頬が薔薇色だったから
#ダークセイヴァー
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●ありふれた悲劇
強者が弱者を蹂躙する理由というものは、得てして理不尽なものである。
たまたまその地に住んでいるから。その日外に出ていたから。
薔薇色の頬が鮮やかで、美味しそうな血が流れていそうだから。
たったそれだけの理由で、その少女は生贄として領主に捧げられることになったのだ。
「すまないねぇ……本当にすまないねぇ……」
少女を後ろ手に縛りながら、村の男たちが口々に謝り続ける。
「大丈夫。私ひとりが犠牲になれば、皆殺しにされずに済むのでしょう?」
気丈に振る舞う少女の声が、僅かに震えていた。
そうして少女は村外れの広場に縛り付けられ、連れ去られるのを待つこととなった。
夜が更ければ領主の遣いが村を訪れ、少女を攫っていくのだろう。
これはこの光なき世界ではごくありふれた、どうしようもない悲劇の光景である。
●光さすとき
「許せない事件を予知したの。みんな、力を貸して!」
フォンミィ・ナカムラ(スーパー小学生・f04428)が、集まった猟兵たちに強く呼びかけた。
「場所はダークセイヴァーの小さな村。一人の女の子がヴァンパイアの領主に目をつけられて、生贄として捧げられそうになってるの。この女の子を助けて、元凶のヴァンパイアを倒してきてほしいの!」
ひとり生贄を捧げるか、村ごと餌食になるか。
そんな理不尽な要求を、昔からこの村の住人は事あるごとに突き付けられ続けているのだという。
「まずは村の人たちを説得して、女の子を生贄に捧げるのをやめさせてほしいの。みんな内心ではこんなのイヤだと思ってるはずだから、しっかり話せばちゃんと聞く耳持ってくれると思うよ」
この理不尽が日常的に行われていることとはいえ、村人たちも納得して従っているわけではない。
心を込めた熱い言葉や論理的な説得、また力を見せつけて村を守る意志を見せつけるのもきっと有効だろう。
「今から向かえば、女の子が広場に連れてこられたタイミングで介入できるよ。この村を昔から襲い続けてる悲劇、ここで食い止めないとだよね!」
強い正義感を込めて拳をぐっと握ると、フォンミィは猟兵たちを現地へと送り出すのだった。
椿初兎
椿初兎です。
よろしくお願いします。
第一章は村人の説得。
第二章・第三章は特にギミック等ないシンプルな戦闘になります。
●現場について
村の家々から少し離れたところにある広場です。
足場は良好、遮蔽物はなし。
派手なユーベルコードを使用しても民家などに影響は出ないので、戦闘になれば何も気にせず思いきり戦えるでしょう。
皆様のプレイングをお待ちしております!
第1章 冒険
『贄の祭』
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POW : 贄となる人間を周りの村民から身を呈して守る
SPD : 処刑から贄を連れて逃げ回る、背後などを取って気絶させる
WIZ : 言葉巧みにこの行いをやめるよう説得
👑11
🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔴🔴🔴🔴🔴🔴🔴🔴🔴
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種別『冒険』のルール
「POW・SPD・WIZ」の能力値別に書かれた「この章でできる行動の例」を参考にしつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。
| 大成功 | 🔵🔵🔵 |
| 成功 | 🔵🔵🔴 |
| 苦戦 | 🔵🔴🔴 |
| 失敗 | 🔴🔴🔴 |
| 大失敗 | [評価なし] |
👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。
葛乃葉・やすな
許せそうにないのう。
この少女は守護らねばならぬ。
まずは村人の説得じゃな。
わし特製のいなり寿司を振舞いながら【コミュ力】【言いくるめ】で話しかけるとしよう。
事情は聞いておる。お主らの気持ちも、少女の覚悟も分かるが、良く考えるのじゃ。生贄を出したところでまた次の要求が来るじゃろう。生贄を出しても出さなくても村は全滅じゃよ。領主はこの状況を楽しんでおるのじゃ。
ならばここはもう一つの選択肢、抵抗じゃ。とは言っても危険じゃから、わし等に任せてみるのはどうじゃろうか。
これなら村の存続の可能性があるのう。やってみる価値はあると思うぞ。
少女へ【手をつないで】言う。
信じてくれるのであれば上手くやってみせようぞ。
シャルロット・リシュフォー
むむ!私、怒ってます!
こんな事を命じる領主も、これが日常なこの世界も!
私は許したくないです!
真正面から村人を説得するです
せめて気持ちだけでも
村で抵抗すると纏まって貰わないと後が大変ですぅ
「私達の話を…いえ、まずはあなた達の話を聞かせて欲しいです
本当はどうしたいのか
どんな未来が欲しいのか
その答えを!」
「あなた達はこの子を生贄に捧げて
胸を張って生きていけるのかと聞いているです!」
「無力なばかりにと嘆くなら、契約の提案です」
「抗う意思を見せて欲しいです
村全体で生贄を拒否すると決められたら、私達が代わりに戦うです」
「否なら、私がその子を連れて逃げます
次の生贄を差し出せば、村は助かるかもです」
【即興可】
村外れの広場へ着いた猟兵たちは、村人たちの到着を待つ。
やがてやってきた村人たちは、皆ひどく悲しそうな表情をしていた。
「私達の話を……いえ、まずはあなた達の話を聞かせて欲しいです」
初めに口を開いたのは、シャルロット・リシュフォー(歌声アステリズム・f00609)であった。
シャルロットが事件の概要を聞いた時抱いた感情は、強く激しい怒りであった。
彼女にとって、この悲劇は『よくある事』でも『当たり前』でもないのだから。
「本当はどうしたいのか、どんな未来がほしいのか、その答えを……!」
まっすぐに真正面から、シャルロットは村人へ問いかける。
「こんな事を命じる領主も、これが日常という状況も、私は許したくないです!」
「……仕方ないんだよ。何年も何十年も、この村はこうして続いてきたんだ」
沈痛な面持ちで、村人のひとりが答える。
「むむ……あなた達はこの子を生贄に捧げて、胸を張って生きていけるのかと聞いているです!」
「じゃあどうしろっていうんだよ!」
シャルロットの正義感と村人のやりきれない気持ち。
二つの感情のぶつかり合いを抑えるように、葛乃葉・やすな(子供好きの妖狐・f14023)が間に割って入った。
「まあまあ。皆まずはいなり寿司でも食べて落ち着くのじゃ」
柔和な表情を浮かべ、やすなは村人たちへ特製いなり寿司を振る舞う。
固く強張っていた村人たちの表情が少しだけ和らいだタイミングを見計らって、やすなは村人へ語り掛け始めた。。
「事情は聞いておる。お主らの気持ちも、少女の覚悟も分かるが、良く考えるのじゃ」
優しく諭すように、やすなは言葉を続ける。
「生贄を出したところでまた次の要求が来るじゃろう。生贄を出しても出さなくても村は全滅じゃよ。領主はこの状況を楽しんでおるのじゃ」
「それは……」
村の皆が目を背けていた事実。
今の状況がただの先延ばしにすぎないことは、他でもない村人たち自身がよく分かっているのだ。
「ならばここはもう一つの選択肢、抵抗じゃ」
「ですです、抗う意思を見せてほしいです!」
やすなとシャルロットが、村人たちを先導するように言葉を重ねた。
「抵抗……?」
「なるほど。俺たちに出来るかな……?」
新たに示された選択肢に、ある村人は戸惑い、ある村人は興味を示す。
ざわつく村人たちを勇気づけるように、シャルロットが口を開いた。
「村全体で生贄を拒否すると決められたら、私達が代わりに戦うです」
強くそう宣言する。
「あなたたちが……?」
戸惑う生贄の少女を安心させるように、やすなが手を取り微笑みを向けた。
「信じてくれるのであれば上手くやってみせようぞ」
「本当に、それで助かるのならば……」
半信半疑。しかし先程より明らかに前向きな色を帯びた村人たちの声。
二人の心からの言葉は、ただ虐げられるだけだった民衆の心に確かに火をつけたようだ。
成功
🔵🔵🔵🔵🔴🔴
シャルロット・ルイゾン
【WIZ】
アドリブ、絡み歓迎。
理不尽な要求。
決して珍しいものではございませんけれど……。
礼儀作法とコミュ力を用いてまずはご挨拶を。
そして、UCを用いて皆様へ語りかけましょう。
視力と聞き耳で相手をよく学習し、より響く言葉を選びますわ。
事情は伺っております。
けれど、彼女を犠牲にするのはお嫌なのでございましょう。
彼女を生贄にするのは一時の気休めに過ぎませんもの。
わたくしのお兄様方は人間には等しく自由である権利があると信じて戦いました。
わたくしは革命の娘。
わたくしたちはあなた様方の力、刃となれるものでございます。
皆様、もし尊厳と自由を取り戻すことをお望みなら
どうかお声を聞かせてくださいませ。
セシリア・サヴェージ
なぜ無辜の民が苦しまねばならないのか……件のヴァンパイアは必ず倒します。その前に村人たちの説得ですね。誠意をもって話せばわかっていただけるはずです。
【礼儀作法】良く丁寧に説得しましょう。私がすでに幾人ものヴァンパイアを葬ってきた猟兵であるということをお伝えして少女の解放を条件に領主の討伐を提案します。
もちろん言葉だけでは納得できないでしょう。UC【闇炎の抱擁】を発動して力を示します。私たち猟兵はこのような特殊な能力を一人一人が持っていると分かっていただければ領主への対抗も可能だと納得して頂けるはずです。
もう怖れる必要はありません。領主は私たちが必ず倒します。信じて頂けますでしょうか…?
