#アルダワ魔法学園
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「チーッス! 轟郎丸センパイ! チーッスゥ!!」
頭にフランスパンのっけたかのようなリーゼントヤンキーたちが両手をズボンのポケットに入れたまま直角に頭を下げた。
一人や二人ではない。まるでパレードでも始めるのかと思えるほどのリーゼントヤンキーが、一斉に頭を下げ一本道を開けたのだ。
そうしてできた道を堂々と歩くのが、鬼のような顔をした鎧武者風殺刃人形。『剛剣の轟郎丸』である。
がしゃんがしゃんと音を立て、蒸気を噴いて足を止める。
「『ヤンキー』たちよ」
「「ウッス!」」
「城に賊が入ったようでござる、な」
「暴走族(ゾク)っすか! 二輪車(バイク)入れねーように罠(トラ)しかけてんでマジありえねーっす!」
「ゾクじゃねーよ賊だよ! 脳みそ沸いてんのかテメー!」
「あ゛? やんのかテメー?」
「オレまじ災魔(オブリビオン)だからよー……怒(キレ)ると何すっかわかんねーからよー……」
「血ぃみせんぞ血ぃー……」
目を血走らせてメンチきりあうヤンキーたち。とその瞬間。
ヤンキーの一人がべぎゃあと言って吹き飛んだ。
たった一人の拳によって、である。
「ああ゛!? 誰だテメー! 俺の仲間(マナカ)に拳(パチキ)かましやがってよぉ!?」
角材を手に振り返るヤンキーたち。
対して、拳を突き出したままの男は……眼鏡の位置を中指で尚した。
白学ランにオールバック。鷹のように鋭い目をした彼の腕には『風紀委員』の腕章が光った。
「テメェ! 風紀委員(フーキー)かァ!?」
「侮辱(ナメ)てんじゃねーぞオラァ!」
取り囲むヤンキーたち。
白学ランの男はそれをゆっくりと見回すと、腕章をピッと指で叩いた。
「廃校舎区画に災魔がたまっていると報告があったが、貴様らだったとはな」
「ふうむ……」
武者鎧の蒸気人形・轟郎丸はどっしりと廃材の上に腰掛け、顎肘をついた。
「おもしろい。『ヤンキー』相手にどれだけやれるか……見せてみよ」
所変わってグリモアベース。
ナンシー・アラタメはダンジョンのようになった風景を背にここまでの状況を説明していた。
「アルダワ魔法学園は魔法と蒸気が発達したスチームでパンクな世界だ。
災魔……つまりオブリビオンを地下ダンジョン深くに封印してそれを学園生徒たちで迎撃し続けるという文化が確立しているんだが、魔王復活にあたる災魔の凶暴化で最近は手に負えないらしいな」
割と今更な、しかし基礎的な話を一旦してから、『それはそれとして』というジェスチャーをした。
「浸食したダンジョンの中には学園施設がごっそり沈んでしまった場所もある。それが『廃校舎区画』だ。
元から危険が多くあまり生徒も立ち入らないが、ここに単身乗り込んでいった生徒がいたらしい」
ピ、と写真を立ててみせる。
銀縁眼鏡に白い学ラン。腕につけた風紀委員の腕章。
「『風紀・一条(フウキ・イチジョー)』……学園の風紀委員を名乗る男だ。
彼は廃校区画で復活した蒸気人形『轟郎丸』の統治によって活性化した人型災魔『ヤンキー』たちを束ね、近々地上侵攻をはかろうとしているらしい。
一条はそれを止めるために単身乗り込んだってわけだな。
しかし多勢に無勢。仮にヤンキーを倒せても轟郎丸は強敵だ。一条一人では歯が立たないだろう。
けど、こういうアツい奴をみすみす死なせるのは……やっぱ寝覚めが悪いよな?」
廃校区画へ行くにはヤンキーたちが迎撃のために仕掛けたという『ヤンキートラップゾーン』を突破しなければならない。
一条がヤンキーたちのなかに乗り込めたように、知恵や力、スピードなどを駆使すれば突破できない場所ではない。
「フィールドとしては、だだっぴろいアスファルト舗装されたトンネルのようなもんだと思ってくれ。オレンジ色のライトと筒状の壁と天井。そのあちこちには魔力や蒸気テクノロジーによって作られた様々な罠が仕掛けられている。
罠を察知したり解除したりする能力や、万一罠が発動しても耐え抜けるタフネス。ないしは回避できるような素早さ……そういったものを行使してくれ」
だが急いで突破しなければならない。風紀一条はヤンキーたちに取り囲まれかなり消耗しているはずだ。
「一条のところまでたどり着けばこっちのもんだ。こいつと力を合わせて、ヤンキーと轟郎丸を倒すんだ」
パン、と手を叩くナンシー。
「さて、早速ダンジョンまでテレポートで飛ばすぜ。熱い男と世界の平和、一緒に守ってやろうじゃねえか!」
空白革命
このシナリオは
特技や個性を駆使してトンネル状のトラップゾーンを突破する第一章。
ヤンキーの群れを千切っては投げ、絶賛戦闘中の風紀委員を助ける第二章。
そして彼らを統率している強力なボス轟郎丸を力を合わせて倒す第三章
の構成でお送りします。
まずは個性を駆使してトラップゾーンを突破しましょう。
『完全にスルーする手段』はそうそうなさそうなので、解除するか防御/回避するかで個性を出していくとよいでしょう。
第1章 冒険
『あれトラップダンジョン』
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POW : 壁はぶち破るもの、床は掘り抜くもの。筋肉は全てを解決する。
SPD : 罠回避!罠外し!当らなければどうということはない!
WIZ : 仕掛けを見破れ、魔力を感じろ。頭脳の力で乗り越えろ。
👑11
🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔴🔴🔴🔴
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種別『冒険』のルール
「POW・SPD・WIZ」の能力値別に書かれた「この章でできる行動の例」を参考にしつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。
| 大成功 | 🔵🔵🔵 |
| 成功 | 🔵🔵🔴 |
| 苦戦 | 🔵🔴🔴 |
| 失敗 | 🔴🔴🔴 |
| 大失敗 | [評価なし] |
👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。
火霧・塔子
せっかく反抗的なヤンキーをやっているのにダンジョンの奥に引き込もっているなんていただけません!
その反抗心の向ける先、私が教えに行きましょう!
罠が起動したらUCでドッカンバッカン【なぎ払い】っちゃいますよ!
トラップとは足を止めさせるための"障壁"概念。私のUCの特効効果に当てはまるハズです!
壊せる対象のあるタイプのトラップなら矢でも鉄砲でもですが、怖いのは落とし穴とか何かが"なくなる"タイプのトラップですね!
床や壁に罠の兆候を見つけたら念のため火炎瓶を投げて反応をみましょう!
こんな感じのトンネルには排煙設備がちゃんとあると聞いたことがあります
多少燃えてもへっちゃらですって!
(絡み・アドリブ歓迎)
オレンジ色のランプが点滅するトンネルに、がらがらと木材を引きずる音がした。
「せっかく反抗的なヤンキーをやっているのに、災魔(オブリビオン)で終わるなんて……」
火霧・塔子。
ご神木をへし折ったという角材を振りかざし、トンネルを一直線に走り始めた。
「本当の反抗というものを、教えてあげましょう!」
ワイヤーが切れ、振り下ろされるハンマー。
顔面にぶつかる直前に角材を叩き付け、ハンマーを薙ぎ払う。
「罠を障壁としてわたしたちの進行を阻むつもりでしょうが……この角材は壁を打ち破りますよ! ――真名解放、『不留の棍棒(ゲバルト・ロッド)』!」
壁は破るためにある。
反抗とはそういうものである。
国を隔てる壁も、体制を仕切る壁も、時代と歴史のなかでたびたび打ち破られ続けてきた。
塔子が今握りしめているのは、そういう『概念』である。
吹き付ける炎。高圧放水。その全てを角材で無理矢理に打ち払い、塔子はずんずんと突き進む。
「反抗とは抑えられぬ本能(イド)!」
どこからともなく火炎瓶を取り出すと、塔子はそれを思い切り放り投げた。
成功
🔵🔵🔴
白鳥・深菜
ピャアアアアアアアアアアア!!
(コード使って爆走中)
いいか!こういうのは迷ったらダメだ!
迷いは余計な被害を生む!
とにかく目標はこの区間の最速突破だ!
多少の被害は必要経費だ!
そのためのパワーとスピードをこのコードは与えてくれる!
地上戦なら大体つよい!
一見あたまわるいようで意外にスマート!
それが私のやり方よぉー!
(但しこのコード、空中に放り出されると途端に何も出来なくなる)
「風が枯れれば、地を駆るべし。獲物を狩れれば、最恐たるべし――」
スーツを、ブーツを、グローブをそれぞれ超重量級のそれに変えていく。
白鳥・深菜は美しきクラウチングスタート姿勢を、トンネルの入り口でとった。
「『地走る恐鳥の蹴撃(ディアトリマ・ランページ)』!」
どん、と大地が鳴ったと思ってほしい。
深菜の走りは風を打ち抜き、大気を巻き込んで爆発的に加速していく。
走ることは壊すことであり、壊すことは進むことである。
「いいか! こういうのは迷ったらダメだ! 迷いは余計な被害を生む! つまり――走れ! ピャアアアアアアアアアアア!!」
頭をからっぽにした深菜は両手を振り上げ叫びながらトラップ地帯を爆走した。
次々とおこる地雷の爆発をあとにひき、降りこむ巨大な刃を打ち砕き、ただただ加速と破壊を繰り返しながらトンネルを突き進んでいく。
「一見あたまわるいようで意外にスマート! それが私のやり方よぉー! ピャ――あ?」
ある瞬間、突然足がなにも掴まなくなった。
なんとなくわかる。
罠っていったらコレでしょ的な、巨大な落とし穴が空いたのがわかった。
しゅぱぱぱぱと両足を走らせてみる、が。
「ピャアァァァァァァァァァァァ!!」
深菜はみるみる落下した。
「ァァァァァァァアアアアアア゛!!」
とおもったら壁を爆走して戻ってきた。
「無敵!」
ものを考えない子は、こういうとき強い。
成功
🔵🔵🔴
ミルラ・フラン
【WIZ】
(床スレスレに長いスカートのアルダワ学生服で登場)
やんのかゴルァー!!
