バトルオブフラワーズ⑫〜楽園に裂く地獄
「ぃよーしっ!戦争も最終盤だな!」
グリモアベースの中で、グリモア猟兵であるジョルジオ・サニーウィッキー(日向に歩く破顔・f15126)の声が響く。
「ここに来るまで、道を阻んでいた幹部3人は全員倒した。あとはシステム・フラワーズ中心にいるドン・フリーダムを倒すだけ……なんだが、その小脇に気になるヤツがいてな……。」
気合の入った猟兵たちへの呼び声から一転、ジョルジオは悩むように頭を掻きむしった。
「システム中枢への道を外れたところに、『ドラゴンテイマー』っていうオブリビオンがいる。そいつは今回の戦争で、怪人連中がシステム・フラワーズを占領する手助けをしたんだそーだ。あんたらには、そいつの元へ向かってもらう。」
―ドラゴンテイマー。侵略樹アヴェスタと呼ばれる物を用いて、システム・フラワーズへ根を進めさせた存在。当然、その力の出処も本人の素性も、多くのことが不明な未知の人物である。
「いいか、このドラゴンテイマーとの戦いは、この戦争の勝敗には関係してない。ドン・フリーダムへの道は開けてるし、ヤツ本人は突っ立ってるだけだしな。だが―いずれ倒さなきゃならん敵なら、ここで戦っておいて損はないだろう。……もちろん、倒す気概があるっていうんなら大歓迎だぜ。」
ジョルジオはそう言って、ニヤリとした破顔の表情を猟兵たちに向けた。
「よーし!次は、これから戦ってもらうドラゴンテイマーの情報だな。ヤツについてはわからんことだらけだが、使う力のことだけは判明してる。赤い剣になっている右腕、『黒竜ダイウルゴス』と呼ばれるドラゴンを召喚する能力…周囲の物質をドラゴンに変えたり、合体して強くなるドラゴンを呼び出したりと、嫌になってくるくらいネタも豊富だぜ……ドラゴンなんて1体いるだけでも厄介だってのに……。」
圧倒的な強さを持つドラゴン。そのドラゴンを群れとして使役するドラゴンテイマー。脅威の程はこの戦争の中だけでなく、これまでの敵の中で一番だ。
「さっ、準備が出来たなら、今からグリモアでドラゴンテイマーのいるシステム・フラワーズの外れまであんたらを送り出すぜ。」
ジョルジオの顔の左にかかる聖痕。そこから光が染み出し、グリモアを生み出していく。
「十二分に気を付けて行ってくれ。あれは間違いなく―"あの世界の存在"じゃない。ここから、お前たちの無事を祈っている。神の加護があらんことを―。」
よもぎ
はじめましてこんにちは。新人MSのよもぎです。
皆様を楽しくさせられるよう、精一杯頑張りたいと思います。
キマイラフューチャーでの戦争も終盤、謎の強敵『ドラゴンテイマー』との戦いです。
皆様のプレイングをお待ちしています。
●先制攻撃について
敵は必ず先制攻撃します。敵は、猟兵が使用するユーベルコードと同じ能力値(POW、SPD、WIZ)のユーベルコードを、猟兵より先に使用してきます。
この先制攻撃に対抗する方法をプレイングに書かず、自分の攻撃だけを行おうとした場合は、必ず先制攻撃で撃破され、ダメージを与えることもできません。
第1章 ボス戦
『ドラゴンテイマー』
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POW : クリムゾンキャリバー
【赤き剣の右腕】が命中した対象に対し、高威力高命中の【黒竜ダイウルゴスの群れ】を放つ。初撃を外すと次も当たらない。
SPD : ギガンティックダイウルゴス
レベル×1体の、【逆鱗】に1と刻印された戦闘用【大型ダイウルゴス】を召喚する。合体させると数字が合計され強くなる。
WIZ : 文明侵略(フロンティア・ライン)
自身からレベルm半径内の無機物を【黒竜ダイウルゴスの群れ】に変換し、操作する。解除すると無機物は元に戻る。
イラスト:ハルヨリ
👑11
🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔴🔴🔴🔴🔴🔴🔴