アニカ・エドフェルト
確かに、この世界では、よくあること…ですが、放っておく、理由も、ありません。
せっかくのチャンス、無駄には、出来ませんっ
・説得
ほんとうに、それでいいと、思って、いますか…?
(空から降りてきながら)
仮に今回は、これで助かったと、しましょう。
でも、あんな思い付きのような理由で、いけにえを求めてくる領主が、いつ「村全体を潰そう」って、思いついてしまうか…。
大丈夫、同じ世界に、生まれた者として、彼らの強さは、間違いないと、言い切れます。これだけの人が居る、今が反撃のチャンス、ですっ
(《生まれながらの光》で光を振りまいてみたり。聖者の事を知ってる人がいるなら説得力上がりそう?)
(アドリブ発言行動絡み歓迎)
「抵抗、か……」
「本当に、こいつらに任せて大丈夫なのか……?」
ざわめく群衆の頭上に、眩い光が降り注いだ。
「生贄を捧げて、先延ばし……ほんとうに、それでいいと、思って、いますか……?」
光の正体は、アニカ・エドフェルト(小さな小さな拳闘士見習い・f04762)が全身から放つ生まれながらの光であった。
「貴女は……?」
「聞いたことがあるぞ。この世界には、癒しの光を纏う聖なる天使がいるのだと」
輝きながら舞い降りるアニカの姿は、噂に聞く聖者の姿そのもの。
「仮に今回は、これで助かったと、しましょう。でも、あんな思い付きのような理由で、いけにえを求めてくる領主が、いつ『村全体を潰そう』って、思いついてしまうか……」
アニカもまた、この世界に生まれオブリビオンに虐げられてきた身。
同じ境遇の人々を助けるチャンスを無駄にはしたくないと、強い意志を持って村人へ語り掛けた。
「でも、領主様に抵抗するなんて、そんな危険な行為……」
「けれど、彼女を犠牲にするのはお嫌なのでございましょう」
シャルロット・ルイゾン(断頭台の白き薔薇・f02543)が、続けて言葉を重ねる。
恭しくお辞儀をすると、改めて村人たちへ語り掛け始めた。
「わたくしのお兄様方は人間には等しく自由である権利があると信じて戦いました」
この世界では、領主からの理不尽な要求というものは決して珍しいものではない。
だからこそ、戦わなければならないのだ。
「わたくしは革命の娘。わたくしたちはあなた様方の力、刃となれるものでございます」
強く言い切るシャルロット。
安心感を与えるため、自信をもって堂々と村人たちに向き直る。
「皆様、もし尊厳と自由を取り戻すことをお望みなら、どうかお声を聞かせてくださいませ」
「……気持ちはありがたいが、領主様はとても強く危険な存在だ。君たちに辛い役目を押し付けてしまうのではないかと……」
猟兵たちを頼ってよいものか、やはり無理なのではないか。
そんな迷いを断ち切るように、セシリア・サヴェージ(狂飆の暗黒騎士・f11836)が一歩前へ出た。
「大丈夫。私たちはすでに幾人ものヴァンパイアを葬ってきた猟兵です」
手にした剣に暗黒の炎を宿し、演武のように敵を斬る素振りをしてみせる。
その剣さばきは、ただ無辜の民を守るために磨いてきた守護の一太刀。
「わぁ……!」
その剣筋に希望の光を見出したか。若い村人たちが素直な歓声を上げた。
「私たち猟兵はこのような特殊な能力を一人一人が持っています。もちろん、それを使いこなすための戦闘能力も」
だから大丈夫だと示すように、セシリアは歓声を上げた村人へ頷いた。
「大丈夫、同じ世界に、生まれた者として、彼らの強さは、間違いないと、言い切れますっ」
格闘の型を披露するようにシャドーボクシングをしながら、アニカもセシリアに同調する。
「もう怖れる必要はありません。領主は私たちが必ず倒します。信じて頂けますでしょうか……?」
セシリアの呼びかけに、村人たちの半分以上が声を上げた。
立ち上がる意志を見せた村人たちへ、シャルロットの言葉が響く。
「改めて……わたくしたちは、全力を尽くして、あなた様方の自由を取り戻させていただくことを、ここに宣言いたします」
成功
🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔴🔴🔴
タマコ・ヴェストドルフ
わたしは他のヴァンパイアの領地から逃れて来た旅人です
わたしが逃げたことで故郷の家族は皆殺しにされました
追手にも狙われ続けて
いつ尽きるとも知れない命です
わたしも先のない逃亡に疲れました
生きることに疲れました
この村のみなさん
特にこの子のご家族はこの子を領主の生贄に捧げるのはイヤなはずです
次にいつ生贄を求められるのかはわかりません
それでも今回はわたしをこの子の代わりにしてはもらえないでしょうか?
暗い未来を先延ばしにするだけかもしれません
意味なんてないかもしれません
それでもわたしはもう疲れました
この村にとって
みなさんにとって今回はその子が生き延びるべきです
どうか代わりにわたしを領主に差し出してください
明智・珠稀
あぁ…事情を理解し、その身を捧げる少女……!
その姿、心意気、美しいです…!
護ってさしあげましょう、少女を。そしてこの村の人々を…!ふふ!
■説得
私は、護りたいのです。
少女も、村の皆様も。
きっと、このいくらかの猟兵によって、生活が変わるだなんて
想像にも及ばないでしょう。
ですが、私達には力があります。
(UC【どちらがお好みですか?】を発動し、女性型明智を呼び出し)
『その少女の愛らしさには叶いませんが、私が囮を代わりましょう』
彼女は、ある程度距離が離れれば消えます。
それで村に攻め入ったとしても。
私達は皆様を護るために命をかけて闘います。
どうか、私達の力を信じてくださいませんか?
※アドリブ&絡み大歓迎!
シホ・エーデルワイス
アドリブ&味方と連携歓迎
事前に私の意図を仲間へ伝える
私が携わった生贄を阻止する依頼は約12件目
…何度遭遇しても嫌な話しです
(最近依頼で生贄になった記憶を思い出し
思うところがあります)
村人へ<優しさ、コミュ力、礼儀作法、覚悟、勇気>で
私が少女に<変装>して身代わりとなる事を交渉
安心させる事を優先
個人的な理想や正義感を押し付ける気はありません
今回皆さんが生贄を捧げない事を選んだら
皆さんの命を私達が預かる事になるのと同じだと理解しています
だから私が生贄の身代りになりましょう
力は怪我人や病人を【祝音】で癒してみせる
説得成功時
少女に<変装>して広場で待ち
怯えるふりをしながら敵を油断させて<おびき寄せ>る
コルチェ・ウーパニャン
言葉巧みに! …っていうのはコルチェ、ニガテだけど…
でも一生懸命お話すれば、きっと分かってもらえるよね!
