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バトルオブフラワーズ⑬〜賢くて迷惑なやつ

#キマイラフューチャー #戦争 #バトルオブフラワーズ #オブリビオン・フォーミュラ #ドン・フリーダム

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「みんな、お疲れ様。戦いのあとは休息も大事よ、あんまりのんびりできる状況ではないけど、これ飲んで一息ついて。精力つけるといいわ。」
 戻ってきた猟兵達を労り、瑠璃凰花・未来(神避の熾天使・f13139)は猟兵たちにオリジナルブレンドの紅茶を提供する。それを飲むかは猟兵たちの自由だろう。
「さて、あなた達のおかげでスピード怪人、バイクもどきことウィンドゼファーは陥落、最後の道が開けたわ。ドン・フリーダムとドラゴンテイマー、それぞれのルートに進めるようになった。今回あなた達に向かってもらうのはドン・フリーダムよ」
 ホワイトボードに貼り出されるいくつかの資料。それらは現在の戦争の進捗状況をまとめたもののようだ。
 そして最後に貼り出された二枚。そこには二種類の敵が描かれていた。今回関係のない一枚は一旦裏返しにすると、改めて猟兵に向き直る。
「これがドン・フリーダムの容姿。恥ずかしさってものがないのかしらね。どこまでも欲望に忠実、まさしくそれを体現した姿よね」
 苦笑する未来。
「皆も見たとは思うから、知っての通りだとは思うけど、賢くて迷惑、それが彼女みたいね。その天才を駆使してコンコンコンを生み出したみたいだけど、どうにもありがた迷惑な所までことを進めようとしてるみたいね。なんとしても阻止して頂戴」
 もし彼女のいう欲望のままのコンコンコンが達せられれば何が起きるか、それは想像に容易い。
 世界は瞬く間に混沌世界となり、何れは滅亡を迎えることになるだろう。
「ドン・フリーダムの力は、皆もう知ってるわ。エイプモンキー、ラビットバニー、ウィンドゼファー……三幹部の力をそれぞれの属性に合わせて使ってくるわ。能力は同じでも、力はまるで違うから、同じ対処方法でどうにかなるとは思わない方がいいかもしれないわね。三幹部と変わらず絶対に先手を取られることにも注意したほうがいいわ」
 力関係は三幹部と比べると数段上になると推測される。
 戦いの場も変わらず花の道だ。花が舞い散る以外にはなんの構造物もないことには注意したい。
 対策がなければ苦戦は免れないだろう。
「戦い方も、エイプモンキーの能力で生み出した武器を使ったり、絶対無敵バリアで強引に切り抜けたり、暴風を発生させたり……ユーベルコードを伴わない攻撃にこれら能力の応用が含まれてるらしいから、気をつけたほうがいいわね」
 能力において一番厄介なのはやはり、風を操る能力か。ゼファー戦の時のように大気の動きを感知し広範囲レーダーとして機能させたり、自身を浮かせるなんてことも行ってくる可能性は否定できない。複数能力扱えることから断片的ながらそれらを組み合わせ昇華させた攻撃がないとも言い切れないだろう。
 先制攻撃をやり過ごしたあともそうした思わぬ攻撃への対処もしなければ、大きく善戦することは厳しい。
「相手は神ではないから、必ず突破口はある。大変な最後の戦いになるけど……気を引き締めてね。健闘を祈るわ」
 そう言って意識を集中させ、魔法陣を展開。
 水晶玉に行き先を示し、転送の準備を完了させた。


るっこい
 はいどうも、新人マスターるっこいです。第17作目、キマフュ戦争5作目となります。
 まずは公式からの注釈です。

====================
 敵は必ず先制攻撃します。敵は、猟兵が使用するユーベルコードと同じ能力値(POW、SPD、WIZ)のユーベルコードを、猟兵より先に使用してきます。
 加えて、ドン・フリーダムは使用する能力値別に違う対処が必要です。これらに対抗する方法をプレイングに書かず、自分の攻撃だけを行おうとした場合は、必ず先制攻撃で撃破され、ダメージを与えることもできません。

POW:絶対無敵バリアを展開します。エモいものを見せれば無効化できます(エモいの基準はラビットバニーと同じ)。
SPD:風で足場を崩してきます。
WIZ:猟兵のユーベルコードの弱点を見抜き、確実に反撃するマシンを作り出してきます。 その反撃マシンに反撃する方法を考えなければいけません。

 これらの能力はそれぞれ「ラビットバニー」「ウインドゼファー」「エイプモンキー」と同じですが、ドン・フリーダムは彼ら以上の実力者です。
====================

 では、解説。

●第1章
 ドン・フリーダムのボス戦のみとなります。
 今回の戦いはいつもより更に判定厳しめにて行わせていただきます。詳しくはOPをご確認ください。
 ※普段るっこいの依頼に参加してくれる方に注釈です。普段は結構な頻度でMMORPGのスキルをMP解かして連打するようにユーベルコード乱射、なんてことをよくやるるっこいですが、今回はプレイングに指定がない場合1度きりの使用となりますことはご了承ください。

●プレイングについて
 同行者の方がいる場合は1行目にお相手さんのお名前とID、もしくはグループ名をお書きください。お名前の場合はフルネームでなくて構いません。
 絡み歓迎、アドリブ歓迎、連携歓迎の方、字数に余裕があればお書きいただけると助かります。ステシでもOKです。とてもとても書きやすくなります。
 また省略文字もご利用いただけます。詳しくはマスターページを御覧くださいませ。

 まだまだ不慣れな部分が多く拙い文章になってしまうかもしれませんが、よろしくお願いします。
 皆様の素敵なプレイング、お待ちしております。
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第1章 ボス戦 『ドン・フリーダム』

POW   :    赤べこキャノン
【絶対無敵バリア展開後、赤べこキャノン】で対象を攻撃する。攻撃力、命中率、攻撃回数のどれを重視するか選べる。
SPD   :    レボリューション・ストーム
【花の足場をバラバラにする暴風】を放ち、自身からレベルm半径内の全員を高威力で無差別攻撃する。
WIZ   :    マニアックマシン
対象のユーベルコードに対し【敵の死角から反撃するマシン】を放ち、相殺する。事前にそれを見ていれば成功率が上がる。

