奇門遁甲封鎖戦線~山中に消えた隕石の謎
#UDCアース
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UDCアース。
復活する邪神や都市伝説―――通称UDCとの戦いが人知れず行われている世界。
その日、日本に向けて降り注ぐ9つの隕石の存在が観測された。
その一つが落ちたのは、岩肌と夏の新緑に彩られた渓谷。
夜半の闇を斬り裂いて山間に落ちた流星は、不思議なことに音もなく、蝋燭が消えるように山間に吸い込まれていった。
だが、数日後。
その渓谷を中心に無数のUDCが出現。周囲を混乱に陥れることとなる。
否、異変が置きているのは隕石が落ちた9箇所全て。
そして狂気に満ちた騒乱は、その隕石を中心に日本全土を覆う事となる……。
●
「さて、みんな集まってくれたかな?今回の作戦を説明するよ」
グリモア猟兵、ロベリアが蝶を象ったグリモアを展開し、グリモアベースにとある渓谷の景色を映し出す。
荒々しい岩肌と、それを削る水の流れ。それらを覆う新緑とのコントラストは、何もなければ美しい景色と言えただろう。
「事件が起きるのはUDCアース。この世界の日本っていう国に、隕石が落ちたんだって」
同時に展開された地図に示された落下地点は9箇所。
北は北海道から南は沖縄まで。全国各地に散らばっている。
猟兵たちの中にオカルト……特に風水を始めとした知識を持つものが居れば気づいたかもしれない。
これらの隕石が落ちた場所は、龍脈と呼ばれるモノの上に存在する霊的スポットなのだ。
「私は専門外だから詳しくは解らないけど、これはただの隕石じゃないみたい。邪教団の儀式によって呼び寄せられた、邪神に関する何か……って事かな」
この隕石の影響が龍脈によって広まるためか、このままでは日本全土が邪神の影響を受け、無数のオブリビオンが復活する事態が予想される。
「正直洒落になってない規模の事件だけど、今回は私以外にもグリモア猟兵が動いてる。皆で協力して全ての隕石を調査して、事件を未然に防ぐよ」
そう言ったロベリアは、再び映し出された渓谷の風景に向き直った。
「キミたちに調査してもらうのは、山梨県の昇仙峡。一般的には観光地なんだけど、渓谷全体がパワースポットってやつみたいだね」
問題の隕石は昇仙峡に落ちた際も大きな被害を出さず、その所在は不明のままだ。
この渓谷の何処かに存在しているのは確かだが、現状ではそれ以上の情報は無い。
「このまま放って置くと間違いなくオブリビオンの被害が出るからね……。まずは落ちた隕石を探し出してもらいたいんだ」
現場には観光用に整備された道路や山頂行きのロープウェイの他、土産屋を始めとした観光施設も存在しており、観光客で賑わっている。
他にもパワースポットとして、渓谷の最奥にある【仙娥滝】や、【和合権現】と呼ばれる神木などが有名であり、隕石の影響を強める霊的な場所としては調査候補に入るだろう。
自らの足で調査するも、人々に情報を募るもの自由。
この事件を防ぐためにも、何にも優先して隕石の所在を掴まなければならない。
「それじゃ、転移を始めるよ。皆、現地の事はヨロシク!」
桃園緋色
●今回のシナリオについて
総勢9名のシナリオマスターによる合同大型連動シナリオになります。
本シナリオは他MSのシナリオへ参加しても、時系列的矛盾は発生しないものとなりますので、お気軽にご参加していただければと思います。
●参加MS一覧(担当地区)
・屋守保英(北海道)
・LichT(東北)
・不知火有希哉(関東)
・桃園緋色(中部)
・雪宮みゆき(近畿)
・オノマトP(中国)
・小風(四国)
・Parmigiano(九州)
・るっこい(沖縄)
(以上9名敬称略)
●シナリオ結果について
本シナリオの結果は、後日リリース予定の決戦シナリオ(七転十五起MS)へ反映されます。
初めまして、あるいはお久しぶりです。
MSの桃園です。
今回は他のMS様との共同企画に参加させていただきました。
事件の概要はオープニングの通り、日本全土に落ちた隕石の調査となります。
このシナリオで担当するのは山梨県の昇仙峡!
国の特別名勝にも指定されている景勝地です。
第一章では、この景勝地に消えた隕石の所在を調査してください。
フラグメントの行動は参考程度に、思いついたことはガンガン試してもらって結構です。
聞き込み調査でも、パワースポットを片っ端から調査しても、整備された道路を無視して山に分け入っても、なんなら観光と洒落込んでも問題ありません。
現地を知っている方は調査するスポットを具体的に指定してもらっても構いませんが、指定がなくともこちらで周囲の描写は行う予定です。
では、皆様のご参加をお待ちしています!
第1章 冒険
『危険な流れ星の真相』
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POW : 気合で隕石を見つけて調査する。あわよくば破壊する。
SPD : 自身の持っている技能を用いて調査する。あわよくば破壊する。
WIZ : 落下地点に何か関係がないか調査する。あわよくば破壊する。
👑11
🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔴🔴🔴🔴🔴
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種別『冒険』のルール
「POW・SPD・WIZ」の能力値別に書かれた「この章でできる行動の例」を参考にしつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。
| 大成功 | 🔵🔵🔵 |
| 成功 | 🔵🔵🔴 |
| 苦戦 | 🔵🔴🔴 |
| 失敗 | 🔴🔴🔴 |
| 大失敗 | [評価なし] |
👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。
波狼・拓哉
隕石かー…隕石かぁ。面倒な感じしかしないね!まあ、現状出来ることやっていきますかー。
景勝地に落ちたと…観光客装って聞き込み調査が楽そうかな。後普通に観光してみたい。
旅行客メインで聞き込もう。同じ旅行客に変装しコミュ力を使って接触。旅行客同士辺り障りのない話しつつ、隕石…流れ星って言ったほうが一般受けは良さそうか、の話題にしてどの方向に落ちたか見た人いないか聞いてみよう。地元の方とかいるならそっちでも話聞ければいいんだけど。
後観光客に変装するんだし自前の情報もネットで調べた程度にしといて後は現地で楽しもうっと!
万が一見つかって破壊することになったらミミックの爆破咆哮で砕こう。
(アドリブ絡み歓迎)
カイ・オー
WIZで判定。連携歓迎。
まずは調査からか。
【情報収集】してある程度範囲を狭めてみよう。
ネットの目撃談を検索。また、地震情報を調べ、狭い範囲で起こった不自然な地震等が無かったか調べてみる。
それらの場所の中で、パワースポットと重なる地域をピックアップしていく。
選択肢が複数まで絞れたら、
UC【予知能力】を使ってみるか。正解の確率の高そうな場所からしらみ潰しに調べて行こう。
後は普通の探偵としての仕事だな。
観光客じゃなく、地元の人に聞き込みしていかないとな。土産物でも眺めながら、隕石の噂を集めてみる。
観光地は、足で調べる調査も楽しめるからいいねぇ。
昇仙峡は仙娥滝の傍らにある駅から、ゴンドラに揺られること暫し。
ロープウェイの終着駅であるパノラマ台駅のある弥三郎岳山頂は、その絶景を見ようと観光客が集まっていた。
その一角、浮富士広場と呼ばれる展望台からは、遠くに見える山々の更に向こうに富士山が見えるという絶景スポットだ。
その日はUDC事件の事など知らぬと言わんばかりの快晴。晴れた日のみに姿を見せる富士を見ようと、多くの観光客がロープウェイでこの場所を訪れていた。
「いやあ、やっぱり凄い眺めですよね……。俺なんか朝から居ますけど、全然飽きないですよ」
「おお、やっぱり見に来て良かったなぁ。今日は晴れてくれたし、折角の眺めを目に焼き付けないとな」
展望台を訪れた観光客を相手に情報収集を行うのは、猟兵にして探偵でもある波狼・拓哉(ミミクリーサモナー・f04253)。
拓哉自身も観光客として他の観光客を相手にも打ち解け、スムーズに情報を集めることに成功していた。
彼自身のコミュ力も、話題を引き出すのに大きな助けとなっている。
「あ、そう言えば最近、この辺りに流れ星が落ちたって聞いたんですけど……」
「へぇ、そんな話が。私は初めて聞いたなぁ……いつ頃の話だ?」
とは言え、流石に一発で隕石の場所を特定するには至らないようだ。
結局、今回の聞き込みでも有益な情報は得られていない。
「ふう。思ったより進展が無いなー……」
「よお、そっちも成果は似たようなもんか」
観光客との会話を終え、一息つく拓哉に話しかけるのは赤髪の青年、カイ・オー(ハードレッド・f13806)だ。
奇しくも拓哉と同じく探偵業を営むカイは、広場と同じくロープウェイ駅に隣接したパワースポット、和合権現の周辺で聞き込みを行っていた。
「ネットでも調べてみたが、この辺で不審な地震の情報は無し。クレーターなんかが出来てりゃ、SNSに反応もあるんだろうが……」
「それも無い、と。どうやら本当に何の痕跡も無く落下したみたいですね……」
「一応、掲示板なんかじゃ隕石が落ちたって書き込みは何件か見つかったけどな。大して話題にもなってねえ」
二人は揃ってため息を吐いた。
「どうしますか?そろそろ別の場所に移動してもいいと思いますが……」
「いや、ちょっと待った」
カイは周囲の目が自分たちに向いていないことを確認すると、その場でユーベルコード【予知能力(プレコグニション)】を発動させる。
それによって現れたのは不可視のものであり、拓哉からしても何かしらのユーベルコードを発動したことしか解らない。
カイが召喚したのは『選択した結果を予知する』力を持つ、彼自身の第三の目なのだ。
そして、それこそがこの場での情報収集を続行する根拠でも有る。
「事前情報からじゃ選択肢が多すぎて使えなかったがな……。今でもハッキリとはわからないが、少なくともこの場で情報が得られる可能性は存在してるんだ」
「なるほど……」
拓哉はカイからの情報も踏まえ、思考を巡らせる。
「少なくとも、ネットに情報がある以上見た人は居るんですよね。つまり、この隕石は一般人には見えないといった力が働いているワケじゃない……」
だが逆に言えば痕跡が無い以上、大々的なニュースにもならない。
ならば、ネットでも話題にならない情報で観光客がこの地を訪れているとは考え難い……。
「……なら、地元の人間のほうが隕石を目撃した可能性が高い」
2人はほぼ同時にその結論に辿り着くと、日頃からこの昇仙峡で働いている人間……即ちロープウェイ駅の職員へと聞き込みを開始した。
「ああ、山に落ちた流れ星なら見たよ。知り合いも何人か見たって言ってる」
「本当ですか?」
「落ちた場所は分かるか?」
「いや、暗かったし山の何処に落ちたかまでは……」
2人の質問に、職員は顎に手を当てながら考え込んだ。
「……見たのは麓の駅で書類仕事をした帰りだからなぁ。暗かったからハッキリとはわからないけど、少なくともこの駅とは全然別の場所だったよ」
聞き込みを終えた2人は、他の猟兵たちとも情報を共有した。
駅員の情報が確かなら、隕石の落下地点候補から弥三郎岳一帯は外されることになる。
「……それじゃ、移動前に少しだけ、普通に観光していこうっと」
「お、賛成だ。観光地は、足で調べる調査も楽しめるからいいねぇ」
「確かここより上に登った所にもパワースポットが有ったはずですね。行ってみましょう」
成果を得た探偵コンビは意気揚々と整備された登山道を登っていった。
広大な渓谷に置いて、ある程度の範囲を絞れたのは他の猟兵にとっても大きな助けとなるだろう。
山から見える絶景は変わること無く。
UDCによる事件が起きるのは、まだまだ先のように思えた。
成功
🔵🔵🔵🔵🔴🔴
黒夜・天
昇仙峡ねえ
聞いたぜ?すごい大滝とかあるんだろ?あと紅葉も綺麗だとか、でもシーズンじゃねえよなあ……
禍殃の幻影で生み出したオーラでできたカラスの群れを足場に空から眺める。そこから大量のオーラでできたネズミを生み出し、落としていくぜ
物量作戦だ。これだけ出せば見つかるんじゃねえか?
