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その無垢なるものに救済を

#ダークセイヴァー

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#ダークセイヴァー


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●無垢なる魂、汚泥の種
「おぉぉぉぉぉぉぉ……」

 歓喜する声が木霊した。
 そこに集った老若男女は皆が皆、その目をぎらつかせていた。
 赤黒く汚れた祭壇の上にはまだ幼い少女が鎖で縛り付けられている。

「我らに救済あれ、我らに光あれ、我らに希望あれ」

 唱える祝詞は聖なるかな、聖なるかな、聖なるかな。
 されど、その儀式其の物は悪徳と非道に満ちあふれている。
 子を生贄に捧げ、その血肉を喰らえば未来永劫の救済が約束されると言う。
 その為に、ここに集った"大人"たちは街の子供を食らい尽くした。

「我らに救いあれ、我らに幸いあれ、我らに未来あれ」

 唱える呪文は聖なるかな、聖なるかな、聖なるかな。
 されど、その儀式は呪詛そのものでしかなかった。
 子を生贄に捧げ尽くした街の民は、なおもとどまることを知らなかった。
 行商人たちの子を喰らい、時には奴隷商から子を買い付けては喰らい。

「嗚呼、嗚呼、偉大なる神よ!! 我らに祝福あれ!!」

 唱える洗礼は聖なるかな、聖なるかな、聖なるかな。
 されど祈る神は異端にして外道、邪法なる神。
 それはこの地を支配するヴァンパイアが面白半分で始めたお遊びが元であった。
 けれど、圧政に苦しみ、食べるものにすら困った人々をそのように導いた。

 だって、実際にそれで腹は満たされるのだから。

 そうして、少女に振り下ろされるのは鋼の刃。
 無骨で冷たい輝きは、その細首をたやすく両断した――――。

●撃滅の刻
「イエス、イェーガー。新たなる予知がされました」
 アリシエル・フィフスガーディ(五天の守護機・f09139)がグリモアベースに集まった猟兵たちを無機質な眼差しで見やる。
「ダークセイヴァーにて、子供の行方不明事件が発生しています」
 吸血鬼によって支配されし闇の世界。
 その世界において、行方不明事件など日常茶飯事にしか過ぎない。
「予知によれば、その行方不明事件はどうやら、吸血鬼……オブリビオンが関与しており、その下僕が活動しているようです」
 されど、それがオブリビオン相手なれば、それは猟兵たちの"獲物"である。
「その街は圧政に苦しんでいたそうですが、最近、奇妙な教会が建造されたとか。そこには一時の安らぎを求める民がいるそうですが……」
 アリシエル・フィフスガーディ曰く、その教会が出来てから、子供の行方が知れなくなったのだとか。
「非常に関連性が高いと見ています。イェーガーたちに調査をお願いしたく思います。イェーガーたちならば、この困難をも乗り越えられると信じています」
 アリシエル・フィフスガーディが無機質な眼差しを君たちに向ける。
「イェーガーたちならば問題なくこの予知の打破を完遂出来ると信じています。健闘と武運を祈ります」


虎河豚天
 はい。虎河豚の天ぷら略して虎河豚天でございます。食べないで。
 深淵なる闇へようこそ、歓迎しよう。
 だが立ちふさがるは闇への門出、深淵の深遠。底なしの悪意。
 自らの悦楽の為なれば、人で遊ぶのもまた一興。それも酔狂。
 そんなヴァンパイアたちの下僕が跳梁跋扈する闇の都へようこそ。
 さあ、イェーガーたちよ、その闇を晴らし、真の光で照らしたまえ!
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第1章 冒険 『異形の神』

POW   :    街の人に扮して教会に入り込む

SPD   :    教会に忍び込み、教会関係者や建物内を調べる

WIZ   :    行方不明事件を調査して次の事件を予測する

👑11
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種別『冒険』のルール
「POW・SPD・WIZ」の能力値別に書かれた「この章でできる行動の例」を参考にしつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
 プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。

レクイエム・アビス
POW
街人に扮して教会に入り込む。ボロボロのローブを羽織り機械の腕を一旦取る事により両腕もなくショック性により声もでないひもじい女性を演出。安らぎを求める為に来た体。機械の腕は教会の近くに隠しておく。


ガルディエ・ワールレイド
◆行動
【POW】街の人のフリして侵入するぜ。

嫌な予感がしやがる。急いだ方が良いかもしれねぇな。
切羽詰まったダークセイヴァーで、何らかの救いが有るんなら多少急ぐくらいは普通だろ……それが本当に救いなら良かったんだがな。

侵入後は街の人間を誘導する流れが有るんならそれに沿って歩くぜ。
あと他の街の人に接触してそれとなく話を聞くか。
やっぱキーワードは「安らぎ」だろう。
俺も助かりたいんだとか言って、何となく事情は知ってるけど他の人にも再確認して安心したいっていう感じを演出しながら聞き込むぜ

あと、もし誰かの命に関わる場面を目撃したら俺はそれを助けに飛び込むぜ。その後は流れ次第だが、一時離脱してでも命を救う。


デイヴィー・ファイアダンプ
宴の場は教会として、気になるところがあるとすればその期日だ。
内容がどうであれ宴を開くのであれば物入りは多くなる。
聞き込みの相手は商人あたりが妥当だろうか。

行商人へは幼い家族へのお土産を探しているふうを装ってみるか。
物の売れ行きの話を交えつつ、売れなくなったものに対して口減らしのためによくあることと同情を交えながら話を聞き出してみるよ。

奴隷商人へは金さえ払えば相手は問わないのだろう。
死霊術師としての職業柄、贄をさがしている、と。
不当な値段を吹っかけるのであればそこから他の誰が買っているかなど、手持ちの金銭を渡しつつ話を聞き出そうか。

さて、これで次の『荷』が集まる日がわかればいいのだけれどね。


木目・一葉
では仕事に取り掛かる
町の大人達を刺激することは避けたい
自分は大人ではない上、見た目が幼く見られる
囮としての生贄になるのも、現状は危険だ
さて僕がとる行動は

【WIZ】行方不明事件を調査して次の事件を予測する

町の大人に見られぬよう最大限の注意を払う
コミュ力を生かして行商人など外側から来た者達から情報を得る
(奴隷商人は除く)
得たい情報は下記となる
1.行方不明になった子供の年齢や外見の特徴と共通点
2.子供が多く姿を消した時間帯と場所
3.近辺にいる子供達の情報
4.教会の信者である大人達の共通点(見分けをつけたい)
以上で次に襲われる子供を守れるだろう
この情報は仲間と共有し、同様に動いてる仲間がいたら同行する


真馳・ちぎり
神を騙る行為、唾棄すべき許しがたい愚行です
しかし今は抑えましょう
彼らに真の祝福を与えるまでは、ひたすらに我慢を

街人に対して聞き込みを行います
教会とはどのような救いが得られるのでしょう?
私が祈るべき神もそこに在りますか?
在るのであれば、ぜひとも教えていただきたいのです
十字を切って、祈りを捧げます
子供の行方不明事件についてもそれとなく尋ねてみましょう
その神に捧げる供物はいかなるモノですか?
【情報収集】の為に【言いくるめ】てみせましょう
ただし深追いはせずに不審に思われたならばすぐに撤回を
私は一介のシスタに過ぎません
神の為に祈ることこそ我が使命
いかなる神であれ盲目的に献身な振りをして、ごまかしましょう


