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スプラッシュ! イェーガー!!

#キマイラフューチャー #戦後

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#キマイラフューチャー
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#戦後


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●水をぶちまけろ!
 天から燦燦と降りそそぐ、灼熱の日差し。
 その凄まじい陽光は都市を余すところなく照らし、高層ビルやビビッドなショップ、眩い巨大ネオンボードやなんかよくわかんない海棲生物の像とかをじりじりと焼いている。
 そして、都市中のキマイラたちもだ。
 日焼けまっしぐらレベルの日差しをくらうキマイラたちは、1人残らず路上でべろーんと伸びていた。車が通る道路から、薄暗い裏路地、入り組んだ高架の上まで、そこかしこに水揚げされたイカのように伸びきっていた。
「暑い……」
「暑ぅいよぉ……」
「キマイラ焼きになるぅぅ……」
「美味しいキマイラ焼きになるよぉぉ……」
 うーうー、と半ば屍と化して唸るキマイラたち。
 が、彼らは何も干物になるべくそこで寝ているわけではない。そもそも暑いのなら空調の効いた建物の中でだらだら遊べばいいのである。それがキマフュ―である。
 だが、そうしていない。
 彼らは、待っているのだ。

『HEY、野郎ども! ウチミズバトルロイヤルの開催だァー!!』
「「「「「ひゃっほーーー!!」」」」」

 都市中の音響機器から景気の良い謎宣言が響いた。すると伸びていたキマイラたちが急に元気に飛び起きて、地面やら何やら手あたり次第にコンコンコンする。
 ぽいっ、と出てきたのは――水鉄砲だった。
 カラフルな弾(=水)が装填された拳銃、小銃、狙撃銃、はたまた据え置きの機関銃から連装砲、かと思えばバケツやジョウロやホースまで……目移りするほど多様なタイプのウォーターウェポンの数々である!

『暑さは水で吹っ飛ばせ! 後片付けなんて心配無用! さぁ野郎ども準備はいいか! 街に! 人に! その水鉄砲をぶっ放してやれーー!!』
「「「「「おっしゃーーーー!!!!」」」」」

 アナウンスを皮切りに、雄叫びをあげたキマイラたちが水飛沫をぶちまける。
 ただでさえファンキーなキマフュ―の風景が色水でより前衛的になり、同時に大量の水によって辺りがひんやり涼しくなってゆく。
 なるほど、打ち水である。

●グリモアベースにて
「という感じだが、行く?」
 グリモアからキマフュ―の狂乱っぷりを立体映像で出力していたプルート・アイスマインドが、めっちゃ軽い感じでそう誘ってきた。
 駅前に新しいラーメン屋ができたかのような軽さだった。
 映像だけ見せられてもぶっちゃけ判断できない。そういう旨を伝えるとプルートはぷちっと映像を切り、改めてキマイラたちが何してるかを説明してくれた。
 猛暑の中で水鉄砲を撃ちまくる納涼祭――平たく言えばそんな感じである。
「バトルロイヤルと銘打っているが、別に戦っているわけでもない。そもそも勝敗条件が設定されていないからな。コンコンコンして出てくる水鉄砲を使い、街に人にとぶっかけて遊びまくる。そういう催しは、まあどこにでもあるものだな」
 ふふふ、と仮面の下から笑みをこぼすプルート。
 それならまあ、と猟兵たちが首を縦に振ると、彼は「そうか!」とだけ言っていそいそと転送の準備をした。なんで送りこむだけのおまえがちょっと楽しそうやねん。
「さ、それではキマイラフューチャーで存分に涼んでくるといい!」
 プルートにぶんぶん手を振られ、しゅわーっと転送されてゆく猟兵たち。
 そうして完全に向こうに消えかけたとき――思い出したように呟くプルートの声が聞こえた。
「オブリビオンも来ると思うから、そっちも頼んだぞ!」
 それを先に言え。


星垣えん
 暑い!
 こういうときはびしょびしょになるに限りますな!
 というわけで章の流れ!

 1章:水鉄砲を撃ちまくって遊ぶ。建物も人も撃ち放題だ!
    武器によっては洒落にならん水量だと思うけど概ね安全だ! だから撃て!
 2章:なんかわかんないけどオブリビオン残党がたくさんやってくるぞ!
    顔が野球やバスケのボール、ボウリングピンとかになってる奴らだ! 撃て!
 3章:なんかわかんないけど2章のオブリビオン連中のボスがやってくるぞ!
    割と策士な猫の手おにゃのこだ! もうバンバン撃て!

 ってな感じです。
 ノリがノリだしノリ重視で書こうと思います。だから軽率に水を浴びたりぶっかけたりするといいんじゃないでしょうか。

 それでは皆さんのプレイング、お待ちしております!
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第1章 日常 『スプラフューチャー!』

POW   :    バケツをぶち撒けろ!

SPD   :    遠くから狙い撃つぜ!

WIZ   :    芸術はスプラッシュだ!

👑5
🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

種別『日常』のルール
「POW・SPD・WIZ」の能力値別に書かれた「この章でできる行動の例」を参考にしつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
 プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。

ニィナ・アンエノン
よし、大体分かった!
とにかくオブリビオンが来るまで水鉄砲で遊べばいいんだね☆
にぃなちゃんそーゆーの割と得意な方だし頑張るぞ!

とゆー事で【スナイパー】としての技術を総動員して撃ちまくる!
キマイラさんでも猟兵でもいいからとにかく水ぶっかけるぞ☆
この世界はその辺から色々出てくるからね、もうばりばり水鉄砲拾ってとっかえひっかえして色々試してみよう!
にぃなちゃんも相手の攻撃はノーガードで受ける所存!
ジャケットなんか暑いから脱いじゃえ、って感じ!
そんでもって最後はでっかいのが要るよね☆
ミサイルの水鉄砲バージョンで爆発だ!
メカニズム?知らないけど概ね安全って信じてる☆


ティエル・ティエリエル
SPDで判定

「いっくよー、ばとるろいやるだってボク負けないぞー!」
濡れても大丈夫なように、胸元にひらがなで名前の書かれた所謂すくーる水着なる水着に着替えて参戦だー☆

超強力ポンプにつながれたホースを抱えて、背中の翅を羽ばたいて上空から色水を大放出だよ!
弱点のポンプを狙われないようにポンプに近づいてくるのから倒していくよ!

ポンプから吸い出す水がなくなっちゃったら戦略的てったいだーと新しい水鉄砲を探しにいくよ♪

※アドリブや他の方との連携も大歓迎です


パーヴォ・シニネン
POW

※海洋生物を模したマスクが子供の肉体に憑依

これはいけないヨ相棒
一般市民がおいしいキマイラ焼きになる前に我輩達がわぁ準備ばんたーん!
(そこにはタンクを背負って馬鹿でかい水鉄砲を持つ子の姿が

本来なら人に銃を向けてはいけないのだけど
今回は別だからね、びしゃっとやっていこう!