後はカラスどもにパドマ経絡を開く鍵(短刀)をいくつか持たせて、周囲を旋回させるぜ
ネズミが何か見つけたら、鍵を使ってそこへ移動する
さあて、後はネズミが何か見つけるまで、観光でもするかね。食いもん中心に見てこーぜ
「へぇ……これは確かにいい眺めだな」
黒夜・天(有害無益の神・f18279)は、自らのオーラでもある鴉たちを足場にして空にその身を置いていた。
眼下に広がるのは、高さ30メートルという巨大な仙娥滝。
水しぶきとともに落ちる滝の近くには橋が掛かり、絶景を眺めることの出来るポイントとなっている。
岩岩を削りながら流れる水が、飛沫となってキラキラと煌めく。
その光景に多くの観光客が目を奪われていた。
「流石にこれだけ人が居るトコにはねえな……」
そう呟くと天は鴉たちに命じ、さらに高くへ。
空から眺める昇仙峡は、清流によって削られたむき出しの岩と、瑞々しい木々の緑が調和する不思議な光景だった。
「紅葉が綺麗だって聞いたが、流石に時期が違うか……。さぁて、と」
不幸を司る神である天の纏うオーラ、禍殃の幻影は、意思を持った動物でもある。
そのオーラは天の足元から順に鼠の姿を取ると、そのまま重力に引かれて山に落ちていった。
そのまま場所を変え、同じ作業を数度。
次々に生み出されては放たれる鼠たちは、天の命を受けて山々を探索し始めた。
「捜し物なら物量作戦……なんだがなぁ……」
空高くから、天はげんなりとした様子で周囲を見渡した。
「昇仙峡って一言で言っても広すぎんだろ……」
昇仙峡エリアは、今し方眺めた仙娥滝の周辺以外にも、さらに上流にはダム湖、そしてさらに上流まで含めた広範囲に渡るエリアだ。
鼠たちは放たれたエリア周辺程度ならば数時間で探索を終えるだろうが、これで見つからなければ更に探索範囲を広げなければならない。
「いくら何でも場所の指定がアバウト過ぎだろ……」
グリモア猟兵への文句を口にしつつ、天はカラスたちに高度を下げさせる。
「仕方ねえ。取り敢えずネズミがこの辺を探し終えるまでは観光でもするかね」
果報は寝て待て。
ネズミが何かを見つけたときのために、自身の移動手段としてとある短刀を持たせたカラスを周辺に放ち、天は地上に降りた。
「とりあえず食いもん中心に見るか……。ほうとうでも食ってくかね」
仕方ないという言葉とは裏腹に口角を吊り上げ、刹那主義の疫病神は食事処を探してのんびりと歩き出した。
苦戦
🔵🔴🔴
レイチェル・ケイトリン
ロベリアさんのおはなしだと龍脈っていうのの上に隕石はおちてる……なら、わたし専用の「地縛鎖」をつかって大地から情報をすいあげるよ。
とってもながいからふつうだとつかえないけど、「念動力」でならあつかえる。
それで広範囲をしらべた結果をもとに「地形の利用」でたどっていって、わたしの心の認識能力をたかめるユーベルコード「もとめる心」の「情報収集」、「第六感」、「追跡」、「失せ物探し」でさがしていくの。
もちろん、他の猟兵さんとも情報交換してね。
わかりやすくするために地図にしっかりとかきこんでいくよ。
隕石みつけたら、うん、もちろんわたしの全力の念動力でくだくよ。
それもほかの猟兵さんとも協力しないとね。
昇仙峡の主峰と言われる円覚峰は、荒川の流れから垂直に切り立った180メートルにも及ぶ巨大な岩だ。
対岸に立つ天狗岩と共に昇仙峡のシンボル的なスポットであるこの岩は、円覚という名の僧侶に由来して名付けられた。
巨岩の頂上……20畳程度の広さのそこで、円覚は座禅を組み、修行したと伝えられている。
そこに至る登山道など有りはしない。そこに立とうとするのであれば、ピッケルを始めとした登山道具で絶壁を登る覚悟が必要となる。
そんな場所に、傍から見れば場違いな少女が1人。
淡い色のドレスを纏った人形のような少女、ヤドリガミのレイチェル・ケイトリン(心の力・f09500)は、かつて存在した僧侶と同じ視点で渓谷全体を眺めると、猟兵としての役目を果たすべく調査を開始する。
「お願い、私に教えて……」
じゃらりと言う音と共に、レイチェルの周囲に鎖が浮かび上がった。
どう見てもレイチェル自身では持ち運べないような長大な鎖は、大地から魔力と情報を吸い上げる地縛鎖。
レイチェルの絶大な念動力によって意思を持つかのように動く鎖は、円覚峰の頂上から、岩そのものに巻き付くように、そして荒川の流れや周囲の大地にも突き立つように伸び、レイチェルに魔力を伝える。
(ロベリアさんのおはなしだと龍脈っていうのの上に隕石はおちてる……。なら、その龍脈の流れから隕石をさがせれば……)
「認識、それも心の力……」
同時に、レイチェルはユーベルコードを発動。
第六感を始めとして、何かをもとめる自身の心が持つ力を飛躍的に高めるそのユーベルコードによって、レイチェルは大地から伝わる情報を自分の中で選り分けていく。
(こっちには、流れ星は落ちてない……)
更に、他の猟兵からの情報も加味して探索方向を絞る。
かつて僧侶が修行所としたこの場所もまた、龍脈の上にある。
レイチェルは鎖を通して、さらに龍脈を遡るように心の力を広げていく。自身の中に、そして大地の記憶に埋没するように。
そして……
「……っ!」
流れを遡った先に、それを知覚した。
それは異物としか言いようのない反応。
正しい流れに乗って、まるで毒でも流したかのような、それを見るだけで不安を抱くような澱んだ流れがある。
「ここは……川?川の流れに乗ってここまできたのかな……」
レイチェルは即座に、猟兵たちに情報を共有した。
異物……恐らくはそれこそが、猟兵たちの探し求める隕石。
荒川の上流、そこにソレはある。
大成功
🔵🔵🔵
ティオレンシア・シーディア
※アドリブ掛け合い絡み大歓迎
これはまた…絶景ねぇ。
国の特別名勝指定にも納得だわぁ。
紅葉の時期ならもっとすごいんでしょうねぇ。
…っとと、流石に状況が状況だもの。観光は後回しねぇ。
…んー、と。資料によると、ダムがあるみたいねぇ。
荒川ダム…能泉湖、かぁ。
…もし何かあってダムが決壊でもしたら…大惨事よねぇ。
正直想像もしたくないわぁ。
何が起こるのかもよくわかってないし、調べておいたほうがよさそうねぇ。
ダムに管理事務所なら、ダム湖全体を見られるように監視カメラとかあるわよねぇ。
映像見せてもらって、変わったことないか〇情報収集するわねぇ。
何もないならそれが一番なんだけど。
荒川ダムは水害への対策として昇仙峡を流れる荒川の上流に設置された多目的ダムだ。
そのダム湖の名前は能泉湖と言い、周囲には公園なども造られている他、湖を囲む森林の一部はキャンプ場となっていて、アウトドア目的の観光客の姿があちこちに散見される。
そんな荒川ダムの管理事務所から、黒髪の女性、ティオレンシア・シーディア(イエロー・パロット・f04145)が姿を現した。
「んー……カメラにも管理システムにも異常は無し、かぁ……」
バーテンダー風の格好と、見ようによっては胡散臭いともとれる大人の女性……そんな彼女の独り言は、のんびりと間延びしたロリボイスである。
その見た目とのキャップは、先程調査のために管理事務所を訪れた際にも事務員が面食らって盛大にずっこけていた程だ。
ティオレンシアは今回、荒川ダム周辺に狙いを絞って調査を行っていた。仲間からの情報もあり、荒川上流に位置するこの場所に隕石が落ちた可能性は十分にあると考えられたのだ。
猟兵をバックアップするUDC組織の根回しもあり、管理事務所の器機は問題なく確認できた。
一般に公開されているライブカメラ以外にも、湖の監視目的で設置されたカメラや、ダムの管理システム。
それらを調べた結果、少なくともこの能泉湖周辺に隕石は落ちていない、という事実が判明した。
(隕石がカメラに写らないものって可能性もあるけど、ダムの水位にも異常はなかったし……)
「ある意味、助かったわねぇ。隕石が湖に沈んでたら、探すのが大変だもの」
そんな事を考えながら、ティオレンシアは能泉湖の周囲を歩く。
訪れたのは水門。
塞き止められた荒川の流れが、ここから再び始まるのだ。
そこから下流方向を見渡せば、ダムから放出される水の流れと、峡谷の雄大な景色が一望できた。
「これはまた…絶景ねぇ。国の特別名勝指定にも納得だわぁ」
紅葉の季節となればまた別格の景色を見ることができるのだろう。
色づく山々の眺めを想像しつつも、ティオレンシアは自分が得た情報を猟兵たちに伝え、調査のためのデータを提供する。
(ここにも無いとなるとぉ……もっと上、かしら……)
これまでの集まった情報からそう推理を進めつつ、ティオレンシアは水門を含め、ダムの周辺を調査していく。
「カメラに異常はなかったけど……もし何かあってダムが決壊でもしたら大惨事よねぇ」
念には念を。
あるいはこのまま上流で異常が起きれば、このダムにも影響はあるあろう。
「さて、状況が状況だし、観光は後回しねぇ」