ビリー・ライジング
行方不明に吸血鬼が関係している……?
なんだか、嫌な予感しかしないな。
ミリィ(f05963)、今回は分かれるぞ。その方が効率的だ。

行動方針:POW
街人に違和感を与えない為に大きな外套を服の上から着て、
武器や防具などを隠して、猟兵だとバレないようにする。

教会に入り込み、
この教会にいる街人に何の目的で来たか、さりげなく聞く。
何者か疑われた場合は「昔、この街に来た事がある旅人」と答える。
「前にここを訪れた時、このような教会が無かったんでな……」

外から忍び込めそうな場所がある所を発見したら、
外套のフードを降ろして、自らの金髪を晒す。『合図』だ。
(ミリィ、ここを重点的に調べろ。忍び込める場所があるはずだ)


ミリィ・ライジング
子供の行方不明事件、奇妙な教会……。
お兄ちゃん(ビリー・f05930)、どうする?
二手に分かれる、『合図』を送る、分かった!

行動方針:SPD
ビリーが教会内に入ったのを確認した後、
教会の外周から大窓・天窓など、教会内部を見る事が出来る箇所を探す。

(確か、大きな外套を着てるのがお兄ちゃんだから……)
外套を着てる人が複数いる時、短い金髪、濃い赤眼が特徴的な人を探す。

ビリーからの『合図』を目視で確認したら、その場所を重点的に調査。
裏口にまず聞き耳を立てた後、裏口から静かに教会内に潜入する。
もしも裏口に鍵などが掛かっていた場合は、鍵を破壊しておくよ。



●安らぎの教会へのいざない
「嗚呼、あなた様もまた迷われたのですね」
 レクイエム・アビス(呪われた人形・f09861)に声をかけるのは神官服に身を包んだ壮年の男であった。
「…………」
 レクイエム・アビスは腕を失い、声も失った哀れなる迷い子であった。
「ええ、ええ、わかります。あなた様もその声と腕を取り戻したいのでしょう」
 彼女にとってそれは演技であり、それは虚偽であったが壮年の神官にはそれを読み取る事は出来ない。
 するつもりもない。何故ならば彼にとってはここを訪れるものは皆、現世を彷徨う哀れな羊でしかないのだから。
「ええ、ですがご安心ください。この教会なれば、あなた様のその腕も声を取り戻すお手伝いができましょう」
 にこにこ、と人好きのする笑顔を浮かべたまま、男はレクイエム・アビスを教会へと誘う。
 それを見ていたガルディエ・ワールレイド(黒竜の騎士・f11085)は、近くにいたシスターに声をかけた。
「なんだ、ここはああいう女でもお救いくださるのか?」
「はい。いいえ、ここはどのような方でも訪れれば救済されたもうでしょう」
 声をかけたシスターは柔和な笑顔を浮かべているが、その会話はどうにも要領を得ない。
 誘導する流れには乗っかったが、あまりにも露骨なのが怪しい。
 しかし、虎穴に入らずんば虎子を得ず。その怪しいのに乗っかろうではないか。
「そりゃぁ、なんだ。俺みたいな奴でもお救いなさってくださるのか?」
「はい、はい。どのようなお方でも我らが主はお救いくださるでしょう。この世界に光をあらんとされる方にてございます」
 シスターの答えはまるで機械的な、AIを相手しているかのような無機質さである。
「嗚呼、あなた様も救済をお求めでしたか?」
 そのシスターは無機質なまま、ガルディエ・ワールレイドに告げる。
「ああ、そうだぜ。ここはクソったれな街だからな」
「はい、はい。そうですね。なれば救いを求める者を案内するのも私達の務めでしょう」
 そうしてガルディエ・ワールレイドは教会に忍び込むことに成功した。

●無垢なる魂の行方
「子供への土産物かい?」

「最近はここらあたりは子供たちがいないからねぇ……」
 行商人たちの話曰く、この街は特に圧政が厳しく口減らしの為に売られる子供が多いのだと言う。
 木目・一葉(生真面目すぎる平凡な戦士・f04853)は商人に問いかける。
「口減らし……と言うとやっぱり奴隷商人か?」
「ああ、そうだね。奴隷商に売られる子はやはり多いよ」
「奴隷商はどこにいるかわかったりするか?」
「ん、ああ。それならあっちの方だよ。なんだい、奴隷を探してるのかい?」
「ああ、知り合いが魔術師だから素養のいい子がいたら是非後継者として欲しいらしくて」
「なるほどね。俺ぁ魔術の事はよくわからんがそういうものなんだろうな」
「そういえば最近は子供がいなくなってるらしいな」
 木目・一葉の言葉に対して行商人はああ、と言いながら頷く。
「こんなご時世だ、よくあることと言えばよくあることなんだが」
 子供たちの話を聞きながら木目・一葉は情報を得ていく。
 子供たちはおおよそ5歳から成人手前まで。
 姿を消した時間帯は定まらず、近辺にはもうあまり子供がいないこと。
「そうか……そういえば安らぎの教会とやらが出来たらしいな」
「嗚呼、あの教会か……もうこの街のほとんどの人間があそこを訪れているね。時世も時世だ。神様に祈りたくなるのもわかるってもんだよ」
 木目・一葉は影の追跡者をひっそりと呼び出しながらこの街を探り続ける。
 得た情報は猟兵たちと共有をしながら。

「はい、いらっしゃいませ、今宵はどのような奴隷をお求めでしょうか?」
 デイヴィー・ファイアダンプ(灯火の惑い・f04833)はこの闇に包まれた世界に反する暖かな灯火を揺らしながら、木目・一葉の情報を得て奴隷商のところに訪れていた。
「ああ、僕は死霊術師だからね。そういうのを継げる後継者や……ま、贄になるのも探しているのもあるけど生きのいい子供はいるかい?」
「ええ、ええ、理解いたしましょう。しかし残念です。今はお客様にご案内出来る奴隷はいないのですよ」
「ふむ……? それは何故か聞いても?」
「ええ、はい。今は教会様が多くの孤児を買い取られていまして。ええ、はい。こんな辛い街なのに慈悲の手を差し伸ばされるとは」
 奴隷商曰く、子供の多くは教会の手に買い取られ、信徒として養育されるのだと言う。
 いわば、孤児院としての役割を担おうとしているそうだ。
(けど僕のわかる限り、子供はあの教会にはいなかった……どこに隔離されてるんだ?)
 そう、多くの猟兵たちの情報から教会の表側には子供は特に見当たらなかったのだ。
 しかし、それをおかしいとも思わない奴隷商に、街の人々。
 この街の闇は暗く、深い。デイヴィー・ファイアダンプはそう思った。

