バトルオブフラワーズ⑫〜齎す物
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花が咲き乱れる空間に男は佇んでいた。
花弁が黒い衣装につくことも厭わずただ静かに。
幾ばくかの時間が経ったか。静寂が支配する空間に音――衝撃音が、剣戟が、断末魔が、歓声が響き始める。
その音が空間の中心から聞こえるようになってから、ようやく彼は茶の瞳を開き空間の中心へと向ける。
花の足場は首領の元まで到達しており、猟兵たちは首領を討たんと駆けていく。
(私の役目は「持ち帰る」ことのみ)
侵略樹を与えた今、本来ならば彼がここに留まる理由は無い。猟兵と交戦することで大局的に得られる物も無い。
(しかし、いずれまた私がグリモアを手に入れたその時の為に)
怪人達への義理ではなく、ただグリモアへの執心と猟兵への興味が、彼をこの場に留まらせていた。
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「皆さん、ここまでの戦いお疲れさまでした! エイプモンキー、ラビットバニー、ウィンドゼファーの撃破、しっかり確認しています!」
プルミエール・ラヴィンス(はじまりは・f04513)は茶髪の三つ編みを揺らしながら猟兵たちを笑顔で迎え入れた。
「このまま首領を倒せばこの戦争も終了になります。そう、本来ならばですが……」
先ほどの笑顔から少し困った顔になるプルミエール。猟兵が問えば実はこのシステムの中心から離れた場所にもう一人のオブビリオンを見つけたという。
「オブビリオンの名前は『ドラゴンテイマー』。外見は壮齢の男性で三種類の翼を生やしています。
彼は『黒竜ダイウルゴス』を召喚して戦う人で首領と同等、もしくはそれ以上の実力を持った敵の様ですが……彼はこの場で何かをするつもりは無い様なのでこの戦争において無視しても問題は無いです」
この戦争は首領を倒せば問題なく終了する。そのためこの敵は無理に攻略する必要はないと彼女は念を押す。
「それでも行かれるというならば……私しっかりとサポートしますっ!」
彼女は自分の顔が不安そうな顔をしていると気づくとぱちんと両手で自分の頬を叩き、そして満開の笑顔を猟兵に向けた。
そして彼女はグリモアを起動させ、猟兵たちを謎のオブビリオンの元へと送り出すのだった。
遭去
ゾフィなんとかさん……懐かしい……!
ということで?遭去(あいさり)です。今回ドラゴンテイマーとの戦いを執筆されていただきます。どうぞよろしくお願いします。
今回の依頼は少し特殊です。ドラゴンテイマーは先制攻撃を仕掛けてきます。先制攻撃に関する注意事項は下をご覧ください。
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敵は必ず先制攻撃します。敵は、猟兵が使用するユーベルコードと同じ能力値(POW、SPD、WIZ)のユーベルコードを、猟兵より先に使用してきます。
この先制攻撃に対抗する方法をプレイングに書かず、自分の攻撃だけを行おうとした場合は、必ず先制攻撃で撃破され、ダメージを与えることもできません。
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そしてこれは個人的な物で恐縮ですが、👑に到達したらそれ以上は描写せずプレイングをお返しさせていただく予定です。
(今回は多くの依頼の数をこなす必要があります。そのためオーバーキルするより別の依頼に入っていただきたい為の処置です。あとは私の遅筆故です。
お客様のプレイングが悪いというわけではありません)
また今回は厳しめに判定させていただきますので、苦戦や失敗が出る可能性があるのもご了承ください。
それでは皆様の熱いプレイングお待ちしています!!