万一に備え、ダムそのものにUDCの兆候が見られないか確認すると、ティオレンシアは仲間たちと合流するべく動き始めた。
成功
🔵🔵🔴
山風・ラン
隕石落下の痕跡が見つからないなら、広い範囲を探すしかなさそうだね。
板敷渓谷の山道を歩きながら、何か怪しいものがないか探してみる。
形も色も分からない隕石だし、岩場とかに紛れてたりしないか注意して見るよ。
大きな被害は出てないって話だけど、山道や周囲の動植物に変わった様子はないのかな。
詳細不明な何かが落ちてきてるんだから、自然の中に不自然なところがきっとあるはず、根気よく探すよ。
ユーベルコードの使用は、隕石か危険な何かを排除するときに。
良い場所だし普通に観光したいところだけど、仕事はしっかりやらないとね。
※連携・アドリブ歓迎
ゼット・ドラグ
「調査か・・・あまり得意な分野ではないが、面白そうだ・・・」
バイクの【ドラゴンチェイサー】に乗って高い場所を目指し、そこから隕石を見下ろすように探す。双眼鏡を持っていこう。
見つかればそこへ移動し、見つからなければ高い場所と当たりをつけ、更に高い場所へ移動。バイクで入れなさそうなとこは歩いて移動。
隕石を見つけたら【怪力】で少し割り、成分調査をしたいが俺は出来ないな・・・とりあえず持っていこう。割った個所も丁寧に観察。
調査の必要が無くなったら【ドラゴンチェイサー】をバスターブレイド形態に変形させ、粉砕する。
落下地点は9か所だけみたいだが他にもあるかもしれない。時間が許す限り探してみよう。
●
ゼット・ドラグ(竜殺し・f03370)は覗いていた双眼鏡を下ろした。
見渡す限りの渓谷美。
ごく普通の観光客として訪れていたなら、この景色にも大きな価値があったのだろう。だが残念なことに、レンズ越しの光景にゼットが望むようなものは見当たらなかった。
即座に思考を切り替えたゼットは、愛用のバイク【ドラゴンチェイサー】に火を入れると、そのまま渓谷を走る舗装された道路を辿って移動を始めた。
アップダウンの激しい峠道を難なく走破し、峠の頂上にたどり着くと一旦停止。
そこからまた双眼鏡を覗いて情報収集を始める。
(隕石が落ちたというが、木がなぎ倒された様子も見当たらない、か……)
高い位置から見渡したとはいえ、視界の通りにくい山中だ。範囲をカバーするために素早く移動を繰り返して情報を集めているが、なかなか隕石の手がかりは見つからないt。
「これは、バイクで入れないような場所の探索も視野に入れなければならないか……」
そうして何度かの移動の後、ゼットはある光景を見つけた。
「あれは……」
●
「これは……違うか。普通の岩だね」
山風・ラン(藍玉の従者・f15661)はむき出しの岩場を移動しながら、目についた岩を調査すると、すぐに隕石ではないと判断した。
昇仙峡の観光地には、激しい流れによって削り出された岩たちが、何かのシンボルのように扱われている場所も多い。
そうでなくても、荒川によって運ばれた多くの岩が存在する場所だ。形状不明の隕石は、そういった場所に紛れているのではないか……そう考えたランは、注意深く周囲を見渡しながら歩を進める。
彼女が歩くのは板敷渓谷。
ダムよりもさらに上流に位置する板敷渓谷の際奥には、大滝と呼ばれるパワースポットが存在する。
ただし、こちらは仙娥滝とは違い周囲の道路は整備されておらず、訪れるためには険しい山道を歩かなければならない。
濡れた岩場や不安定な地形など、体力に自信がなければ訪れることすら難しいその場所を、ランは易々と踏破していく。
「……良い場所だし普通に観光もしたいけど、仕事はしっかりやらないとね……」
調査のため一旦足を止めたランは、息抜きの意味も含めて周囲を一望する。
険しい山道ではるが、水流が近いためか涼しげな風が吹き、暑さはそれほど感じない。
こうした自然の中に身を置く事が、ランは嫌いではなかった。
アウトドアで訪れるには良い場所だろう。……そう考えながら木々の様子を見て、ランはその異変に気づいた。
「これは……」
夏も近づき、輝くような緑の山々。
そんな中で、ランの向かう方向の木々が、明らかに色褪せているのだ。
振り反って来た道を確認すれば、そちらは瑞々しい色の葉を付けた木々。
木の種類が違うワケではない。進行方向の木々が、何らかの影響で色褪せているのだ。
「不自然な変化……間違いない」
この先に何かがある。そう確信したランに、一つの足音が近づいてきた。
「先客が居たか……」
現れたのは同じ猟兵であるゼットだ。
流石にこの山道にバイクで侵入は出来なかった為か、すでにドラゴンチェイサーは大剣の姿に変形して携行している。
そしてそれは、何時でも戦闘に突入できる状態、ということだ。
二人は合流すると、お互いに手早く意見を交換した。
「そっちもこの異変を見つけて?」
「ああ。遠目からだが、この周辺の様子に違和感があったからな。恐らく……」
「私も同じ意見だよ。……急ごう」
●
二人の猟兵は、一般人なら踏み出すのを躊躇するような傾斜を走り抜け、水流沿いに渓谷を踏破していく。
速度を上げて歩を進めると、谷間に隠されていた大滝周辺の木々は、明らかに異常を感じさせる姿を二人の目の前に現した。
奥に進む度に緑は色を失い、今にも朽ち果てそうなほどボロボロの葉が枝から落ちていく。
散っていく葉は水流にのまれると、まるで灰が崩れるかのように形を失い、流されていった。
「……!止まれ」
ゼットの制止に、ランは即座にしたがった。
目の前に現れた「それ」に対する警戒心は、ランもまた同様だったからだ。
二人がたどり着いたのは、板敷渓谷の大滝。
落差30メートル。周囲に車の音さえ聞こえないほどの、渓谷の際奥。
そこは清流のエネルギーに満ちた、浄化の力を持つパワースポットだ。
滝の飛沫が太陽と共に虹をつくり、穢れを浄化するその場所に、明らかに不釣り合いなものがあった。
滝の傍ら。水の中に半身を潜めるようにたたずむそれは、確かに隕石にも見えた。
傍目には黒い岩……ただし、滑らかな丸みを帯びたそれは、人の手で削られたかのようにも見える。
「ここまで来れば私にも分かるよ。……こんな禍々しいもの、自然には現れない」
「同感だ。放置すれば、他にも影響が出るな……」
二人は顔を見合わせると、お互いの意見が同じであることを確認した。
これはこの場で破壊しなければならない。
調査の意味で回収するにしても、この場所に置いておくのはリスクが高い。
そうして二人が一歩を踏み出したとき、異変が起きる。
突如として地震のような揺れが、大滝周辺を襲った。
大成功
🔵🔵🔵🔵🔵🔵
第2章 集団戦
『朽ちた化石竜』
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POW : 骨融合
無機物と合体し、自身の身長の2倍のロボに変形する。特に【仲間も含めた複数の骨】と合体した時に最大の効果を発揮する。
SPD : 骨化
戦場で死亡あるいは気絶中の対象を【骨の怪物】に変えて操る。戦闘力は落ちる。24時間後解除される。
WIZ : 鉄骨
全身を【超硬度な金属】に変える。あらゆる攻撃に対しほぼ無敵になるが、自身は全く動けない。
イラスト:すぎらく
👑11
🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔴🔴
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種別『集団戦』のルール
記載された敵が「沢山」出現します(厳密に何体いるかは、書く場合も書かない場合もあります)。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
| 大成功 | 🔵🔵🔵 |
| 成功 | 🔵🔵🔴 |
| 苦戦 | 🔵🔴🔴 |
| 失敗 | 🔴🔴🔴 |
| 大失敗 | [評価なし] |
👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。
大滝の飛沫に濡れる岩場から。
或いは周囲の斜面から。滝壺から。
猟兵たちの発見した隕石を中心とした地面から、激しい揺れと共にソレは浮かび上がった。
遠目には昇仙峡各地の奇岩と同じく、偶然変わった形状に削られた岩にも見えただろう。
だが、目を凝らせばそれが何かは直ぐに思い至る。
骨だ。
明らかに人間よりも巨大なサイズの骨が、次々に地面から現われる。
そうして揺れが収まると同時に、無数の骨は独りでに浮かび上がり、組み合わさって形を成した。
頭の無い恐竜。
それは、太古において何者かに食い荒らされた恐竜たちの骨が、呪詛を纏って蘇った異形の怪物。
謎の隕石の影響によって蘇ったUDCの群れに他ならない。
それは見る間に数を増やし、無数の骸骨竜が渓谷を埋め尽くしていく。
猟兵たちは、現況である隕石を破壊するため、甦った太古の残骸たちへと武器を向けた。
仲佐・衣吹
ドラゴンじゃない? うわぁー! これ恐竜だよ!