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種別『ボス戦』のルール
記載された敵が「1体」出現します。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。
| 大成功 | 🔵🔵🔵 |
| 成功 | 🔵🔵🔴 |
| 苦戦 | 🔵🔴🔴 |
| 失敗 | 🔴🔴🔴 |
| 大失敗 | [評価なし] |
👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。
※このボスの宿敵主は
「💠山田・二十五郎」です。ボスは殺してもシナリオ終了後に蘇る可能性がありますが、宿敵主がボス戦に参加したかつシナリオが成功すると、とどめを刺す事ができます。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。
―システム・フラワーズ内部は、キマイラフューチャーという世界自身を表現している。
桜色の花びらが遠くの景色すら埋め尽くし、なるほど地上における衣食住を、完全に担うだけの力を有していると信じられる。
それほどまでに、満開の花びらの景色は―『楽園』と呼べるような、豊かさに満ち溢れていた。
―だからこそ、そこに佇む一点の黒は、あまりに外れていた。
その男は―世界に開いた裂け目のように―楽園に対する地獄のように―世界の理に違えて立っていた。
「……怪人達は、ほぼ倒されたか。まあ、いい……私の役目は『持ち帰る』だけだ……だが……」
男は穏やかな、しかし厳かな口調で独り呟いた。
「……今、グリモアを有している者達―『猟兵』。……私が再びグリモアを『手にする』為に、奴らの力。奴らの出方。見ておくのも一考か……。」
暗い双眸をゆっくりと開きながら、男は静かに――猟兵たちを待ち受ける。
テラ・ウィンディア
何故なんだろうな
初めましてなのに
……貴様だけは絶対に見逃すわけにはいかない
何故か…そう魂が叫ぶんだ
対クリムゾン
受ける訳には…いかない
【戦闘知識】で動きを分析
【見切り・残像・第六感・空中戦】で更にそれでも厳しい時は【早業】で太刀と剣を展開して弾きに掛かる!
それでもダメななら…致命だけは避けるよう全霊回避
…貴様は…きっととてつもなくおぞましい「過去」なんだ
だから…此処で「仕留め」る!
反撃
【属性攻撃】
炎を太刀と剣に付与
【早業・第六感・見切り】を駆使しての斬撃猛攻!
【戦闘知識】で己の斬撃を記憶して追い込める位置へと向けたら
過去は…過去によって蹂躙されろ!
「消えざる過去の痛み」発動!
斬斬斬斬斬斬斬斬!!
●
「ドラゴンテイマー……。」
黒と赤を基調とした衣装が、少女らしくも炎を思わせる猟兵、テラ・ウィンディア(炎玉の竜騎士・f04499)は、佇むその男に立ち向かう。
「来たな、猟兵。」
どこまでも穏やかにに、ドラゴンテイマーはテラを迎える。対するテラはその男に対して、言いようのない疑念を感じていた。
「何故なんだろうな、初めましてなのに……貴様だけは、絶対に見逃すわけにはいかない。何故か……そう魂が叫ぶんだ。」
謎の直感。それは目の前の存在の、キマイラフューチャーという世界に全く似つかわしくない威容がそうさせるのか、あるいは彼女さえ知らない『因縁』がそうさせるのか。
「……なるほど、まあいい。来るのならせいぜいその力の程―見せてみろ。」
そう言い終わり、ドラゴンテイマーは右腕の剣の切っ先をテラに向ける。
「――上等だ!来い!」
瞬間、テラは背中に光輪を繰り出し、自身の体を宙へと舞い上がらせた。彼女のローブが持つ、魔力によって重力を操作する力。光輪の力とも合わさって空に浮く彼女のローブは、ゆらゆらと揺れ動いている。
「……空中戦というわけか。……いいだろう。」
テラへ向け、ドラゴンテイマーは、その3対6枚の翼を広げ飛ぶ。一筋の黒い線が、桜色の景色を貫いていく。
「あの赤い剣……受ける訳にはいかない!」