イラスト:由依あきら

👑11
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種別『ボス戦』のルール
 記載された敵が「1体」出現します。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
 それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
 プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※このボスの宿敵主は💠山田・二十五郎です。ボスは殺してもシナリオ終了後に蘇る可能性がありますが、宿敵主がボス戦に参加したかつシナリオが成功すると、とどめを刺す事ができます。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。

ウルフシャ・オーゲツ
「分かっておらぬな、ちょうてんさい!」
「常人は欲望がいつでも満たせると分かればそこで止まる。次がないのじゃ」
 そう、近くにある有名観光名所ならいつでもいけるし、ってなるように! ……違う? うち未だにスカ●ツリー登ってないんじゃが。毎日見てるのに。
「より欲を求めるなら、大切なのは、羨み、幸せへ手を伸ばす心、射幸心じゃ。真にコンコンコンが完成すれば、その欲も終わる!」
「今こそ見せよう……射幸神と呼ばれ、全宇宙を震撼させた異界の神より賜りし真の欲の奥義を!」

背中に漂うはなぜかすごく見覚えのある気がする謎の神の姿!
この挑発で相手の心を揺さぶり、ドンから感情を向けられれば、ウチに死角はなくなるのじゃ!



「あの役立たず達が居なくても、私なら完璧なシステムフラワーズに出来るわ」
 そう言いながら、ドン・フリーダムは集中を続けていた。
「分かっておらぬな、ちょうてんさい!」
 転送されたウルフシャ・オーゲツ(しょしんしゃ・f00046)の第一声に、ドン・フリーダムは振り返る。
「常人は欲望がいつでも満たせると分かればそこで止まる。次がないのじゃ」
「言ってくれるですね、猟兵ごときが」
 この反応に、手応えを感じたウルフシャは更に続ける。
「例えば、そうじゃ、近くにある有名観光名所ならいつでもいけるしってなるじゃろう?」
 有名観光名所。ウルフシャは毎日のようにその世界で最も高いと言われる世界的に有名な塔を見ているが、未だに見たことがないという。そうした感情は、ウルフシャに限らず誰しもが持ち得るものだろう。
「それは違うですわ。欲の深さ、お前はそれをわかってないですわ」
「……違うかもしれんの? より欲を求めるなら、大切なのは、羨み、幸せへ手を伸ばす心、射幸心じゃ。真にコンコンコンが完成すれば、その欲も終わる!」
「……話すだけ無駄ですわの」
 どうやら、ドン・フリーダムは無視を決め込んだらしく、ウルフシャに背を向ける。貪欲に己の欲望を追求する者にとって、否定的な意見を述べる者は邪魔者でしかないのだ。
 最も、その表情はかなり不機嫌な様子を見せている。ウルフシャのユーベルコード、《射幸神拳》を発動するには十分足りえた。その上、背を見せているなら寧ろ好機だ。
「今こそ見せよう……射幸神と呼ばれ、全宇宙を震撼させた異界の神より賜りし真の欲の奥義を!」
 何かを感じてか、振り返るドン・フリーダム。そこに居たのは、ウルフシャと、その後ろにいる何らかの姿。
「っ……しまったですの!」
 気づいた時には時すでに遅し。すかさず仕込んでいた対抗マシンを起動させるも――
「なぜ!?」
 発動することはない。気づいて振り向いた時点で、向けられる感情は苛立ちに加え、驚愕。マシンが発動しないのは、異界の神の力が宿り、ウルフシャから一切の死角が失われたためか。
「欲を理解してないのはキミの方じゃよ!」
 最も苛立つと思われる核心を突きながら、その拳を振るう。
「っ、くぅ……!」
 自ら生み出した隙に加え、マシンを過信しきっていた為に油断していたのが仇となった。
 ウルフシャが振るった拳は、鳩尾にクリーンヒット。
 一撃を入れることに成功したウルフシャはそのまま後を託し、その場を後にした。

成功 🔵​🔵​🔴​

レイニーア・ノックス
連携歓迎
pow
エモさについてはアート6と属性攻撃8誘導弾5一斉発射5を駆使した弾幕の美しさで勝負。
あかべこキャノンを防御するにはUCによるスペック強化とオーラ防御9と残像4、激痛耐性3で耐える。UC詠唱については高速詠唱3を活用。
戦闘時には敵の先制攻撃食らった分、回復のために生命力吸収4と回復速度上げるために2回攻撃5を合わせた高速の突きの連撃。狙えるなら力溜めなども絡めてガンガン行こうぜ路線。
『ふっ。同じネタでは面白くありません。今回は幾何学的美というもので狙わせてもらいます!』弾幕展開 『痛いですけど、まだ終わっちゃいませんよ!ここからです!』より大きな翼を展開し、猛攻を始める。