ねえねえ、その生贄、ちょっと待ったー!!
ホントはこんなことしたくないの、コルチェたちはお見通しだよ!
ちょっとコルチェたちに任せてみない?
万が一コルチェたちが失敗したら、生贄の数はずっとたくさんになるよ。
それもそれで、領主への言い訳に使えるし……
(髪の毛をピカーと光らせて)
ほーらコルチェ、げんきいっぱい!
あの子より生贄向きだと思うなあ。ね、そうでしょ。そうしよ。ね。
コルチェみたいなお人形にも真心はあるんだもん。
コミュ力を使ったり手をつないだり、
コルチェなりに一生懸命親身になって説得するよ!
猟兵を信じ、領主への抵抗に燃える村人たち。
しかし、中にはまだ恐怖に怯え立ち上がる勇気を持てない者もいた。
「隣の村は、領主様に一夜にして滅ぼされてしまったのじゃ。この村もああなってしまったら……」
すぐ隣に迫る惨劇に怯え、瞳を曇らせる者たち。
彼らを動かすには反撃への先導だけでは足りないようだ。
「どうしても生贄が必要ならば、彼女の代わりがいれば良いのでしょう?」
まずそう切り出したのは明智・珠稀(和吸血鬼、妖刀添え・f00992)であった。
「その少女の愛らしさには叶いませんが、必要とあらば私が囮を代わりましょう」
珠稀はそう言うと、自身を女性化させた存在を隣に喚び出した。
鏡写しのように珠稀と同じ顔をした美女が、村人たちへ恭しくお辞儀をする。
「私は、護りたいのです。少女も、村の皆様も」
事情を理解し村のために身を捧げようとする少女。
その心意気の美しさを、少女が愛した村を護りたい。
珠稀は、そう強く願っていた。
「彼女は、ある程度距離が離れれば消えます。それで村に攻め入ったとしても……私達は皆様を護るために命をかけて闘います」
強い意志をこめ、珠稀は村人へまっすぐ向き合う。
「どうか、私達の力を信じてくださいませんか?」
「でも……」
珠稀へ反論しようとする村人の前へ、タマコ・ヴェストドルフ(Raubtier・f15219)が立った。
「もし立ち向かうのが不安ならば……どうか代わりにわたしを領主に差し出してください」
強い意志を込めた声音で、タマコは村人たちへそう告げた。
「暗い未来を先延ばしにするだけかもしれません。意味なんてないかもしれません。それでも……みなさんにとって今回はその子が生き延びるべきです」
更にタマコは、村人の気持ちへ寄り添うように自らの境遇を語り始める。
「わたしは他のヴァンパイアの領地から逃れて来た旅人です」
タマコが逃げたことで、故郷の家族は皆殺しにされてしまった。
悲劇に背を向け進んだ先にあったのは、休みなく追手に狙われ続ける逃亡の日々であった。
「わたしは……生きることに疲れました」
ふとタマコが零した言葉は、立ち上がる勇気を持てない人々の心にそっと寄り添ったのであった。
「ねえねえ、その生贄、ちょっと待ったー!!」
しんみりと悲しい空気を打ち砕くように、コルチェ・ウーパニャン(ミレナリィドールのブラスターガンナー・f00698)が声を上げた。
「ホントはこんなことしたくないの、コルチェたちはお見通しだよ! ちょっとコルチェたちに任せてみない?」
暗い空気を打ち砕くように、敢えて明るい声でコルチェが言う。
魔法光ファイバーの髪に励ましの光を宿すと、飾らない素直な言葉で村人たちへ気持ちを伝えた。
「ほーらコルチェ、げんきいっぱい! コルチェたちなら、この子の代わりに生贄になっても大丈夫だよ。ね、そうでしょ?」
村人の手を取り、まっすぐな瞳で語り掛ける。
それは言葉巧みな交渉事が苦手なコルチェなりの、精一杯の真心の伝え方であった。
「……皆様のお気持ちはありがたいです。けれど……」
暗く重い面持ちで、村の女性が口を開いた。
「あの日、この子は領主様に顔を見られてしまったのです。代わりの生贄を用意したとして、納得してもらえるかどうか……」
女性の言葉を受け、申し訳なさそうに生贄の少女が目を伏せる。
「大丈夫。どうか顔を上げてください」
俯く少女に優しく声をかけたのは、少女そっくりに変装したシホ・エーデルワイス(捧げるもの・f03442)であった。
「こうすれば、代わりの生贄を用意したとすぐには感づかれないでしょう」
今回村人が生贄を捧げない事を選んだら、彼らの命を自分達が預かる事になるのと同じだとシホは理解していた。
だから、自分が身代わりを申し出たのだ。
「こうして変装すれば、まったくの別人がなりすましているとは気づかれないでしょう。だから、安心してください」
村人たちが少女とシホを見比べ、目を丸くしていた。
やがて、村長と思しき男が、猟兵たちへ頭を下げた。
「貴方たちの意志、受け取りました。どうか……どうかこの村を、お救いください」
そうして、村人たちは踵を返すのであった。
村人たちが各々の家へと戻った後。
他の猟兵たちが物陰で見守る中、生贄の代わりを申し出た4人だけが広場に残ることとなった。
「……何度遭遇しても嫌な話しです」
ぽつりとシホが呟く。
生贄を阻止するのは、これで12回目だった。
「何度でも、護ってみせましょう」
珠稀が言うと、隣に立つ女性化珠稀も静かに頷いた。
「そうだよ! がんばろ、ね?」
コルチェとタマコもまた、来るオブリビオンとの戦いに向けて闘志を燃やす。
ありふれた悲劇を阻止するための防衛戦。
戦いの火蓋が切って落とされるまで、あと少し――。
成功
🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔴🔴🔴🔴
第2章 集団戦
『篝火を持つ亡者』
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POW : 篝火からの炎
【篝火から放たれる炎】が命中した対象を燃やす。放たれた【赤々と燃える】炎は、延焼分も含め自身が任意に消去可能。
SPD : 篝火の影
【篝火が造る影に触れた】対象の攻撃を予想し、回避する。
WIZ : 新たなる亡者
戦場で死亡あるいは気絶中の対象を【自分と同じ姿の篝火を持つ亡者】に変えて操る。戦闘力は落ちる。24時間後解除される。
イラスト:トギー
👑11
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種別『集団戦』のルール
記載された敵が「沢山」出現します(厳密に何体いるかは、書く場合も書かない場合もあります)。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
| 大成功 | 🔵🔵🔵 |
| 成功 | 🔵🔵🔴 |
| 苦戦 | 🔵🔴🔴 |
| 失敗 | 🔴🔴🔴 |
| 大失敗 | [評価なし] |
👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。
やがて夜が更け、月明りだけが辺りを照らす頃。
亡者の一群が、広場へ迫ってきていた。
「……?」
目指す先の光景を見て、先頭を行く亡者が訝しげに首を傾げる。
そこで待つ生贄の少女たちは――果たして本当に只の人間なのであろうか?
戸惑いながら足を止める亡者たち。
だが、その隙は猟兵たちにとって好機。
一気に攻勢をかけるなら今しかない!
