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海を支えているのは俺達だッ!

#UDCアース #呪詛型UDC

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 潮騒が耳を擽る。鼻に抜ける独特の磯の臭いは、日差しも相まって清々しさすら覚える程だ。
 ビーチにはここ数日の熱波から逃れたいと、大勢の人が詰めかけている。海開きには些か早いが、気の早い子供達は波打ち際で膝まで海へと浸かり、暑気を払う。
 それを眺める親達の視線は微笑ましく、しかし愛する子供に危険が及ぶことのないようにと細心の注意を払って。
 そして、それを人に任せられる者、或いは子供はなく気の合う友人や恋人と来た者達は手に冷たい飲み物を手に、喉を潤す。
 そんな細やかな幸せの見えるビーチに、突如異変が起こる。漣立つ海原。ばしゃばしゃと、海面すぐ下で生き物たちの暴れる気配。一面の海面で起きた異常に、人々が思わず腰を上げる。
 或いは。そこに、アングラーがいたならばその現象を一言で片付け、笑みを浮かべるだろう。その現象は、「ナブラ」と言う。
 そして、そのナブラから現れた生き物たちは、咆える。
「海を支えてるのは俺達だっ!!!」

「ああ、来てくれたようだな。」
 叢雲・秋星(悪を削ぐ太刀・f02120)が、手にした漫画(麦わら帽子に白いTシャツと擦り切れたデニムの少年が真剣な目で黒い影と対峙する表紙だった)を置く。
 集まった猟兵の中には、うん、なんというか、何度目だよ、というような表情の者もいるだろうか。済まない、またなんだ。
「今回、とあるビーチに邪神の眷属が押し寄せるという予知が出た。」
 言いつつ、ビーチの場所を皆に伝える。取り敢えず、標的が現れるまではのんびりして欲しい。ジュースやお菓子を摘まんだり、成人ならばアルコールを摂取してもらっても構わない。無論、戦闘に支障をきたさない範囲でだ。
 時間が近づけば、海を調査して先んじて戦闘、一般人に危害が及ばないようにしてもらいたい。
 そして、今回の敵だが―――。
「鰯、だ。」
 魚片に弱いと書く彼らが、海を支えているのは俺達だと咆え、食物連鎖の上位に立てないかと(努力して)回っているのだ。げんなりとした猟兵に、秋星は続ける。
「海を支えているというのは、語弊なく事実だ。鰯は海の豊かさの指標の一つでもある。」
 理由は、その弱さにある。種にもよるが概ね小型、生命力も弱い。故に、多種多様な生物の餌となるのだ。小さな生き物ならクラゲやイカ、アジにメバル。中大型魚のブリやスズキ、タイ。更にはマグロやカジキ、果てはイルカやクジラ類まで捕食する。
 多くの生き物の命を支えている以上、海を支えているというのは過言ではない。
 過言ではないが、大人しく食物連鎖の下位に居てもらわなければ困る。
「という訳で、宜しく頼む。」
 そう言って、秋星は猟兵達を送り出した。


宗嗣
 いつもお世話になっております。宗嗣です。
 はい、恒例の魚類です。イラストで見かけたからにはやらない訳にはいかないですよね。ありがとうございます。
 鰯、美味しいですよね。人が食べても美味しいので、海の中でも大人気なんです。ちなみに私は寿司ネタでは光物大好きです。鰯、鯵、鯖、美味しいですよね。
 ネタ満載、お魚の(明日役に立たない)豆知識満載でお送りしたいと思いますので、宜しくお願いします。
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第1章 日常 『ビアガーデンで乾杯!』

POW   :    おつまみを食べる

SPD   :    ビールを飲む

WIZ   :    ……ソフトドリンクください

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種別『日常』のルール
「POW・SPD・WIZ」の能力値別に書かれた「この章でできる行動の例」を参考にしつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
 プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。

鳴猫・又三郎
「果報飲んで待つかにゃ……取り敢えず生にゃあ」
ぴんぴん【猫の知らせ】を張り巡らせて警戒しながら
同時にリラックスして酒とツマミを楽しむにゃあ
最近熱いからにゃあ、キンキンに冷えたのを頼むにゃ
「……っかあ!犯罪的にゃあ!美味い!」
熱気に火照った体を内から冷やす酒の美味さよ
舌を刺激する炭酸に、逆に腹が空いてくる
「焼き鳥の盛り合わせ……枝豆……冷奴があるにゃ?これも頼むにゃあ」
猟兵なってから金が入るもんで贅沢できるのいいにゃあ
これから魚が食える訳にゃから肉楽しんでおくにゃ
……路地裏のゴミを漁ってた野良猫が出世したもんにゃ
「うん、美味いにゃ」
過去と肉の脂を酒でサッパリ洗い流して、美味しい敵を待つとするにゃ



