無茶苦茶する気でしょ! 同人誌みたいに!
#アルダワ魔法学園
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甘い、甘い香りが立ち込める迷宮。ドロドロとした蜜蝋が挑戦者たちの足を取る。挑戦者のひとりは香りにやられたのか仲間にぐったりと背負われていた。その瞳はとろりと蕩け、焦点が定まっていない。
他の挑戦者たちはなんとか足を進め脱出しようと躍起になっているがその進みは鈍い。そこへ蜜蝋塗れの触手たちがしのびながら近寄ってきていた。
「はあああ……」
深い深いため息をつき椅子へ脱力した姿でアメーラは猟兵を迎えた。普段生き生きと予知を語る彼女のいやそうな雰囲気に猟兵たちの脳内へハテナが浮かぶ。いやそうな黒々しい雰囲気を纏う彼女からは予知の内容は想像ができなかった。
「……アルダワ魔法学園で事件だよ、諸君」
やっと起き上がった彼女はそれでも鬱屈とした表情を変えない。それでも内容を説明すべく重い口を開いた。
「新しく生まれた迷宮に、生徒たちの一団が挑戦するらしい。が、見た目の割にとんでもなく凶悪なトラップでね。甘い香りの蜜蝋に足を取られるうえに、蜜蝋の中に潜んだ触手がそれを体に塗り込んでくるらしい。時間がたてばたつほど蜜蝋が固まって動きが鈍くなり、最終的には身動きがとれなくなる。しかも蜜蝋の香りは嗅げば嗅ぐほどその身を蝕む毒だ」
ここまでの説明でいやな予感を察知した猟兵が何人か踵を返した。その背中を見送りながらアメーラは疲れたように笑った。
「断片的にだがある少女が『同人力が足りない! モデルが欲しい!』と叫んでいるのも見えた。あれが迷宮を作ったオブリビオンだろうな。蜜蝋部屋の次も触手部屋のようだし、俗な同人誌のネタにされたくなければ全力で罠を食い破ってくれ」
いやそうにグリモアを開くアメーラの顔はほのかに赤い。なんでも作品として捉えてしまう彼女でも苦手なものがあるということらしい。
「……ヤマもオチもないエロ同人など、物語じゃない……」
小さなつぶやきを聞き届けることもなく、猟兵たちは迷宮の前へ転移していた。
夜団子
マスターの夜団子です。今回は少しえっちなダンジョン依頼です。初の試みなので若干戸惑い気味です。がんばります。
全年齢対象レベルの描写になります。少年漫画くらいと思っていただければわかりやすいかと。できるかぎり描写します。
●章構成
一章 蜜蝋のドロドロ迷宮 全力で通り抜けてください。抜けるだけでクリアとなります。ちなみに蜜蝋の甘い香りは蝕まれると感覚が鋭敏になり、次で若干不利になります。
二章 くすぐり触手の住処 うねうね。
三章 迷宮の主とご対面。
皆様のプレイングおまちしております。
第1章 冒険
『蜜蝋の霧立ち込めるドロドロ迷宮』
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POW : ドロドロの蜜蝋なんて気合いで押しきる!
SPD : 蜜蝋で固まる前にスピード攻略!
WIZ : 甘~い香りの蜜蝋対策バッチリで攻略!
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🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔴🔴🔴🔴🔴🔴🔴
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種別『冒険』のルール
「POW・SPD・WIZ」の能力値別に書かれた「この章でできる行動の例」を参考にしつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。
大成功 | 🔵🔵🔵 |
成功 | 🔵🔵🔴 |
苦戦 | 🔵🔴🔴 |
失敗 | 🔴🔴🔴 |
大失敗 | [評価なし] |
👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。
テフラ・カルデラ
コッコ(f12575)と同行
アドリブ可
蝋蜜ドロドロ迷宮…ボクにとっては魅力の塊じゃないですかっ!!
しかも同人のネタにされるとか何とか…ごくり…
と…とりあえずコッコさんと共に迷宮を進みます…が、蝋の霧で身体が段々包まれていくのが癖モノです…
触手もあるので急いでいかないと…
そんな中、コッコさんに忍び寄る蝋蜜の触手が…危ない!!
うぅ…捕まってしまいました…コッコさん大丈夫でしたか…?
ひゃぁ!?触手たちが蝋蜜を塗りつけたり浴びせたりして…
蝋まみれですぅ…!このまま…ボクの身体が…固まっちゃう…
うすいほんの…のネタに…
(ドロドロのまま蝋蜜が固まってしまいコッコに運ばれる)
リーチャ・コッコ
テフラ(f03212)ちゃんと同行
アドリブ可
蝋蜜ドロドロ迷宮……。チョコに続いて、厄介そうな迷宮ですね。
それに同人のネタ……このえっちなほんみたいに……それだけは避けなくては。
テフラちゃんと一緒に迷宮を進んでいきましょう。蝋の霧で身体が段々包まれていく感覚……あの時も触手が。まさか!
「テ、テフラちゃん……わたくしなんかの為に……! よくも!」
鈴蘭の嵐で触手を切り裂いて、動けなくなったテフラちゃんを運びます。
服が固まって動きにくいのであればビキニがありますから、ぬいででもどう……にか……間に……あって……!
蜜蝋の甘い香りで敏感になっていますから、運んでいる間、触手と出会いませんように……。
「蜂蜜ドロドロ迷宮……チョコに続いて、厄介そうな……」
「しかも同人のネタにされるとかなんとか……ゴクリ」
不安そうに周りを見渡すリーチャ・コッコ(ド天然系転校生・f12575)におびえているようで期待に目を輝かせているテフラ・カルデラ(特殊系ドMウサギキマイラ・f03212)。不気味なほどにしずかな迷宮では、ぬちゃ、ぬちゃ……と二人が蜜をかき分ける音だけが響いた。
蜜から立ち上る甘い霧が、少しずつ、少しずつ二人の身を包み始める。その感覚を肌で感じ取った二人の胸には焦燥感が募っていった________早くここを通り抜けなくては。こうしている間にも触手が襲ってくるかもしれない。その焦燥は二人の集中を削ぎ、皮肉なことに迫りくる触手の接近を許すこととなった。
「あっ! コッコさん危ない!」
触手にいち早く気が付いたテフラがリーチャをとっさに突き飛ばした。突然突き飛ばされたリーチャは目を白黒させながら蜜蝋の上へと手をついた。そして彼女をかばったテフラは見事に触手に捕らえられてしまった。
「うぅ……コッコさん大丈夫でしたか……?」
胴に巻き付いた触手から逃れようとテフラは身をよじるがびくともしない。むしろ、獲物を捕らえたことに気が付いたのか触手たちが音を立ててテフラに迫っていた。
「ひゃあッ!?」
細い触手が蜜をたっぷりのせてテフラの肌を這いずり回った。何とも言えないぞわぞわした感触に蜜の塗りたくられるひんやりした感覚。服の中にまで入ろうとする触手にリーチャが顔色を変えた。
「このままじゃ……うすいほんの……ネタに……」
「テ、テフラちゃん……わたくしなんかの為に……! よくも!」
リーチャの武器が鈴蘭へと変化し触手たちをずたずたに引き裂いた。千切れ宙を舞う触手たちは途端力を失っていき、簡単にテフラを解放した。しかしそれまでにずいぶんな量の蜜を塗られてしまった。蜜蝋は徐々に固まりテフラの自由を奪っていく。
「テフラちゃんの身体が……!」
手遅れになる前に、とリーチャはテフラを背負い歩き始める。なんとかここを抜けて、蜜蝋を削いで。そうすればきっと助かるはずだ、と必死に自分に言い聞かせて。
「うう、私の服まで……ううん、ここはなりふり構っていられない!」
先ほど倒れこんだ時に服が蜜蝋に侵されていたらしい。拘束のようになってしまった服を脱ぎ捨て、ビキニ姿で迷宮を進むリーチャ。固まった仲間を背負い、己も蜜蝋の香りに蝕まれている女性を果たして触手は見逃すだろうか?
