3
炎の包囲網

#ダークセイヴァー

タグの編集

 現在は作者のみ編集可能です。
 🔒公式タグは編集できません。

🔒
#ダークセイヴァー


0




●燃える南瓜
「ギャハッハッハァァァーッ!!」
 小さな村に響き渡る、大きな狂った笑い声。辺りに漂うのは、焼けた臭い。
「ギャハハハハ!燃えろ燃えろ、燃えちまいなァァァッ!!」
 燃える南瓜を頭に被るのは、炎を操るオブリビオン、ジャック・ザ・カーニバル。
 髑髏の炎を周囲へ撃ち込んで、民家などの建造物を次々に燃やして行く。
「さあ来い、さあ来い!来いッ来いッ来いィッ!俺達の炎で焼き尽くしてやるぜエエエェェェェッ!!!」
 火力を上げると、その強烈な炎で村を焼き尽くしていく。

●グリモアベース
「やあ、どうもこんにちは。今日はダークセイヴァーで予知がありましたよ」
 猟兵達を呼び止めると、ウィルバー・グリーズマン(ウィザードもどき・f18719)は話し出す。
「大きめの農村に、ジャック・ザ・カーニバルと言うオブリビオンが現れて、民家などを燃やしているのですよ。これを撃退して頂きたい」
 農村から少し離れた場所には、大規模な畑がある。
 まだ無事ではあるが、これを燃やされれば、住民は生きていく事すら困難になるとの事だ。
「ジャック・ザ・カーニバルが現れてすぐに住民は逃げ出しましたので、人的被害は今のところゼロですが……」
 時間が経てば人間にも危害が及ぶだろう。
 それらの理由で、放置はできない。
「それと何でしょうね……予知に違和感があるのもそうですが、オブリビオンの言動が何だか妙な気がするんですよ」
 首を傾げつつも、ウィルバーは続ける。
「『来い』とか誰かが来るのを待っている様だったり、『俺達』とか他にも誰かが居る見たいな言い方だったり……」
 ただの言い間違いである可能性も十分にあるが、どこか引っ掛かる。
「何かが来る可能性も否めませんので、用心して挑んで下さい。まぁ、来たら来たでそっちの殲滅もお願いしますね」
 涼しい顔で無茶振りするが、ウィルバーなりの信頼なのだろう、多分。
 そうしてウィルバーは、猟兵達を見送るのだった。


小強欲
 こんにちは、小強欲と申します。
 詳しい内容はOP の通り。

 一章ではジャック・ザ・カーニバルとの戦闘。
 それ以降も恐らくは戦闘です。

 それでは、楽しいプレイングをお待ちしております。
35




第1章 ボス戦 『ジャック・ザ・カーニバル』

POW   :    汝、肉に別れを告げよ
戦闘中に食べた【肉】の量と質に応じて【炎が活性化し】、戦闘力が増加する。戦闘終了後解除される。
SPD   :    ヘルファイアゴースト
レベル×1個の【髑髏】の炎を放つ。全て個別に操作でき、複数合体で強化でき、延焼分も含めて任意に消せる。
WIZ   :    ジャックブレイズ
対象のユーベルコードを防御すると、それを【頭頂部の炎に映し出し】、1度だけ借用できる。戦闘終了後解除される。

イラスト:イプシロン

👑11
🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

種別『ボス戦』のルール
 記載された敵が「1体」出現します。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
 それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
 プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※このボスの宿敵主はネフラ・ノーヴァです。ボスは殺してもシナリオ終了後に蘇る可能性がありますが、宿敵主がボス戦に参加したかつシナリオが成功すると、とどめを刺す事ができます。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。

尾崎・ナオ
ハロウィンには早いんじゃないか?これから夏って時期なんだから辞めてよね。ただでさえ梅雨どこ行ったってくらい最近暑いんだから…って、そっかダークセイヴァーか。UDCアースじゃなかったな。

敵UC、WIZでコピーされるのが一番面倒だと感じた。最悪コピーされても良い物で挑まないとって考えた上でUCは【ナイフいっぱい☆】を使おうと思う。

今回の戦い方は、率先して攻撃するって感じじゃなくて、敵行動を待って回避してから攻撃って感じにしようかな。敵は1体だから、距離しっかりとって【第六感31】フル稼働でUC攻撃をするよ。UCも一斉に発射するんじゃなくて、フェイント掛けたり高さとか変えて変化球満載で打ってみよう。



「ギャハハハハッ!!燃えろ燃えろ燃えろぉぉうッ!!」
 超が付く程のハイテンションに家を焼き続けるジャック・ザ・カーニバル。
 最初にジャックの前に現れたのは、尾崎・ナオ(ウザイは褒め言葉・f14041)だ。
「ハロウィンには早いんじゃないか?」
「来た、来た来た来たなァ!猟兵ィ!!……ハロイン?」
 ジャックの燃える南瓜が更に燃え盛る。ハロウィンの事は知らない様子だ。
「これから夏って時期なんだからやめてよね。ただでさえ梅雨、どこ行ったって暑いんだから……」
 とてもうんざりとした表情でジャックを見るナオ。
「……ハァ、ハロイン?ツユゥ?」
 聞き慣れない言葉に首を傾げるジャック。
「そっかダークセイヴァーか。UDCアースじゃなかったな」
「何を訳の分かんねえ事を言ってんだァ!?ああゴラァァァッ!!?」
 ハイテンション過ぎるジャックを見て、凄く面倒臭そうな顔をしながら、大量の黒いナイフを浮かせるナオ。
「あーもー、ウザぁい……!」
 ジャックから距離を取りつつ、黒い拳銃を構えるナオ。
 そんなこんなで戦いが始まる。