クリムゾン・キャリバー。その剣に傷をつけられれば、待っているのは竜の群れの突撃。だからこそ、テラはその攻撃を、己が持つ技術全てで、最大に警戒していた。
己の研鑽の証―剣を振るうことへの知識。そこからから太刀筋を先読みする。
剣が右腕となっているなら、どんなに速く、重く、こちらに襲い掛かろうとも、その動きはある程度予想できる。素早い剣戟に残像を、論理も超えた天性の感さえも用いる。
万全の防御対策が功を奏し、その攻撃をすんでのところで躱していた。
空中での防戦の末、テラは花の足場に降り立つ。対する相手は先の猛攻が嘘のように、汗一つかいていない
その姿に、テラは一つの確信を得た。
「…貴様は…きっととてつもなくおぞましい「過去」なんだ。」
戦闘前に、魂にまで感じた胸騒ぎ。それが眼前の、地獄と形容できる脅威のためだとテラは認識する。
「だから…此処で仕留める!」
――だがそれは決して、彼女の闘志が潰えたということではない。
両の手に持った剣と太刀。その二刀に炎が奔る。
「反撃、開始だ…!」
長短自在の宝剣、刀身輝く錆の太刀。己が持ちうる剣の技を攻撃に転じ、鮮やかな炎の剣舞を繰り出す。そしてそれは、一つの大仕掛けへの布石でもあった。
「燃える双剣の技、か…物珍しくはあるが、……それまでのことだな。」「………。」
テラの猛攻すら、赤き剣によっていなすドラゴンテイマー。
「…十分だ。お前との闘争も…ここで終結だ……!」
「(…貴様のような過去は…)」
斬り合いに見切りをつけるように、一際強く剣が振りかざされ、テラを襲う。
その瞬間。
「(…貴様のような過去は…過去によって―蹂躙されろ!!)」
―斬斬斬斬斬斬斬斬!!
一瞬にして空間に現れた無数の剣閃により、傷一つなかったドラゴンテイマーに傷をつけた。
その鋭い痛みに、ドラゴンテイマーは後退した。
「これは…!……なるほど、先ほど振るわれた剣の軌跡…。」
悔恨「消えざる過去の痛み」。かつて、テラが完膚なきまで敗れたオブリビオンの、その技を模したもの。彼女にとっての苦痛の過去。それが今、未来を拓くための刃となってドラゴンテイマーに確かな傷を刻み付けた。
「それは…おれの悔恨と無念が作り上げた刃だ……とくと味わったか…!」
「………。」
ドラゴンテイマーはいまだ健在。死闘は――始まったばかりだ。
成功
🔵🔵🔴
ジィン・カデシュ
あんた、グリモアについて知ってるんすね。あんまり情報を持ち帰られたくないっすね、あそこを突かれると俺たちめちゃくちゃ行動が抑制されるっす、各戸撃破される確率がめっちゃ上がるっすもんね。
序盤は回避に専念。とくに先手を取られるのが分かってるんで、それの処理をどうするかっすよね。≪野生の感≫と≪見切り≫で基本回避、死角からの攻撃に≪聞き耳≫を使用するっす。攻撃手段はガジェットの≪属性攻撃≫、可能な限り合体させないように一匹づつ相手するっす。ある程度さばいた時点でUCでザカライアを呼んで、兵装を充実させて攻勢に出る感じっすね。相手が上手ってのは解るんで、可能な限り全部突っ込むっすよ。
「ふーん……あんた、グリモアについて知ってるんすね。」
キマイラの青年、ジィン・カデシュ(未だ形の定まらぬ・f14713)は、ドラゴンテイマーがこぼした言葉を気にかけていた。
「あんまり情報を持ち帰られたくはないっすねー……。」
彼の懸念はグリモアを知られることによる猟兵側の不利に関してだ。グリモアベースへの侵入による行動の抑制。各個撃破の可能性。考え得る想定から、野放しにするのは危険だとジィンは判断した。
「……。」
対するドラゴンテイマーは言葉も発さず、渇いた指鳴りの音一つで黒い竜を生み出す。
逆鱗にそれぞれ"Ⅰ"の文字が刻まれた、金属の体を持つ31体の黒竜が、ジィンを睨み低い唸り声を上げる。……それは無数の人のざわめきにも似て、得体の知れなさを感じさせた。
「まずは……回避に専念っすね。」
地獄、と形容できる光景にも起伏のない呟きを放ち、ジィンは花の足場を駆け出した。システム・フラワーズの花の空間に、黒竜の突撃が四方八方より襲い掛かる。