シホ・エーデルワイス
アドリブ&味方と連携歓迎
事前に私の意図を仲間へ伝える
<変装>自体を見破られていなかったら
生贄の少女が戦う力に目覚めた風を装いながら戦い
人家に注意が行かないよう<おびき寄せ>る
初めての戦闘で緊張しおっかなびっくりしている振りをしながら
【祝音】で味方の回復を優先
攻撃の余裕があれば
聖銃ピアを震える両手で構えて撃つ
<フェイント、誘導弾、援護射撃>で当たらなそうで当たるか
外れても味方の攻撃が当たりやすいように撃つ
敵の攻撃も<フェイント、第六感、見切り>で運よく回避
当たっても<オーラ防御と火炎耐性>で
神秘的なオーラに守られている様に見せる
変装を見破られたら【華霞】を<フェイント、誘導弾、水属性攻撃>で放つ
シャルロット・リシュフォー
この村にある問題の大半は、シンプルな解決策があるんですよね
つまり――この場からただの1体もオブリビオンを帰さないこと
「村の皆様に抗え、と説いた以上…勝利以外は許されないです。猟兵の名の通り、狩り尽くして差し上げますです」
優しさだけでは救えないものがあるなんて、私とっくに知ってるのです
囮に気を取られている隙に
隠れていた物陰から【クリスタライズ】を使用しつつ飛び出すです
一気に距離を詰めて双子剣で攻撃
すぐに離れて物陰へ
のヒットアンドアウェイを繰り返し亡者達を仕留めていきますぅ
狙いとしては、集団で固まっているのよりも少し孤立気味の相手の方が良いですね
「あるべき場所へお還りなさいですぅ」
【アドリブ歓迎】
宵闇に怯えたふりをしながら、シホ・エーデルワイス(捧げるもの・f03442)は亡者たちの様子を見た。
「(どうやら、相手はこちらの意図に気付いていないようです。それなら)」
目をぎゅっと握り身体を縮こまらせながら、シホは全身に慈愛の光を宿らせる。
『――!』
その仕草を見、ただの村娘風情と侮ったか。亡者たちがシホを捕えようと歩みを進めた瞬間――。
「今です!」
突如として目の前にシャルロット・リシュフォー(歌声アステリズム・f00609)が現れ、先頭を行く亡者へ双子剣の二撃を浴びせかけた。
どさりとその場に倒れ伏す亡者。
『――!?』
反撃しようと後続の亡者が篝火を向けるが、既にシャルロットの姿はそこにはなく。
「あるべき場所へお還りなさいですぅ」
きょろきょろと辺りを見回す背に、金銀の刃が降り注いだ。
「村の皆様に抗え、と説いた以上……勝利以外は許されないです」
物陰で次の攻撃のタイミングを伺いながら、シャルロットは村のことを思った。
この場からただの1体もオブリビオンを帰さないこと。それが、自分たちに出来るシンプルで確実な解決策。
優しさだけでは救えないものがあるなんて、とっくに知っているのだから。
「猟兵の名の通り、狩り尽くして差し上げますです」
透明化して亡者へ駆け寄り、確実な打撃を与えまた物陰へ。
そうして何体かの亡者を仕留め、また闇へ紛れようとした時。
「きゃあ!?」
何者かに足を掴まれ、シャルロットはその場に倒れ込んだ。
足の先をよく見ると、倒したはずの亡者がしっかりとシャルロットの足首を掴んでいる。
振りほどこうと足掻くシャルロットに、一人また一人と亡者の残骸が群がる。
「離してくださいですっ!」
身動きのとれないシャルロットに亡者が迫る、まさにその時。
ぱん、と乾いた銃声が響き、亡者の動きが止まった。
「私も、援護します」
生贄少女の演技を続けるシホが、震える手で自動小銃を亡者へ向けていた。
「当たってください……!」
まるで護身用のハンドガンを初めて撃つかのような手つきで、一心不乱に引き金を引く。
反動でぶれる十字の発射炎が、ひとつふたつと夜闇に光る。
放たれた光の精霊弾が、急所を大きく逸れ亡者の脚や腕に当たった。
「さすがに仕留められないですが……」
だが、それこそがシホの作戦。
「隙ありですっ」
怯んだ亡者めがけ、シャルロットが自由の利く左手で金色の刃を振るう。
亡者が倒れると同時に、術が解けたように亡者の残骸の力が緩まった。
「大丈夫ですか? 今手当てします」
「助かりますっ!」
慈愛の光に照らされ傷が癒えたシャルロットが、シホを狙う亡者へと刃を向ける。
「もう同じ手は食らわないですぅ!」
蘇生の術を使われないようにと、シャルロットは亡者を切り刻むように双子剣を閃かせるのだった。
成功
🔵🔵🔵🔵🔴🔴
セシリア・サヴェージ
来ましたか……私たちが待ち構えているとも知らずに。敵が生贄役を買って出た方々に気を取られている隙に側面もしくは後方から突撃し【先制攻撃】を仕掛けましょう。不意を突いて敵軍に混乱を招くのです。
返り血を浴びた身体が熱くなっていくのが分かる……UC【血に狂う魔剣】の影響か。ふふっ、いいぞ!全て狩り尽くしてやろう!
奴らが放つ炎など私は恐れない。【激痛耐性】と【気合い】で無理矢理突破してやる!肌が焼ける臭いが今の私には心地よいものにすら感じる。
視界に入る全ての敵を暗黒剣で【なぎ払い】、両断してやろう。
……悪鬼と化したこの姿。できることならば村人たちには見せたくありませんね……。
前方での戦いに気を取られている亡者たちへ、セシリア・サヴェージ(狂飆の暗黒騎士・f11836)は後方から不意打ちを仕掛けた。
『――!』
暗黒剣が亡者の首を斬り落とし、破れたフードから赤黒い血液が噴き出す。
返り血に塗れ、セシリアは身体が昂っていくのを感じていた。
「さあ、喰らい尽くしてやるぞ」
群がる亡者の群れをなぎ払うように巨大な刀身を一閃。
胴を切り裂かれた亡者たちが倒れ伏し、足元を赤黒く染めていく。
「ふふっ、いいぞ!」
高揚を隠しもしない様子で、セシリアは敵中へ突っ込んでいく。
恐れをなした亡者が篝火を投げつけ、赤々と膨らんだ炎がセシリアの肌を灼いた。
「そんなもの、私は恐れない!」
肌が焼け焦げる熱さなどものともしない様子で、セシリアは目の前の亡者をただただ斬るのみ。
「はぁぁっ!」
亡者たちの首が飛び、胴が裂け、焼け焦げる肌の臭いが濃厚な血の臭いで上書きされていく。
その臭いにすら、今のセシリアは心地良さを感じていた。
「全て狩り尽くしてやろう!」
朝を迎える前に、一匹残らず屠ってしまおう。
――この悪鬼の貌を、村人たちに見せるわけにはいかないのだから。
成功
🔵🔵🔴
コルチェ・ウーパニャン
来たんだね、領主さんからのお迎えが!
クイックドロウで素早く抜いたピカリブラスターで、
亡者さんたちのおでこをキュルルルーン!!
亡者さんたちも昔は生きてた人間だったんだろうな。
生贄の女の子も、フォンミィちゃんの予知が間に合わなかったら、この中に混ざっていたのかも。
だからあんまり、痛くないように。びっくりさせないように。
これでもう、領主さんのいうことを聞かないですむんだよ、
奴隷みたいに働かされなくていいんだよって教えてあげたいけど、
怖い思いをさせない方がだいじ、だと思うから……
だから、先手必勝!!
ピカリブラスターのスピードには、誰も追いつけないんだから!
