備前・編笠丸鬼矗 2022年4月19日
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二朝とは二人の幼き禿(かむろ)を原料とした妖刀也
今は昔 備前国に生者の血を凍らせるる鬼 現れたり
鬼 兵者(つわもの)共にて首ねじ切り討たれけり
なれど九日余りして 奇病流行りけり
奇病 猛威奮いて武士 百姓 商人に至るまで身分問わず 血を凍らせ殺しけり
朝顔 朝陽と呼ばるる齢五つの禿 この奇病にかかりて床に伏し 二度と日の目を拝むること叶わず
禿 泣く事叶わず
身の温もり失いて 最期に陽の日の暖かさ 望みけり
其処へ現れたるは同じ歳の童
名をば「地国」と呼ばるる 悪しき刀鍛冶也
地国 禿の願い聞き賜い 永遠の陽の温もりと引き換えに 妖刀へ変わる事持ちかけり
禿 受け入れ 二振りで二対の妖刀になりにけり
なれど二朝 己が使い手を認めず
我こそはと名乗る兵者共を散々に焼き討ちて灰に還しけり
ただ今日まで 悪しき妖刀『二朝』備前国に封印されたし