「果報飲んで待つかにゃ……取り敢えず生にゃあ。」
 肉球の生えた手で器用にジョッキを持ち、黒猫が喉を鳴らす。この暑さと相反する冷たいビールは、瞬く間にジョッキの表面に汗を浮かび上がらせる。
 キンッキンに冷えたソレが喉を通過する瞬間の得も言われぬ極上の感覚。それを想起し、鳴猫・又三郎(流浪の黒猫・f06418)はペロリとざらざらの舌で口の周りを舐めた。
 ぐいっ!独特の香りを楽しみながら、口を付けたビールを一気に喉まで流し込む。冷たくシュワシュワとした炭酸、仄かな苦みと風味が駆け抜けていく。
「……っかあ!犯罪的にゃあ!美味い!」
 ごんっ、と置かれたジョッキは既に空。火照った体が内部から一気に冷やされる。何という酒の美味さ、何という快感。
 喉を潤すと、途端に腹が減ってくる。目を通したメニューはどれもこれも美味そうだ。
「焼き鳥の盛り合わせ……枝豆……冷奴があるにゃ?これも頼むにゃあ。あ、生もう一杯もにゃ。」
 猟兵となった事で得た潤沢な資金。このお陰で出来る贅沢、いい暮らしではないか。これから魚を堪能できるのだからと、肉をメインに注文。
 やがて届いたのは、よく冷えたビールに茹で上がって粗塩が振られた枝豆、冷奴はネギとショウガ、ミョウガ、鰹節が乗せられ醤油の掛けられたオーソドックスなもの。焼き鳥はモモ、ネギマ、つくね、ぼんじり、そして親鳥。塩も良いが、濃い目のタレの味をビールで流すのもまた良いものだ。
 それぞれ大口を開けて口に含み、その味を堪能。舌鼓を打つと、ビールで洗い流しまた次の料理へ。
「うん、美味いにゃ。」
 ……路地裏のゴミを漁ってた野良猫が出世したもんにゃ、とは彼の内心。嘗てはそうであったのだろうが、今はこうして上々な生活を送っている。因果なものだ。
 だが、それも今は構うまい。過去と肉の脂を酒でサッパリ洗い流して、美味しい敵を待つ。油断なく、しかし少しだけ。この気分に酔うのもいいだろう。戦いには、引きずらないのだから。

大成功 🔵​🔵​🔵​

波狼・拓哉
お酒が飲めると聞いて!
取り敢えず瓶で2…いや3本と言いたいとこだけどこの後鰯ぽいのがくるんだよね。自重しておこう。あ、日本酒あります?徳利でお願いしますー。
お猪口も貰って適当なとこに腰かけちょびちょび頂こう。おつまみは適当に。なくなれば買いに行くだけだしね!
日本酒となればお魚類も結構あうよね…日替わり刺身とかそういうのあるかな…?後聞いたこと無いようなお魚とか。こういうとこしか食べれないのを探して見るかな。
しかし鰯ねぇ…陸に揚げたらすぐ弱るから魚編に弱いなんだっけな。…あれ予知で思いっきり陸に出てなかった…???
(アドリブ絡み歓迎)


レイニーア・ノックス
『……流石に年齢的にお酒は……』興味はある模様

『ソフトドリンクのオレンジジュースと海と言えば焼きそば?』
『ということで焼きそばください』

注文をして、鰯の出現を待ちつつ店内でのんびりと時を待つ。
食べ終えて、次の注文をしてまたのんびりと
『カルパッチョと……』色々注文していく。中々の健啖である。

そして、容貌から目立つので海と言えば……ナンパに会うかもしれない?身持ちは固くすげなく追い返し、敵を待つ



「お酒が飲めると聞いて!いやぁいいよねお酒、疲れた心の潤滑油だよねっ。取り敢えず瓶で2…いや3…。」
 バーンと効果音が聞こえそうな勢いで、手を挙げて酒を頼もうとする波狼・拓哉(ミミクリーサモナー・f04253)。相棒たるミミックも今はいない。ほら、お酒代が更に嵩みそうだしね。
 酒の本数に悩む拓哉に、店員がどうするのかと確認。そこで、この後戦いが起きるということを考え、仕方なしに自重すると決める。
「いや、うん、2本で。あ、日本酒あります?徳利でお願いしますー。」
 そう言って徳利で日本酒とつまみに薄造りの刺身(マゴチ。夏が旬の白身魚。大きなハゼのような外見だがあっさりとしていて非常に美味。)を手に席を探し――。
「あ、ここいいですか?」

(お酒…興味はあるけれど、流石に年齢的に…。)
 注文を前に、悩むレイニーア・ノックス(竜召喚師にして竜に騎乗するもの・f18202)。お酒というものに興味はある。そういう年頃だ、興味があるもの仕方がないといえるだろう。だが、それは駄目だ。お酒は二十歳になってから。ぐっとこらえる。
「ソフトドリンクのオレンジジュースと…海と言えば焼きそば?うん、という訳で焼きそばください。」
 あいよー。という軽い声。適当に座った席で、ぶらぶらと足を振る。
 潮騒に耳を傾けながら、何をするでもなく。澄んだ青空は、故郷とはまた違った色に見える。砂漠と海では、空の色も違うのだろうか。
 取り留めのない考えの淵。お待ちどーという店員の声。我に返ると、頼んだものが届いていた。
 それでは、と食べ始めた時、声が聞こえた。
「あ、ここいいですか?」

