バトルオブフラワーズ⑫〜黒き竜の咆哮
●竜使いとの決戦
「皆様、お集まりいただきましてどうもありがとうございます。いよいよ、キマイラフューチャーでのオブリビオンとの戦いも大詰めです」
敵の三幹部を撃破した猟兵たちの前に立つのは、エルフの執事、ヘルメス・トリスメギストス。ヘルメスは猟兵たちに深くお辞儀をすると、戦況の説明を始める。
「三幹部を倒したことで、システム・フラワーズ中心への道が開放されました。残るはオブリビオン・フォーミュラ、ドン・フリーダムと、謎のオブリビオン、ドラゴンテイマーのみです」
オブリビオンの頂点に立つオブリビオン・フォーミュラと、そのオブリビオン・フォーミュラに協力しているらしい謎の存在ドラゴンテイマー。
「私の方では、ドラゴンテイマーへの転送ゲートを準備させていただきました。オブリビオン・フォーミュラに技術提供をしているらしい様子からも、油断のならない相手かと思われます」
戦闘が始まると、ドラゴンテイマーは必ず猟兵たちに先制攻撃をしてくるという。
先制攻撃の内容は、『黒竜ダイウルゴス』を召喚するもの。まさにドラゴンテイマーの名に相応しい能力と言えるだろう。
「敵は強力です。これまでの幹部怪人と同様……いえ、それ以上に先制攻撃対策を練っていく必要があるかと存じます」
だが、ここまで来たら全力を出しきるしかない。
「皆様でしたら謎に包まれたドラゴンテイマーを撃破していただけると信じております」
一礼したヘルメスは、猟兵たちの無事を祈りながらグリモアを輝かせたのだった。
高天原御雷
高天原御雷と申します。オープニングをお読みいただき、どうもありがとうございます。
こちらのシナリオでは、ドラゴンテイマーと戦っていただきます。
敵はドラゴンテイマーの名の通り、黒竜ダイウルゴスを召喚し先制攻撃を仕掛けてきます。この攻撃への対処がプレイングに書かれていない場合、失敗や苦戦は免れませんのでご注意ください。
また、先制攻撃への対処が上手くいったとしても、敵は非常に強力です。純粋な実力だけでも厳しい戦いになることでしょう。
それでは、皆様の熱いプレイング、お待ちしております。
●注意
敵は必ず先制攻撃します。敵は、猟兵が使用するユーベルコードと同じ能力値(POW、SPD、WIZ)のユーベルコードを、猟兵より先に使用してきます。
この先制攻撃に対抗する方法をプレイングに書かず、自分の攻撃だけを行おうとした場合は、必ず先制攻撃で撃破され、ダメージを与えることもできません。
第1章 ボス戦
『ドラゴンテイマー』
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POW : クリムゾンキャリバー
【赤き剣の右腕】が命中した対象に対し、高威力高命中の【黒竜ダイウルゴスの群れ】を放つ。初撃を外すと次も当たらない。
SPD : ギガンティックダイウルゴス
レベル×1体の、【逆鱗】に1と刻印された戦闘用【大型ダイウルゴス】を召喚する。合体させると数字が合計され強くなる。
WIZ : 文明侵略(フロンティア・ライン)
自身からレベルm半径内の無機物を【黒竜ダイウルゴスの群れ】に変換し、操作する。解除すると無機物は元に戻る。
イラスト:ハルヨリ
👑11
🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔴🔴🔴🔴🔴🔴
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種別『ボス戦』のルール
記載された敵が「1体」出現します。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。
| 大成功 | 🔵🔵🔵 |
| 成功 | 🔵🔵🔴 |
| 苦戦 | 🔵🔴🔴 |
| 失敗 | 🔴🔴🔴 |
| 大失敗 | [評価なし] |
👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。
※このボスの宿敵主は
「💠山田・二十五郎」です。ボスは殺してもシナリオ終了後に蘇る可能性がありますが、宿敵主がボス戦に参加したかつシナリオが成功すると、とどめを刺す事ができます。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。
佐久間・嶺滋
『赤き剣の右腕』に最警戒。
【第六感】でどこから狙われても良いように回避機動を取りつつ、
回避時には【残像】を活かしてなるべく命中させないように。
足音で場所割り出しをされても此方が困るので【忍び足】も併用。
至近を取れるなら『千変万化の葬影』、遠距離になってしまう場合は『影葬楔』の苦無を使用した攻撃を行い、
なるべく【マヒ攻撃】【呪詛】【目潰し】を仕掛けて相手の命中精度などに制限を掛ける。
できたら【生命力吸収】もつけて立て直せるように。
巧く影の武具(装備してる武器)での攻撃が当てれたらそのまま
【冥婚の花嫁】の発動まで持ち込む。
「何も態々表に引っかかるような動きをしなくても良いだろう」
※アドリブ・連携可
鬼灯原・孤檻
【SPD】
ドラゴンテイマーを前に、抜刀する。
「何を企んでいるかは分からんが、ここで貴様を逃してはならないことは分かる」
大型ダイウルゴスに合体される前に、ドラゴンテイマーへと距離を詰めよう。
ユーベルコードの結界、呪縛、そして黒縄と、【アイテム:天秤の神の御鎖】をもって、生み出された大型ダイウルゴス達を【時間稼ぎ】し、足止めをする。
敵の攻撃は多少喰らおうとも、【見切り】と【激痛耐性】と【気合い】で耐え抜く。
「貴様の企みが未来に害なす罪あらば、この戒めをその身に受けよ!」
ドラゴンテイマーに鎖が届くなら動きを封じる。
最後は愛刀をもって、一撃を下そう。
<アドリブ連携おまかせ>
●刀神と死神
「ドン・フリーダムではなく、私の元に現れたか……」
六枚の翼と赤き剣の腕を持つ男が呟く。この男こそドラゴンテイマー。オブリビオン・フォーミュラであるドン・フリーダムに力を貸す謎の存在だ。
「何を企んでいるかは分からんが、ここで貴様を逃がしてはならないことは分かる」
抜身の刀を構えて正面からドラゴンテイマーに対峙するは、鬼灯原・孤檻(刀振るう神・f18243)。『刀を振るい罪を裁く』という概念が神格化した正真正銘の神である。孤檻の躯が告げている。この男はここで斬らねばならないと。
孤檻から放たれる剣気とドラゴンテイマーが纏う紫煙がぶつかり合い、足場に咲く花が乱れ散る。
その花吹雪に紛れて接近するもう一人の猟兵がいた。
(相手の注意が逸れている隙に背後を取らせてもらう)
孤檻と対峙するドラゴンテイマーの意識の間隙を突いて、佐久間・嶺滋(想葬の黒影・f00774)が影のように敵の背後に回り込む。影使いのサイキッカーである嶺滋にとって、音もなく敵に忍び寄ることなど造作もない。
目的を同じくする猟兵同士、連携するのに合図どころか視線を交わすことすら不要。ドラゴンテイマーを前後から挟み撃ちにするように二人が地を蹴ると同時――。
「顕現せよ、黒竜ダイウルゴス」
男の六枚の翼が羽ばたいたかと思うと周囲の空間に亀裂が入り硝子のように砕け散る。虚空から姿を見せるは漆黒の鱗を持つドラゴン――黒龍ダイウルゴス。その数は数十体。色とりどりの花が咲き乱れる戦場を黒が塗りつぶす。
「させん! 是より審理を執り行う。嘘偽りは無始暗界に至るものと知れ!」
孤檻の行く手を阻むダイウルゴスから放たれた黒焔が透明な壁にぶつかったかのように霧散する。ユーベルコード【権能・強制告解】の第一の権能・結界の効果である。かろうじて結界を抜けてきた焔が孤檻を焼こうとするが、その程度の焔では土蜘蛛の糸で編んだ衣による加護を破ることはできない。
さらにダイウルゴスに第二の権能・呪縛と第三の権能・黒縄が効果を発揮し、その動きを封じていく。
(ここだっ!)