「ふっ。同じネタでは面白くありません。今回は幾何学的美というもので狙わせてもらいます!」
 前の猟兵と入れ替わりで仰け反るドン・フリーダムの視界に飛び込んだレイニーア・ノックス(竜召喚師にして竜に騎乗するもの・f18202)。
 同時に、その周囲に大きく展開される色とりどりの弾。
 その場に一つの芸術を生み出すかの如き勢いで次々と発射される無数の弾は、全てがドン・フリーダムを狙ったものではなかった。いくつかはドン・フリーダムを狙う誘導弾も混じっている様子が見えるが、大部分はドン・フリーダムの動きを阻害する程度のものでしかなかった。
「無駄ですわの!」
 声を聞きつけそれを確認すると、体制を立て直すべく即座に迎撃を図るドン・フリーダム。取り出された赤べこキャノンから放たれる一筋の砲弾は、ずいぶんとわかりやすい攻撃だ。鈍重かつ重い一撃。だが、勢いはない。
 その砲弾は迫る無数の弾を消し去りながらレイニーアへと迫る。砲弾に消されなかった弾幕のうち、ドン・フリーダムを狙う弾幕はバリアに阻まれた。
 だがその時既に、レイニーアは次の手に出ていた。弾幕を放つ手は止めないままに、その言葉を口にする。
「――再び契約に従い共に戦え」
 高速詠唱により繰り出された《竜魂導入》。その姿を変化させていた。一部では竜の神とすら呼ばれる、竜の頂点、竜王。その一部を、己の身に宿す。
「これは、確かに綺麗ですの、けど私の趣味じゃないですわの!」
 一発目に放たれた赤べこキャノンの一撃はどういう訳か自分のもとまで届かず、地面に着弾したが、続けざまに2~3発飛んできた。
 弾幕を放つ手を一度止めながら、防御壁を展開しつつ素早い身のこなしでそれらを躱そうと試みる。
 どうやら、最初の一撃とは異なり、その砲弾はまた性能が異なるようで、自身の動きを正確に狙った一撃だけは避けられずその身に受けた。他2つはかなり速度が乗っていたように見える。おそらく最初のは防御を重視し弾幕を消す意図の砲弾、受けたのが命中重視で、他2つは攻撃重視なのだろう。
「くっ……流石に痛いですね。けど、まだ終わっちゃいませんよ、ここからです!」
 その身に受けた一撃を竜王の力と気力で堪え、ドン・フリーダムから決して視線を外さずにいたおかげで、捉えることができた。
「むっ……!」
 一瞬、声を上げるドン・フリーダム。だが、気づかれないようにする意図かその声を大にはしない。
 それは、ドン・フリーダムのバリアが剥がされているという事実だ。
「そこです!」
 バリアがなければいくらでも戦いようはある。レイニーアは魔杖剣レーヴェルトを構え、より大きくなった翼を展開、爆発的に増大した力で一息に踏み込んだ。
「くっ……!」
 繰り出される高速の連続付きに、大きく後退して対応するドン・フリーダム。
「バリアがあるのによく攻めれるのですわ!」
「いいえ、バリアはありません。レイニーはさっきそれを確認しました」
 攻撃の手を休めず、繰り出し続けるそれらの一撃は、掠りこそさせられてるものの、なかなか当たらない。
「チッ……見られていたですわの。興味がなくても感情が動かされるというのは厄介ですの」
 ラビットバニーのその能力に悪態をついて見せるドン・フリーダム。無駄口叩けるだけまだ余裕はあるらしい。
「ならこれならどうですの?」
「っ……!?」
 レイニーアの攻撃に合わせ赤べこキャノンで受けてみせたドン・フリーダムは、同時に地面を蹴って横っ飛びにレイニーアの猛攻撃を抜け出す。そして、ちょうてんさいであるその思考をフル回転させ、繰り出される攻撃。
 それは、赤べこキャノンによる波状攻撃。但し、ただの連射ではない。
「くっ……!」
 それは、如何に竜王を一部まとったレイニーアといえど、耐えきれるとは思えないほどの数の攻撃。先程命中重視の攻撃を食らってしまったのがこのタイミングで仇となった。
 弾速の早い砲弾も混ざり、攻撃重視の砲弾もあることは確かなのだろう、暫くは抵抗を試みるレイニーアだったが、これには抗いきれず、撤退を余儀なくされるのだった。

苦戦 🔵​🔴​🔴​

リュセフィーヌ・オールセン
心情
「ドン・フリーダム! 絶対にコンコンコンを修復させたりはしません!! キマイラフューチャーの平和のため倒させて頂きます!!」

ドン・フリーダムの先制攻撃に、鈴蘭の嵐を使って目くらましをします。
ドン・フリーダムが目がくらんでいる間に、ライオンを召喚してライオンライドを使って攻撃します。

ドン・フリーダムを無事に倒せたら、こう言います。
「ドン・フリーダム… ラスボスに相応しい強さでした…」



「ドン・フリーダム! 絶対にコンコンコンを修復させたりはしません!! キマイラフューチャーの平和のため倒させて頂きます!!」
 次に踏み込んだのはリュセフィーヌ・オールセン(オラトリオのビーストマスター・f10236)。
「何人来ようと同じことですの」
 向かっていくリュセフィーヌに対し、銃のような形状の武器を取り出して応戦してきた。
(「これだけ花びらが舞っているなら……」)
 ドン・フリーダムから放たれる光線を障壁を展開して受けつつ、思考を巡らす。
 花の道から常に花びらが舞い上がっている状態となっているその場所でなら、その花びらに紛れ込ませ目眩ましできるのではと考えたリュセフィーヌは、銃撃の合間を狙い《鈴蘭の嵐》を展開しようとした。
「ぐぅっ……!?」
「考えなしが過ぎるですよの」
 獣奏器とレガリアスシューズを鈴蘭へ変えようとしたその瞬間、周囲の花びらが突如リュセフィーヌの周辺で爆発する。
「今まで歯向かってきた猟兵の中では一番対策が出来てないようで、凄くやりやすいですの」
 更にその上から銃撃による追い打ちを仕掛けてくるドン・フリーダム。
「手強いですね……!」
 そう言いつつどうにかオーラの防御壁でことを凌ぎながら後退すると、花びらが爆発する影響か、ちょうどドン・フリーダムと自身の間に煙が立ち上り互いの姿が見えない状態となっている。
(「目眩ましは出来ていませんが……これなら!」)
 隙をついた攻撃を狙える、そう考えたリュセフィーヌは《ライオンライド》を行使し黄金のライオンを呼び出した。
「行きなさい!」
 黄金のライオンに指示を下すと、地面を力強く蹴り駆け出すライオン。しかし――
「見えなければ攻撃は来ないとでも思ったですわの?」
「かはっ……!?」
 突然腹を抉られたかのような感覚に襲われるリュセフィーヌ。その影響か、口から少量の血を吐いた。
 《ライオンライド》は術者と生命力を共有する。それはつまり、黄金のライオンに対するダメージも、術者であるリュセフィーヌが受けることとなる。花が咲き誇る地面を隆起させ、飛び出した、一本の杭。それが黄金のライオンの腹に突き刺さったことで、リュセフィーヌも吐血することとなったのだ。
「本当、あなた、何しに来たですわの?」
 その思わぬ死角からの攻撃に、黄金のライオンも消え去り、地面に投げ出され痛みでのたうち回るリュセフィーヌ。あまりにも猟兵らしからぬ弱さにドン・フリーダムも情けをかけてなのか、その姿を上から見下すだけで追撃はしてこない。
 リュセフィーヌとて一介の猟兵。決して弱いわけではない。ただ単純に、ドン・フリーダムに対する対策が一切できていなかっただけなのだ。