「どうぞ。…あなたもですか?」
 快くその声の主、拓哉に是と伝える。一目で彼が同業であることを看破。席に着き、徳利から小さなグラスに注いだ透明な液体をぐっと煽り、くーっと実に美味そうにしている彼を凝視しながら、レイニーアは問う。
「ああ、そうですよ。…気になります?」
 じぃっとそれを見ていた彼女に、グラスを差し向ける拓哉。応える彼女は首を横に振る。
「いえ、未成年ですので。」
「ああ、そりゃ残念…。…おっ、白身の薄造りがまた日本酒に合うなぁ。醤油もいいけど、梅肉でさっぱり頂くのはほんと、最高っ。」
 普段より拓哉のテンションが高く見えるのは、矢張りアルコールのせいだろうか。ずるずると焼きそばをすする音が響く。
 食べ終わったレイニーアが、物足りなさげに彼の刺身を見る。折角海へ来たのだ、魚を食べるのもいいだろう。
「すみません、注文を。ネズッポの天ぷらとヒラマサのカルパッチョを…。」
「よく食べるんだね。お腹空いてた?」
 小柄な彼女だが、先程焼きそばを勢いよく食べたばかりのはず。思わず問う拓哉に、流石のレイニーアも些か恥ずかし気に頷く。
「成程、ならしっかり腹ごしらえしなきゃいけないね。メインはこれからだしねっ。」
 それに笑顔を返し、じゃあ俺もと拓哉も追加の注文を行う。時間はもうしばらくまで迫っていた。

(尚。ネズッポはネズミゴチなどと呼ばれる魚の事。シロギス釣りでよく釣れる魚で刺身、天ぷら、煮付けなどで美味しい。人によってはキスより美味いという人もいる。ヒラマサはブリに似た高速回遊魚。ブリと似ているが旬は夏。引きが非常に強く大型化するため釣りの人気が高い。ブリよりも脂がさっぱりとしており、なんにしても美味い。)

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​




第2章 冒険 『海からの呼び声』

POW   :    海に入って調査する

SPD   :    海の周辺を調査する

WIZ   :    海の近くで魔力を探って調査する

👑11
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種別『冒険』のルール
「POW・SPD・WIZ」の能力値別に書かれた「この章でできる行動の例」を参考にしつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
 プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。

レイニーア・ノックス
spd

連携アドリブ大歓迎

人海戦術的な方針でワイバーンの群れで調査を進める。
技能は地形の利用3暗視2失せ物探し1を付与して、捜索開始。
召喚した一頭に乗りつつ海上へ。
いいものを見つけたら、高速詠唱などで視覚同調。本人の地頭は悪くないので、適切に判断して進めていく(技能 学習力)

『英気は十分に養いましたし、お仕事開始です!』
『いきますよ。』召喚した群れに命令を下す。

『流石に海に入るのは水着とかは用意してませんし、避けたいですね』
『うん?いいものを見つけた……どれどれ』視覚同調

『きゃっ!?』水が少し掛かってしまい濡れ透け


波狼・拓哉
まごち…美味しいお魚だった…今度釣りに行こう。
さてさて、遊んでばかりは行かないからね。調査と行こうか。
えーっと確かナブラから出てくるんだっけ。…つまりあれか釣りしてればそのうち引っかかるんだな?釣るかー。(お酒が抜けきってない感)
こんなこともあろうかと変装セットの中に釣り人用具が。
地形の利用や他の釣り人にコミュ力発揮しして魚が居そうなとこを情報収集。投擲でルアー投げてルアーだと気づかれないように目立たないようにしつつ第六感で喰いつき確認次第釣り上げよう。…あくまでメインはナブラの捜索だよ?(クーラーボックス用意しつつ)
…そういやあのUDCの鰯が釣れたらどうしよう。
(アドリブ絡み歓迎)



「英気は十分に養いましたし、お仕事開始です!契約せしものよ。貴君らの眷属を貸し与えよ!」
 十分に食事を摂りお腹も満たされた。満ち溢れるやる気を噴き出す様に、レイニーア・ノックス(竜召喚師にして竜に騎乗するもの・f18202)は【ワイバン・アミー】によって複数の翼竜――ワイバーンと呼称される竜――を呼び出す。
 主に対し首を垂れるように、並ぶそれらのなかから一頭。特に力持つと思われる個体に、レイニーアが跨る。
 己が選ばれた事を誇示するように、その翼竜が蒼穹を仰ぎ咆える。
「流石に海に入るのは水着とかは用意してませんし、避けたいですね…さぁ、行きますよ。」
 名馬を走らせるように、腰掛ける翼竜の腹を踵で蹴る。バサリと広がった双翼。羽ばたき一つで上空へと舞い上がると、視覚同調を施しながら周囲の探索を行い始める。