●不穏なる教会
 神の愛は己にこそあり、真馳・ちぎり(ミセリコルデ・f03887)は憤怒していた。
 唾棄すべき許しがたき愚行、されど今はそれを抑えこむ。
「教会の救いとはどのような救いなのでしょうか?」
「ああ、あんたは知らないのかい? 仕方ないね、あそこは最近できたものだし」
 恰幅の良い女が答える。
 女曰く、あそこで与えられるものは安らぎと救い。
「なんでも腕が動かなくなった奴は腕を動かせるようになった、とか色んな話を聞くね」
「そのような奇跡の所業を……まさに神の救いたもう御業でしょう」
 十字を切り、祈りを捧げる真馳・ちぎりの行動に、女はさして興味ももたなかった。
「色んな神様がいるけれど、こんな所だ。人がいっぱいいくのも仕方ないかもしれないねぇ」
「ええ、全くもってそうです。……そういえば、子供を見かけないのですが」
 ああ、それはね、と女が答えて曰く。
「最近は一人にすると行方知れずになっちまうから、大抵はみんな家に押し込んでるのさ。出かける時も親と一緒だからね。」
 なるほど、と真馳・ちぎりは頷き情報を集めていく。
「それなれば致し方ありません、悪しき所業を行う者が減る事を主に祈りましょう。……その神は何か供物を求めるのでしょうか?」
「ああ、特にそういう話は聞かないけれどね。ただ行けば救われるとしかね」
 あたしゃ胡散臭いから行ってはないけどねぇ、と女は笑う。
「……なるほど……なるほど」
 真馳・ちぎりは神の使徒、神へ祈りを捧げる者。
 異形なる異端の神を滅すことは、真馳・ちぎりの役目。
 燃え盛るような憤怒の感情を秘めたまま、真の祝福を与えるまで、彼女は情報を集め続けていた。

●そして続くは不穏の道行き
「ミリィ、今回は分かれるぞ」
「二手に分かれる……合図を送る、うん、わかった!」
 ビリー・ライジング(輝く黄金・f05930)はミリィ・ライジング(煌めく白銀・f05963)に告げ、それに答えを返す。
 彼は大きな外套を纏い、教会へと赴く。
「嗚呼、また哀れなる迷い子がまた一人。ようこそ、本日のご用命はなんでしょうか?」
 神官服の男がビリー・ライジングに告げる。
「いや、何。立派な教会だったもんでな」
「ええ、ええ、そうでしょう。ここは皆に救済と安らぎを与え、奇跡を与える場所です」
「へえ……じゃあここにいる人たちは?」
「ええ、ええ。皆、真摯なる祈りを捧げ、奇跡を求めている迷い子たちです」
 祈りを捧げる街の人々は皆、圧政で疲れ果て見窄らしい姿のものばかり。
「じゃあ俺も祈らせてもらってもいいかい?」
「ええ、ええ。構いません。神の門戸は皆の前に開かれています」
 教会に案内され、ビリー・ライジングは周りを見回す。
 外から忍び込める所は……そして、怪しい所は、と探りをいれていく。
 そして――――それはあった。
 ビリー・ライジングはフードを降ろし、その金糸を晒す。
 それこそが、妹への、ミリィ・ライジングへの合図であった。

(確か、大きな外套を着てるのがお兄ちゃんだから……)
 大きな天窓から、ミリィ・ライジングは教会内部を見下ろしていた。
 大小様々老若男女様々、彼らは一心に祈りを捧げている。
 そんな最中、ビリー・ライジングから合図が送られてくる。
 祭壇の裏側……そこが怪しいのだと。
 合図を確認してからミリィ・ライジングが動き出す。
 気配を殺し、足音を殺し、呼吸すら殺す。
 磨き上げた忍びの業を以てして祭壇まで忍び込みそこを探る。

 果たして現れたるは地下への隠し階段である。
「……あったよ、お兄ちゃん」
 隠し階段があったことをビリー・ライジングに告げる。
「よし、よくやったぞミリィ」
 その地下階段を見つけた事を他の猟兵たちと共有し、彼らは進む。
 不穏な暗闇が、猟兵たちを誘う。
 それは深い、深い闇で、まるで全てを飲み込むように。

成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​🔴​🔴​🔴​🔴​🔴​




第2章 集団戦 『篝火を持つ亡者』

POW   :    篝火からの炎
【篝火から放たれる炎】が命中した対象を燃やす。放たれた【赤々と燃える】炎は、延焼分も含め自身が任意に消去可能。
SPD   :    篝火の影
【篝火が造る影に触れた】対象の攻撃を予想し、回避する。
WIZ   :    新たなる亡者
戦場で死亡あるいは気絶中の対象を【自分と同じ姿の篝火を持つ亡者】に変えて操る。戦闘力は落ちる。24時間後解除される。
👑11
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種別『集団戦』のルール
 記載された敵が「沢山」出現します(厳密に何体いるかは、書く場合も書かない場合もあります)。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
 それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。


●その無垢なる魂に救いあれ
「ああぁぁぁぁぁぁぁぁッ?!」

 少女の絶叫が響く。
 それは断末魔ではない、しかし、それは悲痛なる叫びであった。
 掌と足首に釘を打ち付けられ、磔にされた少女。
 周りの大人たちの瞳に宿るものは狂乱。

「さあ、さあ、さあ、さあ、捧げよ、捧げよ、魂を!!」

 司祭たちはその狂乱をもり立てる。
 救いあれ、救いあれ、救いあれかしと十字を切り、十字で斬る。
 また一人、哀れな幼子の命は奪われる。
 狂乱せし大人たちはそれに群がり、喰らっていく。
 痩せ細った彼らにとっては、そんなものですら"ご馳走"なのである。

「さあ、次はあなたです。その魂を捧げましょう」

 磔にされた少女に振りかざされるは鋼色の慈悲。
 されど、それは慈悲などではない。ただの悪意。
 しかし、それは振り下ろされる事はなかった。
 何故ならば猟兵たちがその前に辿り着いたからである。
 この裏儀式場であり、邪悪なる儀式の場にだ。

「おや、おや、お招きした覚えがないお客様です」

 司祭はその醜悪な顔をさらに歪め、そして手を高く掲げた。
 そうして湧き出すのは篝火を掲げた亡者たち。
 しかし……嗚呼、なんと言うことだろう。
 その亡者たちには確かに大人も混ざっていた。
 だが、だが、その大半は幼子の躯ばかりだった。

「さあ、我らが神々の救済ををををををををををををを」

 歓喜の声をあげながら、司祭は自らの喉を掻き切る。
 そうして、その司祭もまた物言わぬ躯となりながら篝火を掲げた。
 次々と声をあげ、"ご馳走"を喰らっていた大人たちも、その身を捧げていく。
 やがて出来上がるのは亡者の群れ。オブリビオン「篝火を持つ亡者」。
 彼らは猟兵たちを敵と認め、ゆっくりとした足取りで群がってくる。
 それこそが彼らのもたらせる最大の慈悲であり慈愛であり救いであると、そう信じていたから。
森園・巧
行動 【WIZ】