蜜蝋に隠れて、じわりじわりと触手たちは二人との距離を詰めていた。
苦戦
🔵🔵🔴🔴🔴🔴
パトリシア・パープル
相も変わらず、この世界にはくっだらない罠を仕掛ける災魔が溢れてるみたいね
こういう時は、ショック療法が最適よね!
と、いうわけで、【毒使い】を乗せた【禁断の香りの香水】を用意
蜜蝋にぶっかけて臭いを中和してやるわ
念のため【オーラ防御】と【毒耐性】も活用すれば甘い香りの誘惑にも耐えられるはず
「くさやの1万6千倍の臭気で上書きよ!
触手は【野生の勘】と相棒の【リッキー・ジョー】を【動物使い】で使役することで警戒
襲ってきたり捕まったりしたら、UCを使ってぶった斬る
【先制攻撃】で、やられる前に殺るわ
捕まっている人がいたら【救助活動】開始
【禁断の香りの香水】を薄めて使うショック療法で、目を覚まさせてあげるわね♪
あまぁい香りのする蜜蝋。その香りは毒であり、蝕まれたならただでは済まないだろう……しかし、この猟兵には効くはずもない!
「相も変わらず、この世界にはくっだらない罠を仕掛ける災魔が溢れてるみたいね!」
罠を恐れるどころか胸を張って迷宮を闊歩するパトリシア・パープル(スカンクガール・f03038)。その堂々たる姿に近くの猟兵や巻き込まれた挑戦者たちは唖然としている。……もっとも、彼女をよく知る猟兵は既にそそくさと遠ざかっていたが……。
「こういう時は、ショック療法が最適よね! くさやの1万6千倍の臭気で上書きよ!」
そういって取り出されたのは禁断の香りの香水。意気揚々と取り出したそれをパトリシアは蜜蝋の上へぶちまけた! スカンクガスを侮るなかれ。なにせこの香水、護身用として扱われるレベルの強烈な匂いなのだ。
蜜の甘い香りとスカンクガス。両者はお互いを打ち消し合い混ざり合い……少しだけスカンクガスの匂いが勝利して、その場を満たした。目も覚めるような、いやいっそ気絶するような匂いに心なしか触手たちもぐったりしている。
その中でも骨のある触手は諦めずにパトリシアへ襲い掛かった。しかしその前に飛び出したリッキー・ジョーによって阻まれてしまう。
「先手必勝! えーい!!」
生き残っていた触手は哀れにもヨーヨーに切り裂かれ、もう甘い香りのしない蜜蝋の中へその残骸を沈めていった。
「固まりかけている人もいるみたいね……。助けなくちゃ!」
新しい香水を水で薄めて布にしみこませ始めるパトリシア。あの布を鼻や口に当てられたらどんなに夢心地でも目覚めるだろう。救護活動という名のショック療法を施すべくパトリシアは被害者へ駆け寄った。
大成功
🔵🔵🔵
シュゼット・レジェ
カイ(f18858)と参加
こんな面白そうなもの見逃す手はないわよねー
ちゃちゃっと奥まで行って、悪戦苦闘する皆の様子を特等席で見せてもらいましょ。
ほらほらー、早くしなさいよねー、沈むわよー。
先行している人がいるなら様子を見ながら危険箇所を少しずらして進むわ。
ほら、ずらしすぎると別の新しい地雷踏みそうだし。
甘い香り対策に、ハーブの香りの強い香水でも持っていこうかしら。
昔は気付用に香水使ってたって話もあるしきっと使えるでしょ。
えー、触手が潜んでるのーこわーい、踵で潰すわ。
身の危険を感じたらカイを生贄にしてさっさと突破させてもらいましょ。
私、あなたと違ってか弱いんだから盾にぐらいなりなさいな。
カイ・クロフォード
シュゼット(f06166)と
なあ、何でこういう危ない物に積極的に首をつっこもうとするんだ?
…いや、でもだからって「こんな場所に一人で行かせる気か」なんて言われたら放っておけないし…
あれっ、だったらそもそも行かなければいいんじゃないのかこれ???
絶対にネタになんてなってたまるものかという意志を固めてから進む。
固まってしまう前に足を進めればいいんだろう?
転ばないように気をつけて進もう、とんでもないことになる…
…何か足元にいた気がするけれど、絶対に気のせいだ。
甘い香りが心配だ、ドラゴンランス(名前はまだない)には服の中に隠れておくように言っておこう。
そのままでいるよりはきっといいはずだから。
「なあ、何でこういう危ない物に積極的に首をつっこもうとするんだ?」
苦虫をかみつぶしたような顔でカイ・クロフォード(ドラゴニアンの竜騎士・f18858)が問う。先に進む金髪の美少女シュゼット・レジェ(綺麗な華には触れるべからず・f06166)は笑顔のままカイを一瞥するだけで足を止めることはなかった。
「こんな面白そうなもの見逃す手はないわよ。いやならついてこなければよかったのに」
「いや、だからって「こんな場所に一人で行かせる気か」なんて言われたら放っておけないし……ああ、お前は服の下に隠れておけよ。危ないからな」
懐で喉を鳴らすドラゴンランスを甘い臭気から守りつつ文句を言いながらもシュゼットに続くカイ。一方でシュゼットは周囲を観察しながら誰かを助けるでもなくただ進んでいた。悲鳴が聞こえれば少しだけ進路を変え、できうるかぎり安全そうな道を行く。未踏の地など行くものか。なにが仕掛けられているのかわからないのだから。
「ほらほらー、早くしなさいよねー、沈むわよー」
「お前のその妙なモチベーションはなんなんだ……」
「そりゃあ、面白いものが見れるからよ。ちゃちゃっと奥まで行って、悪戦苦闘する皆の様子を特等席で見せてもらいましょ」
「……性格悪いな……」
それでも談笑できるくらいに二人の空気は軽い。シュゼットの持参した気付けの香水が、絶妙に香りを誤魔化し二人の理性を守っていた。それでも彼らを陥れようと触手がその足元を這う。
「うっ、なんか今……いや」
「なんかいたの?」
「いや、絶対、絶対に気のせいだ」
「そういうとき大体いるわよ」
少し足の止まった二人に触手は迫る。不届きな触手はシュゼットのスカートの下に入り込まんと足へ近づいた。
「えー、触手が潜んでるのーこわーい」
ぐちゃっ。シュゼットの踵に踏まれぐりぐりとひき潰される触手。同胞の最後を察したのか触手が若干下がり気味になった。
「いやね、洒落にならないわ。こんなか弱い私に触手の魔の手が……なんて」
「……か弱い?」
「だからカイ? あとは頼んだわよ」
え、とカイが止める間もなくシュゼットは走り出した。彼女にはゴールがすでに見えているのだろう。後を追おうとしたカイだったがその足に違和感があった。今、なにかが絡みついたような……?