孤檻が注意を引き付けている隙を突いて、ドラゴンテイマーの背後から嶺滋が大鎌『千変万化の葬影』を振り下ろす。
「その程度で私の不意を突けると思わないことだ」
余裕の表情を浮かべたドラゴンテイマーが振り向き、右腕の赤い剣を閃かせ――その一撃は嶺滋の残像を貫いた。
「なにっ」
「その剣を警戒していて正解だったようだな」
驚愕の表情を浮かべるドラゴンテイマーに向かって、嶺滋は苦無『影葬楔』を放つ。
ドラゴンテイマーの左腕に刺さった苦無は嶺滋のユーベルコード【冥婚の花嫁】の発動条件。苦無から立ち昇る影が人の姿を取っていき、漆黒の花嫁衣装を着た少女の姿となる。影の少女はドラゴンテイマーを抱擁し動きを封じる。
「く、この程度の拘束など……」
「貴様の企みが未来に害なす罪あらば、この戒めをその身に受けよ!」
黒衣の花嫁の拘束を振り払おうとするドラゴンテイマーだが、その手足に孤檻の『天秤の神の御鎖』が絡みつく。罪の重さに比例して強度を増す鎖――それはドラゴンテイマーにとって計り知れない強度となる。
「災禍はこの刀で両断するのみ!」
孤檻が愛刀である『霊刀・凍檻』を正眼に構え――。
「死を呼ぶ鎌を食らいな」
嶺滋が大鎌『千変万化の葬影』を振りかぶり――。
ドラゴンテイマーを孤檻の刀と嶺滋の大鎌が斬り裂いたのだった。
成功
🔵🔵🔵🔵🔴🔴
葛乃葉・やすな
相手が無数の黒龍を使うのならそこを利用させてもらおう。
【おびき寄せ】を使い、黒龍がわしのもとに向かってきたら攻撃タイミングを【見切り】、【衝撃波】を地面に放ちわし自身を上空へ【吹き飛ばし】をする。
無数の黒龍が考え無しにわしに向かってきてくれた事で分かりやすい道が出来たのう。
【地形の利用】で黒龍の比較的安全な部位にのり【早業】【ジャンプ】で黒龍の群れの上を素早く移動する。ドラゴンテイマーまで距離を詰めたら奴の動きを【見切り】UC【秘技・鬼門封じ】で奴の動きとUCを封じる。【生命力吸収】でダメージを与える事も怠らぬよ。
ダメ元でドラゴンテイマーから自身の目的について【情報収集】するかのう。
連携歓迎
トリテレイア・ゼロナイン
オブリビオンに技術提供するオブリビオン
貴方という存在はその実力以上の脅威です。何を目的として動いているかはわかりませんが騎士として阻ませて頂きます
赤き剣の一撃を●盾受けで防御、その直後の黒竜召喚に合わせ●怪力で大盾を遠くに放り投げます
命中した「対象」に黒竜が向かうならば大盾を追って移動するはず
その隙にテイマーに接近しUCのフィールドを私とテイマーを囲うように展開。黒竜の横槍を短時間でも阻むと同時に電磁波でテイマーの動きを鈍らせます。さらに格納銃器での●だまし討ちで意表を突いた隙にワイヤーアンカーでの●ロープワークで右腕を拘束
二度は振らせません!
そのままアンカーで引き寄せ●怪力でふるう剣を一閃
ノストラ・カーポ
※アドリブ・連携歓迎
よう。折角だ、仲間と一緒に死んで行けよ
衝撃波を付与した弾丸での属性攻撃をダイウルゴスの群れに向けて連射、敵の動きを押し止めながら呪詛での範囲攻撃。攻撃を逃れ近づいて来たダイウルゴスはロープワークの要領で鎖を使って絡め取り、怪力でテイマーに向けて投げる。テイマーにはダイウルゴスの群れに向けて放った物と同じ攻撃を放ち意識を此方に引きつけ、投げたダイウルゴス達の中に紛れ込ませておいた仕込み杖を念動力で動かし死角から攻撃するのと同時に【指定UC】を発動。
胡・翠蘭
自分の目的の為に手段を問わない…その意志のあり方には共感は致しますが…
その方法がわたくしや…わたくしが守りたいと想う範囲を侵すものならば、容赦は致しませんわ
【SPD】
まず防具改造と激痛耐性
敵の出方を見てから反撃の機を伺いましょう
敵の数に、戦力の差に絶望した…というように演じて見せて
実際は第六感と野生の勘で攻撃は見切り、防御回避で直撃を避けるよう立ち回り
…好機を逃さず、
ドラゴンテイマー、そしてダイウルゴスを全て、合体する前にわたくしの視界に収めて