「さてさて、遊んでばかりは行かないからね。調査と行こうか。えーっと確かナブラから出てくるんだっけ。…つまりあれか釣りしてればそのうち引っかかるんだな?釣るかー。」
 その光景を視界の端で捉えながら、若干ふらつく波狼・拓哉(ミミクリーサモナー・f04253)が楽し気に呟く。
 マゴチの味が気に入った彼としては、今度釣ってみようと思いつつ変装セットから釣り人一式を取り出す。
 10フィートほどの長めで少し硬めのMH程のルアーロッド、S社4000番程のスピニングリール、ラインはPE1.5号にリーダー20ポンド。上下しっかり決まったウェアにライフジャケット。どこからどう見ても一流の釣り人だ。
「あ、こんにちはー。どのへんで釣れてますか?」
「こんにちは。最近鰯が入ってるからね、あの辺とかいいんじゃないかな?」
 【コミュ力】を活かした情報収集で良く釣れる場所を聞き出すと、ルアーを投げる。メタルジグと呼ばれる鉛にホロを貼った重いルアー。着底させ、餌の小魚のように動かす。
 …あくまで捜索である。…捜索だよね?そのしっかりしたクーラーボックスはなんだろう。
「すいません、少しいいでしょうか?っきゃっ!?」
「おっとごめんねっ。…と、なんだい?」
 拓哉に声を掛けてきたのは、翼竜に乗るレイニーアだ。竜と共に降りてきた彼女は、拓哉の横に立つ。
 と、タイミング悪くサバ(ゴマサバだ。夏に美味しいサバで、何にしても美味い。)を釣り上げた拓哉から飛んだ水しぶきが彼女へと降りかかる。幸い、酷いものではないが少しだけ服が透けてしまい、タオルを羽織らせて隠す様に。
「ああ、その。ワイバーンがあちらにいいものを見つけたと。」
「いいもの…?」
 拓哉がレイニーアに倣い、そちらに視線を向ける。ざわつく海面。飛び跳ねる影は、標的らしきものに酷似していた。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​


 ざわざわと海面が波立つ。
 蒼い海原を染める、海面の黒。それは、一匹ではなく無数の魚の群れ。
 小さく、本来であるならば弱い小魚。それがいま、牙持つ怪異となって蠢いている。
 異形と化した彼らは泳ぎ、探す。自分たちの力を誇示するべき相手を。
鳴猫・又三郎
【猫の知らせ】ピンピン巡らせて
「腹ごなしにゃいいにゃあ」
散歩がてら、海辺を歩くかにゃ
どうあれ、戦場を知っておくのは大事にゃ
「鰯、鰯、なに見て泳ぐ……」
ベンベン
三味線取り出して、弾き語りの即興歌
海の中にゃあ興味はにゃいが、わざわざ地上くんだりまでご苦労なことにゃあ
「漁師に引っ張られた訳じゃにゃし、よっぽど言いたいことか、やりたいことでもあるのかにゃあ」
……酔狂なことにゃあ
酔ってるのかにゃ
酒がほしいにゃあ
「……包んでもらえばよかったにゃあ」
一匹、海辺に立ち、潮騒に三味線の音を混ぜて、鰯のことを思う……いかん、いかん
「腹が減ってくるにゃあ」
来るなら来い来い、海の幸
食物ってもんを教えてやるにゃあ



「腹ごなしにゃいいにゃあ。」
 のんびりとした口調と様子で、鳴猫・又三郎(流浪の黒猫・f06418)は海岸を歩く。その目も海を見ているのか否か、といった風情だが、そのピンと立った耳からは彼がその五感を最大にして周囲の情報を得ているのが解かる。
 虫の知らせではないが、さしずめ【猫の知らせ】といったところか。
 酒精の入った身にふわふわとした特有の心地よさ。ふと、興が乗った彼が取り出したのは三味線だ。
 撥を器用に持つと、べんべん、と試しに二度三度。望む調子であることにひげをひくつかせると、
「鰯、鰯、なに見て泳ぐ……。」
 と即興の弾き語りを奏でる。ゆらゆらとした足取りは、彼の心地そのままに。波に揺られるように、あっちへこっちへと。
 時折外れる音調もまた、一つの味だろうさ。
「漁師に引っ張られた訳じゃにゃし、よっぽど言いたいことか、やりたいことでもあるのかにゃあ。」
 べん、と弦が鳴る。一匹、海辺に立ち、潮騒に三味線の音を混ぜて、鰯のことを思う。
 酔狂だろうか、と自問する。酒精が入っているのだからさもありなん、と自答した。
 三味線の音、潮騒の音、それにもう一つ、腹の音が入る。
「腹が減ってくるにゃあ…包んで貰えばよかったにゃあ。」
 時すでになんとやら。今から戻るには、些か遅かろう。ざわつく海面に、ぴくりと髭が動く。
 来るなら来い来い、海の幸。食物ってもんを教えてやるにゃあ。
 べん、と。三味線が謳い。ざわりと。潮騒が応えた。

大成功 🔵​🔵​🔵​

波狼・拓哉
ふむん…海を支えてる…食物連鎖の下位に位置してる…強者を探してる…つまりあれだな。鰯より強い魚を釣れば怪異鰯も釣れるんだな!(やはり酒が抜けてない)
それじゃ大物狙いの釣り装束に変装し直して…行くぞー!丁度手元にゴマサバがあるんだし、泳がせ釣りとか試してみればいけるんじゃね?ちょっともったいないけど…
まあ、そんなに数がいるわけでは無いから…化け転がせミミックー。自分は釣りが成功するのに全賭けと。…依頼じゃ無きゃ100%やらんなこんなもん。釣りの楽しさ半減どころか亡くしてる様なもんだぞ…
さて後は怪異鰯が来てくれたらいいんだけど。
(アドリブ絡み歓迎)



