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侍~燃ゆる砦に決死の覚悟~

#サムライエンパイア

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 その砦は――燃えていた。
 砦を囲むは、第六天魔王「織田信長」軍。
 万に届こうかという軍勢は砦の周囲を埋めつくそうとしていた。
 最早地面よりも敵兵ひしめき合う面積の方が多いのではという様相は、見る者に恐怖を与えるだろう。
 対し、砦に立てこもるは徳川家光麾下の武将が率いる侍たち。
 砦が堅牢とは言え、その数は千をどうにか超すかという軍勢……その戦力差は絶望的なものである。
 しかし、その砦に立てこもる侍たちの目は死んではいなかった。

 勝利は無い。
 今から助けを求めたとしても、援軍は間に合いはしないだろう。
 しかし、彼らは投降することも、悪戯に突撃することもしない。
 一時間でも、一日でも、一週間でも長く堪え、戦い続けること……。
 それが、徳川幕府の為になると、迎撃の態勢を整える為の時間を作ることが出来ると。
 そう信じて疑わない侍たちは、戦い続ける。
 燃える砦を枕にして。


「勇敢な男たちだよ……死なせちゃぁ、いけないねぇ」
 そう猟兵達へと語り掛けるのは、中御門・千歳(死際の死霊術士・f12285)だ。
 千歳によれば事件が起こるのはサムライエンパイア。
 そこで、ついに第六天魔王「織田信長」の軍勢に動きがあったという。
 千歳が予知したのは、とある砦。
 そこに万を超す軍勢が襲い掛かる様子が予知されたという。

「砦は堅牢みたいだけどね、やはり数の差が圧倒的だからねぇ……それに敵将も強力さね。このままじゃあ、まず勝ち目はないねぇ」
 予知によれば、まずは敵将の一人が一番槍として突撃してくる様子が予知されたようだ。
 敵将の強さは砦の守兵では相手にならないほど強力で、猟兵たちでなければ太刀打ちできないだろう。
 まずはその敵将を撃退する必要があるだろう。

「敵将を撃退したなら、当然敵が本腰を入れて攻めてくるだろうねぇ……数が数さね、ちぃとアンタらだけで対処するのは骨さね」
 敵将を撃退したのであれば、恐らく敵軍は全力で攻めて来ることが予想される。
 その圧倒的数を猟兵だけで撃退するのは至難の業であり、守兵との連携や砦の活用、守兵への指示が重要となるだろう。

「攻め手を耐えてりゃぁ、痺れを切らせて総大将も乗り込んでくるんじゃないかい?予知の様子でも、敵兵が雪崩れ込んで暫くして一緒に攻め込んでいたからねぇ」
 総大将もまた一騎当千のオブリビオン。
 強者である自負が……油断が付け入る隙となるだろう。
 乗り込んできた総大将を倒しさえすれば、軍勢は撤退していくことが予測される。

「中々にハードな任務になるとは思うけどね、宜しく頼むよ」
 老齢なグリモア猟兵は、そう言って猟兵たちを送り出した。


きみはる
 お世話になります、きみはるです。
 今回は純戦闘依頼となります。
 戦闘、戦闘、戦闘ですが、三章続けて参加頂いた方でも飽きられないよう頑張りたいです。
 単純戦闘依頼ですので、もちろんどこかの章だけでの参加でも歓迎です。
 執筆できない期間があった場合には、MSページ等でお知らせさせて頂きますので、プレイングを投げて頂く前には一度ご確認頂けますと助かります。

●一章
 敵将が砦の扉を破壊し、突撃してきます。
 砦の守兵では相手になりません。
 猟兵だけでの撃退をお願いします。

●二章
 敵将の撃退を確認後、軍勢が押し寄せてきます。
 この軍勢相手であれば、砦の守兵もそれなりに戦えます。
 破壊された扉で直接相手取ってももちろん良しですが、せっかくの籠城戦ですので砦の構造を上手く使ったり、守兵へと指示を出しながら戦うと一風変わった楽しいものになるのではないでしょうか?

●三章
 総大将戦となります。
 雑魚兵ではラチがあかないと出てきたこの総大将を倒せば、敵軍は引いていきます。
 再び、砦の守兵では相手にならない強敵となりますので、猟兵たちでの撃退をお願いします。
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第1章 ボス戦 『四華衆『剛勇拳刃の摩訶曼荼羅』』

POW   :    さぁ受けてみな!鬼の全力の拳だぜ!
【全生命力を懸けた渾身の拳】による超高速かつ大威力の一撃を放つ。ただし、自身から30cm以内の対象にしか使えない。
SPD   :    脚は拳の三倍強いらしいぜ?知ってたか?
【目にも留まらぬ脚捌きからの上段回し蹴り】による超高速かつ大威力の一撃を放つ。ただし、自身から30cm以内の対象にしか使えない。
WIZ   :    やるなら全力で楽しまねぇとなぁ!?
予め【拳と拳を合わせ気を練る】事で、その時間に応じて戦闘力を増強する。ただし動きが見破られやすくなる為当てにくい。

イラスト:抹茶もち

👑11
🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​🔴​🔴​

種別『ボス戦』のルール
 記載された敵が「1体」出現します。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
 それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
 プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※このボスの宿敵主は花盛・乙女です。ボスは殺してもシナリオ終了後に蘇る可能性がありますが、宿敵主がボス戦に参加したかつシナリオが成功すると、とどめを刺す事ができます。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。

九尾・へとろ
阿呆じゃのー。敵わん相手にはさっさと逃げればいいものを。
命あっての物種とも言うじゃろ。
はー仕方ない。
可愛い上につよーいウチが阿呆の手助けするかの。
ひょひょひょ、阿呆は愛いものじゃからな。

門の前に陣取り「存在感」「挑発」「誘惑」でウチに気を向かそう。
さて鬼の姉様や。摩訶曼荼羅と言うたかの。
ここには愛い阿呆が大勢いてのー、お前様を通すわけにはいかんのじゃよ。
じゃからの、ウチとちびっと遊んでたもれ。

「ダンス」「暗殺」の要領で敵の攻撃をかわし、「アート」のように舞い、刺す。
異能の齎す「属性攻撃」は重圧の紺。肌に触れれば手足も重く感じよう。

ひょひょ、肉はあっても当たらねば飾りにもならんのじゃないかえ?




「阿呆じゃのー。敵わん相手にはさっさと逃げればいいものを」
 門の上に立ち、九尾・へとろ(武舞の姫・f14870)は眼前を覆いつくすほどの軍勢を眺めた。
 敵、敵、敵……数えるのが馬鹿らしくなるほどの数の敵兵が並んでいた。
 命あっての物種なのだ、逃げもしないのは阿保としか言いようが無いだろう。
 だが……
「ひょひょひょ、阿呆は愛いものじゃからな」
 背後の愛らしい阿保共を眺め、へとろは門の前へと飛び降りた。

「はー仕方ない、可愛い上につよーいウチが阿呆の手助けするかの」
 飄々とした笑みを浮かべながら、へとろは門の前で仁王立ちの構えをとる。
 彼女の目の前には、四肢に刃を備えた筋骨隆々の羅刹の女武者。
 武者の名は摩訶曼荼羅――その二つ名は『剛勇拳刃』だ。
「さて鬼の姉様や。ここには愛い阿呆が大勢いてのー、お前様を通すわけにはいかんのじゃよ」
 艶やかな笑みをうかべるへとろ。
 彼女は、どこをどう見ても幼い少女だ。
 しかし……不思議な色香を纏ったへとろには、見る者を威圧する存在感があった。
 
「じゃからの、ウチとちびっと遊んでたもれ」
 挑発的な笑みを浮かべるへとろ――対して摩訶曼荼羅の答えもまた、笑顔だ。
「喧嘩売ってんなら、買ってやんぜぇ!」
 拳と拳を合わせる摩訶曼荼羅。
 練り上げられてく不可視の“氣”が彼女の周囲の空気に不思議な揺らぎを見せる。
「さぁ受けてみな!鬼の全力の拳だぜ!」
 踏み混まれる右足――大地が割れ、岩が盛り上がる。
 放たれる拳――空気を叩くその破裂音は、拳より遅れてやってきた。
 その全力の一撃は、へとろの顔面へと放たれ――背後の扉を一撃で粉砕した。

 響く轟音、崩れる砦門、しかしその場には……既にへとろの姿は無い。

「ひょひょ、肉はあっても当たらねば飾りにもならんのじゃないかえ?」
 ふと気づけば、へとろは摩訶曼荼羅の背後へと回っていた。
 その指先は紅に染まっており……その色は、摩訶曼荼羅の頬に筋を描く。
 頬を垂れる己が血を指でふき取り確認すると、嬉しそうに舐める摩訶曼荼羅。
 その顔面は、新しいおもちゃを見つけたような、天真爛漫とした笑顔に満ち溢れていた。