第1章 ボス戦
『ドラゴンテイマー』
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POW : クリムゾンキャリバー
【赤き剣の右腕】が命中した対象に対し、高威力高命中の【黒竜ダイウルゴスの群れ】を放つ。初撃を外すと次も当たらない。
SPD : ギガンティックダイウルゴス
レベル×1体の、【逆鱗】に1と刻印された戦闘用【大型ダイウルゴス】を召喚する。合体させると数字が合計され強くなる。
WIZ : 文明侵略(フロンティア・ライン)
自身からレベルm半径内の無機物を【黒竜ダイウルゴスの群れ】に変換し、操作する。解除すると無機物は元に戻る。
イラスト:ハルヨリ
👑11
🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔴🔴🔴🔴🔴🔴🔴🔴🔴🔴
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種別『ボス戦』のルール
記載された敵が「1体」出現します。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。
| 大成功 | 🔵🔵🔵 |
| 成功 | 🔵🔵🔴 |
| 苦戦 | 🔵🔴🔴 |
| 失敗 | 🔴🔴🔴 |
| 大失敗 | [評価なし] |
👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。
※このボスの宿敵主は
「💠山田・二十五郎」です。ボスは殺してもシナリオ終了後に蘇る可能性がありますが、宿敵主がボス戦に参加したかつシナリオが成功すると、とどめを刺す事ができます。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。
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システムフラワーズの中枢から離れたその場に男は立っていた。
電子の花びらが散るその空間に男はあまりにも異質。
彼は何をする訳でもなく、遠くの音のする方――中枢部分に視線を合わせている。
遠くから聞こえる音は響くも彼の周囲からは音は無く。ある種の静謐が保たれた場所に突如サクッ。っと何かを踏みしめる音が聞こえてきた。
「――来たか」
前方から現れたその気配に男は暗い色を宿した目を向けた。
ナノ・ネコ
【WIZ】
猫です。
身体と同じくらい大きなメイスを右前肢に握りしめて
いかにもこれで戦いますという風体です。
ドラゴンからは逃げられないと思うので目標を一つに絞ります。
「被弾時にドラゴンテイマーの位置を捉える」
その為にはあえて近付かなくてはいけません。
【ダッシュ】で助走をつけて【ジャンプ】で猫の跳躍力を生かします。
ショートレンジを装いメイスを振りかぶってドラゴンテイマーの先制攻撃に突っ込みます。
攻撃は【オーラ防御】と【激痛耐性】で耐えて
ここでカウンターです!
ブラフのメイスを取り落とし負けたと見せかけて
微細なモーションで『ジャッジメント・クルセイド』
猫の手なので指の動きがわかりにくいのがミソです。
ナノ・ネコ(ねこなの・f14815)はその愛くるしい体にそぐわないメイスを右前肢で握りしめて前を見据えた。目の前にいるのは花びらが散る空間にただ一人いる男、ドラゴンテイマー。
「自分は猫らしく振る舞うのが苦手ですので」
言うが早いかナノはこれまた器用に2本足で走りだす。
――
ドラゴンテイマーが己に近づくナノを視界に捉える。直後、ひらりひらりと舞っていた電子の花びらが黒い竜の群れへと姿を変えた。
喉から低い唸り声をあげたドラゴンは向かってくるナノを見つけると、咢が彼の小さな体を捕まえ、噛み砕かんと襲い掛かる。
駆ける。
襲い掛かるドラゴンの体を駆けのぼり、飛び移つる。黒い竜の咢が口を開けばメイスで打ち据える。挟撃されれば飛び上がり、衝突するドラゴンを尻目に駆ける。少しずつ、確実に黒い暴風を一つ一つ乗り越えていく。
うねる暴風のような竜の攻撃を潜り抜ければそこは台風の目、ドラゴンテイマーの眼前。ナノは男に傷を与えんとメイスを握りしめ、そして振りかぶった。
しかしそのメイスが男の体を捉えることは無かった。
ゴウッ!背後からの大きな衝撃と痛みと共にナノの目の前は男ではなく花が咲き誇る地面へと変わる。
ナノの後ろから現れた黒い竜が前脚でナノを捉え、地面に押さえつけたのだ。
地面に叩きつけられる前にオーラを展開し衝撃を殺すも、竜の一撃を受けたナノの前肢からメイスが転がり落ちた。
(とっさにオーラで防御しなかったら……本当に危なかったですね……ッ)
ドラゴンの前脚はいたぶるようにオーラとナノを潰さんとゆっくりと力を入れる。
だが、ナノの目に諦めはなかった。
ナノにとって接近戦はあまりにも無謀と既に分かっていた。それでも近接攻撃を行い攻撃を受けたのは彼の位置を捉えるため。
「猫の手……じっくり見たことはありますか?」
痛みに耐えながら先ほどまでメイスを握っていた前脚を、小さな猫の手を突き出す。その小さな手は人間のように何かを指し示しているかは分かり辛い。でもその手は確かに目の前の男を指し示した。
――ッ
それが何を意味するか一瞬以下の時間で判断を迷うも、それが何を示すか分かった男はすぐにドラゴンを上空へと差し向ける。
直後、電子の空から幾重の天からの光が驟雨となり降り注ぎ、竜の首と男を打ち据えた。
苦戦
🔵🔴🔴
張・小龍
「我が名はシャオロン。貴方が今回の戦で一番の実力者とお見受けします」
「一手ご教授願います!」
クリムゾンキャリバーの初撃を全身全霊を持って回避
その後に全力の一撃で勝負を仕掛けたいと思います!