トラップは血統覚醒でヴァンパイアの翼を生やして、飛んで回避。
愛用の大鎌の先を使ったり、ナイフを投げたりして怪しいところは調べて潰す。
何か投げようと待機しているヤンキーを発見したら、捕まえて頭を壁にダイナミックアタックさせる!
おう、テメーな、この転校生様の顔覚えとけよ。ミルラ・フラン、24歳双子座のAB型だ!忘れんなよ!!
熱いイイ男が困ってるらしいから、早く追い付かないとね!
「ゴルァ!」
!?
というシグナルが斜め上に大きく出た。
丈のめっちゃ長いスカートをはき、口には大きなバラプリントの入ったマスクを装着したミルラ・フランが、木刀を肩に担いで両目を非対称に見開いていた。
息がしづらいからだろうか、マスクをぺっと取り外すと、トンネルめがけて走り始めた。
「トラップ? 知らねえなぁ!」
翼をはやし、トンネル中央を堂々とつっきるように飛行するミルラ。
四方八方から巻き起こる爆発や飛び出す槍や鉄球を、爆発的に増加したヴァンパイアの力で打ち払っていく。具体的には木刀で粉砕していく。
「ヤベェ! あの女トラップをものともしねぇ!」
罠を発動させようとスイッチを押すヤンキーに直接近づいて。頭を鷲づかみにするミルラ。
「おう、テメーな、この転校生様の顔覚えとけよ。ミルラ・フラン、24歳双子座のAB型だ! 忘れんなよ!!」
「ヒイッ!」
おびえるヤンキーに膝蹴りを入れて放り捨てると、更に飛行してトンネルを突き抜けていった。
あまりの迫力に逃げ出そうとするヤンキー兄弟。
その二人の後頭部を掴んで振り上げると、低空飛行によって二人の顔面を地面に思い切り叩き付けた。
「熱いイイ男が困ってるらしいじゃないか。こんなところでグズグズしてらんないんだよ!」
成功
🔵🔵🔴
ギルバート・グレイウルフ
若いときは思う存分やんちゃをするべきだとは思うが、まぁ人様に迷惑をかけちゃーいけねぇな。
おじさんが教育的指導ってやつをしてやるとしますか。
まずはお仕置き会場まで到着しねぇとな。
さてさて、どんな罠がしかけてあんのかね?
っとと、さっそく【忍び寄る死の気配】が反応しやがったか。
ったく、最近腰がいてぇんだからあんま無理な体勢取らすんじゃねーよ!
飛んでくる得物は刀や銃で弾いて、残りは無視無視。
省エネで目的地に飛び込むとしますか!
両手をポケットに入れ、革靴の音を鳴らしてトンネルを歩くギルバート・グレイウルフ。
「若いときは思う存分やんちゃをするべきだとは思うが、まぁ人様に迷惑をかけちゃあ……いけねぇな」
苦笑いを浮かべ、やや大きく上半身を反らした。
右脇から飛び出した銃弾が彼の顎先数センチを通り抜け、反対側の壁にめり込んでいく。
ジャケットの内ポケットに手を突っ込み、煙草を一本取り出してから胸ポケットを、そしてズボンのポケットをそれぞれ叩いた。
「ここはひとつ、おじさんが教育的指導ってやつをしてやるとしますか……」
煙草つまんだまま立ち止まり、身を屈める頭上を吹き抜けていく火炎放射。
掲げた煙草の先端に火をつけると、それを加えてゆっくりと息を吸い込んだ。
口の端に煙草をくわえたまま煙を吐き、炎が充分吹ききったところで立ち上がる。
「で? お仕置き会場はこの先か? 物騒なトラップしかけてんなあ」
最近腰が痛えってのに、とグーにして手を腰の後ろに回してトントンと叩きながら、ギルバートは三歩進み――後ろ腰のベルトに挟み込んでいた拳銃を素早く抜いた。
銃撃を二発。
ワイヤートラップが発動し、天井に仕込まれたナイフが連続して落下した。
「あんまおじさんを運動させんなよ。もういい年してんだぜ」
銃のグリップで肩を叩きながら、ギルバートは苦笑のまま再び歩き始めた。
成功
🔵🔵🔴
鏡島・嵐
判定:【SPD】
なんつーか、地下なのに変……(コホン)もとい、何でもアリなのな。
とりあえず、トラップを掻い潜らねえといけねーんだけど。
なまじトラップが多すぎるから、もう〈第六感〉がバリバリ働き過ぎて麻痺しそうなんだよな……。
って言ってるそばからッ……やべぇッ!
(すんでのところで回避成功)
危ねぇ……《忘れられし十三番目の贈り物》が無かったら即死……は無ぇけど、酷ぇ目には遭ってたよな……。
……ッ、今度はわかる、ここらへんに酷ぇ罠があるな?
相殺用の弾を準備して……今だッ!
(飛び出てきた何かをスリングショットの弾ではじく)
うー……到着までに神経擦り切れねぇといいんだけど……。
「アルダワってのは変なダンジョンもあるんだな……いや、今更か」
オレンジ色に点滅するライトと見上げ、鏡島・嵐はトンネルの入り口に立っていた。
地下階層へ続くトンネルはぐねぐねとまがり、そのあちこちにはヤンキーの仕掛けたわりかし凶悪なトラップがぎっしりだという。
「見るからにやべぇな……命が大事ならまず入らない方が賢明なんだろうが……」
行くしかねえよな。
嵐はポンチョの裾を小さく引いて、走る準備を整えた。
「まずは勢いよく――」
走り出してすぐ。
隠れたヤンキーが任意発動させた振り子トラップが嵐を襲った。
人間を簡単に切り裂いてしまうような巨大な刃が壁から壁へと通り過ぎていく。
嵐はといえば。
「うおっ、やべえ!?」
咄嗟に振り子の存在に気づき、急速に引き上げられた思考能力と身体能力を使って飛び込み前転をかけた。
回避してすぐ、かちりと何かを踏んだ。感圧式地雷であることは明らかだ。
そうこうしている間に斜め前からボウガンが自分を狙っているのが見える。
嵐は近くの大きな石を手に取り、自分の足と素早く入れ替えて地雷を誤魔化すとボウガンをよけて走り出す。
石のずれた地雷が爆発を起こすが、嵐は構わず走り抜ける。
「うー……到着までに神経擦り切れねぇといいんだけど……!」
大成功
🔵🔵🔵
ウィーリィ・チゥシャン
アルダワ魔法学園って学び舎だよな。学園って名前についてるし。
だから、トラップゾーンを知性の力で乗り越えて見せる。
まずは想像力。
もし自分がヤンキーだったらどこに罠を仕掛けるか?
脳内で、視界に映る全ての中から思いつく限りの候補を列挙していく。
次に五感。
視覚、聴覚、嗅覚、味覚、触覚、その他諸々の感覚全てを総動員し、微かな違和感も見逃さず、己の中の警鐘も聞き逃さず、仕掛けられた罠を察知する。
で、罠がありそうな場所を片っ端から『飢龍炎牙』で破壊しながら突き進む。
俺のユーベルコード『飢龍炎牙』に知性の力が加わる事で凶悪な破壊技となる!
「インテリジェンス・グリード・ブレイズ」!!
あふれろ知性!(アオリ)
長いトンネルを走るウィーリィ・チゥシャン。
斜め前方から発射される矢を、飛び退いて転がることで回避した。
「アルダワ魔法学園……多くの生徒が知恵や技術を学んで成長し、災魔に対抗すべく戦っている場所だ。なら俺も、知恵と技術で乗り越えてやる!」
ウィーリィがまず最初に行なったのはシミュレーションだった。
もし自分がヤンキーだったらどこに罠をしかけるか。
実際リーゼントヘアーを再現し角材を持ってオラつくことでそのシミュレーション効率は上がった。ウィーリィは何も無いどこかへメンチをきりながらなぜか堂々と罠を仕掛けたり、卑劣にも物陰に隠れて発動スイッチを握ったりと、ヤンキーたちの行動を予測していったのだ。
「ヤンキーは目に付かない場所に罠を隠す。それでいて見て欲しい場所に効果を出す……それが、ヤンキーというものだからな!」
夜に活動するがコンビニ前にたむろする。授業には出ないが学ランは着る。そんな隠れながらも目立ちたいという葛藤が、罠に現われていたのだ。ほんとかな。
「だからわかるぜ――そこだ!」
ウィーリィは鉄鍋をおたまで叩くと、炎の竜を生み出した。
空を渦巻き、前方のエリアへ向かって食らいつくように走る炎。
「知性的飢龍炎牙(インテリジェンス・グリード・ブレイズ)!!」
隠れたヤンキーを、罠を、炎がなめるように破壊していく。
――あふれろ知性!(次回の『鉄鍋のウィーリィ』は明日公開となります)
大成功
🔵🔵🔵
弦月・宵
よーし、UC:羅刹旋風でまとめてぶっとばす!
どんな罠だろうと、最悪障害物であっても、
大穴を開ければ一斉に通ることだってできそうだよ?
