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SUSHI-WARS

#スペースシップワールド

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#スペースシップワールド


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●黒衣の侵略者
 フェニックス6A-1。艦内に都市を持つ居住専用艦としてはやや小型のその船は、船団間の物流の要衝として様々な物資が集まる交易拠点である。
 必然的に他船団からの交易船を受け入れるための港湾ブロックが船内施設の過半を占め、居住ブロックの狭いフェニックスにおいて、職員でもある住民たちの娯楽はそう多くはない。
 その数少ない娯楽の一つが「食」である。様々な船団が独自に研究開発した食材を、職人たちが趣向を凝らして組み合わせ、ときに芸術的とも言える美食を生み出し、あるいはかつての惑星時代に在ったという料理をこの時代に復活させる。
 今ではその美食を求めて観光客がフェニックスに訪れるほどに、その船では食の占める重要度は高い。
 そんなフェニックスで五十年に渡って暖簾を掲げるのが、寿司処ふゑにくすである。
 老いと病で現役を退いた先代から店を受け継いだ二代目が営む、船内環境で肥育しやすいよう遺伝子を操作したものではない、惑星時代そのままに養殖された貴重な「天然」の魚を捌いて出すこだわりの寿司屋であった。
 だがその業績はここ数ヶ月に渡って奮わない。まず観光客が来なくなった。これは流行り廃りもあるのだろうと二代目も一抹の寂しさを覚えながら頷いたものだ。
 次に、そう親しくない船内の客の足が遠のいた。調べてみたところ、新たに出来た寿司屋に客が流れていたのが判った。安価な遺伝子改良魚を使い、ロボットが握る軽食感覚の寿司屋。それも時代かと二代目は新たな時代の到来を感じつつ、しかし昔ながらの手法は高級路線として共存も出来るだろうと考えていた。
 最後に、常連が来なくなった。それは何故か。――ふゑにくすが遺伝子改良魚を天然と偽って販売していたと、あらぬ噂が流れていた。身に覚えのない証拠検証動画すら出回り、それを見て常連たちは失望し、そして去っていった。
 そして打ち拉がれる二代目の前に、その男は現れた。
「どうにも最近は営業不振なようですねえ。はじめまして、私こういうものです」
 黒衣に身を包み、仮面を被った男は名刺を差し出す。
 FAST-SUSHIインペリアル 支配人 サー・ティラピア・メルルーサ。
「どうですか、私どもの看板を掲げて再出発など。あらぬ噂でそちらはもうぼろぼろだ、競い合うライバルとしても見るに耐えません。ここで一度レッテルの貼り付いた看板を下ろしてリセットし、お客様の支持を取り戻してから正々堂々と戦いませんか」
 その男は新興のロボット寿司屋の代表を名乗り、そしてふゑにくすにフランチャイズ契約という名の侵略を仕掛けたのだった。

●忍び寄る魔手を討て
「ミッションを発令します」
 集合した猟兵たちを電脳ゴーグル越しの視界で確認し、アレクサンドラ・クルシンスカヤは切り出した。
 今回も感情の薄い淡々とした語り口のアレクサンドラだが、同じ名を持ち彼女を被る肉体のアレクサンドラはどこか怒りに震えているように見えた。
「居住船フェニックス6A-1。交易拠点として、また食文化の発信拠点として有名な宇宙船に帝国軍の特殊作戦部隊が侵入しました」
 特殊作戦部隊という穏やかでない響きに、猟兵たちの肩に力が入る。一体どんなテロ行為を画策しているのか、続きを促す声にアレクサンドラは頷いた。
「今回の彼らの侵略行為は、短期的に多大な人命被害を与えるものではありません。しかし、長期的な視点で見ると非常に厄介な作戦です」
 曰く、今回の帝国軍は民間企業に偽装し、正規の手続きで侵入していた。彼らは手始めに回転寿司店を拠点とし、それで一定の成功を収めている。無論、寿司に毒を盛るなどという短絡的なテロを実行するようならばすぐに現地の治安部隊によって排除されただろうが、今の所そのような動きはない。
 ただ、彼らはサクラを雇い、あるいは熱心なファンをそそのかし競合店のあらぬ噂を流すことで業績を悪化させ、弱ったところに甘くささやき吸収合併するという手法でフェニックス内の外食産業を急速に掌握しつつあった。
 このまま行けば、フェニックスの食糧事情を帝国軍が支配することになる。そうなれば乗員乗客を飢えさせるも食わせるも帝国軍の思いのまま。協力的で従順なものだけに食料を与えるなどすれば、帝国に忠誠を誓い人類を裏切るものまで出かねない。
 そのうえ、この部隊を通じて各船団からフェニックスに集まった食料が帝国軍に密輸される可能性もある。反帝国勢力に兵糧攻めをかけつつ、自国の糧食を得る策略というわけだ。
「そこで皆さんにミッションプランを提案します。まず第一段階として、帝国軍――FAST-SUSHI インペリアルに雇われたサクラ、またそのシンパより競合店への妨害工作の詳細を聞き出してください。方法は……過激すぎなければ何でも構いません」
 尾行でも尋問でも潜入捜査でも、好きにやって構わない。
 然る後、実際に妨害工作を行っている現場または証拠を押さえてインペリアルを糾弾する。その悪行が知れ渡れば、秘密作戦の続行は不可能だろう。
「このミッションは人類の食料供給ラインを防衛することにも繋がる重要なものです。当然帝国軍も作戦継続が不可能ならば直接的な破壊工作に訴える可能性もありますが、皆さんならば無事に敵を排除できるものと確信しています」
 無事の帰還を、とアレクサンドラは敬礼で猟兵たちを送り出した。


紅星ざーりゃ
 こんにちは、紅星ざーりゃです。
 スペースシップワールドって「スペ」ースシップ「ワ」ールド、「スペワ」より、「ス」ペース「シ」ップ「ワ」ールド、略して「スシワ」が正しい略称なのではという発想から依頼を出させていただきます。SWが主流なんじゃないかって? アッハイ。

 さておき、今回は寿司から始まる銀河帝国軍の侵略を阻止してください。
 第一章では競合店への悪評を流布する帝国のサクラや、それに深い考えもなく同調する現地の寿司インペリアルのファンを突き止め、そこから情報を確保していただきます。
 第二章ではその情報をもとに、実際の工作現場を押さえてインペリアルの悪行の動かぬ証拠を得てください。
 第三章では、工作続行不能と判断して物理的手段に訴える帝国軍との直接戦闘になるでしょう。卑劣な策謀に訴える武闘派ではない敵ですが、腐っても特殊作戦部隊です。一筋縄では倒せないかもしれません。

 皆様の健闘で古き良き宇宙寿司文化が守られますように。
 卑劣な帝国軍への怒りと寿司への愛の込もった熱いプレイングをお待ちしています。
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第1章 冒険 『仇なすレジスタンスに鉄槌を』

POW   :    協力者又は残党を見つけ出し、力付くで隠れ場所を聞き出す

SPD   :    協力者又は残党を見つけ出し、跡を付ける

WIZ   :    協力者又は残党を見つけ出し、協力者と偽り内部侵入する。

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種別『冒険』のルール
「POW・SPD・WIZ」の能力値別に書かれた「この章でできる行動の例」を参考にしつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
 プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。

メイスン・ドットハック
【WIZ】
食に手を出してくるとはのー
じゃけど、うまい寿司のためには労力は惜しまん

サクラが疑われる連中や寿司インペリアルのファンらしい人物のSNSやメールなどの連絡ツールにハッキング
・どういったやり取りをしているか
・サクラの場合、指示の元、行動するのか
・誰からの指示で行っているのか
そういったことを徹底的に調べ上げて、証拠集めの一歩する(ハッキング、情報収集)

そうやって集めた情報は他の仲間と共有し、サクラの対応に役立てて貰う
他のメンバーのサクラの行動の裏付けとして、調べるのも可能

多岐にわたるので、寿司インペリアル関係者やサクラ妨害している人物をハッキングした監視カメラで当たりをつけるのも方法として




「食に手を出してくるとはのぉ」
 直接的な破壊活動ではなく、あくまで合法のなかでじわじわと侵食する手段は、敵がオブリビオンと化しても統率を維持した組織であるという証明であり、そしてその脅威を示す出来事であろう。
 その攻撃目標が食というのは些か予想外のところを突かれた形になるが、糧食なくして戦争は出来ないのだから一見突飛なようである意味では理にかなった戦略なのかもしれない。
 フェニックス6A-1に降り立ったメイスンは、早速艦内ネットワークでインペリアルのファン達のコミュニティを探す。
 程なくしてSNSでインペリアルのファンを公言する数人のアカウントを発見した彼女は、さらにそこから絞り込みを掛けた。
 発信している情報が単にインペリアルの寿司の感想だけであるものなど、脅威度の低いものを除外すれば、他に敵対的だったり妙に周囲と接触を図りたがっている特に怪しいアカウントを特定するのは、電脳魔術士であるメイスンにとってそう難しい話ではない。
 特定されたアカウントのログを辿れば、出るわ出るわ。根拠の明確でない、それでいて断言しない口調でのインペリアル競合店への悪評の数々。そして、それに同調した者たちを扇動して、不買や情報拡散を依頼している。
 完全にクロだった。メイスンはさらにそのアカウントに情報を流している者が居ないかと情報を遡る。
 たどり着いたのは、とある非公開アカウント。そのアカウントが、極秘のタレコミ、ここだけの話として情報を流している。少なくともその発言内容――積み下ろしの荷物、ふゑにくす宛のそれが遺伝子改良魚のコンテナだったなど。証拠写真付き――から、港湾関係者のようだった。
 だが、辿れたのはそこまでだ。メイスンは帝国軍の情報戦部隊のガードの堅さにため息を一つ零して、仲間たちにその情報を共有しながらふゑにくすの暖簾を潜るのだった。
「ま、美味い寿司のためにやれることはやった。後は仲間たちにお任せじゃのぉ」