まずは赤き剣の右腕の攻撃を、技能の視力と第六感、野生の勘で軌道を見極めつつ、ジャンプやダッシュを合わせた残像でかく乱して回避を試みます
回避が出来たら技能のカウンターと鎧砕きを合わせた如竜得翼で翼をもぎ取りに行きたいですね
回避がミスした場合はオーラ防御や激痛耐性で耐えつつ、捨て身の一撃でのカウンターで如竜得翼を放ちます
賭けのような攻防ですが、気合いと勇気で勝ちを得ますよ!
強者との戦は血沸き肉躍りますね!
光の雨が止む。花びらと土煙(システムフラワーズの中にあるのだから違うのだろうが)がもうもうと立ち込めていたがそれは男の羽ばたきで消え去った。
そこにさくさくと花を踏みしめながら前に出る影があった。
「貴方がドラゴンテイマーでしょうか。我が名はシャオロン。貴方が今回の戦で一番の実力者とお見受けします」
少年、張・小龍(飛竜子・f03926)は右手の拳を左手で包み律儀に一礼。
「一手ご教授願います!」
すぐさま礼の姿勢を解き戦いの構えを作るとそのまま駆け出す。少年の顔には強敵と会い見える事への笑みが浮かんでいた。
(あの赤い剣にあたると厄介ですね)
先ほどの光の雨の洗礼から逃れた竜を往なしながら少年は駆ける。
少年の視線はドラゴンテイマーの右腕と同化した赤い剣。接近戦で行くのならばあの剣の攻撃は当たってはならないと勘が囁いていた。
小龍の技の射程は30cm前後。対して男の赤い剣の射程は1.5mはあるだろうか。
目の前のドラゴンテイマーは動きを見せない。おそらく彼が間合いに入るまで動きを見せないのだろう。
(ならば、ここは賭けていきましょうか……!)
少年の高速の走りは一瞬世界から姿を消し、ドラゴンテイマーの左側へと姿を現す。
(かの剣が右手というならば、左側は当てにくいはずです!)
そのまま小龍は男の脇腹に掌底を繰り出す。
しかし、ドラゴンテイマーも易々と攻撃を受けるはずもない。小龍の掌底が届く前にドラゴンテイマーは一歩下がり攻撃を避ける。そして右手の剣で地を抉りながら弧を描き、そのまま切り上げた。
ドラゴンテイマーの剣の一撃が小龍の体を切り裂き、血が心臓の動きに合わせ滴噴き出る――事もなく、その姿は虚空へと掻き消えた。
「やはり、強者との戦は血沸き肉躍りますね!」
声はドラゴンテイマーの右側から聞こえてきた。そこには先ほどの攻撃の傷などない小龍の姿。
「さぁお覚悟を!」
小龍が右手を振りかぶる。普通の人間の手が色白の肌が白さを増しながら異形化していき――白い竜の手を思わせる物へと変わる。
ドラゴンテイマーもすぐさま左側に避けようとするが、それよりも小龍の爪が早かった。
「我が爪牙にて八つに引き裂かん!」
その手は、爪は、ドラゴンテイマーの黒い翼の一枚を掴み、そしてぶちりという嫌な音を出しながら引き裂いていった。
成功
🔵🔵🔴
ミンリーシャン・ズォートン
貴方が欲しいのは、この力ですか?