ステゴザウルス? ケントロサウルス? ガストニア?
すごいな浪漫だ!
ウルサイぞベスト。とっとと片付けろ
オルタナティブ・ダブル発動
オレことサーベルがルーンソードに氷属性を宿しながら化石竜を叩き切る
僕ことベストも同じ個体に別方向から攻撃
こっちは水属性で攻撃
滝壺から引っ張ってきた潤沢な水を恐竜と地面に撒きながら斬って
効率よく凍らせる助けにするよ
化石竜は骨化を使ってくるだろうが
それもジャマする狙いだ
氷の張った地面にガッチリかみついたデカイ骨入り氷
取れるもんなら取ってみな
皮膚まで再現してくれたらもっとテンション上がったのになぁ
駄目だね。君達は博物館行きだよ!
山風・ラン
こんなに沢山の化石が動くなんて、あの隕石、相当に危険そうだね。
まずは目の前の敵、襲ってくる奴らを排除するよ。
戦闘中は射撃位置を適宜移動しながら囲まれないように。
敵を複数巻き込める機会にはユーベルコードを使用して、早々に頭数を減らしたいな。
敵と近接戦闘する味方、私みたいに射撃戦主体の味方と連携して互いの死角を補い合うように、援護射撃を適切に。
順調な戦況で敵の数が減ってきても増援を警戒、周りのどこからでも出てくると思って不意打ちに備えるよ。
※連携・アドリブ歓迎
ゼット・ドラグ
「恐竜だろうが、竜に変わりはねえ・・・俺相手に竜は悪手だぜ・・・」
思いもよらず竜殺しの本領発揮。
骨なら斬撃よりは打撃の方が有効か・・・?
【竜を殺す百の刃】をハンマー(鉄球ではなくとんかち)に変形させて、ロボと合体した骨を剥がすように攻撃し、敵の弱体化を狙いつつ戦う。
大きい分、攻撃の面積も大きそうだ。【竜を殺す百の刃】と【怪力】で相手の防御を受け止めつつ、押し返して相手の体勢を崩す。
崩せたら、飛び上がって渾身の一撃を食らわせる。
「この一撃・・・受け止められるなら受け止めてみろ!」
「樹海の光を、此処に」
山風・ラン(藍玉の従者・f15661)の愛銃、新葉から最大出力の光線が照射される。
警察拳銃を参考に開発されたビームピストルは、片手に収まる小さな外見と裏腹に高い威力を持って、地面から出現した化石竜たちを複数まとめて貫いた。
体格を支える骨の一部を消し飛ばされ、ガラガラと崩れる恐竜たち。
ランは目の前で突如として起きた異変を前にしても、冷静さを失うことはない。
初手から並走の最大出力で放ったユーベルコード【影の深緑(ディープ・グリーン)】も苦し紛れの荒い攻撃ではなく、可能な限り多くの敵を巻き込める射線を冷静に見極めての一撃だ。
ランの狙いは至極単純。速やかにこの竜たちを撃破し、隕石への対処を行うことである。
だが、化石竜たち……正確にはその奥に座する隕石の影響も一筋縄ではいかない。
今も5体ほどの竜を撃破したが、その端から同数の化石たちが地面より浮上してくる。
その光景を前にし、敵の群れへと飛び込んだのはゼット・ドラグ(竜殺し・f03370)だ。
「恐竜だろうが、竜に変わりはねえ……俺相手に竜は悪手だぜ……」
ゼットが構えるのは愛用の黒剣『竜を殺す百の刃』。
その名に違わず、無数の武器が複雑に組み合わさったソレは、必要に応じて自在に姿を変える。
「相手が骨だけなら……砕くまでだ」
ゼットが選んだのは鉄槌。身の丈ほどもあるハンマーは、ゼットの怪力によって目にも留まらぬ速度で振るわれる。
乾いた音とともに、骨格標本のような敵たちは、攻撃を受けた箇所から原型を留めぬよう、粉々に砕かれた。
「やはり打撃の方が有効だな。この調子で……」
「うわぁー! これ恐竜だよ!ステゴザウルス? ケントロサウルス? ガストニア?すごいな!浪漫だ!」
ランとゼットが化石竜たちと交戦する渓谷に、場違いなほどはしゃいだ声が響いた。
オブリビオンの出現に、戦場へと駆けつけたのは仲佐・衣吹(多重人格者のマジックナイト・f02831)。
黄砂色のロングコートをまとう、落ち着いた青年と言った外見とは裏腹に、天真爛漫な少年といった表情の彼は、目の前で動き回る化石の恐竜たちに目を奪われていた。
「……ウルサイぞベスト。とっとと片付けろ」
彼の後ろから呆れたように声が響いた。
そこに現れたのは、紛れもなく仲佐・衣吹……まったく同じ姿ながら、まるで異なる表情の彼自身。
【オルタナティブ・ダブル】によって分身として現れたもうひとりの衣吹・サーベルはルーンソードを肩に担ぐと、渓流に陣取る化石たちへとその身を躍らせた。
「……ふん、手応えの無い」
氷の属性を宿すルーンソードの一振りで、サーベルへと襲いかかった化石竜は背骨を絶たれ崩れ落ちる。
「あーあ、折角の化石が……」
つまらなそうにぼやく主人格、ベストもまた、揃いのルーンソードを構えるとサーベルに続くように斜面を駆け下りた。
「ま、骨だけだし仕方がないか。皮膚まで再現してくれたらテンション上がったんだけど……」
ベストの剣が宿すのは水の属性。それはこの場に満ちた荒川の流れと、大滝から放たれる霊的な力を巻き込み、激流を纏って骨を切り砕いて行く。
「駄目だね。君達は博物館行きだよ!」
自分よりも巨大な恐竜たちに、物ともせず向かっていくベストとサーベル。
サーベルが斬り裂いた竜を、ベストの追撃が水流によって更に斬り裂いていく。
何よりも2人の狙いは、水と氷の属性を合わせることに寄る凍結。
巻き込まれた化石竜たちは撃破された状態で氷漬けにされ、展示品のようにその場に鎮座する事になった。
「狙い通り、これで骨を集める事は出来ないだろう」
「よし、ガンガン行くよ!折角出し、レアな恐竜でも探そうか!」
サーベルの言葉通り、倒した敵を氷漬けにした結果、他の恐竜は『味方の骨と合体する』ことが難しいようで、散発的に襲いかかっては、合体を試みて失敗しているようだった。
だが……。
「油断しない」
深緑の光線が放たれ、ベストとサーベルの間を縫うように飛翔する。
それは2人を囲むように、新たに出現した化石たちを射抜くと、物言わぬ骨の姿へと変える。
「やっぱり、敵の出現する速度が早い……」
それを成したランは、地形を利用して敵の攻撃範囲外に位置取って愛銃を構えていた。
自然に紛れる熟練のレンジャーのような立ち回りで、ランは新たに出現する敵を警戒しつつもユーベルコードを連射し、前衛で戦う2人、或いは3人を援護していく。
「よし、まだ撃てる」
ランのユーベルコードによる光線の最大照射は、繰り返す度にラン自身の体温を上昇させ、精度を落としてしまうデメリットが存在する。
しかし、水流のすぐ側が戦場であること、更に衣吹が水流に干渉し、さらには氷の魔力を放出しているため、体温の上昇を大きく抑えることが出来ていた。
「こういう連携も悪くないね……。敵の不意打ちは私が防ぐ!前衛は任せるよ!」
「良いだろう」
「オッケー!任せて!」
2人の衣吹が同意し、ランに近付こうとする敵を優先的に狙うように立ち回りを変える。
「了解だ」
最前線で鉄槌を振るうゼットもまた、作戦に同意。
大ぶりの隙を仲間のカバーで補い、ランの射撃で体勢を崩した化石竜へと全力の一撃を振るう、
そうして、渓谷に撃破された化石たちが無数に転がった頃、ひときわ大きな化石竜が現れた。
「ちっ、流石に全部を氷漬けには出来なかったか……」
二足歩行の前傾姿勢……その化石竜の出現と同時に、あたり一帯の化石の残骸が、その竜へと集う。
それどころか、氷塊となった骨も、周囲の岩をも取り込み……。
一瞬にして合体を終えたその姿は、10メートルはあろうかという巨大なティラノサウルス。
それも今までの骨格標本とは違い、骨の隙間を埋めるように無数の無機物を取り込み、更には頭部に凶悪なアギトを生成した力強いシルエットを成している。
「おおっ!凄いな……!」
目を輝かせるベストを尻目に、即座に光線を打ち込んだのはランだ。
現れた巨大竜を強敵だと判断したランは、深緑の光線を連射し、一気に勝負を決めにかかる。
――オオオオオ……!