反骨せーしん?っていうの?
ほら。力を誇示する為に窓を割ったり、パイプを曲げたりするあれ。
あんな感じだと思えば、道もできて宣戦布告もできて、一石二鳥だよ!
学校って通ったこと無いけど、なんだか楽しいね。
オレ、男子校がよかったなー。
わちゃわちゃしてて、力こそ全てって感じ!
カッコいい!
ぶっとばすのが危なくて、時間かけてでも解除するのがいいなら、
オレには無理!(きっぱり!)
なので誰かに任せて、その間は援護射撃やおびき寄せ、オーラ防御でその時間を稼ぐよ。
オレが一番槍だー!
小柄な少女が、騒がしいトンネルの中を歩いて行く。
「――おっと」
足を止め、身体を捻るように構えた。
背に固定した刀の柄に手をかけて、弾くように抜刀。
刃の走りは一時的に音速を超え、飛来する革製爆弾を切断。
真っ二つにわれた爆弾が少女の――弦月・宵の後ろで小さく爆発した。
「反骨せーしん……たしか夜の校舎の窓ガラスを割って回ったり盗んだバイクで走り出す精神だったかな。要するに」
抜いた刀を器用に指先でぐるぐると回すと、まるで風車のように頭上で旋回させた。
「どんなものも壊せば通れる。ってことだよね」
不敵に笑うと、刀をあえて逆手に握り止めた。柄かしらに結びつけた弾がからんと音を鳴らし、それまで風を斬っていた刀身が静まる。
両手で刀を握り、身を低く屈め。
「まとめてぶっとばす!」
宵は打ち出された弾丸のように走り出した。
次々におこる爆発が、飛来する矢が、閉じる虎バサミが、宵の刀によってめちゃくちゃに破壊されていく。
蜘蛛がいくら一生懸命に巣をはったところで鷹を止めることは出来ない。ゆうゆうと破壊し、突き破り、抜けていくものである。
やがてトンネルの先から喧嘩の声と騒がしい音が聞こえてきた。
「これが学校ってとこなのかな。わちゃわちゃしてて、力こそ全てって感じ……カッコいいよね!」
目を輝かせ、宵はトンネルの向こう側へと飛び出した。
大成功
🔵🔵🔵
テルプ・ステップアップ
アドリブ・他の方とのからみ歓迎
おーすごいすごい♪
ヤンキーだヤンキーだー!
ゴーホームだーあはははー♪
一条さーん救出しにきたよー!
おっとその前にヤンキートラップゾーンを
越えなきゃか。
トラップゾーンは僕の電脳ツール
オービットグルーヴィーの高速軌道計算と
僕の身のこないでオール回避だよ。
罠は発動させたって避けちゃえば無いのと同じだね。
トラップ発動時にユーベルコードが教えてくれる情報で
すばやく回避するよ。
雨霧・結
ここでは雄鷹さん(f00985)の事、雄鷹っちと呼ぼ!
アルタワ学園だし、女子セーラー服着てスケバンしちゃうぞう!
無駄毛処理完璧の無駄にレベルの高い女装だぜこらぁ
あ、ごめんスカートの中は短パン履いてますんで、流石にそこまで再現しませんので
ふうむ、魔力や蒸気テクノロジーを駆使した罠…
ヤンキーが考えたなら、黒板消し、でっかいタライが落ちてくるのかとおもったんだけど…災魔ヤンキー理的なの???まいっか
【地形の利用】して罠の位置を予測『雪玉戦隊』使い、雪だるまを壁にして防御したり、足場にしたり、罠に詰め込み凍らせ使えなくしたりしちゃいましょ
ダメよ!雄鷹っち…DTのままで死んだらダメよ!生きてっ!!!
柊・雄鷹
ここでは結ちゃん(f06365)のことを姉御って呼ぶことにするわ
姉御ー!!!!!
背中に『娑威破手(さいはて)』と書かれた学ラン着用
ズボンは腰パン、お目々にはゴーグル、口にはマスク
ぅゎ。マスクめっちゃくもる。。。
よっしゃ、圧倒的トラップ地獄、楽しんで行くでっ!!
「姉御っ、危なーい!」って言いながらトラップに押し出したりはしません
えぇはい勿論、しませんとも
罠に掛かったら「DTで死ぬねるかアホォ!!!」と叫びながら華麗なる脱出
えぇはい勿論、脱出しますとも
危なそうな場所は、『鷹狩』で複製した武器を【投擲】し安全確認
可能なら【破壊工作】で罠解除
これでも手先は器用なんやで
スクラップビルダーなめんな!
「そろそろトンネルの出口だね! 皆ついてきてる!?」
ライトグリーンのスマートグラスを装着したテルプ・ステップアップが、両手を宙にさまよわせるようにして走っている。
というのも、バーチャルキーパットを操作し視界内に入ったトラップの軌道予測を次々と計算するためである。
「雄鷹っち、ついてきてるかって」
「えっなに雄鷹っち!?」
ゴーグルを装着して飛来する矢を握って止めた柊・雄鷹が雨霧・結を二度見した。
「ほら、折角スケバンっぽい格好してるんだし、呼び方も変えたいじゃない?」
「あー……」
結があえて用意したらしいスケバン衣装の裾をばさばさとやってみせた。
同じく雄鷹も、いやに長い学ランやだぼっとしたズボンを自分でばさばさやってみる。
「じゃあワイは姉御って呼ぶことにするわ!」
背中に『娑威破手(さいはて)』の字を背負い、種類豊富なダガーを学ランの裏に仕込んでいる。
「それにしても蒸気テクノロジーを使ったり魔力を利用したり……ヤンキーって案外知的な罠仕掛けるのね」
「ほら工業高校でるヤンキーってそういうとこあるやん」
「ちょっと納得」
「みんな気をつけて、この先に罠があるかもだよ!」
バッとてを広げて二人に警告を出すテルプ。
結はブレーキをかけて立ち止まり。
雄鷹は両手を突き出して立ち止まった。
「姉御っ、危なーい!」
「はうっ!?」
背中をずいっと押された結――の首めがけて飛び出す剣。
結はバール(のようなもの)で剣を受け止め、かるくのけぞる姿勢で固まった。
「雄鷹っち」
「すまんな偶然やで」
「仲いいなーこのひとたち……」
テルプはぽへーっとその様子を眺めていたが、ある物音に気づいて振り返った。
後方の天井が割れ、巨大なロードローラーめいたマシンが出現した。
こういうのが出現してやることはひとつ。追いかけて潰すことである。
「みんな走って!」
「言われんでも! ……姉御あれやってあれ!」
「あれ?」
「雪だるまのやつ!」
「あーあれね」
任せてっ! と結は笑顔を作ると、小さな祈りを込めてロードローラーのパーツをひとつひとつ雪だるまに変換していった。
「前からも来るよ前!」
前方の壁が開き、大量のボウガンが出現。結たちに狙いをつけた。
「忙しいダンジョンやなあ……けど、スクラップビルダーなめんな!」
雄鷹は学ランの内側に仕込んでいた複数のダガーを一度に抜くと、数十本に複製して投擲した。
ボウガンの発射機構に挟まったり直接破壊したりとトラップを発動前に破壊していく。
「もうすぐ出口だよ、ラストスパート!」
テルプはスマートグラスの縁部分を指で叩くと、走る速度をあげてジャンプした。
開ける景色。差し込む真っ白な光。
結と雄鷹も同じように助走をつけてジャンプすると――。
眼下に広がる瓦礫の山。
無数のヤンキーと戦う白ランの風紀委員。
雄鷹と結はちらりと顔を見合わせると、迷うこと無くヤンキーたちのただ中へと落下していった。
乱入はダイナミックにしないとね、との、ことである。
大成功
🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵
第2章 集団戦
『ツッパリヤンキー』
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POW : 角材アタック
【手にした角材】で対象を攻撃する。攻撃力、命中率、攻撃回数のどれを重視するか選べる。
SPD : ヤンキー増援部隊
自身が戦闘で瀕死になると【Lv×3体の、増援のツッパリヤンキー】が召喚される。それは高い戦闘力を持ち、自身と同じ攻撃手段で戦う。
WIZ : メンチビーム
【ガニ股でしゃがみ込んで】から【威圧感を込めた視線】を放ち、【気の弱い相手であれば、怯えさせる事】により対象の動きを一時的に封じる。
イラスト:きすけ
👑11
🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔴🔴🔴🔴
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種別『集団戦』のルール
記載された敵が「沢山」出現します(厳密に何体いるかは、書く場合も書かない場合もあります)。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
| 大成功 | 🔵🔵🔵 |
| 成功 | 🔵🔵🔴 |
| 苦戦 | 🔵🔴🔴 |
| 失敗 | 🔴🔴🔴 |
| 大失敗 | [評価なし] |
👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。
だん! と勢いよく着地するイェーガーたち。
突然の乱入者に角材を装備したヤンキーたちは飛び退いた。
「なんだテメー!」
「やんのかテメーェ!」
威嚇を向けるヤンキーたち。
少なくともあのトラップをくぐり抜けた者たちである。侮ってかかれないことはヤンキーたちのヤンキー脳にも明らかだったのだろう。彼らは改めてイェーガーを個別に取り囲むと、四方八方から次々に、ないしは一斉に角材で殴りかかるのであった。
一方で。
「君は……転校生か!?」
ヤンキーを殴り飛ばしながら、『風紀委員』風紀一条が振り返った。
「ここは危険だ。風紀委員に任せておけ!」
対して、あなたは……。
==============================
皆さんはヤンキーの群れへと飛び込んでいきました。
とにかく大量にいるヤンキーはイェーガーを取り囲み四方八方から襲いかかるつもりのようです。
それをかわす、ないしは迎撃するプレイングを書くとよりスタイリッシュにお楽しみ頂けるでしょう。
また風紀一条に絡みたい場合もご自由にどうぞ。あえて絡まずにフリーでヤンキーと戦うのも勿論アリです。
==============================
白鳥・深菜
「風紀委員さん?悪いけど、私悪い子なの。貴方のいう事は聞けないわ」
どこからかやってきた音嗚宇宙倍苦【遊撃狩猟・改弐】に跨り
【地走る恐鳥の蹴撃】を起動。
効果を受けた「足(=バイク)」を悍ましい重装バイクと化し、
その破壊力と移動速度を強化。
急加速でヤンキーの攻撃を躱しながら、体当たりによる攻撃を
【運転】【操縦】【騎乗】で荒々しくもコントロール。
吹っ飛ばしたヤンキーを別のヤンキーにぶつけるようにし、
撃墜数を稼ぐように動く。
「災魔(オブリビオン)を何も考えずに、問答無用で狩りに来た。そんな悪い子よ?」
(オブリビオンの前なので、とても真面目になる)
弦月・宵
うひゃー…、ヤンキーのおにーさんがいっぱい。
ダメだよ、風紀委員のおにーさん!相手の数が多すぎて退路がない!