成功 🔵​🔵​🔴​

スター・レイガン
粗悪なSUSHI BARを増やすのみならず
良質な店までも営業を妨害しとりこもうとするとは許せん!
私の怒りの拳で説得してやろう

【POW】
かつて一世を風靡したと言われる尋問術「壁ドン」を使う

あらぬ噂をばらまいている者を見つけたら
【空中戦】を使い空から追跡
人気が少ない路地の近くに来たら近付いて行くぞ

もし逃げるようなら逃げ場のない壁際に敵を追い詰め【グラウンドクラッシャー】で相手の近くの壁にヒビを入れ威圧をしよう

引きとめて済まないね、大丈夫、あまり長い時間は取らせない
(訳:御託は良いから要点を話せ)
君が寿司処ふゑにくすのあらぬ噂に踊らされているようだからね
君に噂話をしたお友達の事を教えてはくれないか?




 いかにもネットリテラシーの低そうな若者がふゑにくすの食品偽装疑惑を面白半分に拡散しているのを見たキャプテンレイガンは、存在を気取られないよう空中を飛行して彼を追跡していた。
 飛行していることで却って目立っているような気もするが、無駄に光りやたらと輝きレイディアントな彼が普通に地上を歩いて尾行してもそれはそれで目立つので誤差だろう。
 幸いにも歩きスマホで「ここだけの話」に夢中の若者はキャプテンの存在に気づいていない。
 キャプテンは彼が人気の少ない路地裏に入ったのを見て、これ幸いと降下し始めた。
 ――粗悪なSUSHI BARを増やすのみならず、良質な店までも営業を妨害し取り込もうなどと許せん!
 義憤に駆られたキャプテンの握り込まれた拳に力が入る。そして――、

「ひぃっ、はわわ……!」
 真正面にはまばゆい笑顔に青筋を立てた偉丈夫。こめかみを数ミリ掠めた顔の真横には、背後の壁にめり込む彼の拳。
 ヒビの入った壁からぱらりと砂になった破片が舞ったのを見て、若者の顔が青褪めていく。一方でキャプテンの表情はどこまでも爽やかな笑顔だ。
「引き止めてすまないね。大丈夫、あまり長い時間はとらせない」
 にこりと白い歯を見せてさらに爽やかに笑いかけるキャプテンと、膝がみるみるガックガクになっていく若者。
 かつて、その尋問術は一世を風靡したという。囚われたものは逃げることかなわず、時には尋問官への好意すら抱かせたという伝説のスキル。
 しかし、その有用性が知られると形だけを真似した素人による模倣が横行し、そして廃れていった禁断の技――あの帝国ですら戦時条約で禁止したとかしてないとか、胡散臭いコンビニの都市伝説本に書いてあったそれこそ。
 ――壁ドン、であった。
「君が寿司処ふゑにくすのあらぬ噂に踊らされているようだからね、君にその噂をしたお友達の事を教えてはくれないか?」
 薄暗い路地裏でキラリと白い歯を光らせるキャプテン。爽やかで柔らかい物言いではあるが、その眼は御託はいい、さっさと質問に答えろと若者を威圧している。
「ひえっ、はひぃ、ふぇぇ…………っ!」
 そのあまりの恐怖に言葉すら失う若者。
「なぁ、なにも取って食べようってわけじゃない。私はただ、その噂がどこから来ているのか確かめて真偽を見極めたいだけなんだ。君が言い出した話ではない、だろう? なら、誰から聞いたか言ってくれるだけでいいんだ」
 真っ直ぐな眼で若者の眼を覗き込むキャプテンに、若者はついにぶんぶんと頭を振って頷いた。
「あ、あぇ……港湾区でバイトしてるジェフリーから聞いた……!」
「そうか、ありがとう友よ。HAHAHA、安心したまえ。ジェフリーにも話を聞くだけだし、君から聞いたとは言わんよ!」
 キャプテンはその噂がおそらく港湾区から始まっているという情報に頷き、腰を抜かした若者を置いて再び空を駆ける。
 目指すは港湾区。インペリアルは周到に策を巡らせているだろう。ならばそこも全ての始まりではないだろうが、まずは地道に糸をたどっていくほか無いのだ。

成功 🔵​🔵​🔴​

モルツクルス・ゼーレヴェックス
【WIZ】
ふゑにくす行って先ずはスシってもんを食うっす。寿司屋の【礼儀作法】について予習はバッチリっす

「大将、かっぱ巻きとイカ。あとお茶頼むっす」

【学習力】で周囲を観察して演技を修正して、自分の【存在感】を店に馴染ませるっす
……そうすると「馴染まない」客が見えてくるはずっす……そいつが狙い目っすね

「もしもし、随分とご機嫌じゃないすか……ご馳走させて下さいっす!」

持ち前の【コミュ力】ばりばりで仲好く食べて飲むっす
上手いこと煽てて、それが嫌いそうならただ楽しくやるっすよ
……探りを入れるのは、程よく酔わせてからっすよ

「しかし、お兄さん、羽振りいいっすね!」

いい儲け話が有るなら、聞きたいっすねえ?


ミア・ウィスタリア
寿司処ふゑにくすかぁ、あの辺は行った事なかったけど、美味しいお店が不当に潰されるのはなーんか面白くない感じよね。

見てなさい!この超絶可愛いアタシにかかれば情報を聞き出すぐらい簡単すぎてあくびが出るわ!

まずは寿司屋を巡ってふゑにくすの悪評を語っている人物がいないか探してみる。目星が付いたら遠目にソイツをマークして、相手が席を立ったら「極彩色の領域管理者」を発動。持ってきた筆で椅子の座面に軽く印を付けておくの。戻ってきたソイツが椅子に座ったら、そっと背後から近付いて気付かれない様にルール宣言しよっかな。
「ー隠し事をしてはならないー」

後は普通に話しかけて悪評を聞きつつ、妨害工作の詳細を聞き出せばいい




「大将、かっぱ巻きとイカ。あとお茶頼むっす」
 カウンター席で予習してきた作法を思い出しながらのモルツクルスの注文に、ふゑにくすの二代目は苦笑して頷いた。
「お客さん通だね……ああいや、ウチじゃ魚は喰いたくねぇよなあ。あいよ、カッパとイカね」
 湯呑に熱いお茶を淹れ、テキパキと寿司を握る職人の手付きは、まさにこの戦場で長い年月を戦い抜いたベテランのそれだ。
 身に覚えのない悪評に晒されながらも、注文を受けたからには真剣な眼差しで完成したかっぱ巻きを切り分け、モルツクルスに出す二代目。
 続いて握られたイカを頬張りながら彼は周囲の客を観察し、自然な雰囲気で自らをふゑにくすの空気感に馴染ませていく。
「初めてきたけれど美味しいわね、大将」
 こんなに美味しいお店がオブリビオンの策略で不当に潰されようとしているのであれば、それは面白くない。
 ミアもタイの握りをつまみながら、客の言動に耳を澄ます。そこに、店の引き戸を乱暴に開けて入って来たのは明らかにこの店の雰囲気とはそぐわない態度の男。
「よォ、親父さんまァだやってるかい。……あー、すまんね兄ちゃん姉ちゃん、隣失礼するよって」
 男はモルツクルスとミアの間の席にどっかと腰を落とす。その瞬間、すかさず椅子にミアが筆で印を付け、お茶を飲むふりをしながらルールを宣告する。
「――隠し事をしてはならない」
「うン? なんか言ったかい姉ちゃん」
 怪訝な顔をする男に、ミアは空耳じゃない? と返す。そうかい、と頷いた男の風体を観察していたモルツクルスがフォローも兼ねて声を掛ける。
「まぁまぁ飲みましょう。自分らこの船初めてなんで、なんか色々教えてもらえたらお礼にごちそうさせてくださいよ」
 ここの支払いは持ちますよ、と男にもちかけたモルツクルス。それに気を良くした男は、酒を飲み寿司を食べてどんどん機嫌よく酔っていく。
「ところでお兄さん、服とか時計とかずいぶん羽振り良さそうっすね。なんかいい感じの仕事でもあるんすか?」
 自分らも長期滞在するかもだから仕事があれば紹介してほしい。モルツクルスの質問に対して、ミアのユーベルコード、極彩色の領域管理者が隠し事を許さない。
 何故かはぐらかそうとすると感じる不快感に、酔いで思考能力が低下した男はべらべらと秘密を喋りだした。
 曰く、男はインペリアルに雇われ彼らを絶賛するレビュー記事を投稿することでかなりの報酬をもらったこと。
 曰く、自身は直接的に関与していないが、インペリアルに紹介した同業者の何人かは他の店の評判を下げるような記事を書いていること。
 曰く、今度は港湾区で求人をかけるから信用できる人手を集めるようにインペリアルから依頼されたこと――。
「アタシの超絶可愛さにかかればこの程度の情報収集、簡単過ぎてあくびが出るわ」
「そっすね、ミア殿のユーベルコードのおかげでサクサクっした。ありがとうございますっす」
 二人は『港湾区での求人』のその内容を仲間たちに伝えるべく、ふゑにくすを後にする。
「大将、お寿司美味しかったわよ。ヘンな噂に負けないで頑張ってね、また食べに来るから!」
「っす、ご馳走さまでした。絶対また来るんで、次は大将のおすすめで握ってくださいよ」