無機物の頭部で、しかし確かな声として化石から雄叫びが上がる。
ランの攻撃は確かにダメージを与えつつも、外目には取り込んだ化石の外装が剥がれた程度の被害しか見当たらなかった。
そのままティラノサウルスは猟兵たちを睥睨すると、攻撃を行ったランを排除することに決めたのか、その場から重量を感じさせない速さで跳躍する。
「くっ……!」
その豪脚は一息でティラノサウルスの巨体をランの側まで到達させ、着地地点の土が柱のように真上へと巻き上げられた。
「させるか……!」
転がるようにそのストンプを躱したランに、追撃とばかりに踏みつけが放たれる。
それを防いだのは、即座に前線から駆けつけたゼットだ。
「この俺を後回しとは……後悔するぞ」
受け止めた黒剣で足を押し返そうとするゼット。
構わず踏み潰そうと力を込めるティラノサウルス。
両者の拮抗状態はしかし、他の猟兵をティラノサウルスが勘定に入れなかった時点で成立し得ないものだった。
「隙だらけだね!」
恐竜の鼻っ面に、ランの射撃が遠慮なく叩き込まれる。
一瞬の怯みを見逃さず、ゼットは怪力を発揮して竜の足を弾き飛ばした。
「ダメ押しだ」
よろけた骨に、2人の衣吹が追撃を仕掛ける。
交差するような軌道で振るわれた2人のルーンソードは、一瞬にしてティラノサウルスの下半身を氷像へと変えた。
そして、恐竜が見上げる先。
すでにゼットの黒い影が、渾身の力でハンマーを振りかぶっていた。
「この一撃……受け止められるなら受け止めてみろ!」
千の刃で作られた、竜殺しの鉄槌。
ゼットに寄る一撃は、その黒剣が打倒してきた竜たちと同じく、太古から蘇った化石竜を骸の海へと返すのだった。
大成功
🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵
波狼・拓哉
…もうちょい観光したいんだけど。ダメ?……ダメそうですね!
さて骨の怪物かー物理より…溶かすかな?取り敢えずミミックを敵群真ん中辺りに向けて投擲。化け焦がしなミミック。骨ごと全て塵に還そうか。広範囲だし再利用されにくそうだし…自分の持ってる中ではベストかな。周りの地形とかに出来るだけ被害は行かないように投擲する位置は調整しとこう。味方猟兵は注意喚起はしとくけど後は気合いで避けてね!
自分は衝撃波込めた弾装填しつつ相手の行動阻害をしてサポートに。骨の継ぎ目とか上手いこと狙って衝撃波で関節外しとか狙ってみようかな?突進とかされたら死ぬし逃げ足発揮できるよう回避第一で行動かな。
(アドリブ絡み歓迎)
レイチェル・ケイトリン
念動力と吹き飛ばしの技能をつかったサイコキネシスでたたかうね。
範囲攻撃の技能もつかって敵をまとめてふっとばすの。
敵からの攻撃もふっとばすね。
ほかの猟兵さんへの攻撃もふっとばすね。
かばう技能もつかえるから。
全身をかたい金属にかえた敵がいたら、そのうごけない体をサイコキネシスの念動力でつかんでふりまわして、ほかの敵にどんどんぶつけてほかの敵をくだいていくの。
そして、隕石にもたたきつけるね。
石器ってひとが手に入れたさいしょの道具のひとつ、うん、ちょうどいいね。
昇仙峡観光を中断して駆けつけた波狼・拓哉(ミミクリーサモナー・f04253)は、次々に地面から現われる化石竜を前に、げんなりとして愚痴を零した。
「……もうちょい観光したいんだけど。ダメ?……ダメそうですね!」
そうぼやく裏で、超常現象専門の探偵はオブリビオンの性質を冷静に分析し、戦略を立てる。
(骨かぁ……物理より、溶かすかな。再利用されなそうだし)
戦略を決めた拓哉は、自身のユーベルコードを発動し、召喚を行う。
「んじゃ、やりますか」
現れたのは箱型の生命体……拓哉がミミックと呼ぶモノ。
「ここなら味方を巻き込まないで済むな……。皆!大きいの行くんで気をつけてね!」
言いながら拓哉はミミックを投擲。
放物線を描いて飛ぶ箱型生命体は、化石竜の群れの中心に落ちると、ワンバウンドの後、巨大な炎を放つ。
「さあ、化け焦がしなミミック……!陽炎が全てを焼き尽くす時だ!」
拓哉の言葉すらかき消すように、轟々と燃え盛る炎が化石竜の群れを焼き焦がし、溶かしていく。
巻き込んだ敵の数は10体を超える。おおよそ拓哉の狙い通りに、一度の攻撃で可能な限りの数を攻撃できたと言っていいだろう。
「とは言え……できれば地形とか自然に被害は出したくなかったんだけどなぁ……」
機会があればこの辺りも観光したいと思っていただけに、オブリビオン撃破のためとはいえ広範囲の攻撃を繰り出す羽目になったのは残念では有る。
下手をすれば山火事になりかねないな、と不安になった拓哉の目の前で、山の木々を飲み込もうとしていた炎が、風に吹かれたように散らされた。
「……あれ?」
「うん……これで火事は大丈夫、かな」
炎の余波を打ち払ったのは、不可視の力……サイコキネシスだ。
疑問に思う拓哉の背後から現れたのは人形のような少女、レイチェル・ケイトリン(心の力・f09500)。
幼気な見かけとは裏腹に、彼女の宿す念動力は他の追随を許さぬほど膨大なもの。
レイチェルは拓哉の発した注意喚起から、味方への被害を防ぐためにサイコキネシスを発動していた。
拓哉自身の狙いが正確だったために猟兵が巻き込まれるような事はなかったが、その意志相通が功を成して、自然へのダメージも必要最小限に抑えられていた。
「あー……助けられましたね」
「ううん、気にしないで。わたしじゃ、あんなに一度に倒せないもの」
戦場に立つ猟兵として、短く言葉を交わす二人の目のまえで、拓哉のユーベルコードによる炎が晴れる。
巻き込んだ敵を全て溶かし尽くした、その後で。
二人の目の前で、新たな化石竜が黒く焦げた地面から浮き上がっていた。
「うわぁ……まだ来るのか」
現れた頭のない四足竜たちは、拓哉とレイチェルに狙いを定め、斜面を力強い足で踏みしめて疾走する。
体重差を考えれば、踏み潰されても可笑しくない突進攻撃。
ミミックを召喚する手間が惜しいと、拓哉は懐からカラフルな銃を取り出した。
「……おもちゃの銃?」
「モデルガンです。それに、遊んでるつもりはありませんよ」
疑問を呈するレイチェルの目の前で、拓哉はカラフルなモデルガンを構えると、その銃口から衝撃波を発射した。
不可視の衝撃はむき出しの関節を砕き、先頭の化石竜がその場で崩れ落ちる。
「とは言え、数が多いか……」
崩れた骨を踏みしめ、後続が次々と襲いかかる。
衝撃波を連射する拓哉の処理能力も限界があり、このままでは何れ2人まで敵の群れは到達するだろう。
だが、相手を妨害することが出来るのは拓哉のみではない。
「やらせない……!」
拓哉が砕いた敵諸共、迫り来る化石たちを吹き飛ばしたのはレイチェルのサイコキネシス。
5体以上の化石は、来た道を逆行するように川まで吹き飛ばされた。
「おお、やっぱり凄いですね……」
負けじと拓哉が、吹き飛ばされてなお健在な化石たちに追撃を放つ。
2人の猟兵による不可視の攻撃が、次々と化石を砕いていく。
「ん?なにか固い奴が……」
そうする中で敵も防御を選んだのか、数体の化石が全身を金属のように硬化させ、防御形態を取った。
金属化した化石は、拓哉の攻撃でも傷一つつかず、レイチェルに吹き飛ばされようが意にも介さない。
更には硬化した個体を盾にするように、残りの恐竜が体勢を整えていく。
恐らくは、長期戦の構え。
「……うん、ちょうどいいね」
だが、それを好機と捉えたのはレイチェルだ。
彼女の視線の先で、全身を硬化させた一体が見えない手によって掴み上げられると、次の瞬間、他の恐竜たちに叩きつけられた。
「なるほど……こんな使い方が」
「石器ってひとが手に入れたさいしょの道具のひとつ、だよ」
武器と貸した化石竜によって、周囲の敵が次々と打ち砕かれていく。
その様子を感心したように見つつ、レイチェルの攻撃から逃れた敵は拓哉による不可視の銃撃でトドメを刺されていった。
「……あとは、こっち!」
そして、周囲をあらかた片付けたレイチェルは、硬化を解いて暴れようとする化石を全力のサイコキネシスで投げ飛ばした。
その狙いは、未だに不気味に佇む隕石そのもの。
高速で飛来する化石が隕石に直撃する、その瞬間。
化石竜は、その直前でなにかに叩かれたように砕け、風に溶けていった。
成功
🔵🔵🔵🔵🔴🔴
ティオレンシア・シーディア
※アドリブ掛け合い絡み大歓迎
…ああいう化石って、学術的に貴重だったりするわよねぇ?