苦戦 🔵​🔴​🔴​

アキカ・シュテルア
M
【SPD】
暴風に足場が花畑……ふむ。
攻撃が来ると分かっているならそれを利用するのも一つの手、ですよね?
暴風が来るのに合わせて後方に飛び退きつつ、巨大化させた夜明紫電(ペイントブキ)を軸に宙返りをする

宙返りした直後に落下しつつウインドゼファーに向かって【指で六芒星を描き】
【魔力で練成した星屑と花吹雪】の【全力魔法】を放ち攻撃
詠唱は相手に聞こえないように小声で
『集え煌めき、花吹雪とともに。星の奔流をその身に受けなさい。』

舞い上がった花びらを死角として利用し不意をつけたら……攻撃は届くでしょうか。
ほら、木の葉を隠すなら森の中って言いますし。



「まだ歯向かうなら……――っ!」
 先の猟兵に情けをかけ、見下していたのも束の間。新たな猟兵の気配を感じてか、咄嗟に自身を中心とした暴風を巻き起こした。
 新たに転送されていたアキカ・シュテルア(グリッタークラフター・f09473)は、花びらの動きを見て暴風が来ることを予期し、大きく飛び退いた。風の流れに歯向かうのではなく、身を任せることでダメージの軽減を図ると共に、逆用しようという魂胆だ。
「甘いですわの!」
 しかし、その暴風はアキカが考えているほど甘いものではなかった。
 足場である花の道をバラバラにするほどの力。それは、一方向に吹き荒れる突風ではなく、複数方向に乱回転しながら迫るもの。つまり、その身に受ければ、その身がバラバラに引き裂かれるほどの風圧が襲いかかるということだ。
「ぐっ、う……!」
 アキカの身体を引き裂かんと襲いかかった暴風。その風圧に悲鳴を上げるアキカだが、ひたすらに耐える。着ている服は到るところが引き裂かれ、リボンで結っていた髪もボサボサになるが、しかし、ある一定のところを超えたその時、その風は唐突に止んだ。
 何が起きたのか理解できず、ドン・フリーダムの方を見る。そこには、まるでちょうどそこが暴風域であるかのように、様々な方向に飛び散り舞う花びら。端的にいうなら、暴風の壁が出来ていた。
 どうやら、身を引き裂かれる前に射程外に出たようだ。ドン・フリーダムから先制攻撃をされた時点での位置が良かったらしい。
「ここです……!」
 好機と考えたアキカはその手に持つ持ち手が紫色に染まる丸筆、夜明紫電を巨大化させて地面に突き立て、宙返り。
 仰向けから転じてうつ伏せの姿勢で空中になると同時に、その状態のまま魔力を練りつつ、虚空に指で六芒星を描く。まだ目の前ではまるで壁を作り出すかのように暴風域が展開されている。
 その地点は、おおよそ100mに満たない距離だ。つまり、アキカにとっては十分射程内足り得る距離。目の前には、無数の花びらが舞い散り続けている。
「集え煌めき、花吹雪とともに。星の奔流をその身に受けなさい」
 そして小声で紡がれる、その言葉。
 大声を出したところでドン・フリーダムには聞こえないだろうが、念には念をだ。
 詠唱を完了させ、放たれた《星流繚乱花吹雪》。
「これは……!?」
 無数の花びらに紛れ、暴風を縫い飛来した無数の星屑と花吹雪がドン・フリーダムを襲うのだった。

成功 🔵​🔵​🔴​

エルト・ドーントレス
アドリブ歓迎

SPD

コンコンするだけで望むものが手に入る…か
そんなルーチンを繰り返すだけの生き方、何が面白いのかわかんないや
そろそろこの大騒動の幕を引かせてもらおうかな

地形を破壊するほどの暴風に無理に抵抗せず、ビームシールドで直撃を避けながら全力で後退する
念のためにパージ可能な追加装甲も増設しておこう

相手のUCの射程範囲外に出たら、ヒールバンカーで機体を固定し狙撃の態勢に入る
相手がゼファーだったら即座に距離を詰めてきただろうけど、今回それはないし

ここまで突破してきた猟兵を楽に御せるなんて思ってたならとんだ勘違いだ
そのふざけた顔面、撃ち抜いてやるよ



 一方、ドン・フリーダムの放った暴風に巻き込まれた猟兵は、もうひとり居た。エルト・ドーントレス(灰色の雷光・f14009)。彼もまた、後退するという選択肢をとっていた。ただし、先の猟兵とは異なる方法だ。
 広範囲の防御を可能とするビームシールドを展開し、全力で暴風から抜け出そうと試みる。しかし、そのビームシールドで広範囲をカバーしたとしても、守れる範囲には限界がある。内から外へ流れるような暴風の中、様々な方向から気流による攻撃が迫るためか、無傷ではなかった。
 その上、ビームシールドを展開する小型装置のエネルギー残量を確認すると、みるみるうちに減っているのが見て取れる。
(「思った以上にエネルギーの消耗が早いか……」)
 幸いなのは、念押しで装備してきた追加装甲のおかげでダメージ自体は軽度で済んでいることか。状況次第ではパージすることも考えながら、荒れ狂う暴風を抜けるべくブースターユニットを全開。ドンフリーダムのいる位置から測っても100mに満たない距離なためか、比較的すぐに抜け出すことが出来た。
「意外と射程狭いんだね」
 暴風地帯を抜け出したことを確認しながらも、そのまま更に距離を離す。ウィンドゼファー相手であれば詰められるだけだろうが、ドン・フリーダムならばそれもないと判断してのことだ。エルトが行おうとしている攻撃は時間の掛かる攻撃なのだ。
 ある程度の距離まで来たエルトは、体全体を振り回し振り返ることで、慣性を相殺しながら花の足場に降り立つと、脚部に装着するパイルバンカーを地面目掛け射出する。
 体を固定できたことを確認すると、マルチプル・ビーム・ランチャーを具現化させ、標的、ドン・フリーダムに視線を集中、固定する。
「ターゲット、ロック。エネルギーチャージ開始――」
「ぐぅ……あっちは、止めるですの……!」
 対するドン・フリーダムは、ちょうど先の猟兵からの一撃を食らって全身傷だらけになっていたところだった。先の猟兵は既に撤退しており、ドン・フリーダムを狙っているのは現状エルトただ一人。時間の掛かる攻撃を行おうとしているのなら、止めない道理はない。
 最も、その距離やく1.2km。ゼファーならば容易く詰められるだろうが、ドン・フリーダムにそれが出来るかと言われれば。
「ここまで突破してきた猟兵を楽に御せるなんて思ってたならとんだ勘違いだ。そのふざけた顔面、撃ち抜いてやるよ」
 出来るわけがない。10秒で半分ほどの距離を詰めただけ上出来だろう。一般人ならば100メートルに満たない程度の距離が限界だ。
 エルトのその言葉とともに放たれたビームは、ドン・フリーダムに避ける隙も与えることなく、宣言通り顔面を射抜くのだった。