成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​

唐木・蒼
はは、は…食べ物を悪事に利用とかちょーっとそれはダメじゃないかなー?まあ百歩譲ってファストフードのチェーン展開で勝負するのはいいとしても相手を貶めてなんて、うん論外!きっちり叩き潰さないと…!
【POW】
搦手は苦手だし、正面切って行きましょうか。
まずは協力者を見つけるのに常連に聴き込み、狐の羽衣「誘惑」で穏便に。協力者に辿り着いたら手段を問わずオハナシ(物理)ね、抵抗するようなら多少手荒になっちゃうかも…なーんて♪やっていい事とダメな事って、あるのよ?
話を持ちかけた輩とか、常連すら離れさせたっていう検証動画のカラクリを訊き出せたらいいかな。


東郷・三笠
寿司は好きだ
寿司に限らず我は和の物が好きでな
それを潰そうとするなど言語道断!

それにしても食料関係を攻めてくるとはこいつはわかっているな
厄介なので徹底的に潰すとしよう

ふゑにくすの悪評を流している人物を探しその情報の出所を礼儀よく聞く
吐かなければ演技で人気のないところに連れ込んで
胸ぐらを掴むなど逃げられないようにした後武器と殺気で脅す
演技
ねぇ、ちょっとあっちの方で『イイコト』しない?
脅し
素直に吐けばよし
吐かなければ……(武器を少し揺らす)
これに懲りたらこういうことは止めるのだな

可能ならふゑにくすに立ち寄って
店長を元気づけよう
店主、オススメを頼む
ん、美味い
悪評はすぐ消えよう
我が保証してやる




「はは、は……食べ物を悪事に利用とかちょーっとそれはダメじゃないかなー?」
「うむ、我の大好きな和食……寿司を潰そうなど言語道断!!」
 街に繰り出した蒼と三笠は頷き合い、ふゑにくすの常連から聞き出した怪しい噂の検証動画を撮影したという動画投稿者を探していた。
 インペリアルが進出する数ヶ月前からこの船で活動を開始していたというその投稿者は、どうやら意外にも近くに住んでいるらしい。いい度胸をしているのか、何も考えていないのか――二人はあの手この手でその居場所を探り出し、ついにターゲットを捕捉する。
 頷き合い、作戦を再確認する二人。まずは三笠が目標に声を掛ける。
「もしかして動画投稿者のふぃっしゅマンさん?」
 いつもの威風堂々とした軍人の口調ではなく、そこはかとなく憧れを滲ませた声音で男に声を掛けた三笠。その後ろで蒼も、宇宙では珍しい妖狐の羽衣をはためかせて魅力をアピール。
「えっ、あ、おう、そうだよ? ははは、もしかしてファンの子かい?」
 美女二人のアピールにでれでれと鼻の下を伸ばした男は、サインは要るかだとか、勝手に喋りまくっている。
「ええ、私達二人共あなたのファンでぇ……よかったらあっちの方で『いいこと』しない?」
 完全に下心があると見抜いた三笠の一言に、ふゑにくすを貶めた男は一も二もなく頷いた。


「ごべんなさい……」
 蒼にボコボコに殴り倒され、三笠に胸ぐらを掴まれ無理やり立ち上がらされた男は鼻血を流しながら泣いて謝っていた。
 薄暗い路地裏、見ればまるで壁ドンでもしたかのように頭の高さに拳大の穴が空いているあたり、治安は良くないのかも知れない。
 そんな場所で女二人にぼろぼろになるまで折檻された男に、もはや抵抗の意志はなさそうであった。
「嘘動画で善良な人を貶めるなんてやっていいことと悪いことがあるのよ?」
 蒼はにこりと微笑みかけ、男はひっと息を詰まらせた。
「うむ、これに懲りたらこういうことはやめるのだな」
 普段どおりの口調に戻った三笠が、男を壁に寄りかからせるように放り出す。
「さて、では質問に答えてもらおうか……」
 二人の尋問に、心を折られた男はすぐさま洗いざらい情報を吐き出すこととなった。
 まず、男はいんぺりあるに雇われただけの外部協力者だということ。もともと鳴かず飛ばずの動画投稿者だったが、いんぺりあるに依頼されて軽い気持ちで初めた競合店をけなすだけのレビューとも言えない酷評動画がやたらと再生回数が伸びたことで、やめられなくなってしまったとのことだった。
 ではその依頼を持ちかけたのは誰なのだと聞けば、港湾区で働いていた時に出会ったシイラという男に誘われたとのこと。シイラはどうもこの船の人間ではなさそうで、怪しいながらも金払いの良さで自分以外にも多くの人間が雇われたという。
「ふぅん、港湾区のシイラねぇ……じゃあ最後にひとつ。常連客すら離れさせたあの検証動画、どういうカラクリなの?」
 それは、と男は目をそらし、
「もう最近の改良魚と天然物の区別なんて付けれるやつはほとんどいねえし……ふゑにくすで持ち帰りの寿司を二つ買って、片方だけインペリアルのパックに詰め直して、どっちも改良魚だっていっただけ……」
 食に親しみ、良いものを日常的に食べているからこそ、安いものを目にする機会のなかった常連達。
 そこに慣れ親しんだふゑにくすの寿司と全く同じなのに片方は安い改良魚だと言われれば、識別できずに信じてしまう者が出てしまったのも仕方のないことかも知れない。
 だが、それだけで終わらなかったのはやはり周到に手を広げたインペリアルの策謀ゆえだろう。
 噂話、証拠動画、そして扇動。一つ一つはお粗末なものでも、現地の人間を使い同時多発的に引き起こせばそれは真実味を帯びてしまう。あの人が言うなら本当かも知れない。あの人も言っている。皆が言っているなら間違いない。そんな空気感を作られてしまえば、もはやその流れは止まらない。
 人々の間で暴走する噂話を止めるためには、一刻も早くインペリアルの悪行を押さえる必要がある。

成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​

鬼ヶ島・エレナ
「FAST-SUSHI インペリアルめ、許せないぜ……。
 ケンカなら、スシの腕前で勝負しやがれってんだ!
 あと支配人の名前、謎の白身魚扱いされてるけど
 ちゃんと食うと美味いんだぞ!
 ウチの地元でもティラピア釣れるし!」

【SPD】帝国のサクラを見つけて跡を付ける

技能【変装】【目立たない】を使って、港に出入りする業者に化けるぜ。
宇宙バイク乗りだし荒っぽい運ちゃんに溶け込むのは得意なんだ。
で、港湾ブロックから寿司処ふゑにくすまでを行き来して
「地元民ではない、出入りの業者」で、かつ、
「FAST-SUSHIインペリアルを絶賛してる奴」を見つけて
こっそり跡をつける。




「FAST-SUSHI インペリアルめ、許せないぜ……」
 港湾区での物資積み下ろしを監視することにしたエレナは、周囲に誰も居ないのを確認して呟いた。
 百歩譲って、寿司から食料事情を掌握して流通の要衝を支配するその戦略は良しとするとしてもだ。そこに既存の競合店との"ケンカ"があるのであれば、卑怯な工作ではなくスシの腕で勝負するべきだ。
 エレナの内なる番長が、卑劣なインペリアルへの怒りに震えていた。
 ともあれ、これは任務だ。今のエレナは港湾職員。事情を説明し協力を取り付けた職員から借り受けた制服に身を包み、船の内外を出入りする業者の中から怪しいものを探していた。
 そもそもインペリアルが帝国軍の擬態である以上、その侵略に最初からフェニックス6A-1の住民が協力していたとは考えがたい。さらに新参の寿司屋がいきなりこの規模での裏工作を成功させているとなれば、船外の人間が多く、そして船に強い影響力を持つ港湾区が陰謀の起点である可能性は極めて高かった。
 そこに、船内で調査をしていた仲間たちから次々と飛び込む情報は、やはり港湾区が怪しいというもの。
 おそらく現地の協力者であろうジェフリー、そしてあからさまに怪しいシイラ。
 できれば後者を捕まえたいところだが、と港を歩き回るエレナの耳に聞き逃がせない情報が飛び込む。
「よぉジェフリー、今日も早退か? また割の良いバイトかよ、俺達にも紹介しろよな!」
 輸送艇パイロットの豪快な笑いに混じって聞こえた名前は、仲間たちの調査で判明した港湾区の協力員の名と同じ。
「馬鹿言うなよ、お前たちみたいな声のでかい阿呆連れて行ったらシイラさんがひっくり返っちまわァ」
「……シイラだって?」
 そして、ジェフリーが返すセリフにも聞いた名前。間違いない。確信したエレナは、ジェフリーの跡をこっそりと尾行する。
 程なくして、ジェフリーがたどり着いたのは冷蔵用の大型倉庫。キョロキョロと周囲を見回すジェフリーのもとに、スーツ姿に白いフルフェイスヘルメットの男が現れた。
「シイラさん、今日もお世話になります」
 どうやらその男がシイラらしい。聞き耳を立てるエレナに緊張が走る。
「今日のこと、まさか誰にも話してないでしょうね。いいでしょう、それでは仕事の話をします」
 その計画は、あまりにも大胆だった。
 今夜、ジェフリーをはじめシイラに雇われた者たちがこの倉庫に備蓄された魚を運び出し、他の船団での営業を計画するインペリアルの船に積み込む。
 中の魚は今回のためインペリアルが仕入れたものだから、安心して"全部"運び出してほしい。
 ――そんなはずはない、とエレナは借りた制服のポケットにある港湾区の地図を見る。
 間違いなく、シイラの指す倉庫はインペリアルだけでなくふゑにくすや、その他にも多くの魚介料理を取り扱う店が借りている共用倉庫。インペリアルの貸し切り倉庫は、2ブロック先のはず。
 もしこの作戦を許してしまえば、
「インペリアル以外の店で、出せる魚がなくなる……? まずいぜこれは。皆を集めて阻止しなきゃ……!」