あ、オレはヤンキー語未修学だから、伝わる?かな。
その場で学習してコミュ力アップで会話に混ざりたいな。
やってやるさ!小さいからってなめてかかると痛い目見るぞ!
UC:不可視の者の言詞を聴いて五感を共有したら、
攻撃を読んでかわせるだけかわして、誘き寄せるよ。
風紀委員のおにーさんが危ない時は援護射撃で角材や石を投げる。
死角に回り込んでヤンキーに体当たり。乱闘中なら同士討ちも狙えたらいい。
な、なんだよ。凄んだって怖くないぞ!
実は人見知りなんてしてないし、強がりじゃないさ。
これでも謎の転校生だからな!
「ここは危険だ。風紀委員に任せておけ!」
「そうはいってもおにーさん、数が多くて退路がないよ!」
風紀一条と弦月・宵は格闘の構えで背中を合わせると、四方八方を取り囲むヤンキーたちを見回した。
「やんのかチビぃ!」
「ブッころすぞオラァ!」
角材を振り上げ、一斉に飛びかかるヤンキーたち。
その一瞬が、宵の中できわめてスローに引き延ばされた。
「やってやるさ! 小さいからってなめてかかると痛い目見るぞ! スッゾラー!」
若干違う宇宙のヤンキー語を叫びながら、宵は精霊を召喚。
この地に眠るヤンキー列伝の精霊たちがにらみをきかせ、まるで全方位に目があるかのように宵は感覚を増幅した。
跳躍。抜刀。
ヤンキーたちの角材を端から順になぞるように剣を振り込むと、数人の打撃を一斉に打ち払った。
その背後を狙うヤンキー――を、白鳥・深菜の跨がった宇宙バイクがまとめて撥ね飛ばしていった。
車体に刻まれたダーク・ミンチョ体による『何処へでも飛ぶ』の文字がきらりと光を照りかえす。
着地と共に素早くターンし、深菜は一条にウィンクした。
「風紀委員さん? 悪いけど、私悪い子なの。貴方のいう事は聞けないわ」
操作パネルを開いてバイクをヘビータンクフォームへ変形。車体両側面から飛び出したガトリング機銃が迫るヤンキーたちへと掃射された。
思わず吹き飛ばされるヤンキーたち。
攻撃する間もなくヤンキーを薙ぎ払ってしまった深菜たちに、一条は不思議そうに振り返った。
「君たちは一体……?」
「言ったでしょ? 災魔(オブリビオン)を問答無用で狩りに来た――悪い子よ」
「そんなところ! ウラー! オラー! こわくないぞ!」
ヤンキー座りから放たれるメンチビームを太刀を打ち込むことで無理矢理切り裂く宵。
散ったビームが地面や遠い天井へぶつかって焦げ跡を残した。
「強がってんじゃねーぞオラ!」
「ブッ殺すぞオラ!」
「強がりなんかじゃないさ」
刀を返し、次なるメンチビームを放とうと姿勢を変えるヤンキーへと突撃。
咄嗟に翳した角材の上から太刀を打ち込むと、背からするりと抜いた鞘でヤンキーの頭を殴りつける。
ぶべらといって倒れたヤンキーを乗り越え、太刀と鞘を広く構える宵。
「オレは……謎の転校生(イェーガー)だからな!」
成功
🔵🔵🔵🔵🔴🔴
鏡島・嵐
判定:【WIZ】
……なんかこいつら、出る世界間違ってねえか?
こんなコテコテの不良、おれの世界でも見たこと無ぇんだけど……。
とりあえず《二十五番目の錫の兵隊》を呼んで迎撃。
一人相手に大勢で襲いかかるような奴に遠慮は要らねえか。警告も威嚇も無しにいきなり弾やら稲妻ばら撒いて蹴散らす方向で。
……メンチ切られんのはちょっとヤだな。わりとビビりなおれだと怯んじまうかもしれねえから、可能なら先に〈目潰し〉仕掛けて発射自体潰すのを狙う。
それでも動きが封じられちまったら……耐えるしかねえか。
危ねぇのはわかってる。正直今も怖ぇしな。
だからって、何にも悪くねえ奴が袋叩きにされるんを放っても置けねえよ。
顔面を狙って振り込まれる角材をかがんでかわし、続けて連続される角材あたっくを飛び退きながら回避していく鏡島・嵐。
「こんなコテコテの不良、おれの世界でも見たことねえな……学園が中心の世界だとこうなんのか?」
嵐はハーモニカを取り出すと、遠い世界のメロディを吹き鳴らした。
誰かを呼ぶような、想いを燃え上がらせるようなメロディに誘われて、次元の裂け目から『二十五番目の錫の兵隊(フェモテューヴェ)』が現われる。
「頼んだ、兵隊!」
片足を義足にした兵隊は銃剣を構えると、角材片手に飛びかかるヤンキーたちに銃撃。レバー操作でリロードして更に銃撃。
これを連続することで次々にはねのけていく。
「こいつ、飛び道具使いやがるぜ!」
「ナメてんのかオラァ!」
ヤンキーたちは突撃をやめ、一斉にがに股座りになって威圧的なメンチをきりはじめた。
「うおっ、やべ!」
嵐は無数の視線に威圧され本能的に動きを鈍らせる……が、兵隊はその限りではない。
鷹のように鋭い目を細め、ヤンキーたちに電撃を浴びせかけた。
「「ぎゃあああああああ!!」」
「おお……頼りになる!」
成功
🔵🔵🔴
葛折・菖蒲
「お気遣いありがとうございますわ」
と風紀委員にはお礼を言いつつもイエーガーカードの長くうねうねしたガジェットを用いて遅いくるヤンキーをけん制したり取り押さえたりしつつ、ガジェットショータイムで作成したガジェットで勝負をかけますわ
「あう?! 何でこっちに来ますのー?!」
攻撃されそうなら逃げ足を駆使して逃げ回りそこから騙し討ちで反撃
「ごく普通の健全な一般人として、その所業は看過しえませんもの」
「名付けて『ブルスケッタ・メーカー』ですの」
想定しているのは、フランスパンを手当たりしだい輪切りにしてブルスケッタを作ってゆくやべぇガジェット。乗せる具はバジルとトマト
「そ、想定と違っても結果オーライですの」
「くらいやがれオラァ!」
斜めから繰り出される角材――を、長い触手めいた物体が奪い取って明後日の方向に放り投げる。
武器を失ったヤンキーは慌てるが、すぐに触手に首や腕を掴まれて引きずり回された。
「一人や二人くらいならたいしたことありませんわね」
葛折・菖蒲はスカートをつまんで小さく上げると、下からにょろにょろ飛び出す触手めいたなんかをしゅるしゅると収納していく。
「さ、お気遣いありがとうございますわ、風紀委員長さん。けど私この通り……あら?」
聞こえるヤンキーの咆哮に菖蒲ははたと振り返った。
角材を振り上げたヤンキー軍団が『オラァ』とか『ウラァ』とか叫びながら大量に突撃してくるのが見えた。
「あう?! 何でこっちに来ますのー?!」
普通の人なら走って逃げるところだし、実際菖蒲も走って逃げた。
大きすぎるスカートを両手でつまんでダッシュ。
だが普通の人と違うのは、走るたびにスカートの中からなんかころころ落ちていくことである。
「アァン? なんだこりゃあ?」
片眉をあげて落ちたものを拾い上げるヤンキー。
「あっ! それはブルスケッタ・メーカーですの!」
「ぶるすけ?」
「エロいもんか?」
「いえ……フランスパンを輪切りにしてバジルとトマトをのせる道具ですの」
申し訳なさそうに言う菖蒲に、ヤンキーたちはげらげらと笑い始めた。
「なんだよ驚かせやがって」
「はっはっはっはっは!」
「あっはっはっはっは!」
「あっは――は?」
ふとみると、ヤンキーたちの頭についてるフランスパンげなヘアーがたちまちのうちに輪切りにされていた。
「ぎゃああああああ俺のリーゼントがあああああああ!」
「ぎゃああああああああバジルとトマトがああああああ!」
顔面にバジルとトマトをぶしゃーされたことのないやつだけ石をなげなさい。
成功
🔵🔵🔴
柊・雄鷹
姉御=結ちゃん(f06365)と
「任せとておけ」って言われても、こんな楽しそうなイベント見逃せんで!
ヤンキーフルボッコ祭りや!死にたい奴から掛かってどーぞっ!
結ちゃんの邪魔はせんように、 ワイは【空中戦】仕掛けていくでー!
