『謎の黒豆団子水を追え』
菱川・彌三八 2020年7月9日
形式:一対一
相手:雨野・雲珠
場所:UDCアース(原宿)
時刻:昼
天候:やや暑い
速度:指定なし
終了:指定なし
描写:行動の有無は問はず、会話のみ可
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雨野・雲珠 2020年9月27日
箱を?(意図の読めない申し出に、目をぱちくりさせ。突如はっとした)だ……だめです!いくら菱川さんでも、これだけは差し上げられません。鬼に金棒、菱川さんに墨と筆。そして俺にはこの箱宮なのです。これがないと―――……(困り顔であわあわと言い募った後、はて、と首を傾げた。欲しいとは仰ってなかった気がする)
あ。……もしかして、持たせて悪いなあって思っておられます?重くないのですよ。どうしても気になるなら、箱を背負う俺をおんぶしてくださっても構いませんが……。(もし気を使わせているのなら杞憂だと、冗談めかして流そうとして、思い出し笑いでふと声が笑む)
菱川・彌三八 2020年9月27日
あー……
(その実、持たせてしまっているの半分、体裁半分である。如何見ても此方の方が体格が良いのに、余りに身軽なのも如何なものかと、ふと頭を過ったのだ。が、)野暮だったな。忘れてくんな。
(ばつが悪そうに首の後ろを掻いた。髪が触れるのが慣れない。知らず、歩みも速まった……平生と同じ歩幅とも云うが。そうこうする内、先の通りに出た。辺りを見回し、振り返って距離が開いていれば、歩を気にしていなかった事に気付くだろう。否、其れよりも)
エエト…… ……何笑ってやがんでェ。
雨野・雲珠 2020年9月28日
?お気遣いくださったんでしょう?俺は嬉しいです!
(相手がほんの束の間ぐんぐん歩いただけであっという間に距離が開いて、あわてて後を追う。歩道は広いが、なにせ人が多い。待ってくれた隙に追いついて、ついでに片手でまた紐を掴んで。こんな風にずっと、気遣いと手加減をもらいつづけている。恩も着せず、きっかけがなければ気づかせもしないくらいさりげなく)
…………。いえ……菱川さんのお背なは、なかなかの乗り心地だったなあと。
菱川・彌三八 2020年9月29日
は?…………あァ(葉桜の頃、そう云えば背に乗せて空を駆けたのを思い出した。人に負われのはともかく、韋駄天の速さで動くのに慣れなかったのか、その後千鳥足だった筈だ。ふ、とつられる様に笑う)
すんなら亦負ぶって、森迄ひとっ飛びとしようか。辺りの奴等ァ気付かねえ程に速く。次ァ鳳凰でヨ。
(是とはならぬのを分かった口振り。その間紐を握る手を確かめ、手の中の盆栽に視線を移す。……片手)
まァ箱ァ構やしめえがお前ェ、夫れ落しゃしめェか。ちいと心許ねェが、袋入れるかい。(自分のたぴおかの袋の中には、もう一つ折りたたまれた夫れがいる。取り出して差し出してみた)
雨野・雲珠 2020年9月30日
上下動にご配慮いただけるなら、(笑って頷いた。いたずらに日常を騒がすようなことは、あなたはまずやらないと思っていたし。万が一本気でも自分が止める。でも、だからこそ、もしもの話は楽しかった。雑踏の中で突如として燃え上がり、一瞬で飛び去っていく大きな鳥)
あっ。入れます!実のところ落としそうだったのでありがたいです。(紐を掴むな、ちゃんと両手で持っていろとは言わないあたりがいかにもこの人らしかった。内心うっかり手を滑らすかもと思っていたところだ。言われるままに袋にいれさせてもらう。これで一安心)
菱川さん菱川さん。道の向こう……ほら、あのしるし!最初に行くはずだった『ナイキ』ですよ。なんだか、……思ってた以上に大きいですね……。
菱川・彌三八 2020年10月2日
確と掴まっていりゃあ訳もねェさ(歩み乍ら空を行く話が続いた。向こう、と云われた先を探す様に目を細めたが、直ぐに其の必要がない程に大きな紋が飛び込んで来る)