おやおや、少し駆けつけるのが遅かったですかね。
この惨状だと生存者の救出と戦闘の並行をやらねばなりませんね。
戦闘補助であれば、まだ間に合いますね。そのためのロックショウです。
多少の攻撃では、私も倒れませんよ。
「おじさんをなめてはいけないよ」
後方支援は得意ですが近接戦闘は得意ではないので、そこは気をつけましょう。
降りかかる火の粉程度の攻撃は何とかしのぎます。

もう慈悲も救済もこの人たちとは言葉の意味合いが違うようですし。
…そういう言葉遊びをしている余裕もなさそうですね。


ガルディエ・ワールレイド
◆方針
未だ生き残ってる子供の安全が第一だ
今はこっちに注意が向いてるが、それが再度子供に向かわないよう引きつけるぜ
特に気絶してたら、敵の【新たなる亡者】がやべぇ
可能なら機を見て突進で立ち位置を変え、敵と子供間のルートを潰すように立ちてぇ
他の猟兵で子供の救出に向かう奴がいるなら、それを援護するように戦うぜ

◆戦闘
「かかって来な。もう蘇らないよう弔ってやるぜ。それだけが俺のやれる慈悲だ!」
戦闘ではドラゴニック・エンド使用

第一の攻撃目標は子供を狙うそぶりを見せたやつ

第二は弱って仕留める目がデカそうなやつだ
味方と連携して集中砲火を狙うぜ

あと敵の予備動作に注目して対処だ
炎、影、死体。攻撃の起点はそこだからな


木目・一葉
これが、すがるしかなかった者の末路……
身が縮まるような恐怖を、僕は堪えた
環境が違えば、僕自身もこうなるかもしれない
しかし、
「許されないことだ……ッ」
僕はせめて終わらせると決意して立ち向かう
「ゆくぞォッ」

僕の目的は、敵の篝火が作る我々の影を触れられないようにすること
相手が影を踏む為には、僕に接近する必要が生じる
ならそこまで接近されない距離を保ち、妖剣解放で斬撃の衝撃波を放射し、相手の篝火根本を切落とす、又は篝火を持つ手首を切落とす
できるなら衝撃波だけで火を消すのもよい
これで篝火からの炎も防げる
このとき囲まれぬように敵集団の外周から仕掛けること
また常に動き回り、篝火からの炎に捕捉されにくくする


真馳・ちぎり
何という醜悪さでしょう
私があまねくすべての害意を以て、正義を執行いたしましょう

後衛から攻撃を行います
ただし攻撃よりも距離感を保つことを重視して、
近づいてこられた場合は距離を取ることを優先します
攻撃は【冤罪符】を使用しましょう
後衛に位置取った状態で戦況に対して【情報収集】を行い、
一体ずつ確実に撃破するように仲間の攻撃対象をよく見て行動します
また敵の攻撃もよく観察し、必要ならば味方に声掛けを行いましょう

さぁ、哀れで醜い獣たちに、今こそ真なる祝福を



●救いあらんことを
 ガルディエ・ワールレイド(黒竜の騎士・f11085)は疾駆する。
 彼にとっての第一優先目標は磔にされた少女の救出。
 群がる死軍を体当たりするように弾き飛ばし、少女をかばうように立つ。

「かかって来な。もう蘇らないよう弔ってやるぜ。それだけが俺の……やれる慈悲だ!!」

 傍らにいた小さな竜はその身をすでに変貌させ槍と化している。
 薙ぐようにそれを振るい、召喚されたドラゴンが咆哮を放ち、さらに敵を薙ぎ払う。

「嗚呼嗚呼嗚呼嗚呼嗚呼嗚呼嗚呼嗚呼嗚呼嗚呼――――!!」

 最早ろくな意味のある言葉を発する事すら出来ない大人の死人。
 それはまだいい。それだけなら、まだいい。だが。だが。

「いたいよくるしいよつらいよなんでたすけていたいよ」

 捧げられ、喰らわれた子供の死人は悲痛の嘆きをあげながら迫りくる。
 これが、彼らの言う慈悲であり、安らぎであり、救いの結果だと言うのならば……。
 なんと酷いのだろう、なんと惨いのだろうか?

「もう慈悲も救済もこの人たちの言葉の意味合いが違うようですし……ああ、いえ、そんな言葉遊びをしている余裕もありませんね」

 森園・巧(人間のサンソルの破戒僧・f03705)は、その手に持つ楽器をかき鳴らす。
 ロックな音楽が響き渡り、その音楽は猟兵たちの力を増強する。

「音楽を奏でるだけだと思っているかい? おじさんをなめてはいけないよ」

 その音を不協和音としか認識出来ない死軍の群れは森園・巧に襲いかかる。
 されど、猟兵なれば、如何様にも戦えるのである。
 響く音楽は、救いあれ、と救済あれ、と地下祭壇に響き渡る。

●醜悪なる恐怖、正義の執行
 木目・一葉(生真面目すぎる平凡な戦士・f04853)は、瞳を伏せる。
 これが、すがることしか出来なかった者の末路。
 嗚呼、確かに醜悪なる虐殺であろう、確かに悪しき邪悪なる儀式であろう。
 しかし、見たまえ、目の前に広がる死人の群れ。
 その体は枯れ枝のようで、明らかに物を食えてない死人の群れだ。
 彼らにとって、それが如何に邪悪であり、外道であれど、彼らにとってそれは救いであった。
 環境が違えば、自身もそうなるかもしれない……その恐怖。
 同情に値する、だけど、だけど。それは決して。

「許されないことだ……ッ!! ゆくぞォッ!!」

 その篝火が作る影を触れられないように、木目・一葉はその手にした妖刀の力を解放する。
 自らの命を削るこのユーベルコードは、されどそれに相応の力を木目・一葉に与える。
 一歩踏み込むだけで、その身は加速していく。その姿、まさに絶影。
 影を踏ませぬ速度から放たれた斬撃は衝撃となり伝播する。
 篝火が切り払われ、影は霧散する。
 恐怖を押し殺す、同情を押し殺す。
 彼らの末路は己の在り得たかもしれない未来。
 されど、それは、許してはいけない。裁かねばならない。
 故なればこそ――――この場に立つもうひとりの断罪者は告げる。

「何と言う醜悪さでしょう……私が遍く全ての害意を以て、正義を執行致します」

 彼女にとっては、それは獣でしかない。理性を失い、害悪を為すだけの哀れで醜い獣。
 故なればこそ、真馳・ちぎり(ミセリコルデ・f03887)は自らの持つ全ての害意を以てソレと相対する。

「我は正義を執行する者。我は汝を蔑する者なり……」

 偽りの罪状――――否、この時に限り、彼らは真の罪人である。
 捧げられた子供の躯なればいざ知らず、その血肉を喰らっていた者は罪状は明白。
 汝、罪在りき。そう決定づけられた者に突き立つは三本の木釘。
 神性を司るソレは亡者に対しては致命的な猛毒と化す。
 絶叫をあげて、悶え苦しむ様を一瞥しながら真馳・ちぎりは戦い続ける。

「さぁ、哀れで醜い獣たちに、今こそ真なる祝福を……」

 真馳・ちぎりは祈りを捧げ、祝福を与える者。
 慈悲を与える短剣の名を頂く女は、その罪に許しを与える力ある符を以て告げた。

成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​🔴​🔴​

ビリー・ライジング
……何が神々の救済だ、何が慈愛の安らぎだ!?
只の狂信者共の虐殺じゃねぇか!?
……ミリィ(f05963)、最初から全力で行くぞ。

真の姿は解放。
見た目は変化しないが、俺の魔法剣がレイピアに変わり、
ユーベルコードの詠唱後、炎を纏う日本刀に変わる。

幼子を殺めるのは正直、心が痛む。
だがその身を永遠に利用されるのを幼子は望んでないだろうし、
何より女子供を優先しがちな、俺の騎士道精神が許さない!