成功 🔵​🔵​🔴​

神薙・焔
エモい…よくわかないけど、感情を揺さぶる映像とか? あたし、ものを美味しく食べる表情には自信あるのよね、こう?

 『両手で大きなハンバーガーを持って美味しそうに頬張るセーラー服少女(ヘッドフォン付き)。背景は花の乱舞』

ん? うまく行ったのかしら、バリアが解けたら、手に持ってた特注の猟兵仕様ハイカロリー・バーガーを一気にペロリ、熱量を火力に変えて、一気に攻撃、赤べこキャノンが怖くてビーフは食べられないわ! 熱量で相手の弾は溶かす、バーガーの次は焼肉を食らわせてくれるってなら大歓迎ね。

…ところで聞きたかったんだけど、そのカッコ寒くない?



「な、何してるですの……?」
 髪もすっかりぼろぼろになりながらも、その顔の仮面は割れることなく健在なドン・フリーダム。ビームが消え、視界がひらけた先には、ビームを放った猟兵ではなく、別の猟兵が居た。
 それも、何をしているのか理解しがたいらしい行動をとっている。その感情も理解できる。神薙・焔(ガトリングガンスリンガー・f01122)が取っていた行動、それは、両手で大きいハンバーガーを持って美味しそうに頬張るという行動だ。
 食事。それは、万物の生き物が行う欠かせない行動だ。焔が食事している事自体はおかしくない。しかし、おかしく感じる理由、それは、そこが戦いの場であるということだ。
「ん~~~……このハンバーガー美味しいー!」
 ハンバーガーを片手できように持ちながら、もう片方の手で頬を抑えるかのような仕草を見せる。頬が落ちるほど美味しいことを身体で表現する。その後ろでは、舞い散る花。
「な、舐めているですの!?」
 逃げるでもなければ戦うでもなく、ただ食事に勤しむ彼女の姿。オブリビオンであるドン・フリーダムには、焔が一般人であるようには見えないだろう。そもそも、ここは花の道。一般人が到底来れるような場所ではない。
「あら失礼。食べたかったかしら? お裾分けするわよ?」
 まるでそれまでドン・フリーダムには気づいてすら居なかったと言わんばかりにそう言う焔に。
「う……」
 グゥーーーというとてつもない音。それは、焔の耳にも聞こえた。
「く、空腹なんかじゃありませんわの!」
 そう言って、ドン・フリーダムは赤べこキャノンを構え、連射してきた。
 それを見た焔は、両手に持っていたその大きいハンバーガーを一息でぺろり。どういう食べ方をしたらそんな早食いが出来るのか疑問が残るところだが、その熱量を火力に変換させ真っ向から突っ込んだ。
「はぁっ!」
 飛来した砲弾を真正面から殴りつける。打ち返すのかと思いきや。
「なんですの!?」
 ドン・フリーダムが驚くのも無理はなかった。焔が殴りつた砲弾は、まるで溶鉱炉にでも突っ込んだかのごとく、どろりと溶け落ちたのだ。
「あたしの熱量で弾は溶かす。バーガーの次は焼肉を食らわせてくれるってなら大歓迎よ?」
「お前にくれてやる焼肉なんてないですわの!」
 負けじと赤べこキャノンを更に連射。先程よりも速度が鈍重だが、狙いが正確だ。
 しかし、これも殴って溶かしてみせる。どころか、殴れなかった他の弾は自然に溶け出した。見れば、焔の周囲の花が焼け散っている。どうやら、焔の周囲の熱量がとんでもないことになっているようだ。
「……ところで聞きたかったんだけど、そのカッコ寒くない?」
 眼前まで肉薄した焔は、その拳を放つ前にそう聞く。
「これは自由の体現……お前にどうこう言われる筋合いはないですの……!」
「……そ。じゃ――」
 告げられる言葉と共に、胸部目掛けて繰り出されるその拳。
 完全にゼロ距離。その距離からの攻撃では流石のドン・フリーダムも躱すことは愚か受けることすら出来ず。
 《対戦車猟兵戦術》の大火力の一撃が、ドン・フリーダムを大きく後方へ吹っ飛ばしたのだった。

成功 🔵​🔵​🔴​

リヴィア・ハルフェニア
「コンコンして望む物が何でも出てきたらつまらないわ。探す楽しみを奪ってどうするのよ?」

このUCは炎だから反撃で消しにくるでしょう。
大怪我しないよう【第六感3】である程度回避できるように気を付けるとして、方法はトラップとしてUCに【属性攻撃5:雷】と【全力魔法2】の目に見えない高電を混ぜ合わせ、相手に攻撃をするように見せて不自然にならないように自身の周り特に死角に配置しておくわ。

もしそれが炎を消すために水系の物なら雷が通っていいし、もしそうじゃなくても機械は電気に弱いからマシンを壊すか止める事ができれば隙ができるもの。あとはそのまま雷で攻撃ね。

※アドリブ&連携歓迎


兎乃・零時
M

俺様の欲望《夢》は全世界最強の魔術師になる事

それはお前の力じゃ叶わん
だって
お前を超える事が大前提だしな!