マヒ、呪詛、思考混濁の毒、電撃属性を込めてUCの触手を嗾けましょう
ええ、…視界に収め、わたくしの触手が届く範囲にいるならば…全て犯して差し上げますわ
●
「貴方の存在は脅威であると判断します。騎士として貴方の目論見は阻ませていただきます」
ドラゴンテイマーの前に、機械の身体を持った巨体の騎士、トリテレイア・ゼロナイン(紛い物の機械騎士・f04141)が立ちふさがる。鋼の兜から覗く緑の光は、決意を表すかのように強い輝きを放っている。
「おぬしが何を企んでいるかは気になるのう。せっかくじゃし、聞かせてはくれぬじゃろうか?」
幼い見た目の妖狐、葛乃葉・やすな(子供好きの妖狐・f14023)はドラゴンテイマーの目的が気になり問いかける。
「私の目的か……。お前たちもいずれ知ることとなるだろう」
「やはり、まともな答えは得られぬか……」
元から回答を引き出せるとは期待していない。ならば倒すまでと、やすなは霊符を構える。
「自分の目的の為には手段を問わないという、その意志のあり方には共感は致しますが……」
刹那主義者である胡・翠蘭(鏡花水月・f00676)にとっては、ドラゴンテイマーの考えは理解できなくもないものだ。だが、翠蘭はその翠と金の瞳を細めてドラゴンテイマーを射抜く。
「ですが、その方法がわたくしや……わたくしが守りたいと想う範囲を侵すものならば、容赦は致しませんわ」
「まあ、俺もそこの姐さんと同じ意見だな」
翠蘭に同意するのは、悠久の時を稼働してきたミレナリィ・ドールのノストラ・カーポ(無法者・f14707)だ。彼もまた快楽を重んじる凶暴な性格をしていた。それゆえに、自分の自由を奪う可能性のあるドラゴンテイマーを放置するつもりはない。
「折角だ、仲間と一緒に死んで行けよ」
ノストラが、大口径の自動拳銃と回転式拳銃をホルスターから抜き、ドラゴンテイマーに向かって構える。
「先陣は私が!」
まずドラゴンテイマーに向かっていくのは、トリテレイアだ。
巨大な盾と槍を構え、機械の巨体を脚部スラスターが吐き出したジェットで加速させるトリテレイア。その重量を感じせない高速機動によって、一瞬でドラゴンテイマーに肉薄する。
だが、その速度をもってしても、ドラゴンテイマーの先手を取ることはできなかった。
ドラゴンテイマーの右腕の赤き剣がトリテレイアを捉える。巨大な盾に激突した赤き剣の重い一撃は、突撃してきたトリテレイアの巨体を大きく後方に押し返した。
だが、これでドラゴンテイマーの攻撃は終わりではない。
「顕現せよ、黒竜ダイウルゴス」
空間を破り現れるのは黒竜の群れ。さらに、猟兵たちが立つ花の足場が軋み悲鳴を上げながら、黒竜の姿に変わっていく。
花の足場を埋め尽くさんばかりの黒竜たちは、猟兵たちに牙を剥き咆哮を上げて突撃を開始する。
まず最初に黒竜たちの標的になるのは、ドラゴンテイマーに接敵しているトリテレイアだ。
だが、迫りくる黒竜を見ても機械の騎士は余裕を崩さなかった。
「黒竜が狙うのは、赤き剣が命中した対象。ならば、こうしたらどうなりますかね?」
トリテレイアは、先程、赤き剣が命中した対象――すなわち巨大な盾を後方に放り投げた。
飛んでいく盾を標的とみなした黒竜たちは、トリテレイアを無視し盾に向かって突撃していく。
そして、その盾が飛んでいく先で黒竜たちを挑発するように立つのは、幼い外見の妖狐、やすなだ。
「考えなしに、わしに向かってきてくれるなら、それを利用させてもらおうかのう」
盾から、やすなに標的を変えた黒竜たちは、妖狐の少女を血祭りにあげようと殺到する。
だが黒竜たちの爪が、牙が、やすなに届く直前――やすなは地面に向かって衝撃波を放つことで自身の身体を上空へと舞い上がらせた。
上空へと飛び上がったやすな。そこにあるのは、まだ飛翔中のトリテレイアの盾。
「トリテレイア殿、打ち合わせ通りの場所じゃな」