だから……
骸の海で、ゆっくり、おやすみなさい。
「来たんだね、領主さんからのお迎えが!」
髪を正義感の色に染め、迫る亡者をピカリブラスターで素早く撃破。
「ピカリブラスターのスピードには、誰も追いつけないんだから! だから……」
コルチェ・ウーパニャン(ミレナリィドールのブラスターガンナー・f00698)は、戦いの最中で亡者たちの生前を思い心を痛めていた。
「(生贄の女の子も、予知が間に合わなかったら、この中に混ざっていたのかも)」
彼らは、この地で死んだ村人たちのなれの果てなのかもしれない。
「だからあんまり、痛くないように。びっくりさせないように」
篝火の影をギリギリで回避しながら、眩い熱線をひとつずつ。
素早くかつ正確に狙いすまされた銃口は、亡者たちの額を確実に捉えていた。
「本当なら、みんなとお話したいんだけど……」
これでもう、領主の言うことを聞かずに済むのだと。
奴隷のような扱いから解放されるのだと、教えてあげたいのだけれど。
「怖い思いをさせない方がだいじ、だと思うから……!」
だから、一撃で仕留めていく。
必要以上に苦しめないように、きちんと急所に狙いを定めて先手必勝。
「骸の海で、ゆっくり、おやすみなさい」
その熱線は、救いの光のようでもあった。
成功
🔵🔵🔴
タマコ・ヴェストドルフ
戸惑っていますね
その隙は見逃せません
血を吸わせた黒いのを両手に強襲します
お腹がくぅくぅ鳴るのでもう我慢できません
敵陣で孤立するのも構わず敵陣深くで
目に付いた敵(ごはん)を片っ端から斬り付けます
無傷だと黒いのに血をあげるのに不便なので
攻撃を避けるより一歩でも踏み込んで深手を与えます
火傷だとあまり出血しなさそうですが
篝火が槍の穂先にも見えるので多少切り傷も受けられるでしょう
黒いのは十本あるので
篝火の柄、太い骨、肉の脂で止まったら手放して次のを持ちます
傷はごはん(攻撃)ついでに生命力吸収で
クリフォト(刻印)がなんとかしてくれるでしょう
火だるまになっても血塗れになっても
食べ(斬り)続けるのをやめません
葛乃葉・やすな
腹は決まったようじゃのう。
であればさっさとケリをつけぬとのう。あやつらを早く安心させてやらねばならぬ。
どんな世界であろうと悲劇が当たり前であってはならぬでのう。どうせなら喜劇であるべきよ。
◆行動
相手が亡者ならわしの技は特に有効じゃろう。
【破魔】の霊力を込めた護符を無数の花びらに変えて操られた亡者諸共【範囲攻撃】じゃ。
わしの攻撃は亡者を祓う攻撃。
仮に気絶者が操られたとて体に傷はつけずに取り憑いたものを祓うのじゃよ。
アドリブ・連携歓迎じゃ。
思わぬ反撃を受け続け、ざわつく亡者たち。
「その隙は見逃せません」
タマコ・ヴェストドルフ(Raubtier・f15219)は、両手に黒牙剣を持ち亡者に飛びついた。
「もう我慢できません」
くぅくぅ鳴るお腹が切なくて、目の前の亡者たちがみんなおいしそうに見えるから。
孤立することも厭わず、タマコは敵陣の中心へ飛び込んでいった。
「まず1本目」
右手の黒剣を亡者の胸に突き立て、喉を鳴らして赤黒い返り血を味わう。
刺し違えるように向けられた炎の熱さをものともせず、血肉を抉っていく。
「このままだと血をあげるのに不便ですね」
焼け爛れた皮膚を剥がし、黒剣に血を与える。
漆黒の刀身が吠えるように震え、亡者を一口大の肉片へと変えた。
「2本目、3本目」
1本使い物にならなくなれば、また次の『黒いの』を手に取り。
そうして目につく亡者を斬りつけては、黒牙剣と自らの身体とで生命の残骸を存分に味わっていく。
「もっと、もっと食べたいです」
火傷の痛みも髪の焦げる臭いも、おいしいごはんの前では些細なもの。
「6本、目……」
意識を失い倒れるまで、タマコは火だるまになりながら亡者を喰らい続けた。
一方、葛乃葉・やすな(子供好きの妖狐・f14023)は敵群から少し距離をとり、霊力を込めた護符を天高く投げた。
「さっさとケリをつけぬとのう。あやつらを早く安心させてやらねばならぬ」
やすなが念じると、護符がはらりと解れ一面の桜吹雪へと変化する。
「どんな世界であろうと悲劇が当たり前であってはならぬでのう」
護符に込められたのは、亡者を祓う破魔の力。
花びらは雪のように亡者へと降り注ぎ、その力を奪っていく。
「どうせなら喜劇であるべきよ」
一体、また一体。亡者たちが花雨の中に姿を消した。
さらに多くの亡者を祓おうと、やすなが敵群との距離を詰めたその時。
『――モット、食ベタイ』
亡者との戦いで力尽きたタマコが、むくりと起き上がった。
見れば全身が黒い瘴気に覆われ、半身は亡者の姿に変わりつつある。
『――欲シイ、欲シイ、アア――』
「気を確かに持つのじゃ。今祓ってやるからのう」
虚ろな瞳で味方に喰らいつこうとするタマコへ、やすなは桜吹雪を浴びせかけた。
タマコを包んでいた瘴気は晴れ、亡者化した半身は少女の姿へと戻っていく。
「……わたしは、一体……」
「あまり無茶するでないぞ?」
全身ボロボロのタマコを後ろへ下がらせると、やすなはタマコを操ろうとした亡者へ護符を投げるのだった。
成功
🔵🔵🔵🔵🔴🔴
明智・珠稀
■行動
UC『どちらがお好みですか?』で女性明智を召還し広場へ
本体明智は他猟兵と共に少し離れる
「少しは雰囲気を似せましょう」
女明智にメイクを施し頬を薔薇色に染め【変装】させつつ
■戦闘
女明智
『…ふふ。今宵は美しい生け贄が多くて迷いましょう?』
軽口を叩きながら、近づいた敵に隠し持った黒革の長鞭で攻撃&捕縛を
男明智「狙い打ちさせていただきます、ふふ!」
と女明智の捉えた敵に小型拳銃【闇霞】で【スナイパー】技術で攻撃を
他の猟兵も現れ乱戦となったら男明智は妖刀に持ち替え接近戦へ
女明智の鞭攻撃、また他猟兵と連携し
目の前の敵を斬り伏せていく
「これ以上の悲しみは増やさせません、ふふ…!」
※アドリブ&絡み大歓迎
猟兵たちの手により亡者の群れは徐々にその数を減らし、既に残りは片手で数えられる程度。
追い詰められた亡者たちは、一番攫いやすそうな乙女――不穏な気配をあまり感じさせない、薔薇色の頬の乙女へと迫った。
『――!』
乙女は亡者を恐れる素振りも見せず、その接近を大人しく許している。
何か妙だ、と彼らが思ったときにはもう遅い。
「……ふふ。今宵は美しい生け贄が多くて迷いましょう?」
薔薇色の頬の乙女――明智・珠稀(和吸血鬼、妖刀添え・f00992)の写し身は、隠し持った鞭でひとりの亡者を絡め取った。
「狙い打ちさせていただきます、ふふ!」
死角から響く乾いた銃声。
女体化珠稀が拘束した亡者を、本物の珠稀が物陰から狙い撃った音だった。
「ふふ、少しはあのお嬢さんに似せられていましたでしょうか?」
篝火を受け妖しく光る小型拳銃を懐に収め、妖刀『閃天紫花』を抜刀。
反撃しようと迫る亡者を一刀両断した。
『―――!!』
「私のことも、忘れていただいては困りますよ?」
珠稀へ向けられた篝火を奪うように、女珠稀の鞭が亡者の手を打ち据える。
その隙を突くように、珠稀が紫色の剣閃を輝かせた。
「これ以上の悲しみは増やさせません、ふふ……!」
ふたりの珠稀は鮮やかな連携で亡者たちを翻弄し、ついに最後の一体を斬り伏せたのだった。
成功
🔵🔵🔴
第3章 ボス戦
『十字皇シュラウディス』
|
POW : 我を暴くことかなわず
全身を【漆黒の霧】で覆い、自身が敵から受けた【攻撃の威力】に比例した戦闘力増強と、生命力吸収能力を得る。
SPD : 堕天十字翔
【天空から双剣による衝撃波】を放ち、自身からレベルm半径内の指定した全ての対象を攻撃する。
WIZ : 我を欺くこと能わず
対象のユーベルコードの弱点を指摘し、実際に実証してみせると、【無数の光の鎖】が出現してそれを180秒封じる。
イラスト:純志
👑11
🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔴
|
種別『ボス戦』のルール
記載された敵が「1体」出現します。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。
| 大成功 | 🔵🔵🔵 |
| 成功 | 🔵🔵🔴 |
| 苦戦 | 🔵🔴🔴 |
| 失敗 | 🔴🔴🔴 |
| 大失敗 | [評価なし] |
👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。
※このボスの宿敵主は
「💠白石・明日香」です。ボスは殺してもシナリオ終了後に蘇る可能性がありますが、宿敵主がボス戦に参加したかつシナリオが成功すると、とどめを刺す事ができます。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。
そして更に夜は更け。
戦いの後の静寂は、苛立たしげな足音に破られた。
「遅い遅い遅い! 小娘ひとり攫う程度、造作もないことだろうに……!」
業を煮やし自ら広場へと赴いたヴァンパイア『十字皇シュラウディス』の目に飛び込んできたのは、積み重なる亡者たちの残骸であった。
「……どうやら、邪魔が入ったようだな」
不機嫌そうに亡者の残骸を蹴飛ばすと、シュラウディウスはさらにその奥――待ち受ける猟兵たちを睨み付けた。
「貴様らが何者かは知らぬが、我の邪魔をするなら容赦はせぬ。全員まとめて滅ぼしてくれよう!」
猟兵とヴァンパイア、この地を護るための決戦の火蓋は切って落とされた!