篝火からの炎は真正面から叩き斬り、
そのまま日本刀での刺突で身体を貫き、纏う炎で焼き尽くす。

「……俺の怒りはこんな物じゃない。全員纏めて焼き斬ってやる……」


ミリィ・ライジング
……お兄ちゃん(ビリー・f05930)がここまで怒り狂ったのは初めて見た。
私に対してもここまで怒った事が無い。
「お兄ちゃん、頭に血がのぼり過ぎだよ。私もだけど……!」

真の姿は解放。
見た目は変わらないが、私に憑いてる陰陽師の亡霊が傍に立つ。
(亡霊は周囲の猟兵、敵にも可視出来る)

敵の撃破は兄や他の猟兵に任せる。
私は敵の【新たなる亡者】を封じる為に、七星七縛符を放つ。
「悪いけど、これ以上亡者を増やさせないよ」
「動きが止めたよ!お兄ちゃん、斬って!」

お兄ちゃんが黄金に燃える太陽なら、私は白銀に光る月。
私達は無敵の兄妹だからね。



●黄金の太陽、白銀の月
 ビリー・ライジング(輝く黄金・f05930)は憤怒していた。

「何が……何が神々の救済だ、何が慈愛の安らぎだッ!?」

 迷える者には救いあれ、安らぎと平穏あれ。
 そう唱えた彼らは……如何なる理由はあれど。
 始まりが例え、同情に値する逃避からであったとしても。

「只の狂信者共の虐殺じゃねぇか!? ミリィ、最初から全力で行くぞ!!」

「……お兄ちゃんがここまで怒り狂ったのは、初めて見た」

 ミリィ・ライジング(煌めく白銀・f05963)も怒りに震えていた。
 犠牲にされた幼子たち、犠牲にした大人たち。
 自らが生き延びる為に、罪に手を染めた事。
 けれど、それがただの虐殺にしか繋がっていないのならば。

「お兄ちゃん、頭に血がのぼりすぎだよ!! ……私もだけど……!!」

 ミリィ・ライジングがその手に符を握りしめ、放つ。
 七星七縛、放った符が相手を捕縛し、行動を縛る符術。

「悪いけど、これ以上増やさせはしないよ、お兄ちゃん、斬って!!」

「木よ土よ、火と金なりて、力なれ。金を溶かせど、刀身果てず!!」

 心が痛む。哀れな、ただの犠牲者。
 無垢なる子らは、今やただの傀儡の亡者と化している。
 痛いと、辛いと、苦しいとうめき声をあげながら迫りくるその様、悲劇其の物。
 だからこそ、なればこそ。

「今、解き放ってやる……!!」

 この永遠の苦痛から解き放たねばならない。
 振るった刀がほむら火を纏い、亡者たちを斬り裂く。
 古来より、炎は神性を有する。人々はそれに浄化の力を見立てた。
 刃に宿ったほむら火は亡者たちを焼き払っていく。

「……俺の怒りはこんな物じゃない。全員まとめて焼き斬ってやる……!!」

 沸き立つ怒りに呼応するように刀のほむら火は湧き立ち燃える。
 刃を振るう度に亡者の群れは焼き払われ燃え尽きる。
 猟兵たちの活躍により、亡者の群れはこうして駆逐された。

 祭壇に静けさが戻り、残るは邪悪な祭りの後。
 生贄にされんとしていた少女は救えた。しかし、それでも。
 救えなかったものは多く、ここにはあった。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​




第3章 ボス戦 『異端の騎士』

POW   :    ブラッドサッカー
【自らが他者に流させた血液】を代償に自身の装備武器の封印を解いて【殺戮喰血態】に変化させ、殺傷力を増す。
SPD   :    ブラックキャバリア
自身の身長の2倍の【漆黒の軍馬】を召喚し騎乗する。互いの戦闘力を強化し、生命力を共有する。
WIZ   :    フォーリングローゼス
自身の装備武器を無数の【血の色をした薔薇】の花びらに変え、自身からレベルm半径内の指定した全ての対象を攻撃する。
👑17
🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​🔴​🔴​🔴​🔴​

種別『ボス戦』のルール
 記載された敵が「1体」出現します。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
 それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
 プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※このボスの宿敵主は💠山田・二十五郎です。ボスは殺してもシナリオ終了後に蘇る可能性がありますが、宿敵主がボス戦に参加したかつシナリオが成功すると、とどめを刺す事ができます。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。


●戯れの騎士
「クハ、クハハハ、クハハハハハハハハハ」

 哄笑が響き渡る。
 亡者の群れを片付けた猟兵たちをあざ笑うように。
 鋼のきしむ音をあげ、現れたるは異端の騎士。

「主殿に言われてきてみたが、面白い事になっている※MSより
どうも、マスター・虎河豚天にございます。
此度は私のシナリオへの参加希望ありがとうございました。
合わせプレイングのようでしたので、他の方のプレイングをお待ちしましたが、全員分が揃わなかった為に申し訳ありませんが、第二章へのプレイングを不採用とさせて頂きました。
大変申し訳ありませんでした。ではないか」

 主殿、それはすなわち、この儀式を引き起こしたであろう元凶。
 猟兵たちを見回すように睥睨しながら騎士は笑い続ける。

「どうであった、面白かったであろう? 食うものに困ったが故に自身らの末裔となるものらを食らう餓鬼の群れの如き様相」

 何がおかしいのか、笑い続けたまま、騎士は言う。
 この悲劇がまるで喜劇のようだ、と言わんばかりに騎士は言う。

「これほどに愉快で、愉悦に満ちた喜劇はあるまい。主殿の見立てに間違いはなかった」

 この騎士とて、かつては家族や、愛する者の為に吸血鬼の下に下った。
 その当時の思いはきっと尊かったのであろう。
 されど、今やこの騎士に、かつての面影などはない。
 そう、ここにいるのは過去の残照、躯の海より来たりし残忍にして残虐なる者。