やすなはトリテレイアの盾を足場として跳躍することで黒竜の頭上を飛び越え一気にドラゴンテイマーに肉薄した。
「ナイスだ、トリテレイア、やすな」
「この竜は私達にお任せくださいまし」
後衛のノストラと翠蘭が黒竜たちに狙いを定める。
ノストラの二丁の拳銃が雨のように弾丸を吐き出す。
「俺の拳銃の装弾数は10億発だぜ。この程度の数なら敵じゃないぜ」
自動拳銃や回転式拳銃に、なんでそんなに装弾できるのかは謎だが、事実なのだから仕方ない。
拳銃から吐き出された呪詛の込められた銃弾が黒竜たちに命中し、衝撃波によってその鱗を貫き肉を抉っていく。その威力は黒竜たちを屠るのに十分だった。
だが、黒竜の数はあまりに多い。銃撃では倒しきれなかった黒竜たち。残ったそれらを翠蘭の双眸が射抜く。
「視界に入っている限り、わたくしの触手からは逃れられませんわ。犯させていただきますわね?」
翠蘭の瞳が妖しく輝いたかと思うと、足場に咲く花が、淫靡な粘液で濡れた触手に変化していく。
それは翠蘭のユーベルコード【淫蕩の沼に引き摺り込みし触手の群れ(バイオレンスオブプレシャス)】によって生み出されたもの。翠蘭の瞳に映る、生き残りの黒竜たちに触手が絡みついていき、その動きを封じながら快楽で精神を侵していく。
黒竜は所詮は知性の低い獣。快楽によって精神を蝕まれ、残っていた黒竜たちも自我を保てなくなり躯の海へと消えていった。
「さて、ご自慢の黒竜たちは全滅してしまったようじゃのう?」
「観念していただきましょう、ドラゴンテイマー!」
ドラゴンテイマーに接近した前衛二人、やすなとトリテレイアが、ドラゴンテイマーに挑みかかる。
「黒竜ダイウルゴスを倒した程度で勝った気になるな」
対するドラゴンテイマーは、右腕の赤き剣を構え、二人を迎撃する体勢をとるが――。
「それは封じさせていただきますわね?」
ドラゴンテイマーの右腕に絡みつくのは、翠蘭が操る触手。赤き剣を使えないように拘束する。
「小癪な……」
「おっと、そうはさせない」
「これを受けてください」
左手で触手を引きちぎろうとするドラゴンテイマーだが、その腕には、ノストラが放った鎖と、トリテレイアが射出したワイヤーアンカーが巻き付き動きを封じる。
「く、ならば、さらに黒竜ダイウルゴスを呼び出すまで……顕現せよ、黒竜ダイウルゴス」
赤き剣の右腕と、反対の左腕をも封じられたドラゴンテイマーは、さらに黒竜を呼び出そうとする。
だが、それよりも、やすなの動きの方が早い。
「んむー、これはとてもしんどいから、使いたくなかったんじゃが……仕方ない。【秘技・鬼門封じ】!」
やすなが放った妖力波がドラゴンテイマーに命中すると、出現しかかっていた黒竜たちが霧散していく。ドラゴンテイマーが黒竜を召喚する際の力の流れに干渉し、それを封じたのだ。
「これはおまけじゃ」
「ぐぬぅっ」
やすなの呪符がドラゴンテイマーに命中し、その生命力を奪っていく。
「一気に勝負を付けさせていただきます! 【攻勢電磁障壁発振器射出ユニット(バリアジェネレーターランチャー)】起動!」
トリテレイアは電磁障壁を発生させるユニットを射出し、周囲を障壁で囲む。この障壁内にいるオブリビオンは、その能力を十全に発揮できなくなるという妨害フィールドである。
これにより、ドラゴンテイマーの防御力が大きく低下する。
「受けてください!」
「これも受けていくんだな」
トリテレイアの剣がドラゴンテイマーを斬り裂くと同時に、ノストラの【Occhi silenzio(オッキ・シレンツィオ)】による不可視の斬撃がドラゴンテイマーを襲い、鮮血が舞い散るのであった。
成功
🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔴🔴🔴🔴
チャド・アランデル
【心情】
こいつを逃したら、後々不味い気がするよねー。
今回の異変も元凶はこの人みたいだし、痛い目見てもらわないとねー。
【戦闘】
【チャドの薬瓶】を薬として使用、口に含み振り掛けながら【生命力吸収】