「同人誌みたいにされたくなかったらがんばりなさーい」
「うおおおお! ネタにされてたまるか! 離せ! 離せ!」
火事場の馬鹿力で触手を引きちぎりながら、カイはシュゼットを追って全力疾走を始めた。
成功
🔵🔵🔵🔵🔴🔴
レイニーア・ノックス
連携アドリブ大歓迎
『……甘ったるいのはあまり好きではないので、さっさと抜けさせてもらいます!』
『幸い、私は機動力はありますし。』ドラゴンに騎乗など
オーラ防御9騎乗3地形の利用3高速詠唱3空中戦2
防御はオーラ防御を使い、残りの技能でドラゴンにエンチャント。最高速度で突破を図る。
『当たる気はありません!』
『……つっ。かかりましたけど、まだまだ!』
迷宮の入り口、ぎりぎり蜜蝋に浸からぬ位置でレイニーア・ノックス(竜召喚師にして竜に騎乗するもの・f18202)は深呼吸をした。むせかえるような甘い香りに顔をしかめつつ、召喚のため気を引き締める。
「……甘ったるいのはあまり好きではないので、さっさと抜けさせてもらいます!」
____来たれ、来たれ。血の盟約に従え。我が翼!
詠唱に応えたドラゴンが咆哮をあげながら迷宮に召喚される。頼もしい彼はその大きな背中にレイニーアを乗せ、任せろと言わんばかりにうなずいた。
「幸い、私には機動力があります。最高速度で突破しますよ」
ふわりと浮かび上がったドラゴンは空中で一度静止し、瞬きの間に飛び立った。その速度は触手はおろか甘い霧まで振り切って、レイニーアをゴールへ導く。そのまま突破する、と思われたが。
「くッ!?」
スピードでは追いつけぬと大きく体を伸ばして待ち構えていた触手たち。網のようになったそれらはドラゴンごと捕えようと絡みつく。
「……つっ。かかりましたけど、まだまだ! 全力前進です!」
内なるオーラを放ち、触手をひるませたところでドラゴンが大きく羽ばたく。ぶちぶちッと触手を引きちぎり振り払って飛び去っていく。
安全地帯まで逃れたレイニーアは汗を拭いながら、頑張ってくれたドラゴンを労うのだった。
成功
🔵🔵🔴
第2章 冒険
『くすぐり触手の巣窟』
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POW : 強引に突き進んでいけば問題ない。
SPD : 器用に身をこなしを見せれば問題ない。
WIZ : 進み易い場所を見極めれば問題ない。
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🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔴🔴🔴🔴
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種別『冒険』のルール
「POW・SPD・WIZ」の能力値別に書かれた「この章でできる行動の例」を参考にしつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。
大成功 | 🔵🔵🔵 |
成功 | 🔵🔵🔴 |
苦戦 | 🔵🔴🔴 |
失敗 | 🔴🔴🔴 |
大失敗 | [評価なし] |
👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。
あまぁい蜜蝋迷宮を抜けた猟兵たち。既に満身創痍の者、抜けたものの蜜に毒され過敏になった者、消耗したが毒されなかった者、全くの無傷の者。各々状況が違いながらもここまで到達、あるいは逃れてきた。次はなんだと顔を上げた猟兵たちが見たものは先ほどよりも大量の触手たちだった。
床、壁、天井。あらゆるところから伸びている触手はサイズこそ先ほどより細いものの、先端が多く枝分かれしている。それをどのように活かしてくるのか、考えたくもない。
少し唖然とした猟兵たちの耳に甲高い悲鳴が届いた。……悲鳴? どうやら笑い声のようだ。絶えず続くそれは先に進んでしまった被害者のものだろう。
ここまできた猟兵たちは進むしかない。触手たちは命をねらわずとにかくくすぐろうとしてくるようだ。……どちらがマシなのかはともかくとして。
捕えられくすぐられて、腰を抜かしてしまえば一人で抜け出すことは難しいだろう。猟兵たちは覚悟を胸に一歩を踏み出した。
レイニーア・ノックス
連携アドリブ大歓迎
『…………絶対捕まりません』(捕まったものを見た感想)
『一先ずは触手の場所とか見つつ考えましょう…』通れそうだが、触手が若干邪魔なポイント見つけた
『……少ないですし、これなら行けますね。では、触手さん逝ってください。』ユーベルコードによる大火力砲撃を解き放つ(エンチャント技能は属性攻撃8全力魔法7誘導弾52回攻撃5一斉発射5高速詠唱3範囲攻撃2破魔1)
こじ開けた道をオーラ防御9残像4暗視2空中戦2見切り1を駆使して一気に空を駆け抜けていく。
悲鳴と笑い声が混ざるカオスな迷宮。その有様を見たレイニーア・ノックス(竜召喚師にして竜に騎乗するもの・f18202)は死んだ目である感想を抱いた。
「…………絶対捕まりません」
強い決意を胸に彼女は脱出路を探す。幸いにもレイニーアはほとんど蜜に毒されてはいない。完全に捕まったりしない限りくすぐりで身動きが取れなくなることはないだろう。
「一先ずは触手の場所とか見つつ考えましょう……」
とはいえこんな不届きな生物たちに触手一本触れられたくない。できることなら一掃できてしまえばよいのだが……。
そんな彼女の探索の甲斐あって、彼女は少し細い道を見つけた。もちろん少なくない数の触手が生えているがこれなら根元から殲滅できそうだ。
「……少ないですし、これなら行けますね」
レイニーアが魔杖剣を抜く。それをまっすぐ触手たちに向ければ九つの魔法陣が彼女の周りに浮かび上がった。
「では、触手さん逝ってください」
魔法陣から放たれるドラゴンの咆哮が根元から触手を焼き切っていく。千々に切れた触手たちは跡形もなく消えていく。一面焼け焦げたそこは、迷宮とは思えぬ惨状だった。
「流石は迷宮……これだけやっても再生しますか」
それでも触手はまだまだ短く、再生には時間がかかりそうだ。この隙に通り抜けてしまおうと、レイニーアは飛び立った。
成功
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シュゼット・レジェ
カイ(f18858)と
あらあら、あっちは随分と楽しそうだこと。
ここでもやることは変わらないわ、さっさと進みましょうか。
こっちの道は塞がってて使えそうにないわね、迂回しましょ。
…ここに辿りつくまでにあいつらの様子を見ていて思ったの。
あいつら、同時に複数のことをこなすだけの頭はないみたい。
つまりね、何かに気を取られている間は割と注意力散漫になるから突破しやすいってこと。
だいじょーぶだいじょーぶ、私あなたは出来る子だって信じてるわ。
世の中にはね、色んな需要があるのよ。
んじゃ、私が抜けるまでここはよろしくね!