「そして、それに憤怒する者の姿、いや、存分に楽しませてもらった。故に褒美をくれてやろう」

 黒き鎧の騎士はその大振りの剣を抜き放つ。
 禍々しさすら帯びたその剣は漆黒の波動を放ち、地下祭壇の空気を散らす。

「我が手にて死と賜る名誉をくれてやる。喜び、首を出すがいい」

 オブリビオンたる黒き騎士は剣を片手に、嘲笑っていた。
●戯れの騎士
「クハ、クハハハ、クハハハハハハハハハ」

 哄笑が響き渡る。
 亡者の群れを片付けた猟兵たちをあざ笑うように。
 鋼のきしむ音をあげ、現れたるは異端の騎士。

「主殿に言われてきてみたが、面白い事になっているではないか」

 主殿、それはすなわち、この儀式を引き起こしたであろう元凶。
 猟兵たちを見回すように睥睨しながら騎士は笑い続ける。

「どうであった、面白かったであろう? 食うものに困ったが故に自身らの末裔となるものらを食らう餓鬼の群れの如き様相」

 何がおかしいのか、笑い続けたまま、騎士は言う。
 この悲劇がまるで喜劇のようだ、と言わんばかりに騎士は言う。

「これほどに愉快で、愉悦に満ちた喜劇はあるまい。主殿の見立てに間違いはなかった」

 この騎士とて、かつては家族や、愛する者の為に吸血鬼の下に下った。
 その当時の思いはきっと尊かったのであろう。
 されど、今やこの騎士に、かつての面影などはない。
 そう、ここにいるのは過去の残照、躯の海より来たりし残忍にして残虐なる者。

「そして、それに憤怒する者の姿、いや、存分に楽しませてもらった。故に褒美をくれてやろう」

 黒き鎧の騎士はその大振りの剣を抜き放つ。
 禍々しさすら帯びたその剣は漆黒の波動を放ち、地下祭壇の空気を散らす。

「我が手にて死と賜る名誉をくれてやる。喜び、首を出すがいい」

 オブリビオンたる黒き騎士は剣を片手に、嘲笑っていた。
木目・一葉
敵の威圧に少し足が震える
だが怯えてたまるか
「お前が喜劇といったこの劇は、まだ終わってない
お前もこの劇の登場人物だ
勝手に観客気分になって終わらせるな」
この惨状を喜劇という安直な一言で、片付けさせてなるものか

敵の物理攻撃に対しては、斧の刀身で防ぐ
また敵の武器が無数の薔薇の花弁に変化し始めたら即座に距離をとりながら、同様に斧で攻撃を防ぐ
漆黒の軍馬を召喚したら、真の姿を開放し、全力でグラウンドクラッシャーを仕掛けるが、外したとしても敵の足場の地形を変えて騎乗の妨げとする
同時にこの地形変化で軍馬の脚周りも崩し、身動きをとりにくくする
ただし体力が危うい時は真の姿だけ先に開放し、それにより体力を回復しておく


ガルディエ・ワールレイド
「全く面白く無ぇな。特に面白く無ぇのはテメェの存在だ。騎士の誇りにかけて、この戦いは絶対に勝つ! もうテメェに騎士の誇りなんて言っても通じねぇんだろうがな!」

(装備はハルバードと長剣の二刀流)

他の仲間との連携を重視だ。
【存在証明】を使用して、防御力を重視するぜ。
【武器受け】も使って前衛として敵の攻撃を止めるし、他の味方に通ってヤバそうな攻撃は【かばう】

片手の武器で敵の攻撃を受けた時、余裕がある体勢なら他方の手から反撃も食らわすぜ。
二刀流の戦いは【2回攻撃】の要領でやる。

勝負どころだと判断すれば、【存在証明】を攻撃重視に変更して攻める
(攻撃重視への切り替えにターンを使うなら防御重視のままで戦う)



●是より始まるは殺劇
「お前が……お前が喜劇といったこの劇は、まだ終わってない」

 敵の威圧に足が震える、恐怖が押し寄せる。
 けれど、負けてたまるか、怯えてたまるものか。

「お前も、この劇の登場人物だ。勝手に観客気分になって終わらせるな」

 木目・一葉(生真面目すぎる平凡な戦士・f04853)は、震える心を覆い隠す。
 黒き騎士に対する反骨の心で己を奮い立たせる。

「全くだ、全く面白く無ぇな……!! 特に面白く無ぇのはテメェだ」

 ガルディエ・ワールレイド(黒竜の騎士・f11085)は、一端の騎士である。
 だからこそ、外道に成り果てた彼を決して許せはしない。
 
「騎士の誇りにかけて、この戦いは絶対に勝つ!! もうテメェに騎士の誇りなんて言っても通じねぇんだろうがな!!」

「誇り? 誇りか。クハハ、そんなものが何になる。そら、そんなもので何が守れる? 何に勝てる? クハハハハハ!! 所詮力が全てよ」

 騎士の誇りを高らかに掲げたガルディエ・ワールレイドに哄笑する。
 誇りなんてものは外道に堕ちた彼には最早無い。
 彼にあるもの、それは自らの享楽を満たす事のみ。

「……負けられるか……!!」

 木目・一葉はグレートアックスを構え、斬りかかる。
 黒き邪悪なる騎士は大振りの剣でそれを防ぎ、切り返そうと刃を翻す。
 しかし、発生した隙をガルディエ・ワールレイドが両手に構えたハルバードと長剣。
 その片手に構えた長剣にて斬り伏せようと振るう。

「ぬう!!」

 黒騎士がその一撃に声をあげ、剣を持たぬ手の篭手で受け止める。

「隙だらけなんだよ!!」

 そうして生じた刹那に、複合魔槍斧ジレイザの一撃が突き立ち、大きく吹き飛ばす。
 虚空で宙返りし、重々しい音をあげ着地した黒騎士は、首を数度触れば。

「なるほど、なるほど。唯人ではなかったか。この本能より沸き立つ感覚。なるほど、なるほど」

 黒騎士は呵々大笑する。嗚呼、これは紛う事なき敵であると。
 自らの本能がこれらを殺せと叫んで昂ぶっている。

「……ッ……怖くなんてない……ッ!!」

 発された殺意に怖気づきそうになる木目・一葉。
 元より、気の弱い自身を覆い隠そうと戦士を演じているだけの少女。
 けれど、その心を奮い立たせる。
 ――――この惨劇を、喜劇なんて安直な一言で、片付けさせてなるものか。

「はっ、やれるな!!」

 己の心を奮い立たせ戦士たらんと務める木目・一葉を見やり告げるガルディエ・ワールレイド。
 それに対して木目・一葉は頷いて返せば……。

「上等ぉッ!!」

 ハルバードを構え、グレートアックスを構え。
 二人の猟兵は黒き騎士に切りかかっていった。

成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​

リズ・ルシーズ
【SPD】
全世界サイボーグ連盟の猟兵がいれば、協力して戦うつもりだよ!

やっぱり母体として造られた身としてはさ、ちっさい子殺されちゃったら嫌っちゃうのも仕方ないと思うんだ

Re-Aを起動してリアと一緒に敵の撹乱をするつもり
ナノワイヤーを使って【地形の利用】をしながら【空中戦】で【逃げ足】を使って敵を撹乱するよ。当たりそうなときは【見切り】で避けれたらいいな

ふっふっふ、逃げ足なら少しは自信あるんだ!