【チャドの結界石】を範囲を自分に指定して発動【身代わりの木】でダメージを【かばう】という防御策。
ダイウルゴスの攻撃を【野生の勘】で【見切り】【激痛耐性】で耐えながら【逃げ足】を生かし時には【武器受け】したり【敵を盾にする】事により回避に専念。
機を見てマーキングしたダガーをドラゴンテイマー付近へ【クイックドロウ】で【槍投げ】の要領で【投擲】、ドラゴンテイマーへ選択UCと【毒使い】による【暗殺】を仕掛ける。
●
「今回の異変も元凶はこの人みたいだし、痛い目見てもらわないとねー」
チャド・アランデル(キマイラのシーフ・f12935)が、マイペースな柔和な笑顔を浮かべながら前に出る。その緊張感のない声での台詞は、言っている内容とは裏腹に、ひどくのんびりした印象しか与えなかった。
「ふ、そのように覇気のない相手は一撃で葬ってくれよう。顕現せよ、ダイウルゴス」
ドラゴンテイマーの呼びかけに応え、数十体の巨大ダイウルゴスが召喚された。黒竜たちは花の足場を踏み荒らしながらチャドへと猛進する。
まるで嵐のような勢いで突撃してくる黒竜たちを、チャドは落ち着き払って眺めていた。
「こういうときは、焦らずに対処するのが肝心だねー」
彼が懐から取り出したのは、一つの石。『チャドの結界石』という、耐衝撃・認識阻害の効果のある結界を張れる魔石であった。魔石が輝くと、チャドの周囲に結界が生成される。
「よーし、正面突破でいくよー」
「くくく、自殺志願か」
正面から黒竜の群れに飛び込んでいくチャドを見て、ドラゴンテイマーが哄笑する。
だが、ドラゴンテイマーの余裕もすぐに崩れることとなった。
「なに……、ダイウルゴスの攻撃を凌いでいる、だと……」
黒竜たちは結界の障壁に阻まれて進路を逸らされたり、認識阻害でチャドの姿を見失ったりと、右往左往していた。時折、偶然チャドに攻撃できた黒竜も『身代わりの木』によって攻撃を避けられる。
回避に専念しながら敵陣を突破するチャドは、素早さを活かして黒竜の攻撃を避ける。そして敵が巨体であることを逆手に取って敵同士で同士討ちを狙ったり、傷を負ったら『チャドの薬瓶』によって回復したりしながら、着実にドラゴンテイマーとの距離を縮めていた。
「くっ、こうなったら一気に踏み潰せ、ダイウルゴス!」
数が多く同士討ちをさせられるのを避けるため、ドラゴンテイマーはダイウルゴスに合体の命令を下した。
ダイウルゴスが合体していきその巨体がさらに大きくなる。逆鱗にある数字が加速度的に増えていく。
「それを待ってたのさー」
その隙を突き、チャドがドラゴンテイマーに向かってナイフを投げる。
鋭い銀の軌跡を描いたナイフはドラゴンテイマーに真っ直ぐ向かっていき――赤き剣で叩き落された。
「ふん、奇襲を狙っていたようだが、残念だったな」
「おっと、油断大敵だよー」
チャドの狙いはあくまでナイフを届かせることだった。
チャドのユーベルコード【振り向けば僕!(ビーイングダイルテッド)】は、マーキングした場所――今はナイフにマーキングしてある――に瞬間移動する技。ドラゴンテイマーが叩き落としたナイフのもとにチャドの姿が現れる。
「なにっ!?」
チャドの放った毒針はドラゴンテイマーに命中し、致命傷とはいかないまでも、その身体に毒を送り込むことに成功したのだった。
成功
🔵🔵🔴
紫・藍
藍ちゃんくんでっすよー!
ややや、物騒なおじさまとドラゴンさんたちが!
困ったのです!
というわけで初撃に対して藍ちゃんくんは藍ちゃんくんがいきなり動けなくならないよう全力で時間を稼ぐのです!
挑発コミュ力楽器演奏言いくるめ誘惑エトセトラ!
使えるものは全部使ってパフォーマンス!
踊りまっすよー!
黒竜さんを踊らせてしまえばしめたもの!
テイマーさんの指一本でもつられてくれれば尚うれし!
定番ですと操作奪われたのなら能力解除でリセットからの再変換でしょが。
……実は藍ちゃんくんのこれ、有機無機を問わないのでっすよー?