「ショォォタアァァァイムゥゥッッ!!!!」
 村全体に響き渡るかの如き大声で叫ぶジャック。
 口から吐き出される、炎の髑髏。
「逝けやァ!猟兵ィィィィッ!!!」
 不規則に動く髑髏は、ナオに向かって襲い掛かる。
「うへぇ、気持ち悪ぅい……」
 ナオはナイフを宙に浮かせたまま第六感を働かせて、炎の髑髏を待ち構える。
 骸骨は不規則な動きではあるが、攻撃ではなく合体に重点を置いている動きだと直感で気付くナオ。
 弧を描く炎の髑髏をナイフの投射で破壊し、合体を阻害して行く。
「アァッ!?おい止めろ馬鹿野郎ッ!!数は有限なんだゼェッ!?」
「イヤに決まってるでしょー」
 次々と髑髏を撃ち抜いていくと、ジャックが怒って近付いて来る。
「許さねえぞゴラァッ!!ぶっ潰してや……」
 不用意に近付いた為、大量のナイフで斬り裂かれるジャック。
「いぃ、痛えだろこの野郎ッ!!テメエに人の心はねえのかァ!!?」
 突っ込むのも疲れたのか、無言でナイフを操ってジャックを斬り裂く。
 ついでに拳銃も撃って撃って撃ちまくる。
「聞けよッ!俺の話ッッ!!」
 一方的に攻撃されるジャック。
 流石にマズいと感じたのか、その場から逃げようとする。
「ていっ」
 背を向けたジャックに全てのナイフを発射。
「痛えッ!畜生ッッ!!なんて事しやがるこの黒女ッッ!バーカッ!!」
 低レベルな暴言を吐きつつ、逃げていくジャック。
「……はぁ、疲れた」
 ナオは無傷で勝利した筈なのだが、酷く疲労していた。何故だろう。

大成功 🔵​🔵​🔵​

鳩麦・灰色
確かにウチらを誘ってるような言動しとるな。でも助けに行かん訳にはいかへんし
何あっても対応出来るよう、しっかり警戒しとかななー


戦闘では回避壁役に

会敵と同時に周囲を消火し延焼を防ぐ
その際武器と、強い音波で空気を振動させることで火の勢いが落ちる現象を利用【武器改造7、衝撃波8】
加えて煽り注目させる【存在感1】
「悪いけど、この程度やったらウチがすぐ消すからよろしくー」

狙われればUCを使用しつつ畑や味方に延焼しないよう気を付けて回避に徹する【地形の利用10、見切り6、第六感5、ダッシュ5】
でなければ消火しつつ振動音で強化した武器で直接叩く
なお可能ならUCは回避の為と同時に他の敵の索敵にも利用する



「カ、カモォォォン猟兵ィィィ!!!俺はここにいるぜェェッ!!」
 先程ボコられたからか、少し言葉が吃っているジャック・ザ・カーニバル。
 その様子を物陰から見ているのは、鳩麦・灰色(音使いおおかみ・f04170)だ。
「確かにウチらを誘ってるような言動しとるな……でも助けに行かん訳にはいかへんし」
 改造された鉄パイプを持つと、灰色は警戒しながらジャックへと近付く。

「次はテメェだなァ!!オラオラオラオラァッ!!!」
 掛け声と共に周囲へ髑髏の炎を放つと、家や地面が燃え上がる。
「成程、結構威力はあるんやね」
 灰色はそれ見て、鉄パイプを真上に持ち上げると、一気に振り下ろす。
 音波振動がされ易い改造鉄パイプによる一撃は、周囲に強烈な音波を発生させた。
 その音波は空気を振動させ、周囲の炎の勢いを瞬く間に落として行く。
「うる、っせえェェェ……お、俺の炎が……テメェ!何をしやがったッッ!」
 灰色に指を差すジャック。
「さぁてなー?」
 何食わぬ顔をしてジャックを煽る灰色。
 ジャックは憤慨し、またもや周囲に髑髏の炎を放つ。
 しかし、同じ様に音波で消されてしまう。
「悪いけど、この程度やったらウチがすぐ消すからよろしくー」
「ググググググ……!!!こうなりゃ近付いて……ッ!」
 灰色に近付き、巨大な掌を振るって攻撃を仕掛けるジャック。
 軽く鉄パイプで地面を叩くと、小さな音波が発生。
 音波がジャックに触れると、灰色はその動きを把握し、完全に見切った。
「よし、次々と行くでー!」
 動きを見切ってしまった以上、もはやジャックに抗う術はない。
 ジャックの攻撃は軽々と避けられ、その隙を狙われて頭を鉄パイプで殴られる。
「痛えだろうがッ!!脳みそが破裂したらどうするつもりだゴラァッッ!!」
「……脳みそあるんやなー」
 突っ込みつつも、ガンガン鉄パイプで殴りまくる灰色。
 すると、ジャックが手を前に出して来る。
「おっと、ちょっと待ちなッ!!」
「な、なんや……?」
 手の動きを止める灰色。すると、ジャックは……。
「じゃあなッッッッッ!!!!」
 全速力で逃げた。もう勝てないと踏んだのだろう。
「えっ……ちょっ、待て待てー!?」
 灰色はジャックを追い掛けるが、すぐに見えなくなってしまった。
 戦闘では無傷ではあったが、結構走ってしまったので、割と疲れた灰色だった。

 ジャックはこれを狙ってやっているのだろうか。
 今の所は、猟兵達をかなり疲労させる事に成功している。
 中々侮れない奴なのかも知れない……。

大成功 🔵​🔵​🔵​

愛久山・清綱
これ、カボ助。出てくる時期が4か月弱早いぞ。

……って、暢気なことを言っている場合ではないな。
畑にたどり着かれる前に倒さなければ。
■闘
水の力でもあれば優位に倒せたかもしれんが……ないからな。
まあ良い、いつも通り戦えばいい話だ。