両手のひらから召喚するのは淡い光を放つ3本の輪のグリモア
グリモアを彼に見せるのは、彼の注意を惹きつけ他の猟兵への注意をそらせる為
彼がグリモアに食いつき黒龍の群れを放ってきたら、瞬時に私も予め抜剣し魔力を込めて隠しておいたアイスレイピアを掲げ、UCを発動し氷の世界を展開します
黒龍の群れが動きを止める事が出来たなら、すぐさま氷の地を駆けドラゴンテイマーの懐へ飛び込み、レイピアで攻撃するとみせかけて得意の蹴り技での不意討ち攻撃を試みます
私は初めから貴方を倒そうだ等と考えてはいません
私の目的はあくまでも時間稼ぎ
仲間の猟兵の準備が出来たら後退して怪我人を移動させる手伝いに
シャノン・ヴァールハイト
何処で出会うか解らん以上、最初からナックルガードを両手に装備だな。
攻撃は当方怪力でも壊れぬナックルガードの頑丈さを生かして防御するつもりだが、可能な限り攻撃を反らす為、インパクトの瞬間に腕を回していなしていく
竜との戦闘は、右手で剣を用いた防御と徒手空拳による攻防を行う予定だ。
ドラゴンテイマーとの近接戦闘になったら、一歩前に出るのでは無く、一歩踏み込んで攻撃を防ぎながら左腕で、右腕の刀身の上を掴み怪力で攻撃を封じる。可能なら胴体か足に剣を突き刺す事で意識を反らさせ、威力を逃がせないように斜め下に向かってUCを使用して攻撃を行う
(連携やアドリブ歓迎なので気にせずドンドお願いします)
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「貴方が欲しいのは、この力ですか?」
ミンリーシャン・ズォートン(綻ぶ花人・f06716)が両てのひらを握ってから開けば淡い光を放つ物質、グリモアが姿を見せる。それはドラゴンテイマーが求める物。
一瞬の硬直、その後男はどのような反応をしたのか。それは黒い竜の暴風によって確かめられない。
「―さぁ、いきましょうか。」
襲い掛かるドラゴンを認めるとてのひらの上のグリモアを消し、レイピアを鞘から抜き取る。
刀身を晒したレイピアから生まれた氷の波動が走る先から氷柱が生まれ、花弁はおろか黒い竜の群れが凍りつく。そこは彼女の中心から音もない冷厳なる氷の世界。
音もなく、ひらりとミンリーシャンはドラゴンテイマーの前に立つとレイピアで男のわきを狙う。
男は右手の剣を盾のように構え突きを防げばレイピアは衝撃により遠方へ弾かれた。
「ごめんなさい、こちらが本命なのです」
優しい笑みを一つこぼすとそのまま体を捻り蹴り技を加える。回し蹴りは男の首に決まる――
――ぴしり。
最初に何かにひびが入る音が小さく聞こえた。それが段々と大きくなり……
ドラゴンテイマーに彼女の攻撃が届く前、後ろから獣の声と彼女の身に衝撃が襲う。
(まさか、あの氷を?!)