 今、砦の存亡をかけた戦いの火蓋が、切って落とされた。

成功 🔵​🔵​🔴​

鞍馬・景正
猟兵として書院番の役は離れましたが、それでも徳川の旗本としてこの窮地は見過ごせませぬ。

鞍馬景正、逆賊どもに冷たい刃金を馳走しに参る。

◆戦闘
一番槍は戦場の華。
ならばそれを咲かせず摘み取るも戦というもの。

雪崩れ込んで来る出鼻を迎え撃ち、そのまま一騎討ちを所望致そう。
例え敵将が女人と見えても侮りも油断も一切なく。

抜刀しながら【打草驚蛇】の構えで挑み、敵の攻撃は【見切り】と【第六感】で躱すか【武器受け】で防御。

攻め時と見れば【怪力】を込めた【鎧砕き】の一刀で仕留めに。

これが緒戦である以上、ここで力尽きる訳にも参らぬが、猛者との死合はまた心躍るもの。

存分に堪能しつつ、最後には勝たせて頂く。




「摩訶曼荼羅様っ!」
 己が将を手助けせねばと、門を破壊された砦へとなだれ込まんとする信長軍。
 しかしその行動を止めたのは、他ならぬ摩訶曼荼羅自身であった。
「手前ぇら!アタシの戦いに余計なチャチャ入れんじゃないよっ!」
 その怒声は空気を振るわせ――まるで地面を揺らしたかと思わんほどの圧倒的声量。
 猟兵を含めた全員が、心臓を掴まれたような感覚に陥ったほどだ。

 足を止めた信長軍の兵たちを、鼻息を鳴らしながら睨みつける摩訶曼荼羅。
 そんな彼女の様子を楽しそうに眺め、一人の侍が歩み出た。
「ならば、まずは私から相手をして貰おうか?」
 その男の名は鞍馬・景正(天雷无妄・f02972)
 瞑色の髪、瑠璃色の瞳……冷艶なる相貌したその羅刹は、見るからに強者の風格を纏っていた。
「一番槍は戦場の華、ならばそれを咲かせず摘み取るも戦というもの……この鞍馬景正、逆賊どもに冷たい刃金を馳走しに参る」
 そう言いながら鞘を手に腰だめに構える景正を眺め、摩訶曼荼羅は楽しそうに舌なめずりをする。

「やるなら、ちゃんと楽しませてくれよぉ!」
 飛び掛かる摩訶曼荼羅に対し、景正の回答は目にも止まらぬ抜刀。
 急所たる女武者の首筋を狙った居合――その一撃は、甲高い音を響かせながら彼女の手甲によって遮られた。
 続けて振るわれる景正の刀が、返すように振るわれる摩訶曼荼羅の四肢に据えられた刃が、互いが互いに一撃必殺を狙わんと、相手の急所へと刃を滑らせる。
 連続して響く激しい金属音――その音が、互いの攻撃の鋭さを……互いの一撃の重さを感じさせる。

「藪蛇となるか、虎児を得るか――勝負!」
 景正が取るは、『打草驚蛇』の構え。
 摩訶曼荼羅が振るう拳を――その腕に据えられた刃を、必要最低限の首の動きで避ける。
 景正の頬を深く斬り裂く刃――しかしその出血の酷さに反し、刀を振るう為の四肢へのダメージは皆無。
 対し、景正が放つは大上段からの一撃。
 摩訶曼荼羅の攻撃に対しタイミングを合わせて放たれた後の先の一撃は、彼女の動きを見切ったかのように胴を斬り裂く。

 交差する両者。
 固唾を飲んで見守りざわめく両軍の兵達。
 摩訶曼荼羅が膝を着いたその瞬間――砦は、歓声に包まれた。

成功 🔵​🔵​🔴​

戦場外院・晶
やるからには――楽しまなければ
「全く、全く同感でございます」
静々と、進み出て
「戦場外院・晶と申します。……いざ尋常に、殺し合いましょう」

【祈り】ましょう
それなるは意識を一つ所に向ける精神統一の奥義……ただ敵のみを観て
「歩く」
「掴む」
大振りの、こちらを威圧するような熾烈な一撃……嫌いではありませんが――止まって観えます
【奥義・不生】
機先を制するUCをもって彼女の繰り出す【手を繋ぎ】ましょう
「捕らえましたわ……」
この【怪力】をもってしても上回ることは難しいでしょうが私の【グラップル】はこの形こそを最適化し磨き抜いてきたもの
崩す
引く
押す
払う
殴る
砕く
投げ
殺す
決して手を離さず楽しみます
「かくあれかし」



「しゃらくせぇー!!」
 砦を守る守兵達の歓声をかき消すように、摩訶曼荼羅の怒声が響き渡る。
 血の池を作り出していた彼女の傷は……驚異的な筋肉により圧迫され、止血されていた。
 再び構えを取る摩訶曼荼羅――その顔は、楽しくてたまらないといった面持ちだ。
「さぁ、楽しくなってきたぜぇ!」
 そう叫びながら立ち上がる摩訶曼荼羅に対し、歩み寄る少女がいた。

「全く、全く同感でございます」
 戦いを楽しむ摩訶曼荼羅に対し、同意を示す少女の名は戦場外院・晶(強く握れば、彼女は笑う・f09489)
 静かに、ゆっくりと歩み出た彼女は、戦場にそぐわない静かな空気を纏っていた。
 十字架を手に、祈りを捧げる晶……その祈りが向けられる先は己が勝利か――相手の鎮魂か。 
「戦場外院・晶と申します。……いざ尋常に、殺し合いましょう」

 晶の言葉を聞き、嬉しそうに拳を握る摩訶曼荼羅。
 その凶悪な武者を前にして尚、晶の動きはゆったりとしたものだった。
 拳を振りかぶる摩訶曼荼羅に対し、彼女が歩みを進めるのは徒手空拳の間合いの更に内側。
 拳に力を伝達する為に、全身が連なる体の捻り。
 徒手空拳を扱う者であれば皆理解している体の使い方……それを理解しているからこそ、それを防ぐ術もまた、理解出来るのだ。
 全身を前へと投げ出す勢いを止めるように、肩口を相手の胸へと当てる。
 放たれる拳の勢いを往なすように、手刀で腕を叩き落とす。
 一見地味だが、その全ての動きが意味を持ち、相手の機先を制するこの技こそ、『奥義・不生』だ。
 
「捕らえましたわ……」
 完全に勢いを失った拳を握りしめる晶。
 手を繋いだかのようなこの形こそ、彼女が最も磨き、得意としてきた間合いだ。
 単純な力比べであれば、決してかなわない。
 だが、力の流れさえコントロールしてしまえば、その膂力の差は埋め得るものだ。

 腕を引く。
 肩口を押す。
 足を払う。
 岩すら容易に運ぶ怪力の主が、容易に体勢を崩される。
 
 顎を殴る。
 骨を砕くべく、間接とは反対方向へと腕をへし曲げる。
 その流れのまま巨漢を投げ、地面へと叩きつける。

 決して手を離さずに流れるように攻撃を加える晶。
 その表情はまるで――無邪気に遊ぶ童すら連想させる。
 そうしたまま力を振るう彼女を眺める兵達は、底冷えしたかのように体を震わせた。

「かくあれかし」

大成功 🔵​🔵​🔵​

ミルフィ・クロックラヴィット
アドリブや
他の方との連携も歓迎

いよいよ
あの第六天魔王の軍勢が…
勇敢に戦っている
砦の方々の為にも
この戦…負けられませんわ!

【POW】
敵将の大威力のUC…
これを食らっては
厄介そうですわね
ならば
出来る限り近寄らせない様に!

自身のアームドフォート
『アームドクロックワークス』
を展開
機銃や砲撃による
【一斉発射】や【吹き飛ばし】
ミサイルの【誘導弾】等
遠距離射撃主体で
近寄らせない様にして
敵にダメージを
与えていきますわ
それでも
掻い潜って来るようならば
UCによる猛烈な弾幕も
組み合わせて展開
(味方を巻き込まない様に)

【ジャバウォックの爪牙】での
近接の応戦も想定

敵の攻撃は
【見切り】【残像】
【拠点防御】等で
回避・防御


鈴城・有斗
万の軍勢相手だなんて、一騎当千でも釣り合わないよなぁ・・・
いや自分にそんな実力あるとは思わないけども
とはいえ、なんとか出来るチャンスがあるなら、賭けてみたくなるのも人情ってもんだろ

鉄の騎士を使用し鎧を纏う
カノンとドランにはいつも通り衝撃波で援護を頼もう

相手のここぞという大技には右手の槍を消し両手で盾を構えバリアを展開、その上で無敵城塞を使用
味方を狙っていたら割り込む

自分が受け止めてる間に味方がなんとかしてくれるのを祈ろう

アドリブ・連携歓迎です。




「糞がぁあああ!」
 戦いを楽しみ、笑顔を見せ続けていた摩訶曼荼羅。
 猟兵たちへ劣勢へと追い込まれ、初めて見せる焦り。
 大地を殴り、立ち上がる彼女を見据え、猟兵たちは攻め時だと互いに視線を絡める。