ジィンはそんな猛攻にも慌てることなく冷静に処理する。キマイラとしての獣の直感が竜の突進の『危険域』を感じ取り、足場の花びらも無残に散るような攻撃を回避する。
目に届かない範囲である後方、更には花が隠す下方さえ、己の耳が鋭敏に聞き分け、空間の情報を把握していきながら――。
「……お前の戦術的憂慮は知らないが。」
「―!」
だからこそ。ドラゴンテイマーの小さな呟き――聞き耳を立てている自分に向けて喋っているのだろう言葉――もまた、耳に入る。
「私はお前達よりも多く、グリモアのことを知っている。……その力の使い方についてもな。それまでのことだ……。」
「……。」
聞き取りはするが、視線を向けてはやらない。自分は黒竜とのどつき合いの真っ最中なのだ。こちらの気を引くために出まかせを言っているかも怪しい。
「あんたの知識マウントはともかく……、もうそろそろこっちの攻撃に行かせてもらうっすよ。」
疾走から一転、魔導蒸気機械ガジェットを取り出し、宙を飛び回る竜たちへと飛び込んでいくジィン。
いまだ決定的な攻撃を当てきれないことに業を煮やしたのか、黒竜たちは合体を試みていく。
「あーだめだめ、ダメっすよ。合体すればもっと強くなるってわかってるんすから!」
合体しようとする竜の片割れに、ガジェットから発射される属性攻撃。金属を溶かす酸。互いを遠ざける電磁波。ペイントのように塗りたくられる泥。
間に挟まる異物が合体を阻害していく。合体失敗や属性攻撃そのものの影響で、竜は少しづつ底のない地に伏していく。
「なかなかいい調子っす。でも、勝負はこっからっす。いくっすよー、ザカライアー!」
名前を呼んだ瞬間、ジィンの体の周辺が光を放ち――3.4mほどの人型機械が出現した。
魔導蒸気製パワードスーツ・ザカライア。黒竜を凌いでいたガジェットがその体には幾つも取り付けられており、先ほど以上の殲滅力を期待させる。
そのことを感知したのか、黒竜に任せきりだったドラゴンテイマーが、ジィンに向かって飛ぶ。
本命であるドラゴンテイマーの飛来に蒸気を吹き上げるザカライアの中、ジィンは敵の姿を見据える。
「あんたの方が何枚も上手って解るんで――可能な限り突っ込んでいくっす。」
撃ち放たれるザカライアの全兵装が、システム・フラワーズの桜一色の景色を塗り替える。
攻撃の嵐を受けるドラゴンテイマーも、その勢いに後ずさることとなった。
成功
🔵🔵🔴
クロウ・タツガミ
アドリブ、連携歓迎する
【POW】
竜使いか、数は少ないがこちらも龍、相手をさせて貰おう
【力を溜め】つつ【敵UC】を【激痛耐性】で耐えつつ、Sガンドレッドで【盾受け】し、【怪力】を用いてSガンドレッド上空に【投擲】するとしよう
命中した対象は上空にあるが、どうする?
Sガンドレッドに向けてダイウルゴスが群がっている間に、【龍騎乱舞】で攻撃力を上げ、巨大化したマガホコに騎乗し、巨大サカホコ(ハルバート)で敵陣に切り込むとしよう
次はこちらの番だな
【戦闘知識】を元に、ハルバートで【2回攻撃】で敵へ突撃するとしよう。近くに猟兵がいれば、マガホコの身体で敵の攻撃を【かばう】つもりだな
「竜使いか……。」
ドラゴニアン、クロウ・タツガミ(双龍の担い手・f06194)は黒衣の龍使いだ。
威風堂々たる黒の竜騎士。底さえ見えぬ闇のような黒の魔。ドラゴンテイマーと近しくも、二人が持つ雰囲気はまるで正反対のようであった。
「数は少ないが、こちらも龍。相手をさせて貰おう!」
どれほどの悪鬼羅刹の類だろうと、臆しはしない。クロウはドラゴンテイマーの前へと進み出る。
「正面からか……勇敢なことだ。」
黒のコートを翻し、高速でクロウに先んじて攻撃するドラゴンテイマー。
「――ぐぅぅっ!!」
腕のシールドガンドレッドが、クリムゾンキャリバーを受け止める。その一振り一振りに、体全てが痺れるほどの重圧がかかる。
……一体その痩躯のどこから、ここまでの膂力が出るのか。