攻撃は得意じゃないけど、近づいてきたのになら【捨て身の一撃】で攻撃すれば、ボクの刻印でもそれなりに効くんじゃないかな

負傷したらRe-Aを解除して体の管理はリアに任せるよ。まだ死んじゃうつもりはないからね!


レクイエム・アビス
【POW】全世界サイボーグ連盟の方々と参加。(真の姿としては亡念のザムドというアニメに出てくるアキユキザムド(主人公)の姿が黒くなった物になります)
レクイエムがこの世の物ではない雄たけびをあげながら全身が泥で覆われ出て来た姿は異形の怪物。ウィンディとリズの動きで敵に隙が出来た段階で腕をパイルバンカーに変化させて突撃。UCを発動させながらパイルバンカーを更に巨大化させ【怪力】【力溜め】【鎧砕き】【鎧無視攻撃】【捨て身の一撃】【呪詛】を使い一撃を騎士にあてる。その一撃で沈まなかった場合は腕を槍に変化させて応戦。
戦闘終了後は異形の怪物の姿を維持したままウィンディの手伝いをする


ウィンディ・アストレイ
全世界サイボーグ連盟の方が居れば連携を。アドリブ&絡みOKです。

「遺言はそれで、以上でしょうか?
しかと聞き遂げましたので…どうぞ、過去へのご帰還を」

【POW】
『Blanches Aile』を推力全開にして『残像』を発しながら
オブビリオンに向かい突進(ダッシュ&ジャンプ&先制攻撃)
その勢いを乗せたインフラックス・バンカーで、敵装甲を撃ち貫きます。
(鎧砕き&鎧無視攻撃)
一撃を撃ち込んだら火器の『一斉発射』を行いつつ大きくバックジャンプ。
仲間や味方が攻撃を行う為の射線を明け渡します。

戦闘後には可能なら、磔にされた子供の治療(医術)の後
内部探索を行います。
まだ囚われている子供が居るかも知れませんから…



●鋼の義骸たち
「遺言はそれで、以上でしょうか? しかと聞き遂げましたので……どうぞ、過去へのご帰還を」

 ウィンディ・アストレイ(W-ASTRAY・f09020)の白き翼より放たれる残光。
 それは彼女の姿を霞ませ、無数にも存在するように思わせる。

「インフラックス・バンカー、展開」

 展開したステークが黒騎士を捉え、撃ち穿つ。
 その漆黒の鎧が砕かれ、肉を抉り、血を散らす。

「……ッ!? 奇っ怪な武器を使う!!」

 超科学の結晶たる武器は、黒き騎士にはわからない。
 されど、それが驚異であるとしれたが故に、剣を振るい、距離を取ろうとする。
 だが、距離を取ろうとするのであれば好都合。

「ツイン・ビームシリンダー、バスターライフル展開」

 放たれる一斉射撃。
 轟音をあげ、光弾が乱舞し、炸裂し、粉塵が立ち込める。

「ヌ、オオオオオオオオ?!」

 その未知の攻撃に晒されながらも、黒騎士は剣を振るい、粉塵を払う。

「やっぱり母体として造られた身としてはさ?」

 粉塵が晴れる頃、リズ・ルシーズ(Re-Z・f11009)がすでに踏み込んでいた。
 放たれた内蔵式のナノワイヤーは黒騎士の手足に絡みつき、その動きを封じる。

「ちっさい子殺されちゃったら嫌っちゃうのも仕方ないと思うんだ」

「元より、貴様らに好かれようと言う気などないッ!!」

「うんうん、わかってるよ。だからやっちゃえ、Re-A!!」

 物質化した生命維持システム、Re-A。
 それがさらに放たれたナノワイヤーを絡め取り、黒騎士の動きをより困難にさせていく。

「小癪な真似、をぉぉぉぉッ!!」

 黒騎士はその、桁外れの膂力を用いて、無理やり大剣を振るう。
 されど、その大振りで、雑な攻撃ではリズ・ルシーズを捉える事は困難。
 すでに彼女の身は高く、虚空に飛び上がっていた。

「レクイエム、いっちゃえ!!」

 その言葉に答える機械人形たるレクイエム・アビス(呪われた人形・f09861)の身は変貌していた。
 全身を汚泥で覆いながら晒した姿は正に異形の怪物。

「Aaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaah!!」

 常人には理解しがたい絶叫を響かせながら、異形の怪物と化したレクイエムは、リズ・ルシーズのナノワイヤーで動きが封殺された黒騎士に肉薄する。

「なん、と言う奇っ怪な姿!! クハハハ、このような怪物が世に存在していたとは!!」

 己と近しい存在なのか、あるいは全く別のものなのか。
 それはわからない。されど黒騎士は哄笑する。
 歓喜なのか、それとも侮蔑なのか、それすらも最早彼には分からない。
 レクイエム・アビスの巨腕が殴りつけるように黒騎士に放たれる。
 その身がくの字にへしゃげた瞬間、巨大な炸裂音が鳴り響く。

 それこそがレクイエム・アビスの持つ対オブリビオン決戦兵器試作零型。
 名をブリューナク。呪詛を圧縮した鉄杭を放つ巨大射突武装である。

「オオォォォォオオオオオッ!!」

 その身を焼く呪詛、そして、巨大な風穴をその腹部に開けられ絶叫を響かせる黒騎士。
 されど、その身は未だあり。されど、その戦意は衰える事なく。

「クハ、クハハハ、クハハハハハハハハハハッ!!」

 未だなお、哄笑し続ける黒騎士に、鋼の義骸を持つ猟兵たちは挑み続ける。

成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​🔴​

ガルディエ・ワールレイド
「魂は腐りきっていやがるが、腕前は認めざるを得ねぇな」

リズムを変えるか
【黒風鎧装】っ!
真の姿を開放して黒いドラゴンになる
それまでの敵の戦闘パターンを考慮しつつ猛攻をしかけるぜ
逆に敵は、今の俺の戦闘方法に慣れるまでに僅かでも時間がかかる筈!