「敵将の攻撃力……あの一撃を食らっては厄介そうですわね」
 摩訶曼荼羅から距離を取りながらそう言葉を零すのは、メイド服を纏った幼女――ミルフィ・クロックラヴィット(ナイトオブホワイトラビット・f02229)
「ならば……出来る限り近寄らせない様に!」 
 遠距離戦を選択した彼女が取り出したのは、時計仕掛けの可変砲撃兵装『アームドクロックワークス』
 稼働音を響かせながら展開されたのは大量の機銃や大砲、ミサイルランチャー。
 彼女の身長以上に展開されたアームドクロックワークスは地中に杭を打ち込み固定されると、摩訶曼荼羅へと銃口を向けた。

「行きますわよ、フルバースト・マキシマム!」
 一斉に放たれる機銃が銃弾のカーテンを作り出す。
 マズルフラッシュをまたたかせながら、大量の薬莢を吐き出し続ける。
 続けて放たれる砲撃が、煙を吐き出しながら宙を飛ぶ大量のミサイルが摩訶曼荼羅へと降り注ぐ。
 連続する爆破音。
 大地を振るわせながら、抉りながら……一点に放たれ続ける攻撃。
 大量の土煙が舞う先から現れるのは、直視出来ない肉塊であると誰もが予想した。

「面倒くせぇことしてんじゃねぇ!」
 土煙が晴れる前に飛び出したのは、血まみれの摩訶曼荼羅。
 守兵たちの……ミルフィの予想に反し俊敏な動きを見せる彼女は、己が身に痛撃を与えた幼女を見つけると駆けだした。
 一歩、また一歩と大地を蹴る度に急激に詰められる距離――数呼吸の後に手が届く場所へと現れた羅刹から、巨大な兵装を展開したミルフィは逃げられない。
 その凶悪な拳が届かんとしたその瞬間――摩訶曼荼羅の身は、側面から現れた白き影に弾き飛ばされた。

 大地に線を描きながら着地した彼女が見たのは、右手に槍、左手に盾を構えた白き騎士――白き甲冑を纏い仲間を守らんと飛び出した、鈴城・有斗(人間のヴィジランテ・f18440)だ。
「摩訶曼荼羅……あんたは強いよ。一人で倒すような、自分にそんな実力あるとは思わないけども……何かが出来るチャンスがあるなら、それに賭けてみたくなるのも人情ってもんだろ?」
 自分に出来ることをしよう。
 少しでも仲間の役に立とう。
 謙虚ながらも戦うことを決めた少年は、『鉄の騎士(アング・ロクエン)』を纏い戦う。
 太陽の光を照り返しながらそびえ立つ武骨な鎧は、気高き誇りを感じさせた。

「しゃらくせぇ種子島の次は、南蛮鎧かっ!」
 怒りを見せる摩訶曼荼羅の構えは、大きく腕を引き腰を落としたもの。
 どう見ても強固であろうその鎧を打ち砕く為に、全力の一撃を放たんとする構えだ。
 強烈な一撃が来る――そう確信した有斗は右手に持つ槍を消し、両手で盾を構えた。
 盾から放たれる光の波動が、より強い煌きを生み出す。
 攻撃を、機動力を捨てた彼の構えは、防御だけを考えたもの。
「いっくぜぇえ!」
 大地を踏みしめ、放たれる強力な一撃。
 両者が激突した衝撃が大地を震わせ、突風を巻き起こす。
 最強の矛を打ち込まれた最強の盾は――白き騎士が構える光の盾は砕けない。

 その身が仲間を守る限り。

成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​

ニコラ・クローディア
その意気や天晴。家光殿に忠誠を誓っているのでなければ、オレサマの配下に欲しいぐらいだな。
さて――スデゴロ戦闘ならオレサマも十八番だ。
本業は魔術師だが……魔を用いた肉体強化と体術、そう舐めてもらっては困るぞ。
「やるなら全力、大いに結構。故に貴様には祖龍を拝むという幸運をくれてやろう」
祖龍顕現で黒鱗武装。相手が気を練っている間にユーベルコードの発動を済ませたら、あとはガチンコバトルだ。
とはいえ、こちらは攻撃を受けるたびに戦闘力向上と再生能力獲得が見込める。
長期戦となれば有利だろうが――ともかく、敵とスデゴロをすることによりその場に縫い留めて他の猟兵が攻撃を差し込む機会を作ろう。

連携・アドリブ歓迎


音羽・浄雲
※アドリブ、絡み歓迎です。

「織田滅ぼすべし。さあ皆様、ここはわたくしにお任せください」
 袖口からするりと垂らすは【詭り久秀】と名付けた鋼糸。相手が近接戦闘を望むのであればそれを避けるのが定石。
 地面に垂らした鋼糸を【地形を利用】して張り巡らせ、少しばかりの土を被せて【迷彩】、【目立たなく】した。これで仕込みは終わりだ。
「その覇道、再び遮らせていただきましょう」
 素早く印を結んで音羽忍法【絡新婦】を放つ。馬鹿正直に敵が突貫してくるならば搦めて手玉にとればいい。絡新婦の成功の如何を問わず追い打ちの為に【欺き光秀】を投擲する。
 敵が絡新婦、欺き光秀に気を取られれば隠した詭り久秀で【だまし討つ】。


向坂・要
こりゃまた威勢のいいこって

このまま放置する、ってのも目覚めがよくありやせんしね
助太刀させてもらいますぜ

常に戦場全体の様子を俯瞰で捉えるように心がけ

第六感もいかした見切りで敵の間合い、攻撃をを避けつつクイックドロウでカウンター気味に反撃
(ガン=カタって言やわかりやすいですかね)

宿すルーンの力を借りて相手の四肢を狙って風の棘、茨の属性攻撃で足留めを試みますかね
ついでに毒使いらしく毒も仕込んだり

勿論、足留めだけじゃなくきっちり攻撃もしていきますぜ
素手だろうが念動力込めた打撃の重さは痛ぇとおもいますぜ
なんて嘯いて

アドリブ
連携歓迎




「あたしゃぁ、信長様の将!摩訶曼荼羅だっ!あたしにゃ、敗北は許されないんだよぉ!」
 両の拳を合わせ、再び氣を練る摩訶曼荼羅。
 その威風は阿修羅の如く。
 戦いに全てを捧げた彼女にとって敗北は即ち死を意味する。

 狂気をも感じさせる女武者を打ち破らんと、三人の猟兵が歩み出た。
 
「その意気や天晴……だが――スデゴロ戦闘ならオレサマも十八番だ」
 楽しそうな笑顔を浮かべるのは、ニコラ・クローディア(龍師範・f00091)
「やるなら全力、大いに結構。故に貴様には祖龍を拝むという幸運をくれてやろう」
 彼女が身に纏うのは『祖龍顕現(アンセスタル・コール)』によって覆われた祖龍の黒鱗。
 全身に纏わせた魔力により肉体を強化し……殴り合う気満々、準備万端のいたいけな魔術師だ。

「織田滅ぼすべし」
 静かに闘志を燃やすもう一人の女性の名は、音羽・浄雲(怨讐の忍狐・f02651)
 かつて勇名を馳せたいたがが織田により滅ぼされた傭兵集団『音羽衆』の一員であった彼女。
 その望みは――かつての仲間たちの復讐。
 鬼面に隠れた怒りは如何程か。

「こりゃまた威勢のいいこって」
 最後の一人は獣耳の優男、向坂・要(黄昏通り雨・f08973)
 戦場全体を俯瞰していたこの男は、今こそ畳みかけるべきと、参戦する。
 その手に持つのは妖しい紋様が刻まれたリボルバー銃『Farbe』
 しかしその立ち位置は決して後衛では無く、仲間と共に前線で戦わんという気概が観てとれた。

 これまでの戦いで傷を重ね疲弊した摩訶曼荼羅。
 しかし彼女の殺気は強まるばかり。
 決して油断は許されず――その戦いは、より一層の苛烈さが予想される。
 よって、三人の猟兵の選択は包囲。
 ニコラを前面に相対させ、二人は左右から回り込む。
 これまでの戦いぶりから、摩訶曼荼羅の猛将ぶりは理解済。
 であれば、下手な前衛後衛の隊列は逆に後衛の危機を呼ぶ。
 誰が前衛となっても、連携して攻撃を叩きこむ。
 それが、この戦いの作戦だ。


「行くぜぇー!」
 ニコラと摩訶曼荼羅が、互いに放ったのは上段回し蹴り。
 風を斬り裂き、音より早く……拳以上の大威力の一撃が交差する。
 一点へと重なる攻撃。
 その衝撃は、相乗して互いの身を蝕む。
 割れる防具、砕ける龍鱗。
 そのダメージは、互いの骨にすら達する。
「オラオラオラァ!」
 連続して放たれる拳。
 回避よりも攻撃をと――捨て身の拳が炸裂する。
 互いが互いの身体を穿つ、惚れ惚れするほどの正面からの殴り合い。
 攻撃を受ければ受けるほどに強化され、殴るほど傷が癒えるニコラ。
 長期戦となれば有利……しかし、敵の拳の苛烈さは、安易な長期戦を許してはくれない。