こりゃあ……思いの外大店だったなァ。他所にも卸すだけの事ァある。
(其の大きさは、離れた方がよく分かった。何せ周りの建物も半端なく大きいのだ。そして黒い。白や鼠色が多い中で、炭の如き黒は尚更目を惹く。屹度、屹度此処は他の似た店よりも流行り物や珍しい物も多いのではなかろうか。何せ素直に格好が好い。勝手な慧眼に、流行りに敏感な江戸人は得意げに口を緩ませた)
履物だけ探すにゃ聊か骨が折れたろうさ。亦機会がありゃあ彼方も寄ってみようゼ(今は、盆栽が枯れる前に森を目指すのである)
雨野・雲珠 2020年10月3日
訳なくはなかったです!そのうち俺がやってさしあげます、そしたらわかりますから。(揺れと速さでなかなか散々な目にあったはずなのに、今思い出すと楽しかった記憶になっているのがふしぎなのだった)
(文字すら入れず、屋号一つで事足りると言わんばかりの佇まい。そういえば靴のデザインも、手堅い印象だった三つ葉のそれに比べて遊びとかっこよさを追い求めていくかのような―――とまで思い至り、ふと隣を見上げた。好ましいものを眺めるその目に、なにやらわかったような気になった。相性が良さそうだ…)
雨野・雲珠 2020年10月3日
(しばらくはゆるい傾斜の大通りが続いた。歩道も車道もうんと幅広で、建物のひとつひとつも大きい。道脇に植わるケヤキたちの大きさを褒め、一階に入る店を流し見て、木々が見えてきたあたりで一旦道脇に寄った。こ箱の横ポケットから付録冊子を取り出す)
えっと。こっちへ進むと公園―――あ、公園っていうのは、誰でも使っていい大きなお庭のことです。で、こっちへ曲がると神社へつながる森……。(地図を見せながら、子どもの白い指で道を示す)
んー。公園ならどこにでも座れるでしょうし、神社にも休憩所はあるはず……菱川さん、どちらが気になりますか?俺はどっちでもよいです!土と木はどっちにもありそうなので。
菱川・彌三八 2020年10月4日
ふぅん……?神田の神社にゃあ境内に床几も出るが、余所でも同じかい。ちいとゆっくり腰かけられる方がいいやもしれねえなァ。
(身体は兎も角、聊か人の多さと慣れぬ土地や着物で気疲れはしている。首をひと回しして、傾けると小気味良く音がした。其れから顔を上げる。本当に森がある……然し妙に境界めいた物を感じる)
如何、と云われてもな。ンー……したが、庭園の方、かね(梅屋舗的な物を想像している)あァ、夫れかお前ェ、此処の神様に会うってんなら夫れも良いけどヨ。
雨野・雲珠 2020年10月4日
………、(掴んだ紐をちょいちょい引っ張ると、背伸びしながら自分の口元に手を寄せた。耳を貸してほしいの仕草)
菱川・彌三八 2020年10月4日
……なんでェ(上体を傾けて手に耳を近付けた)
雨野・雲珠 2020年10月4日
(さきにタピオカ飲みたいです)
雨野・雲珠 2020年10月5日
(問い返されて耳まで赤くなった。右に広がる鎮守の杜に、ご挨拶より食い気を優先させる不敬を聞かれそうな気がして、どんどん声が小さくなる)
……その、……庭園でひとやすみに賛成です。しましょう。(ちょっと座りたいですし。などとごにょごにょ言い訳をして紐を引っ張った。公園方向)
菱川・彌三八 2020年10月5日
? ??お、応。
(小食と云った手前、腹が減った照れ隠しであろうか。赤面の理由も知らず、引かれるが侭に足を進めた。
既に森と云った様相の木々の外側を行くと、直ぐに開けた場に出る。此処も賑やかだが、先程迄とは随分と雰囲気が違う。真反対に見える物がそう遠くない場所で共存しているのには、素直に感心する。敢えて木々を残しているか生やしているのだろうか。然し拓けてはいるが、座れそうな場所は未だ現れない。只歩くと云うには随分と広々としいるように見えるが……)
……此処が其の庭園かい?