クロウ自身はその攻撃に耐えきろうとも、その剣を絶え間なく受けるガンドレッドは悲鳴を上げ――。
ガンドレッドに、深い切り傷が付けられた。……幸い、傷はクロウ自身までいっていない。だがその傷を確認し、ドラゴンテイマーが引き下がる。
「接近戦を挑んだのが間違いだったな。……ソレは徴(しるし)であり――導(しるべ)だ。黒竜達のな。」
パチン、と。指鳴りと共にドラゴンテイマーの周囲が黒く染まり、幾つもの竜の蒼眼が、ガンドレッドの傷を睨む。
「なるほど、導――読み通りだ!」
刹那。
「――――フンッッ!!!」
クロウは腕のガンドレッドを取り外し、渾身の力で以て上空へとぶん投げた。
その勢いに続くように、黒竜の群れは――明後日の方向へと飛び立っていった。
「命中したものに放たれる竜の群――凌いでやったぞ。」
強く宣言するクロウ。残されたドラゴンテイマーは一人、穏やかにため息をつく。
「…………無駄なことを。傷ならこれから、いくらでも付けられる。」
「だが凌ぎ切ったぞ。さあ……次はこちらの番だな。――サカホコ。マガホコ。」
ハルバードが白龍の姿をとり、黒衣の下から黒龍が身を出す。それだけに留まらない。クロウの額にニ本の角が、背中から白と黒と赤――3対6枚の翼が出現する。
龍の力を持つドラゴニアン特有の竜派の姿。その翼がより、ドラゴンテイマーの姿と対照的に映る。
「サカホコ、マガホコ、全力を出せ。」
空に放る酒瓶。白黒の双龍がそれを砕き貫いたとき、36mにもなる巨大な龍へと変貌する。
サカホコは再び、しかし先ほどより長大なハルバードへと変化し、その槍斧を手に、クロウはマガホコの背に乗る。
『龍騎乱舞』、ここに顕現。三体の龍は一つの龍騎となり、地獄の如き魔人に立ち向かっていく。
……もう一度傷を付けられればまた竜の群れが襲う。ならばとクロウは、この一度の攻撃にすべてをかけた。
「――ハァッ!!」
黒の天駆、竜人の手により、白い巨塔が人間大のドラゴンテイマーに振り下ろされる。
大気を震わす槍斧と赤剣の交差は――ドラゴンテイマーに弾かれることで終わる。
「――更に!もう一撃ィッ!」
だが。それさえ見越して身をひねり、攻撃の締めである「二回目の攻撃」を行う。
遂にドラゴンテイマーは体幹を崩し、クロウのハルバードに吹き飛ばされた。
大成功
🔵🔵🔵
禍神塚・鏡吾
技能:ハッキング、時間稼ぎ、二回攻撃
相手の一手先を読むのが最も美しい戦術です
文明侵略の効果範囲に入らない様距離を取ります
ドラゴンテイマーが接近して来たら電脳魔術を駆使しシステム・フラワーズをハッキング
花の足場で拘束します
距離を取る時間さえ稼げれば良いです
二回攻撃で機械兵器を25×5×2=250体召喚
先手は黒竜の群れに取られますが数で勝負
竜1体を数体で囲み、何体か囮にして残りが目や逆鱗を攻撃
詰将棋の如く1体ずつ撃破します
彼が機械兵器のダイウルゴス化を試みた隙を突いて、無事な機体を突撃させます
今回召喚したのは、導電性プラスチック等の有機素材(無機物でない)のみで作られた特別性です
変換はできませんよ
西洋鏡のヤドリガミ、禍神塚・鏡吾(魔法の鏡・f04789)は花の地に足を踏み入れ、ここまでの猛攻にかすかな疲弊の様子を見せるドラゴンテイマーの遠方に位置をとった。
ドラゴンテイマーの能力の一つ、『文明侵略』。無機物を変化させるその力は、本体が鏡である自分にすら及ぶ危険がある。近づくのは得策ではない。
そのうえで鏡吾は、ドラゴンテイマーへの攻撃の手筈を整えていた。
エレクトロレギオン――小型の機械兵器の軍勢、総数125体が召喚される。そこへさらにもう一軍、2回召喚による125体の機械兵器たちが現れた。
総勢250体。鏡吾が用意し得る最大数の戦力を並べ、攻撃に備える。
ドラゴンテイマーは焦りもせず、立っているその場所から動くことはない。その必要が無いせいか。静かに指を打ち鳴らし、『文明侵略』を開始する。