相手がキマイラでも猟兵でもお構いなし
相棒が水浸しにしたいものを撃ちまくろう!
ただし電子機器は狙ってはいけないヨ

…ところで君それ何処から持ってきたの
消防士とかが使うホースみたいな水量が出てるけど
我輩ちょっと相手を心配しちゃう

まぁダメージはないだろう多分!
おもいっきりやりたまぶばっ(びしょ濡れ

【怪力、早業、なぎ払い】


キング・ノーライフ
住人のノリの軽さや危機感が薄いという世界と聞いてたが、
乱戦を想定した飽くなき模擬戦とは認識を改めないといかんな。
ではこっちも存分に遊ぶ…いや、戦いを見せるとするか。

まずショットガン的な大き目の水鉄砲を手に入れ【ヴァーハナ】に乗り込んで運転しながら昔の刑事ドラマ的に身を乗り出しつつ撃っていく。
それを水が空になるまで撃ちまくると噴水や川などの広い水場に直行。
そこを間合いに収めたら【ヴァーハナ】と水鉄砲を使った【ビルドロボット】を発動させて、ロボの手で豪快に水を撒き散らしたり水鉄砲攻撃を仕掛ける。
「忘れてた、ロボの中は…暑い」
まあ的を大きくなるからこっちも盛大に掛かるだろうさ。それが冷却水代わりだ。


夢ヶ枝・るこる
■方針
・【POW】使用
・アド/絡◎

■行動
暑くなって参りましたし、この様な催しは面白いですねぇ。
楽しんで参りましょう。

服装は『白いパーカー』と、特注サイズでご用意した『白ビキニ』で参りましょうかぁ。
『色水のかけ合い』とのことですから、かけられた『水』で『パーカー』や『ビキニ』を染め、『前衛的なデザイン』にしてみるのも面白そうですぅ。

かける方は『大型の水鉄砲』二挺に『補充用のバケツの水』、出来れば『水風船』等も御用意して、[2回攻撃][一斉発射]を使った『攻めの姿勢』で参りますぅ。
『水の色』が選べるのなら、『薄紫色』が良いでしょうかぁ。

『濡れ透けによるサービスシーン』は、まあ、お約束ということで?



 水、水、水の砲火。
 水なのに火と表現するのは些かおかしな気がしないでもないが、キマイラたちが狂乱するウチミズバトルロイヤルはまさに戦争と呼んでいい熱量があった。
 具体的には足元にもう数cmの水が溜まり、三歩進めばどこかしらから水の弾をぶっかけられるぐらい活況だった。

 夢ヶ枝・るこる(豊饒の使徒・夢・f10980)はその発育の良すぎる体を白いビキニとパーカーで覆い、水の戦場に降り立っていた。
「暑くなって参りましたし、この様な催しは面白いですねぇ」
「それーくらえー!」
「きゃっ。あぁ、白い水着が染められてしまいましたぁ」
 てけてけ横を通り過ぎた子供キマイラにぴゅーっと水をかけられ、ビキニの白生地に赤や緑に薄模様をつけられてしまうるこる。清廉なデザインが一転してアバンギャルドに。
「やられたらお返ししないと、ですねぇ」
 祭りを盛り上げるため自身も撃たなくては、とるこるは辺りをコンコンコン。
 一分も経たぬうちに、るこるは重々しい大型銃二挺、水のたっぷり入ったバケツ、そして即席爆弾の水風船を装備していた。小さな体に対して明らかに過剰装備である。
 だが、るこるはその重量を苦にせず、勇んで戦場に突入する!
「水浸しにするのが本日の本旨。なら私も『攻めの姿勢』で参りますぅ」
「うきゃーっ!?」
「くっ! 熟練の兵士が来ているぞぉ!」
 るこるの二挺銃が次々と水を射出し、キマイラたちの顔や服を薄紫色に染めてゆく。現地民も反撃を試みるものの、るこるの連続攻撃には撃ち返す暇もない。
「水爆弾もおまけですぅ」
「ぎゃあーーーっ!!」
 とどめに放った水風船が1mほど上空で炸裂。大量の水を浴びたキマイラたちが悲鳴とも歓喜ともつかぬ叫びをあげた。このまま1人の猟兵がキマイラたちを制圧してしまうのか。
 だが、キマイラを蹴散らするこるの前に強敵が現れる。
「よーし! とりあえず大量の標的を発見したぞ☆」
 ぴょいーんと上から飛んできて、水たまりを踏んで盛大に飛沫を巻き上げたのはニィナ・アンエノン(スチームライダー・f03174)。彼女は脇に抱えていたライフルの銃口をるこるたちに向けて、ぱちんとウインク。
「にぃなちゃんこーゆーの割と得意な方だし頑張るぞ!」
「べ、別の手練が攻めてきぶほぁっ!?」
「これは流されてしまいますぅ……」
 引き金を引くなり、ニィナのノリ全開の水撃が辺りのキマイラもろともるこるを呑みこんだ。水に巻かれてゴロゴロゴロ……余さずびっしょりになった人たちを見てニィナはこぼれんばかりの笑みを浮かべ、弾切れの水鉄砲を放り捨てる。
 で、地面を足でコンコンコン。
 ぽいーんと支給されたのは大口径のハンドガン。
「どんどんいっくよー☆」
「に、逃げろぉー!?」
「あれは容赦なく追撃する顔だー!?」
 連射、連射、連射。引き金を引かなければ死んでしまうのだろうかと思うほど撃ちまくってくるニィナから、キマイラたちはひたすら逃げた。だがニィナのやたら正確なエイムが彼らを捉え、次々に水弾が命中。
 数秒もすれば、辺りは水浸しで倒れるキマイラだらけになっていた。
 水揚げされたイカから、水揚げされたばかりのイカになっていた。
 見るも無惨(?)な光景――を映すキャメラがゆっくり横に流れ、それを見つめるパーヴォ・シニネン(波偲沫・f14183)のつぶらな瞳をアップにする。
「これはいけないヨ相棒。これは我輩達も気を引き締めてわぁ準備ばんたーん!」
 はいカメラ引いてー。パーヴォ(ヒーローマスク)が憑依してる子がクソでかい水鉄砲構えて、貯水槽みたいなバカでかい水タンク背負ってるところ映してー。
 戦意MAXである。パーヴォが被さってるせいで顔が全然見えないのがまたヤバみを助長しており、機械兵士的な恐ろしさを抱かずにいられません。
「普段なら止めるところだけど……今回は別だからね、びしゃっとやっていこう!」
 パーヴォの声にこくっと頷いたボディが、水鉄砲を腰だめに構える。

 どぉぉん!!!!