雨野・雲珠 2020年10月6日
(食い違ってることには気づかず、自覚してしまった駄目さ加減に一人恥じ入りながら歩く。最初の通りの密集加減が嘘のように、このあたりは何もかもが広い)
んっと……ここは、(先導を任せ、紐を引っ張りながら歩きスマホをする。最近の若者)……多分、お庭の前の広場で……地図通りならこの先に門が―――あ、ほら!あそこが入り口みたいですよ。
(【原宿門】という看板のかかった金属製の門扉は今は開いて、様々な人々が気楽な様子で出入りしていた。道はしっかり舗装され、芝生が広がり、点在する木々はどれも大きい。道路脇には先ほどのクレープ屋の名前の自動車が止まっている。どうやら出店らしい)
広いですねえ……広すぎるくらい……(感嘆のため息をつきながら適当に歩くうち、ちらほらベンチが見えてきた。同時に、芝生に敷物を広げて座っている人たちも現れ始める)
あ。もうちょっと歩いた先に、立派な松があるそうです!
菱川・彌三八 2020年10月7日
(道の侭に歩み、案内の度其方を見る。門が開かれているのであれば、此の庭の許可は下りているのだろう。大きな木、広い土地。屋敷も何も見えないが、此処は寺とも社とも別の敷地であるようだ。街道ばかりを見慣れている分、広い道も高い建物も、そしてこの開けた庭もあるこの地は、随分を広く、広く感じた)
はぁん……えっ、松?
(この様な場に松。如何程の違和感であろう。こんなに開けて、薄い草の上に腰を下ろす者迄在ると云うのに。あ、)……お前ェ、何処か座らなくていいのかい?
雨野・雲珠 2020年10月8日
どこに座ってもよさそうですから、それならいい感じのところに座りたいなって……ほら!きっとあれです!
(湿度の高い初夏の木々は、緑濃く葉を茂らせ精気に満ちている。ケヤキに楠の木、ああ背の高い松が何本か植わっていると思った先に、ひと目で目当ての松を見つけた。囲いがされているからというだけではない。うねりながら広がる見事な枝振りに、どっしり太い幹。上に上にと伸びている周囲の松とは一線を画する佇まい)
あ、座れるところもありますよ!(三つ並んだベンチには誰もいなかったものだから、これ幸いとちゃっかり腰掛けあなたを待つ)(ぺしぺし隣を叩く)
菱川・彌三八 2020年10月9日
(呼ばれる侭に示された処に腰掛けた。そうっと背を預けてみる。倒れる気配はなく、軽く息をついた。片足が自然と胡坐をかく様になるのは江戸の仕様である。
ふいに顔を上げた先には、松があった。周りにも在るが、夫れだけが避けるかの如く一本で立っている。大きさで云えば、他と然程違いはない。斯く在る可とでも云う程の身形ながら、辺りが庭園然としていないのが不思議な其れを、物珍しく眺め乍ら、遂にたぴおかを取り出した。長い道のりであった。店で教えられた通り、勢いよく筒を刺す。何の躊躇いもなく。そして一口)
……
……甘くねェな(以前の物よりは)
雨野・雲珠 2020年10月9日
甘くないんですか?(クールなものである。二度目ともなれば、もはや慣れたものなのだろうか。迷いなくいった姿を見守り、では自分もとわくわく盆栽タピオカを袋から取り出した。底部の黒い団子はこの太いストローで吸えるのだろう。上は土に双葉が芽吹いたようで可愛らしい。そんなはずはないだろうけど、本当に土だったら暴れよう)
(最初から底部まで刺してあったストローに口をつけた。おそるおそる吸い上げたひとくちめは、まろやかに甘いミルクティーだった。茶葉の香りにほんのすこしココアが混ざる。あれ、想像していたよりすごくまともにおいしい……ともう一口吸い上げた時、なにかが口の中に入ってきた)
!!?