成功 🔵​🔵​🔴​




第2章 冒険 『食料倉庫の疑惑を解明せよ』

POW   :    食料倉庫の見張りに立ち犯人を捕まえる。

SPD   :    罠を仕掛けて犯人を捕まえる。

WIZ   :    仲間が捕まえた犯人から情報を引き出す。

👑11
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種別『冒険』のルール
「POW・SPD・WIZ」の能力値別に書かれた「この章でできる行動の例」を参考にしつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
 プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。



 夜。シイラが在庫移動と偽り、現地協力者を用いて魚を運び出そうとしている倉庫の周りに、猟兵たちは集っていた。
 倉庫街の地図を用意し、間違いなく共用であることを何度も確認し、準備を整える猟兵たち。やるべきことは、魚の持ち出しを阻止すること、それがインペリアルからの依頼であることを相手から自然に吐かせること、そして運び出されようとしている魚が、決してインペリアルのものではないことを示すこと。可能であれば、おそらくインペリアル――帝国の人員であるシイラを捕縛できるのが一番であろう。
 現場の撮影はインペリアルに苦汁を舐めさせられた寿司職人たちの有志が請け負うことになった。彼らも猟兵からインペリアルの行為が銀河帝国の侵略行為の前哨と知らされ、ついに立ち上がったのだ。
 複数の足音が近づいてくる。準備は万端、猟兵たちはこの船から寿司を奪おうとする帝国の策略に立ち向かうべく、略奪者に立ち塞がる。
東郷・三笠
POWで判定

暗視2を活かして食料倉庫の見張りに立つぞ
可能なら双眼鏡を用意して倉庫の屋根の上から見張る
うつぶせていれば注意深く見られない限りはバレないだろう
量が量だ
トラックの類いなしで運ぶなど出来まいし
一人二人で積み込むことも出来ないだろう
他の者に見られてもシイラは困るだろうしな
遠目から見てもトラックや船は見逃さないだろう

シイラ以外は騙された雇われみたいだから
注意深く観察して指揮している奴を見つけたら皆に知らせる
我も空中戦1を活かして追いかけよう

他の方との絡み歓迎




 深夜の倉庫街。
 シイラの指揮のもと、複数の輸送用トラックがごく自然に、しかし本来必要ではない区画に集まっていくのを三笠が遠く離れた別の倉庫の屋根の上から双眼鏡で見ている。
「……あれだな。量が量だ、必ず車両を持ち出すと思っていたぞ」
 艦隊司令の戦術眼は、インペリアルの動きを読んでいた。
 敵に見つからないよう伏せていた身を起こし、埃を払い落として用意した通信機で仲間たちに告げる。
「ねずみ共が動き出した、各員行動開始だ」
 不審なトラックからぞろぞろと降車する男たち。それを双眼鏡で一人ひとり確認し、三笠は指揮官を探す。頭であるシイラ以外は彼に騙されて集められた雇われ、ならばインペリアルの策略である証拠も、得られる情報もそう期待はできない。
 猟兵達が最優先で確保すべきはシイラの身柄、最低でも彼自身からインペリアルの関与の証拠を掴まねばならない。指示を出す立場の者を数人見つけ出し、それぞれを仲間たちに見張るよう告げると、三笠もまた自らの担当を監視しやすいポジションへと移動するのだった。

成功 🔵​🔵​🔴​

唐木・蒼
さて、どうしたものかしらねー?利用されてるとは言え悪事の片棒担いでて、しかもあからさまに怪しいこんな依頼を受けるような輩はキチンと捕まえたいわ。
【POW】
真正面で待ち構えてると警戒して逃げることもあるだろうし、罠を仕掛ける味方もいるかもだから…物陰から全体の人数と役割を見極めてから動きたいわ。
見張りがいるなら酔っぱらいのフリして、近くの物陰で音立てて倒れて寝たフリ、羽衣の「誘惑」で寄ってきた所に見えざる拳の「気絶攻撃」で顎を一撃。複数見張りがいれば同様に。
見張りを捕まえたら退路塞いで仁王立ち、逃げてくる前でUC使って戦意を削いでみましょう。当たったらマズイのでそこは慎重に。




 さて、どうしたものかしらね。
 蒼は内心でそうひとりごちて、眼の前を通過していくインペリアルに雇われた者たちを見送った。
 物陰から見張る自分と、屋根から見張る仲間。天と地からの視線でおおよその陣容を把握したならば、続いて突入する仲間たちの前に見張りを排除する段階に移る。
 実行部隊が倉庫に押し入ったのを確認して、蒼はふぅと一息。
「利用されてるとはいえ、こんなあからさまに怪しい依頼を受けて悪事の片棒を担ぐような輩はきちんと捕まえておかないと」
 確かに実行部隊は帝国軍の情報員であろうシイラに騙された一般人かも知れない。
 けれど、こうまで扇動に乗りやすく、騙されやすい人間が集まっているのだ。その上で猟兵が突入して逃げたり抵抗するようであれば、そんな人間は何かやらかす前に捕らえた方が吉だろう。
 すくなくとも、『ただの在庫移動』で見張りに立つことに違和感を覚えていないような連中は、問答無用でおしおきだ。
 酔っぱらいのフリをしながらフラフラと物陰を歩み出た蒼は、件の倉庫の近くでわざと立てかけてあったパレットを引っ掛けるようにして大きな音を立てて倒れ込む。
 すぐに何事か、と確認に来た見張りに、蒼は誘惑を叩き込んで。
「んへへぇ、お酒ぇ、まだのむぅのぉ……」
「なんだよ、酔っぱらいか……ほらお姉さん、こっちは倉庫街だぜ、飲み屋はあっち。ていうかもう飲むのやめとkおごっ!!」
 歩み寄り、肩を貸して蒼を起こそうとした見張りの顎に気合の籠もった一撃を打ち込み、脳を揺らして瞬時に無力化。
 軽く拘束して物陰に放り込むと、次なる見張りのもとでまたも音を立て、
「ん? おいお姉ちゃん飲み過ぎだぜ、そろそろはしごはやめてお家nがほっ!!」
 次々と見張りを無力化していくのだった。

成功 🔵​🔵​🔴​

ニコラ・クローディア
「ふぅん、なるほどね…大体わかったわ」
【世界知識】【情報収集】で該当する倉庫の見取り図を入手、出入り口になりうる場所や、想定される魚の持ち出し量から相手の使用ルートを割り出そうと試みる。これは相手の逃走を許した時の保険。
本命は魚を略奪する瞬間を狙っての待ち伏せ。
「こんなお時間に魚獲りなんて、働き者ね。でも、魚を捕るには倉庫は場違いじゃないかしら? 魚は釣るものよ」
言葉をかけつつも【早業】【スナイパー】【二回攻撃】の愛銃ティヴェロンで相手の足を撃つ。逃さないわよ、実行犯。
「なぜこんなことをしたか、素直に教えてくれないかしら?」
丁寧な口調で引き金に指をかけつつ【恐怖を与える】交渉に挑む。