大なぎなたを片手に敵が密集している場所へ【ダッシュ】で接近、
【怪力】を込めた大ぶりな【剣刃一閃】で【範囲攻撃】を仕掛ける。

攻撃すると同時に【恐怖を与え】、敵の戦意を削いでやろう。
『捕食者』が来たことを思い知らせてやるのだ。

敵が炎を放ってきたら【オーラ防御】を纏い、【武器受け】で払う。
避けられそうなら、動きを【見切り】ながら避けてやれ。

※アドリブ歓迎です



「ハァ、ハァ、ハッハッハァー!!次の相手はどいつだアァァー!?」
 物凄く疲れても尚、ハイテンションで声を上げるジャック・ザ・カーニバル。
「これ、カボ助。出てくる時期が4か月弱早いぞ」
 愛久山・清綱(飛真蛇・f16956)がジャックの後ろから現れて、そう突っ込んだ。
「カボスケじゃねえッ!俺の名はジャック様だァー!!……何で4か月?」
 首を傾げるジャックを見ながら、巨大な『大なぎなた』を構える。
(「暢気なことを言っている場合ではないな。畑にたどり着かれる前に倒さなければ」)
 ジャックも手を構えると、ニヤッと笑う。
「ヘッ、やる気満々じゃねえかァ……!来いよカラスッ!!」
「カラスではない……!」
 突っ込みは忘れずにして、戦いが始まった。

 大なぎなたを片手に、高速でジャックへ接近する清綱。
「オラアアァァッッ!!!」
 火を宿した手で殴り掛かるジャック。
「……ハァッ!!」
 全身の力を込めた豪快な一撃。
 炎ごとジャックの手を斬り裂き、深手を与える。
「おおおおおぉぉッッッッ!!!?」
 予想以上に力強い一撃を受けると、すぐに後ろへ跳ぶジャック。
「な、な、なんだテメェ!何をしやがった……!?」
「何を……?ただ斬っただけだが」
 大なぎなたを再度構えると、ジャックへと近付く。
「マジかよ……これはヤベェ、なら俺も本気を出さねえとな」
 静かになるジャック。
(「む……雰囲気が変わった?」)
 直後、傷付いた自分の腕を食べ出すジャック。
「なっ……!」
 清綱はそれを見て驚愕。
「…………マズいっ!」
「……それはそうだろうな」
 呟きに突っ込みつつも、警戒を続ける清綱。
「だが、パワーが上がってきたぜ……炎が活性化するぜェェッ!!」
 頭が燃える、身体から炎が噴き出る。
 肉を食べる事で、全ての能力が強化され、炎の活性化したのだ。
「虚仮威しでは無いようだな……行くぞ」
 駆ける清綱。
「行くぜ行くぜ行くぜェェェ!!!燃えろおおぉッッ!!!」
 発せられた炎は先程とは比べ物にならない。
 大なぎなたを大きく振るうが、それでも全ては消しきれない。
「ここは……押し通るッ!」
 オーラによる防御を纏うと、そのままジャックの元へと突き進む清綱。
「なあッ!?まさかッ!!」
 防御を固めるジャックだが、清綱の一撃はそれでは防げない。
「受けてみよ、我が一撃ッ!!」
「うおおおおおおッッ!!?」
 そのまま遥か向こう側へと吹き飛ばされるジャック。
 片腕を失い、戦闘力もかなり落ちている。もう長くはないだろう。
「……くっ、少し体力を削がれたか」
 炎による攻撃によって、少しだが体力を消費した。
 この後にも戦いがあるかも知れない。そう考えて、体力を温存する清綱だった。

 今回の戦いも完全勝利と言っても良いのだが、ジャックは確実に猟兵達の体力を削いでいる。
 ……実は有能なのではないだろうか。

大成功 🔵​🔵​🔵​

古上・薺
ほほぅ、ここがだぁくせいばぁなる地かの
中々に鬱々とした場所じゃな

さて、件の南瓜は…清々しいほどに燃え上がっとるのじゃな
焼き南瓜は甘くて旨いが、それはそれ
わし様の前で中途半端な火を操るとは、灰塵と化したいと受け取って良さそうじゃ
覚悟は、よいかの?



さて、此奴の火なればわし様の衣である程度は防げるかの

攻めは狐火を四方に狐火を飛ばし延焼させ、わし様とあ奴を封じるように炎の垣根をこしらえ、閉じ込めて見るかの
逃げれぬとなれば距離を詰めて来るじゃろうがそこは、それ
周りを覆った狐火を駆使し、簡単に近づかせぬよう立ち回り霊符や扇にて牽制して行こうかの
最後に周囲の狐火にて天涯まで覆いあ奴に向けて叩き落とすとしよう



(「ほほぅ、ここがだぁくせいばぁなる地かの。中々に鬱々とした場所じゃな」)
 古上・薺(傲岸不遜な箱入り狐娘・f03595)は、初めて訪れた世界を見ながら、考えていた。
 オブリビオンの完全な支配下にある、夜と闇の世界……。
 他の世界と比べると、かなり異質な物なのだろう。
「ハッハッハァァ……つ、次の相手は……ハァ、ハァ……」
 先程までのテンションは何処へやら。
 声が掠れ、足がプルプルと震えているジャック・ザ・カーニバル。
 しかし炎は衰えを知らず、煌々と燃え上がっている。最期の煌めきだろうか。
「清々しいほどに燃え上がっとるのじゃな」
「ハッハッハァァ、テメェが次の相手か……」
 更に頭を燃え上がらせるジャック。しかし、薺は全く動じていない。
「焼き南瓜は甘くて旨いが、それはそれ……。わし様の前で中途半端な火を操るとは、灰塵と化したいと受け取って良さそうじゃ。……覚悟は、よいかの?」
「ち、中途半端だとォ……!舐めんじゃねえぞこの白狐がァ……!」
 薺の言葉にキレるジャック。
 片手を握り締めると、そのまま真っ直ぐに駆け出した。

