突破して逃げ延びてやるぜ」
「生憎『討て』と頼まれていてな……覚悟せよ」
アヴィドは清綱の後ろにある出口に向かって、駆け出して来た。
アヴィドが走りながら放つのは、単純な拳の一撃。しかしそれは光に包まれ、必殺級の攻撃となって清綱に迫る。
「そうはさせんッ!」
身体を纏うオーラを刀に集中すると、その一撃を受ける。しかしその威力は絶大にして無敵。一気に押し込まれて、後ろへ吹き飛ばされる。
「どけッ! テメェを相手している暇はねえんだッ!!」
吹き飛ばされた清綱に、またもや向かって来るアヴィド。
清綱は今刀を鞘に収めて、居合の構えを取ると、破魔の力を体に宿していく。
「受けてみよ、心切ッ!!」
気魄と霊魂を断つ、不可視の一太刀。幾ら無敵の存在と言えど、心を切る一撃ならば……宝の力に安心し切っていたアヴィドは、それを受けると仰け反り、一歩、二歩と後退って。
「む、無敵を貫通する、のかッ!」
それでも強欲王の心は断ち切れない……恐ろしいまでの精神性の持ち主だ。
すぐに清綱に近付いて蹴りを放つと、またもや吹き飛ばしてしまった。
「何という威力だ……! やるな、テゾーロッ!」
片膝を付いて、息を整える清綱。
アヴィドは宝の力によって、寿命が削られ続けている。残る命も僅か……ならばこそ、腹部の宝箱を解放し、イビルレイ・オーブを投げ捨てた。
「別の宝だ……ッ!」
『Griezmann』と札が掛けられた一つの金庫を引き出して、机の上に叩き付けると、それを強引に引き千切って開けてしまう。
中にあったのは、アーティファクトであろう謎のナイフ……。
「これで……」
それに手を付けようとするアヴィドだが、それは浮き上がって別のフロアへと移動して行く。清綱の念動力で奪われてしまったのだ。
「テ、テメェッッッ!!!!」
清綱の方を見て、吠えるアヴィド。金庫の宝はもう無い、残る命も僅か……。
これ以上の好機はない、ここで切り伏せる。清綱は真っ直ぐアヴィドに向けて突き進んで、霊剣の一太刀を放つ。
「欲望共々斬り伏せてくれるッ!!」
その一太刀がアヴィドを捉えると、心を切った。それによって倒れるが、それでもアヴィドの欲望は尽きていない。
「あ、あの宝があればァァ……ッ!」
アヴィドは倒れた先にある、謎のナイフへと手を伸ばすが……別のフロアのそれに届く筈もなく。その手は空を切って。
「だ、誰でもいい……! た、宝だよ宝ァ、早く寄こしなァ!」
手を動かして宝を探すが、見付かる筈もない。
アヴィドの目の前に立った清綱は、居合の構えを取って。
「盗人にやる宝は無い、終わりだ」
三度目の心切。これによって、遂に強欲王の欲望は潰えてしまうのだった。
●お宝
賊を滅した猟兵達の前に出て来たのは、賊が落としたであろう大量のアイテムだ。
宝石や金、ちょっとしたアイテム……勿論、今までに賊が使ったであろうアーティファクトも。既に大金庫内の物は回収されている。後は好きに取ろう。
尚、アーティファクトが欲しいならば自分が倒した賊の物だけに留めて置こう。
換金したいのならば大金庫でもやっているらしいので、気軽にどうぞ。
大成功
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