「うーーわーーーーーー!!」
 水柱のような銃撃を受けたニィナが、水圧で彼方に吹っ飛ばされた。
 車から飛び降りて転がる人みたいに遠ざかってゆく彼女を見て、パーヴォはその光景を生み出してしまった自身の水鉄砲を見下ろす。
「……君それ何処から持ってきたの。消防士とかが使うホースみたいな水量が出てるけど」
「――!!」
 ぐっ、とサムズアップする子供ボディ。
 水圧こそジャスティス。それはキッズにとって真理だった。しばしこの子の未来を憂い、あとニィナへの申し訳なさで言葉を失うパーヴォだった。
 が、今更考えても仕方がない。
「……まぁ水鉄砲だしダメージはないだろう多分! おもいっきりやりたま――」
「ばとるろいやるだってボク負けないぞー!」
「ぶばっ!!?」
 ボディに出撃命令を下そうとしたパーヴォに、上空からそれこそ消火用ポンプのような圧力で大量の水が降りかかった。
 見上げれば、太いホースが天に向かって棹立ちになっている。そしてそのホースのヘッドに紺色スク水のフェアリーがちょこんとくっついている。
 その胸元に貼りつけられた『てぃえる』のゼッケンが示すように――その正体は確かなおてんば力を誇るティエル・ティエリエル(おてんば妖精姫・f01244)である!
「空にいれば攻撃はしづらいよね! ボクって賢ーい!」
「ちょ、待ってくださべぼっ!?」
 手を振って請うたパーヴォに、鉄砲水のような一撃をためらいなくぶちこむティエル。おてんばである。
 が、周りのキマイラも黙って見ているわけではなかった。その水圧は自分たちにも向く可能性があるのだ。だから必死に打開策を考え、ティエルのホースが少し離れたところにある超強力ポンプに繋がっていることに気づく。
「あ、あれを止めるんだー!」
「あっ! させないぞー!」
 振り向けたホースから水を振りまき、てけてけ駆けていたキマイラたちをひと薙ぎで払いのけるティエル。人がゴミのようだ――とは思わなかったが水をぶっかけるのは単純に楽しかった。
「まだまだ水をかけちゃうからね☆」
「くっ。空の敵とは厄介……ん?」
 上からびしゃびしゃと豪雨を降らせるティエルに防戦一方のパーヴォが、遠くから迫るエンジン音に気が付いた。
 目線を向ける。
 すると見えた――はるか向こうから、翼をひろげた鳥のような装甲車を駆り、颯爽とキング・ノーライフ(不死なる物の神・f18503)がやってくるのが!
 パーヴォが、そして色々な射撃の余波でもはやビキニの白部分がなくなったるこるが立ち上がる。
「あの雰囲気は猟兵さんでしょうかぁ?」
「援軍か! 助かった!」
「不死の王の一撃をくらうがいい!!」
 どばぁん。
 ショットガンで2人とも吹っ飛んだ。
 第三勢力の介入という無情だった。
「住人のノリの軽さや危機感が薄いという世界と聞いてたが、乱戦を想定した飽くなき模擬戦とは認識を改めないといかんな」
 通り魔的にるこるたちをびしょびしょにしたキングは、止まらずにハンドルを切る。
 そうして向かった場所は、噴水だった。
「さあ、ゆくぞ!」
 キングの命が下るや、装甲車『ヴァーハナ』と持っていたショットガンが変形。それに身を覆わせたキングはみるみる大きくなり、体高3mを超える大型ロボットへと早変わりする。
 その手が噴水に溜まった水をかくだけで、辺りには水流が乱れた。
「ロボットとは汚い!」
「あー流されちゃいますぅ」
 眼前の強大な敵に歯噛みするばかりのパーヴォとるこる。ロボのパワーが生む水流にアヒル玩具よろしくどんぶらこしてるけど決して楽しいとか思ってない。と思う。
 が、実は機内にいるキングはキングで難しい状況にあった。
「忘れてた、ロボの中は……暑い」
 全身から汗を噴きだし、独り言ちるキング。ロボットには防水性が必須である。つまり機体内部には水が入ることがなく、イコール熱が高まる一方なのだ。
「ロボットめー! ボクが押し流してやるー☆」
「あぁ……撃たれると冷えるな……」
 上空からぶちこまれるティエルの放水を受けて、ふぅと一息つくキング。もはや外部からの水撃が彼の頼みであった。撃ってくれる敵がいなかったら詰んでるという奇跡的な状況だった。
 ひとまず機体が冷却されるまで待機しよう、とキングは腕組みして座す。
 すると、数十mぐらい遠くに、ゆっくり動く何かを見つけた。目を凝らすとそこにはジャケットを脱いで白タンクトップになったニィナがいて、足もとの地面から何か大きな物がじりじりとせり出している。
 やがて全容が露になったそれは――ミサイルランチャーであった。
 ミサイルランチャー、であった。
「最後はでっかいのがなくっちゃね☆」
「お、おい待――」
 キングが制止しようとロボの手を上げるも、ぽちっとスイッチ的なやつを押すニィナ。
 射出される塊。陽を受けて輝く黄色は実にポップだ。しかしその水の塊が近づくたび、地面に落ちる影が大きくなり、次第にキングどころか辺りの猟兵もキマイラもまとめてすっぽり影の中に収まる。
「大丈夫! 概ね安全って信じてる☆」
 てへっ、とニィナがウインクした次の瞬間――。

 どっぱぁぁぁぁぁぁぁぁん!!!!!!!

 という轟音とともに、その場にあった一切合切は四方八方に流されて、激流に呑まれた猟兵やキマイラたちの悲鳴が響き渡ったのだった。
 なお、なんだかんだ楽しかったのでその後も数発ぶっ放された。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​




第2章 集団戦 『球技ボーイズ』

POW   :    野球怪人・ウェポン
【野球兵器】で対象を攻撃する。攻撃力、命中率、攻撃回数のどれを重視するか選べる。
SPD   :    バスケットボール怪人・ジェノサイド
【バスケットボール攻撃】を発動する。超高速連続攻撃が可能だが、回避されても中止できない。
WIZ   :    ボウリングピン怪人・リフレクション
対象のユーベルコードに対し【ボウリングピン】を放ち、相殺する。事前にそれを見ていれば成功率が上がる。

イラスト:まめのきなこ

👑7
🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

種別『集団戦』のルール
 記載された敵が「沢山」出現します(厳密に何体いるかは、書く場合も書かない場合もあります)。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
 それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。