「叩き潰してやるぜェ……!」
 薺の元へと真っ直ぐに走るジャック。
「どれ、遊んでやろう」
 狐火を四方に飛ばすと、薺とジャックを閉じ込める形で、炎の垣根を創り出す。
「なっ、なんだこりゃぁ……お、俺を炎に閉じ込めたってのか!?この俺をッッッ!!!?」
 ジャックは今までで一番の怒りを感じている。
 炎を操る者に、まさか炎で対抗するとは思っても見なかったのだ。
「…………。逆に落ち着いたぜ、やってみろや白狐」
 怒りを通り越して、恐ろしく冷静になるジャック。
「言われずとも」
 薺は狐火を自身の周囲に展開する。
 ジャックはそれを見てから、薺へと駆け寄る。
「燃えよっ、南瓜っ!」
 退きながら、妖扇『焔』を突き付けると、幾つかの狐火がジャックを襲う。
「それを待っていたぜ……!ジャックブレイズッ!!」
 防御に全ての力を注ぎ、狐火の防御に掛かるジャック。
「ガアアアァ……ッ!!言うだけの事はあるじゃねェか……ッ!!」
 炎を操るジャックに対しても、かなりの威力を誇る狐火。
 しかし、全てを防御に回したジャックはそれを防ぎ切った。
「さあ、お返しだぜェ……燃え尽きろやアアァァッッ!!!」
「ほうっ!妙な技を使うのう……!」
 先程受けた狐火と全く同じ物を呼び出した。
 狐火は同時に薺へと放たれて、あっと言う間に飲み込んでしまう。
「ギャハハハハハアァッ!!炎勝負は、俺の勝ちだァッッ!!」
 高らかに笑うジャック。
「何を勘違いしておるのじゃ?」
 炎の中から聞こえる声。
 ジャックはすぐに笑うのを止め、声のする方向に目を向ける。
「この程度の火、わし様には通用せぬぞ」
 ジャックの反撃が全く効いていない。
 本人の火の耐性もそうだが、『狐姫羽織』も火に強い。
 それら二つが合わさると、ジャックの実力では勝ち目が無いのだ。
「チッ……終わりか。ま、しゃあねえな」
「案外と潔いのう。では、さらばじゃ」
 周囲の狐火を、全てジャックへと放つ。
「……だが、ここからが本当の勝負だぜェッ!あばよォ、猟兵共ォッッ!!」
 最期に狂った様に笑いを響かせると、ジャックはそのまま燃え尽きてしまった。

大成功 🔵​🔵​🔵​




第2章 集団戦 『篝火を持つ亡者』

POW   :    篝火からの炎
【篝火から放たれる炎】が命中した対象を燃やす。放たれた【赤々と燃える】炎は、延焼分も含め自身が任意に消去可能。
SPD   :    篝火の影
【篝火が造る影に触れた】対象の攻撃を予想し、回避する。
WIZ   :    新たなる亡者
戦場で死亡あるいは気絶中の対象を【自分と同じ姿の篝火を持つ亡者】に変えて操る。戦闘力は落ちる。24時間後解除される。

イラスト:トギー

👑11
🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

種別『集団戦』のルール
 記載された敵が「沢山」出現します(厳密に何体いるかは、書く場合も書かない場合もあります)。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
 それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。


 ジャック・ザ・カーニバルを倒した猟兵一行。
 周囲の闇から大量の灯りが点く。

「ジャック様が役割を果たした……次は我等だ。行くぞ」

 ゆらりゆらりと燃える炎。
 亡者達は篝火を持って猟兵へと近付く。
 炎の包囲網、此処に有り。
愛久山・清綱
幾多の亡者が、篝火を持ってぞろぞろと歩いている。
まさに「鬼火」というべきか。

彼等がその魂を穢す前に。救わねばなるまい……

■闘
亡者たちの魂を祓うため、刀に【破魔】の力を宿す。
魂を導くことも、巫覡の務めだ……

しかし、また炎の使い手か……攻撃が来たら【オーラ防御】を
用いて炎が羽に燃え移らないようにしなければな。
回避が狙えるなら、炎の軌道を【見切り】ながら避ける。

炎を凌ぎきったら【空薙】を用いて敵が密集している場所に
【範囲攻撃】を仕掛け、大量撃破を狙う。
UCを放つ時は【早業】の抜刀術で発動時間を短縮し、攻撃後に
すぐ別の行動を取れるようにする。

※アドリブ・連携歓迎



 暗い闇を照らす、無数の篝火。
 愛久山・清綱(飛真蛇・f16956)はそれを静かに見詰めていた。
「幾多の亡者が、篝火を持ってぞろぞろと歩いている。まさに『鬼火』というべきか」
 彼等の怨念がどれ程の物か、篝火がそれを示しているのだろうか。
 そうして、篝火を持った亡者達が清綱を取り囲む。
「彼等がその魂を穢す前に。救わねばなるまい……」
 鞘に収めてある『今刀』に、破魔の力を加える。
 魂を導くことも巫覡の務め。そう考えて、目を鋭く見開いた。

(「しかし、また炎の使い手か……羽に燃え移らないようにしなければな」)
 先程から炎続きで、確実に体力を消費している。
 実に厄介だと、苦々しい表情をする清綱。
「……焼き尽くせ」
 亡者が告げると、全員が赤々と燃える炎を篝火から放ち、それを清綱へ放射する。
「これは避けられんか……!」
 オーラによる防御を試みて、更に放射される炎の中で被害が少ない場所を見切る。
 それによって、炎のダメージをかなり軽減する事に成功。
「なんと……!」
 驚愕する亡者を横目に、今刀を横薙ぎに抜刀。
「奥義……空薙」
 今刀を鞘に収めると、周囲の亡者は一瞬にして浄化される。
「……奴は危険だ。早急に仕留めよ」
 それを見ていた別の亡者が、篝火を清綱へと向ける。
 すぐにあらゆる場所から現れる亡者達。
「幾らでも魂を祓ってやろう。それが俺の務めなのだからな」
 今刀を構えると、迫り来る亡者に突き進む。

 戦いはまだ始まったばかりだ。
 全ての亡者を浄化せよ。

大成功 🔵​🔵​🔵​

コノハ・タツガミ
アドリブ・連携、歓迎だよ

【WIZ】

(ミズチの頭を撫でつつ)畑を焼かれては人は生活できないしね。まずはその炎、消させてもらおうかね?