ヤンキーの攻撃も躱せるしなっ!
空中からお気に入りのダガーを【投擲】
投げたダガーも【念動力】で操って更に攻撃、攻撃、攻撃!
結ちゃんを信じてない訳やないけど、状況により【援護射撃】
ほら、怪我させたぁないやん?
姉御のUCが何だがロマンチーック!
お手々のバールのようなものの存在感……
この波に乗らなあかん!
よっしゃ、ワイも愛鳥を呼ばせてもらうで
暴れてこい、ワイも好きに暴れるから
雨霧・結
雄鷹さん=雄鷹っち(f00985)とカチコミだー!
引き続き女子制服着てスケバンしてますもろもろ不詳、謎の転校生、結です
へ?年齢考えろ???可愛い子には年齢関係ないんだぞ頭割るぞこら☆
一条さん、1人で挑むなんてアツいじゃない惚れるわぁ…あっ冗談です
でも、こんな楽しいイベント独り占めはダメよ?雄鷹っちと勝手に混ざらせて頂くから夜露死苦ぅ!
【手をつなぐ技能100】で一条さんの手をとり助けましょう
なんならこのまま一緒に踊ります?
『薄紅六花』の斬撃を飛ばし【属性攻撃】氷で凍らせ動きを止め
『夜天纏』で星空色に化粧したバールのようなモノで殴る+【怪力】駆使した体術でなぎ払ってこ
きゃー雄鷹っちの鳥達カッコイー
「カチコミだー! 雄鷹っちー!」
「よっしゃーいくで姉御ー!」
木刀(京都土産)を振りかざしスケバンスタイルで走る雨霧・結。
それに続いて全力ダッシュをかける柊・雄鷹。
トマトとバジルをふんだんにのっけられたヤンキーたちめがけて助走をつけたドロップキックを叩き込むと、ヤンキーを軽くなぎ倒していった。
「任せておけと言われても、こんな楽しそうなイベント見逃せへん!
祭りや! 死にたいやつからかかってこいやー!」
京都簪風のダガーを両手に四本ずつ取り出すと、それぞれ指の間に挟んで握り込む。
一方で結がリーゼントを輪切りにされて涙目になっているヤンキーたちへ、木刀で片っ端から脳天直撃アタックをしかけていた。
「可愛い子は年齢も性別も超越するんだぞ☆ がたがたぬかすと頭割るぞ☆」
「まだ何も言ってねえのに!」
一通り殴り倒すと、木刀を放り投げてバールを改めて装備した。
「こんな楽しいイベント独り占めはダメよ? 雄鷹っちと勝手に混ざらせて頂くから夜露死苦ぅ!」
裏ピースでアピールすると、ダガーを一旦投げ尽くした雄鷹に合図をした。
「上よろしく!」
「おうよ!」
雄鷹はヤンキーの間を駆け抜け、壁を駆け上がって跳躍。反転。鷹のような鋭い目と爪が備わったダガーを投擲。更に白い羽根のようにしなやかで軽いダガーを投擲。加えて重々しい黒石のような鎖ダガーを回転しながら投擲し、流れるように一輪の花のごとく芯の通った華やかななダガーを投擲。
おまけとばかりに日本刀のような柄と合金刃をもったダガーと冷気を伴ったダガーを投擲し、激しいスピンをかけた後、やっと翼を広げて上空へと離脱した。
角材を振り上げ追いかけていたヤンキーたちの頭にざくざくと刺さっていくダガー。
「結ちゃん、いやさ姉御! 頼むで!」
「まっかせてー!」
結はバールをぐるぐると回すと、自らの生命力でぎらぎらと輝かせた。
まるで星空のように輝いたバールを改めて握り込み。ヤンキーたちに突撃。
同時に雄鷹が投げた燃える太陽のようなゴールドダガーと共に、ヤンキーたちがまとめて吹き飛んでいく。
大成功
🔵🔵🔵🔵🔵🔵
火霧・塔子
なんと! 私以外にも角材使いが!?
せっかくですし、仲良くなりたいですね!
扇動器でヤンキーさん達を【鼓舞】
待ってください、ヤンキーの皆さん!
皆さんの猛る反逆心を向けるべきはそこの多勢に無勢ってる白い人ではないハズです!
ここにはでっかくて強くて悪そうな将軍(しはいしゃ)っぽい人形がいると聞きました!
強大な将を討ち倒す、実に奮え燃える反逆じゃないですか? 共に革命を成しましょう!
……むぅ、聞いてくるない人とは闘うしかありません
扇動器の音圧でヤンキーさん達を吹き飛ばし、UCを【一斉発射】
"延焼"の炎がヤンキーさんからヤンキーさんに燃え移って敵陣がパニックになったら、ゲバ・ロッドで【なぎ払い】ましょう!
ウィーリィ・チゥシャン
アルダワ魔法学園って学び舎だよな。学園って名前についてるし。
郷に入らば郷に従え。
「通りすがりの給食当番だ! 手助けするぜ!」
そんな訳で、他の猟兵と一緒に一条の加勢に向かう。
数の差は圧倒的。
けどな、ヤンキーの世界に「ランチェスターの法則」は通用しない。
ヤンキーどもの攻撃を鉄鍋の『盾受け』で捌きながら『カウンター』を叩き込み、集まってきたところを『飢龍炎牙』で一網打尽。
残った敵は炎で熱した大包丁の『属性攻撃』+『二回攻撃』でヤキを入れる。
吹き飛ぶヤンキーたち。
廃材だらけの地面を転がっていくヤンキーたちを、サムライ風のスチームロボットが鼓舞し始めた。
「おぬしら、たかだか新顔の転校生に倒され、男として端はないのでござるか?」
「「轟郎丸センパイ!」」
ヤンキーたちの目に闘志が宿った。
社会のルールは守らないが上下関係は何より守る。それがヤンキーである。
「まずいな。統率を取り始めたか……」
銀縁眼鏡のブリッジに手を当て、顔をしかめる風紀一条。
そんな彼の左右に、火霧・塔子とウィーリィ・チゥシャンがそれぞれ駆けつけた。
「通りすがりの給食当番だ! 手助けするぜ!」
「同じく通りすがりの革命児です。ゲバ活動ならお任せを」
「任せていい気がしないが……フン、いいだろう。緊急時だ」
走り出す一条とウィーリィ。
「数の差は圧倒的。けどな、ヤンキーの世界に『ランチェスターの法則』は通用しない!」
ランチェスターの法則とは、あのなんかイギリス? の戦闘機作るデコのひろいおじさんがこう、なんか数字をあれして、えっとあー……とにかく戦いは数ってハナシだよ!
「一騎当千なら数の差に矛盾はない!」
ちなみにこれはスパルタの法則ね。
「飢龍炎牙(グリード・ブレイズ)!」
跳躍し、足に纏わせた紅蓮の炎でヤンキーたちを蹴り飛ばすウィーリィ。
その横では一条が白虎のオーラを拳に乗せてヤンキーを殴り飛ばしていた。
ゴォンゴォンと銅鑼の音が鳴り響き、ウィーリィは翳した包丁に竜の炎を燃え上がらせる。
「何人かかってきても同じだぜ! 中華の火力を思い知れ!」
繰り出した炎がそのまま竜となり、大量のヤンキーたちを薙ぎ払っていく。
が、その最奥に陣取っていた轟郎丸が刀でもって炎を断ち切っていく。
「ひるむな。男を見せよ!」
「「センパイ!」」
「待ってください、ヤンキーの皆さん!」
対して、塔子はファイヤーパターンが描かれた拡声器で呼びかけた。
「皆さんの猛る反逆心を向けるべきはそこの多勢に無勢ってる白い人ではないハズです!
強大な将を討ち倒す、実に奮え燃える反逆じゃないですか? 共に革命を成しましょう!」
「革命……」
「いい響きだぜ……」
ヤンキーの一部が角材を手放し、目尻から涙をこぼした。
「騙されるんじゃねえ。センパイに逆らった殺されんぞ!」
「やられる前にぶっ殺すぞオラァ!」
メンチをきりながら角材を振り上げるヤンキーたち。
塔子は仕方ないとばかりに火炎瓶に火をつけると、ヤンキーたちめがけて大量に投げまくった。
爆発と炎上。そして燃え広がる炎。
たちまちのうちに、フィールドは炎に包まれていった。
「だが、センパイには逆らえねえ」
大成功
🔵🔵🔵🔵🔵🔵
ギルバート・グレイウルフ
おいおい、流石におじさんの年で転校生はキツイぜ?ま、助っ人の用務員さんだとでも思ってくれや。
なんて冗談を風紀委員のぼっちゃんに飛ばしつつ、ヤンキー共にお仕置きをかましてやりますか。
さっきの無機質な罠よりも、感情が乗ったヤンキー共の攻撃のほうがなんとも読みやすいこって。
視線・呼吸・立ち位置……情報は盛りだくさん。
数で攻めようっていうアプローチは悪くねぇが、あいにくこっちもプロなんでな。慣れてんだよ、こういう状況は。
【忍び寄る死の気配】で致命傷になりそうなものだけは余裕を持って回避。それ以外の小さな傷は構わねぇ。なるべく多対一じゃなくて一対一×人数分になるように気を付けようかね。
「おいおい、おじさんの年で転校生とはな……ま、そういうもんか」
イェーガーってのはそういうもんである。
ギルバート・グレイウルフは煙草を携帯灰皿に押し込むと、腰のベルトに固定しておいた鞘から日本刀を抜いた。
取り囲むヤンキーが、左右から同時に襲いかかる。
顔面を狙った角材を、身を低くしてすりぬけつつ斬撃。
脇腹を斬られたヤンキーの背を蹴りつけてもう一人に押しつけると、同じく腰から抜いた拳銃を連射しながら詰め寄った。
デスダンスを踊って倒れるヤンキー。その身軽さと容赦のなさに、他のヤンキーたちは警戒するように後じさりした。
「て、てめぇ……」
「あいにくこっちもプロなんでな。慣れてんだよ、こういう状況は」
戦いは数、というのは双方が訓練された兵士あるいは同レベル規格の兵器である場合だ。
現代戦。特に気合いで戦っている人間にとっては、精神を折る作戦は非常に効率が良い。そしてギルバートは、(若さというワイルドカードを使わず)効率で戦う方法を知っていた。
一人一人を順々に指さすかのように、刀の切っ先をぐるりと向ける。
「言っとくぜ。次に前に出た奴は目を切る」
大成功
🔵🔵🔵
テルプ・ステップアップ
到着とともに大ジャンプ!&急降下キーック!