雨野・雲珠 2020年10月9日
……!!(黒砂糖のいい匂いがして、ほのかに甘い。たいそうもちもちしている)
雨野・雲珠 2020年10月9日
(飲み込んだ後、まじまじ手にもった容器を見つめると笑い出した)ふ、ふふふ……おいしい……そして楽しいです!(八分咲きだった枝の残りがぽこぽこ咲く)(満足)
おいしいですねえ、菱川さん!わらび餅っぽいですけど、わらび餅より弾力があって。
菱川・彌三八 2020年10月10日
甘かねえが、花の様な香りがする……店によって随分変わるンだなァ。
(此れが彼の店のこだわりだろう。力説していた者の顔が思い起こされた。そう云われると確かに上等な感じがしてくる。もう一度ゆっくりと吸い上げると、漸く二つ、三つと黒豆が転がりこんできた。独特の硬さを味わい乍ら隣の百面相を眺めた。あ、満開)
不思議なモンだろ。結局餅とも団子とも違うってんで、たぴおかてなァ一体何なんだろうな。
(更に大量のたぴおかを噛む。もっちりしている。盆栽は何が違うのだろう)
……土ではなかったみてェだな。気に入ったかい?
雨野・雲珠 2020年10月12日
はい!想像していたよりずっと親しみやすい味というか……土っぽいところはココア―――えっと、黒いきな粉のようなものです!(バイト先のマスターが聞いたら憤死しそうな説明を吹き込む桜である)
(混ぜて飲むものなのかも、と浮かせたストローで少しだけ上のほうを崩し入れると、甘みが強くなって風味も変わった。ココアが強いが、紅茶の香りもしっかりする。喧嘩しそうなものなのに、意外に合うのがふしぎだ。タピオカに加えてココアチップまで吸い込まれてくるので、口の中がなんだか忙しい)
んん……いろんな味がします……(片手で口元を隠してもちもちを噛みながら、どうぞ、と自分のそれを差し出した)
菱川・彌三八 2020年10月17日
黄な粉……(この花の味に黄な粉が合うかは兎も角、土の如く黒いものは、彼が桜である事を除いても馴染みのある食べ物らしい。帝都にもあるのだろうか。丁度想像もつかぬ味の程に興味が沸いたその時、差し出された盆栽。一度見て、顔を見て、ならばと受け取り、自分の物を空いた手に収めた。
吸い込む為の筒は、己の物と違って紙の様に見えた。水に浸して平気なのかと少々訝しみ乍ら、恐る恐る吸い上げてみる)
ン、甘……ンヽ?石……ではねェな。へェ……
(餅とは別の食感と、甘み。奥深さというか、濃いというか。一つ分かるとすれば、少なくとも黄な粉ではないという事である)
この、黒いなァ……お前ェ、さっき何と云ったか……
雨野・雲珠 2020年10月18日
ココアです!ここあ。豆粉の類だとは思うんですけど……大丈夫そうですか?俺はじめて帝都で飲んだとき、鼻血出そうになりました。(味が濃くて、と笑いながら、受け取った容器を軽く持ち上げいちど中を覗いた。こっちも飲んでみたかったのである。わくわくしながらストローに吸い付くと、茶葉の香りに加えて、ふわっと果物の香りがする。全体的に上品な仕上がりで、飲み口もさらりとしていて飲みやすい。ただ、)
雨野・雲珠 2020年10月18日
…………(無言のまま、はらり……と花びらが悲しげに一枚落ちた。甘くなかった。いや決して無糖ではないのだが、先に甘みの強いものを味わってしまうと、弱い甘みが無に近くなるあれだった)
雨野・雲珠 2020年10月18日
(腹いせのようにタピオカを狙って吸いこみ始めた)(もちもち食べてる)
菱川・彌三八 2020年10月18日
こゝあ……(たぴおかを噛み乍ら盆栽を掲げた。なんとなくぐるりと混ぜてみる。塊が、溶けずに回っている。甘さの原因は此奴らしいが、夫れでも他の店よりは爽やかな気がする。
ふと、花が落ちてぎょっとする。先程迄あんなに嬉しそうにしていたというのに。明らかに原因は己のろいやるなんとかである。慌てて上から夫れを取り上げ、空いた手に盆栽を戻した)
如何したお前ェ……そねェに口に合わなかったかい(そこでなんとなく分かった気がする。先に思わず口をついたが、甘くないのだ。二度目の己ですら少し不思議な感じがしたというのに、こゝあの後に此れは期待が外れても可笑しくはない。況して、如何やら甘い物が好きなようだし。あゝ……)
雨野・雲珠 2020年10月18日
(戻ってきた盆栽と、気遣わしげな表情に我に返った。慌ててタピオカを飲み込む)ン、……―――いえ!甘いのを飲んだ後だったので……想像していたより甘くなかったというだけで……その、……ハイ。甘いほうが好きです……(もはや誤魔化せる段階じゃなかったので白状して、照れ隠しに戻ってきた盆栽をちびりと飲む。せめてもう少し待ってから飲めばよかったと、後悔しても後の祭りだ。やはりこっちのほうが甘い)
……そっちはですね、大人向けという感じでした。
菱川・彌三八 2020年10月19日
大人?く、ふゝ(“矢張り”と、素直な様に思わず笑いが漏れた)
……そうは云っても、盆栽も屹度、この……たぴおかってェ物の中では甘くねェ筈だぜ。
(そう、妙な話、くれーぷの様なこってりした甘さはない。改めて戻って来た方を飲む。甘くはないが、飲物然としている様に思う。江戸で飲む冷や水の、香りの分上等な物)
然し……(飲み込む)中々ドウデ、俺ァ……(何故か此処でもう一度吸い上げ、噛む)……割り合い好きだなァ(大人だから。此の妙な満足感。食感も含め、すっかり嵌っている)
……此のたぴおかってェのは何だろうな。お前ェ、調べられるかい?