【指定UC】を使い、ミズチの分霊を召喚して戦うとするかね。分霊を放ち【範囲攻撃】で亡者達を凍えさせていくかね。

おっと、新手になられちゃ困るし、念のために倒れている亡者も凍らせておくかね

活動不能になっている亡者も分霊で凍らせながら、【全力魔法・誘導弾・2回攻撃】で【宝珠:神の矢】で氷【属性攻撃】の矢を篝火を狙って撃って行くよ。

篝火さえ消えてしまえば、火をつける事は難しかろうてさ



 燃える家、焼ける地面。
 あくまで猟兵の撃破が目的なのだろう。幸いにも畑はまだ手付かずだ。 
「畑を焼かれては人は生活できないしね」
 コノハ・タツガミ(放蕩亜神・f17939)は『ミズチ』の頭を撫でて、亡者の前に立っている。
「まずはその炎、消させてもらおうかね?」
 ミズチを分霊化し、周囲に展開。
 優に百を超えるミズチの分霊を見ても、亡者達は止まらない。
「……やれ」
 一人の亡者が命令すると、一斉に襲い掛かって来た。

「さあ、ミズチ」
 コノハが手を前に出すと、ミズチも一斉に亡者へと襲い掛かる。
 篝火を振って、炎で迎撃する亡者。
 しかし、ミズチの数が多過ぎる。
 至る所を噛まれて、あっと言う間に氷漬けになってしまった。
「……篝火を翳せ」
 別の亡者が篝火を翳すと、炎が大きく燃え上がる。
 ミズチもこれでは近付けない。
「ふむ、そう来るか。それなら」
 コノハは炎を亡者の篝火を見て、僅かな時間で考える。
 ミズチを亡者達の周囲を回らせると、冷気で温度を下げて行った。
「……これは」
 亡者達が周囲を見回していると、冷気で炎が小さくなるのに気付く。
 すぐにミズチから離れようとするが、コノハはそれを許さない。
「篝火さえ消えてしまえば……!」
 『宝珠:神の矢』で氷属性の魔法の矢を創り出し、それを篝火に向けて撃つ。
 篝火が消えた亡者は、糸が切れた様に、その場へと倒れてしまった。

 その様子を見たコノハは、一つの結論に至った
「成程、あれは亡者の命なんだね。あれさえ消えてしまえば……」
 亡者の篝火を狙ってミズチと氷の矢で撃ち抜き、倒れた亡者を氷漬けにする。
 この戦法は、この戦場に限って言えば最高の物と言えた。
 コノハは次々と亡者を撃破し、包囲網を打ち破って行く。

大成功 🔵​🔵​🔵​

尾崎・ナオ
アドリブ歓迎☆

カボチャ、強敵だった!
さて、と。
なんだお前、二人羽織か?

集団戦なら複数居るんよな。距離を取って戦うよー。手に持ってるのが篝火だと思っておく。そこから炎を放つのが敵POW攻撃で、敵SPD攻撃の影ってのは近接した場合に出来る影、と。WIZはもっかい倒せばいいだけ。つまり、ナオちゃんが注意するのは、近接されない事と、炎だな!

【ナイフいっぱい☆】で遠距離攻撃。一応【毒使い31】で毒は塗っとくけど、亡者に毒は利かなそうだなあ。併用して【クイックドロウ124】【早業9】で近寄る奴を潰そう。

近接されない事が前提だけど、危ない場合は【第六感31】回避して【零距離攻撃30】で弾丸打ち込んでやるぅ。



「カボチャ、強敵だった!」
 尾崎・ナオ(ウザイは褒め言葉・f14041)は先の戦いを思い出しながら、そう言い放った。
 格好と言動はアレだったが、肉体的に、或いは精神的に、猟兵の戦力を削いだ強敵だった。
「さて、と」
 振り返り、篝火を手にした亡者達を見る。
「なんだお前、二人羽織か?」
 亡者の不自然に盛り上がった背中を見て、不思議に思ったナオ。
 その疑問に答える事はなく、臨戦態勢を取る亡者。
「ま、いいや。とりあえず始めよっか」
 ナオは大量の黒いナイフを作り出して、それを浮かせる。
 亡者が篝火を掲げると共に、戦闘が始まった。

 掲げた篝火が造り出す影は、辺り一帯に広がって行く。
「っと、危ない危ない……!」
 すぐに後ろへ跳んで、回避するナオ。
「……追い詰めろ」
 一人の亡者が命じると、徐々に距離を詰めようとする亡者達。
「簡単に近付かせるかって~のっ☆」
 煽る様な言動をしつつも、ナイフを亡者に投射するナオ。
 ナイフは次々と亡者を撃ち抜き、幾らかの亡者を仕留める。
「……進め」
 突き刺さったナイフを抜こうともせずにナオへと向かう亡者達。
 しかし、その動きは非常に遅い。
「一応ナイフに塗っといたけど、割と効いたなぁ」
 毒を塗ったナイフが亡者の動きを弱めたのだ。
 ナオはラッキー、と思いながらナイフを更に投射する。
「……合わせよ」「御意……!」
ナイフに当たっていなかった二人の亡者が、同時にナオへと篝火を構えて飛び掛かる。
「させねーってッ!」
 ナオは立ち位置を少しずらすと、篝火の攻撃を難なく回避。
 次の瞬間、二丁の黒い拳銃を一瞬にして引き抜いて、それを亡者に突き付けて超至近距離の全弾発射。
 それを受けた亡者は、ピクリとも動かなくなった。
「ま、こんなもんかなー」
ナイフと拳銃。二種の遠距離武器を駆使して、亡者達を吹っ飛ばして行く。
 ナオはまだまだ余裕そうな表情だった。
 
 包囲網は既に崩れ掛かっている。
 あと少し攻撃し続ければ、完全に崩れるだろう。

大成功 🔵​🔵​🔵​

古上・薺
うむ、散り際はなかなかに潔い南瓜頭じゃったな
敵ながら見事じゃったぞ

さて、次なる輩は…ほぅ、篝火を操る雑兵かそれにいつのまにやら退路を塞ぐように犇めいておる。
…数だけは居るようじゃが…扱いや質は先程の南瓜の方がましかの

なれば、こちらはまとめて焼き払うのがよいじゃろうな

他の術と違い、少々寄る必要は出るが、幾らかを纏めて焼くなら此が一番じゃしの

骨すら残さず灰と化せば蘇生もなにもできぬじゃろ

さて、術の範囲が決まっておるなら威力を高め、焼き尽くす迄の時間を早めれば数への対処も早まるというもの
しかし猪突の如く寄られても厄介じゃからな
初手にていっとう凄惨に焼き付くし、恐怖を与え、近寄る気を削ぐかの