一人を囲んでいい気になってるなんて器が小さいよ!
そんな子は僕が矯正してあげるよ!
その場でチュチュを脱いで下からスケバン仕様のセーラー服に
なって決めポーズ!
大丈夫!年齢的には僕はJKだからセーフ!
おっと一条さん初めまして♪
余計なお世話かもしれないけど助太刀させてもらうよ。
いっくよーヨーヨーは持ってないから自分が回るよ!
必殺!ものすごくスカートがたなびいてるのになぜか
中身が見えない回転キック!
今日の下着はお気に入りの大胆なやつね♪
見たければどうぞ僕の前に来てね♪
ただ見える前に吹っ飛ぶよ。
「おまたせー!」
トンネルを抜けたテルプ・ステップアップは、跳躍からの急降下キックでヤンキーを踏みつぶした。
踏みつぶしたまま、ファイティングポーズをとってみせる。
「一人を囲んでいい気になってるなんて器が小さいよ!
そんな子は僕が矯正してあげるよ!」
いつのまにかスケバン衣装にチェンジしていたテルプはハイパーヨーヨーを手に見得を切った。
なんでスケバンでヨーヨーなのかは、知ってる人だけが知っている。
「てめぇヨーヨーでスケバンするとは……年齢偽ってんじゃねーだろーな!」
「JKだよ! じゅうろくさいだよ! そんなことゆー人はヨーヨーアタックをくらえー!」
とかいいながらテルプは逆立ち姿勢をとり自ら高速回転しながらヤンキーたちに突っ込んでいった。
「それはヨーヨーあたっくじゃねえ!」
けどヨーヨーでこれを連想したなら案外若い世代かもしれない。
さておき。
「今日の下着は大胆なスケバン仕様だよ! よかったね!」
「よくねー!」
大成功
🔵🔵🔵
ミルラ・フラン
待たせたね、イイ男!
アタシは転校生。謎の美女とでも思っておきな。
んじゃ先に、このジミメンどもから潰すかァ!!
【誘惑】と【存在感】でジミメンどもの視線を集めておいて。奴等からの攻撃は【オーラ防御】で受け流す。
集められるだけ惹き付けたら、ストーム・オブ・スカーレットを【2回攻撃】だ!!
地味な野郎共だが、花びらが突き刺さって多少は華やかになったじゃないか。
残った連中は【2回攻撃】と【暗殺】を使って、ナイフを投げて潰していくよ。
……え?スカート長すぎ?
あ、うん。明日から直すわ。
イェーガーたちの乱入により、場は完全に優勢となっていた。
「下がっていろと言ったはずだ……全く」
小さく首を振る風紀一条。
ミルラ・フランはシニカルに笑うと、一条の肘を小突いた。
「イイ男を見殺しにするわけにゃあいかないんだよ。そら、仕上げにジミメンどもをたたきつぶしてやろうかァ!?」
ミルラは振りかざした拳をそのまま大地に打ち付けた。
彼女から発せられたバラのオーラが旋風のごとく吹き荒れ、周囲のヤンキーたちをまとめて吹き飛ばしていく。
「どれ、少しは華やかになったじゃあないか。ついでに学ランにバラの刺繍でもいれるかい?」
袖の下から滑り出たナイフを投擲するミルラ。
ヤンキーたちのリーゼントに次々と突き刺さり、彼らは悲鳴をあげて仰向けに倒れていった。
「ミルラといったな……転校生か」
一条は眼鏡のレンズをきらりと光らせ、ミルラの方を向いた。
「なんだい。アルダワ学園に服装規定は無かったはずだよ?」
「まだ何も言ってないだろう。とにかく……残るは一人だ」
「ああ、手のかかるヤツが一人、だね」
拳を突き出し格闘の構えをとる一条と、ナイフを滑り出して翳すミルラ。
轟郎丸はそんな二人に刀を翳し、ギラリと目を光らせた。
大成功
🔵🔵🔵
第3章 ボス戦
『殺刃人形・剛剣の轟郎丸』
|
POW : "遍ク断チ斬ル、火ノ構エ"
【防御ごと断ち斬る上段斬り】が命中した対象を切断する。
SPD : "柄当スラモ、殺撃ニ至ル"
【衝撃が防御を突き抜ける、大太刀の柄】による超高速かつ大威力の一撃を放つ。ただし、自身から30cm以内の対象にしか使えない。
WIZ : "剛ノ受ケ、鎧当タリ"
対象のユーベルコードに対し【鎧を叩きつけるような体当たり】を放ち、相殺する。事前にそれを見ていれば成功率が上がる。
イラスト:イガラ
👑11
🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵
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種別『ボス戦』のルール
記載された敵が「1体」出現します。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。
| 大成功 | 🔵🔵🔵 |
| 成功 | 🔵🔵🔴 |
| 苦戦 | 🔵🔴🔴 |
| 失敗 | 🔴🔴🔴 |
| 大失敗 | [評価なし] |
👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。
※このボスの宿敵主は
「💠土斬・戎兵衛」です。ボスは殺してもシナリオ終了後に蘇る可能性がありますが、宿敵主がボス戦に参加したかつシナリオが成功すると、とどめを刺す事ができます。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。
「仕方あるまい。殲滅モード……!」
轟郎丸は刀を赤く発光させ、鬼のような面から蒸気を噴き出すと、言語能力と引き替えに戦闘力を引き上げた。
「剛ノ受ケ、鎧当タリ!」
蒸気を噴射し猛烈な速度で体当たりをかける轟郎丸。
まるで蒸気機関車が激突してきたかのような殺人的な突進だ。
更に。
「火ノ構エ――殺撃!」
豪快な上段斬りと、続けて繰り出される太刀の柄頭による打撃が風紀一条のガードを破り、派手に突き飛ばした。
地面と平行に飛び、壁に激突する一条。
「純粋な強さ……か。一対一では押さえ切れるかわからんな」
「けど!」
「ああ、俺たちが一緒なら!」
轟郎丸の前にずらりと並ぶイェーガーたち。
「皆の力を合わせて、こいつをぶっ壊すんだ!」
白鳥・深菜
「好きに現れ、隙に狩る――
【ワイルドハント】遊撃担当、白鳥深菜。
悪いけど、今回は最後までブッ込んでいくわよ!」
狙いは相手の隙を狩る、強力な一撃。
その為にまずは、相手の近接武器の射程外を保つように
バイクを乗り回し、相手の隙を【見切り】きるまで
その速度を生かして回避していく。
攻撃のチャンスが来たら
【地走る恐鳥の蹴撃】の効果を受けたバイクで一直線に接近。
流れでバイクによる体当たりによる一撃!
そして、私の本命は【2回攻撃】で放つ!
バイクを足場にして【地走る恐鳥の蹴撃】の効果を受けた
ブーツによる中段への蹴りを【全力魔法】でブッ込む!
出来そうなら、
他の猟兵に注目が向いた瞬間にブッ込みたいところね。
ウィーリィ・チゥシャン
敵の能力は「相手の攻撃や防御を敢えて真っ向から打ち砕く」ってところか。
まいったな。敵だってのに漢らしさがパねぇ。
けど、それは俺達が負ける理由にはならない。
「料理人見習い、ウィーリィ・チウシャン。土産代わりに覚えときな!」
一条と並び、敵に向かって真っ向から突っ込む。
そして敵のユーベルコードを鉄鍋での『盾受け』で『かばう』……様に見せかけて叩きつける形で鉄鍋を放り棄て、そして鉄鍋が奴の視界を遮った隙に『カウンター』で『料理の鉄刃』の『二回攻撃』を繰り出し、『鎧砕き』で奴の鎧を打ち砕く。
「見えなければ、見切り様が無いよな?」
ギルバート・グレイウルフ
おぉっと、また随分と厳つい姿になっちまったな。
流石にこいつは骨が折れそうだ。
主役は若い奴等に任せて、おじさんは裏方として働きますかね。
裏方がこなすべきは、『ひたすら敵の嫌がることを行う』だ。
踏み込みの瞬間に足元に銃撃を放つ、関節の裏を狙ってナイフを投げ込むetc…。
もちろん命あっての物種だからな。無茶をするつもりはねぇが…隙があったならみすみす逃すつもりはないぜ?
【忍び寄る死の気配】
死線をくぐり抜けた先の一太刀。
これくらいは貰っちまってもいいだろう?
あ、戦闘が終わったらスタコラサッサ逃げるぜ。風紀委員なんて、ぜってぇお小言が多そうだからな!