風に舞う花とか言うじゃないですかー。
花などが変換対象なら変換範囲外や遠くまで舞わせちゃいますよー?
●
「藍ちゃんくんでっすよー!」
毒を受けたドラゴンテイマーの前に姿を見せたハイテンションガール……え、ガールじゃない? 失礼しました。紫色のスカートをはいたハイテンションな人物は、ダンピールの紫・藍(覇戒へと至れ、愚か姫・f01052)だ。
「物騒なおじさまとドラゴンたちは、藍ちゃんくんが懲らしめてあげまっすよー! というわけで、さっそく藍ちゃんのダンスをみてもらいたいっのです! あと、歌も歌っちゃいまっすねー」
「な、なんなのだ、お前は……」
突然の藍のハイテンションについていけない、ダウナー系おじさまのドラゴンテイマー。おじさま、実はこういう相手が苦手なのかもしれない。
そして、唐突に始まる藍のゲリラライブ。スカイダンサーでありサウンドソルジャーである藍の面目躍如だ。
「ノッてるかーい、おじさま!」
「くっ、歌が……わからぬ……」
オブリビオンであるおじさまには、現代の歌を理解するのは厳しいのだろう。苦い顔をするドラゴンテイマー。クラシックとか聞いてるほうが似合いそうですし。
「というか、何故、こんな茶番に付き合わねばならんのだ。顕現せよダイウルゴス」
藍の策にはまって時間稼ぎを許したとは気付かずに、足場をダイウルゴスに変化させていくドラゴンテイマー。
だが、ゲリラライブは藍のユーベルコード【藍ちゃんくんと愉快な観客達!(リー・アー・アイチャンクーンッ)】を発動させるための時間稼ぎ。そのユーベルコードはすでに発動し、効果を発揮していた。
その効果とは、藍のパフォーマンスを見た相手をついつい踊らせてしまうこと。
足場から召喚された黒竜たちが、藍のダンスを見て身体をくねらせて踊り始めてしまった。
「さあ、みんなでレッーツ・ダンシンッ! なーのでっすよー!」
「ぐっ……」
ドラゴンテイマーも藍のダンスを見ている以上、当然、ユーベルコードの影響下にある。
額に汗を浮かべながら、左手で右手を必死に抑えるドラゴンテイマーのおじさま。
「さーあ、おじさまも我慢なっさらっずにーっ!」
「くうっ、身体が勝手に……!」
ついに抵抗できなくなって、ドラゴンテイマーのおじさまは盆踊りを踊り始めた。
「おのれっ、この隙に攻撃されてはまずいっ……」
踊りながら、おじさまは焦りをあらわにする。が。
「あ。」
って、まさか、攻撃するの忘れていたとか?
「というわっけでー、藍ちゃんくんのライブに来てくれてあっりがっとー!」
嵐のように去っていったハイテンションボーイだった。
なお、おじさまは肉体的ダメージは負わなかったが、多大な精神ダメージ(主にキャライメージに)を負ったという。
成功
🔵🔵🔴
リグ・アシュリーズ
荒野(f09467)君と
事前にマントのホックを少し緩め、黒風鎧装を起動。
苦し紛れに無策で挑むよう演技しつつ、
私と荒野くんを横薙ぎ一閃で払えるような絶妙な立ち位置に。
敵の先制攻撃に全神経を尖らせるわ。
(来た――!)
マントをばさっと投げて視野を遮り、
さらにホバーシューズの靴底からエアー噴射。
二人まとめてなら太刀筋は横薙ぎか袈裟斬り、大上段はないはず。
【ジャンプ】で逃れるわよ……!
成否を問わず、即座に攻撃へ。
痛打を貰っても【激痛耐性】で耐え、少しでも剣を叩きこむ。
【2回攻撃】、一太刀でも多く!
アナタみたいな手合い、放っておけるもんですか。
それにね。
お友達傷つけられて黙ってるほど、できちゃいないのよ!
平良・荒野
頼もしい、リグさん(f10093)と
得物はフォースセイバーを用い、UCはサイコキネシスを。
必ず先手を取られるのならば、備えも出来ようというもの。
挑むタイミングはリグさんと揃え、横薙ぎの一撃を誘います。
赤き刃は「武器受け」で受け止めます…が、直後にフォースセイバーの刃を消失させダイウルゴスの狙いを僅かなりともずらします
一瞬でも動ける間があれば、前へ。無くとも「吹き飛ばし」で無理やりにでもダイウルゴスから距離を作り、間隙を縫ってドラゴンテイマーの至近へ。
リグさんと同時に、間近からサイキックエナジーを撃ちこみ、威力の増大を狙います。
いくら強大でも、たった独りのあなた相手に、負ける道理はありません…!