「うむ、散り際はなかなかに潔い南瓜頭じゃったな。敵ながら見事じゃったぞ」
 満足気な表情で頷いているのは、古上・薺(傲岸不遜な箱入り狐娘・f03595)だ。
「さて、次なる輩は……」
 篝火を持った亡者達が犇めき、薺の退路を塞いでいた。
「……ふむ、数だけは居るようじゃが」
 ジャックと比べてみれば、その実力は雲泥の差とも言えよう。
 しかし亡者は数が極めて多い。どちらが厄介なのかは、人によって異なるだろう。
「なれば、まとめて焼き払うのがよいじゃろうな」
 薺は妖扇『焔』を手にして、亡者達の攻撃を待ち構える。

 一斉に走り出す亡者。
 それは一匹の生き物かの様に、激しく蠢いて薺へと向かって来る。
「そちらから寄って来るならば、手間が省けるのう」
 扇を開くと、薄黄色に輝き始める。
「息吹き、舞い散れ、花弁の如く、乱れ狂いて天をも焦がせ!」
 それは焔のナズナと成り、周囲へ無数に展開される。
 近くに居た亡者は、展開された大量の焔に触れてしまい、灰も残らず燃え尽きる。
「退け……!」
 亡者が言葉を発するが、その命令は遅かった。
「ここまでじゃ」
 薺の言葉と同時に、焔は周囲へと広がって行く。
「何という……何という事だ……」
 焔から逃げる亡者達だったが、敢え無く燃え尽きてしまう。
 範囲から逃れた亡者も、これでは薺に近付けない――詰みだ。
「では、ここからは一方的にやらせて貰おうかの」
 薺は焔を操って、残る亡者達を一掃しに歩いて行く。

 そうして暫くの時間を掛けて、猟兵達は亡者を殲滅。
 焔の包囲網は破られた。

大成功 🔵​🔵​🔵​




第3章 ボス戦 『炎槍使いの魔嬢様』

POW   :    滅びの殺風炎
【全てを焼き尽くす炎の竜巻】を放ち、自身からレベルm半径内の指定した全ての対象を攻撃する。
SPD   :    封除・殺戮無双術
【自身が傷を負わせた者の血液】を代償に自身の装備武器の封印を解いて【絶対殺戮モード】に変化させ、殺傷力を増す。
WIZ   :    私の「おもちゃ」に殺させてあげる♪
戦場で死亡あるいは気絶中の対象を【炎の巨人】に変えて操る。戦闘力は落ちる。24時間後解除される。

イラスト:AKKBeryl

👑11
🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

種別『ボス戦』のルール
 記載された敵が「1体」出現します。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
 それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
 プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※このボスの宿敵主は優陽・無訓です。ボスは殺してもシナリオ終了後に蘇る可能性がありますが、宿敵主がボス戦に参加したかつシナリオが成功すると、とどめを刺す事ができます。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。


 ジャック・ザ・カーニバル。
 そして亡者達を倒し、炎の包囲網を打ち破った猟兵達。

「あら、ジャック達はみんな死んじゃったのね」
 空から声が聞こえる。
 住居の屋根、そこに赤い炎の槍を持った女性が居た。
 彼女こそがジャックで猟兵を誘き寄せ、炎の包囲網を創り出した、事件の黒幕。
 通称、魔嬢だ。

 魔嬢は微笑んで、猟兵達を見る。
「御機嫌よう、猟兵達。ジャック達との戦いは楽しかったかしら?」
 すっと炎槍を構えると、にっこりと笑う。
「大分お疲れの様ですけど、まだ行けますわね?それでは、始めましょう」

 最後の炎が揺れ動く。
コノハ・タツガミ
アドリブ・連携、歓迎だよ

【WIZ】

炎、炎、炎とこの熱い季節に、暑苦しい敵ばかり集まったものさね。ミズチ防御は任せるよ

【指定UC】をつかってミズチを無数の小盾に変化させ、【オーラ防御と盾受け】で敵の攻撃を受け止めるとするかね。

炎には氷で相対させてもらおうかね

小盾で炎槍を受け止め、そのまま氷【属性攻撃】で反撃といこうかね。怯んだら追撃は、【宝珠:神の矢】での【全力魔法・誘導弾・2回攻撃】を用いた氷の矢でやるつもりだよ

氷と炎、先に力尽きるのはどちらだろうね?

【炎の竜巻】を喰らいそうになっている猟兵がいたら、【宝珠:簡易聖域】を投げて防御の支援の1つもするとするかい


愛久山・清綱
※「兵糧丸」を食べながら登場
其方が炎の軍勢の大将か。
うむ、あのカボ助はなかなか手ごたえのある者だったぞ。
だが遅かったな……既に疲れはとれてしまったのだ。

(まさか、本当に2粒で疲れが取れるとはな)

■闘
此奴も吸血鬼かもしれん。刀に【破魔】の力を宿しておこう。

先ずは、炎の竜巻を【野生の勘】で軌道を【見切り】つつ、
【ダッシュ】で逃れながら魔嬢への接近を図るぞ。
万一追いつかれたら、【オーラ防御】で耐える。

接近に成功したら【残像】を見せながら正面から斬りかかる
【フェイント】を仕掛け、敵の死角に潜り込む。
仕上げに急所目がけて【真爪】を放ち、大ダメージを狙うぞ。

ただの剣士と思わせ、暗殺者の技を仕掛ける作戦だ。



「まずはアナタ達?剣士に……魔法使いかしら?」
 魔嬢は目の前に立つ、コノハ・タツガミ(放蕩亜神・f17939)と愛久山・清綱(飛真蛇・f16956)を見る。
「其方が炎の軍勢の大将か。うむ、あのカボ助はなかなか手ごたえのある者だったぞ」
「カボ助……あぁ、ジャックの事ね?結構しぶとかったでしょう。疲れたかしら?」
「いいや、遅かったな……既に疲れはとれてしまったのだ」
 兵糧丸を口にしていた清綱は、それを二粒食べる事で全快していたのだ。
「ずるいわね……」
「あんたが言うかね」
 コノハは魔嬢を見て、酷く面倒そうな表情だ。
「炎、炎、炎とこの熱い季節に、暑苦しい敵ばかり集まったものさね」
「ふふ、寒い時期に来れば良かった?」
 面倒そうな表情のコノハに対して、魔嬢は実に楽しそうだ。
 コノハは手を振り上げると、傍らのミズチを無数の盾に変化させる。
「あら……涼しそうね。それじゃあ私も熱くしましょう」
 魔嬢は炎槍を掲げると、先程に燃え尽きたある物を見る。