コルチェ・ウーパニャン
ひどい…ほんとうにこの人、誰のことも大切に思ってないんだ。
領民のことも、さらうつもりだった女の子のことも、むりやり味方にしていた人たちのことも!!
シールを貼ったピカリブラスターを『クイックドロウ』でずばっと抜いて、『光属性』の『誘導弾』をキュルルルルルーン!
このシールは、敵にとってもコルチェにとってもめちゃくちゃキケン!
逃げないとどうなっちゃうか、コルチェにも分かんないんだぞー!
コルチェも反動で後ろに倒れちゃうようなピカリブラスターの一撃は、よけられないと思うけどね!!
…避けられない一撃を出しておいて、避けないとどうなるか…は、理不尽かなあ?
でも理不尽なのはお互い様だよね!
さよなら、領主さま!
怒気を露わにするシュラウディスの前に、コルチェ・ウーパニャンが躍り出た。
「ひどい……ほんとうにあなた、誰のことも大切に思ってないんだ」
シュラウディスが蹴りつけた亡者は、ついさっきまで彼に従い懸命に使命を全うしようとしていた者。
「領民のことも、さらうつもりだった女の子のことも、むりやり味方にしていた人たちのことも!!」
虐げられた人々の気持ちを代弁するかのように、コルチェはピカリブラスターの引き金を素早く引いた。
キュルルルルーンと甲高い音が響き、シュラウディスへ光線の雨が降り注ぐ。
「何をするかと思えば。このような児戯、我に通用するとでも思ったか!」
だがシュラウディスは余裕の表情でマントを翻し、光線を弾き霧散させた。
「なら……これでどうだ!」
シュラウディスへ向けた銃口はそのままに、コルチェはピカリブラスターに爆弾マークの警告シールを貼り付ける。
瞬間、内部にエネルギーを無理やり詰め込むように銃身が光を帯び、ミシミシと音を立て始めた。
「逃げないとどうなっちゃうか、コルチェにも分かんないんだぞー!」
継ぎ目から光が漏れ出し、銃身の周りの空気が蜃気楼のように揺れる。
「フン、身の丈に合わぬことを。だがそれほどまでの力、制御を失えば容易に暴走するのであろう」
エネルギーを溜めたピカリブラスターめがけ光の鎖が伸びる。
その鎖がシールを剥がそうとするより、一瞬だけ早く。
「さよなら、領主さま!」
コルチェが引き金を引いた。
膨大なエネルギーの塊が最短最速距離でシュラウディスを捉え、土埃を巻き上げながら後方へと吹き飛ばす。
反動で尻餅をつきながら、コルチェは確かな手応えを感じていた。
大成功
🔵🔵🔵
シャルロット・リシュフォー
あなたが元凶ですのね
容赦をしない、はこちらのセリフですぅ
「何者かなど、見れば判るでしょうオブリビオン。私達はあなたを滅ぼすものですっ」
地味なポンチョを脱ぎ捨て【シャイニング・ロンド】を発動です
強化された魔法剣でシュラウディウスに切り合いを挑むです!です!
「世界の継続とこの村の安寧の為に。私はあなたと戦います!」
「いつまでもこの世界の支配者を気取れると思わないことですぅ!」
あ、勿論仲間の猟兵さんとは連携を取るです
状況を見て、前衛になるか後衛から魔法で支援するか決めますです
【アドリブ歓迎】
「何者かなど、見れば判るでしょうオブリビオン。私達はあなたを滅ぼすものですっ」
灰色のポンチョをばさりと脱ぎ捨て。
全身に魔力を漲らせたシャルロット・リシュフォーが、金銀の光を宿した双剣でシュラウディスへ斬りかかった。
「世界の継続とこの村の安寧の為に。私はあなたと戦います!」
目の前にいるこのヴァンパイアこそが、村へ絶望をもたらしている元凶。
ならば容赦せずここで倒すのみと、シャルロットはシュラウディスを強い眼差しで見据えた。
「ククク、面白い。その勝負、受けて立つ。貴様の未熟さ、この我が身をもって見せ付けてやろう!」
シュラウディスもまた、シャルロットと同じ双剣の使い手である。
両手の剣をクロスさせてシャルロットの一撃を受け止めると、押し返すように力を込めつつ横薙ぎの一閃を放った。
「負けないです! です!」
シュラウディスの剣先をサイドステップで回避すると、横腹を狙うようにシャルロットも右手の剣を振るう。
シュラウディスが身をよじり躱すと、それを待ち受けていたかのように左手の剣でもう一閃を放った。
「貴様、なかなかやるな」
「まだまだ! いきますです!」
二対の双剣が幾度となくぶつかり合い、死線ギリギリの剣戟は続く。
そして。
「いつまでもこの世界の支配者を気取れると思わないことですぅ!」
シュラウディスのそれより、一瞬だけ早く。
シャルロットの二撃が、シュラウディスの身体をしっかりと捉え斬りつけたのだった。
成功
🔵🔵🔴
北条・優希斗
敬輔(f14505)同行
他猟兵との連携・声掛け可
「現われたか十字皇。否…十字卿、と呼ぶべきか?」(何処か皮肉げに)
お前が何を求め、何を望みこの地に現われたのかは興味が無い
ただ、あまりにもあんたが哀れだからな
悪いが、さっさと葬らせて貰う
後ろは任せたよ、敬輔さん
先制攻撃+ダッシュ+早業+地形の利用で十字皇が飛ぶよりも早く接近UC起動
間に合わないなら夕顔で十字皇の足を絡め取って空中に浮かぶのを阻止してUC発動
どちらでも続けざまに二回攻撃で追撃
悪いな…あんたの動きは読めている(見切り+情報収集+戦闘知識)
自身の護りはオーラ防御+見切りで固めておくけれど
もし仲間の援護があるならそれを頼りにさせて貰うよ
館野・敬輔
【SPD】
優希斗さん(f02283)と同行
他者とのアドリブ連携も可
状況は把握した
ここから加勢する
…何とも哀れだな
別の個体で感じた威厳なんて欠片も存在しない
さっさと骸の海に還れ、シュラウディス
ああ、任されたよ優希斗さん
守ることが、今日の僕の役目だ
防御優先
【絶望の福音】発動、左の赤目で未来を先読み
優希斗さんへの攻撃は積極的に「見切り、かばう」
ダメージは「武器受け、オーラ防御、激痛耐性」で黒剣で受け止め軽減
「視力、暗視、戦闘知識、情報収集」で堕天十字翔発動の予兆を把握したら「見切り、ダッシュ、かばう」で優希斗さんをかばいつつ防御、軽減
反撃可能なら「カウンター、2回攻撃、怪力」で力任せの一撃
「……何とも哀れだな」
どこか失望したような眼差しで、館野・敬輔(人間の黒騎士・f14505)が呟いた。
別の場所で相見えたシュラウディスは、こんな小物じみた奴ではなかったのに。
同じオブリビオンとはいえ、蘇る場所が違えばここまで落ちぶれるのか、と。
「フン、人間風情がこの我を見下すとはなんとも愚かな」
鼻で笑うシュラウディスを、北条・優希斗(人間の妖剣士・f02283)が睨み付ける。
「お前が何を求め、何を望みこの地に現われたのかは興味が無い」
優希斗もまた、グリモア越しに見た別のシュラウディスを覚えていた。
自分が視た彼の姿に比べて――目の前の彼は、ただただ哀れなまでに未熟な精神性をむき出しにしていて。
「悪いが、さっさと葬らせて貰う」
瞳に憐憫を込め、優希斗はシュラウディスへと駆けた。
「後ろは任せたよ、敬輔さん」
全速力でダッシュし急接近。瞬く間に間合いへと飛び込んだ。
「虚仮にしおって。その愚行、二人まとめて後悔させてくれよう」
「悪いな……あんたの動きは読めている」
飛翔しようとするシュラウディスの軌道に先回りするように、優希斗は叩きつけるような高速の連続斬りを繰り出した。
「ぐぉっ!?」
地面を転がりながら距離を取るシュラウディス。
追う優希斗の隙を突き、双剣に漆黒のオーラを纏わせた。
「貴様ら……!」
みるみるうちにオーラが膨れ上がり、土埃を巻き上げながら広がる衝撃波の渦となる。
その渦が優希斗を巻き込もうとした瞬間――。
「守ることが、今日の僕の役目だ!」
咄嗟に躍り出た敬輔が、その渦を受け止めた。
「くっ……耐えて、みせる……!」
黒剣が軋み鎧が悲鳴を上げても、敬輔は一歩も退こうとしない。
自分という壁が崩されれば、このヴァンパイアに一矢報いることは叶わないのだから。
「今だ優希斗さん、反撃の準備を!」
「ああ!」
敬輔が合図を送ると、優希斗は刀を抜き構える。
その丁度10秒後。
不意に風が止むように、衝撃波の渦がふっと立ち消えた。
赤く染まった左目が、嵐の終わりを捉えていたのだ。
「今だ!」
降り注ぐ土埃を切り裂くように、優希斗がシュラウディスめがけ高速の剣閃を奔らせる。
その姿、まさに蒼月の乱舞。
「さっさと骸の海に還れ、シュラウディス」
よろめくシュラウディスへ、さらに敬輔の力任せの一撃。
二人の連携により、シュラウディスの命は確実に削られていったのだった。
大成功
🔵🔵🔵🔵🔵🔵
セシリア・サヴェージ
おや、痺れを切らして現れましたか。あなたの理不尽な要求を呑む者はもう誰もいません。大人しく骸の海に帰りなさい。
全身を漆黒の霧で覆いましたか。では私も真の姿を晒し、暗黒を纏うとしましょう。人々を護るためにヴァンパイアと同じような力を操ることになるとは……今さらながら皮肉なものですね。
その漆黒の霧が私のUC【滅びの風】に耐えられるかどうか試させてもらいましょう。巻き起こされる旋風で彼の霧を【吹き飛ばす】ことが可能ならば戦闘も有利に進むのですが。
どちらの場合でも最終的には白兵戦を挑むことになります。彼の攻撃を【武器受け】しつつこちらも応戦します。
シホ・エーデルワイス
アドリブ&味方と連携歓迎
領主が来る前に【祝音】で負傷者を癒す
領主様!