エモは今も分からない
でも
俺様が初めて人を助けれた世界だ
分からずとも
全力で抗い
あいつの世界を救うってのが男ってもんだろ…!

・戦闘
俺様
魔力をビームっぽくした全力魔法
パル
属性攻撃
それぞれ弾幕が如く連射
全力魔法の一部はパルが誘導弾で誘導し死角から奴を狙う様動す

ヤバい攻撃はパルがオーラ防御拠点防御でガード


状況次第で弾幕で自分達(物)を隠しダッシュで近づく
幾らお前でも
零距離射撃の全力魔法を逃れられるもんか!
その場でダメージ食らっても
気合で耐えてカウンター

痛くて怖くて辛くても

覚悟を決め勇気と共にUCだ!


フィロメーラ・アステール
「よーし、あたしの踊りを見るがいい!」
最後の大勝負だからこそ最高の踊りで決める!
【気合い】いれてやるぞー!

という訳で【ダンス】【パフォーマンス】だ!
【オーラ防御】の光の帯を展開し【残像】の軌跡を残しつつ踊る!
【第六感】で敵攻撃を察知し【空中戦】の動きや【ジャンプ】や【スライディング】を駆使して踊りながら攻撃をかわす!
舞い散る花、ステップや敵攻撃で飛ぶ花を【念動力】で操って、演出を加えるのもいいな!
光の【迷彩】魔法の応用で花の量や色も変化させられるかも!

踊りながら近づいて攻撃の機会をうかがう!
チャンスが来たら一気に接近し【聖星辰・飛龍段波】だ!
高めたオーラを乗せて【全力魔法】の【衝撃波】を放つ!



「それはお前の力じゃ俺様の欲望、“夢”は叶わん!」
 地面を転がり、フラフラになりながらも立ち上がる様子を見せるドン・フリーダムを見ながら、兎乃・零時(大きな帽子に夢抱え、目指すは《最強/最高》魔術師!・f00283)は告げる。
「私に、叶えられないものは、ないですわの……! 望むなら、夢さえ手に入る!」
 零時の言葉に真っ向から反論するドン・フリーダム。
「それはつまり、コンコンコンしたらお前が死ぬってことだろ? 叶うのか?」
「叶うとも。コンコンコンが完成すれば、私の目的は達し得るですの。私の存在意義はそれで十分ですわの」
 システム・フラワーズの完成こそドン・フリーダムの目的。それが達しえれば、最強なんざどうでもいいという。
「コンコンして望む物が何でも出てきたらつまらないわ。探す楽しみを奪ってどうするのよ?」
 リヴィア・ハルフェニア(歌紡ぎ精霊と心通わす人形姫・f09686)は、別の側面で疑問を浮かべていた。
「探す必要はない。望むものが手に入るなら、そのような楽しみ二の次ですわの」
 やはり真っ向から返される。
「やはり猟兵たちは相容れない存在。潰して掛かる……!」
 そう言って、赤べこキャノンを取り出すと、ドン・フリーダムの方から肉薄してきた。もう一方の手には光線銃が握られている。
「説得は無駄ね……」
 呆れ返るリヴィアは、ドン・フリーダムの動きに合わせ《燃ゆる花ノ詩》で29個の炎を生み出した。が、次の直後には雨が降り注ぎ消される。
「あら……」
「炎なら水がある場所では使えないですわの。残念でしたの」
「そうかしら?」
 ドン・フリーダムの嘲笑う言葉を涼しい顔でスルーする。リヴィアが使おうとした《燃ゆる花ノ詩》は囮に過ぎない。
「気をつけたほうがいいですの。既にお前は、狙われているですわの」
 という言葉に、疑問符を浮かべるリヴィア。
「後ろだ!」
 零時の言葉を受け振り返ったリヴィアは、同時に横っ飛びに跳ねた。零時も反対方向に飛び退く。
「圧縮した水を放つウォーターガンですの」
 その視界の方向には、降雨装置。備え付けにいくつかの砲塔が見られ、それがウォーターガンの役割を果たしているのだろう。
「はっ、ビームなら放てるな!」
 そう言いながら、零時がビームっぽい全力魔法を連射。その側には零時が無意識に体外に放出している魔力を動力に動く、自立型全自動防衛式神、紙兎パルの姿もあった。
「無駄ですわの」
 しかし、そのビームは既に展開されている絶対無敵バリアに阻まれる。
「バリア……エモか。エモは今もわからないな」
 力を温存すべく、ビームを放つ手を止めながら、距離を置きつつ、そう語り始める零時。
 リヴィアもそのバリアがあっては己の攻撃が通らないため、あるトラップを仕掛けつつ距離をおいた。
「何が言いたいですの?」
「まぁ聞けよ。ここキマイラフューチャーはな、俺様が初めて人を助けれた世界だ。エモがわからずともな、全力で抗って、あいつのいる世界を救うってのが男ってもんだろ……!」
「興味ないですの」
 一蹴だった。ドン・フリーダムからすれば零時のその意志はまるで関係のないことだ。ただシステム・フラワーズのコンコンコンを完成させるだけの為にこのようなことを行うくらいなのだから、当然と言えるか。
「そこは共感するところだろ!?」
 言いながら、零時はビームっぽい全力魔法を放つ。
「無駄だと言ってるです、の?」
 当然、無効化される、と思われたそのビーム。しかし、先程は完全に消えたはずのビームは、どういう訳か、何処かに弾かれるだけになった。攻撃が通らないのは確かだが、無効化されなくなっている。
「なんだー? やっぱ共感してんじゃねーのか?」
「そ、そんな訳ないですの!」
「エモいって、本当に緩いのですね……」
 リヴィアも苦笑しつつ、攻撃を続ければ貫けるのではと考えた。しかし、そのためには、降り注ぐこの雨をどうにかしなければならない。トラップを仕掛けてはいるが、この状況で作動しようものなら味方や自分にも当たりかねないのだ。
「考えるだけ無駄ですの、さっさと殺られやがれですわの!」
 そう言って、赤べこキャノンを放つドン・フリーダム。
 そこへ。
「よーし、あたしの踊りを見るがいい!」
 気合十分、最後の戦いと意気揚々に雨が降る中を気にせず踊り始めた猟兵、フィロメーラ・アステール(SSR妖精:流れ星フィロ・f07828)。
 右に左に飛び跳ね、様々なダンスやパフォーマンスを見せるフィロメーラ。素早い動きで残像を残してみたり、オーラの障壁を応用し光の帯として展開させることで幻想的な光景を生み出している。更には、周囲の花びらもフィロメーラの動きに合わせ舞う。
「ふふん、どうだ!」
「鬱陶しいだけですの!」
 こういう視覚効果に弱いと悟り始めていたドン・フリーダムは、問答無用でフィロメーラにやや弾速の遅い砲弾をいくつも放つ。リヴィアと零時にはビーム弾を放って応戦。
 だが、流石に3対1の状況だ。リヴィアと零時への攻撃は、零時が連れるパルが全て防いでしまう。所詮は光線銃が生み出す攻撃。ユーベルコードでなければパルでも対処は容易いのだろう。ドン・フリーダムは踊っているフィロメーラに釘付けであり、どさくさに紛れてその場を離れたリヴィアには気づけなかった。
「当たらないよ!」
 フィロメーラに飛来したいくつかの砲弾も、フィロメーラの冴え渡る直感の前では意味をなさない。どれだけ命中に特化させようと、舞うように踊りながら躱していく。もともと、フェアリーということもありその身の小ささが当たりづらさを加速しているが、その上で更に素早く空を飛び回っているのだ、それこそ目に捕らえられないほどの超高速射撃でもなければ、捕らえることは厳しいと言える。
「そうだ、これもどうだ!」
 ふと思いついたフィロメーラは、念動力で操る空を舞う花びらに対し、迷彩魔法の応用を用いた。
 それは、ピンク色一色しかない花びら達の色を変化させるという芸当。それにより、フィロメーラ周辺はより一層綺羅びやかに輝く。
「これならどうですの!」
 既にバリアは剥がれてると言えるだろう。いらいらを募らせるドン・フリーダムは光線銃を構え、乱射。だがそれも、フィロメーラには当たらなかった。