爪や牙を用いて【2回攻撃】のように連続攻撃し、相手に負傷を与えたら【吸血】【生命力吸収】で少しでも傷を治す
攻撃も【捨て身の一撃】じみたスタイルへ
相手が回り込もうとすれば尾で【薙ぎ払い】
とにかく攻勢を維持するぜ

・戦闘後
生きてる奴らを助けねぇとな……
(少しだけ立ち止まり)
……力が重要なのは間違いねぇ
今の俺だって異形の力を使った
だが、それが全てっていうのは間違ってる



●異端の黒騎士、異形の竜
「魂は腐りきっていやがるが……」

 幾度の剣戟を超え、多くの猟兵たちの攻撃を受け。
 なおも佇む黒き異端の騎士。

「腕前は認めざるを得ねぇな……なら、見せてやるよ……!!」

 ガルディエ・ワールレイド(黒竜の騎士・f11085)は黒風を纏う。
 そして、曝け出された姿は異形の黒竜。
 彼の故郷にて語られていたと言われる異端の神の一柱。
 それと酷似した黒竜の姿を見やれば、黒き騎士は笑う。

「クハハ、クハハハハ、クハハハハハハッ!! なんだ、なんだそれは!! 騎士の誇りを語りながら、所詮貴様も我等と同じ異端の一柱に過ぎんではないかッ!!」

 哄笑しながら、騎士は剣を振るう。
 ガルディエ・ワールレイドは、その爪牙を振るう。
 幾度となく甲高い音が響き渡り、そして、次に響くのは甲高い破砕音。

「へし折らせてもらったぜ!!」

 それは、黒騎士の剣が折れた音、虚空を斬り裂く音を響かせ、地に突き立つ。
 そうして生じた隙を突き、大質量の尾で薙ぎ払う。

「クハ、クハハハ、クハハハハハハハッ!!」

 それでも、それでもなお。
 黒き騎士は笑い続ける。
 その身はすでに戦える体裁ではない。
 腹部に風穴を開け、腕は鋼糸よりも細く綴られたナノワイヤーでずたずたにされ。
 黒き鎧も光熱線で焼け焦げた痕が無数に残る。
 それなのに、何故この騎士は今もなお、戦意を高ぶらせ戦い続けるのか。

「そうだ、そうだそうだそうだそうだ、力を示せ、我が仇敵!! 己が正しいと嘯くのならば力を、力を、力を!!」

 ――――彼のその信仰はある意味で純粋なのかもしれない。
 純粋で無垢な、力と言うそれに対する信仰。それは狂信でもあった。
 なるほど、力さえあれば成し遂げられる事は多い。

「……力が重要なのは間違いねぇ……だが、それが全てっていうのは間違ってる!!」

 黒き竜は咆哮をあげ、今もなお佇む黒き騎士へと襲いかかる。
 折れた大剣を構え、黒き騎士はなお叫ぶ。

「さあ、力を、力を、力を、力をぉぉぉぉぉぉぉぉッ!!」

 伝説にも似た異形の竜と異端の黒騎士の戦いはいまだ終わる気配を見せなかった。

成功 🔵​🔵​🔴​

ビリー・ライジング
……憤怒する者って俺の事か?悪いが褒美と名誉は間に合ってる。
「代わりに俺からお前に送るものがある。過去に還ってもらうぜ」

行くぞ、ミリィ(f05963)。お前に合わせる。『例のアレ』をやるぞ。

真の姿は解放。
見た目は変わらないが、魔法剣がレイピアに変化。

トリニティ・エンハンスは水の魔力を纏い、防御力を重視する。

「お前のその力……俺のユーベルコードに近しいな。
でも代償が血液なら、これで洗い流せるだろ?」

水の魔力をレイピアに込めて、【属性攻撃】。
武器を集中的に攻撃して、装備武器に付いた血液を洗い流す。
敵の反撃にも、レイピアで鍔競り合いに持ち込む。

「俺の狙いはそれだけだ。本命はミリィに任せているのさ!」


ミリィ・ライジング
愉快?愉悦?喜劇?
「その発想、狂ってるよ。悲劇の間違いじゃないの?」

お兄ちゃん(ビリー・f05930)、『例のアレ』って……分かった!

真の姿は解放。
見た目は変化しないけど、私に憑いてる陰陽師の亡霊が傍に現れる。
(亡霊は周囲の猟兵、敵にも可視出来る)

「出番よ。『私』に力を貸してちょうだい!」

降魔化身法で亡霊を宿して、超強化。

速さを活かして、敵の装備武器に向けて、手裏剣や霊符を投げつける。
霊符の【破魔】で装備武器の封印を強めて、武器を砕く。
反撃も素早く回避して、【暗殺】能力で武器に標的を定める。

「たとえ、あなたを倒せなくても、私達は意味のない行動は取らない!」
「無敵の兄妹、なめるんじゃないわよ!」



●黄金の太陽、白銀の月、無敵の兄妹
「悪いが、褒美と名誉なら間に合ってるんでな」

 ビリー・ライジング(輝く黄金・f05930)が告げる。
 真の姿を解き放ち、魔法剣がその身をレイピアへと変貌する。

「代わりに俺からお前に贈り物だ。過去に還ってもらうぜ!!」

 彼のユーベルコードが発動し、逆巻く水の魔力がレイピアに纏わりつく。
 水流を纏ったレイピアを突きつけ、告げる。

「行くぞ、ミリィ。お前に合わせる。"アレ"をやるぞ」

「お兄ちゃん……アレって……。……わかった!!」

 ミリィ・ライジング(煌めく白銀・f05963)は兄からの言葉に頷く。
 そうして解き放つは真の姿、彼女に憑依している陰陽師の亡霊。
 過去の残照たる一つが彼女の傍に浮かび上がる。

「出番よ、私に力を貸してちょうだい!!」

 承知、と言う声が響いた気がした。
 陰陽師の亡霊の力がミリィ・ライジングに宿る。
 その体が賦活され、活性化し、ミリィ・ライジングに恐るべき力を宿す。

「お前のその力……俺のユーベルコードに近しいな……!!」

 血塗れた折れた大剣を振るう黒騎士にビリー・ライジングが告げる。
 一合、一合と打ち合わせるごとにその血は水の魔力によって浄化されていく。

「ク、ヌ、オオオオオオッ!!」

「それの代償は血そのもの……なら、これで無力化できる!!」

 また一合、レイピアと大剣が打ち合い、その大剣から力が失われていく。
 腹に風穴を開け、瀕死の体裁ながらも黒騎士は反撃をしていく。
 されど、されど。

「俺の狙いはそれだけだ。本命は……ミリィ、いけ!!」

 ビリー・ライジングの声が響き、黒騎士が気づいた時にはすでに執着だった。
 その身はすでに黒騎士の背後にあり、手にした刃はすでに騎士の首にかかっていた。

「その発想、狂ってるよ……!! 悲劇の間違いじゃないの!?」

 ミリィ・ライジングの叫びと共に、一閃。
 真紅が横筋に走り、彼女が離れると同時に雨となって地下祭壇を染める。

「クハ……クハハハ……力……ちか……ら……」

 それでもなお。黒き騎士は笑い続けた。
 あるいは、嗤い続けた。その身が地に墜ち、躯の海へと還る。
 純粋なる力の信望者。あるいは力を信じたからこそ、吸血鬼の傘下に下ったのか。
 それは今となっては分からない。されど、その力の残照はここに潰えた。

●それでも、悲劇の雨は止まない
 黒騎士を葬った後。猟兵たちは生き残りの子供たちを助けた。
 そう、その数は少なくとも、助けられる命はあった。

 されど、この地を支配し、圧政を続ける吸血鬼の姿がある限り。
 このような悲劇はどこまでも続いていく。
 いつか、必ず屠る――――そう決心を固めながら。
 猟兵たちはオブリビオンを屠り、一つの事件の幕を下ろしたのだった。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​



最終結果:成功

完成日:2019年01月05日


挿絵イラスト