「沈みなぁっ!」
 体勢を崩したニコラの顔面へと、摩訶曼荼羅の拳が迫る。
 凶悪な一撃が届かんとしたその瞬間――その拳は宙へと縫い留められた。
「その覇道、再び遮らせていただきましょう」
 摩訶曼荼羅を縫い留めるのは、浄雲の両掌から放たれた糸――彼女が放ったのは音羽忍法『絡新婦』だ。
 その忍法によって生み出された糸は柔軟かつ頑丈……刃を当てようとも、決して切断することは出来ない。
「しゃ、ら、く、せぇー!」
 切れないのであれば、逆に引き込むのみ。
 砦すら破壊する圧倒的膂力による牽引。
 たまらず浄雲は宙を舞う。

「助太刀させてもらいますぜ!」
 宙を舞う浄雲へと狙いを摩訶曼荼羅の顔面へと、牽制の熱線銃を放つ要。
 今度は自分の番とばかりに、摩訶曼荼羅へと接敵する。
「短筒使いがしゃしゃり出てくるんじゃねぇ!」
 飛来する熱線を避け、拳を振るう摩訶曼荼羅。
 その得物から接近戦は得意でなかろうと、容易に沈むと振り向きざまに攻撃を放つ。
 しかし彼女の予想に反し、その拳は宙を掴む。
「舐めてもらっちゃ、困りますぜ!」
 至近距離から目にも止まらぬ早打ちを叩きこむ要。
 熱線が摩訶曼荼羅の身体を焼く。
 異様に痛む傷口――ルーンに宿る呪いが彼女の肉体を蝕む。

 猟兵たちの連携が、悪鬼羅刹を追い込んでいった。


 摩訶曼荼羅は焦っていた。
 認めなければならない、猟兵たちは強い。
 しかし決して、勝てない相手では無い。

 正面から殴り合えば、勝てる相手。
 しかし一人を追い込めば、必ず残りが邪魔をしてくるのだ。
 ニコラを追い込めば苦無が飛び……浄雲を捉えれば短筒が火を噴き……要を捉えれば、再び拳が横から飛んでくる。
 傷を負うほどに身体の動きが鈍り……頭に血が上るほどに視野が狭くなる。
 このままではまずい。
 そう感じるほど、事態は悪化していくのだ。

「足留めだけじゃありやせんぜ!」
 攻め時とばかりに、短筒を手放した要が拳を振るう。
 返す拳も避けられ、摩訶曼荼羅はとっさに距離を取った。
「ようやく罠へとかかりましたね」
 後ろへと引いた彼女の全身を、浄雲の言葉と共に不可視の何かが身体を締め付ける。
 目を凝らせば、日の光を返すのは張り巡らされた鋼の糸――彼女が最初から仕込み、虎視眈々とその牙をむく瞬間を待っていた鋼糸『詭り久秀』だ。
 もがけばもがくほどに糸が引き締まり、摩訶曼荼羅の全身に血が滲む。
「オレサマを忘れてもらっちゃ困るぞ」
 摩訶曼荼羅が視線を戻せば、目の前には満身創痍のニコラが立っていた。
 摩訶曼荼羅と正面から熾烈な殴り合いを繰り広げたニコラ。
 ユーベルコードによる回復も間に合わず、その全身は血まみれ、顔は腫れている。
 しかしその顔は……腫れた瞼の下の瞳は、笑っていた。

「喰らいなぁ!」
 縫い留められた摩訶曼荼羅の顔面へと、全力の拳が刺さる。
 信長軍が一番槍……剛勇拳刃の摩訶曼荼羅の意識は、今――暗闇へと沈んだ。

成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​🔴​




第2章 集団戦 『魔神兵鬼『シュラ』』

POW   :    剣刃一閃・奪命
【近接斬撃武器】が命中した対象を切断する。
SPD   :    剣刃一矢・報復
敵を【近接斬撃武器による突き】で攻撃する。その強さは、自分や仲間が取得した🔴の総数に比例する。
WIZ   :    剣刃一弾・止水
対象のユーベルコードに対し【近接斬撃武器による弾き】を放ち、相殺する。事前にそれを見ていれば成功率が上がる。

イラスト:森乃ゴリラ

👑11
🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​🔴​🔴​

種別『集団戦』のルール
 記載された敵が「沢山」出現します(厳密に何体いるかは、書く場合も書かない場合もあります)。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
 それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。



 己が将の敗北を受け、騒めく信長軍の兵たち。
 しかしその騒めきはしばらくすれば落ち着きを見せ、その様子が軍全体の練度の高さを物語る。
「かかれぇい!前進!ぜんしーん!」
 総大将の指示を伝えるべく、騎馬に乗った兵たちが戦場を駆け回る。

 今、信長軍総勢一万の兵たちが進軍を開始した。
 砦へと火矢が雨のように降りかかる。
 破壊された砦門から侵入せんと歩を進める兵たち。
 そして数に勝る信長軍は、破壊された門以外からも攻め入らんと攻勢をかける。

 猟兵たちにかかれば格下の相手――しかしその物量差は圧倒的。
 今、猟兵たちは“戦”へと――軍と軍との戦いに、身を投じる。
鈴城・有斗
一旦砦に入ってアイテムボックス(仮)の中から消火剤と水を砦の守兵達に渡す。
燃えてるって聞いてたから来る前に急ぎで出せる分だけ提供してもらってきた(量の程度はMSさんにお任せします。 そんな時間無かったなら無しで)けど、多少は役に立つと良いな。

砦の弓兵には、狙っている所に自分が突っ込んで行っても気にせず矢を放ってくれて大丈夫だと伝えておく。
自分の身と近くのドラン、カノンくらいならバリアで防げるからね。

狙いたいのは敵の弓兵や工兵だけど、とりあえずぶち当たった敵はすべからく薙ぎ払っていこう。
ある程度突っ込んでは戻って休憩するのを繰り返す感じで。
体力を使い切る訳にもいかないし。

アドリブ・連携歓迎です。


ミルフィ・クロックラヴィット
アドリブや
他の方との連携も歓迎です

わたくしの力量も
未だ微々なれど…
この砦は
わたくし達で
護りきらねば…

ホバーバイク型ビークル
『ラビィエクステンダー』を
出現させて搭乗
それにアームドフォートを合体させ
【地形の利用】も使い
移動しつつの遊撃戦仕様で
敵兵に囲まれない様に戦闘
アームドフォートでの
【一斉発射】【誘導弾】
【吹き飛ばし】等の遠攻撃と
黒剣【ジャバウォックの爪牙】での
【鎧無視攻撃】【なぎ払い】等の
剣戟を組み合わせて攻撃
敵兵を纏めて攻撃出来そうな際は
UC発動
(味方を巻き込まない様に)

敵の攻撃は
【第六感】【見切り】
【残像】【オーラ防御】等で
回避・防御

『そちらが騎馬ならば…こちらも鋼の騎馬と参りますわ…!』




 薄桃色の煙が砦の周囲を舞う。
 その量はすさまじく、砦の外から中が伺えないほどだ。
 信長軍の兵たちは毒霧か何かかと戸惑い、その解放された扉から突入出来ないでいた。

 その薄桃色の煙の奥から、大きな影が浮かび出る。
 煙の奥から飛び出たのは白銀の騎士――白き甲冑に身を包んだ鈴城・有斗(人間のヴィジランテ・f18440)だ。
 有斗は突撃槍を手に敵の集団へと突撃する。
 敵を突き、盾で刎ね飛ばし、怪しい煙に足踏みをして勢いを失っている隊列をかき乱す。
 周囲を飛ぶ人形のカノンとドラゴンのドランも共に戦い、敵を薙ぎ払うのに一躍買っている。

(思ったより、役に立ったな)
 信長軍を攪乱している薄桃色の煙の正体とは、有斗が『アイテムボックス(仮)』から取り出した消火器から出た粉であった。
 元々は予知の内容から消化方法が必要であろうと持ち込み、砦の守兵たちへと渡した消火器。
 操作を教えた守兵たちが消火作業に取り組むまでは良かったのだが……慣れぬ操作に戸惑う守兵が消火器の止め方が分からず、必要以上に粉が出すぎてしまったのだ。
 その為、砦は現在消火器の粉にまみれており、結果として敵軍の進行を止めることに役立っていた。

 砦からは煙により狙いが定まらない中、矢が飛来し続けている。
 自身はバリアにより矢を防げると、敵軍へと飛び出した己に構わないよう、守兵たちへ予め連絡をしておいたのだ。
(何とか、敵の弓兵や工兵を狙いたいんだけど……)
 混乱の隙を突き、敵軍の奥へ、奥へと攻め入る有斗。
 されど相手はただでさえ数が圧倒的な信長軍、その上士気が高く、自身を犠牲にしても有斗を押しとどめようと死力を尽くす。
(体力を使い切る訳にもいかないしな)
 敵兵をまた一人突撃槍で貫いた有斗は、そろそろ一度引くかと身を翻す。
 しかしその退路は、信長軍の兵により埋めつくされていた。
(ちょっと、やっちゃったかな……)
 さすがに奥へと攻め入りすぎたかと、冷や汗を流す有斗。
 しかしその身を助けんと、新たな援軍が現れた。