戦闘の場であるこのシステム・フラワーズは、地上全ての資源を担う場所だ。足元の花をはじめ、指先の空間にすら物質が閉じ込められているのかも知れない。
黒衣の男の周りに不規則に浮かんだ黒の裂け目から、金属が染み出すように出現し、竜の姿をかたどる。少しもしないうちに巨大な黒竜の群れが形成された。
鏡吾。ドラゴンテイマー。両者を頭に、機械と竜による軍団戦が幕を開ける。
先手は黒竜の突撃。機械兵器と数の差は歴然だが、同様にその大きさも差は歴然だ。蜘蛛の子を散らすように散開するも、竜の牙や爪に少なくはない数の機械兵器が破壊されていく。
しかし、そんな痛手も鏡吾にとっては予期していたことだ。エレクトロレギオンは一撃で沈む。ましてや相手が過去最大の強敵なら、被害は大きくなる。そのために呼び出した大軍勢だ。
「肉を切らせて骨を断つ。一手先を読む詰将棋の如く――いかせてもらいます。」
鏡吾は機械兵を操り、攻勢に出る。兵器は打たれ弱さを感じさせる小さな形だが、その攻撃は見た目に反する。
弱点である逆鱗、さらには目。小さい機体を活かし、黒竜を射撃する。撃ち抜かれた黒竜は痛みから、また目が見えなくなったことから、ドラゴンテイマーの制御から外れていく。
「……。」
機械兵器に厄介さを覚えたのか、ドラゴンテイマーは集団の真っただ中へと飛び、黒竜の1体の背に立つ。
「――!それはさせられませんね!」
崩れぬ笑顔に焦る素振りを見せた鏡吾は、いくつかの兵器をドラゴンテイマーへ向け突進させる。『文明侵略』を機械兵器にも行う気だ。
「馬鹿なことを……。その機械どもも鞍替えするのみだ……。」
言い捨てたドラゴンテイマーの指が鳴り――。
その体に、変わらぬ機械兵器が爆発を伴って激突した。
「……!?」
「――おっと。言い忘れてました。機械兵器たちは今回の戦闘に合わせて、無機物ではない有機素材に変えてあるんでした。」
先ほどの焦り様と一転、鏡吾はその笑顔がさらに深くなったように、己の策謀を打ち明ける。
ドラゴンテイマーは黙したまま、赤剣による機械兵器の破壊にかかる。先ほどの手はもう通用しないだろうが、確かな攻撃を加えられたと、鏡吾は後退した。
成功
🔵🔵🔴
月鴉・湊
裏で何こそこそしていたんだ?まあ、そんな情報よりも今欲しいのはお前の首だ。
奴がダイウルゴスを召喚してきたら先ずは群れの動きを見切り一匹の懐に潜り込む。そうすれば周りのダイウルゴスが攻撃しようとしても一瞬くらいは盾に出来よう。
そしてすぐにUCを使用し多数の幻の俺を放つ。偽物の俺としばらくは遊んでもらおう。
自身は透明化し、音や気配を消し、テイマーに近づく。
狙いはただ一つ、奴の首だ。
周りの俺が全部幻だと気付かれる前に早業で俺の持てる暗殺技を見せてやろう。
ああ、すまんな。俺の姿は見えないんだったな。
だがこれでお前もここまでよ。恨むなら俺を恨みな。
アンネリーゼ・ディンドルフ
【アドリブ、連携歓迎】
【雷田・龍子(f14251)と連携】
【SPD】
アンネリーゼは今日もおいしいオブリビオンを求め依頼を受ける
「エイプモンキーさんもラビットバニーさんも、おいしくいただきました」
「ドラゴン肉の料理を食べたことはありますが、とてもおいしかったので、またいただきたいです」
お腹がぐーぐー鳴っている
ドラゴンテイマーのUC(ギガンティックダイウルゴス)は召喚技
それ自体が直接攻撃ではない
召喚から合体までが一瞬で終わるとは思えないのでこちらもUC発動
大型ダイウルゴスの攻撃は超反応の【見切り】で回避
超加速で動き回りつつ【早業/2回攻撃】で矢を連射
圧倒的物量でドラゴンテイマーを仕留めようと試みる
雷田・龍子
【アドリブ、連携歓迎】
【アンネリーゼ・ディンドルフ(f15093)と連携】
【SPD】
龍子はドラゴンヘッド(銃槍)を構え空を飛ぶ
相手の先生攻撃は【見切り】、【スナイパー】や【援護射撃】をしつつUC発動
敵は必ず先制攻撃=私は必ず後出しジャンケンとなる
“つまり後出しジャンケンで勝てば良い”
運命の女神はどちらに微笑むか
チート対チートのダイス勝負!