受け身を取りながらも痛みに苦しみながら見ればまずドラゴンテイマーと彼女がいた近くに半分身を現した竜の姿(おそらく彼女は尾っぽで打ち据えられたのだろう)。
そして次々と氷の結界を壊し脱出を図る黒い竜の群れの姿が辺りに見える。完全に抜けられ、再び囲まれるのは時間の問題だろう。
「…っですが、いいのです。私は貴方を倒そうだ等と考えてはいないのですから」
そう、彼女の目的は時間稼ぎ。他の猟兵の準備を整え、隙を作るための。
彼女の横を白い影が駆けていくるのを見たミンリーシャンは満足げな笑みを浮かべるとふらつきながら立ち上がった。
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黒衣の男の背後を取るのは白いコートを着た偉丈夫、シャノン・ヴァールハイト(死者の声を聞き、招く者・f10610)。
ドラゴンテイマーは振り向き様に右腕の剣でシャノンを切り裂こうとするが、シャノンはそれを剣の上側――刃が付いていない部位を掴みシャノンとは逆の方に引っ張りその攻撃を防ぐ。
しかし自身に刃が向いてるのとは逆側を掴み引っ張るというのはそのまま押し返すよりも力がいる。いかなシャノンの怪力でも攻撃を防ぐのに集中せざる得ない。
互いが押すも引くもできない膠着状態がどのくらい続いたか。静かな戦いはしばらくすると氷が砕ける音と竜の咆哮によって終焉を迎る。
(このままでは剣は防げても竜の攻撃を受けるか……なら)
シャノンが覚悟を決めて赤い剣の下の方――刃の側を掴む。
手が斬り飛ばないのは手に付けるナックルガードのおかげか、彼の怪力がそれ以上動くことを防げているためか。
掌に圧迫感を感じると共に赤い雫が彼の腕を伝う。その瞬間、物が砕ける大きな音と共に得物を定めた黒い竜が襲ってくる。
すぐに退かなれば竜の牙と爪の餌食となるだろう。
――でも、その前にまだ一撃を加えられる。
普段は地形が変わるほどの威力を持つ技だから使いたくないが、ここなら気にせず使える。
空いていた右手を握りしめる。
「コレはただの暴力だ」
只の暴力、いや信念が籠った拳がドラゴンテイマーの腹に振り下ろされる。
鈍い感触と共にドラゴンテイマーの体に重い一撃が打ち据えられる。その衝撃は男の体はおろか地形をも変える。
「シャノンさん!?」
それと共に少女の悲鳴と氷の結界から脱した黒い竜の群れがシャノンに襲い掛かるのも、ほぼ同時であった。
苦戦
🔵🔵🔴🔴🔴🔴
仲佐・衣吹
羽って人間でいうと腕に当たるよね……
えっ、彼十本足? イカなの!?
だからイカした世界に!?
黒竜ダイウルゴスが来たら避けつつ飛び乗って戦うよ
神経の集中する足の指を雷の属性攻撃で斬り落とすか
背中に乗れれば羽の付け根を氷の属性攻撃で凍らせて墜落させてゆく
落ちるまえに別の竜に飛び移って、同じように倒してゆくよ
ドラゴンテイマーの後ろに回るか
落ちる竜や他の仲間に気を取られている隙を狙って
影の城への招待状を投げるだまし討ち
竜が消えれば飛び降りて
落下速と炎の属性攻撃を乗せた剣戟で背中からバッサリ斬る
存外香ばしい匂いがするかもしれないよ?