「有斗様ーっ!」
 援護に現れたのはミルフィ・クロックラヴィット(ナイトオブホワイトラビット・f02229)
 彼女は兎を模した流線形のホバーバイク型ビークル『ラビィエクステンダー』を駆りかけつけた。
 その車体の上には重火器を展開した『アームドクロックワークス』を備え付け、凶悪な様相を呈している。
「いっきまーす!」
 ミルフィがビークルのハンドルに据えられたスイッチを押し込めば、大量の煙を吐き出しながらミサイルが一斉に発射される。
 爆音を響かせながら次々と敵を吹き飛ばすミルフィ。
 ビークルのハンドルを上手く操りながら、敵に囲まれた有斗を避けるように全武装の弾丸を放出していく。

「わたくしの力量は未だ微々なれど……この砦はわたくし達で護りきりましょう」
 弾を打ち尽くした砲撃兵装を切り離せば、ずしんと重低音が周囲に響く。
 先ほどの戦いでは助けられた恩を返さねばと、単身援護へと駆けつけたミルフィ。
 可変式の大剣『ジャバウォックの爪牙』を担ぎ出すと、彼女はもう片手を有斗へと差し出した。
「そちらが騎士ならば……こちらも鋼の騎馬と参りますわ!」
 後部座席へと有斗を乗せ走り出す。
 片手で大剣を担いだままエンジン音を響かせると、敵兵を刎ね飛ばしながら走り出した。
 彼女の幼気な外観に反し、その乗りこなしは正に人馬一体。
 重心が損ないやすい重量物を振り回し、それと同時に不安定な片手運転を見事にこなす。
 敵の矢から彼女を守る有斗と協力し、縦横無尽に戦場を駆け回る。
 引いては押し、押しては引く……二人は、見事な遊撃戦を繰り広げた。

「そろそろ戻りましょう……」
 気づけば、風に飛ばされて薄桃色の霧は晴れかかっていた。
 完全に晴れれば、信長軍の進軍は改めて苛烈となるだろう。
 二人は、敵兵を刎ね飛ばしながら、一度砦へと帰還した。

成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​

九尾・へとろ
精強な織田軍…めんどいのー。
という事でウチは阿呆の兵士にお慰みの舞いをくれてやろう。

「存在感」を示し、トーンタンタン、拍を取る。
異能にて中空に描くは真紅、血よりも紅く、火よりも温い。
呪紋を己が四肢、兵士達の得物に当てる。
武舞、へとろ舞。舞い描きたるは豪力の呪紋。
さぁさ、これで皆々様は一騎当千の将と相成った。

とはいえ一対一は控えて戦ってくるのじゃよ。
腐っても敵は覇道の軍じゃから。
生きて帰れば、愛いお前様方には熱~いご褒美をくれてやろうかの。
っと、「誘惑」めいて送り出す。

ウチは「暗殺」が専科。
阿呆の兄様方で敵の気を散らし、陰から陰に首を狩るとしようかの。
ひょひょひょ、愛い阿呆はこう使うに限るのう。




「精強な織田軍…めんどいのー」
 九尾・へとろ(武舞の姫・f14870)は、今まさに両軍の兵が激突している正門を眺め、億劫とした表情を浮かべる。
 しかしその表情は直ぐに引き締まった。
 愛すべき阿呆が今も尚傷ついているのだ。
 彼女もまた、彼らの助けに成りたいと動き出した。

「さて、ウチは阿呆の兵士にお慰みの舞いをくれてやろう」
 へとろが舞うは『へとろ舞―豪力の呪紋―』
 彼女が舞えば、その軌跡に深紅の呪紋が描かれる。
 独特のリズムで描かれるその紋章は、血よりも紅く、炎より暖かかった。
 宙へと描かれた紅き呪紋が、へとろの四肢に、そして前線でぶつかり合う兵の獲物へと飛んでいく。
 へとろが舞い描きたるは豪力の呪紋。
 その援護を受けた兵たちは一騎当千の古強者と化す。
 されど、敵兵もまた歴戦の将兵が復活したオブリビオン。
 決して、被害が零とは行かないだろう。

「生きて帰れば、愛いお前様方には熱~いご褒美をくれてやろうかの」
 一人でも多く生き延びて欲しい。
 そう心から願うへてろは、冗談めかしたような言葉をこぼす。

「さて、阿呆の兄様方で敵の気を散らし、陰から陰に首を狩るとしようかの」
 小さな暗殺者は、乱戦の中に飛び込んだ。
 怒声と、汗と、血飛沫が飛び交う戦場。
 艶やかな雰囲気を纏う少女は、その乱戦の隙間を縫い、次々と敵兵の首を掻ききってゆく。
 士気高く、勢いにのる徳川軍の勢いに押され、目の前の対応に追われる敵兵は、その存在に気付けない。

「ひょひょひょ、愛い阿呆はこう使うに限るのう」
戦場に、小さな愛らしい声が木霊した。

成功 🔵​🔵​🔴​

向坂・要
まぁ、こうなりますよねぇ
さて、と

八咫影戯と第六感、精霊達の助力で城全体の様子を把握しつつ錬成カミヤドリで生み出した分体で城の防衛の手薄な箇所などを把握。
兵士に指示を出したり援護にまわったりさせてもらいますぜ
分体もルーンを宿して攻防に使う以外にちょいとした文や物資を持たせて伝来役なんかにも使えるでしょうしね

オレ自身も夜華やLückeを手に加勢させて貰いますぜ

【地形を利用】したり【破壊工作】なんかの【戦闘知識】も役に立ちそうだ

兵士の方々含め連携、アドリブ歓迎




「まぁ、こうなりますよねぇ……っと」
 向坂・要(黄昏通り雨・f08973)は駆ける。
 『八咫影戯』により影から生まれた闇色の鴉たちを飛ばし、砦全体を把握して回っている要は、西から東へと大忙しだ。
 既に破壊されている正門は守兵と信長軍が直接ぶつかり合っているが、猟兵たちの援護もあり何とか均衡を続けている。
 しかし敵は、正面から攻め手くるだけでは無い。
 裏門に加え、西門、東門と四方の残りの門へも突き破らんと敵軍は攻めかかっている。
 それどころか、圧倒的数に勝る信長軍は砦をぐるりと一周囲い、扉以外の場所からも乗り込まんと梯子をかけようと進軍してきているのだ。

 要と共に飛び交うのは、『錬成カミヤドリ』により複製された鉱物から削り出された像。
 それらが砲丸となり、はたまた落石となり……壁を乗り越えることに成功しそうな一団を見つけると突き落とすという作業を繰り返している。
 その為西へ東へと鴉を飛ばし、敵を見つければカミヤドリを飛ばし……その対応に忙殺されている。

 ふと気づけば、すぐ目の前に今まさに壁を乗り越えようとしている一団を発見した。
「さぁて、俺も加勢させて貰いますぜ!」
 『Lucke』を手に敵兵へと肉薄する要。
 短刀の形をしていた“それ”は、要が敵兵の中心へと飛び込むと形を変える。
 刃と刃の間が広がるように刀が伸びれば、その武器は蛇腹剣へと姿を変えた。
 要がくるりと身体を回せば、鞭のようにしなり敵を斬り裂く。
 壁から突き落とされた敵へを尻目に、要は次なる箇所へと向かった。

「まだまだ忙しくなりやすぜ!」

成功 🔵​🔵​🔴​

ニコラ・クローディア
オブリビオンらしい姿だな。頭部が機械とは。
さて。

貴様らのユーベルコード、武器がなければどうにもならん手合いと見た。
その牙、折らせていただこう。

ウィザードミサイル一斉射撃。弾丸経由の魔術発動なんていう洒落た技は貴様らに見せるには品が良すぎるからな。武器で弾いて相殺するらしいが――オレサマが一呼吸の間に放つ(高速詠唱+全力魔法+一斉発射)矢の数は200だ。1人あたり2本ずつ割り当てても(2回攻撃)1射で100人(なぎ払い+クイックドロウ)。撃ち漏らしがあっても数には数で抗わせてもらおうじゃないか。
最も、魔力の矢という非実体攻撃をたかがナマクラで捌けるのならの話だがな。

アドリブ・連携歓迎




「オブリビオンらしい姿だな……頭部が機械とは」
 ニコラ・クローディア(龍師範・f00091)は髪をゆらしながら仁王立ちにて敵を待つ。
 彼女が守るは、砦の門の一つ。
 その門は既に破られ、彼女の瞳にはこちらへ勇ましく突撃する信長軍の歩兵が写っていた。
 敵軍を迎え撃つべく、砦からは徳川軍の守兵による矢が降り注ぐ。
 しかし敵兵は皆、覇軍の兵――かつてはエンパイアを制した信長軍の一員であったオブリビオン。
 その刀さばきは一流のものであり、己が身に届く矢を的確に切り落としながら進軍を続ける。
 幾ばくかの被害はあるものの……その大多数は攻め入る勢いのままこちらに向かっていた。