 ざわざわと耳の奥に心地良く響く潮騒。アルコールで夢見心地の波狼・拓哉(ミミクリーサモナー・f04253)には、それが酷く気持ちよい。
(ふむん…海を支えてる…食物連鎖の下位に位置してる…強者を探してる…つまりあれだな。鰯より強い魚を釣れば怪異鰯も釣れるんだな!)
 いいことを思いついた。とばかりに手を打つ拓哉。それ…餌になりに行くってこと?というツッコミは、幸いなのか誰もしてくれない。あ、いや。ミミックが足でてしてしとツッコんでくれていた。
 とはいえ、ハイになっている拓哉がそんなもので止まる筈も無く。より大物を狙うべくその装束を変える。
 赤いベースにチェッカー模様のキャップ、赤と黒のチェックのネルシャツ、擦り切れたデニム。白と黒のフィッシングベストの背には、日本を一周して釣り歩きたいという祈願が書かれている。
 ある意味日本でもトップクラスに有名なアングラーの姿となった拓哉は、泳がせ釣りにと強靭なタックルへと持ち替えた。
 5メートルほどの長く、太い磯竿。巨大なスピニングリールにはPEライン5号を300メートル。
 10メートル程のフロロカーボンラインを結び、その先に太い針を結んだ。その針を、先程釣り上げたゴマサバの鼻に通す。背に掛ける、というやり方もあるが、魚の弱り方を考えて負担の小さい方法を選択した。
 それを海へと離すと、勢いよくゴマサバは沖へと泳いでいく。
「自分は釣りが成功するのに全賭けと。…依頼じゃ無きゃ100%やらんなこんなもん。釣りの楽しさ半減どころか亡くしてる様なもんだぞ…。よし、じゃあちょっと勿体ないけど…化け転がせミミックー。」
 ふぅ、とため息をつく。折角の釣果を減らすことに、やはり些か勿体なさを感じる拓哉。ならばと、せめて成功確率を上げようと思い相方を見やる。
 頼みのようなユーベルコード、【偽正・決成賽子】の発動にガッテンとばかり、ダイスへ変じたミミックが転がる。コロコロ、コロコロ。
 ぴたりと止まったミミックが6の出目を出すのと同時、ロッドが水面に突き刺さる!
「うおっとぉ!?」
 両足で踏ん張り、ガッツリと合わせを極める。一度では足りない。二度、三度。針が口を貫通したことを確認し、ファイトに移る。
 一瞬でラインを何十メートルも引き出したことから、相手は大型フィッシュイーターに違いない。ブリかヒラマサか、或いはマグロかも…。
 そんな期待を乗せ、ポンピングで引き寄せる。ギャリギャリギャリ!
 引き寄せればその分を引き出す相手。太陽の熱とグッドファイトの熱に、拓哉の頬を汗が伝う。
 ミミックの応援の中、やがてその勝敗は付いた。
 ゆったりと、海面に姿を現したのは黄金に輝く魚体。夏と共に現れる魚、シイラだ。
 1メートルを優に超えるような大物に、拓哉の顔にも笑みが浮かぶ。これだけの大物、網を入れることも危険だ。ギャフへと変わって貰ったミミックで突き刺し、引き上げる。
「これはいいんじゃないか?これならきっと怪異鰯も…。」
 果たして、シイラに寄ってきたのかは解からない。だが、そう呟く拓哉の眼前で、海がざわめく。
 飛び出したのは、顎に牙持つ小魚。
「海を支えてるのは俺達だっ!!!」

大成功 🔵​🔵​🔵​




第3章 集団戦 『六二五『デビルズナンバーいわし』』

POW   :    悪魔の魚群(デビルフロック)
全身を【「デビルズナンバーいわし」の群れ】で覆い、自身の【群れの大きさ】に比例した戦闘力増強と、最大でレベル×100km/hに達する飛翔能力を得る。
SPD   :    悪魔の犠牲(デビルサクリファイス)
対象のユーベルコードに対し【数十匹のデビルズナンバーいわし】を放ち、相殺する。事前にそれを見ていれば成功率が上がる。
WIZ   :    悪魔の共食(デビルカニバリズム)
戦闘中に食べた【犠牲となったデビルズナンバーいわし】の量と質に応じて【悪魔の力が体に凝縮され】、戦闘力が増加する。戦闘終了後解除される。

イラスト:井渡

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種別『集団戦』のルール
 記載された敵が「沢山」出現します(厳密に何体いるかは、書く場合も書かない場合もあります)。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
 それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

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 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。

波狼・拓哉
冷静に考えたら喋る魚って鰯ではないよね、間違いなく。じゃあ、あれは何だと言われるとそれはそれで困るけど。
んじゃ、化け喰らいなミミック。鰯だしいつもと違って美味しい…はずだ、多分、きっと。狼が魚食うかは知らんけど猫が食うから食えるだろう。死骸も残すなよー。
自分は衝撃波込めた弾で一匹ずつはぐれた奴とかこっちに向かってきた奴を見切って早業で撃ち落とそう。釣りの成果と道具があるからなぁ…できるだけこっちに被害出さずにあれを叩き落としていきたい所だなぁ。
(アドリブ絡み歓迎)