 猟兵の活躍(?)もあり、ウチミズバトルロイヤルは過熱を極め、その盛り上がりと反比例して都市はすっかり過ごしやすい気温になっていた。むしろ地面から水がはけきらず、死ぬほど歩きにくいほどであった。
「ぬおっ!?」
「地面がびしょ濡れで!?」
「足が滑るぶべらっ!?」
 だから怪人たち――球技ボーイズはさっそく揃って転倒していた。球技を行う上では最悪のコンディション。立ち上がった何十人というボーイズは憤慨した。
「許せん……せっかくの夏に球技をさせないつもりか!」
「炎天下で熱中症ギリギリまで体を動かしてこその夏だろうが!」
「そうだ! ボウリングは涼しい室内でやれるから熱中症とは縁がないがな!」
「「ん?」」
「え?」
 ボウリングピン怪人たちが、野球怪人たちとバスケットボール怪人たちからじろりと目を向けられる。屋内競技と屋外競技との間にある溝が可視化した瞬間だった。
 果たしてちゃんと力を合わせ、猟兵と戦えるのか! 球技ボーイズよ!
夢ヶ枝・るこる
■方針
・アド/絡◎

■行動
折角涼しくなって参りましたのに、少々無粋ですねぇ。
御仕置しましょうかぁ。

プロの方以外は『ドーム』を使えることの少ない『野球』は兎も角、『バスケットボール』は『体育館』等の『冷房の効いた屋内』で行う事も多いと思うのですが?

等とツッコミつつ【指定UC】で飛翔、上から『フローティングレイ』の[一斉発射]で[範囲攻撃]させていただきますねぇ。
通常の攻撃に加え、足元の『水分』の蒸発による『水蒸気の煙幕』も期待出来そうですぅ。
水気が不足しそうなら、先程まで使っていた『水鉄砲』や『水風船』も[一斉射撃]に混ぜましょう。
『グラブ』や『バット』等の『野球用具』に過剰な湿気は大敵ですので。



「おのれ水をまきおってー!」
「覚悟はできているんだろうなー!」
「折角涼しくなって参りましたのに、少々無粋ですねぇ。御仕置しましょうかぁ」
 わらわらと大挙してやってくる球技ボーイズに気づき、るこるは顔をあげた。伸びやかながら凛とした呟きを発するや、豊満な体にまろやかなオーラを纏って高々と跳躍。
 風のように速く――ほんの一瞬でるこるは遥か上空に舞い上がっていた。
「俺が打ち落としてやるぜ!!」
 バットを持ち出した野球怪人が、白球を打ち上げてるこるの撃墜を試みる。だが飛球はるこるには掠りもしない。
「ではこちらからも撃たせていただきますねぇ」
「……むっ?」
 空中に浮かぶるこるの周囲に、6台の物々しい砲台が並ぶ。ついでにるこる自身も両腕に据え付けた固定砲台の照準をボーイズに合わせた。
 一斉発射――合計8つの砲口から容赦のないビームが降りそそぐ。
「ぬおおお!?」
「な、何だ!? 視界もぼやーっと!?」
「あああ! グラブがカビちゃうーー!!」
 弾雨から逃げ惑う球技ボーイズを、地面から昇る水蒸気が包みこむ。ビームの熱が水分を蒸発させているのだ。おかげで野球怪人はフライを打ち上げるどころではなくなった。
「ちっ、ビームが振るとは……これだから屋外競技は!」
「なっ、屋外競技を侮辱する気か!」
 聞こえよがしに舌打ちを決めたボウリングピン怪人に、バスケットボール怪人が詰め寄る。
 が、そこへるこるの一言。
「プロの方以外は『ドーム』を使えることの少ない『野球』は兎も角、『バスケットボール』は『体育館』等の『冷房の効いた屋内』で行う事も多いと思うのですが?」
「あっ」
 間抜けな声をあげ、フリーズするバスケットボール怪人。
 そんな知力で本当に猟兵と戦えるのか! 球技ボーイズよ!
 そしてるこるがツッコむまで気づかなかったのは天然が過ぎるぞ! 天の声よ!

大成功 🔵​🔵​🔵​

ティエル・ティエリエル
WIZで判定

「あっ!オブリビオンも攻めてくるんだったね!えへへ、ボク忘れてたよ!」
でも、来たからにはやっつけちゃうぞーとホースを向けるね♪
それに、せっかく涼しくなってきたんだから、ジャマはさせないよ!

飛んでくるボールやボウリングピンを空中から発射するホースの水で打ち落としていくね☆
水だけで押し切れなければ【お姫様ビーム】でどっかーんとビームも撃ってなぎ払っちゃうよ!

無事なぎ払えたら、「やったー、すりーぽいんと満塁すとらいくだー☆」と喜んでるね♪

※アドリブや他の方との連携も大歓迎です


ニィナ・アンエノン
ぷへーっ、涼しー!
頑張って水撒いたかいがあったね☆
これぞ夏って気分でめっちゃいい感じ!
んー、でも何だか不満の気配。
ここは一つ、説得しないと!

それは違うよ怪人達!
ギリギリなんて言葉で飾ってもダメ!
熱中症は予防が大事……そう、運動する環境に気をつけなくちゃいけないんだ!
こうやって打ち水で気温を下げて、すぐに水を飲める環境にしたんだから寧ろ感謝すべきだと思う!
更に言うなら動き辛い足場と言う逆境と言う環境にもっと燃えるべき!
それがスポーツマンってもんでしょ!?

我ながら無茶苦茶言ってるけど、そーゆー事でもっとガンガン水撒くね☆
さっきの水イルランチャーみたいないい感じのやつ、コンコンしたら出てこないかな?


キング・ノーライフ
共闘・アドリブ可

あー…酷い目にあった。
洗車が大変だぞ、これは。
その怒りとバスケットボールへのツッコミが出遅れた自分への怒りは
貴様等にぶつけるとしよう。

ボウリングピンをぶつけて打ち消すのなら数で攻めるとするか。
【エレクトロレギオン】でびしょ濡れ地面も関係ない
百体の鷹型小型戦闘機を飛ばしてけしかける。
全部消すにはかなりの手間だぞ。

それを囮に【運転】テクを使って【ヴァーハナ】で走り回り
突撃、そのまま轢き倒したり、窓から【王の籠手】を突き出して
殴り倒していく。
UCだけが王の武器ではないというのを見せてやる。


パーヴォ・シニネン
いやぁびしょ濡れだね我輩
しかしこれで少しは動きやすくなっただろう

背負ったタンクはそのままに、引き続き水をぶちまけよう
球技怪人には多少申し訳ない気もするが
まぁしょうがないヨネ!