「ふぅん、なるほどね……大体わかったわ」
 ニコラは前もって準備しておいた該当の倉庫の見取り図から視線を上げて、敵が行動を開始した報せに身構えた。
 見取り図を見れば、出入り口の配置と敵の侵入経路からその動きは凡そ想像がつく。なにしろ敵は倉庫ひとつ分の魚を運搬する必要があり、在庫移動を偽っている以上それを傷つけるような雑な移動は行えない。
 必然的に使用できる出入り口は限られ――あるいは、猟兵たちの突入で混乱し、職務放棄して逃げ出す者が出た場合もそちらを塞ぐ仲間たちがいる。
 そして見張りは外を包囲する仲間たちが排除した今、堂々とニコラはその姿を晒した。
「こんなお時間に魚獲りなんて働き者ね」
 聞き覚えのない若い女の声に、倉庫の中で食材をカートに積み込んでいた男たちが一斉に振り向いた。
「でも魚を獲るには倉庫は場違いじゃないかしら? 魚は釣るものよ」
 言いつつ、愛用の魔法式ライフル銃ティヴェロンから素早い射撃で動こうとする男たちの足元を撃ち機先を制したニコラは、その銃口をすぅっと男たちに這わせるように銃を揺らして微笑む。
「なぜこんな事をしているのか、素直に教えてくれないかしら?」
 優しい言葉は、時と場合によって相手に恐怖を与える。
 少なくとも遠慮容赦なく銃を撃ち放つ若い女に対して、男たちは恐怖した。一部が踵を返して逃げ出したのを、そちらを塞いでいるはずの仲間に任せて、脚が竦んで動けない者、勇気があるのか彼女を睨む者にもう一度ニコラは問いかけた。
「し、シイラさんに頼まれたんだ……在庫移動だよ、インペリアルの新店に魚を運べって!」
「ああ、そうだ。そりゃこんな深夜だ、怪しいかもしれんがれっきとした仕事でやってるんだ、銃を向けられる筋合いは――」
「あら、あなたがカートに積んだそのお魚、インペリアルじゃなくてふゑにくすの在庫よ?」
 何だって、とどよめく男たち。一方でニコラは、インペリアルの関与を録音したレコーダーを確かめ、ひとまずの戦果を確認するのだった。

成功 🔵​🔵​🔴​

鬼ヶ島・エレナ
【SPD】罠を仕掛けて犯人を捕まえる。

食料倉庫で魚を運びだそうとする奴らを押し止めて、次のように話す。

「オレぁあんまり頭良くねーから、バイク便や宇宙バイクで
バイトするときはいっつもしつこく言われるんだよ。
『伝票なくすなよ』ってな。
……ところでお前らよォ。
荷受け票とか出荷依頼書とか、ちゃんとした書類はあるんだろうなァ?
フェニックスから出荷するとき、伝票には
【未だに手書きでフルネームのサインをするのが習わし】だぜ。
【ジェフリーはワザとお前らに教えてなかった】みたいだけどなァ!」

……って感じで、カマかけして尻尾を出させたい。

もしこれが上手くいかないようなら、
犯人を捕まえる仲間達を手伝うつもりだ。




「よっ、お仕事ご苦労さん」
 複数の出入り口から同時に突入した猟兵達。エレナもその一人だった。
 魚を運び出している最中の男たちを呼び止めて、片手を挙げてまるで友人に接するように気楽に語りかける彼女の姿に、一瞬怪訝な表情をした男たちだが、同じ運び屋の空気を感じたのか、勝手に遅れてきた仲間かなにかだと納得した様子でお疲れさん、と口々に返してくる。
「おぅ、ところでさ――」
 オレかあんまり頭良くねーから、と自らの失敗談を語るように、エレナは男たちにカマをかける。
 伝票なくすなよ、荷受け票や出荷依頼書は持ってんのか? と。
「馬鹿にすんなって、ちゃんと持ってんぜ。シイラさんからきちんと預かってらぁ」
 その内の一人が取り出した伝票には、しかしインペリアルではなく巧妙に偽造されたふゑにくすのサイン。
「おいおい、お前それ間違ってるぜ。インペリアルの仕事なのにふゑにくすのサインになってるぞ。担当者のサインもねえな」
 シイラやジェフリーはそこ、教えてくれなかったのか? と男を心配するように振る舞うエレナ。
 男は伝票をしっかりと確認して、顔を顰めた。
「マジかよってマジだな……流石に伝票間違ったまま出荷は出来ねぇし……シイラさんに新しいの書いてもらわねえと」
「ああ、そのくらいならオレが代わりにやっといてやるよ、シイラさんはどこにいるんだ? 今此処に来てんのか?」
 まかせときな、と伝票をやや強引に受け取ったエレナに、男は頼んでいいか、とシイラの居場所を告げた。
「オーケー、ありがとな。じゃあちょっと行ってくるわ」
 互いに背中を向け、男たちはトラックに、エレナはシイラのもとに向かう――と見せかけ、呼び出した宇宙バイクに跨ったエレナの鮮やかな奇襲に男たちはあっけなく気絶した。
「これでこっちは実行犯の捕獲完了、っと」
 あとはシイラに感づかれる前に、仲間たちにその居場所を伝えて捕獲してもらおう。

大成功 🔵​🔵​🔵​

メイスン・ドットハック
【SPD】
全く共有倉庫のものを私物扱いとはのー
こいつはきつい仕置きが必要じゃのー

まずは搬入口に捕縛網のトラップを仕掛けておく(罠使い、地形の利用)
監視カメラにハッキングして、逃走経路をチェックできるように、画面を表示(ハッキング、情報収集)
搬入口に犯人が逃げてくるのをモニタで確認したら、防火扉を起動させて動きを止めて、捕縛網を起動

それでも逃げるようなら、出口扉に偽装させておいた気を隠すなら森の中で対応
起動条件:出口側の扉取っ手を触ること
起動すると粘着性の糸を放出して、束縛
その隙に仲間達に捕縛して貰う




「全く、共有倉庫のものを私物扱いとはのー。こいつはキツい仕置きが必要じゃの」
 仲間たちと別れ三つ目の搬入口に仕掛けたトラップを確認し、ハックした監視カメラからの視界で実行犯たちの動きを見ていたメイスンは己の出番に気合を入れる。
 正面から突入した猟兵の脅しで逃げた連中が真っ直ぐに向かってくるのを、防火扉を封鎖して誘導、そして出口で罠に叩き込む。
 鮮やかな手腕で実行犯を捕獲したメイスンだが、一方で敢えて歩くような速度で逃げ、仲間を囮に罠を確かめるように振る舞う男を見逃さなかった。そのやってきた方向や、捕らえられた犯人たちからの呼び声は間違いない、あれが仲間たちからの報告にあった実行犯の首魁、シイラか――。
 その堂々とした振る舞いと、それでいて警戒心に満ちた足取りは、そうだと思って見れば軍人のそれのようにも見える。メイスンはその様子に彼こそがシイラだと確信した。
 敢えてトラップを暴発させ、シイラがそれを躱すのを確認しながら、メイスンは最後に仕込んだ必殺の罠へと彼を追い込んでいく。
 最後の最後、最も派手な罠を躱して安堵しながら出口の扉のノブに手をかけたシイラに、最後の罠が牙を剥く。
「な、なんですかこれは!!」
 ドアノブに触れたことで起動した罠が、粘つく糸を放出する。
 蜘蛛の巣に囚われたように糸の団子になって転がるシイラを、姿を現したメイスンが見下ろした。
「策士を気取っとったようじゃが、僕のほうが一枚上手だったようじゃのう」
 やるべきことはやった。あとは、シイラから情報を絞り出すだけ。

成功 🔵​🔵​🔴​

モルツクルス・ゼーレヴェックス
【WIZ】
どもども尋問担当天使っす

「まあまあ、先ずはお話しを聞いてみるっす」

まずは【生まれながらの光】と【礼儀作法】で油断させてやるっす
優しい警官を担当するっす

「自分達、本当は貴殿方が悪いなんてこれっぽちも思ってないんす」

自分、【存在感】あるんで侮られないっすよね?

「ただ、不幸な行き違いは有ったに違いないんすよ。分かるっす」

罪悪感を煽りつつも、シイラやインペリアルが悪い、売れば助かるって希望を与え【鼓舞】してやるっす

「善良な市民を騙して犯罪に走らせる帝国の尖兵、許すまじっす!」

拳握りしめ【コミュ力】フル回転で演説、心に訴えるっす!

「さあ、一緒に悪者を追い詰めるっす!正義は我等にありっすよ!」




 猟兵たちに捕らえられ、拘束された上で集められた実行犯たちとシイラ。
 武闘派の女性陣が取り囲むように目を光らせる中で、ニコニコと友好的に前に出るのはモルツクルスだ。
「まぁまぁ。まずはお話を聞いてみるっす」
 実力行使のち威圧感を与えるのが女性陣なら、自分は優しく振る舞い警戒心を溶かす役割だ。
 友好的で優しい雰囲気を醸すモルツクルスに、既に実行犯たちの雰囲気は僅かに和らぎつつあった。シイラはフルフェイスの内でどんな表情をしているのか黙して語らないが、そちらはすぐに吐くとは最初から思っていない。
「こんなことしておいてなんですけどね、自分たち、本当は貴殿方がわるいなんてこれっぽちも思ってないんす」
 悪いのは、ええ。
 言外に特定の個人を示唆して、ちらりとシイラを見遣ることで実行犯達に、猟兵は誰が悪いのか知っているぞとアピールを忘れない。
 シイラがゴクリとつばを飲み込む音が大きく響き、男たちはもしかしてシイラに騙されていたのかと疑念に沈んでいく。
「貴殿方は悪くない。ただ、不幸な行き違いがあっただけに違いないんすよ。わかるっす」
「そ、そうだよ。俺たちは頼まれた仕事をしただけで……」
 食いついた。モルツクルスの優しい微笑みが、更に親身に寄り添うように存在感を増していく。
「ですよね。頼まれた仕事をこなしただけ、貴殿方はここにあった魚は全部インペリアルのだと言われていた……」
 それは誰に? そして、そのインペリアルの魚をどこに持ち出そうとしたのか?
 正直に教えてくれれば、これ以上酷いことはしない。騙された一般人にまで無用な危害を加えたりはしない。
 モルツクルスが希望を与えるように男たちを鼓舞すれば、いよいよ口を割るものは止まらなかった。
 シイラがやめろ、よせと訴える中で、男たちは口々にインペリアルからの仕事だ、シイラに頼まれたと事のあらましを詳らかにする。その中には風評による工作に加担したものも居たらしい。インペリアルの悪行の多くが明かされていった。
 その一部始終を録画したモルツクルスは、最後にトドメとなりうる言葉を暴露動画に添える。
「善良な市民を騙して犯罪に走らせる帝国の尖兵、許すまじっす!」
 拳を握りしめ、義憤に駆られる猟兵として、視聴者に訴えるモルツクルス。
「さあ、一緒に悪者を追い詰めるっす! 正義は我らにありっすよ!」