「その牙、折らせていただこう」
 ニコラが唱えるは『ウィザードミサイル』
 本来であればウィザードとしては基礎的な術であろう。
 しかしその生み出される炎の矢は、並みの術者とは一線を画したものであった。
 彼女が掲げた指先に浮かぶ炎の矢は、百を優に越え、さらにはその倍はあろうかという数が浮かんでいた。
 彼女がもう片手を添えたのならば、燃え盛る炎は倍へと増える。
 一呼吸のうちに通路を埋め尽くさんとする炎のカーテンを広げたニコラは、その荒業が何でもないかのように両の手を振り下ろした。
「そのナマクラで捌けるのであれば、捌いて見せろ!」
 ニコラの腕の動きと共に降り注ぐ炎の雨。
 その絨毯爆撃は人一人、猫一匹通すことも出来ないほどの密度だ。
 土砂崩れのような地響きを鳴らしながら炎の雨が大地を穿つ。
 それはもはや天災の如く。
 通路をひしめく信長軍を薙ぎ払う。
 突撃の勢いは完全に失われ、嵐の後には骸が並ぶ。

「さぁ、かかってきな」
 ニヒルに笑うニコラの背には、再び数多の炎が浮かんでいた。

大成功 🔵​🔵​🔵​

音羽・浄雲
※アドリブ、連携歓迎です。

 将を討った。しかしここで勢いに任せては兵の命を死地に晒してしまう。思案した浄雲は兵の一部の指揮を申し出た。
「わたくしは皆様を生かしたいのです。故に、わたくしに活かされてはくださいませんか?」
 浄雲は印を結んで外道を召喚し、兵達と共に詭り久秀と砦の資材で罠を作り始めた。
「敵の足取りはわたくしの放つ目が教えてくれます。わたくしたちは敵の脚を断ちましょう」
 致命的な罠では止まらない。そこで浄雲達は、進軍してくる敵の機動力を削ぐ。
 命を取らない。罠使いの鉄則にして戦の妙。罠に嵌り、傷を負った敵は周囲の敵の士気を下げ、進軍を遅らせる。
 今や砦とその周囲は浄雲の猟場であった。




「わたくしは皆様を生かしたいのです。故に、わたくしに活かされてはくださいませんか?」
 音羽・浄雲(怨讐の忍狐・f02651)は、砦の守護を預かる侍大将へと申し出る。
 彼女が申し出たのは、後詰めとはいえ、指揮の一部譲渡依頼。
 本来軍を預かる将であれば、屈辱を感じても可笑しくない申し出だが……猟兵たちの活躍を見た侍大将は、快く浄雲の申し出を承知した。
「宜しいのですか?」
 あまりにスムーズな了承に拍子抜けをした浄雲。
 とっさに良いのかと聞き返してしまう。
「今はこの徳川幕府の太平の世が守られるかどうかの瀬戸際……私の矜持など、犬にでも喰わせておけば宜しい」
 そう言い切る侍大将へと、浄雲は静かに頭を下げた。


「来ます……」
 瞳を閉じた浄雲は、宙から裏門の様子を眺めていた。
 浄雲の目となるのは、音羽忍法『外道』により召喚された不可視の狐。
 その式神と五感を共有している彼女は、裏門へと貼りつき、今まさに扉を破らんと木を切り倒した簡易的な破城槌を叩きつける様子を見ていた。

 轟音を響かせ、木造の扉が倒れる。
 一気呵成に攻めいらんと、勢い良く雪崩れ込む信長軍。
 しかしそこは――裏門からの一本道は、絶好の狩場と化していた。
 浄雲と彼女に預けらた守兵たちは、攻めいる際に通らねばならない一本道へと、資材を用いた罠を敷き詰めていた。
 それは決して命を奪う為のものではなく、あくまで機動力を削ぐことに特化した罠。
 鋭く削られた数多の杭が、歩兵の足を傷つけていく。
 最前面を走る歩兵は理解して止まろうとしても、次から次へと進軍する後続に、罠の中へと押し込まれていく。

「あくまで機動力を削ぐのです、打てぇー!」
 浄雲の号令と共に矢を放つ守兵たち。
 死兵となり、味方を足場に雪崩れ込まれては勝ち目は無い。
 だからこそ、あえて敵の命を奪わず、足のみを傷つける。
 傷を負った敵は周囲の敵の士気を下げ、傷兵の救助は進軍を遅らせる為だ。

 今や裏門から進軍した信長軍は、浄雲の掌の上で踊らされていた。

大成功 🔵​🔵​🔵​




第3章 ボス戦 『死霊女主人『髑髏彼岸』』

POW   :    この子達と遊んであげて?
【記憶】を代償に自身の装備武器の封印を解いて【妖怪がしゃどくろ】に変化させ、殺傷力を増す。
SPD   :    希望というのはよく燃えるわ
対象の攻撃を軽減する【紅く燃える人魂】に変身しつつ、【心を焼く呪いの炎】で攻撃する。ただし、解除するまで毎秒寿命を削る。
WIZ   :    思い出して……
【優しい言葉】を向けた対象に、【悲しい記憶】でダメージを与える。命中率が高い。

イラスト:エゾツユ

👑11
🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

種別『ボス戦』のルール
 記載された敵が「1体」出現します。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
 それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
 プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※このボスの宿敵主は💠鳴猫・又三郎です。ボスは殺してもシナリオ終了後に蘇る可能性がありますが、宿敵主がボス戦に参加したかつシナリオが成功すると、とどめを刺す事ができます。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。



 戦いは長きに渡った。
 倒せど倒せど、敵兵の波は途絶えることが無い。
 終わりの見えない戦いに猟兵たちの心が疲弊した頃――砦門に新たな影が現れた。

 山が崩れるような轟音。
 猟兵たちが目を向ければ、砦の壁に手をかけたのは砦の壁を悠々と越すほどの“巨大な人骨”だ。
 エンパイアに精通している者であれば、その妖を見て“がしゃ髑髏”という名を思い起こすだろう。
 その巨大なもう片手の掌には、怪しげな雰囲気を纏う妙齢の女性が立っていた。

 本来であれば、戦場にそぐわないであろう雅な恰好の女性。
 しかしその纏う威圧感が――漂う死臭が、彼女が只者では無いことを感じさせる。
 猟兵たちは、彼女こそがこの信長軍の総大将であることを直感した。

「いつまでも、遊んでいる場合じゃないのよ?」
 冷たい声を聴いた信長軍の兵たちは、静かに下がりひれ伏す。
 震える彼らは理解している――自分たちは足手まといにしかならないと。
 また、この巨大な妖の近くにいてはいけないと。

 いま、猟兵たちの前へこの戦い始まって最大の壁が立ちはだかった。
ミルフィ・クロックラヴィット
アドリブや連携も大歓迎です

あれが総大将…
凄まじい威圧感ですわ
それにあの巨大な髑髏…

『先ずは…あの髑髏を止めねば…!』

【POW】

UCを発動
自身の全アームドフォートを
変形合体させ
巨大ロボ形態にし搭乗
がしゃ髑髏と『巨大戦』展開

『巨大戦と参りますわ…!――ナイトオブホワイト・起動…!』

UCと合わせ
【鎧無視攻撃】【吹き飛ばし】等
近接格闘や
内蔵したアームドフォートでの
【一斉射撃】【誘導弾】等
射撃や砲撃・ミサイル等
で攻撃

敵の攻撃は
【第六感】【操縦】【見切り】【残像】
【オーラ防御】で
回避・防御

『わたくしの歳ならば…ナースメイドとして、子守りも仰せ付りますが…もう少し可愛げのある御子をお相手したいですわね…!』


音羽・浄雲
※アドリブ、連携歓迎です。

「どうやら似たような術を使う輩の様ですね。織田の将と術が似通っているのは非常に不愉快です。そうであろう、音羽衆」
 印を結んだ浄雲の周り現れたは骸の兵団【音羽衆】。その誰もが怨みを込めて敵将を見遣る。
「我等が無念、今こそ晴らす。織田誅戮の手始めにあの者の首級を挙げよ!」
 骸の兵者立ちが甲冑を、その身体を、ボロボロの武具を鳴らしながら駆けていく。
 あの者の首級を挙げるは我ぞと兵者の誰もが目を光らせる。
「音羽忍法【餓者髑髏】。我が音羽衆は不滅にして変幻自在・・・・・・そちらが寄り集めたがしゃ髑髏をつくり上げるならば、我らも群を個にして任を果たしましょう」




「あれが総大将……凄まじい威圧感ですわ」
 肌にピリピリと何かが刺さるような威圧感を感じる。
 ミルフィ・クロックラヴィット(ナイトオブホワイトラビット・f02229)は敵総大将に気圧されながらも立ち向かうべく、決意を新たに大地を踏みしめる。
「先ずは……あの髑髏を止めねば!」
 大将に近づくにしても、まずはあの巨大な髑髏を何とかしなければなるまい。
 であるならば……彼女の選択肢は一つだ。
「巨大戦と参りますわ!――ナイトオブホワイト……起動!」
 彼女の背後で『アームドクロックワークス』が宙に浮き、展開される。
 複雑に変形していく絡繰りは、ミルフィの全身へと覆いかぶさってゆく。
 機械音を響かせながら行なわれる“それ”は正に変形合体――男の浪漫。
 そこに現れたのは、鎧装騎兵――ナイトオブホワイトだ。