引き当てたガジェットでの対処を試みる
バーン・マーディ
……貴様はヴィランの極にある者だろう
そして…ヴィランは時に思想が合わねば死合うのみ
一つだけ問う
貴様にとって…正義とは何だ?
(相容れる事は無い。唯問うのみ
対文明侵略
竜よ
理の化身であり暴虐の化身よ
貴様らの蹂躙に我は…我らは叛逆する!(ユベコ発動!無数のデュランダル騎士の英霊召喚!
陣形
偃月の陣による正面突破
英霊騎士とドラゴンの激突を最小限に努め突破させ最小の犠牲に努め
先陣を切り【オーラ防御・カウンター・二回攻撃・怪力・生命力吸収・吸血】を使い竜を喰らいドラゴンテイマーに迫
攻撃に対しては【武器受け・怪力・カウンター・二回攻撃】によりダメージは覚悟
その上で我が一撃を届かせた上で
往け!
英霊騎士による蹂躙!
猟兵たちの力を立て続けに受け、その表情は崩れずとも体力を削られていくドラゴンテイマー。そこに、数人の猟兵が参戦する。
「お前、裏で何をこそこそしていたんだ?」
月鴉・湊(染物屋の「カラス」・f03686)が疑問をこぼす。最も湊自身は返答を期待していなかったが。
「お猿さんも兎さんも、おいしくいただきました……。とてもおいしかったドラゴンの肉、またいただきたいです。」
立ち向かう理由は、謎や脅威のためだけではない。美味しいオブリビオンを求めるアンネリーゼ・ディンドルフ(オブリビオン料理研究所の団長・f15093)は、ドラゴンテイマーが呼び出すドラゴンを食べたくてこの場に来たようだ。
「奴は強敵だ、アンネリーゼ。あまり食欲に気をとられるなよ……。この戦いには付き合うが。」
アンネリーゼの隣に立つドラゴニアン、雷田・龍子(人派ドラゴニアンの剣豪・f14251)。美食……とは別の、ドラゴンテイマーという脅威の排除のため、アンネリーゼと共闘に馳せ参じた。
更にもう一人、ドラゴンテイマーに問いを投げかける者がいる。髪も目も鎧も、黒に染まった騎士、バーン・マーディ(ヴィランのリバースクルセイダー・f16517)だ。
「一つだけ問う。貴様にとって……正義とは何だ?」
悪の中にある正義のため、ヴィランとなったバーン。目の前の男を『悪』の極みと判断したバーンは、その中にある正義を問う。
「優勢だからと……口々に訪ねてくれる……。」
集まった猟兵たちへわずかな苛立ちを向けるドラゴンテイマー。
「私の正義など決まっている。――力だ。」
指鳴り一つ。だがそれによる大気の鳴動は、これまでよりも一層大きなものだった。
逆鱗にⅠを刻まれた巨大な黒竜群。空間から変じるように生まれ出た無数の黒竜。列挙した猟兵にふさわしい軍団を作り上げ、それらが襲い掛かってくる。
「――竜よ。理の化身、暴虐の化身よ」
答えを聞いたバーンは動じず、戦闘態勢に移る。答えが相容れぬものであれ好ましいものであれ、ただ倒すだけだ。
「貴様らの蹂躙に我は……我らは、叛逆する!」
バーンの声に出現する騎士団の霊たち。かつての同胞、デュランダル騎士団の精鋭たちだ。陣形を組み、真っ先に竜の群れへと正面から押し迫る。
騎士団は一つの存在のように攻撃をせき止め、反撃しその生命を吸収し、着実にドラゴンテイマーの居る方へ歩を進めていく。
「ふふふ……お肉がたくさん。お腹を空かせてきた甲斐があるというものです。」
アンネリーゼのお腹がぐー、と音を出す。その直後、彼女は超スピードで動き出し、向かってくる竜を回避した。ユーベルコード『Over Drive』。空腹が彼女を突き動かし、竜群の中へ突っ込んでいく。
龍子もまたそこに続こうと飛翔、相棒である小竜・ドラゴネットを銃槍に変化させ、黒竜に応戦する。
「(賑やかになってきたねー……。いやはや、好都合だ)」
残る湊は、その乱戦によって出来た隙をついて、1体の大型黒竜の懐へ飛び込んでいた。盾にすれば一瞬一回は防げよう、と見立て忍び込んだ竜の身。