大成功 🔵​🔵​🔵​




第3章 ボス戦 『帝国騎士』

POW   :    インペリアルブレイド
【念動力を宿した「飛ぶ斬撃」】が命中した対象を爆破し、更に互いを【念動力の鎖】で繋ぐ。
SPD   :    ダークフォースバリア
自身に【鮮血の如きオーラ】をまとい、高速移動と【赤黒い電撃】の放射を可能とする。ただし、戦闘終了まで毎秒寿命を削る。
WIZ   :    インペリアルフラッグ
【念動力で形成した帝国の旗】が命中した対象にダメージを与えるが、外れても地形【を『帝国の領土』であると見る者に認識させ】、その上に立つ自身の戦闘力を高める。
👑17
🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​🔴​🔴​

種別『ボス戦』のルール
 記載された敵が「1体」出現します。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
 それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
 プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※このボスの宿敵主は💠山田・二十五郎です。ボスは殺してもシナリオ終了後に蘇る可能性がありますが、宿敵主がボス戦に参加したかつシナリオが成功すると、とどめを刺す事ができます。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。



「メルルーサ卿、緊急事態です!」
 インペリアルの店舗を任せていた副官が真っ青な表情で飛び込んでくるのを、事務所で帳簿をつけていた黒衣の男は呆れたように見た。
「"店長"、ここでは私は支配人です。卿はよしなさい」
 は、と居住まいを正した店長の顔色は、しかし未だにすぐれない。
「それで、どうしたのです? 私にまで案件を持ち込むとは。悪質なクレーマーでも出ましたか?」
 あまりにひどいようなら治安部隊を呼びなさい、相手の言うことに理があるなら私が出て詫びますが、と書類にサインを走らせるメルルーサはいつものように店長をあしらう。
「いえ、その……それが……」
 しかし、店長の言葉の歯切れは悪い。
「とにかく、これを」
 店長は最早言葉での説明を諦め、端末をメルルーサに渡した。
『善良な市民を騙して犯罪に走らせる帝国の尖兵、許すまじっす! さあ、一緒に悪者を追い詰めるっす! 正義は我らにありっすよ!』
 怪訝な顔で端末を操作し、動画を再生したメルルーサの表情が険しくなり、最後には端末を握りつぶす程にその肩を震わせ力を込める。
「猟兵……あくまで一企業として穏便に振る舞う極秘裏の作戦行動すら嗅ぎつけるとは、鼻のいい狗はこれだから嫌いなのですよ」
 支配人メルルーサ――帝国騎士メルルーサの身体を、黒い雷のような念動力が走る。
「シイラの不始末は後で始末しましょう。それで、この動画に踊らされる愚かな市民はどれほどで?」
「その、店舗前は既に暴動寸前です……スタッフ総出で鎮圧にあたっておりますが、何しろ勢いと数が多く……現地雇用のスタッフも離反し、最低限の人員で潜入していたことが完全に仇となったありさまで……」
 いいでしょう、とメルルーサは頷く。
 立ち上がり、厳重に鍵をかけてある帳簿の保管庫から愛用の剣を取り出すと店長の肩を押しのけて歩いてゆく。
「ど、どちらへ行かれるのですか、支配人!?」
「メルルーサ卿と呼びなさい、"副官"。何、馬鹿な民衆を掃除してこの船を制圧するだけです。こうなれば水面下からの支配は不可能でしょう、ならば帝国軍らしく力で誰が主か刻み込んで差し上げるまで」
 大勢の市民が詰めかけたFAST-SUSHI インペリアルの前に、帝国騎士ティラピア・メルルーサが姿を現す。
ニコラ・クローディア
「やっとお出ましだなぁ、支配人殿? いや、銀河帝国騎士殿と呼んだほうがよろしいか?」
あからさまに挑発する声音で、市民の間を割って出るようにしてメルルーサの前へ。
「おっと、一般市民に手を出そうと思わない方がいいぞ。なんたって生中継だ。どこの誰がアンタの無様な様子を見ているかわからねえよなぁ?」
生中継はハッタリ。
「まさか、たかが猟兵1人に、人質を取らなきゃやれないようなチキンじゃあるまい?」
可能な限り挑発して市民の安全を確保しようと試みる。
戦闘に入れば各種【耐性】でゴリ押しスタイル。グラップル、カウンター、怪力で強引に相手の防御を突破しUCを放つ。
アドリブ、連携等歓迎


モルツクルス・ゼーレヴェックス
この【世界の知識】はよく【学習】してきてるっすからね、帝国のやり口は分かってるっす!

【戦闘知識】を存分に活用してこの船って【拠点を防衛】してみせるっす!

【自己複製】で自分を増やし各所で指揮を執るっす!

「フェニックス6A-1の皆様ごきげんよう、自分達は猟兵っす!」

ここまで昂ってる民衆に【存在感】【コミュ力】【鼓舞】【礼儀作法】で協力要請して従ってもらうっす

「インペリアルこそは帝国の尖兵、寿司屋ふゑにくすをはじめ愛すべき【食】を破壊せんとする外道に打倒に協力してほしいっす!」

非戦闘員の避難誘導、艦って【地形を利用】して防衛装置による攻撃、戦闘員の方の遠距離掩護射撃!

猟兵のみんなが戦う場を整えるっす


メイスン・ドットハック
ほほう、お出ましじゃのー
馬鹿と侮った民衆にしてやられる間抜けな帝国騎士様の面は厚いようじゃのー

まずは市民を守るために奇を隠すなら森の中で、偽物を複製
市民の前面に置いて、メルルーサの攻撃から守る
偽装罠は、炸裂弾で、攻撃が当たった方向に矢や破片が飛び散る仕様
かなりの数を作りだして市民が逃げる隙と、メルルーサの市民への攻撃を抑制する