 ジャック・ザ・カーニバルだ。

「死んじゃったけど、まだ使えそうね」
 南瓜と髑髏は完全に燃え尽き、炎の巨人へと変貌するジャック。
 それは言葉は発さず、コノハ達へと迫る。
「顔に似合わず、中々の外道だな……!」
 怒りに満ちる清綱。
「もう休ませてあげたらどうだい?」
 コノハは前衛にてミズチを展開し、防御を固める。
「嫌よ、便利だもの」
 炎の巨人は拳を振りかぶって、前衛のコノハへと叩き付ける。
 それをミズチが難なく防御し、炎の巨人へ反撃を行う。
 直後、コノハの肩の横を突き抜ける炎槍。
「……くっ!?」
 ミズチによって炎槍の軌道は逸らされ、直撃は免れた。
 ……が、ローブが少し斬り裂かれる。
「あら、外しちゃった。この蛇便利ねぇ。私にくれないかしら?」
「お断りだよ」
 コノハは『宝珠:神の矢』による氷の魔法の矢を、魔嬢に向けて放つ。
 炎槍でそれを弾きながら下がる魔嬢。すぐに炎の巨人の後ろへと隠れてしまう。
「厄介だね……だが、長くはなさそうだ」
 反撃を受けた炎の巨人は、もはやその命も僅か。
 炎が弱々しく燃えている。
「うーん、もう少し使えると思ったけど……駄目なおもちゃね」
 炎の巨人を見ながら、そんな言葉を言い放った。

「あら、一人足りない?」
 魔嬢は清綱の姿が見えないのに気付く。
 辺りを見回していると、後方から足音が聞こえる。
 清綱は『今刀』を構えて、魔嬢に向けて走っていた。
「……!炎よっ!」
 振り向きながら炎の竜巻を放つ魔嬢。
(「くっ、判断が早いな……!」)
 清綱に迫る、途轍もない熱量の炎の竜巻。
「させないよ!」
 コノハが『宝珠:簡易聖域』を清綱の前方に投げると、そこは安全領域となって炎の竜巻を無効化した。
「かたじけない……!」
 更に魔嬢との距離を詰める清綱。
 今刀を構えると、攻撃の体勢に入る。
「ジャック!私を守りなさいッ!」
 魔嬢は炎槍を掲げると、炎の巨人を操る。
 それを妨害するのはコノハの氷の矢だ、炎の巨人の動きを止めてしまう。
「させないと言ってるだろう……!」
「アナタ、よくもッ!!」
 コノハに怒る魔嬢に向けて、清綱の渾身の一撃、正面からの斬り下ろし。
 すぐに炎槍を構えて、それを迎え撃つ魔嬢。
「私の方が速い……ッ!!」
 炎槍の一撃は、斬り下ろしよりも速く、清綱を貫いた。

 否――清綱の残像を、貫いた。

「……もらったり」
 死角からの一撃。それは、魔嬢の心臓を突き刺した。
「やってくれたわね……!」
 しかし、それでも動き出す魔嬢。
「まだ生きているだとッ!?」
 驚愕する清綱。
 その直後、炎の巨人が二人に向けて倒れて来る。
「くっ……」
 清綱は魔嬢から今刀を抜いて、すぐにそこから離れる。
 そして魔嬢は燃え盛る巨人を盾に、急いでその場から去っていった。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

尾崎・ナオ
アドリブ大歓迎!

敵POWどうやって避けろと!?レベルmは無理だろ…生半可な距離じゃないなコレ。SPDは言い換えれば傷負ってなければ問題なしと見た。WIZは見なかったことにしよう。対策はPOW、POWっと…。

いつもと戦法を変えてみよう。弱ってるような気もするし。ナオちゃんがわざわざ前に出る必要は無いだろう。

かなーーーっり離れた場所に一旦離れて【千里眼射ち】。視認できる範囲だから、相当離れる事が出来るはず。敵のPOW攻撃範囲外と思われる場所から撃とう。岩場とかに隠れて撃つよー。【毒使い32】でたっぷりの毒を塗っておこう。

安全圏から、確実に、仕留める!セコイって言うな!勝ちゃいいんだよ、勝ちゃあ!!



 魔嬢は心臓を刺されても尚、痛む胸を握り締めて、村を逃げ回っていた。
「作戦は間違っていない筈なのに……!」
 苦々しい表情で走り続ける魔嬢。
「……!」

 シュッ!

 何かを擦り合わせるかのような、静かな音。
 その直後、魔嬢の肩に強い衝撃。矢が突き刺さり、凄まじい勢いで血が流れる。
「あ、ぐぁ……狙撃……ッ!!」
 魔嬢は矢を抜きながら燃える様な眼で周囲を確認するが、狙撃手の姿は見えない。
 片手で炎槍を振り回して、周囲に炎を振り撒く魔嬢。
 炎で自身を見え難くする、せめてもの足掻きだ。
「最悪の状況ね。どうした物かしら」
 魔嬢はこんな絶望的状況でも、反撃の手を考えていた。

「ひぇー、危うく目が合う所だった!」
 尾崎・ナオ(ウザイは褒め言葉・f14041)は冷や汗を流しつつ、建物の陰からそっと様子を伺っていた。
 矢で魔嬢の急所を狙った所までは良かったが、当たったのは急所ではなく肩。
「あれに反応するって何だよ……」
 愚痴りながら狙撃ポイントを変える為、別の場所へと移動するナオ。
 魔嬢と真正面から戦うには、中々面倒な対策が必要だ。
 ならば安全圏から確実に仕留める。これならば対策の必要もなく、有利に戦える。
「勝ちゃいいんだよ、勝ちゃあ!!」
 ナオはすぐに狙撃ポイントを見付けて、二度目の狙撃を行う。

 シャッ!