どうして私なのですか!?
先の戦い同様
引き続き少女に<変装>したまま
怯えつつも健気に立ち向かう感じでなりきる
皆の為にも戦います!
バレたら髪の花や翼を出して変装を解き
【覚聖】と<コミュ力>で
私達猟兵の血も美味しいとアピールし気を惹く
血が欲しければ力ずくで強奪して下さい
【祝音】で味方の回復を優先
視界は<暗視>で確保
霧を纏ったら聖銃を<誘導弾、聖属性攻撃、破魔>で撃ち解除
衝撃波は<第六感で軌道を見切り
誘導弾によるカウンター先制攻撃>で相殺
当たりそうなら<オーラ防御>
戦後
負傷者を【祝音】で癒し
死者の冥福を<祈り>弔い
村人達に顛末を伝える
「主よ、皆様にどうか慈悲と祝福を……!」
生贄の娘に変装したまま、シホ・エーデルワイス(捧げるもの・f03442)は傷付いた仲間へ慈愛の光を降らせていた。
「貴様は……! まぁ真贋などどうでも良いか」
シホを見るシュラウディスの足元に、光の鎖が渦巻き始める。
「その奇蹟とやらは、ただお前の生命を他者に分け与えているだけなのであろう? もう限界なのは分かっているぞ」
鎖がシホを縛り、聖光が霧散するように消えていく。
「さぁ行こう、哀れな乙女よ」
「領主様! どうして私なのですか!?」
力を奪われたシホを連れ去ろうと、シュラウディスが歩みを進めたその時。
「そこまでです。あなたの理不尽な要求を呑む者はもう誰もいません」
セシリア・サヴェージ(狂飆の暗黒騎士・f11836)が、シホをかばうように立ちはだかる。
「まだ邪魔をするか。良いだろう、何者であろうと退けてやろう……!」
漆黒の霧を纏い、全身から闘気を放つシュラウディス。
一方、セシリアも真の姿を解放し、暗黒のオーラをその身に纏った。
(「人々を護るためにヴァンパイアと同じような力を操ることになるとは……今さらながら皮肉なものですね」)
心の奥で自嘲しながら、暗黒剣を振るい暗黒の竜巻を巻き起こす。
亡者たちの残骸を巻き込みながら、竜巻はシュラウディスへと一直線に進んでいった。
「無駄なことを……!」
双剣を十字に構え、シュラウディスが竜巻を受け止める。
黒霧を散らしながら防御するシュラウディスの隙をつき、セシリアは暗黒剣の間合いへと踏み込んだ。
「大人しく骸の海に帰りなさい」
重く力強い斬撃を繰り出すセシリア。
だがシュラウディスはギリギリのところで回避。返す刀で双剣の二撃を繰り出した。
「くっ……!」
二条の斬撃を刀身で受け止め、セシリアは力任せに押し返す。
黒霧の吸血鬼と黒華の騎士。ふたつの漆黒がぶつかり合い、互いの命を削り合う。
やがて二人が同時に膝をついた、その時。
「主よ、もう一度福音を……!」
セシリアの身体を、眩い光が覆った。
長い攻防の果てに鎖の戒めは消え、シホの聖光が再び猟兵たちに癒しの奇蹟を振り撒き始めたのだった。
「もう諦めなさい。無辜の民を踏みにじる悪よ」
再び戦う力を取り戻したセシリアが、暗黒剣を振りかざした。
大成功
🔵🔵🔵🔵🔵🔵
葛乃葉・やすな
出てきおったな!ヴァンパイア。
おぬしの趣味の悪さは度し難い。
ここいらで幕引きとしようではないか。
よし、一つ全力と行こうかのう。
真の姿を開放し青白い姿の妖狐へ姿を変える。
さあて、本気のわしの狐火でも喰らってみるか?