騎士の名が泣くのー。じゃけー、痛い目に合うのじゃけどのー。

そうやって挑発して攻撃を誘発させる(おびき寄せ)
そして閃光弾に偽装させた自分の複製を作りだし、相手に攻撃させる
目を潰している間に、味方に攻撃させる隙を作る




「ごきげんよう市民の皆さん、本日まで当店をご愛顧いただき誠にありがとうございます。残念ながら我々は経営方針の転換により、皆さんを排除してこの船を武力制圧する運びになりました。あのまま踊っていてくだされば、せめて多少は永らえたことでしょうが……残念です」
 店の戸を潜り、白日の灯の下に姿を現した支配人――帝国騎士ティラピア・メルルーサ。
 その男は正体を現してなお慇懃無礼な物言いを崩すこと無く、陰湿な手段で食文化の支配を図る帝国に怒り詰めかけた市民に刃を向ける。
「おっと、一般市民に手を出そうと思わない方がいいぞ。なんたって生中継だ。どこの誰がアンタの無様な様子を見ているかわからねえよなぁ?」
 その剣に待ったをかける者がある。市民の一歩前に歩み出たのはニコラ。この場が生中継されているというのはハッタリだ。だが、隠密部隊ならば僅かなりとも躊躇が生まれるかも知れない。その目論見が上手く行けば市民を逃がす時間が作れるし、お構いなしに攻撃を仕掛けてくるならば決定的にメルルーサ一行を悪として討てる。
「今更ですね。この船の防衛戦力などたかが知れています。貴方達を排除すれば、あとは時間の問題。私共の所属や行動が割れたところで何の問題もありません」
 わざわざ出てくるとは愚かですね、猟兵。そう嗤うとメルルーサは剣を振るう。先制の一撃は最早帝国軍がすべての策略を放棄し、「いつもの手段」に訴えるつもりであることを如実に現していた。
「うぉっ、いきなり来やがったなぁ! 腐っても騎士じゃねぇのか、あん?」
「私は騎士である以前に特殊任務部隊の隊長です。戦争に騎士道を求めるとは、流石猟兵お行儀がよろしいですね!」
 竜槍アンフィスバエナでメルルーサの斬撃を受け止め、切り払うニコラ。だが、背中に"市民"を抱えていては回避行動も満足に行えず、額に汗が滲む。
「おいおい随分遠慮なく打ってきやがるが、まさかたかが猟兵1人に人質を取らなきゃやれないようなチキンじゃあるまい?」
 挑発を交えてメルルーサの騎士のプライドを刺激し、市民を逃がそうと試みるニコラ。その言葉に、鍔迫り合いの最中でメルルーサはそうですね、と頷く。
「確かに、こうも障害物が多くては戦闘の邪魔ですね」
 そして放たれた黒雷の念動力が、市民たちの最前列を打ち砕く――!
「騎士の名が泣くのー。じゃけぇ、痛い目に遭うんじゃ」
 誰もが多くの犠牲を直感し思わず息を呑む中で、群衆に紛れていたメイスンだけは普段の調子でそう呟いた。
 最前列は彼女が作り出したトラップ、精巧に作られた仕掛け罠を内蔵したマネキンだ。
 木を隠すなら森の中、人型を隠すなら人の中。そして、敵を欺くにはまず味方から。搦め手を得意とする彼女の本領発揮たる罠は、最大の効果を以てメルルーサを襲った。
「くおっッ…………!?」
 弾け飛んだマネキンから指向性を持って放たれた矢弾を浴びるという奇襲攻撃に、メルルーサはたたらを踏んで店内に後退する。
 かろうじて顔面などを庇った帝国騎士だが、すぐの反撃は無理だろう。
「フェニックス6A-1の皆様ごきげんよう!」
「自分たちは猟兵っす!!」
 この隙を最大限に利用する。
 同じく群衆の中から、自己複製によりドッペルゲンガーを召喚したモルツクルス"達"が市民に呼びかける。
「インペリアルこそは帝国の尖兵、寿司屋ふゑにくすをはじめ愛すべき【食】を破壊せんとする外道に打倒に協力してほしいっす!」
 おお、と中年の男が。判った、と若いクリスタリアンが。何を手伝えばいい、と老いたウォーマシンが。
 自らの船を侵され、怒りと義憤に燃える群衆がモルツクルスの声に応える。
「あいつの相手は自分たち猟兵が引き受けるっす、皆さんは巻き込まれないように自分の安全確保を最優先にしてほしいっす! その上で、戦う意思がある人らは援護してほしいっす!」
 ありますよね、防衛用の設備。モルツクルスの確認に、覚えのある数人がすぐさまドッペルゲンガーを先導して駆け出す。
 事前にこの世界の艦艇の構造や帝国軍の戦術、そして人々がそれにどう立ち向かったかを学んできたモルツクルスの差配で群衆は猟兵たちを最大限に援護するため、店の前から走り去っていく。
 だがそれは逃走ではない。二人のドッペルゲンガーが陣頭指揮に立ち、それを本体が操ることで高度に連携した人々は、すぐさま警備用のドローンやタレットを立ち上げ、猟兵たちの援護に入った。
 決して帝国騎士に通用するほどの攻撃ではない。殆どを回避され、命中弾も剣で弾き返される。店舗を領土と定め、帝国旗を突き立て守りに入ったメルルーサに対しては全く焼け石に水の攻撃だ。
 だが。
「ええい、ちくちくと煩わしい攻撃ですね……!」
「馬鹿と侮った民衆にしてやられる間抜けな帝国騎士様の面は厚いようじゃのぉ!」
 その攻撃はメルルーサの集中を削ぎ、そこに飛び込んだメイスンの複製へと攻撃を誘い込む。
「うろうろ暗いところを歩いとる帝国騎士様を僕が照らしてやろうのー!」
 黒雷を受けた偽メイスンが砕け散り、店内を満たす閃光が爆ぜる。
「ッ、閃光弾! 小癪な手を使いますね、猟兵は!」
 メルルーサの視界が奪われた一瞬。その一瞬があれば充分。
「行くんじゃ!」
「任せとけ!」
 店内に飛び込んだニコラの連撃が、メルルーサを打つ。持ち前の腕力と技量で力強い攻撃を幾重にも繰り出すニコラに、メルルーサも抵抗こそすれど視界を奪われ注意力すら削がれた今、満足な反撃を放てない。
「陰謀にかまけて腕が落ちちまったんじゃねえか? それとも、帝国騎士ってのはこんなもんかよ。……今ここに真の姿を許す――ゆけ、アンフィスバエナ!」
 ついに守りを突き崩されたメルルーサのアーマーに槍が突き刺さり、その刃が二頭の火竜の顎門に変わる。
 業火が店内を突き抜け、窓ガラスを吹き飛ばした。 

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

唐木・蒼
やーっと黒幕さんのお出ましね?聞き込みとか待ち伏せとかそういうのも面白くはあったけど…やっぱりこういうわかりやすいのが一番好きだわ!
【POW】重視
正面戦闘は望むところ…なんだけど、これだけ人が集まってると少なくない巻き添えが出ちゃうわね。まずは避難させないと。敵は構わず攻撃してくるだろうから、身を呈して庇わないと。「激痛耐性」で我慢我慢。自分の身体ひとつじゃ足りないから、斬撃や旗はUCの狐火で相殺・破壊を狙いましょう。
避難完了したら向き直っていざ勝負!鎖で繋がれるのは逆にチャンス、向こうが離すまで「激痛耐性」頼りに見えざる拳「鎧砕き」で殴り続けるわ!
食べ物の恨みを思い知れってね!




「聞き込みや待ち伏せ、そういうのも面白くはあったけど……」
 分かりやすい殴り合いが一番好きだわ!
 爆発によって吹き飛んだインペリアルの店舗跡に飛び込んだ蒼。
 既に仲間たちが市民の避難を終えており、援護に付いてくれた人々も今はメルルーサに射線を取ることが出来ずにいる。翻せば、メルルーサからも彼らを攻撃する手段は無い。単純明快な殴り合いを、この焼け焦げた元店舗に居る帝国騎士と猟兵、その間だけで繰り広げる事ができる。
 不思議パワー、あるいは気合いを拳に纏わせ、燻る帝国騎士に躍りかかる妖狐に、メルルーサもまた視界を取り戻して即座に反応。手の中に作り出した帝国旗を投げ放つ。
「うわっとぉ!」
 迫りくる旗に狐火をぶつけ、相殺を試みる蒼。しかし突撃する蒼とメルルーサの相対距離は急速に狭まり、迎撃も間に合わない。
 その身を鋭利な旗の柄を貫かれる蒼だが、激痛に耐性のある彼女はそれでひるむことはない。
「いざ勝負よ、支配人さん!」
「私はそういう熱血だとか、そんな戦い方は嫌いなのですが!」
 新たに生み出された旗が振るわれ、蒼の拳を受け止める。
 拳を受け止めたメルルーサが、横合いから剣を差し込めば蒼の左拳がそれを弾き、そのまま反撃と勢いづいたところで崩れたバランスをメルルーサが一気に押し返す。
 そして再び蒼が肉薄し、拳を打ち込む――幾度も繰り返される衝突の末に、蒼にも傷が増えていく。
「私は戦闘はあまり得意ではないのですがね。そしてどうも貴女は接近戦がお得意のようですが、得意分野と苦手分野をぶつければ得意な側が勝つというのは、力量が同じ時の話ですよ」
 覚えておきなさい、と旗を振り翳したメルルーサ。その柄が蒼に突き刺さるその刹那、メルルーサの意識が攻撃に向いたその一瞬。
「私もあなたに覚えておいてほしいことがあるのよ」
 ――食べ物の恨みを思い知れってね!
 蒼の渾身の拳がメルルーサを打ち据え、両者ともにダメージを負って吹き飛ばされるように店内を満たす煙の中へと姿を消していく。

苦戦 🔵​🔴​🔴​

ハル・パイアー
「はっ、随分と野蛮でロイヤルなスシ・バーも有ったものだ。帝国騎士も多芸でなければ務まらんようだな?……さて、暴動のデータも規定値を取得済み。であれば多少なりとも助力をするべきか。」

小官は群衆より離脱。これより帝国騎士戦に介入を開始します。
SPD《バトル・インテリジェンス》起動。目的は主に帝国騎士の隙を作り出す事にあります。
基本は物陰に隠れつつブラスターでの[誘導弾]射撃。その間[戦闘知識]から推察した敵の動きを[見切り]、対処の難しい角度から[早業]集中攻撃を行い、敵を防戦状態に追い込みます。
至近戦を仕掛けられた場合は熱ブレード行使。攻撃を受け流しつつ[零距離射撃]で反撃を致します。