 またもや放たれる矢、先程よりも強い。
 それは魔嬢の背後を取って迫る。
「音……!見付けた!」
 魔嬢すぐに後ろを向いて、片手を盾にして致命傷を避ける。
「げっ……!」
「滅びなさいッ!」
 即座に放たれる炎の竜巻。
 それはナオへと向かって来るが、距離的に避けるのは不可能ではない。
「逃げろ逃げろぉッ!!」
 ナオは急いでその場から離れて、魔嬢から逃げ遂せた。

「逃した……ぐっ!」
 肩と腕を見ると、紫色に変色している。
 矢に塗られた猛毒だ。
「なんってセコい奴ッ!!」
 魔嬢は凄まじくブチ切れていたが、やった本人は既に居ない。
 やり場のない怒りに、魔嬢はひとり地団駄を踏んだ。

大成功 🔵​🔵​🔵​

古上・薺
ふむ、雑兵掃除をおえて黒幕をと追ってる合間に件の黒幕が満身創痍とはの…
下が下なら、というあれかもしれぬ
まぁ、最終的には多勢に無勢、秘境と言われればそれまでじゃし、言い訳や恨み言くらいは聞いてやらんでもないが…命乞いだけはしてほしくないもんじゃな

さて、と
では、三度の火術比べといくかの
あ奴の火槍とわし様の妖扇、焔の渦風と黄泉の黒炎、どちらが勝るか、試そうではないか

しかし、まぁ槍を裁けるほど武に秀でているわけでもないからの
近づかれれば辛いというのは自明、なれば寄らせなければよい話、
幸い妖扇の焔の符も、得手とする間合いは槍より長いからの、牽制、を挟みつつ、あ奴の大技に合わせる形で炎符を見舞ってくれよう



「ふむ、雑兵掃除をおえて黒幕をと追ってる合間に、件の黒幕が満身創痍とはの……」
 古上・薺(傲岸不遜な箱入り狐娘・f03595)は妖扇『焔』を手にして、静かに魔嬢を見ていた。
 猟兵の動きは早い。気付いた頃には敵が瀕死と言うのも良くある話。
「まぁ、最終的には多勢に無勢、卑怯と言われればそれまで」
 とは言え、高い質と数で一気に叩き潰す――猟兵とはその戦い方こそが主流だ。
「言い訳や恨み言くらいは聞いてやらんでもないが……」
 せめて命乞いはしないで欲しいと、考える薺だった。

 既に炎槍を構えている魔嬢。
「結局、倒せたのは一人も居ないなんて。とても悲しいわ」
 扇を突き付ける薺。
「さぁて、三度目の火術比べといくかの」
「わざわざ私の得意な戦術で倒そうって言うの?嫌な性格ねぇ」
「いや、別にそういう訳ではないのじゃが」
 魔嬢は酷く疲れた表情だ。先程受けた毒が、身体を回っている。
 長期戦は無理だと判断し、すぐに薺へと接近する魔嬢。
(「近づかれれば辛いというのは自明、なれば寄らせなければよい話」)
 薺は片手で扇を構えると、もう片方の手で霊符『焔仙乃神符』を取り出す。
「燃えよっ!」
 後ろに下がりつつ、霊符と扇で焔を発生させる。
「さあ、一気にいくわよ!!」
 身体の損傷をまるで気にしていないかの様に、当たる焔を無視して薺へと迫る。
 思っているよりも魔嬢の動きが速い。間合いに入った瞬間に放たれる炎槍の一撃。
「くっ……」
 それを辛うじて躱す薺。
 炎槍から発せられる炎は薺に通用しない。
 だが、炎槍自体は物理攻撃の為、当たれば致命傷にもなり得る。
「片手でどこまで行けるかしら……試してみなきゃ分からないわね」
 炎槍を片手で巧みに操り、薺へと攻撃を続ける。
 しかしそれでも、魔嬢の槍捌きは凄まじい。
「これ程とは、やりおる……!」
 扇と霊符を同時に放つと、爆炎が発生。
 その勢いで後ろへと跳ぶ薺。
「くっ、届かない……それならッ!」
 炎槍に魔力を込めると、全てを焼き尽くす炎の竜巻を創り出し、薺へと放つ。
 薺に迫り来る、滅びの殺風炎。
「待っておったぞ!黄泉より這い出し忌火をもって、我が怨敵を焼き滅ぼさんっ!」
 同じくありったけの霊力を霊符に込めると、黒紫の炎が殺風炎と衝突した。

 拮抗する二つの炎。
 だが、すぐに均衡は崩れる。
「……怪我さえしていなければ勝てたのに」
 黒紫の炎が徐々に魔嬢へと近付く。
「ふん、仕方ないわね。こういう事もあるわ」
「ほほう……南瓜頭と同じ様に、潔いのぅ」
 魔嬢の態度にある程度の感心を示す薺。
「ジャックと一緒くたにされるのは癪だけど……」
 魔嬢の目の前まで迫った、黒紫の炎と殺風炎の嵐。
「ま、そこそこ楽しかったわよ。じゃあね」
 魔嬢は振り返って、最期の表情を見せる事なく炎の中へと消えていった。


●鎮火
 魔嬢を倒し、炎の包囲網を完全に打ち破った猟兵一行。
 暫くして炎を消化し終えると、周囲を確認する。

 畑に火は燃え移らず、建物もまだかなり残っている。
 これならば、農村の復興作業も長くは掛からないだろう。
 言うまでもない、完全勝利だ。

 だが、ダークセイヴァーには数多くの吸血鬼や異端の神が存在する。
 全ての邪悪を叩き潰せ、猟兵達よ。

大成功 🔵​🔵​🔵​



最終結果:成功

完成日:2019年06月16日
宿敵 『炎槍使いの魔嬢様』 を撃破!


挿絵イラスト