黒玻璃・ミコ
※美少女形態
◆行動
【黒竜の遊戯】で串刺しにしましょう
ブラックタールである私にとって人の姿とは仮初めのもの
重要な内臓などの器官は体内でその位置をずらし
積み重ねた戦闘経験と乙女の感で
致命的な一撃だけは避けて見せましょう
とは言え強敵相手です、身体の半分でも残れば上等
思考を加速し、痛覚を麻痺させ、肉体の限界を超える
文字通り劇毒にも等しい薬を体内で精製し
この一投に全身全霊を振り絞ってお見舞いです
仮にこの身が倒れ伏そうとも尽きぬ執念でその加速させ続け
怨敵の生命を啜ってでも魔槍で穿ちましょう
咲き誇る花、仲間の猟兵の影、地の利、人の利
時の利さえ駆使してでもです
◆補足
他の猟兵さんとの連携、アドリブ歓迎
「羽って人間でいうと腕に当たるよね……
えっ、ドラゴンテイマー十本足? イカなの!?」
仲佐・衣吹(多重人格者のマジックナイト・f02831)がクレーターから這い出たドラゴンテイマーをまじまじ見る。確かにドラゴンテイマーには右手と左手、そして4対の翼の合計10本……いや、先ほど翼を一本もぎ取られたから9本か。
「腕10本あるからイカした世界に来たんだ……とと!」
青年の考えるそれはイカした発想だがそれはそんなわけないだろう! とでも言いたげな竜の咆哮によって否定される。
轟音。そして衣吹が立つ場所に複数の竜の頭が食らいつく。
それをジャンプで回避。そのまま一頭の竜の頭に降り立った。
一つ笑みを浮かべるとそのまま竜の首を駆け上がる。
別の黒竜が仲間と共に衣吹共々喰らわんとすれば喰わんとした竜の鼻先に飛び移る。獰猛な竜と目が合うと青年はにっこり笑みを浮かべ、ルーンソードを取り出し凍てつく魔法を唱えた。
氷の魔法は瞬く間に黒竜の翼を凍りつかせれる。竜は羽ばたくことができず憐れ重力に引かれながら鈍い音を響かせてそのまま消滅した。
また別の竜が爪で切り裂こうとすれば身をよじらせ回避、すぐ横で空を掴むその指を雷を纏った斬撃で切り捨てる。
一頭、また一頭。黒竜に飛び乗り確実に仕留めていく。
最後の一頭の頭から飛び降り跳躍。そのままドラゴンテイマーの背後を斬る為にルーンソードに炎の魔力を宿す。
そのまま落下速度を交えた一撃が放たれた。
しかし、その一撃は花弁を焦がすだけに終わった。
一瞬前までいた男の姿が掻き消えていたのだ。
ぞくり。青年の背筋に寒気が走った。とっさに振り向けば一瞬で衣吹の後ろをとり赤い剣で振り下ろさんとする男の姿。
(ヤバ……っ!)
衣吹はとっさにルーンソードを構え、攻撃を防ごうとする……
「させません」
赤い剣とルーンをあしらった剣が交差する直前、黄衣の布片を靡かせて少女、黒玻璃・ミコ(屠竜の魔女・f00148)が衣吹を押しのけドラゴンテイマーの前にたつ。
そのまま赤い剣が彼女の灰色の柔肌を貫く。
次の瞬間、彼女を黒い竜が食らいつきながら彼女の小さな体を吹き飛ばした。
「黒玻璃さん!」
衣吹は助けに行こうとするが、次の瞬間には絶え間なく竜が襲い掛かり、近づけない。
その間にも少女の体は見る間に――
「……っ、心配は無用ですよ。衣吹さん」
喰われるだけだったミコが右手で自らを食い漁る竜の顎を掴む。するとドラゴンは苦しみに体をくねらせ、やがて黒い灰へと姿を変えていった。
起き上がったミコの姿は悲惨を超えた物だった。それは竜に貪られ、蹂躙され、普通の人間ならば動く事はおろか生きている事すら奇跡と言われるもの。
体内で生成した毒で痛覚を麻痺させたとしてもそのような姿では戦闘に支障が出る。
それでも彼女は諦めない。慄然とした目をドラゴンテイマーへ向けながら右手を上げる。彼女の傍に侍る小さな黒竜が彼女の掌に乗ると高い声で鳴く。すると竜の前に現れた高濃度の魔力が何かの形を形成し始めた。
ドラゴンテイマーは再び黒い竜の群れを差し向ける――
「僕の事忘れていないかい?」
ドラゴンテイマーの後ろからは現れるのは黒竜の群れを潜り抜け、接近する衣吹の姿。