比較的手薄だからへーきへーき。
無事に通り抜けたらUC撃って助けとこうかしら。
盾は大事だもの。
カイ・クロフォード
シュゼット(f06166)と
可哀想な被害者達に俺が出来ることは何も無さそうだ、そっと目を逸らす。
絶対にああはなりたくないな…
天井のやつとか、うっかりするとぶつかるから気をつけよう。
一つ一つはそれほど強くはないみたいだ、問題はひたすらに数が多いってだけで。
ことごとくシュゼットが俺を盾にしてくるから、実質二人分ぐらい相手してるんだよなぁ…数の暴力って怖い。
命を狙われる危険がないとはいえ、あれに好き勝手這い回られるのは精神的にきつい、絡まれたら全力で振り払おう。
大体もっと他に狙う奴いるだろう、誰得だ!
手薄とは言ったって、結構な数いるぞ!?
ああもう!とにかく確実に一本づつ倒して押し通る!
阿鼻叫喚の迷宮を、シュゼット・レジェ(綺麗な華には触れるべからず・f06166)はカイ・クロフォード(ドラゴニアンの竜騎士・f18858)を盾にずんずん進んでいく。カイは今のところなんとかさばけているがいつ数の暴力に押されてもおかしくない。
「あらあら、あっちは随分と楽しそうだこと。助けに行かなくて良いの?」
「……俺にできることはなさそうだ」
そっと目をそらすカイをシュゼットは愉快そうに見ている。なにか思いついたように視線を泳がせる彼女にカイは嫌な予感しかしなかった。こういうときに思いつくものは、たいていろくでもないことなのだ。
「……さっきからあいつらの様子を見ていて思ったの。あいつら、同時に複数のことをこなすだけの頭はないみたい。つまりね、何かに気を取られている間は割と注意力散漫になるから突破しやすいってことよ」
ふさがった道を迂回しながらシュゼットはぽつりとつぶやく。シュゼットが見つけた触手の特徴にカイは確かに、と納得する。とはいっても流石に石を投げてごまかせるほど間抜けだったならもっと簡単に突破できただだろうし、まさか囮を出すわけにも……。
ドン、と突然後ろから突き飛ばされ不意を打たれたカイは思わずよろめいた。そんなあからさまな隙を逃す触手ではない。
「うわっちょ、どこ触って……シュ、シュゼット! 俺を囮にする気か!」
「だいじょーぶだいじょーぶ、私あなたは出来る子だって信じてるわ」
答えにならない言葉を返しながら、シュゼットは見事に触手をすり抜けていく。カイに気を取られている触手たちは彼女に気が付いていない。囮作戦大成功である。
「私が脱出するまで頑張ってねー。比較的手薄だからへーきへーき」
「手薄とは言ったって、結構な数いるぞ!? ああくそ、大体もっと他に狙う奴いるだろう、誰得だ!」
男が触手に絡まれてなにが楽しいのか。どちらかというとそれこそ、シュゼットのような美少女のほうが需要があるに違いない。カイはそんな気持ちをこめて吠える。
「世の中にはね、色んな需要があるのよ。案外、主も喜んでいるんじゃない?」
「なおさらごめんだ! って、おい! やめろ! く、くすぐるなぁ!」
触手の狼藉にどうにか耐えながら、カイは押し通ろうともがく。しかし先ほどより数も増えて迫られては多勢に無勢だ。触手は服の中にも入り込み体の鋭敏なところを撫で始める。
カイが解放されたのはだいぶ時間がたってからだった。完全に通り抜けたシュゼットの降らせた光が、若干満足気の触手たちを消し飛ばしたのだった。
成功
🔵🔵🔵🔵🔴🔴
パトリシア・パープル
今度はくすぐり触手?
まあ、全部吹っ飛ばして進めば問題ないわよね♪
まずは【スチームヨーヨー】と【如意フォーク】で触手を遠距離から突いて刺激
適度に怒らせたところでUCを使い大量のスカンクを召喚
触手の蔓延る回廊にスカンクガス一斉放射よ!
続けてスカンク達も一緒に曲がり角の壁際に退避しつつ、回廊にマッチを放り込んでガス爆発を狙う
全部焼き払えばいい、うん、解決ね!
最後は【動物使い】と【オーラ防御】を併用し、召喚したスカンクを全身に纏う
スカンク達が互いの尻尾を噛み、手足を繋ぎ……強化服ならぬスカンクアーマーに!
触手攻撃を受けた個所のスカンクは離脱し【カウンター】でガス攻撃!
触手が悶絶してる間に走り抜けるわ!
「今度はくすぐり触手? まあ、全部吹っ飛ばして進めば問題ないわよね♪」
数多の被害者を出しているこのくすぐり触手たちも、パトリシア・パープル(スカンクガール・f03038)の敵ではない。
邪魔なら吹き飛ばしてしまえばいい。パトリシアにはそれをできる能力がある。
「そーれっ」
取り出したスチームヨーヨーと如意フォークを片手ずつで器用に操る。ぐるんと技のように飛び出したヨーヨーと伸びたフォークが触手たちにぶつかる。いくつかはもげたようだがほとんどは大したダメージもなく、ただ「小突かれた」と意識だけを植え付けた。触手のような性もわからぬ生物にも感情というものは存在するらしい。
触手は鎌首を上げてパトリシアを向いた。しかし、それこそがパトリシアの狙いだった。
「みんな、おいで! 行くよ、これがわたし達の、ファイナル・スメル・アタック!」
一斉放射されたスカンクガスが触手たちに襲い掛かる。そのあまりのにおいに鼻がないはずの触手がへにゃへにゃと力を失っていた。
「全部焼き払えばいい、うん、解決ね!」
彼女の手にはすられたマッチ。ポイと投げて物陰に隠れれば。
……響き渡る轟音とともに迷宮のひとつの通路が吹き飛んだ。
そのあと、スカンクを全身に纏ったスカンクアーマー状態の彼女が悠々と迷宮を攻略するのを、見た人がいるとか、いないとか。
成功
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神楽・鈴音
アルダワには初めて来たけど、こんな薄気味悪い生き物が生えてるなんてね
摘んでも何の役にも立たなそうだし、駆除よ!駆除!
とはいえ、まともに進んだら捕まるのは必至
だったら壁ごと破壊すればいいわね
UCを発動させ賽銭箱ハンマーで床や壁を触手諸共に叩き潰す!
【力溜め】と【衝撃波】を乗せて少しでも広範囲に破壊!破壊よ!