金属の体がつくる凹凸は都市のようにも見え、雑踏のような胎動も聞こえてくる。
「(動じはしないが――長居する場所でもないな。)」
潜んでいた湊は己の仕掛けでもって、攻勢に出始めた。
飛び回り群れ寄せる黒竜たちの周りから、続々と現れるのは妖刀を握った湊だ。ユーベルコード『咎に儚い幻想を映させよ』により、無数の湊が黒竜に剣を向け、合唱するように声を揃えて言う。。
「さあ来い。お前達の身を以て、この妖刀・影楔の錆にしてやろう。」
「いつまでも好きにはさせん。反撃の時だな。」
湊の言葉を契機に、空中でドラゴンを狙撃し戦っていた龍子も、自身の『ガジェットドロー』によってこの場を打開するガジェットの召喚に取り掛かる。
「先制攻撃なんのその。つまりこれは後出しジャンケン……勝ちは手にできる!」
呼び出されるガジェットは戦闘対象に有効なものだ。そうして出てきたガジェットは、大柄な重火器のようなものだった。
とりあえずそれを黒竜に向けて発射してみる龍子。すると広範囲に渡って薄い光線が飛び、それを浴びた黒竜は龍子の意のままに動かされるではないか。金属の体に有効な磁力銃。今回呼び出されたのはそういった類のもののようだ。
「幸運の女神は私に微笑んでくれたようだな。このまま押し返すぞ、アンネ……アンネリーゼ?」
「…………金属?」
アンネリーゼは超加速モードのなか、回避している黒竜たちの観察もしていた。そして分かったことは、黒竜たちが中身まで金属でできているであろう、ということだった。金属も食べられないわけではない……かもしれないが、お肉を所望していたアンネリーゼにとっては見当違いのことだった。……お腹はさらにぐーぐーと鳴る。
猟兵の共闘により、竜の軍団が少しづつ数を減らしていく。すぐ先には騎士団がこちらに向かってくる。ドラゴンテイマーはその様を見て――『猟兵たちの連携』を見て――苛立ちの念を強くした。その乱戦に意識が向いていたのか。
反転に跳躍しながら、己の首に赤い血の糸を括り付ける湊に気づくことはなかった。
「……!?」
ドラゴンテイマーの背後に着地し、糸を握りしめる湊。
「見たか、この俺の暗殺技を。……ああ、すまん。俺の姿は見えないんだったな。」
分身を生み出し、更に本体である自分を透明にする――。この力はすべて、自分がドラゴンテイマーを暗殺するための仕込みであった。血の糸が、敵の首を絞めつける。だが――。
「まだだ……!」
左手で首の糸を握りしめ、耐え抜くドラゴンテイマー。湊の方へ居直り、赤剣を向ける。そこへ――。
「せめて……あなたのだけでも……。」
空腹が限界に近づいていたアンネリーゼが神速で矢を連射する。その様子を大変心配するも、龍子もまた銃槍でドラゴンテイマーを狙い撃つ。
剣で矢と弾を落としにかかるドラゴンテイマー。だが湊の血の糸もあって、圧倒的物量の飛び道具の雨はしのぎ切れない。
とうとう、決着の時が来る。ここまで竜に削られつつも、進軍してきた騎士団を率いるバーンが、ドラゴンテイマーへと肉薄する。
捉えきられた状態でさえ、振るわれる赤剣は速く、バーンの首元に迫る。それを、手に持った魔剣と渾身の力ではじき返し、その胴へ――切っ先を突き立てた。直後、騎士団の剣槍が、そのあとに続く。
「――――なるほどこれが、今のお前たちの力――――。」
直前までの勢いと闘気が嘘だったかのように、穏やかな雰囲気に変わり――そのまま、黒い塵のように霧散した。
ドラゴンテイマー、撃破。再びシステム・フラワーズに復活してくるか、復活不可能により骸の海に消え失せていく――そのどちらかの『筈』だ。
成功
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