「ぐ……ふ……」
はき出す血を拳でぬぐい、風紀一条は派手にへこんだ鉄板の壁より立ち上がる。
「マ……マダ起キルカ」
『殺刃人形』轟郎丸は言語をあやつる計算力を全て格闘能力に回し、鎧の各所から蒸気を噴き出した。
「死ヌガ良イ」
真っ赤に発熱した刀を翳し、豪速で突撃をかける轟郎丸。
壁は真っ二つに切り裂かれ、爆発のような衝撃が走った。
一条もまた直撃を受け――たかに、思えたが。
「ギリギリ、間に合ったみたいね」
白鳥・深菜は宇宙バイクを操り、一条をかっさらう形で突撃直前に割り込みを書けていたのだ。
「好きに現れ、すきに狩る――
【ワイルドハント】遊撃担当、白鳥深菜。
悪いけど、今回は最後までブッ込んでいくわよ!」
アクセルをひねり加速をかけると、轟郎丸から距離をとりながら車体から展開したガトリング機銃を撃ち込んでいく。
しかし轟郎丸は弾丸を受けてびくともせず、どころか自らの周囲を走る深菜をじっと観察しているようだった。
「刀ノ射程外ニ逃ゲテモ、無駄ダ。スグニ、追イツク」
蒸気を噴射し、猛スピードで接近をしかける轟郎丸。
刀が深菜のバイクを切断しにかかる――が、深菜と一条は既にバイクを離脱していた。
「一方的に攻撃できるなんて思ってないわよ」
深菜は装備を重量級のそれに変形し、轟郎丸に強烈なキックを叩き込んだ。
「グッ――!?」
防御を無理矢理打ち破るほどの強烈な攻撃は、その反面攻撃時に隙が出来やすい。
深菜はあえて、『隙を突かれるフリ』をしたのだ。
魔力の乗った蹴りが轟郎丸を派手に吹き飛ばす。
が、すぐに刀を地面に食い込ませて強制ブレーキをかけた。
「おっと、自由になってもらちゃあこまる」
立ち上がり時を邪魔するように、ギルバート・グレイウルフが拳銃による射撃を仕掛けた。
ガトリングガンを弾くほどの装甲である。致命傷は望むべくもない……が、彼の執拗な攻撃は無視できるものではなかった。
わざと煙草をくわえ、余裕そうにしてみせるギルバート。
「無駄ダト、言ッテイル」
「そうかい? だったらやめさせてみろ」
くわえ煙草でニヤニヤと笑うギルバート。口の端から吹き出す煙に、轟郎丸は否応なく注意を引きつけられた。
若さのカードをきらなくなったギルバートは、戦いを有利に勧める方法に熟達していた。
格上との戦い方は意識を乱すこと。少なくとも一度にここにいる全員を倒せない以上、能力の限界は見えている筈だ。それをできるだけ手元に引き寄せるのだ。
コツは――『嫌がることを進んでやれ』だ。
「小癪ナ!」
豪速で距離を詰め、突撃の威力を刀の柄頭に集中させて打ち込んでくる轟郎丸。
「うおっと、あぶねえな。挽肉になっちまう」
ギルバートはすんでのところで転がって回避。
手にしていた刀を轟郎丸めがけ回転をかけながら投げつけた。
抜刀し、打ち払う轟郎丸。
が、それこそが狙い目であった。
猛烈な炎で尾を引いて、ウィーリィ・チゥシャンが轟郎丸の背後へと飛びかかった。
回避は間に合わない。が、打ち払うだけのスピードは備えている。轟郎丸は腰部180度回転によって反転するとウィーリィの繰り出す鉄鍋の打撃を刀の鞘で受け止めた。
直後、返す刀で鉄鍋もろとも切り裂きにかかる。
ぱっくりとわれた鍋――の内側から、ウィーリィの包丁が突き出された。
「何ッ――!?」
鋼の装甲をも貫く包丁が、轟郎丸の胸へと突き刺さる。
「俺の攻撃を回避しなかった時点で、この展開は決まっていたんだ。おっさんのナイスなフォローのおかげだぜ!」
「何トイウ……咄嗟ノ、連携……一体、何者!」
「料理人見習い、ウィーリィ・チウシャン。土産代わりに覚えときな!」
大成功
🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵
火霧・塔子
さあ、将を討ち取る時ですっ!
防御ごとズッパーンする剣技、近間での闘いは分が悪いですね
中距離までひっそりと【目立たない】ように近づき、UCの【一斉発射】で燃やしましょう!
私も制服姿ですし、倒れたヤンキーさん達に紛れればけっこうコソコソできると思うんですよ!
遍くを断ち斬る剛剣と言えど、斬っても斬っても寄り集まり、けっして断ち切れないのが反逆の炎です!
スチームメカですし、想定されている出力を越えて水分を燃やせば、暴走して内側からドッカンするかもしれませんね!
風紀の白い人、ガッツはあるし、"悪しき"ではないですが、それでも体制側とは馴れ合わないのが叛逆者の流儀です!
火霧塔子はクールにさりましょう!
柊・雄鷹
結ちゃん(f06365)と
うぉー結ちゃん見て見て!
めっちゃカッコいいロボット!
強い、大きい、カッコいいの三拍子やで?
一家に一台は欲しいに決まっとる!!
地上戦は結ちゃんに任せた!
ワイは【存在感】出して、目立ちつつ空へ
はっはっはー鬱陶しいやろう、そうやろう!
目立ちまくって、仲間へ攻撃がいかんようにするで
お気に入りのダガーで仲間の【援護射撃】
敵の周りに、満遍なくダガーが落ちたところで『泪花』
ただし、綺麗な花に見惚れてたらあかんでー
UCは目くらまし、本命は『凍刃の鷹』による氷の【属性攻撃】
クールに締めるんも、なかなかに良いもんやろ
さっさとお寝んねしてどーぞ!
しかし結ちゃん博識や…
敵に回したぁないな!
雨霧・結
雄鷹っち=雄鷹さん(f00985)と
スケバンするのが楽しくなってきた結ですイエイ
落ち着いて雄鷹っち!男の子ってロボに惹かれるモノなの?あ、私も男か
へい!地上は任せられた!
…しかし雄鷹っちとってもウザ……いえ素晴らしい存在感、褒めてしんぜよう
ふぅむ、凄い力…直撃したらヤバそうね
十分距離をとって、遠距離から戦いましょうか!
ガチガチの甲冑は堅そうですけど、継ぎ目…関節部分は弱いんじゃない?
『薄紅六花』の斬撃を飛ばし【早業】【属性攻撃】氷で固めて動きを封じちゃお!
まぁ蒸気の熱で氷は溶かせますけど…熱した金属を急激に冷やすことで割れる、「焼割れ」ってご存知?わざと不均一に焼き入れして割ってあげる☆
鏡島・嵐
判定:【SPD】
……不良の親玉だから番長とか出てくると思ったのに、全然違ぇ鎧武者なんか。
まあ、威圧感って意味ではこっちの方が断然迫力あって怖ぇけどさ……!
《我が涅槃に到れ獣》使用。出番だ、クゥ!
なるべく向こうの一撃を貰わないように、〈第六感〉〈見切り〉を併用しつつヒット&アウェイで攻撃するように心がける。素早さを活かしたライオンパンチってやつかな?
あとはクゥの背中から他の皆のために〈援護射撃〉や〈鼓舞〉を飛ばしたり、向こうの攻撃タイミングに合わせて〈武器落とし〉や〈目潰し〉〈フェイント〉を仕掛けて妨害したりするようにする。
テルプ・ステップアップ
スクールウォーに鎧武者…ちょー合わない!これ番長?
むー演出家出てこい!……出てこないかー。
まいっか♪
ここからは本気と書いてマジな真剣勝負だね。
マジで真剣持ってるし間違ってないよね?
蒸気機械で鎧武者で太刀持ちならよっぽど剣技に
自信があるんでしょうね。
真の姿発動!
近接戦好きそうだけど
相手の土俵に上がる気も手加減する気もないよ。
お空は僕の領域だよ。
僕の電脳機雷で行動範囲を牽制させてもらうよ。
【空中戦9】で制空権を確保【2回攻撃3】と【鎧無視攻撃1】で
ぶっ飛ばす!
学校に危険物持ち込んだから停学1週間と反省文10枚!
もしくはdeath!
ミルラ・フラン
(髪が伸びる。爪も真っ赤に伸びる)
オッケー、イイ男とも合流出来たし
本気のアタシで行こうじゃないか!
五月人形のくせしていつまで出ているつもりだい?端午の節句は先月だよ!
……と、からかうような言葉をかけつつ【存在感】と【誘惑】でこちらへ誘導。その隙に他の皆が攻撃しやすい状況を作る。
上段斬りや柄の一撃は、オーラ防御とConvinzioneの柄で何とか食い止める!
見たところ、すばしこさならこちらが上なので、デカブツの死角に回る形で【暗殺】技能を乗せて、風紀の光――ジャッジメント・クルセイド!
なあ、イイ男。この後時間はあるかい?学食で話そうじゃないか。
ま、アンタが年上でもOKなら、って話になるがね。
弦月・宵
なんでキミ(鎧武者)が、こっち(アルダワ)にいるのかな?
アルダワに来た羅刹的オレが成敗だよ!
落武者なのか、暴走機関車なのかはっきりしろー!
って言ってみるけど挑発って効く??
効果はさておき、UC:羅刹旋風するべく太刀をぶんわまして突撃するよ!
先制攻撃あるのみ!相手の攻撃は正面から受けないように、
太刀筋をよく見ておく。
避けきれなければ激痛耐性で痛みをやり過ごしつつ、
やられた分はきっちりお返しするからね!
力を溜めて、鎧を砕くような一撃をお見舞い!
できるならフェイントも加えて撹乱しつつ、前後左右の全方位から攻撃を入れていくからね。
風紀委員さん怪我はない?
迷宮区はほどほどに、でも信条なら仕方ないもんね!