『直撃地点の地形は破壊される』んだから、触手ごと地均ししてやれば問題ないわ
万が一、捕まりそうになったら、【怪力】で触手の2、3本くらいは引き千切ってやるわよ
え?迷宮が崩落する?
まあ、その時はその時、なんとかなるでしょ♪
天井が崩れれば触手も潰れて一石二鳥ね
……瓦礫を退けて進むのが大変そうだけど
阿鼻叫喚の迷宮へ、賽銭箱ハンマー片手にやってきた巫女姿の少女。はびこる触手たちを一瞥して、神楽・鈴音(歩く賽銭箱ハンマー・f11259)は汚物でも見たかのように顔をゆがめた。
「アルダワには初めて来たけど、こんな薄気味悪い生き物が生えてるなんてね。……摘んでも何の役にも立たなそうだし、駆除よ! 駆除!」
肩にかけていた賽銭箱ハンマーを大きく振りかぶる。中のわずかな小銭がチャリチャリと音を立てた。
「はぁぁぁぁぁッ!!」
けたたましい轟音と共にハンマーが迷宮の床へと沈む。もちろんそこにはうじゃうじゃと触手たちが群れていたのだが、それもまとめてぺちゃんこになってしまった。
しかし鈴音はこの程度で終わらせる気はない。彼女を止めようといくつかの触手が彼女の腕に絡みつくが、持ち前の怪力で容赦なく引きちぎる。
「天罰覿面! お賽銭を寄越しなさい!」
渾身の力を乗せたハンマーの一撃はやすやすと触手たちを叩き潰し、それどころか迷宮の床まで破壊した。衝撃波が響いた周囲の触手たちは千々に散らされ無残な残骸と化していく。その衝撃は床だけにとどまらず、響きに響いて迷宮全体を揺らした。
「……これ、迷宮ごと崩落しそうね?」
そうつぶやくやいなや、迷宮の一部が崩れ、瓦礫が迷宮内へ落下する。グチュッと音を立ててつぶされていく触手を見て、一石二鳥だったわね、と鈴音は鼻で笑った。
大成功
🔵🔵🔵
第3章 ボス戦
『リコ・ワンダーソイル』
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POW : ロイヤルコード『ワンダーソイル』
自身からレベルm半径内の無機物を【どろどろぐちゃぐちゃの半固体の土】に変換し、操作する。解除すると無機物は元に戻る。
SPD : マジカルコード『アースソウルブラザーズ』
戦闘用の、自身と同じ強さの【土塊ゾンビ】と【土塊ゴーレム】を召喚する。ただし自身は戦えず、自身が傷を受けると解除。
WIZ : エクストラコード『クラクリ』
レベル×5本の【土】属性の【当たると弾けるクリスタル】を放つ。
👑11
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種別『ボス戦』のルール
記載された敵が「1体」出現します。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。
大成功 | 🔵🔵🔵 |
成功 | 🔵🔵🔴 |
苦戦 | 🔵🔴🔴 |
失敗 | 🔴🔴🔴 |
大失敗 | [評価なし] |
👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。
※このボスの宿敵主は
「ロザリア・ムーンドロップ」です。ボスは殺してもシナリオ終了後に蘇る可能性がありますが、宿敵主がボス戦に参加したかつシナリオが成功すると、とどめを刺す事ができます。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。
「はぁぁぁぁ……まだ原稿も終わってないっていうのに……もう来たの……」
けだるそうな声がボス部屋に響く。魔法少女のような服を纏った彼女は頬についたインク跡をこすり、嫌そうに猟兵たちへ振り返った。
「もうちょっとひっかかってくれてもよかったのよ? 私の同人誌のネタにしたから。みなさん全力で踏破してくるんだもの……」
やれやれという様子で肩をすくめるリコ。そんな風に言われる筋合いのない猟兵たちは各々の感情のままに武器を抜く。
「やめてよね……グロは地雷なの。そうね……私が手ずからエロ同人展開にすればいいのかしら」
杖を現にしたリコはその手に魔法を紡ぎ始める。ふざけた迷宮のボスではあるが、彼女もまた力を持つオブリビオン。油断は禁物だ、同人ネタになりたくなければ……。
【PL情報】
リコは攻撃方法を活かした少し妙な魔法を放ってきます。受けたいものと同じ属性のUCを使用するようお願いいたします。
POW どろどろぐちゃぐちゃ、半固体の土がまとわりつきます。乾くと固まってしまいそうですね。
SPD 土塊ゾンビ、土塊ゴーレムが猟兵たちを拘束しようと近寄ります。捕まったら変なポーズをさせられるかもしれません。
WIZ まさかの物理攻撃。普通に痛いです。
パトリシア・パープル
【SPD】で勝負
そんなに薄い本が好きなんだったら、自分で触手に巻かれてればいいのよ
御尻守様の使者、スカンクガールがお仕置きしてあげるわ!
とはいえ、さすがに土塊ゾンビや土塊巨人を全部相手にするのは不可能ね
だったら……こっちも切り札を使わせてもらうわよ!
自分の身体にライターオイルをかけマッチで着火
その炎を使ってUC発動
「対象は……そうね、あなたの髪の毛なんかどうかしら?
リコの髪を炎獣に変え、彼女の胸や尻に噛み付かせる
自分は【火炎耐性】とUCの生命力吸収効果で火傷を防止
彼女がダメージ受ければゾンビやゴーレムも消えるはず
グロは地雷だったわよね、ご愁傷様♪
そのまま自分の髪の毛に、焼かれながら食べられてね
「そんなに薄い本が好きなんだったら、自分で触手に巻かれてればいいのよ。それをこんな風に巻き込んで……御尻守様の使者、スカンクガールがお仕置きしてあげるわ!」
パトリシア・パープル(スカンクガール・f03038)はビシッと指を突きつけリコに宣言した。それに対しリコはただ曖昧な笑顔を返すばかり。
「私が巻かれても萌えないじゃない……屈強な猟兵たちが捕まるから……萌えるのよ……」
「もう話にならないわね!」
攻撃態勢をとったパトリシアに先立って、リコは杖を振るう。
……ぼこ、ぼこぼこ、と音を立てて土が泡立つ。そこから這い出るように腕が伸び、顔が生まれ、胴が伸びる。土くれでできたゾンビとゴーレムはもろい素材でありながら砕けてもまた蘇る厄介な敵としてこの地に生まれ落ちた。
面倒ね、とパトリシアは眉を寄せる。数は多いし倒しても復活なんてフェアじゃない。すべてを相手にするのは不可能だ。捕まってしまうのなんて、想像するのもごめんだった。
「だったら……こっちも切り札を使わせてもらうわよ!」
そういってパトリシアはライターオイルを自身にぶちまけた。そしてすぐさま、マッチを擦る。オイルを被った彼女の手で生まれた炎は即座に燃え移り、パトリシアの腕は炎につつまれた。
「なにを……」
「さあ、すぐわかるんじゃない? 対象は……そうね、あなたの髪の毛なんかどうかしら?」
燃えながらそうパトリシアが言い放つと、リコは頭から妙な熱気を感じた。まるで髪全体が燃えているようなそんな感覚。慌てて振り返った彼女は、燃え盛る炎獣の瞳を見た。
「いやぁぁぁ!?」
「よかったわね、自分で『燃えられた』わよ」
「漢字が違うぅぅ!」
彼女の悲鳴はボス部屋によく轟いて、ゾンビとゴーレムはガラガラと崩れ去っていく。リコが暴れても暴れても、炎獣は彼女の髪自体なのだから、逃げられるはずもない。胸に、尻に噛みつかれて狂乱するリコを見て、パトリシアは鼻で笑った。
「そっか、グロは地雷だったわよね。ご愁傷様♪ そのまま自分の髪の毛に、焼かれながら食べられてね?」
大成功
🔵🔵🔵
神楽・鈴音
【WIZ】で勝負
物理攻撃対決なら望むところよ!