どばーと激流を撒き散らしつつ
うーん球技ボーイズの群れが大挙しているネー

…めんどくさくなってきたネ、コレ
相棒もそう思う?
それじゃあ、やっちゃおうか!

ボーイズ達
今時球技が本当に流行ると思っているのカナ?
まったく時代はeスポーツだというのに
おっくれってる~!

などと怪人達を挑発し纏めて怪人の群れを掴みあげ
よいしょーっとプール状態の地面にびったんびったん
更に怪人同士を投げつけちゃおうネ

【怪力、力溜め、早業、なぎ払い、鎧無視攻撃】



 人々の楽しみを阻害し、あまつさえ説教しにきた球技ボーイズ。
 そんな彼らを放置しておけばフェス(?)の盛り上がりに水を差すことは必至。なので猟兵たちはとりあえず水をかけてお帰り願うことにした。
「オブリビオンめー! ボクの前に来たからにはやっつけちゃうぞー♪」
「おとなしく骸の海にダイブしてもらわないとね」
「冷たくて気持ちいいー☆ これぞ夏!」
「ちょっ、やめっ!?」
 上空からのティエルの放水(ほぼビーム)に合わせ、パーヴォとニィナが側面から的確な水撃(ほぼビーム)で球技ボーイズをびしょ濡れにしてゆく。
 その絵面は一方的であった。
「痛い痛い痛い!!」
「水を向けるなコラ! 前が見えぶべべべっ!!」
「人に当てる水圧じゃばばばばっ!?」
 一所に固まり、嵐のような水量を耐え凌ぐボーイズ。些細なことで揉めていたのが嘘のように、彼らは互いの肩や腰に腕を回して一体となっていた。
「くっ……このままでは悪ふざけ動画として悪い意味でバズってしまう!」
「スポーツマンとして教育に悪い動画に加担することは避けなければ!」
「俺たちのスポーツマンシップを見せてやるー!」
 せーの、と息を合わせて球技ボーイズは力尽くで水撃を押しのけ、散開して猟兵たちに反撃。ボウリング野郎のボウリングピンが上空のティエルめがけて投じられる。
「ふはは! これでお嬢さんのユーベルコードを相殺してくれる!」
「なら水を撃つよ!」
「ぐあーーっ!?」
 ずどーん、とティエルのホースから射出された水の柱がボウリングピン怪人を吹っ飛ばした。自信満々に放ったボウリングピンも単なる水には無力だったんや。
 1人の怪人があっさりとやられた――その衝撃の事実を受け、他のボウリングピン怪人たちがわらわらと駆けつける。
「くっ! Aピンがやられた!」(ボウリングピン怪人B)
「だが奴はボウリングピン怪人の中でも最弱!」(ボウリングピン怪人C)
「俺たちはそう簡単には――」(ボウリングピン怪人D)
「なら水を撃つよ!」
「「「ぐあーーっ!?」」」
 3人まとめて水に呑まれて消えてゆくボウリングピン怪人。氾濫する川の中の捨て犬と化した彼らを見送り、ティエルはその場でくるくると旋回した。
「やったー、すりーぽいんと満塁すとらいくだー☆」
「ボ、ボウリングピン怪人たちー!」
 仲間の怪人に降りかかった水難。バスケットボール怪人はたくましい手をぐぐっと握り、水浸しでちべたい地面をぶっ叩く。
「研鑽にうってつけの気候を乱し、挙句事故すらも起こす……それでもなお貴様らは水を撒くのをやめないと言うのか! この外道が!」
「それは違うよ怪人達!」
 すすーっと濡れた地面をスライドしてニィナがフェードイン!
「ギリギリなんて言葉で飾ってもダメ! 熱中症は予防が大事……そう、運動する環境に気をつけなくちゃいけないんだ!」
「な、何だと!?」
 テンプレ反応をしてくれる怪人に対し、ニィナは両手をひろげ、災害級の大雨の後みたいな地面を示す。
「こうやって打ち水で気温を下げて、すぐに水を飲める環境にしたんだから寧ろ感謝すべきだと思う! 更に言うなら動き辛い足場と言う逆境にもっと燃えるべき! それがスポーツマンってもんでしょ!?」
「はっ!?」
「た、確かにそれは燃える!!」
「そうでしょ! そーゆー事だからもっとガンガン水撒くね☆」
「えっ?」
 ニィナの不穏な一言で、説教に心打たれていたバスケットボール怪人たちが顔を上げた。皆してニィナへ視線を向けるが――地面から顔を出したミサイルランチャーの砲口と目が合う。
「ロックオーン♪」
「「「ぬあああーーーっ!!!」」」
 爆弾のごとき圧力の水にさらされ、小川に浮く枯葉のように流れてゆくバスケットボール怪人たち。猟兵にボールをぶつける暇もなく、バスケットマンたちが消えた。
 野球怪人はぎりりと歯噛みする。
「おのれ猟兵たち! 許さ――」
「さようならー」
「あーっ」
 パーヴォが横っ腹に水をぶちこみ、野球怪人が死んだ。
 しかし総体としての怪人たちはまだまだ健在。次から次に押し寄せてきて、その威勢は未だ衰えず。
「……めんどくさくなってきたネ、コレ」
 水鉄砲を両手で構えたままため息をつくパーヴォ。憑依する子供に目を向けると、その子もやはり億劫そうだった。
 だからね、パーヴォさん一考しました。
「それじゃあ、やっちゃおうか!」
 水鉄砲を放り捨て、背中のタンクも下ろすと、パーヴォは大挙してやってくる球技ボーイズたちに向けて叫んだ。
「ボーイズ達。いまどき球技が本当に流行ると思っているのカナ? まったく時代はeスポーツだというのに、おっくれってる~!」
「な、なにぃ!!」
「言わせておけばこの覆面小僧ォ!」
 どどどど、と速度を高めたボーイズがパーヴォめがけて駆けてくる。
 そうしていい感じに近くに集まってきたところで、パーヴォはユーベルコードを発動。怪人たちをまとめて掴み、振り上げ、水を湛えた地面におもっくそ打ちつけた。
「ぶあーっ!?」
「ちょ、明らかに反そ――」
「何を言ってるんだい。スポーツじゃないんだから」
「「「ああぁーっ!?」」」
 パーヴォの怪力によって雑巾みたく扱われ、散ってゆく怪人たち。辺りには陽を受けた飛沫がきらきらと輝き、ついでに断末魔とかも響きまくる。
 そんな凄惨なびったんびったん殺人事件をバックに、キングは注意深く愛車ヴァーハナの様子をチェックしていた。ニィナの水ミサイルで横転したのを、たった今戻したところである。
「あー……酷い目にあった。洗車が大変だぞ、これは」
 後の苦労を想像して眉間を押さえるキング。
 だいたいニィナのせいである。しかし元を正せばこの場にオブリビオンがやってくるからではないか。オブリビオンが来なければ自分たちは転移されることもなかったはずだ。
 キングはヴァーハナの運転席に乗りこんだ。
「殲滅してくれる!」
 アクセルを踏みこむ。唸りをあげて球技ボーイズへ突き進むヴァーハナ。
「な、何か走ってくるー!?」
「俺に任せろ!」
「ボウリングピン怪人!」
 生き残りのボウリングピン怪人が、ヴァーハナを止めるべくボウリングピンを地面に転がした。汚い、あまりに汚い。
 が、キングは眉一つ動かさず無数の鷹型戦闘機を召喚。それらを転がるボウリングピンに衝突させることであっさりと突破する。
「な、なにぃ!?」
「これしきで驚くな。王の武器はユーベルコードだけではないぞ!」
 ノーブレーキで走り抜けたヴァーハナが、ボウリングピン怪人を轢いた。
「「ボ、ボウリングピン怪人ーーっ!!」」
 吹っ飛んでビル壁にめり込んだボウリングピン怪人に、他の怪人が駆け寄る。事故現場ですからもう騒然ですよ。
 しかし! 当のキングさんはヴァーハナの窓から悠々と怪人たちを見ている!
「これはあとでヴァーハナを洗車しなければならないことの怒り!」
「八つ当たりも甚だしい!?」
 心当たりがなさすぎてもう震えるしかない怪人たち。
 対してキングは窓から引っこみ、ギアをバックに入れる。
「そしてこれは……」
 アクセルをぐいっと踏む。
「バスケットボールへのツッコミが出遅れた自分への怒りだ!」
「それを他人に向けるんじゃねえええええええ!!!」
 怪人たちの怒りの叫びは、キングの神業なバック走行によって遥か彼方へと消えていった。それでもキングの怒りは収まらず、辺りの怪人たちはドッカンバッコンとヴァーハナの尻で吹っ飛ばされ、散ってゆく。
 世の中には容赦ない人が大勢いる。
 球技に明け暮れてその摂理を知らなかったことが、球技ボーイズの敗因だと思う。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​