壊しちゃうのはちょっと気が引けるけど…この状況じゃ仕方ないわよねぇ…
化石ってことは、もう一度「終わった」のが相手よねぇ。
なら、イングのルーンの「完結」〇属性攻撃が通じそうかしらぁ。
融合して巨大化しても属性は変わらないもの、ちゃんと通ると思うのよねぇ。
見るからに堅そうだし、徹甲弾に刻んで〇鎧無視攻撃の●鏖殺を撃ちまくるわぁ。
パワーもありそうだし、〇地形の利用して射程外からの釣瓶打ちで削りきりたいわねぇ。
こんないい景色を壊されたらたまらないもの。余計な事される前に手早く殲滅しちゃいましょ。
カイ・オー
連携歓迎
邪神の眷属の類でもなさそうだけど、数が多いな。さて、どう対処しようか……。
UC【念動能力】使用。自身の周囲にサイコキネシスの障壁を展開。敵の接近を阻止しつつ戦う。
合体されると面倒か。障壁で敵の移動を阻害し、無機物や敵同士を近付けさせない様にしてなるべく合体を阻止してみよう。
更に、障壁に触れた骸骨竜の一体を捉え、宙に持ち上げていく。そのまま他の竜の上に運び、落下加速に念動力も加えて叩き落し、骸骨同士の衝突でダメージを与える。
自力だけで攻撃してたら気力が持たないしな。敵自身の質量を利用させて貰うよ。
隕石自体を破壊しないと埒が明かないか?隙を見て隕石に念動で岩や骸骨を叩き付けて攻撃してみる。
黒夜・天
昇仙峡広すぎるから物量作戦が上手くいかないのをいいことに、ほうとうを喰ってたら、なんかたくさん骨が出てきたな
さすがにここまで大量に出てきたらオレでも気が付けるぜ
ってなわけで、骨なら結合部分を狙うぜ
物量作戦に放っていた禍殃の幻影のネズミを黒豹に変えて範囲攻撃だ。骨の結合部分を攻撃させる、あわせて悪球を投げて結合部分を狙う。黒豹の攻撃が当たっていれば、そのオーラを目印に悪球は自動追尾するさ
そのまま災禍の腕で攻撃。掴んだ敵を盾にしながら振り回し、吹き飛ばし、さらに念動力で無機物をぶつける
攻撃は奇禍の鎖と災禍の腕のオーラ防御で防ぎながらUCの自動追尾弾でさらに結合部分を攻撃だぜ
大滝の周辺、戦場となったそこを見下ろす影が一つ。
翼を広げて飛ぶのは一羽のカラス。その嘴には精緻な装飾が施された短剣が咥えられている。
旋回するカラスが戦場の真上へと到達すると同時、その短剣を通して『経路』が開いた。
化石たちを見下ろすように現れたのは、長い黒髪をなびかせ、不吉なオーラを纏った、不幸を司る神。
「あーあ……折角ネズミに捜索させてる間にほうとう食ってたってのに……」
黒夜・天(有害無益の神・f18279)は如何にも面倒だといった口調でぼやきながらも、現れたオブリビオンたちに対して放置という選択肢は取らない。
「さて、さっきの分まで働けよ?」
天に答えるように、木々の合間、岩の隙間を縫って、戦場に無数のネズミが現れた。
それは天によって隕石の捜索に放たれたオーラのネズミたち。
彼らは戦場にたどり着いた端からその姿を崩し、次の瞬間には元の数倍以上の大きさを誇る黒豹へとその姿を変えた。
――グルルル……
突如として現れた黒豹の群れを脅威と感じたのか、頭部の無い化石竜たちは、唸り声を上げる黒豹へと襲いかかる。
それを迎撃しようと牙を剥く黒豹たち。
戦場の一角は、無機質な化石と、不吉のオーラによって作られた黒豹たちによる乱戦と相成った。
化石たちが体格を活かして黒豹を踏み潰せば、別の黒豹が振り下ろした足の関節を噛み砕き、化石竜を引きずり倒す。
次々に地面から湧き出す化石たちに対し、天も自らのオーラで黒豹を生み出していく千日手の様相を呈し始めたころ、乱戦の一角で異変が起きた。
――オオオオォ!
それはまさに恐竜の雄叫び。
黒豹たちが撃破した化石の残骸を、別の個体が取り込み、合体する。
それも一体ではなく、5体以上。
現れたのは、失われていた頭部を別の無機物で補った巨大な竜たち。
それらは、先ほどとは桁違いのパワーで黒豹の群れをなぎ倒すと、そのまま猟兵たちへと視線を向け……。
「うーん……貴重な化石を壊しちゃうのはちょっと気が引けるんだけどぉ……」
戦場に似あわぬ、間延びした甘い声とともに六発の銃声が響く。
先頭に居た巨竜は頭部に同数の弾丸を撃ち込まれると、一瞬動きを止めて。
「この状況じゃ仕方ないわよねぇ……。こんないい景色を壊されたらたまらないもの」
表面上は大した損害もなく、その場でバラバラの骨となって崩れ落ちていった。
「うん、ちゃんと効果あるみたいねぇ」
のんびりとした足取りながら、注視すれば不自然なほどに隙の無い足取り。
ギャルソンの制服姿に銃を構えたティオレンシア・シーディア(イエロー・パロット・f04145)は、自分の攻撃の成果を確認するかのように呟くと、愛銃・オブシディアンをリロードする。
「急に敵が崩れ落ちたように見えたが……弾丸になにか仕込んであるのか?」
「正解よぉ。イングのルーンを少しねぇ……」
同時に戦場に到着したカイ・オー(ハードレッド・f13806)の疑問に、ティオレンシアは手にした弾丸の一つをかざしてみせる。
弾頭に刻まれたルーンの意味は『完結』。
すでに邪神に食われ、終わった存在である化石たちに対して、その属性は大きな効果をもたらしていた。
「なるほどな……。さて、邪神の眷属の類でもなさそうだけど、数が多いが」
本能的にティオレンシアの弾丸を警戒したのか、強化された脚力で距離を詰めようとする巨竜たち。
それに対し、カイが一歩前に出ると、攻防一体の力場を展開する。
「COMMAND:PHYCHO-KINESIS:ENTER」
カイが唱えたコマンドに従い、展開された力場は巨竜たちの突進を押し留め、その場に釘付けにする。
ソレすらも力押しで突破しようとする竜たちの頭に、次の瞬間、ふたたびティオレンシアの弾丸が打ち込まれた。
「6発撃ったら終わり?そんなこと、誰が決めたのかしらぁ?」
今度の攻撃は一度きりではない。
一体の巨竜を屠ると同時に、ティオレンシアは神速のリロードで次の攻撃を可能とする。
結果、カイによって突進を阻まれた竜たちは次々と完結のルーンを打ち込まれ、その身体を蝕まれる。
「ついでだ、その巨体も利用させてもらうぜ!」
そうして崩れ落ちる化石たちを、カイのサイコキネシスが吹き飛ばす。
それは大質量の砲弾となって、後方に居た化石竜たちに降り注ぎ、甚大な被害を出していった。
「……とは言え、やっぱり隕石をどうにかしないと埒が開かねえか」
だが、そうする間にも次々に地面から現われるオブリビオン。
次々と現れる敵の数に、限度があるかも不明だ。
だが、カイの探偵の洞察力は、現状を打破する道筋を見抜いていた。
オブリビオンたちは、明らかにこちらが倒すほどに次のオブリビオンが現れる速度が上がっている。
このオブリビオンの発生は偶発的な要因のみならず、猟兵たちを驚異と認識する何かの意識が介入しているのだ。
先程も味方が隕石に攻撃を仕掛けたが、明らかに迎撃された様子があった。
逆に言えば、やはり隕石も攻撃を受けることが不都合ということだ。
「思い当たる相手は……一つしかねえよな」
「なら、化石どもの相手はオレがしてやるよ」
先程の攻防を上空から見ていた天は、2人の隣に降りると即座にその意を汲んで次の行動を起こす。
「それにして……てめぇらも大した不運だよなぁ」
猟兵たちの目的を察したのか否か。隕石への道を阻むように展開する化石竜たち。
元は邪神に食われ、呪いを帯びた結果、永い時の果てにオブリビオンとして謎の隕石に呼び出された恐竜たち。
彼らが纏う呪いを、神である天は朧気ながらも感じ取り……そして嗤った。
「気に入ったぜ。てめぇらも折角蘇ったんだ……オレが一緒に居てやるよ!」
哄笑と共に、天の全身をオーラが包む。
それは近づくほど相手を強く不幸にする、不吉の神たる天の力の一旦。
すでに放たれていた黒豹たちも伴って、天は目にも留まらぬ速度で化石竜たちを蹂躙する。
黒豹が化石たちを噛み砕き、天のオーラが巨大な腕を形作り、敵を叩き潰し、あるいは振り回していく。
根源的な恐怖に後ずさる敵には、追尾するオーラの弾丸を。
次々に骸の海へと帰るオブリビオンたちの様子を見て取ったのか、鎮座する隕石が鳴動した。
これまでに無い、明らかな反応。
自らを守るために、新たなオブリビオンを呼び出そうとしているのが猟兵たちにも感じ取れた。
だが……。
「やらせねえよ!」
砕かれたオブリビオンの骨が、カイによって再び無数の砲弾となって隕石に叩きつけられる。
同時に。
「アタシ、言ったわよ?」
開いた射線を通って、ティオレンシアの弾丸が隕石を射抜いた。
「この景色を壊されたらたまらないってね」
そうして、ビシリと音を立てて。
隕石に罅が入る。
成功
🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔴🔴🔴
第3章 ボス戦
『『黙示録のラッパ吹き』セク』
|
POW : あれ?何処にあるの?
レベル分の1秒で【探索用の念波】を発射できる。
SPD : 『ラッパ』を悪用するつもり?
【不思議な力】による素早い一撃を放つ。また、【相手をラッパ泥棒だと思い込み思考停止する】等で身軽になれば、更に加速する。
WIZ : 召喚-アイ・セカ・トリ・フォス・フィア・セプ-
【自分以外の六人の黙示録のラッパ吹き】が現れ、協力してくれる。それは、自身からレベルの二乗m半径の範囲を移動できる。
イラスト:猫巳屋
👑11
🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔴🔴🔴🔴🔴
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種別『ボス戦』のルール
記載された敵が「1体」出現します。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。
| 大成功 | 🔵🔵🔵 |
| 成功 | 🔵🔵🔴 |
| 苦戦 | 🔵🔴🔴 |
| 失敗 | 🔴🔴🔴 |
| 大失敗 | [評価なし] |
👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。
※このボスの宿敵主は
「吾唐木・貫二」です。ボスは殺してもシナリオ終了後に蘇る可能性がありますが、宿敵主がボス戦に参加したかつシナリオが成功すると、とどめを刺す事ができます。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。
ビシリ、ビシリと音を立てて。
隕石の表面に罅が入ると、次の瞬間。それは砕け散った。
同時に、まだ残っていた化石竜たちは一斉にその場で崩れ落ちると、溶けるように消えて行く。
隕石によって影響を受けていたパワースポットが正常に戻ったのだろう。
砕けた隕石の中から現れたのは、不定形の黒い煙。
それは猟兵たちの目の前で、意思を持つかのように集まると人型を形成した。
「……ラッパ……探さないと……」
現れたのは、聖書に登場するかのような、翼を持つ御使い。
否、それは隕石に擬態していたオブリビオンが、それを型どって姿を変えたに過ぎない。
茫洋とした目で猟兵たちを見渡す天使。
隕石そのものでもあるオブリビオンを放置すれば、再び龍脈への影響が現れるだろう。
猟兵たちは、なんとしてもこの天使を撃破しなければならないと、武器を握る手に力を込めた。
山風・ラン
綺麗な見た目になったけど、危険なのは変わらないよね。
迅速に確実に、仕留めさせてもらうよ。
敵の攻撃を見切れるか分からないし、止まったら死ぬくらいに思って移動しつつ射撃。
味方と連携して、敵に対して多方向から攻撃を仕掛けて反撃の機会を与えないようにしたいな。
敵に当てられると思えたら即、ユーベルコードを撃つつもり。
元があんなのだし、形が崩れても倒したかどうか怪しいよね。
敵が完全に消滅するまで、気を抜かずに戦わないと。
※連携・アドリブ歓迎
黒夜・天
まるで卵から生まれるみたいな派手な登場じゃねーか
探し物か? 見つからねえよ。オレが居るからな
禍害の残滓で目潰しだ。そのままダッシュで接近する。攻撃が来れば災禍の腕によるオーラ防御と激痛耐性で耐えるぜ。接近したら災禍の腕を振り、呪詛とウイルスを込めた不幸オーラを吹き飛ばしによる不幸属性攻撃だ
同時に禍殃の幻影で作った豹を蠅の群れに変えて、大群に紛れてさらに接近、UCを打ち込むぜ
当たったなら、テメエがどれだけ仲間を呼んでも無駄だぜ。誰のダメージも、全部テメエが肩代りするんだからな!