「くらいなさいっ!」
 機械仕掛けの鋼の騎士は全身に仕込まれた重火器を一斉に放つ。
 薬莢の雨を降らせながら銃弾のカーテンを広げ。
 地面を抉りながらも砲撃を放ち。
 大量の煙の尾を引きながらミサイルを放つ。
 銃撃が、砲撃が、ミサイルが骨の巨人へと突き刺さる。
 響く轟音、上がる土煙。
(やりました……か?)
 期待を胸に様子を伺うミルフィの期待に反し――標的は健在。
 土煙の中から現れたのは損傷を受けたがしゃ髑髏と、それに守られた総大将――髑髏彼岸の姿だ。
「ちょっと、うちの子が怪我しちゃったじゃない……死んで?」
 髑髏彼岸の静かな声と共に振るわれる巨人の拳。
 その重い一撃を受けたミルフィは、後方へと弾き飛ばされた。
 しかし彼女の存在に気を取られた髑髏彼岸は気づかない――第二の刺客が忍び寄っていることに。

「織田滅ぼすべし!」
 骨の巨人の隙間を縫うように現れたのは、音羽・浄雲(怨讐の忍狐・f02651)と彼女に召喚された骸の兵団・音羽衆。
 骸の眼窩には赤き炎が灯る――その灯は亡者の怨念。
 かつて信長軍に滅ぼされた音羽衆の成れの果て。
 骸の兵者はヒビの入った甲冑を纏い、刃こぼれをした刀を構える。
 今こそ昔年の恨みを果たすとき。
「我等が無念、今こそ晴らす。織田誅戮の手始めにあの者の首級を挙げよ!」
 浄雲に従う骸の兵者は隊を組み、骨の巨人へと立ち向かう。
 足を、腕を、そして抱える髑髏彼岸を狙い、正しく死兵となり切りかかった。
 その戦いぶりは正に歴戦の精鋭部隊。
 其々が己が役割を全うし、見事刃の一つが首へと届く。

 骸骨兵の一人が髑髏彼岸へと切りかかったその瞬間、彼女の姿は紅く燃える人魂へと変化した。
 人魂の炎に焼かれた骸骨兵。
 骨の巨人に守られる姫もまた凶悪なオブリビオン。
 骨を灰へと変えた髑髏彼岸は姿を戻し、冷ややかな笑みを浮かべる。
「希望というのはよく燃えるわ」
 その侮蔑の表情に対し、浄雲の復讐の炎はより燃え上がる。
 そして音に聞こえた音羽衆もまた……その程度で終わる存在では無いのだ。
「音羽忍法【餓者髑髏】。我が音羽衆は不滅にして変幻自在……我らも群を個にして任を果たしましょう」
 浄雲が印を結べば、骸骨兵は一つへと重なり紅く光る。
 怪しげな煙が立ち上った後――その場には、髑髏顔の荒武者がそびえ立っていた。
 二間はあろうその荒武者には、『肆拾』と文字が刻まれている。 
「織田の将と術が似通っているのは非常に不愉快です……そうであろう、音羽衆」
 浄雲の呼びかけに答えるように、荒武者は声にならない唸り声をあげた。

 骨の巨人と巨人のぶつかり合い。
 地響きを響かせながら、巨大な刀が骨を削る。
 しかし同時に振るわれる巨大な拳もまた、荒武者の甲冑を砕いて見せた。
 戦いは互角――そう思わせた瞬間、横から鋼の騎士が突撃する。
「私だって、まだやれます!」
 ひしゃげた鎧の傷は見るからに軽いものでは無いが、どうやら致命的なものでもないようだ。
 ミルフィがまとった不可視の壁とダメージを往なす操縦技術により、機械仕掛けの騎士は致命的なダメージを防いだのであろう。

 鋼の騎士が殴り、骨の荒武者が切り捨てる。
 守るべき主人を零した骨の巨人は――壁へとぶつかり、大地を揺らした。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

戦場外院・晶
「いいえ、いいえ、遊んで頂きましょうとも……何時まででも」
骸骨には眼もくれず、首魁たる女性……狙うは彼女の白い手でございます
何処にいようと、とにかく駆けて近づく、それしか出来ないのでそうするまで
彼女は逃げようとするでしょうか
「……禁」
お付き合い致します
お付き合い願います
……はて、悲しい記憶?

何より戦と血を好むと罵られた事?
母が死んだ事?
自分が生まれついての異端であると実感した事……
いえ、いえ

「それらを悲しいと思わぬ己こそが悲しい……しかし」
……それも、今、この時、この瞬間比べれば【どうでもよい事】

【手を繋ぐ】【怪力】で離さず【グラップル】で崩し
「……かくあれかし」

【破魔】を込めて殴る……笑って




「いいえ、いいえ、遊んで頂きましょうとも……何時まででも」
 戦場外院・晶(強く握れば、彼女は笑う・f09489)は小さく笑う。
 視線の先には壁を突き破り外へと倒れ伏す、がしゃ髑髏。
 そしてその掌から下り立ち、立ち上る砂煙を物憂げに着物の裾で払い飛ばす髑髏彼岸。
 仲間の協力により生まれた隙。
 彼女が狙うのは、総大将唯一人だ。

「少しでも希望があると思ってるのが……不愉快」
 全力で駆け寄る晶に気付いた髑髏彼岸。
 千載一遇のチャンスとばかりに駆ける晶に対し、そんな隙は無いとばかりに言葉を零す。
 彼女の拳が届くその時には、髑髏彼岸は再びその身を炎へと変えた。
「……禁」
 しかし晶は静かに印を結ぶ。
 付き合って貰わねば困ると。
 嫌でも付き合ってもらうと。
 彼女が放つは『禁術・絶対接戦』
 その術はこの世の理すら変えて見せる。
 全ては彼女の望む戦闘の為に。
 全ては彼女が願う闘争の為に。

「なっ!」
 自らの意思に反し姿を戻す髑髏彼岸――その表情には初めて焦りの色が浮かんでいた。
 彼女のその人間離れしたほどの白い華奢な右手を晶の鍛え抜かれた掌が握り込む。
 ぎちり、と握りつぶされた掌で骨が擦れる音が小さく響いた。
 痛みに顔をしかめた髑髏彼岸は、晶の瞳を覗き込む。
「ねぇ、思い出して……貴方の幸せを」
 瞳術と共に囁かれる言葉が、晶の心の傷を刺激する。
 戦と血を好むと罵られた事。
 血の繋がった母の死。
 己が異端であると実感した記憶。
 そして何より……
「それらを悲しいと思わぬ己こそが悲しい」
 過去の記憶が大したことでは無いと感じてしまう己の不完全さが……己の歪さが悲しい。
 心がささくれ立ち、胸が締め付けられる。
 心の傷が身体に現れるかのように、彼女の口元から血が流れる。

 しかし……その歪さ故に、その悲しささえも“どうでもいい”と感じてしまう。
 晶のぶれない瞳により、己が術の不発を悟る髑髏彼岸。
 その唇は忌々し気に歪んでいた。
「……かくあれかし」
 髑髏彼岸の華奢な腕を容易く捻り、膝を蹴って跪かせる。
 振りかぶった晶の掌には十字架が握り込まれ、その拳は見るからに聖なる気を纏っていた。
 彼女は嗤う。
 楽しそうに、楽しそうに――拳を振り下ろしながら。

 聖なる気が髑髏彼岸の肌を焼く。
 砦の中に、絶叫が響き渡った。 

大成功 🔵​🔵​🔵​

ニコラ・クローディア
「ああいうバカを手勢に加えるとは、信長とやらの目も節穴か?」
配下を恐怖で縛り上げてどうする
恐れられる上役というのは統率力に長けているようでその実、配下の実力を削ぐ最悪の存在だ
その上、指揮官の単独行…こちらとの勝負の土俵に上がった時点でタカが知れるな
「惜しいことをするよ、オブリビオン――きちんと指揮を執って配下の数で圧していればオレサマたちも敗れただろうによ!」
真の姿を解放して接近戦を挑もう
龍翼外套による防御(激痛耐性+盾受け+オーラ防御)と龍爪による格闘(グラップル+力溜め)
がしゃ髑髏の骨はカウンターがてら1本ずつ折ってやろう(見切り+カウンター)
ダルマにしちまえば戦えまい?
連携・アドリブ歓迎




 絶叫が響く砦の中。
 髑髏彼岸の顔は焼け、その半面からはしゃれこうべが顔を出す。
 本来であれば己が将の危機……一にも二にも、助け出すべきであろう。
 しかし、配下の兵は動けない。
 彼女の意思に反したものが、どうなるかを知っているが故に。
「ああいうバカを手勢に加えるとは、信長とやらの目も節穴か?」
 ニコラ・クローディア(龍師範・f00091)はつまらなそうに息を吐く。
 兵を取り纏める方法として恐怖は有用そうで、その実下策。
 配下を活かし切れないどころか、実力を削ぐことにすら繋がる。
 総大将が最前線へと出張り、結果として窮地に立つ。
 それを馬鹿と言わずして、何と言おうか。

「惜しいことをするよ、オブリビオン――きちんと指揮を執って配下の数で圧していればオレサマたちも敗れただろうによ!」
 ニコラの周囲を魔力の奔流が渦を巻く。
 現れた彼女の真の姿は正に竜人。
 龍翼の外套に身を包み、その肌は黒き龍鱗に覆われていた。
 彼女は目の前の戦いに胸を躍らせ、楽しそうに舌なめずりをすると駆けだした。
「クラウディウス式龍闘術、推して参るっ!」