雨野・雲珠 2020年10月19日
昨日調べたんです!楽しみで。調べたんですけど……(聞かれること自体が嬉しい桜は、すちゃっと取り出したスマホで「タピオカ とは」で検索し、某Wikiのページを開いてそのままあなたに見せた。曰く、『トウダイグサ科のキャッサバの根茎から製造したデンプンのこと』―――文字だけでは見当もつかない)
……どうも、お芋からとれるもちもち成分らしいとしか……思いのほかおなかにたまるのは、お芋で出来てるからみたいです。
(画面を覗き込みながら、ザクザクしたココアの塊を口の中で転がし、また一口含む。しっかり甘いため、こちらは飲み物というよりこれ自体がおやつっぽかった)
菱川・彌三八 2020年10月20日
芋ぉ!?……何でェ……此奴ァ芋だっ……いやァ……えェ……
(板に書かれた文字を眩しそうに眺め、然し意味が分からず首を傾げ、今である。改めて、薄く砂を溶かした様な色の下に溜まる黒豆の如き餅を見る。飲む。そして噛む。芋らしい味は一切しない)
……一体ェ何で芋をこんねェな事にしようと思ったんだろうなァ……
(癖も、粘りもないが、弾力がある。可笑しな味もしない。一体誰が芋をこうなると思ったろうか。この地で此れを飲んでいる者は大勢いるらしいが、皆は此れが芋であると分かっているのだろうか。そうして確かめる様にたぴおかを口に入れていたら、何故か先に飲物の方がなくなりそうになってしまった。黒い丸は未だ大量に底に溜まっている)
雨野・雲珠 2020年10月21日
(あなたの反応に、自分も初めて読んだ時は三度見したことを忘れてけらけら笑う。このままでは先に水気が足りなくなりそうなタピオカもおかしい。桜は桜で食べごたえのありまくる飲み物にペースが落ちてきているが、食べやすいこともあってまだ順調だ)
蒟蒻ももとはお芋だって、聞いたことがありますけど―――お江戸に蒟蒻はありますか?おでんに入れたり、お味噌つけて焼いたりするとおいしい、くにゃくにゃしたふしぎな食べ物……(雑な説明の途中、ふと、しかつめらしい顔つきになった)
……突然ですが、本日の俺の気づきを聞いてくださいませんか。
菱川・彌三八 2020年10月23日
(確かに蒟蒻はある。然程見かけはしないが。あれも芋かと神妙な面持ちでたぴおかを眺め、狙いを付けて夫れだけ吸い上げ、芋だと意識しながら噛んでいた。その顔を、ふと上げる)
……応、如何した唐突によ。
雨野・雲珠 2020年10月24日
今日俺、ひたすら遊んでるなって……(慣れない世界、初めて来る土地で。気づけばそれはもう、うっすら罪悪感すら覚えるほど完全に遊んでいた。そのために来たとはいえ、『半分仕事』や『お手伝いがてら』の建前すらなく、純粋に遊ぶためのお出かけは稀な桜であったので)(タピオカを飲み込み、小さく息を吐く)
……満喫しました……。菱川さんは?