「これですね」
 少し離れた位置に、ある機械まで来たリヴィア。放たれるウォーターガンを直感でやや危なげに躱しながらも、近づくことが出来ていた。その機械に対し、全力で雷魔法を放つと、途端にプスプスと音を当て壊れる。装甲が雨に濡れていたことで電気をより通しやすくなっていたようだ。
「しまったですわの!?」
 雨が止んだことでようやくリヴィアがその場に居ないことに気づき、降雨装置の方向を見て声を上げる。
「ぐっ!?」
「よそ見してる暇あるのか?」
 零時が放っていた弾幕のいくつかがドン・フリーダムに当たり、悲鳴を挙げさせる。
「幾らお前でも、零距離射撃の全力魔法を逃れられるもんか!」
「だったらこうするですわの!」
 相打ち覚悟で砲弾をぶっ放すドン・フリーダム。
「っ……! 避けれるもんなら……避けてみやがれ!」
 砲弾を受けながらも、それを堪えながら、カウンターの一撃として、《全力全開・最大出力魔力砲》による超高速かつ大威力の一撃を繰り出す。
「っ!?」
 至近距離からの大質量攻撃を前に、為す術もなく吹き飛ばされる。そこへさらに、いくつもの電撃がドン・フリーダムに襲いかかった。
「あががが!?」
 全身感電するドン・フリーダム。それは、リヴィアが仕掛けた雷のトラップだ。零時とやりあってる間に設置したのだろう。
「雨で濡れて電気の通りが良さそうですね。もう一つ行っときます?」
 そう言いながら、追加の雷魔法を放ち、更に感電させるリヴィア。
 感電が収まったところに、フィロメーラが迫る。
「そんじゃーあたしからも一発、必殺の、オーラ攻撃だぁー!」
 オーラを高め、魔力を練り上げる。そして、《聖星辰・飛龍段波》による渾身の衝撃波を至近から放った。
「ぐあぁ!?」
 大きく吹き飛ばされるドン・フリーダム。しかし、空中で体勢を立て直そうと身動きをする様子が見て取れた。
 まだ、戦いは終わらないらしい。これ以上攻めれば、また別の手を講じられ対策されると考えた3人は、後を託してその場を離れた。

成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​🔴​

クー・フロスト
イヴと共闘◎

▼エモさを天候と友情で表現

残機はほぼ尽きているようだな、ドン・フリーダム
今、決着をつけようか!