「ご招待、歓迎するよ!」
影色をした招待状を取り出しドラゴンテイマーの懐に差し入れる。瞬間先ほどまで地を響かせていた咆哮が、悪戯に花弁を散らしていた暴風がまるで時が止まったかのように動かなくなる。
先ほどの紙が何か悟り、ドラゴンテイマーはその紙をすぐに破棄する。
生まれたのはほんの数秒の静寂。しかし、それで十分だった。
「さぁ、竜と言う名の幻想を鏖殺しましょうか」
彼女の手には蛇を連想させる黒い槍の姿の魔力が浮き上がっていた。
「いあいあはすたあ……拘束制御術式解放。黒き混沌より目覚めなさい、第参の竜よ!」
ミコの詠唱と共に黒竜の魔力が走り、男の左肩を射貫いた。
成功
🔵🔵🔵🔵🔴🔴
忠海・雷火
敵は右前腕が剣になった、翼持つ人型
攻撃の動きは人基準とみて、足運びや構えなどの戦闘知識、そこに空中から来るかもという想定を加えて見切りを図る
回避が間に合わなければ咄嗟に刀で武器受け
受け流したいが、膠着状態になるとジリ貧&刀を「剣が命中した対象」と見做されると拙い
故に、競り負けて一撃貰うのは覚悟の上で左手を刀から離す
右手のみで受けつつ、捨て身で懐へ飛び込み左掌の刻印からユーベルコードの血針、及び術式を間髪入れずに敵胴体へ投擲。可能なら掌を押し当て確実に当てる
迫る竜達は押し合い圧し合いだろう、敵を盾にし隙間を見つけて潜り抜け、或いは張り付くようにして極力回避
刀を対象と見られている場合は手放していく
竜の咆哮がけたたましく鳴り響き、赤い剣が閃く。
光が輝きれば氷の世界が展開され、地が抉れる。
猟兵とドラゴンテイマー、両者が共に満身創痍。いつどちらが倒れてもおかしくない状態。それでも傷を庇いながら立ち上がる。
忠海・雷火(襲の氷炎・f03441)が深紅の目をゆるりと目の前の男に向ける。
(敵は右腕が異形としていても人間と対して変わらない。ならば攻撃の動きは人間のそれと大して変わらないはず)
長年の経験と戦闘知識を踏まえて冷静に判断すると彼女は鞘に手を置き、駆ける。
肩から血を流す男に一瞬で距離を詰める。そしてそのまま抜刀しすれ違いざまに男の体を凪いだ。
しかし、彼女の刀に人を斬った感覚は無かった。後ろを振り返ると男の姿は見えない。
姿を消した男の姿を探すと、突如今まで光に満ち溢れていた視界に影が落ちる。
見上げるとそこには落下速度を交え剣を振り下ろさんとするドラゴンテイマーの姿。
咄嗟に雷火が名もなき刀で男の赤い剣を受け止める。互いの剣の間で金属の叩く音と火花があがった。
幾ばくの時間が経ったか。膠着状態が続いていたが、だんだんと赤い剣が雷火の方へと傾き始めた。
(流石に力ではあちらが上か……なら……!)
手にしていた名もなき刀の柄頭を可能な限り上にして手放す。
そしてそのまま彼女は男の左側へと潜り込むと、先ほどの猟兵の一撃で血塗れになっていた彼の胴体に彼女は右手を乱暴に手を当てる。
「我が身に宿る餓犬よ。血道を辿り、内より喰い散らせ」
紅い血の針が男の体に入り込むと雷火の左腕に熱が走る。次の瞬間に訪れるそれに彼女は構わず次の句を告げる。
「……連結召喚・餓犬之蝕!!」
次の瞬間空間に柔らかい物を食い破る音と竜の咆哮が空間に盛大に響きわたる。
男の体から飢えた猟犬が体を食い破りながら出てくるのと竜が彼女の体に喰らいつくのはほぼ同時だった。
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「――なるほど、これが貴様らの力か」
湧き上がる土煙が晴れる。そこには満身創痍で倒れる猟兵とその前に立つ男――ドラゴンテイマーの姿。
突如彼の口から血がこぼれた。
それを皮切りに何かを悟ったか無数の竜たちの咆哮も少しづつ小さくなっていく。
「来る時また相見えよう。さらばだ猟兵諸君」
猟兵に倒されれば復活しない『筈』の男が意味ありげに言葉を紡ぐ。
そして黒衣の男の体と無数の竜はまるで最初から何もいなかったかの様に空間に溶けていった。
成功
🔵🔵🔴