菱川・彌三八 2020年10月25日
……は?
(遊びに来たというのに、一体何を。と、思ったりもしたが、そう云えば狭い通りを歩いている時から、時折楽しみすぎている様を気にしている風な発言があったのを思い出す。屹度、誰も咎めはしない。寧ろ年相応に楽しんだと云えば、そうかと話を聞いてくれる者に囲まれてもいるだろう事も、平生の口振りからして間違いではなかろう)
(元は芋だという、確りした歯応えの塊を噛みながら、暫し。飲み込んで、うんと身体を伸ばした。空が濃い縹色をしている)
俺ァごうぎと楽しんださ。目当ての物も買って、此奴も食って。お前ェ、すんならもちいと楽しそうにしな。土産も買ったんだろ。
(ちらと見て、己の眉間を伸ばした。楽しいで善いのだ。そも、あれだけ花を咲かせているのだから)
雨野・雲珠 2020年10月28日
たっ……楽しかったですよ!今日も……今日だけじゃなくて、この間も……
(心が浮き立つと、後ろから棒で殴られる気がして身がすくむ。けれど楽しい気持ちを否定することは、共に過ごした時間の否定にもなりかねないと気づいてひやりとした。それも嫌だ)
……その。顔に出ないだけなんです。いえ、思ってることは大体顔に出るって言われるんですけど。表情があんまり動かないというか……(言い訳はすこし苦しい。まだ子どもっぽく柔らかなラインの頬が、ぐにぐにされてよく伸びた)
……いつだって楽しかったですよ。本当です。今だって俺がどんなに楽しいか、直接びゃーっと伝わればよいですのに。
菱川・彌三八 2020年11月1日
……伝わっちゃいるさ。お前ェさんの枝振りは正直だからナ。
(先程少し落ちたが、其れでも見事なものである。不思議と嫌がるが、丸くて白い花は暖かさと喜びに満ちている。
為ればこそ、折角の気持ちに蓋をしがちにも見える事が気になった。然し、楽しさを強要する事自体が野暮だ。上向いた侭、何かを断ち切る様に首を振り、体を元に直した。残りのたぴおかに再度挑む)
なに、楽しいってんなら好いんだ。今日はうんと遊ぶ為に来たんだからヨ(上手く吸えた。沢山あるとより餅の様だ)飯も上々、土産も上々の上々吉サ。其れでも周りきらねェってンだから、其の底の無さってなァちいと恐ろしいけどよ。
(知っている。此処には更なる名物があることを。帝都の飯が如く、両の手に道具を持って食べる、水菓子のたっぷり乗った、卵を焼いた様な食べ物だ。流石に今日は廻れないが)
雨野・雲珠 2020年11月4日
枝ぶり。おお……(悟った。ちょいちょい硝子に映り込むので、薄々知っていたとも言う。未だ気恥ずかしさはあるものの、むしろこの状況で咲いていないわけがない、くらいに図々しく開き直れる気持ちができてきたのは、果たして成長だろうか退行だろうか)
―――楽しかったですし、また来たいです!違う街……浅草とかも、菱川さんと行ったら楽しいんじゃないかなって思うんですけど。原宿だって知り尽くしたとはとても言えませんし。違う世界に馴染みの街ができたら素敵だろうなって……(話す最中、片方の枝にごくごく軽い荷重がかかり、同時に耳元で地鳴きが聞こえた。自分からは見えないが、この鳴き声はおそらく……、)
……メジロ?