第3章 ボス戦 『翡翠葛』

POW   :    蹂躙せし牙デルフィニウム
自身の身長の2倍の【牙を持つ、仮面を被った巨大怪獣】を召喚し騎乗する。互いの戦闘力を強化し、生命力を共有する。
SPD   :    狂い躍るロベリア
見えない【高性能トラップを展開、誘導するよう攻撃】を放ち、遠距離の対象を攻撃する。遠隔地の物を掴んで動かしたり、精密に操作する事も可能。
WIZ   :    蒼き閃光ブルースター
対象のユーベルコードの弱点を指摘し、実際に実証してみせると、【その強化版で攻撃、追撃の蒼い閃光】が出現してそれを180秒封じる。

イラスト:佐倉弥美

👑7
🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

種別『ボス戦』のルール
 記載された敵が「1体」出現します。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
 それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
 プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※このボスの宿敵主は宇冠・由です。ボスは殺してもシナリオ終了後に蘇る可能性がありますが、宿敵主がボス戦に参加したかつシナリオが成功すると、とどめを刺す事ができます。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。


 やかましいスポーツマンたちが洗い流され、広場は一瞬ばかりの平静が訪れた。オブリビオンが来たと見るや建物の裏などに隠れたキマイラたちもそろそろと戻ってきて、様子を見ながら辺りに水鉄砲を撃ちはじめる。
 しかし、ウチミズバトルロイヤルはやはり再開することはできないようだ。
「球技ボーイズはやられたようね。まあ期待はしてなかったし、ある程度は猟兵の出方を見られたということで良しとするべきかしら」
 ざばざば、と水音を立てて歩いてきたのは――少女だ。
 可愛い召し物に猫耳猫ハンド、そしてやり手に見えるサングラスゴーグルを着けた少女が、何挺もの水鉄砲を装備して仁王立ちしている!
「単細胞たちは簡単に水に流されてしまったけれど……私はそう甘くはないわよ。水には水を! 撃たれる前に私があなたたちを撃ってやるわーー!!」
 猫耳少女――翡翠葛が構えた水鉄砲から極太のウォーターショットが放たれる!
 いけない、このままではとても涼しいことになってしまうぞ!
 どうする!! イェーガー!!!
ティエル・ティエリエル
SPDで判定

「ふふーん、次のちゃれんじゃーだなー!」
次も負けないぞーとやる気まんまんでホースを構えるよ!

翡翠葛がつけてるやり手に見えるサングラスゴーグルが気に入って欲しがるよ!
「ようし、ボクが勝ったらそのかっこいいサングラスはボクのものだー!」

さっそくホースで水浸しにしようとするけど先制攻撃をされてとっさにホースを手放して避けるよ!
【スカイステッパー】も使って飛んでくる水を「見切り」で回避!
そのまま空中でホースをキャッチする「パフォーマンス」を披露して、翡翠葛の顔面狙ってサングラスを弾き飛ばそうとするよ♪

※アドリブや他の方との連携も大歓迎です



「ふふーん、次のちゃれんじゃーだなー!」
 新たな敵、翡翠葛を見てティエルはホースを構えた。昂揚に翅をぱたぱたと速め、何やらやる気満々で狙いを定めるさまを見るに、たぶん緊張感はありません。
 オブリビオンを前にしてるけど祭りのノリである。
「ようし、ボクが勝ったらそのかっこいいサングラスはボクのものだー!」
「なに勝手に条件設定してるの!?」
 急にお気に入りのサングラスをベットする流れにされ、狼狽する翡翠葛。まったく納得はいかないが、それならば敗北は許されないと空中のティエルへ水を射出する。
 空を切り裂く水柱。
 それは、ホースから水撃を放とうとしたティエルに先制して届いた。
「わっ!?」
 重いホースを手から離し、ティエルは咄嗟に水柱をかわす。だが翡翠葛も水鉄砲のトリガーを立て続けに引き、執拗に追い立ててくる。
 対して、ティエルは大気を蹴ってさらに跳びあがる。
「当たるもんかー!」
「な、何ですってー!?」
 驚愕の声をあげる翡翠葛。幾重もの水撃を踊るように回避したフェアリーは、なんと手放して暴れまわっていたホースを再びキャッチ。そのまま両腕で抱きこむようにして狙いをつけると、一気に翡翠葛めがけて水を放出してきたのだ。
 しかも顔面に。
「わっぷ!?」
「さあ、そのサングラスをボクによこすんだー☆」
「欲しがりすぎじゃない!? 自分で買いなさいよ!」
「サングラスをくれるまで水は止めないぞー♪」
「ちょ、やめなさい! 顔ばかり狙ってぶばば!?」
 無邪気な声とは裏腹の水圧を顔にくらい、悶絶する翡翠葛。
 しかしサングラスゴーグルは彼女にとっても一種のアイデンティティ。過酷な水責めを受けてもなお、サングラスだけは死守しました。