 ぴちぴち、ビチビチと。掌よりは大きいが、とても巨大とは言えない魚の群れ。それらが人語を解するという、有体に言えば異常な光景。
 とはいえ、だ。猟兵たる波狼・拓哉(ミミクリーサモナー・f04253)からすれば、もう見慣れた感すらある光景だ。
「冷静に考えたら喋る魚って鰯ではないよね、間違いなく。じゃあ、あれは何だと言われるとそれはそれで困るけど。」
 顎に手を添え、そう疑問を口にする拓哉。その妙な冷静さは、或いは抜けきれないアルコールの性もあるやもしれない。
 ともあれ、連中が見せてくるのは明らかな敵意。ならば、遠慮する必要はない。
 傍らに侍るミミックへ、一瞥。ぎちぎちと、それだけで意図を察した相方が変容を始める。
 青白い箱型から、巨大な顎を持つ漆黒の獣へと。【偽正・神滅迫撃】の意を受けて、その姿を変えていく。
「んじゃ、化け喰らいなミミック。鰯だしいつもと違って美味しい…はずだ、多分、きっと。狼が魚食うかは知らんけど猫が食うから食えるだろう。死骸も残すなよー。」
 ―――オオオオォォォォォォッ!!!
 狼が咆哮する。同時、放たれた漆黒の顎が鰯の群れへと突貫。魚群を散らしていく。
 断末魔のように逃げ回る小魚の群れ。流れる鱗がキラキラと輝く。
「お、なんかマグロみたいだなー。」
 やる気なさげな拓哉だが、その目はしっかりと逃げ回る敵を捉えて離さない。自分の仕事はきっちりと。衝撃波を込めた弾丸が放たれる度、鱗がパッと散る。
 それも当然、彼の後ろには彼の手にした釣果がある。それを失う危険がある以上、手は抜けない。
 弾丸と化した顎が群れを喰い裂く。その十分な手応えを得て、拓哉は小さく笑った。
 

大成功 🔵​🔵​🔵​

メルフローレ・カノン
遅れての推参で失礼します。
鰯の群れのオブリビオンですか……
不思議な状況ですが、全て撃破する旨は了解です。
それでは……全力で行きますよ!

私の得物はメインがメイス、サブが剣で、
なんとなくで[属性武器]で炎を纏わせます。
[怪力][力溜め]の上で、[2回攻撃][なぎ払い]で
焼き魚を作り……もとい沢山の敵を攻撃していきましょう。
遠距離の敵は【神の見えざる手】で群れごと吹っ飛ばします。
「神よ、その奇跡の御手を、暫しお貸しください……」

敵の攻撃は、[武器受け][盾受け][オーラ防御]で耐えます。
他の人がピンチなら[かばう]でかばいましょう。



 ざわざわと蠢く海面。その真下にある、無数にすら思える魚影。牙持つ異形の鰯の群れを前に、メルフローレ・カノン(世界とみんなを守る……かもしれないお助けシスター・f03056)はメイスを両の手で構える。
 鈍色の輝く凶器を手に腰を落とし、前後に開いた足でいつでも踏み込めるようにする様は少女の外見ながら酷く堂に入っている。
「鰯の群れのオブリビオンですか……。不思議な状況ですが、全て撃破する旨は了解です。それでは……全力で行きますよ!」
 裂帛の気合いと共に、凶器を赤い炎が染め上げる。【属性武器】として炎の属性を得たメイス。
 その敵意を敏感に感じ取ったか鰯の群れがざわりと、メルフローレに向きを変える。瞬間、加速。
 尾びれで一斉に水を叩く様は、小魚ながら壮観だ。バッと音もなく、しかし瞬く間に近づいた鰯は宙に身を躍らせ、飛び掛かる。そのはずだった。
 鰯の目測では、跳躍の最高点で丁度捉えるはずの相手。それは既に目の前にあり、横薙ぎに払われる凶器が目前に迫る。
 トビウオならざる身では、宙で向きを変える事すらままならない。圧倒的な暴力の一撃。
 骨がひしゃげ、肉が砕け、鱗が飛び散る。あと焼き魚のいい匂いが漂う。
 返す刀、戻るメイスが更に飛び掛かってきた群れを一撃で薙ぎ払う。鈍重なメイスを軽々と操り、振り切ったソレの遠心力のままに一回転。体の前でどんと構え直す。
「沢山上手に焼けましたっ!」
 ふふん、と若干自慢気。と、それを挑発と取ったのだろうか。彼女から離れ、鰯の群れが渦を巻く。
 個であった鰯が群れとなり、巨大な魚影を形作る。疑似的な飛翔能力まで獲得したそれは、空を泳ぎ自身を襲う脅威(メルフローレ)へと反抗する。
「それなら…っ、神よ、その奇跡の御手を、暫しお貸しください……!」
 聖女の祈り、天へと届いたそれに、確かに応える力がある。
 襲い来る鰯の群れ、そこに真正面から、不可視の拳が突き刺さる。【神の見えざる手】、祈りに答えたモノが、彼女の敵を討つ。千々に乱れた群れ。最後、それらに天から振り下ろされた拳が突き刺さった。

大成功 🔵​🔵​🔵​

七鞘・雷華
アレンジ、絡み歓迎
気分:普通に鰯漁。

黒服召喚で呼び出した黒服たちに投網をはじめとした漁網を持たせ、
とんできた鰯、まだ水中にいる鰯を捕獲しに行く。

雷華本人は『野生の勘:49』やら『暗殺:180』やらを使って、
ストライクレーザークローこと自前の爪でサクサク〆て鮮度を保って
美味しくいただく準備。

相手が集団化した場合は、黒服に手榴弾やら爆雷やらで発破させて
レッツ、ダイナマイト漁!!ヒャッハー!!