「ええい猟兵どもめ、全く野蛮極まる連中です……武力でしか戦争を考えられない連中がよくも……」
 煙を突き破るように後退を重ね、半壊したスシ・ドロイドの残骸に背中を預けて悪態を吐くメルルーサ。
 つくづく人員を絞り、戦力を最小限に抑えたことが悔やまれる。そもそもこの作戦を実行するに当たって、自ら陣頭指揮を執ったことも怪しまれぬよう最大限の戦力を持ち込むための苦肉の策。だが、それでも不足――あるいは、怪しまれてでも自分の代わりに替えの効く部隊を送り込むべきだったか。
 メルルーサが苛立ちに任せてスシ・ドロイドを殴りつければ、荒れた店内に金属がぶつかる大きな音が鳴り響く。
「はっ、言葉を返すようだが随分と野蛮でロイヤルなスシ・バーも有ったものだ。帝国騎士も多芸でなければ務まらんようだな?」
 その音を合図にするように、散らかった店内の物陰から声。
「いい加減しつこいですよ、猟兵!」
「お互い様だろう、帝国騎士!」
 誰何も無く放たれた黒い稲妻を間一髪障害物から飛び出して回避したハルは、伴ったドローンの戦術支援を受けながら帝国騎士メルルーサの技量を結論付ける。
 ――戦略的な着眼点は騎士としては悪くないが、段取りといい実戦能力といい、専門のエージェントや武闘派の騎士に一歩譲るどっちつかずな男。
 これが完全に策略専門のエージェントであったならば、市民の暴動に対して何重にも策を講じてこれを未然に抑え込み、そもそも猟兵の介入すらギリギリまで許さなかっただろう。
 あるいは軍事に特化した騎士であれば、はじめから此処を武力制圧した上で知らずに接近した船を襲うなどもっと直接的で短期的だが被害の大きな手段を選んだだろう。
 支配による敵の弱体と自陣の強化。欲を掻いたメルルーサという男は、
「所詮、中途半端ということだ!」
 黒雷が座席やカウンターを粉々に粉砕しながらハルを追う。
 逃げるハルは、その攻撃パターンを早々に見切ると飛び出した瞬間、メルルーサが狙いをつけたそのタイミングを狙って誘導弾を放つ。
「ちょこまかと! 飲食店で害虫のような動きをするんじゃあありませんよ、猟兵ッ!」
 その弾丸を深紅のバリアで防いだメルルーサ。だが、射線をずらしながら死角に回り込むハルに防戦を強いられる。
 じりじりと押さえ込まれていく帝国騎士が、ついにダメージを覚悟で防御を解き、攻勢に転じたその瞬間。
「焦ったな、帝国騎士!」
 飛び込んだハルのヒートブレードが僅かに綻んだバリアを切り裂く。
 そして、その裂け目から捩じ込まれたブラスターが帝国騎士メルルーサを貫く――!

大成功 🔵​🔵​🔵​

東郷・三笠
ふん、目論見が崩れて直々にお出ましか
ご苦労なことだ
まぁ、探す手間が省けた
決着をつけようか!
東郷・三笠、推して参る

POWで判定

市民には避難するよう警告する

殺気2を放ちつつ空中戦1で空間移動
装備のアサルトシールドフィールドを盾受け7で使用しつつ『タケミカヅチ』を一斉発射11、鎧無視攻撃8を用いて攻撃

距離を詰めたら捨て身の一撃2、覚悟2でカウンター3を狙いつつ零距離射撃1でフルバーストマキシマムをぶっ放す
「消し飛ぶがいい!」

アドリブで他の方との絡み歓迎


スター・レイガン
HAHAHA,オッケイだ!もう隠密の必要はない!
私が行くとどうやっても隠密にならないから遠慮をしていたが、闘いなら寧ろ私の専門分野さ!

さあ、善良なる市民諸君、ここからは我々の仕事さ。少し離れたところでポップコーンかSUSHIでも食べながら観戦していてくれ給え!

【POW】
まずは牽制だ。【空中戦】で上空から直線で加速しながら【スターパンチ】を放って着地。

着地後【光線銃】を市民に当たらないように撃ちつつ敵の方向に``当たらないように``撃つぞ。

そしてメルルーサ郷に正面から【2回攻撃】付きの【スターパンチ】
そこに加えて、敢えて外した光線銃の弾を【Round-Trip-Shot】で反転させ、挟み打ちだ!




「HAHAHA、オッケイだ! もう隠密の必要はない!」
 激闘の余波で炎も掻き消え、そして火災によって電気系が焼失したインペリアルの店内は薄暗い。薄暗いはずだ。いや、事実暗かったのだ。
 ――彼が踏み入った、その瞬間までは。
 その男は光っていた。自信に満ち、正義を信ずるその表情は輝いていた。
 レイディアントなスペースヒーロー、キャプテンレイガン。彼の輝きは、陰謀という闇に覆われたこのインペリアルの店内にあって今度こそ誰にも無駄とは言わせない。
 シイラ一味への伏撃は、その輝き故に目立つからと辞退したキャプテン。だが敵の首魁、メルルーサの打倒においては最早誰にも遠慮をする必要などないし、帝国騎士との闘いはキャプテンの得意分野でもある。
 堂々とフェニックスの空を飛翔し、インペリアル直上から急降下。拳で屋根を突き破りメルルーサの眼前にスーパーヒーロー着地でもって登場したキャプテンが笑う。
「さあ勇敢なる戦友諸君、ここからは私の仕事さ。君たちはポップコーンかSUSHIでも食べながら観戦していてくれたまえ!」
 立ち上がり、拳に付いた埃を払って銃を構えるキャプテン。
「……折角の申し出だが、寿司を食べるのはこいつを倒してからとしよう。君も一緒にどうだ?」
 その隣に並ぶように歩み出る三笠。彼女もまた、メルルーサとの決着を付けるべく店内に踏み込んでいた。
 広いとはいえど、決して三次元機動戦闘に充分とは言えないインペリアルの店内で、三笠はアームドフォート・タケミカヅチを展開して戦闘に備える。
 宇宙船アトランタ奪還作戦、そしてエイハブⅨ防衛戦。二度の闘いで帝国騎士を相手に共闘した三笠とキャプテンは、互いの戦術を知っている。
 ――機動戦を挑み肉薄し、大火力を直接叩きつける。
 それが拳なのか砲火なのかという違いはあれど、こと過程と結果において二人の戦術はよく似ていた。
「素敵なお誘いだ、Lady! ではメルルーサ卿、行こうか!」
「決着をつけよう、東郷三笠、参るッ!」
 重装備を感じさせない軽快な動きで跳んだ三笠と、地上からまっすぐに突撃するキャプテン。
「ちぃっ、この上に解放軍の将校と……ヒーロー趣味の猟兵ですか、貴方がたは一体どこまで帝国に歯向かいたがるのです!」
 殺気を放つ三笠にメルルーサの斬撃が飛ぶ。それを三笠は防御フィールドで受け流し、絡みつく鎖を無視して連続砲撃を叩き込む。
「閉鎖空間でどれだけの火力を……! 貴方がた猟兵は、守る側より沈める側のほうが向いているのでは!?」
 無論、この程度で揺らぐ艦船ではない。だが、言葉で戦ってきたメルルーサの抵抗もまた剣と言葉であった。
 あるいはここで、もしかして船に被害が及ぶのでは……と、三笠一人ならば考えたかも知れない。だが、
「大丈夫だLady! この程度で穴が開くヤワな船ではないさ! もし万が一があっても私が塞いでみせる!!」
 敢えて狙いを外した射撃でメルルーサの回避を封じつつ、しっかりと着弾地点を見ていたキャプテンが頷く。
「尤も、そんな心配より先に私達が彼を倒すほうが早いだろうがね!」
 三笠の弾幕を陽動に距離を詰めきったキャプテンの必殺のスターパンチがメルルーサの顔面を捉える。
 陰謀の騎士の仮面が砕け、その身体が糸の切れた人形のように吹き飛ばされた。
「……がふっ!」
 血反吐を吐いて膝をつくメルルーサ。そのボロボロになった身体が、再び立ち上がろうと脚に力を込める。
「…………貴方がた猟兵は……貴方がた解放軍は……いつもいつも我々の邪魔をする! 利用価値があるうちはなるべくなら生かしてやろうという私の慈悲を理解しない俗物共め、貴方がたが介入をするから犠牲が増えるのです! そのくせに正義気取りとはまったく、まったく度し難い!!」
 顎を伝う血を拭って喚き散らすメルルーサが、二人に剣風の嵐を叩きつける。
 策を失し、武で及ばず、影から日向に引きずり出された策謀家、サー・ティラピア・メルルーサ。
 その最期の抵抗はあまりにも見苦しい。故に、
「もういい、これ以上語るな。――消し飛ぶがいい」
「ああ。作戦が失敗した時点で諦める勇気が無かったのが君の敗因だ」
 一気にゼロレンジに詰めた三笠の、最大出力を湛えた砲門がメルルーサのアーマーに衝突する。
 その接近を援護するためにキャプテンが命中せぬよう放った牽制のレーザーが、まるでその時を待っていたかのように宙で止まり、メルルーサの背中に狙いをつける。
「このッ……穏便な支配を提案してやった私の温情を理解できない、愚か者どもめ――」
 前後からの光の奔流が、帝国騎士メルルーサの暗躍を焼き尽くした。


 かくて、フェニックス6A-1にて繰り広げられた帝国軍の陰謀は終息を迎える。
 メルルーサに率いられた潜入部隊は、指揮官を失って混乱したところを猟兵たちの手で各個撃破され、船内から帝国軍の部隊は一掃されたと言えるだろう。
 帝国軍に唆され陰謀に加担してしまった人々には、それ相応の処分が下ったものの、概ねとして諸悪の根源たる帝国軍が居なくなったことで、大きな混乱もなくフェニックスはインペリアル出店前の様子を取り戻しつつある。
 そんな平和をフェニックスに取り戻した猟兵たちは、寿司処ふゑにくすの二代目大将が手ずから握った新鮮な寿司を頬張りながら、一つの船を救った達成感と新鮮な宇宙の幸の味に笑みを浮かべるのだった。

成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​



最終結果:成功

完成日:2019年01月10日


挿絵イラスト