 髑髏彼岸へと止めを刺すべく、龍翼を羽ばたかせ滑空する。
 叫ぶ彼女は未だ隙だらけ。
 庇うべき配下が動けない中……飛び掛かるニコラから己が主を守るべく、ヒビだらけとなったがしゃ髑髏が立ち上がる。
「いい加減、邪魔なんだよ!」
 巨大な拳とすれ違うように飛び交うニコラ。
 彼女が用いるのは己が龍鱗に魔力を通し、強力な徒手空拳を可能にする――クラウディウス式龍闘術。
 魔力を纏い強化された一撃が、巨大な骨のヒビの入った部位を狙い打つ。
 これまでの猟兵たちの攻撃によりダメージが蓄積し、脆くなった急所への痛撃。
 城をも砕く骨の腕が、大きな音を立てながら崩れ落ちる。

 自身のダメージなど知ったものかと、残った四肢を振るうがしゃ髑髏。
 そのがしゃ髑髏の攻撃へ合わせ、無慈悲に打ち込まれるカウンター。
 一本、また一本と巨大な骨が打ち砕かれていく。
 四肢全てを打ち砕かれたがしゃ髑髏は、バランスを崩し大地に沈む。

「ダルマにしちまえば戦えまい?」
 そう嗤う彼女の笑顔は、暴君の如き荒々しいものであった。

大成功 🔵​🔵​🔵​

鈴城・有斗
これが最後
切り開く!

カノンとドランには引き続き衝撃波で援護と牽制を頼む

敵の攻撃は盾とバリアで防御

ダークハンドで敵を掴んだら戻る勢いを利用して突撃
突撃する前に後ろの方にもう一本ダークハンドを伸ばしてなにか掴んで固定しておく
突撃で敵に接近したら、後ろに伸ばしていたダークハンドを瞬時に引き戻しその勢いでぶん殴る

人魂状態になったらダークハンドで掴んで思い切り振り回して地面に叩き付ける
自身も燃えるだろうけど、呪詛や炎には多少の耐性はある
我慢比べだ

アドリブ・連携歓迎です。


九尾・へとろ
随分と華奢な姉様じゃのー。
どれ、ウチとも遊んでみないかえ?

武舞を舞い、ひらりと敵の攻撃をかわし、からかうように、中空に色を描く。
描く色は赤。紅。朱。
何を指しておると思う、華奢な髑髏の姉様よ。

悲しい記憶。忘れたい記憶。
暗殺などという生業じゃ。
九尾の血の最後の種じゃ。
父母の情も恋しい年じゃ。
あるじゃろう。色々。

じゃがのー、そういうのは似合わんでのー。
ウチは舞い手。人々を魅せ、死に誘う水先案内人。
赤く、紅く、朱く。
燃えよ色よ。へとろの異能。

悲しい過去もなにもかも飲み込めよ焔。
そこな姉様も、骨も、軍勢も飲み込み真っ赤に燃えよ。
ひょひょひょ、燃えよ燃えよ。
焔と舞いにて此度の騒乱の幕引きとしようかの。


向坂・要
ようやく大将のお出まし、ですかぃ

こいつぁ、べっぴんさんで
なんて嘯きつつ油断せず
常に第六感もいかし戦場全体を俯瞰で捉える様に意識

思い出して、ですかぃ
悲しい記憶の全部が辛い嫌なもの、とは限りませんぜ?

その悲しみも1つの過去と割り切る自身にはむしろ懐かしさすら感じ

返礼と返すはエレメンタル・ファンタジアで呼び出した焔を纏いし鎌鼬の群れ
【属性攻撃】に【毒使い】による仕込みも忘れずに

アドリブ 絡み歓迎しますぜ




「これが最後だ、切り開く!」
 今こそ、敵の総大将を倒す。
 この戦いにケリをつけるべく、鈴城・有斗(人間のヴィジランテ・f18440)は駆け出した。
 傍らに飛ぶのは牽制を担う有斗の相棒――カノンとドラン。
 彼は相棒と共に、髑髏彼岸へと突撃する。

「ちぃっ……」
 これまでの皮肉めいた言葉を零す余裕が無くなった髑髏彼岸。
 左手で覆い隠すその顔は焼け落ち、指の隙間から髑髏が顔を出す。
「伸びろっ!」
 駆け寄る有斗が放つのは『ダークハンド』――影が彼の両手を覆うように練り上げられ、カートゥーンのように大きく膨らんだ。
 影の右手は大きく伸びると、砕けた砦壁に手をかけ、一気に縮まることで有斗を前へとはじき出す。
 続けて引き伸ばされた影の左手が、はじき出された慣性の勢いのまま髑髏彼岸へと叩きこまんと肉薄した。

「……くっ」
 迫り来る拳を無効化するべく、己が身体を燃える人魂へと変える髑髏彼岸――しかし辿り着く直前に開かれた影の拳は、炎と化した彼女を握り込んだ。
「逃がさないっ!」
 燃やし尽くそうと……荒ぶる感情のままに燃え上がる髑髏彼岸。
 しかし炎に影は焼けず、捕縛されるがまま壁へと叩きつけられた。
 たまらず姿を戻す髑髏彼岸。
 荒い吐息と大玉の脂汗。
 呪いの炎へと身を変えるその術は、彼女の身体をも蝕む諸刃の剣なのだ。

「こいつぁ、またべっぴんさんで」
「随分と華奢な姉様じゃのー……どれ、ウチとも遊んでみないかえ?」
 有斗が捉えた髑髏彼岸に止めを刺すべく、二人の猟兵がゆっくりと歩み寄る。
 一人は獣耳の青年――向坂・要(黄昏通り雨・f08973)
 骨を剥き出しにした絶世の美女を揶揄するかのように、ニヒルな笑みを浮かべている。
 もう一人は妖狐の少女――九尾・へとろ(武舞の姫・f14870)。
 着物の裾を揺らしながら、からかうような笑みを浮かべていた。
「戦いなんて止めて……お家に帰りましょ?」
 己の不利を悟り、猟兵たちの笑顔に気圧された髑髏彼岸は、その瞳を怪しく光らせながら術を放つ。
 その言葉が呼び起こすのは、悲しき記憶……心の棘。

 悲しい記憶、忘れたい記憶。
 生まれか、生い立ちか、生業か。
 はたまた己の家族の記憶か。
 人生など人それぞれ、山があれば谷がある。
 悲しき記憶などと言ってもキリが無い。
 だが……
「悲しい記憶の全部が辛い嫌なもの、とは限りませんぜ?」
「うむ、ウチにはそういうのは似合わんのじゃ」
 己が人生に悔いなど無い二人には刺さらない。
 その程度の心の傷は、かすり傷だ。

「ウチは舞い手。人々を魅せ、死に誘う水先案内人」
 笑いながら、へとろは踊り出す。
 次なる演目は『異能・武舞姫の彩』
 振るう腕が、伸びる足が、回る尾が色を描く。
 赤く、紅く、朱く。
「ひょひょひょ、燃えよ燃えよ」
 へとろが描く赫が、猛々しい炎へと変化する。
 悲しい過去を燃やし尽くすかのように。
 この戦の英霊を送り出すかのように。

「さぁて、あっしもお返しと行きますかい!」
 要が放つのは『エレメンタル・ファンタジア』による炎の竜巻。
 荒れ狂う炎の渦はへとろが描き出す鮮やかな炎と複雑に絡み合う。
 のたうつ動きは、まるで鎌首をもたげる異形の獣の如く。
「これだけじゃ、終わりませんぜ?」
 強め合う炎に対し、腕を振るう要。
 宙に描くのは『毒』のルーン。
 彼が操る炎の渦が、毒々しい紫へと姿を変えた。

「ぐっ、ぁあああ!」
 赫と紫の入り混じる炎に焼かれ、髑髏彼岸は悲鳴をあげる。
 これまでにない人外めいた力を発揮し、身をよじる彼女。
 しかし……その身を縛る影は揺るがない。
「我慢比べだ!」
 彼女が焼き尽くされるのが先か、火事場の馬鹿力が打ち勝つのが先か。
 脂汗を流しながら、全力の影の腕で握り込む有斗。
 その力のせめぎ合いは、いかほど続いたのだろうか。
「くっ……」
 その疲労から膝をつく有斗。
 解かれた両の手の中からは……白き灰が零れ落ちた。

「どっ、髑髏彼岸様がやられたぞーっ!」
 呆然と見守っていた兵たちは、己が総大将の敗北に慄く。
 勝ち鬨をあげる砦の守兵たち――そんな歓声に追い出されるかのように、信長軍の兵たちは散り散りに逃げ去ってゆく。
「ほっほっほ、気合がたりんのう」
「あっしはまだまだ戦えたんですがねぇ」
「もう……休ませてくれよ」

 歓声は沸き続ける。
 傾き始めた日で後光に包まれるように――砦に登り、眼下を見下ろす猟兵たちの姿がそこにあった。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​



最終結果:成功

完成日:2019年06月19日


挿絵イラスト