落ち着いてきたら実食タイム。
『ふふん、オレ、鰯大好き。つみれ団子にして食べたいわ。』
『焼き干しも美味しいんでしょ?』
『あ、知り合いになめろうを作ってもらうのも良いな。お土産にしよ。』



「さぁて…。折角いい群れが来てるんだ、漁と洒落込もう。」
 長い袂を靡かせ、腕組みをした七鞘・雷華(弾丸ライガー・f04946)は不敵に笑みを浮かべた。
 気分は只の漁でしかない。ネコ科の動物の混ざったキマイラたる彼女としては、正に狩りといった具合でしかない。
 とはいえ、だ。只でさえ数の多い鰯、効率的に取るには一人では手が足りない。パチン、と。肉球の付いた手を器用に鳴らすと、ずらりと彼女の背後に黒服が並んだ。
「お呼びですか、お嬢?」
 【黒服召喚】によって呼び出された内の一人、ビシッとオールバックに髪を固めたリーダーと思わしき人物が静かに問う。
「応、準備はしてきてるだろう?漁の時間だ。」
 無言で応えた黒服たちは、一斉に網を持ち出す。子供が夏休みに持ち出すような、可愛らしいものではない。漁師が使う、漁網だ。
「さぁ、やるぞ!」
 その掛け声と共に、一斉に海へと駆け出して行った。(なお黒服の数人は漁師の方に許可を貰いに行った。漁業権には気を付けよう。)

「そぅら、よ!」
 跳ねて自身に向かってきた鰯に、雷華が爪を振るう。右腕を高く振り上げ、飛び掛かるように振り下ろされた爪は黄金色に輝いて(いる気がする)。ストライクレーザークローの名は伊達ではない。
 折角なので美味しく食べる為にきっちり締めねばならない。一瞬の早業にも拘らず、その行動は的確だ。
 まず爪先で延髄から脳を破壊、即殺する。この状態ならまだ心臓が動いているため、鰓を切り水に付けて血を流させるのだ。持ち上げて口から血が垂れなければ十分に血抜きが出来ているので、すぐさま水氷(氷に海水を入れたもの)に入れて身を冷やし、十分に冷えれば氷だけのクーラーボックスに移動する。
 足の速い青魚、手間はかかるがここまですると、味がまるで違う。
 黒服も次々と鰯を取っていく。一応、オブリビオンなので反撃は受けているようだが、損害は軽微といったところか。
 ざわざわと群れが一塊になっていく。単体では雷華たちに抗し得る術はないと見たのだろう。それを見て、にやりと彼女は嗤った。
「レッツ、ダイナマイト漁!!ヒャッハー!!」
 一斉に海に放り込んだのは、爆雷などの爆発物。強力な衝撃を受け、気絶した鰯がプカプカと浮かぶ。それを易々と捕獲し、漁は一段落着いた。(違法漁法です。逮捕されます。絶対にやらないでください。)

「ふふん、オレ、鰯大好き。つみれ団子にして食べたいわ。」
 漁を落ち着かせ、雷華は鰯を捌いていく。取り敢えず食べる為にお造りにして、残りはこのまま持ち帰る分と干物にしておく分と。きっちり保冷しておけば美味しく食べられるだろう。
「あ、知り合いになめろうを作ってもらうのも良いな。お土産にしよ。」
 漁師に囲まれ土下座している黒服を背後に、雷華は鰯の味に舌鼓を打ち笑みを浮かべた。

大成功 🔵​🔵​🔵​

神楽坂・神楽
とーちゃーく!(【足が速い】で走ってくる。)

あ、なんかいい匂い!
と思ったけど、生臭いのも混ざってて変な感じ。

それはさておき、あの鰯をやっつければいいんだよね。
1匹当たりバイト代がいくら貰えるんだっけ?
数えるの面倒だから、グラム単位に変えて貰おうっと。
よーし、いっくよー!

1匹1匹を相手にするのは面倒だから、ワイヤーを網状に組み上げて、さっきの黒服の人達みたく投網!
後は任せに引っ張って、べったん!べったん!って叩きつける!(【力が強い】)
色々汚れちゃうけど、後でUDC職員の人が掃除してくれると思う!