胸を押さえて二歩三歩と後退する轟郎丸。
「ムウ……」
そんな轟郎丸に、『火霧塔子』と強烈な書体で書き付けられた火炎瓶が回転しながら飛来。
先刻の失敗を活かして素早く飛び退く轟郎丸に、鏡島・嵐がスリングショットを発射。
空中で炸裂した弾が火炎瓶に引火し、素早く激しい爆発を引き起こした。
「不良の親玉だから番長とか出てくると思ったのに、全然違ぇ鎧武者なんか。
まあ、威圧感って意味ではこっちの方が断然迫力あって怖ぇけどさ……!」
「恐いときこそ反抗するのです! 将を討ち取る時は、いま!」
『不撓不屈ノ革命児』と焼き印された角材を握り込み、塔子が声を上げる。
「そのテンション! 乗った!」
テルプ・ステップアップもその辺で(倒したヤンキーから)拾った角材を振り上げてみせる。
「スクールウォーに鎧武者が出てくるミスマッチ! せめて番長に見えるように胸にロボバンチョーって書いたげる!」
「たしかに……なんで鎧武者がアルダワにいるのかと思ったよ」
刀を今一度両手でしっかりと握り込み、突撃を始める弦月・宵。
「落武者なのか、暴走機関車なのかはっきりしろー!」
「笑止!」
力強い宵の横一文字斬りを、轟郎丸は炎の中から突きだした左手で受け止めた。鋼の手のひらが刀を押さえこみ、宵の動きを封じにかかる。
が、そこへ飛びかかったミルラ・フランの鎌による打撃が轟郎丸の腕を引っかけ宵を飛び退かせる。
「五月人形のくせしていつまで出ているつもりだい? 端午の節句は先月だよ!」
かきあげた髪は鮮やかに靡き、髪も爪も燃え上がるように長く伸びた。
刃をぶつけ合い幾度も火花を上げる彼女たちを見て、柊・雄鷹がはしゃぐように声をあげた。
「うぉー結ちゃん見て見て! めっちゃカッコいいロボット! 強い、大きい、カッコいいの三拍子やで? 一家に一台は欲しいに決まっとる!!」
「そうかな? 男の子ってロボに惹かれるモノなの?」
「結ちゃんも男やん」
「今は姉御だもん。イエイ」
コレコレ、といって木刀を指さす雨霧・結。
指をさしておいて急に木刀を投げ捨てると、結は虹彩に精霊の証章を浮き上がらせた。
手の甲に呪いの印を光らせ、氷の鎖を発射する結。
「そういうわけで雄鷹っち、空は任せた!」
「どういうわけかわからんけど任された!」
ぴったりのタイミングで空へ飛び上がると、雄鷹は翼を大胆に広げてダガーを投擲しまくった。
宵やミルラたちと格闘中の轟郎丸は、刀を豪快に振り込んで飛来するダガーを弾く……が、その刀に氷の鎖が巻き付いた。
「ム……イカン!」
轟郎丸は咄嗟に剣を鎖から引き抜こうとしたが、その一瞬が決定的な隙となった。
宵の剣がフルスイングで打ち込まれ、轟郎丸の鋼のボディへと直撃する。
吹き飛ばされ、千切れる氷の鎖。
「結ちゃん!」
雄鷹は仕込んだダガーを一斉に抜くと、その全てをキンセンカの花に変えて発射。
轟郎丸がたたき落としたダガーまでもが花弁になって舞い上がり、轟郎丸を包んでいく。
さらには結が黒爪から解き放った凍てつく衝撃が轟郎丸を浸食。
花弁が間接部に張り付き、動きを致命的に封じた。
「ナイスフォロー雄鷹っち」
「今だ!」
「応!」
嵐は焔を纏った黄金のライオン『クゥ』を召喚し、一条と共にその背に飛び乗った。
ライオンの巨体そのものを使った突進。そしてライオンから飛んだ一条による蹴りが轟郎丸に炸裂する。
「モロトフに捧ぐ火酒よ、気炎万丈の勢を成して――燃え盛れ、『叛逆の烽火(カクテル・パーティー)』!」
「でてこい電脳機雷!」
塔子が大量に複製した火炎瓶をばらまきあたりを火の海に変えると、便乗したテルプがスカイステッパーで頭上をとり、機雷を大量に投下した。
巻き起こる大爆発。
ミルラは轟郎丸を鋭く指さし、激しい光線を轟郎丸へと落とした。
「さて……こんなもんかね」
燃え上がる轟郎丸の巨体。
この場面だけを見たならば、きっとイェーガーたちの勝利を確信したことだろう。
だが……。
がらがらと爆発によって崩れる建物の中。
積み重なるがれきの中央から、一本の拳が突き上がった。
「面白イ……我……ガ、ガ、ガガガ……」
がくがくと震えながらがれきを押しのけ、身体のあちこちから黒い蒸気を噴き出す轟郎丸。
その頭がついに転げ落ちた……が。
ぐしゃりと自らの頭を踏みつぶし、轟郎丸は首の無いボディをゆらりと構えた。
目を細めるミルラ。
「こいつは……」
「まずいぞ、伏せろ!」
一条の声に素早く身を伏せるミルラ。轟郎丸が繰り出した横一文字斬りが真っ赤なエネルギーの斬撃となって飛び、背後の校舎を粉砕した。
「ガガ、ガ……!」
黒い蒸気を噴き出しながら凄まじい速度で接近をかけてくる轟郎丸。
ミルラたちは飛び退き、駆けつけた嵐のライオンにつかまることで離脱した――かに思われたが。
「ガガ!」
ライオンの速度に追いついてきた轟郎丸がライオンの首を掴み、強引に転倒させてしまった。
背から放り出される嵐。
一度のバウンドで身体をひねり屈んだ姿勢で着地するが、轟郎丸はすかさずショルダータックルを繰り出してきた。
ダンプカーの直撃、というたとえはこの場合相応しくない。
最高速度にのった電車が直接ぶつかったかのような衝撃が、嵐たちを襲った。
常人であれば死にかねない衝撃は、しかし、真っ向から体当たりをかけた宵と、上空から跳び蹴りを繰り出したテルプと雄鷹によって強引に止められた。
止められはしたが、殺しきれなかった衝撃によって吹き飛ばされる。
「おっと二人とも、平気?」
飛んできた雄鷹とテルプを両腕でキャッチする結。
「死ぬかとおもったー」
「なんやアイツ、頭悪くなるとその分強くなる仕組みなんか?」
「けど完全にロボットモノになっちゃいましたね」
「こうなってくると羅刹の管轄ですらないなあ」
こっちはこっちで塔子にキャッチされていた宵。優しく地面に下ろされると、ぱしぱしと身体をはたいた。
「ガガ……!」
首がないまま、刀を両手で握って高く構える轟郎丸。
あの猛烈なスピードで接近し、あらゆる防御を抜ける斬撃を繰り出すことで、こちらを一人一人確実に倒していくという算段だろう。
「こっちもダメージは覚悟の上だ。皆、行くよ」
宵は自らの意識をいじって痛覚を鈍らせると、相手の突撃を見計らって自らも突撃した。
斬撃を、自らの刀で受ける宵。
あまりの威力に、宵の足場がひび割れて崩壊した。
そのままたたきつぶされてしまうのではという心配は……あえて誰もしなかった。
『やられるまえにやれ』。その鉄則が、今の全員を動かしていたからだ。
「二人ともよろしくです!」
塔子はまた大量に火炎瓶を用意すると、それを雄鷹と結へと放り投げた。
それぞれキャッチし雄鷹は力を使って火炎瓶を膨大な花弁の群れに、結は自らの力を使ってそれらを凍結。大量の凍った刃と変えて轟郎丸へと発射させた。
轟郎丸の背中に突き刺さる大量の花弁――が、能力解除と共に激しく爆発した。
本来あり得ないことだが、爆発寸前の物体を凍結させていたことで恐ろしい温度変化と伸縮が起こり、轟郎丸の装甲をめちゃくちゃに破壊させたのだ。
「ガガッ……!?」
むき出しになった内部組織。
テルプは手持ちの機雷をミルラにパスし、嵐は再び黄金のライオン『クゥ』を呼び寄せた。
炎をあげ猛烈なスピードで突っ込むライオン。
その上に跨がり、機雷を握って振りかざすミルラ。
「砕けて散りな」
ミルラの猛烈なパワーによって無理矢理ねじ込まれた機雷が、轟郎丸内部で爆発。
今度こそ、轟郎丸は派手に爆発四散したのであった。
「協力感謝する。転校生」
ぼろぼろの姿で立ち上がろうとする一条。
そんな彼に手を貸して、ミルラはウィンクした。
「なあ、イイ男。この後時間はあるかい? 学食で話そうじゃないか」
「……いいだろう」
「迷宮区の活動はほどほどに……でも信条なら仕方ないかな?」
宵は苦笑し、一条もまた小さく苦笑した。
「ダンジョンの攻略と災魔の破壊が我らアルダワ学園生徒の使命、だからな」
「ハッ! もしかして危険物持ち込みでしぼられるんじゃ! とーこさ――いない!?」
テルプは頭をかかえて振り返ったが、塔子はもうすでにどっかへ消えていた。
その後ろで腕組みして頷く嵐。
「流石、逃げ足早えな……」
「ま、とにかく一件落着ってことで」
「メシなら付き合うで。なに喰う?」
結と雄鷹も歩き出し、イェーガーたちはダンジョン廃校区画を後にした。
後にこの破壊された廃校区画を巡りさらなる災魔騒動が起こることを……彼らはまだ、知らない。
大成功
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最終結果:成功
完成日:2019年06月07日
宿敵
『殺刃人形・剛剣の轟郎丸』
を撃破!
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