大成功 🔵​🔵​🔵​

夢ヶ枝・るこる
■方針
・アド/絡◎

■行動
おいたをする猫さんには、御仕置が必要ですねぇ。

『ポンプ』に繋がった『ホース』をお持ちしましょう。
【指定UC】で強化された『身体能力』を使い、相手の『水』を避けつつ接近しますぅ。
『フローティングレイ』を浮かせることで『目眩まし』を警戒させ、実際は行わずに囮にしますねぇ。
途中隙を見て、猫さんが苦手な『顔への放水』を行いますねぇ。

接敵したら『ホース』を口に捻じ込んで、そのまま放水ですぅ。
沢山、飲ませて差し上げますねぇ。
『巨大な僕』を呼んでも、其方の方が口も大きい上、感覚も繋がっている良い的ですぅ。
カウンターされそうなら、【指定UC】で強化済の『胃の容量』で一緒に飲みましょう。



「……ひどい目に遭ったわ……!」
 襲いくる水からなんとか逃れ、膝をついて咳きこむ翡翠葛。髪から服から濡れてぺったり貼りついて、なんかもうすでに可哀想になっている。
 だが猟兵たるもの、オブリビオンに容赦はしない。
「おいたをする猫さんには、御仕置が必要ですねぇ」
「ひっ!?」
 高圧ポンプに繋いだホースを携えて、にこやかに微笑むるこる。それを見てビクッとする翡翠葛さんはきっとすでにホース恐怖症とかになってるかもしれない。
「いざ突撃ですぅ」
「ちょっ、来ないで! 近づかないで!」
 動き出したるこるに向けて、翡翠葛は必死に水を乱射する。
 対するるこるはユーベルコードを発動。その首にかかる勾玉が一枚の鏡へと変形し、彼女に反射光を照り返した。するとるこるの身体能力は格段に飛躍、高速で迫る翡翠葛の水撃をものの見事に避けてみせる。
「す、すべて回避したですって!?」
「それではこちらの番ですねぇ」
 翡翠葛へと6台の浮遊砲台を飛ばするこる。自身の周囲を飛び交い、あたかも狙ってくる不穏な砲台たちに翡翠葛も警戒を向けるしかない。
 ――が、その一瞬の隙を突かれた。
「放水ですぅ」
「うにゃーー!?」
 るこるのホースから勢いよく飛び出した水が、ざばばばと翡翠葛の顔面を捉えた。
 また顔面である。
「何なの!? 顔を狙いすぎよー! 顔以外はセーフとかそういうルールでもあるの!?」
「猫さんが相手なら顔に放水するしかないのですぅ」
「私、猫じゃないわよ! 猫っぽいだけよ!」
「なら顔じゃなくて口にしておきますねぇ」
「いやあんたは鬼かぐぼぼぼぼ!!?」
 口にホースをねじ込まれた翡翠葛がぺちぺちとるこるにタップする。
 それから彼女がしばらく「ホースコワイ」しか呟けなくなったのは、言うまでもない。

大成功 🔵​🔵​🔵​

ニィナ・アンエノン
いやー、バイクは遠くに置いといて良かった!
にぃなちゃんのも汚れちゃう所だったよ☆

おっと、ニューチャレンジャーだ!
水を撒かれるんだったらこっちもそれなりの考えがある!
そうだね、水着だね☆
って事でその辺の物陰で着替えて参戦!
何だか誘導されてる様な攻撃だけど、にぃなちゃんは気にしない☆
こっちも水を撒きながら【ダッシュ】で最短距離を突っ切るぞ!
【パフォーマンス】みたく派手な動きで水鉄砲撃ったら盛り上がるかな?
近付けたらここでユーベルコード発動!
なんか良く分かんないけどいい感じに地面の水を吸い上げてめっちゃ強力に発射するようなガジェットが出てくるんじゃないかな☆
やっぱりシメはおっきいのじゃないと、ね♪


キング・ノーライフ
アドリブ・連携可

涼しくなって何が悪いのか分からんが…まあいい。
こういう無茶苦茶な世界って事だと割り切った、今。

再び【ヴァーハナ】での【ビルドロボット】発動、
怪獣は我が【王の籠手】での排熱を利用した【属性攻撃】や
仮面への【鎧無視攻撃】で殴ったりして抑えつけるとしよう。
命は共有しているならそこを潰しても問題あるまい。

本体の水鉄砲はむしろこっちには冷却水代わりだし放置、
本体は他の者に任せた。

全部終わったら…どうせ汚れたんだ、最後までやりきるとしよう。
ニヤリと笑って翡翠葛の水鉄砲を拾って仲間に乱射する。
ミサイルの礼もまだだったしな。


パーヴォ・シニネン
折角のウチミズバトルに水を差すなんて(もぐ
オブリビオンは(もぐ
懲りないもの(もぐ
だねぇ相ぼ(もぐ

※焼きたての大量の牛串を【大食い、早業】で頬張る

ごちそうさま、と(手合わせ
さて、水浸しがお望みカナ?

まずは再び相棒が用意したホースでドドドっと放流
けれどそれだけでは避けられてしまうだろう

そこで相手の水鉄砲や巨大怪獣攻撃を【力溜め、気合い】で耐えきり
水を溜めたタンクを一気に彼女めがけてぶん投げてしまうよ
大量の水が入ったタンクは重たいからネ
踏み潰してしまったとしても、まぁ悪いオブリビオンだからセーフダヨ