そんなことしたら食べられなくなる?
オブリビオンを食べるのは、普通の女子高生にはちょっとねー。


虚偽・うつろぎ
アドリブ連携等ご自由にどぞー

ヒャッハー!鰯だぜー!自爆だぜー!(ちゅどーん

即自爆
速攻で自爆するよ
盛大に自爆して鰯と共に弾けて消えよう


技能:捨て身の一撃を用いてのジバクモードによる自爆
対象は範囲内の敵全て

攻撃範囲内に1体でも敵がいれば速攻で自爆
たとえ鰯一匹でも自爆だね
鰯一匹に盛大に大規模な自爆っていうのも
それはそれで面白いよね

ちなみに自爆しかしないよ
ふらりと現れて速攻で自爆して消えていく
そんな存在だよ

1回自爆しておしまい
ボロボロになってその辺に転がってるか浮いてるね



「とーちゃーく!」
 ズザザザッ、と砂煙を上げて急停止する小柄な人影。
 もうもうと立ち上る煙が晴れると、腰に手を当てた少女が不敵に、オブリビオンたる鰯達の前に立ち塞がる。
 鼻を突くのは、磯の臭いと魚の生臭さ。それに混じり、パリッと焼けた皮と滴る脂が焦げた香ばしい焼き魚の匂い。シンプル極まりないが故に、至高ともいえる魚料理の贅沢。
「美味しそうな匂いだけど、オブリビオンを食べるのは、普通の女子高生にはちょっとねー。」
 そう呟く神楽坂・神楽(バイトエージェント・f21330)は、猟兵として至極正しいのかもしれない。
 それはそうとして、だ。かなり数は減ったとはいえ、群体生物であるこの鰯はまだまだ多い。一匹一匹相手にしていては骨だ。
 丁度、神楽の武装はそれを纏めて相手にするには良い。にぃ、と口の端を釣り上げ、嗤う。
「いっくよー!」
 言うや否や、漁の手…いや両の手を左右に振り抜く。それぞれから放たれた【霊性ワイヤー】と【心性ワイヤー】。曰く凄く凄いそれは、まるで意思でも持つかのように空中で編みあがる。出来上がったのは巨大な投網。
 効率なら底引き網や巻き網の方が…という思惑をひっくり返したのは、小柄な彼女がそれをいとも易々と振り回したこと。
 【力が強い①】を行使する今の神楽ならば、30トン程度ならば振り回せる。
「そーれっ!」
「ヒャッハー!鰯だぜー!自爆だぜー!」
 そうして、網は放たれた。―――そこに、鰯以外の存在が居たことに気づかずに。

 
 そう、そこに鰯以外の存在がいた。否、飛び込んで来たのだ。
 まるで狙っていたかのようなタイミングに(どこかから出待ちしてたのかもしれない)、神楽は目を丸くするも投網を止めることも出来ない。
 うぞうぞでもカサカサでも表現しづらい擬音と、表現したくない生物チックな動きで鰯に突進していったのは虚偽・うつろぎ(名状しやすきもの・f01139)だ。
 名は体を表すをこの世界でこれ以上ないほどに体現したソレは、最上のタイミングで鰯の群れと共に投網に囚われた。
 目論見としては一匹だろうが何匹だろうが最大の自爆で最高の自爆を成すうつろぎにとって、最高に(美味しい)タイミングだろう。
「え、あ、も、もうやっちゃえー!」
「回って回って回るぜぇーいヒャッハー!」
 やけくそになった神楽が投網を振り回す。ブンブンと遠心力の乗る投網。不意の事態は、そういう時に起こる。
「あっ。」
 すっぽ抜けた。それはもう、見事に。やっちゃった、神楽の出した声は正にそれを体現したものだ。
 高く舞い上がった鰯+うつろぎ。
「一爆鏖殺、これが僕の殺戮術…これが僕の鏖殺領域…!」
 急に格好良く呟いたうつろぎの体が内部から圧されるように膨らむ。貌があったならきっと最高に愉しそうに嗤っていただろうその声音。次の瞬間――。

 ドォォォォォォォォオオオオオオオオオオンンンンンンッッッッ!!!!!

 天地を揺るがすような振動。世界をも砕くような大音量を以てうつろぎが爆発した。
 これぞうつろぎの保有するユーベルコード、【ウツロギ(ジバクモード)】。青い空に、任務完了した彼の姿が映し出されたのを神楽は見た(※イメージです)。
 もくもくと昇るきのこ雲が、彼の居た証を残していた(※死んでいません)。

 全てを終わらせた神楽が、海の家で供されているジュースに舌鼓を打つ。別にどこのコンビニでも買えるような普通のジュースで、寧ろ割高ですらある。だがそれでも、海での飲食というのは実際の味わいを超えて美味に思わせる不思議がある。
 運動して空腹も覚えたことだしと、オブリビオンではない普通の魚介の浜焼き。サザエやイカ、それから鰯。塩や醤油のシンプルな味付けも、炭に落ちる脂や醤油の匂いが更に別格の美味しさに昇華している。
「ごちそうさま。あとは、UDC職員の人にお願いしておこーっと。」
 視線は遥か、青い海へと。
 その先で。自爆の反動でぼろぼろになってぷかぷかと浮かぶ黒いなんかうねうねした邪神みたいな猟兵を、黒いスーツに身を包んだUDC職員が淡々と回収したとかなんとか。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​



最終結果:成功

完成日:2019年09月06日


挿絵イラスト