UCを発動し、巨漢と見紛う筋肉質な姿に変身
全身から黄金のオーラを発し、表情も凶悪に変貌!
敵の攻撃はハンマーで【衝撃波】を伴う【なぎ払い】を仕掛け、クリスタルを粉砕しながら【吹き飛ばし】て行く
それでも被弾する分はUCのダメージ軽減効果に【激痛耐性】と【オーラ防御】を加えて耐える
距離を詰め、【力溜め】【怪力】【鎧砕き】を乗せたハンマーによる連続攻撃!
「まずは地獄!(ハンマー叩きつけ
「お次は極楽!(ドサクサに紛れて【盗み攻撃】で懐から同人のネタ帳奪取
「腐れ女子よ……小銭になれぇぇぇっ!!(再びハンマーを叩きこむ
小銭はしっかり回収
ネタ帳は燃やしておくわね
ぷすぷすと焼け焦げた髪を振り払いながら、リコは立ち上がる。痛いことはやっぱり嫌いだ。
「もう、一度倒れてもらおうかしら……それから、素材にすればいいし……」
彼女の詠唱を受けて地面からぽこぽことクリスタルが浮かび上がる。照明を反射してキラキラ光るそれは、内部に細やかな亀裂が入っていた。
「物理攻撃対決なら望むところよ! 小銭になるがいいわ!」
立ちはだかった神楽・鈴音(歩く賽銭箱ハンマー・f11259)は女神の加護を受け、真の姿へ変貌する。黄金色のオーラは神々しく彼女を包み込むも、現れたのは筋骨隆々の巨漢だった。
「……は?」
素っ頓狂な声がリコの口から漏れ出る。さっきまで小柄な少女だったモノが、突然ムキムキの巨漢になってしまったのだから仕方がない。そして巨漢と見紛う姿となった鈴音はその手に大きなハンマーを持って、振り上げた。
「こ、こないで!?」
焦りと共に打ち出されたクリスタルたち。被弾すれば飛び散って相手を傷つけるそれはリコを守るように鈴音へ向かっていった。
無駄よ、と鈴音は笑う。そのハンマーの一撃は向かってきたクリスタルを粉々にすりつぶした。
「まずは地獄!」
ハンマーの下でパキンパキンと哀し気な音を立ててクリスタルが砕ける。そのかけらは次々と小銭へ変化してゆき、地を打つ音がちゃりん、ちゃりんと小気味のいいものとなっていった。
「はい、お次は極楽!」
その大きな腕を振りぬいて、リコに拳が向かった。悲鳴をあげながら直撃を防いだリコは鈴音と距離を取り直してほう、と息を吐く。その懐から大事なネタ帳がなくなっていることにも気が付かずに。
「腐れ女子よ……小銭になれぇぇぇっ!!
「ひぃ!?」
改めて振り上げられたハンマーを、慌てて土壁で防ぐリコ。ボロボロと崩れていく土クズも次々と小銭になっていく。
バンッと轟音を立てて土壁が破壊される。その衝撃で吹き飛ばされたリコは壁に打ち付けられて丸まっていた。
「勝負は私の勝ちね。お賽銭いただいていくわ♪」
地面に転がる小銭を拾いながら鈴音は小柄な少女へと戻っていく。その手に握られたネタ帳はきっちり火にかけられて、灰となった。
成功
🔵🔵🔴
レイニーア・ノックス
spd
アドリブ大歓迎
『ネタ……萌え……わからない世界ですね』生真面目系
『とりあえず、風紀によくなさそうですし、止めます !』
『少なくとも、土塊ということなら空中に居れば早々届くこともないでしょう!』ユーベルコードで召喚したドラゴンに【騎乗】し、ドラゴンと自身にエンチャント【空中戦】【残像】【オーラ防御】
高速詠唱でドラゴンのブレスに追加で【属性攻撃】【全力魔法】【誘導弾】【二回攻撃】
気づきづらい予兆があれば【見切り】が光り、土を払うために【衝撃波】が飛ぶ。
『これに懲りたら全うに生きましょう?これは没収です』ネタ帳を【盗み】【武器落とし】で回収していく
「ネタ……萌え……わからない世界ですね」
生真面目なレイニーア・ノックス(竜召喚師にして竜に騎乗するもの・f18202)には、『萌え』なるものがわからない。他人の趣味には口を出すべきではないだろうし、自分にそれを害する権利はないだろう。だが、他人に迷惑をかけるのなら話は別だ。
それに、とっても不健全なことはこの身と瞳でとくと見てしまった。
「わぁ……ザ・姫騎士って感じ……すごく創作意欲が湧くわ……」
ふふふ……と笑うリコの声にレイニーアの背筋に悪寒が走る。ぞわぞわっと全身の毛が逆立つような感覚にレイニーアは思わず両腕をさすった。
「……とりあえず、風紀によくなさそうですし、止めます!」
魔杖剣を抜いたレイニーアに対し、リコは杖を振るう。崩れて転がっていた土塊たちがゴロゴロと集まり形を成していく。大柄なゴーレムとヒト型を優先したゾンビの土塊がレイニーアに向かい形成された。
「姫騎士といえばくっころよね……固めるのもおいしいけど、捕まえて生のくっころが聞きたいわ……」
「なにがなんだかわかりませんが、断固! 拒否です!」
土塊のモンスターを召喚したリコに対し、レイニーアは相棒を召喚する。紺色の鱗を持つ気高きドラゴンは、相棒へ劣情を向ける相手に威嚇のように喉を鳴らした。
「少なくとも、土塊ということなら空中に居れば早々届くこともないでしょう! 空中は、私のテリトリーです!」
ひらりと飛び乗り迷宮の天井まで飛び上がったレイニーアは詠唱を開始する。しかしその高さにリコも素早く対応した。一度土塊たちを崩し、より多くの土を集めてひとつのゴーレムとなる。
大きくなったゴーレムが腕を伸ばした瞬間、竜がその肺を膨らませた。そして一気に吐き出した咆哮に土塊は次々と吹き飛び、衝撃のままばらばらに砕けていく。ブレスに乗せたレイニーアの魔法がキラキラと瞬きながら、リコに迫った。
「うっ、ぐぅぅ……!」
「これに懲りたら全うに生きましょう?」
ゴーレムを破壊したことで地面に降り立ったレイニーアはゆっくりとリコに歩み寄る。そしてその足元に、少し派手な手帳が落ちていることに気が付いた。
「これは……?」
「やっやめて! そのネタ帳は盗まれずに済んだの……!」
ダメージを受けた体でなんとか手帳を取り返そうとするリコを、竜が軽く踏みつけて止める。もがくリコをしり目に、レイニーアは恐る恐るその手帳を開いた。
「っ……1?」
その内容にレイニーアの顔がどんどん赤くなっていく。危険な蜜蝋、抜けた先には触手の群れ、くすぐるだけだったはずのそれの動きが変わり……。
「……」
「ね、ねぇ……いいでしょう……? か、返して……」
ぱたん、とネタ帳を閉じたレイニーアはキッとリコを睨む。まだその頬は赤い。
「これは! こんなものは! 没収です!」
この内容、まるきり今までの迷宮にひっかかった猟兵さんたちじゃないですか!