【全力魔法】でUC【フォックスファイア】を使用じゃ。
すべての狐火を一つに合体させ攻撃を行う。
攻撃するタイミングを【見切り】で見定めて狐火を放つ。
わしの狐火はいたって単純、シンプル故に強いぞ。
弱点などそうあるものではない。
狐火を着弾させたら敵の体が燃え尽きるまで延焼を続ける。
さぁ、踊れ踊れ、狐火に焼かれて踊り狂うとよい。
おぬしが今までにしていた悪行を後悔しながらのう。
「おぬしの趣味の悪さは度し難い」
真の姿を開放した葛乃葉・やすなが、青く輝く瞳でシュラウディスを睨み付けた。
「ここいらで幕引きとしようではないか」
青い炎が空中に浮かび、やすなの青白い毛並みを煌々と照らし出した。
「ほう、炎の術か。だがその程度の小技、この我には通じぬぞ!」
「わしの本気の狐火を食らっても、果たしてそう言っていられるかのう?」
光の鎖を避けるように狐火を動かしながら、やすなは炎を一箇所に集めていく。
やがて43個の狐火は巨大なひとつの火球となり、砲弾のようにシュラウディスめがけて一直線に向かっていった。
「なんと単純な。その程度の術で我を討とうなどとは、愚かにも程があるぞ」
「さて、それはどうかの?」
伸びる光の鎖を圧倒的な熱量で散らしながら、火球はスピードを落とすことなくシュラウディスへ向かう。
「何!? 打ち消せない、だと!?」
「わしの狐火はいたって単純、シンプル故に強いぞ」
やすなが念じると、もはや純粋なエネルギーの塊と化した狐火がシュラウディスを呑み込むように燃え広がった。
「ぐわぁ――!?」
火だるまになりながら、シュラウディスは双剣を振り回し必死に消火を試みる。
その姿は、まるで奇妙な舞踊のようであった。
「さぁ、踊れ踊れ、狐火に焼かれて踊り狂うとよい。おぬしが今までにしていた悪行を後悔しながらのう」
炎に包まれながらシュラウディスが見上げたやすなの瞳は、とても冷ややかな色をしていたのだった。
大成功
🔵🔵🔵
タマコ・ヴェストドルフ
真の姿を解放します
皮膚がところどころ木の皮に覆われ
髪の毛の隙間から桜の花が咲きます
オラトリオみたいですね
真の姿を漆黒の旋風で覆います
強化された力で十字皇に襲い掛かります
漆黒の旋風を解放して加速して接近します
黒いのを何本でも突き刺し
尖った木の根になった指先も突き刺し
牙を突き立て生命力吸収で攻撃します
生命力吸収するほど頭から桜の花が咲きます
すこし邪魔です
攻撃するほど十字皇は強くなるでしょうが
根比べです
ヴァンパイアを食べると
一番お父様を食べた時を思い出せます
相手がどんなに強くなろうが
全力で食べて食べて食べて食べて食べて食べて食べて食べ続けて生命力を吸収して
相手の強化と生命力吸収を上回る勢いで奪います
焼け焦げる血肉の匂いが、タマコ・ヴェストドルフ(Raubtier・f15219)の鼻孔をくすぐった。
「お父様と少し似た匂いがします」
飽くなき渇愛が具現化したかのように、タマコの身体から根が伸び、花枝が伸び、三分咲きの桜の樹と化す。
「味もお父様と似ているのでしょうか」
漆黒の旋風に花蕾を揺らしながら、タマコは持てる全ての黒牙剣をシュラウディスへと放った。
右手に物質主義を。
左手に不安定を。
右足に貪欲を。
左足に色欲を。
腹部に醜悪を。
額に残酷を。
喉元に無感動を。
首筋に拒絶を。
瞳に愚鈍を。
そして心臓に、無神論を。
「……っ!」
十の悪徳に貫かれたシュラウディスが、裂けた喉で声にならぬ叫びを上げた。
「いただきます」
木の根と化した指でシュラウディスの腕をもぎ取り、鋭い牙で齧りつく。
肉を噛みしめるほど、血が喉を通るほど、タマコの桜は花ひらく。
「……すこし邪魔です」
満開の桜に視界を奪われた、その刹那。
黒霧に浮かんだ双剣が、タマコの身体を突き刺していた。
「……流石に全ての傷は癒えぬか」
黒霧から新たな腕を生成し、シュラウディスが体中の黒牙剣を引き抜く。
その様子を見て、タマコはうっとりと笑んだ。
「まだ、いくらでも食べられます」
食べても食べても食べても食べても、まだ食べて食べて食べられる。
「何、喰われたらその分喰らい返せば良かろう」
タマコの食欲に応戦するかのように、シュラウディスが不敵に笑む。
タマコとシュラウディスの喰い合いは、桜と霧がすべて散るまで続いたのだった。
成功
🔵🔵🔴
明智・珠稀
ふ、ふふ。
私、貴方のような方大好きですよ。
だって、何のためらいもなく倒すことが出来ますから…!
もうこの村には手出しをさせません。
此処で消えてください、ふふ!
(真の姿を解放し、白い翼が生え。手には妖刀を)
■戦闘
「貴方の漆黒の霧ごと叩き斬ってみせましょう、ふふ!」
羽で飛行しながら、軽やかな動きで妖刀での攻撃
敵の攻撃は【武器受け】、またオーラシールドによる【オーラ防御】を
「さぁ、私と愛し合いましょう…!」
UC『愛しのご主人様♡』で敵を攻撃、また赤い糸の捕縛が出来たら
その糸を手繰りよせ、妖刀で【マヒ攻撃】を仕掛けつつ
「生命力の吸収では負けませんよ、ふふ!」
【吸血】し【生命力吸収】を
※アドリブ大歓迎!
「くっ……小癪な人間どもめ……!」
肩で息をしながら黒霧で身体を修復するシュラウディスを見て、明智・珠稀は妖艶な笑みを浮かべた。
「ふ、ふふ。私、貴方のような方大好きですよ」
広げる翼は天使と見紛う純白。
「だって、何のためらいもなく倒すことが出来ますから……!」
清らかな翼と裏腹な妖気を纏い、珠稀は妖刀を構えシュラウディスと対峙するのだった。
「フ、倒す、だと。言ってくれるな。やれるものならやってみるがいい!」
癒えぬ傷から流れる血を魔力の黒霧に変え、シュラウディスは双剣を十字に構え直した。
「此処で消えてください、ふふ!」
一直線に飛翔し懐に飛び込むと、珠稀は軽やかに刀を振るい斬撃一閃。
だがシュラウディスはその動きを受け流すように横合いへ身をそらすと、返す刀で珠稀の脇腹を狙い横薙ぎに斬りかかった。
「そんなものか? フン、笑わせるな。貴様の力はこんなものか」
流れる珠稀の血をも漆黒の魔力へ変えながら二撃目を放つシュラウディス。
「あぁ、これ以上を求めるのですね。ええ、いいですとも。さぁ、存分に愛し合いましょう……!」
咄嗟に剣先を刀で受けると、珠稀は蠱惑的な流し目をシュラウディスに送った。
ネオンのように妖しげなビームがシュラウディスの目を灼いたかと思うと、気付けば右手の小指に赤い糸がしっかりと結ばれていた。
「なにっ……!?」
「私と貴方、もう離れられませんね……!」
赤い糸を手繰り寄せ、珠稀はシュラウディスの動きを封じるように紫色の剣閃を滑らせる。
「生命力の吸収では負けませんよ、ふふ!」
受けた痛みを埋め合わせるように、珠稀はシュラウディスの血を存分に味わうのだった。
成功
🔵🔵🔴
シャルロット・ルイゾン
アドリブ、共闘歓迎。
ええ、あなた様のおっしゃる小娘ひとりは
あなた様の思うよりずっと重い価値と攫う手間のかかるものとなりましたのよ。
そして、村人ひとりひとりが同じように。
ですが、あなた様にはそれほど関係のないことかもしれませんわね。
彼らは立ち向かうと決めたのですから。
あなた様は彼らの決意の前に散っていくことでございましょう。
人間には自由で平等である権利がございます。
その権利と尊厳を踏みにじり変化を認めないあなた様の罪科穢れ、わたくしが断ってさしあげます。
どうぞご安心ください。
わたくしが導くは果ての幸福。安寧の微睡み。
痛みも苦しみもなく、救済を齎しましょう。
「貴様ら、何故そこまで……たかが小娘ひとりの為に、何故ここまでの護衛が集まるのだ……」
傷が癒えきらぬシュラウディスが、ギロチンにかけられながら猟兵たちへ問いかける。
「ええ、あなた様のおっしゃる小娘ひとりは、あなた様の思うよりずっと重い価値と攫う手間のかかるものとなりましたのよ」
シャルロット・ルイゾンが、冷ややかな瞳でシュラウディスを見下す。
シャルロットたちの呼びかけが功を奏し、村人たちの心にも彼に抵抗する意思が芽生えていた。
ヴァンパイアに踏みにじられて良い人間などいないのだと、彼らは気付くことができたのだ。
「あなた様は彼らの決意の前に散っていくことでございましょう」
「黙れ! 家畜風情が、小賢しい!」
光の鎖を伸ばしギロチンの破壊を試みるシュラウディス。だが彼を拘束する枷はびくともしない。
それほどまでに、彼への有罪宣告は揺るがしようのないものだった。
「人間には自由で平等である権利がございます。その権利と尊厳を踏みにじり変化を認めないあなた様の罪科穢れ、わたくしが断ってさしあげます」
ギロチンの刃が、落ちる。
シュラウディスの身体が、力を失いどさりと崩れ落ちた。
「どうぞご安心ください。わたくしが導くは果ての幸福。安寧の微睡み――」
どうか、これが彼にとっての救済であるようにと。
シャルロットは、祈るように目を伏せたのだった。
●そして、近い未来の話
シュラウディス亡き後。
村は少しずつ活気を取り戻し、人々は訪れた平和に日々感謝しながら何事もなく過ごしているという。
だが、ひとつだけ。この世界によくある村と違うところがあるとすれば。
彼らの胸にはいつも、猟兵たちから教えられた勇気の炎が灯っているのだった。
大成功
🔵🔵🔵