準備動作でUCではない雪を降らせ
大魔術を発動させる

――今回の対策、実はもう一つある

それは妹分であるイヴに助言だ

言葉で、対策を、そして可能性を《私から彼女に伝える》
己の弱点を乗り越えてみせろ、イヴ・クロノサージュ

それが私の(優しさ)とこの戦場に立っての(覚悟)だ

▼反撃

私とイヴに氷の盾を常時張り
キャノンの射撃とマシンから身を守る

攻撃は《デスサイズ》で(早業、先制攻撃)
素早く先手を取り

大鎌を振るう時
テコの原理を意識、重力と死神の魔力を合わせ
刈り取る事を重視

どんな硬いマシンであっても切断してみせる


イヴ・クロノサージュ
クーと共闘◎
台詞アドリブお願い

▼対策

自分自身を見つめ直す事
UCの弱点を見極める事が、大切…

クーお姉ちゃんの助言を聞いて
挫けそうな心を振り切り前を向きます

私のUCの弱点は聖域の結界を破る力や
召喚魔術を阻止する設置物が苦手だと思います

弱点部分はお姉ちゃんに頼り破壊をお願いします

▼反撃

姉ちゃんの氷の盾に守られながら
周囲に魔法を大量に展開

魔法陣を展開しながら相手の懐に駆け込み
先程の魔法陣から《時止めの魔法》を使い
空中から下の相手に向けて聖槍を投擲(槍投げ)
聖槍ごと貫き、相手を床に落とします

相手の周辺を、聖域(拠点防御、オーラ防御)に変化させ
姉ちゃんから習った《氷の魔術》(全力魔法、属性攻撃=氷)で追撃



「くっ……」
 殴られた胸部を抑え、ふらつきながらも立ち上がるドン・フリーダム。そこへ、静かに降り立つ2人の猟兵の姿が。
「まだ引きずっているのか、イヴ」
 ドン・フリーダムが目の前にいるというのに、まるで意に介さず、会話を交わす2人。
「……」
 過去の戦いで善戦できなかったことを悔いているのか、クー・フロスト(《疑心の姫君》かつて甦生氷姫と呼ばれた者・f08503)の言葉に、イヴ・クロノサージュ(《機甲天使》変幻自在の魔導者・f02113)は黙り込む。
「……今一度、自分を見つめ直せ。己の力の弱点と向き合ってみろ」
 彼女らの周囲は、まるでその感情を体現するかのように、雪が降り始めた。
「自分自身を見つめ直す……私の力の、弱点……」
 クーの言葉を聞き、自身に言い聞かせるかのように繰り返す。
「守る側の者は、守るだけが全てではない。イヴにはまだ、可能性がある。己の弱点を乗り越えてみせろ、イヴ・クロノサージュ」
 他でもない姉と慕うクーの助言に、イヴは。
「私のUCの弱点……聖域の結界を破る力や、召喚魔術を阻止する設置物が苦手だと思います。そして今の相手は……」
 チラっと横目でドン・フリーダムの方を見据える。そんな彼女は――
「戦うのか喋るのかはっきりしやがれですわの!」
 ――構えた赤べこキャノンを放っていた。
 弾速の早いそれらを、2人で共に回避しながら続ける。
「そうだ。エイプモンキーと同じ力を持つ最後の敵」
「……クーお姉ちゃん、私の弱点、補ってくれますか?」
「うむ、任されよう。大船に乗った気持ちで行って来い!」
 二人の間に迫った先程よりも弾速の遅い攻撃を離れることで回避した2人は、花の道に降り立ち告げる。
「残機はほぼ尽きているようだな、ドン・フリーダム。今、決着をつけようか!」
「ドン・フリーダム……私達はあなたを倒し、この世界を守りきってみせます!」
「今になってやる気になったですわの? 遅いですわの!」
 更に連続で放たれる無数の砲弾。その中には、自前の光線銃によるものだろう、ビーム弾も混ざっていた。
 既に花の道は広い範囲が雪原。イヴと会話しながらも、ユーベルコードを開放すべく死神の力で周囲の天候を急激に下げていたおかげで、既に準備は整っていた。
「発動。氷結の城――ヒューム・ヴィダベレブング!」
 クーの宣言により遂にその姿を現した、《甦生氷城》。放たれた砲弾とビームは全てそれが生み出す氷の盾に阻まれた。その間、イヴは周辺にいくつも魔法陣を展開しながら、機械仕掛けの天使翼、エンジェリィアを羽ばたかせ、ドン・フリーダムへと超低空で飛行し迫る。
「遠隔攻撃相手に飛ぶなんてバカもいいとこですわの!」
 当然黙って見てるわけではなく、赤べこキャノンから砲弾をいくつも放つと同時にビーム弾も放って応じ、近づくのを阻止しようと試みる。
「落とせるものなら落としてみよ!」
 だが、それらの弾は、全て氷の盾に阻まれ、イヴには届かない。
「チィッ……!」
 舌打ちして大きく空中へジャンプし後退するドン・フリーダム。しかし、その逃げ方は間違いだった。
「空中へ逃げたのは失態ですね?」
「そう思うか?」
 イヴの言葉を嘲笑うかのように問い返すドン・フリーダム。まるで、次のイヴの攻撃は当たらないと悟っているかのように。
「そこかっ!」
 だが、遠くからクーの声。
 その方向を見れば、そこには、巨大な砲塔。先程までなかったあたりを見ると、地面から出てきたものらしい。
「はぁっ――」
 今回のクーの役割は、ドン・フリーダムを叩くのではなく、イヴを狙う死角の攻撃を阻止すること。そちらに攻撃の意識を集中していたからこそ、イヴに攻撃が至る前に発見することが出来た。
 ソウルイーターを構え、大きく振りかぶる。ただ振るうわけではない。砲塔を一刀両断するべく、持てる己の力全てを投じ、更にはテコを意識しながら振るったその一撃は、見事砲塔を一撃で両断。
「超合金装甲ですのに!?」
「イヴ!」
 それを見たドン・フリーダムが驚きの声を上げると同時に、クーからの声が掛かる。
「はいっ!」
 更に翼を羽ばたかせドン・フリーダムの上を取ったイヴは、白銀に輝く聖槍を高々と掲げる。その瞬間、無数に展開していた魔法陣が活性化。舞い散る花びらや雪が、そしてドン・フリーダムが空中で止まる。まるでそれは、イヴ以外の全ての時が止まったかのように。
「聖槍よ。私の声に応えてっ! 皆を守る力を……! 《聖槍聖域》プリズム・セイントランス!!」
 放たれた聖槍は、確実にドン・フリーダムを捕らえ、そのまま地面へと叩き落とす。
「ぐぅっ……!?」
 胸部への攻撃。先程の攻撃も相まってダメージはかなり甚大だろう。
 地面に叩きつけられ、更にはその胸部を聖槍に貫かれたドン・フリーダム。
 その辺り一帯は《聖槍聖域》の効果で更に変化がかかり、より一層幻想的な光景を作り出していた。
「こ、この、感情を動かされる、というのは、本当に、信用、ならない、ですわの……」
 胸元を貫かれ息も絶え絶えなドン・フリーダム。しかし、まだ息がある。
「これで、トドメです!」
 更に放たれる、クー直伝の氷魔術。
 聖槍に穿たれた挙げ句、地面に磔にされているドン・フリーダムに、それを避ける術はなく。
 全ての氷がドン・フリーダムに降り注いだ頃には、ドン・フリーダムは断末魔を上げることもなく、黒い靄を立ち上らせていた。
 猟兵達の勝利が訪れた瞬間だった。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​



最終結果:成功

完成日:2019年05月30日


挿絵イラスト