菱川・彌三八 2020年11月6日
(口を手で覆い、それでもその裏でたぴおかを噛み乍ら、鳥が留まる枝を見ていた。やや引き気味に)
……え、何……お前ェ其の枝、
(目白が、当然と云う顔で枝に留まっている。呑気な鳴き声が聴こえる度笑いそうになる。全く何も隠しきれていないので、肩が揺れた)
……いやなに、此奴ァ随分と縁起が善いじゃねェか。なァ。すりゃあまごうこと無き上々吉だゼ。
雨野・雲珠 2020年11月7日
(季節外れのおやつにありつけたメジロは、ご機嫌にさえずりながら花に嘴を差し込み、せっせと蜜を舐めているようだった。角から先に感覚はないので、よくわからないけれど)
咲いてる時しか寄ってきてくれないんですよねー……完全におやつ扱いです。(とはいえ、動物全般好きな身だ。寄ってきてくれるのは嬉しい。今日はそれで笑ってもらえたのだからもっといい。なるべく首を動かさないようにして、自分も盆栽の残りをちゅーと吸う。かなりおなかが膨れてきた)
―――ぐるっと歩いて帰りますか?飲み終わって……ついでに、この子が満足したら。
菱川・彌三八 2020年11月7日
んゝっ(両者似た様な動きをするものだから、明確に声が出た。え、桜の精は鳥が留まるのが普通だとでも云うのだろうか。口振りからして初めてではない様だ。それなら大人の桜は?疑問は尽きないが、自分が珍しく只管にこの状況を可笑しく思っている事に気付いて、軽く咳払いをした)
そうさなァ。折角だからちいとこの庭を歩いてみるかい。……其の、そいつ(声が笑う。然し)……随分と居心地好さそうだぜ。
雨野・雲珠 2020年11月10日
はい、折角ですもの!(あなたの声が笑っているので、つられて笑う。考えてみれば、千鳥の群れを呼び出す技を持っているくらいだ。鳥も好きなのかもしれない)
回ってるうち、他の鳥もくるかもしれません。俺は八重ですから、一重の方々より蜜は少ないらしいのですけど……(言うそばから逆側の枝にスズメが来た。ぷち、と花を根本からむしって、蜜を吸い始めるのを目玉だけで追って)(見えない)
……縁日でもないのに綿あめ、くらいの嬉しさはあるのかも。
菱川・彌三八 2020年11月11日
!(増えた)……お前ェ、夫れ……重くはねェのかい。
(見様によっては左右の均衡が保たれている。ふと、雀と目が合った。が、直ぐに逸らされた。綿菓子の様な花にすっかり気を持って行かれている。
すげなくされたので、手元のたぴおかを軽く振った。すっかり水の方は無くなってしまったが、残りをなんとか吸い上げ多めのたぴおかを噛む。癖になるが、また此処に来るなァ手間だなァ……)
さて、なんだかそいつら待ってたら日が暮れっちまいそうだ。一先ずお前ェが飲み終えたら先ぃ、行っちまおうゼ。
雨野・雲珠 2020年11月11日
(ごく素朴な疑問に、くすぐったいような気持ちで笑って)
あるかなきかです!小鳥はうんと軽いので。(指先に止まった時の、軽さに驚く顔を見てみたいと思う。今度は松の実でも持ってこようと内心で決めて、ズコーと思いっきり残りを吸った)
んん……おいしかった。満腹です!(ごちそうさまでしたと手をあわせ、空になったカップをしげしげ眺める。なにせ鹿が印刷されているのだ。持って帰ろうかな……という顔で、結局袋に入れ、さらに自分の箱にしまった)(持って帰る心算)
おまたせしました、参りましょうか!歩かないと俺、おなかいっぱいで苦しいです。
雨野・雲珠 2020年11月12日
(桜がぴょんと立ち上がると同時に、左右の枝に止まっていたメジロとスズメが慌てて飛び立つ)
(―――が。二、三度その場で羽ばたくだけで、すぐにまた枝へと戻った。どうやら多少揺れようが、しばしこの移動甘味処を楽しむつもりのようだった。無理からぬことかもしれない。なにせスズメがちぎった傍から、すぐさま新しく花が咲くのだから)
菱川・彌三八 2020年11月12日
ほんに気に入られたなァ。
(すっかりと其処が居場所とでも云う様に左右の枝に居座るのを、座った侭眺めた。歩いても其の侭だとしたら……否、風に揺れる枝にすら捕まる奴等の事だ、造作もないのであろう。続いて此方も立ち上がる。僅かに雀は羽搏いたが、夫れでも尚、枝から離れようとはしない。此の侭歩いて、枝いっぱいに鳥が集まったらと考える。見物だが、果たして周りには如何見えているだろう。打ち消す様に僅かに頭を振り、道の先を見た)
……直ぐにうんと歩いても良くねェや。ゆるりと行こうゼ。
(凡てを周れぬであろう程に、この庭は広そうだ。然し陽が傾く迄、遊び切れば好い。如何やら“オノボリサン”とは、其の様なものらしいので)