悪球を投げて範囲攻撃だ。喰らいやがれ
「探さないと……っあ……!」
そう呟いて、天使のようなオブリビオンはふわりと浮き上がるとその翼を広げ飛び立とうとする。
それに対し、問答無用とばかりに攻撃を仕掛ける猟兵が2人。
「逃さないよ」
山風・ラン(藍玉の従者・f15661)は瞬時に愛銃・針葉を抜き放つと、天使がそれに反応するよりも早く翼に狙いを定め、引き金を引いた。
放たれた光線は狙い違わず白い翼を灼き焦がし、少女のようなソプラノで苦悶の声が溢れる。
空中でバランスを崩した天使の眼前に、黒い影が現れた。
「よお、探し物か? 見つからねえよ。オレが居るからな」
黒夜・天(有害無益の神・f18279)は敵の視線が外れた一瞬で自らのまあ今で飛び込むと、不吉の黒いオーラで作り上げた【災禍の腕】を振りかぶる。
「っ、この……!」
「効かねえなあ!」
その姿を視認した瞬間、ラッパ吹きは不可視の衝撃を放つ。
だが不吉の神はそれを物ともしない。災禍の腕で衝撃波もろとも叩き潰すような一撃を放ち、その余波で自分がダメージを受けようと嗤って攻撃を続行する。
「がっ……!」
結果。黙示録のラッパ吹きは叩き落とされ、荒川の水流に水柱が立った。
「……まずは逃亡阻止、成功ね」
その様子を視認したランは、墜落地点から目線を外さぬまま現状を確認する。
(ずいぶんと綺麗な姿に変わったけど……)
隕石が姿を変えたオブリビオン。仮に取り逃がせば、別のパワースポットで龍脈に影響を及ぼす可能性もある。
なんとしてもここで仕留めなければ……そう考えた時、ラッパ吹きが落ちた場所を中心に、光の柱が立ち上った。
その数は6。
一瞬の後、光が消えた後に現れたのは、先程叩き落とされた天使と同じ顔をしたラッパ吹きたち。
合計7人。天使たちは、まるで呼び出した本人と同じ様にふわりと浮き上がると飛び立とうとする。
「まさか、新しく来た天使もラッパを探して……?」
「増援ってわけか……。だったら、まずはてめえからだ!」
オーラのカラスたちを足場に空中からそれを見ていた天は、新しく現れた天使を無視すると最初の一体にトドメを刺すべく急降下する。
この場に居る猟兵は自分だけではない。新手の対応はそちらに任せようと決め、天は攻撃を続行する。
「次はコイツをくれてやるよ」
天の命に答え、足場にしていたカラス、先程から呼び出していた黒豹たちの姿が解け、新たに黒い蝿の群れが現れる。
天使に襲いかかる蝿の群れ。まるで聖書の様な光景が繰り広げられる中、ラッパ吹きは無差別に衝撃波を放ちながら天を睨みつけた。
「お前……ラッパを悪用する気だな」
彼女の中でどのような思考が行われたか、猟兵たちに知るすべはない。
だが、少なくとも自分を攻撃した天に対し、ラッパ吹きは尋常ではない視線を飛ばし、彼女を排除することに集中していく。
「……そこだよ」
だが次の瞬間。再び横合いから深緑の光線がラッパ吹きを貫いた。
ユーベルコード【影の深緑(ディープ・グリーン)】。ランが放つ一撃は、ラッパ吹きにとって完全に意識の外から叩き込まれ、彼女をその場に押し留めた。
「邪魔!」
ノールックで放たれた衝撃波が着弾した時、ランはすでにその場を移動していた。
渓流の地面を蹴って、素早く次の射撃地点へ。
ランは射線の通る位置を探しながら、自らの得意とする距離から一方的に攻撃を続けていた。
ターゲットを完全に天へと絞ってた敵への、絶え間ない射撃。
それは当然ながら、天への絶好のアシストとなっていた。
「さぁて、取って置きだぜ? ミゼリー・ラブズ・カンパニー! テメエが不幸世界の中心だ!!」
哄笑と共に天が繰り出すのは、黒い人影。
それはすでに放たれていた蝿の群れと共に天使に襲いかかると、ランからの援護射撃を受けて天使へと全力の拳を見舞う。
「がっ……!この!」
「くくっ……折角仲間呼んだんだ。お前、あいつらの肩代わりでもしてやれよ」
天の嘲笑と共に、ラッパ吹きに異変が起こる。
ランや天が攻撃するまでもなく、突如として彼女の身体に傷が走り、鮮血を吹き出したのだ。
「あっ……え……?」
それは天の言葉の通り、周囲の不運、そして傷や病を強制的に肩代わりさせる、呪いのようなユーベルコード。
何が起きたかも解らないラッパ吹きは、それが致命傷となったように意識を手放した。
ふわりと羽のように地面に落ちた天使が、その血によって渓流を染め上げていく。
「あーあ、なんだ……今ので終わりかよ……」
「いや、まだだね」
倒れた天使に撃ち込まれるのは、ランによる保険の一謝。
深緑に額を貫かれ、天使は塵に帰るように消えていった。
「元があんなのだし、形が崩れても倒したかどうか怪しいからね」
その消滅を見届けると、ランはようやく銃をおろし、他の天使たちへ手を向けるのだった。
成功
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波狼・拓哉
ラッパ…?この辺りに有名なラッパでもあったけ…?(しれっと持って来た昇仙峡のパンフレットを流し読みする)
…なさそう?まあオブリビオンだし持ってないときに死んだなら関係は無いのかもしれないな。気になるし後でちょっと調べとこ。
さて、探し物のは(多分)無いから悪いんだけど骸の海に還って貰っていいかな?さあ、化け咆えなミミック。範囲事爆殺しようか。…何か探ってるみたいだけど、狂気を押し付けられた状態でちゃんとした思考が出来るといいですね?
自分は衝撃波込めた弾で牽制しつつサポートに。翼とか撃てばいい感じに邪魔になるかなー?
(アドリブ絡み歓迎)
カイ・オー
隕石に擬態したオブリビオン?ならこの儀式のシステムは……。
いや、推理してる場合じゃないか。
まず敵の力を削いでいくか。
UC【冷凍能力】で原子運動を制御、生み出した冷気を操って吹雪を起こす。
吹き降ろす冷気の竜巻で【踏みつけ】る様に、敵を空から地面に落とし移動を阻害。全身を凍らせて動きを鈍らせ、雹の嵐でダメージを与えていく。
敵からの攻撃は【見切り】ながら【オーラ防御】。サイコバリアで受け流す。
「……ラッパを探してるのか?言っておくが俺達は知らないぞ」
それどころじゃないが、つい聞く。
「どんなラッパだ?何なら探すのを手伝うぞ。」
情報収集の為とか気を逸らす為とか言い訳は出来るが、まぁ単なる探偵の習性だな。
「隕石に擬態したオブリビオン?ならこの儀式のシステムは……」
探偵にして猟兵でもあるカイ・オー(ハードレッド・f13806)は、軽く頭を振って隕石にまつわる儀式の考察を打ち切り、黙示録のラッパ吹きたちに向き直った。
今は考察よりも先に、目の前の驚異を打ち払わなければならない。
「ラッパ……?この辺りに有名なラッパでもあったけ……?」
同じく探偵、波狼・拓哉(ミミクリーサモナー・f04253)は無防備にパンフレットを広げて天使たちの言うところのラッパを軽く調べていた。
「……なさそう?まあオブリビオンだし持ってないときに死んだなら関係は無いのかもしれないな」
そう結論しつつ、パンフレットを仕舞い込んだ。
間違っても自然の中に捨てて帰るような真似はしない。観光客のマナーである。
そんな間にも、天使たちは猟兵たちを視界に収めつつも茫洋とした様子で宙に浮いて、徐々に高度を上げようとしていた。
2人の探偵はその様子から、天使たちが何らかの念波のようなもので周囲を探っていることを察した。
「ラッパ……いったいどこに……」
「あー、どんなラッパだ?俺は知らないが、何なら探すのを手伝うぞ」
思わずカイがそう聞いたのは、探偵の性か。
少なくとも直ぐに暴れる様子もない天使たちにカイの声が届いた瞬間、3体が一斉にギョロリとした目を彼に向けた。
「げっ……」
「ラッパを悪用するつもり?」「返せ……」「そんな危険なことはさせないよ」
少なくとも、まともに話が通じる相手では無いらしい。
3体の天使たちの中で、カイは世界に厄災をもたらすラッパを悪用する極悪人……という事で結論が出たようだ。
「ふむ、何か探ってるみたいだけど、狂気を押し付けられた状態でちゃんとした思考が出来るといいですね?」
そしてその瞬間、自分から完全に視線を外したオブリビオンに向かって拓哉のユーベルコードが発動する。
「さあ、化け咆えなミミック……!真の狂気を知らしめてやろうぜ!」
再び拓哉によって召喚された箱型生命体・ミミックは、その姿を表わすと同時に自らの形を崩した。
一瞬の後、現れたのは巨大な竜。
翼を広げた竜は、自らの出現にすら意識を割かない天使たちに向かって、特大の咆哮を叩き込んだ。
――■■■■■■■■■ッ!!