レイニーアのお説教は、しばらく続くこととなった。
大成功
🔵🔵🔵
テフラ・カルデラ
コッコ(f12575)と同行
アドリブ可
やっと迷宮の主とご対面です!しかし蝋蜜の触手を思いつくとか…
敵でなければ気が合っていたかもしれないですし、さしずめモデルとして立候補したいほど…
そういうのは置いといて、退治しなければなりません!
真っ先にユーベルコード『ウィザード・ミサイル』をぶつけます!
あ、コッコさんが狙われている!?相手の半固体の土は自ら庇って受け…るも身体中にまとわりついたまま固まって動きにくい!
べ…別にただ同人のネタにされたいとかそういうのではないですから!
あっ…やばい…追い討ちに半固体の土が身体中に…うぷっ…頭まで包まれて…固まっ…て土人形…に…
リーチャ・コッコ
テフラ(f03212)と同行
アドリブ可
あなたが、迷宮の主……ですね。これ以上は許しませんわよ。
テフラちゃんの攻撃に合わせ、アサルトライフルで追撃。クリスタルを放たれる前に【サイキックブラスト】でリコ・ワンダーソイルの動きを封じることを狙いますわ。
けれども、動きを封じても魔法を封じることはできず、どろどろぐちゃぐちゃの半固体の土の攻撃に襲われ……ってテフラちゃん!?
土人形になってしまったテフラちゃんを助けようとしますが、わたくしも半固体の土の攻撃に襲われ……。
「あぁ、か、らだ……が。テ…フ……ご、め……」
わたくしも土人形になってしまいますが、リコの動きも一時的とはいえ封じてみせます……!
ネタ帳を二つとも失ったリコは傷心だった。命の次くらいに大事なネタ帳を片や燃やされ、片や没収されて彼女は若干涙目である。
そんなリコのもとに向かう猟兵たちが二人。リコが自棄になってきていることを知らない彼女たちは意気揚々とボス部屋の扉を開けた。
「あなたが、迷宮の主……ですね。これ以上は許しませんわよ」
ばさり、と蒼色の羽を広げたリーチャ・コッコ(ド天然系転校生・f12575)は少しまだべたついている髪を煩わしそうに耳にかけた。その美しい羽根にも、未だ蜜蝋がこびりついている。
「あ、あんなすごい……じゃなかった、大変な迷宮を作ったあなたを、退治します!」
耳をピン、と伸ばしながらそう言い放ったテフラ・カルデラ(特殊系ドMウサギキマイラ・f03212)は、その反面少しそわそわしながら膝を擦り合わせた。
(あ、あの蜜蝋の触手を思いつくとか……敵でなければ気が合ったでしょうに……)
テフラの脳裏にあの迷宮の光景が浮かび上がる。
まとわりつく蜜霧……擦りあがってくる触手……塗り込まれる蜜蝋……少しずつ身動きが取れなくなるあの感覚……。
(い、言ってくれれば……こんな迷宮作らなくてもボクがモデルに……!)
「テフラちゃん?」
リーチャの言葉にぴゃっとテフラは飛び上がりながら首を激しく横に振る。今は敵に集中しなくては。気が合いそうでも相手はオブリビオン。敵なのだ!
「なんでもないですっ! 行きますよコッコさん!」
迷いを振り払ったテフラはその手をぐっ、と構える。その手に生まれる紅蓮の矢が、さらにその身の周囲に召喚される。
「魔法の矢……ね……そんなもの効くかしら」
襲来する炎の矢に対し、リコは杖を大きく振り上げる。土が大きな壁となり、矢がすべて止められる。
「泥は熱で固まるのよ……残念だったわね」
「……それはどうでしょう!」
固まった土壁にリーチャのアサルトライフルの銃弾が襲来する。威力の高いそれは一部分に固まって射撃されることでその強度を貫き、壁の穴からリコの姿が露出する。
「そこです!」
「ッきゃあああ!!」
リーチャの掌から高圧電流が放たれる。電流をもろに浴びたリコは感電により膝をつき、ガラガラと土壁が崩れていった。食い止められていた炎の矢が、障害をなくしてリコに降り注ぐ。
「やりましたね、コッコさん!」
「ええ! ちょ、ちょっと土埃がひどいですけど……」
土壁が崩れたことで立ち上った土埃がボス部屋を包む。視界が悪くなった中、ごほごほとせき込むリーチャを心配してテフラがその身を寄せた。
「は、早く外に出ましょう、テフラちゃん……」
「はい! 多分こっちが出口……はっ!?」
リーチャを誘導しようとしたテフラのその大きな耳が、ある音を拾った。それは、空気を切り裂きこちらへ襲来する、弾丸のようなもの。
「コッコさんっ!」
「え……!?」
ぱっと突き放されたリーチャは倒れながらその手をテフラに伸ばす。その瞳にはクリスタルを撃ちこまれ、土煙の中に吹き飛ばされたテフラが映った。
「テフラちゃん!!」
ボフッ、と思ったより柔らかい感触。吹き飛ばされ倒れこんだはずのテフラは思ったより痛まない体に首を傾げた。……首を傾げようと、した。
「う、動け、な……」
テフラの体が着地したのは大きな土塊だった。埋まりかけた体がもはや動かない。
(こ、これは……)
「あら……もがかないの……? そのまま土人形になってくれると嬉しいわ……」
聞こえるのはリコの声。テフラは慌てて反論した。
「べ、別にただ同人のネタにされたいとかそういうのではないですから! 違いますから……うぷっ!」
上から崩れ落ちてきた土塊がテフラの顔を覆う。むがむがともがき始めるもどんどん土は固まっていく。
「見つけたわっテフラちゃん、いま助けるから……!」
(コッコ、さ……あぶな……)
ぎりぎり動いた右手がリーチャを止めるように伸ばされる。それを助けを求めていると捉えたか、リーチャは躍起になって近寄った。
「……背を見せるなんて、余裕ね……」
「きゃっ!」
リーチャの背をクリスタルが狙撃する。テフラと絡み合うように、リーチャの体が土塊に沈む。
「あぁ、か、らだ……が。テ…フ……ご、め……」
「うふふ……そうよね、ネタがないなら新しく作ればいいじゃない……。友達と一緒に土人形化とか、バズりそうね……」
リコは近寄ろうと立ち上がる。しかしその身に電流はまだ残っており、身動きは依然できる様子はなかった。
もったいない、とリコは眉を寄せた。
成功
🔵🔵🔵🔵🔴🔴
シュゼット・レジェ
カイ(f18858)と
だってねぇ、そんなわざわざあなたに無償で協力してあげる義理もないしねぇ。
それよりあなた、もっと気合入れて面白いトラップしかけておきなさいな、こんなんじゃ拍子抜けだわ。
ひとまずカイを盾にしてひとまずの身の安全を確保するとして、と。
気を取られてる間に見切りを使いつつ死角に回り込んで拘束させてもらうわ、だまし討ちは割と得意なの。
ねえねえあなた……ところでぇ、周りをネタにするよりも自分自身がネタになっちゃった方が早いって思わなぁい?