おや、まだ水が足りない?
しょうがないなぁ
相棒やっちゃいなYO

【カウンター、怪力、踏みつけ、鎧無視攻撃】



「す、好き勝手してくれて……この外道たち! でも負けないわよ!」
 膝をがくがく震えさせる立ち姿にもう威厳もクソもない翡翠葛だが、その戦意はいまだ衰えてはいないらしい。
 何が彼女を駆り立てるのか、キングは腕組みして目を閉じる。
「涼しくなることがそんなに許せんのか……?」
「そうなんだろうねぇ」
 仲間が戦っていたうちに離席していたパーヴォが、香ばしい匂いを発する紙袋を小脇に抱えて戻ってきた。
「折角のウチミズバトルに水を差すなんて」
 袋から取り出した牛串を食べるパーヴォ。
「オブリビオンは」
 牛串を食べるパーヴォ。
「懲りないもの」
 牛串を食べる。
「だねぇ相ぼ」
 牛串。
「う」
 牛。
「喋る前に食え」
「」
 腕組みしたままマナーを説いたキングに無言で頷き、パーヴォは袋にある大量の牛串を食べ進めた。
「ごちそうさま、と。それじゃやるかい、相棒」
 何十本とあった牛串を1分で完食して両手を合わせたパーヴォが、生まれたての子鹿ってる翡翠葛を見やる。相棒もとい憑依した子供が持っているのはホースだ。鬼か。
 が、敵に向けて放水する前に、後ろから呑気な声が近づいた。
「いやー、バイクは遠くに置いといて良かった! 全然水浸しになってなかったよ☆」
 年齢一桁ぐらいにしか許されなさそうなスキップで来たのはニィナだ。めっちゃ嬉しそうな報告をすると、ナチュラルにパーヴォとキングの隣に並ぶ。
 あと、なんか水着姿だった。
「なぜ水着なのだ」
「水を撒かれるんだったら水着でしょ☆」
 きゃぴっとキングにウインクするニィナ。少し姿を見ないと思ったらこの女、物陰で水着に着替えてきたらしい。ついでに駐車したバイクの様子もチェックしてきたらしい。
「我を水浸しにしておいて……」
「おっと、オブリビオンを倒さなくちゃ! いっくぞー☆」
「我輩が援護するヨ!」
 水ミサイルの件で剣呑なオーラを出し始めたキングから逃げるように、ニィナが水鉄砲の小銃を構えて突撃。パーヴォもホースからドバドバと水を放射し、彼女の突撃を援護する。
 だが立て続けにホース攻撃をくらった翡翠葛だ。三度目は効かぬとばかりに横転して水を避け、二挺の水鉄砲をニィナに向けた。
「捉えたわ!」
「なんの! にぃなちゃんも負けない!」
 敵の銃口を前にして足を止めないニィナ。真っ向から翡翠葛に突っこみ、襲いくる水撃をその身で受けながら、逆に撃ち返してゆく。
「くっ、構わずに突き進んでくるですって!?」
「くらえー☆」
「そんな射撃に当たるとでも……!」
 冠水した地面を滑りこんできたニィナの近距離射撃を、華麗なバク転で翡翠葛が避ける。
 だが、のけ反った体が空を向いたとき、その目が捉えた。
 冷蔵庫ほどの大きさはありそうな物体――綺麗な水がたっぷりと詰まったタンクが、自身めがけてなぜか空中から落下してくるのを。
「!?」
「大量の水が入ったタンクは重たくて危ないケド……まぁ悪いオブリビオンだからセーフダヨネ」
「セーフなわけなああーーーーっ!?」
 ずどーん、とクソ重たいタンクが翡翠葛に真上から乗っかった。悪しき敵を倒した、と犯人であるパーヴォはとても満足そうにウインクしておられる。
 かくして街に平和が……。
「私を下敷きにするなんて! 覚悟はいいのかしらー!」
 戻りません。
 たいそう怒った翡翠葛は気合でパーヴォのタンクを押しのけ、立ち上がるや傍らに巨大な怪獣を召喚した。仮面を被ったそれは主を背に乗せ、パーヴォへと牙を剥く。
 しかし、その前にキングのヴァーハナが立ち塞がった。
「サイズだけは立派な怪獣だ。では我が相手をしてやろう」
 車内の謎スイッチをポチるキング。するとキングが座る運転席がガショーンとせり上がり、車体が変形を始め、見る間に人型へフォームチェンジ。
 巨大怪獣をも超える大きさのロボが、そこにはいた。
「お、大きい!? でも私を止めると言うのなら、打ち倒すまでよ!」
「やれるものならやってみるがいい」
 噛みつこうと飛びかかってきた怪獣の顔面を、キングロボのゴージャスガントレットが打ちぬいた。さらにその『王の籠手』から機体の高まった熱を排出すると、怪獣は苦しげに唸ってじたばたと転がる。
「こ、このー!」
 怪獣の背から放り出された翡翠葛が、体勢を立て直すやキングに水鉄砲を撃ちこむ。
 だが彼女は知らなかった。
 キングロボの排熱性能には重大な問題があるということを。
 キングロボのコクピットは毎度蒸し風呂のごとき暑さになってしまうことを。
「ちょうどいい冷却水だな……」
 下がってゆく内部温度に表情が穏やかになってくキングさん。
 危なかった。翡翠葛の水鉄砲がなければヴァーハナの運転席が汗びっしょりになっていた。
 ぷしゃーっと水を浴びせ続けること1分、さすがに翡翠葛も首を傾げる。
「……おかしいわね。全然効いてる気がしないわ」
「こっちに注目だよー☆」
「ん?」
 ニィナの弾んだ声に振り返る翡翠葛。
 なんかういんういん唸ってる謎のガジェットが、クソでかい銃口を向けておられた。
「これはいったい……」
 ガジェットを観察する翡翠葛。ガジェット内ではポンプっぽい機構が搭載されており、そのポンプが地面の水をごくごくと吸い上げていた。
 それがどんどん銃身に充填されていた。
 アカン、と思った。
「やめ――」
「やっぱりシメはおっきいのじゃないと、ね♪」
「アアァァーーッ!?」
 ニィナがぐっと親指を立てた瞬間、ダムの放水を彷彿とさせる激流が翡翠葛をさらっていった。近くのビルの壁に当たったそれは、ビルをゆさゆさと揺らして戻ってくるが、その水流の中にもう翡翠葛の体はなかった。
 代わりに、ちらちらと謎の光が夏空に昇ってゆく。
 そんなオブリビオンの最期を見送ったニィナとパーヴォは、やがて深く息をついて、激闘の終わりを告げた。
「……涼しい戦いだったね☆」
「そうだねぇ。ひんやり涼めてよかったヨ。ねぇ、相棒?」
 いい感じに本日の締めに入る2人。
 ――だがしかし、2人は忘れてやしないだろうか。
 この場で行われているものは、血も涙もないウチミズバトルロイヤルであるということを。
「どうせ汚れたんだ、最後までやりきるとしよう」
「「?」」
 後ろからキングの声がしたので、ニィナとパーヴォは振り返った。
 キングは穏やかな笑みを湛えて、立っていた。
 神の慈愛が覗く微笑みで、翡翠葛の遺品たる何挺もの水鉄砲を装備して立っていた。
「ミサイルの礼もまだだったしな」
「…………うん、これはまずいね☆」
「…………我輩はミサイル関係ないと思うYO」

 爆発と見紛う爽快な水柱が、キマイラの喧騒響く青空に打ちあがった。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​



最終結果:成功

完成日:2019年07月23日


挿絵イラスト