物理的衝撃を伴った咆哮を叩きつけられた天使たちは、ただでさえ不安定な思考を狂気に蝕まれながらも翼で空を打ち、体勢を整える。
「ああっ……!」「なんで、じゃまをっ……!」「どこ?どこ!?」
だが、そんな隙を逃さないと、今度はカイが跳躍し、3体の頭上を取った。
『COMMAND:CRYO-KINESIS:ENTER』
実行されるコマンドは原子運動の制御。
その結果として現れるのは、雹と氷雪、そして冷気の嵐。
天使たちを地面に叩きつけるように吹き荒れる嵐を上空から制御しながら、カイは自らの冷凍能力が完全に3体の天使を囚えたのを感じ取った。
「よし、このまま押し切るぞ!」
凍結の嵐に囚われた天使たちは抵抗するべく衝撃波を乱射するが、上空から嵐を制御するカイは不可視の攻撃を念動力のバリアで受け流す。
その間にも、雹と氷に全身を打たれ、切り刻まれる天使たち。
そのうちの一体は、無理やり翼を動かし、嵐を突破しようと試みるが……。
「探し物のは(多分)無いから、悪いんだけど骸の海に還って貰っていいかな?」
嵐から脱した瞬間、不可視の銃撃に翼を撃ち抜かれ、再び凍結の範囲内に押し戻される。
拓哉が放ったユーベルコードの効果は未だに健在。
彼にとって、狂気によって自分と繋がれた天使の位置を把握するのは、例え吹雪に視界を遮られても容易いことだ。
2人の探偵による高範囲攻撃。
新たに呼び寄せられた黙示録のラッパ吹きの内3体は、そのまま抵抗も許されず塵となって消えていった。
大成功
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ティオレンシア・シーディア
※アドリブ掛け合い絡み大歓迎
…天使で、ラッパ…?
…うっわあ、まさか「アポカリプス、ナウ」なアレぇ?
まあ、流石に本物じゃないでしょうけど。
攻撃〇見切るにしても攻撃方法がよくわかんない力ってのは面倒ねぇ。
…なら、撃ちまくって圧殺しちゃったほうが楽かしらぁ?
〇ダッシュ・ジャンプ・スライディング駆使して動き回りながら〇鎧無視攻撃の●封殺を〇一斉発射。
グレネードの〇投擲での〇範囲攻撃も織り交ぜて一気に仕留めにかかるわぁ。
せっかくだし、終わったらちょっと観光してってもいいかしらねぇ。
このへん、確かワインが有名なのよねぇ?
(実は酔った事がないレベルの凄まじい蟒蛇)
ゼット・ドラグ
「なんだあいつは・・・まぁ、良い。俺がやる事は変わらない・・・」
見た事もねえオブリビオンだ、竜殺しに特化した俺のユーベルコードじゃ効果は薄いかもしれねえ。
ここは、他の奴に繋げる一手を全力で打とう。
それに何より、俺が昂る理由は竜殺し以外ないのだからな・・・
飛ばれたり加速されるのは厄介だ、あの羽を壊す事を目的としよう。
まずは相手の攻撃を受ける必要があるな。可能な限り、失敗のリスクを避けるために無効化出来ないと判断したら【竜を殺す百の刃】の【咄嗟の一撃】で弾くか打ち落として防御する。
無効化出来たら、脱力状態から【怪力】で大地を蹴り、相手との距離を一気に詰め、相手の羽を掴んでバズーカの一撃を放つ。
レイチェル・ケイトリン
「念動力」で「刹那の想い」をつかって攻撃するね。
敵からの攻撃も「目潰し」してふせぐよ。
ほかの猟兵さんへの攻撃もおなじようにふせぐね。
「かばう」技能もつかえるから。
セクは思考を停止して攻撃を加速する。
わたしはわたしの心が感じる時間を減速させることで、行動を加速する。
だから、対応能力なら負けないよ。
セクがセクの仲間を呼んだら、「範囲攻撃」して、セクの仲間のラッパを「武器落とし」の技能もつかってセクの前に「吹き飛ばし」、セクの仲間も「吹き飛ばし」てセクにぶつけるよ。
ラッパ泥棒はそこにいるよ。そいつがラッパ泥棒だよ。
ってね。
「天使で、ラッパ……? うっわあ、まさか『アポカリプス、ナウ』なアレぇ?
ティオレンシア・シーディア(イエロー・パロット・f04145)は愛銃・オプシディアンを油断なく構えながら、その佇まいに似合わぬ間延びした声と共に顔をしかめた。
目の前には新たに呼び出された天使の内3体。
まさか聖書の載る『本物』では無いだろうが、それに類する力を持つというのであれば難敵に違いない。
幸いラッパは手元にないようだが……。
「あいつの正体は知らんが……まぁ、良い。俺がやる事は変わらない」
先陣を切ったのはゼット・ドラグ(竜殺し・f03370)。黒剣・【竜を殺す百の刃】を手に地を蹴りながら、未知の敵に対して取るべき行動を思案する。
(あの外見では、竜殺しに特化した俺のユーベルコードは効果が薄いか……ならば)
味方の攻撃へと繋げるため、翼を狙い跳躍するゼット。
当然のように天使たちが迎撃のために不可視の力を発動させるが、それはゼットにとっても予想通りだ。
……ただ一つ、予想を超えていたのはその攻撃の早さ。
「ちっ……!」
咄嗟に剣を振るい、放たれた不可思議な力の衝撃波を防御する。
その攻撃を受け自分のユーベルコードで反撃を行う狙いだったが、理解のできない不可思議な攻撃に対して無防備で望むのはリスクが高過ぎる。
だが、剣で防御したとて、危機が去ったわけではない。
空中で衝撃波を受けて体制を崩したゼットに、後続のラッパ吹きから追撃が放たれる。
その様子を前に、多少のダメージは覚悟で反撃を試みるゼット。
「……だめ、やらせないよ……!」
それに割り込むようにゼットの後方から念動力による不可視の衝撃が放たれ、天使たちの攻撃を相殺した。
念動力を使ったのはレイチェル・ケイトリン(心の力・f09500)。
レイチェルはすでにユーベルコードを発動し、自らの体感時間を減速させていた。
その結果、敵の攻撃の瞬間を性格に見切り、不可視の攻撃を相殺して見せたのだ。
「恩に着る……!」
その援護を受けたゼットは、空中で右腕を変形。
右肘に仕込まれた内蔵兵器であるバズーカで、先頭に飛ぶ天使の翼を狙う。
……アアアアアッ!!
爆音と悲鳴。
三体の天使はまとめて爆風に巻かれ墜落した。
特に直撃を受けた一体は、すでに飛行も難しい状態だろう。
そこに猟兵たちの追撃が放たれる。
「……攻撃がよくわからないのは厄介ね。なら」
その攻防を観察していたティオレンシアは、墜落した天使に追撃とばかりにグレネードを投擲。
同時に二人の仲間に目配せをする。
「……了解だ」
「うん、わたしも……!」
敵の攻撃への対処が難しいと判断したティオレンシアの方針は至極単純。
このままこちらの攻撃で押し切り、圧殺する事で敵に攻撃の機会を与えない事だ。
最初に放たれたのはレイチェルによる攻撃。
まだ爆煙の中にいる天使が体制を建て直そうとするのを許さず、その内の一体を全力の念動力で捕らえると、そのまま他の天使へと叩きつける。
「……ラッパ泥棒はそこにいるよ。そいつがラッパ泥棒だよ」
ついでとばかりに混乱を誘発すべく、そんな声を届けるおまけ付きで。
「ラッパ……どこに」「どこだ……!」「泥棒、逃がさない……!」
敵は自分達の仲間を識別できるのか、同士討ちこそしなかったが、ラッパ泥棒という存在に思考が向いた天使たち。
彼女たちが怒りのままに無差別に攻撃を放とうとした瞬間、ティオレンシアの銃が数度火を吹いた。
「ふふっ、攻撃に移る瞬間ってね、一番隙ができるのよぉ?」
刹那に満たぬ間に放たれた、リボルバーによる抜き撃ち。
苦し紛れにも等しい天使たちの攻撃は、その出掛かりを潰される形で銃撃をうけ、中断される。
「ああ……探さなきゃ、いけないのに……!」
すでに天使の体からは血の代わりに黒い煙が立ち上り、輪郭も崩れ始めている。
そして、そこにトドメが放たれた。
「……竜が相手じゃないのは不服だが……これで終わりだ」
変形した黒剣は長大な刃となり、ゼットの全力をもって振るわれる。
天使たちはその一撃をもって、黒い塵となって散っていった。
●戦いが終わって
猟兵たちの活躍により、昇仙峡に異常をもたらした隕石は完全に破壊された。
大滝周辺の環境も、時と共に回復していくだろう。
一通り周囲を確認し、異変が解決したと判断した猟兵たちは各々が解散していく。
引き続き、他の場所で隕石の調査を行う者。
このまま渓谷の観光を楽しむ者。
近場で名産のワインを楽しむ者。
時刻は昼を回ったばかり。
強い日差しに照らされる昇仙峡は、何事もなかったかのように雄大な光景を猟兵たちの眼に写すのだった。
成功
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