拘束したあとはカイに任せときましょ。
そうねえ、せっかくだから作者の目の前で未完成未修正の原稿でも読ませてもらおうかしら。
ちょっとー、ここ誤字あるわよー
カイ・クロフォード
シュゼット(f06166)と
POW
俺は別に好きでトラップに引っかかった訳でも、あんたにネタ提供した覚えもないんだけどなー!
…うん、その原稿はどんな手段を使ってでもこの世から抹消しておかないといけない気がする、そんな気がする。
こっちも色んな物がかかってるんだ、悪いな!
シュゼットの盾扱いなことに関してはもうツッコまない。
UCを使ってこちらに向かってくる土を巻きこんで壊しながら敵を攻撃する。
これ以上ネタになんて!絶対に!ならないからな!
俺や道中酷い目に遭わされた皆の色々な恨み、晴らさせてもらう!
「なーんか、漁夫の利みたいになっちゃったわね」
「よくもまあ、ぬけぬけと……こうなるまで隠れて見てただろうが」
土埃も薄くなった頃。入り口からボス部屋に向かう二つの足音が響く。軽快で優雅に歩む者と油断なくしっかりと踏みしめる者。二人の性格をよく表した足音は、部屋内のリコに警戒態勢を取らせた。
「……あら……見覚えがあるわ……」
迷宮の様子を見ていたらしいリコは少し考えるように首をかしげて見せる。その姿にカイ・クロフォード(ドラゴニアンの竜騎士・f18858)はぞわりと嫌な予感を察知した。
「迷宮にたっぷりひっかかってくれた従者さんと全然引っかかってくれないお嬢様よね……? 主従ご馳走様……」
「引っかからないわよ、わざわざあなたに無償で協力してあげる義理もないしねぇ。あ、さぞかしカイはいいネタになったでしょ」
「俺は別に好きでトラップに引っかかった訳でも、あんたにネタ提供した覚えもないんだけどなー!? あと、別に俺は従者でもねぇ!」
リコと、ついでにけらけら笑っているシュゼット・レジェ(綺麗な華には触れるべからず・f06166)を睨みつけて、カイは槍を抜く。カイの視線なんて歯牙にもかけないシュゼットはしれっとカイの後ろに隠れてしまった。
「そんなことよりあなた、もっと気合入れて面白いトラップしかけておきなさいな、こんなんじゃ拍子抜けだわ。もっと面白いものが見れるかと思ったら、みんな思ったより切り抜けられてるし」
「そんなことってあんた……」
「物足りなかったかしら……じゃあ、こういうのは、どう?」
リコがその手の杖で、コンコンと床をつつく。すると周りの椅子、机、落ちていたお菓子の包み紙までもがどろどろと溶け始め、うごめくスライムのような泥に変貌した。するすると地味に素早く動くそれは波のようにリコと二人の間に立ちはだかる。
「そこの従……少年君は、いい原稿になったの……だからまたネタ出しさせて……こんどはお嬢様も、ね?」
「……うん、その原稿はどんな手段を使ってでもこの世から抹消しておかないといけない気がする、そんな気がする!」
泥スライムが襲い来る直前、カイはその手の槍を大きく振りかぶり、深々と突き刺した。槍から広がるように、ピキ、ピキピキ、と氷が広がり、氷柱が飛び立つ。
「これ以上ネタになんて! 絶対に! ならないからな!!」
その切実な雄たけびの通り、氷柱が泥たちを霧散させる。千々に散ったそれらに大したことはできず、その間にとカイは新たに氷柱を生み出した。
「俺や道中酷い目に遭わされた皆の色々な恨み、晴らさせてもらう! 喰らえぇっ!」
「くっ……!」
殺到する氷柱をなんとか土壁で防いでリコは唸る。この戦況をどう覆そうか。ひとりだけでもこんなに苦戦するなんて。……あれ?
もうひとりは、どこだ?
「……ところでぇ、周りをネタにするよりも自分自身がネタになっちゃった方が早いって思わなぁい?」
背後から耳に届いた声を、リコは確認することができなかった。後ろに、と思った瞬間には猿轡が口に嵌められ、もがもがとうごめいている間に手枷が腕を捕らえる。ガチャン、という金属音と重みに気を取られた時には、ロープがリコの体に回っていた。
「ほぉらあなた専用の拘束ベッドよ。いいネタになりそうじゃない?」
「もごもがぁ!」
自分じゃ萌えない! と叫ぼうとしたリコの声はむなしく言葉にならず。それもおかしそうにシュゼットはケラケラ笑った。
「はあ……これで依頼完了か……?」
「そうねぇ、面倒くさいし後はよろしく」
シュゼットのわがままに慣れてしまったカイは大きく息を吐いてうなずいた。反論するだけ無駄だと嫌というほど理解させられた一日だった。ますますシュゼットの思うつぼな気がするが、もう抵抗する気力もない。
「……あら、この紙の束は……」
「ん! んんんう゛!!」
「うお、暴れるな!」
シュゼットが見つけた紙の束。それにはやけに覚えのある男と触手が絡む描写が延々と書き連ねてあった。ぱらぱらと内容を確認してシュゼットはにやぁと笑う。その笑みにリコのみならず、カイまでもがゾクッと悪寒を走らせた。
「そーねぇ、どうせ暇だしぃ? 待ってる間この未完成原稿の校正でもしてようかしら」
「んぐぅ……」
「……それ、一刻も早く燃やしてほしいんだが」
「ちょっとー、ここ誤字あるわよー」
未完成な文章を読まれるのは同人誌書きとしては死ぬほど辛いこと。かくしてオブリビオン『リコ・ワンダーソイル』は精神的苦痛によってトドメを刺されることになった。
……しかしその原稿とシュゼットによって、精神的に痛めつけられたドラゴニアンがいたとか、いないとか。
大成功
🔵🔵🔵🔵🔵🔵