●
「次はお前たちか……無策とは、私も舐められたものだ」
ドラゴンテイマーは、向かってくる猟兵たちに鋭い視線を投げかける。
正面から視線を受け止めるのは、灰色の髪をした人狼のリグ・アシュリーズ(人狼の黒騎士・f10093)と、僧衣を纏った羅刹の平良・荒野(羅刹の修験者・f09467)だ。
「アナタみたいな手合い、放っておけるもんですか」
「いくら強大でも、たった独りのあなた相手に負ける道理はありません……!」
困っている人を放っておけない質のリグは、その正義感から無茶をしているように見せかけ。荒野は仲間のリグへの信頼から敵を侮っているふりをする。だがそれはドラゴンテイマーを油断させるための策だ。
「勇気と無謀を履き違えたこと、後悔させてやろう!」
ドラゴンテイマーの右腕の赤き剣、クリムゾンキャリバーが神速で振るわれる。
しかし、赤い軌跡が真っ二つにしたのは、リグが纏っていたマントだけだった。斬り裂いたマントの残骸がドラゴンテイマーの視界を遮る。
「なにっ!?」
「二人まとめて斬ろうとするなら、横薙ぎの一閃が来るわよね」
驚愕の声をあげたドラゴンテイマーは、声のした方、頭上を見上げる。上空からは悪戯っぽい笑みを浮かべたリグと、彼女と一緒に跳躍した荒野が落下してくるところだった。
ドラゴンテイマーの剣が振るわれた瞬間、リグは【黒風鎧装】の漆黒の旋風で自分と荒野を包んでいたのだ。真の姿になっていないとはいえ、漆黒の旋風は二人を上空に跳躍させるのには十分な効果を発揮していた。
「来るとわかっている攻撃なら、避けるのは簡単よね」
「ふん、それで避けたつもりか。上空ならばこれ以上避けようがあるまい」
横薙ぎに振り切ったクリムゾンキャリバー。ドラゴンテイマーは、その右腕を無理やり軌道修正する。急激な加速度のかかった右腕があげる悲鳴を抑え込み、赤き剣は逆袈裟の軌道に入る。
上空から落下するリグと荒野には、これを防ぐ手段はない――そう思っていたのはドラゴンテイマーだけだ。
「言ったでしょう、いくら強大でも、たった独りには負けないと――」
ドラゴンテイマーの先制攻撃は一人につき一回。もう一度攻撃が来ることは二人の想定通りだった。
荒野は構えたフォースセイバーに理力を宿す。剣に満ちるは緑色の光。荒野の中の原風景たる新緑の森の輝きだ。
逆袈裟に切り上げるクリムゾンキャリバーと、上空から大上段で振り下ろされる緑のフォースセイバーが激突する。
――本来、正面からの切り合いであれば、ドラゴンテイマーの勝利に終わっただろう。だが、無理な軌道から無理やり放った赤き剣と、上空からの落下速度も加えた緑の光条。両者は数瞬の間、拮抗し――赤き剣が断ち切られた。
「なんだと、私のクリムゾンキャリバーが何故!?」
「まだ分かりませんか」
フォースセイバーを構えた荒野が修験者のように落ち着いた雰囲気で諭す。
「その剣は、すでに折れかけていたのです。ここにいるあなたが認識しているかは分かりませんが、あなたはたった独りで何百人という猟兵たちと戦い敗れているのです。たとえ何度、躯の海から蘇ろうとも、その剣には僕たち猟兵との戦いの傷が残っているのです」
「そんなことはありえないっ!」
激昂したドラゴンテイマーは、半ばから折れた剣で荒野とリグに斬りかかろうとし――
「引導を渡してあげましょう」
「私のお友達を傷つけた報い、うけてもらうわ!」
荒野が振るう緑に輝くフォースセイバーと、リグの持つ鉄塊のような巨大な黒剣がドラゴンテイマーを切り裂き――その身体を躯の海に還したのだった。
大成功
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