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復讐者の帰還~この地に名を与えるために

#ダークセイヴァー

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#ダークセイヴァー


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●グリモアベース
「……この世界はやっぱり慣れんなぁ」
 ロアー・アレグリアス(ケットシーのマジックナイト・f02956)は苦手なダークセイヴァー世界の光景を前にして、険しい表情を浮かべている。
 それでも、グリモアが写し出している光景の一つに、墓前に祈る少女の姿を見ると少しだけ笑みを浮かべた。
「我の呼び掛けに応じてくれた者のお陰で、全滅は必至と思われた村に生存者が居たこと。 我からも礼を言わせてほしい、ありがとう。 この事は大変嬉しく思っている。 ……そして今回の我の依頼は、生き延びた彼女に纏わる話だ」
 この少女がいる墓地の付近には、獣の溜まり場となっている地点がある。
 そこはかつて村だったのだが、あまりにも大量に押し寄せた獣の群れによって滅びてしまった、そしてこの少女は村の数少ない生存者なのだ、とロアーは説明を繰り返す。
「この少女はいつかこの地を取り戻すとして、かつてこの地を旅立った。 とは言えこの世界はダークセイヴァー、オブリビオンに対し敗北した地で、これと言って特記すべき力もない少女がそのような偉業を成し遂げるのは不可能だろう。 そこで、諸君の出番だ」
 グリモアが展開され、ひとつの画面に大きく映し出された暗闇の獣。
 ロアーはそれに向けて猫宝剣アレグリアスを向けると、獣の大口に雷の刃を突き立てた。
「諸君にはこの地に巣食う獣の群れを一掃してもらう。 獣を統率していた騎士は既に骸の海に還り、指揮官を失った獣は散り散りとなり、その個体数を大きく減らした。 今なら正面切って戦いを挑んでも、数の暴力に喰われることはない」
 反撃の機会だと、喰われた分、存分に喰い返せと、小さな獣は獰猛に笑う。
「……そしてここからが本題、それだけ派手に食い散らかすと、今度は領主がのこのこやってくる。 放し飼いしたペットが死にまくってたら、飼い主としては心配なんだろうが……そいつもオブリビオンだ、慈悲はいらん」
 領主の名はアルゴスと言う、ダークセイヴァー世界ではよくいるタイプの傲慢で怠惰なヴァンパイアだ。
 ヴァンパイア退治にはそろそろ慣れた頃だろう、とロアーは転移の準備を開始する。
「……後は、そうだな。 村を無事に取り戻せたなら、復興作業があるだろうな。 気が向いた者だけでいいから、手を貸してやってくれ。 名も無き村が、再び立ち上がれるように」
 ……名も無き村。
 少女たちが取り戻したこの村には、どのような名前が与えられるのだろうか。


四季臣
 十度目まして、四季臣です。
 この度はここまでOPを閲覧していただき、ありがとうございます。

 おかげさまでシナリオ数が二桁に到達しました。
 参加して下さる皆様へ、まずお礼申し上げます。
 ありがとうございます、これからも四季臣をよろしくお願いいたします。

 第1章は、集団戦です。
 前のダークセイヴァー世界と同じく暗闇の獣戦です。
 指揮者不在などが理由で数が減っています。
 第2章は、ボス戦です。
 領主がやってきますので、たこ殴りにしてください。
 第3章は、日常パートです。
 第2章を終えた翌日、少女の声かけによって移民希望者が多数訪れます。
 皆様は村の再興を手伝って頂けると助かります。
 ロアーは復興作業の様子を見物していますが、参加者様から声が掛かれば手伝いに来ます。

 また、村の名前をひっそり募集しています。
 特に名付けるプレイングが無ければ、現地の人々がそのうち決めると思います。

 それでは、よろしくお願いいたします。
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第1章 集団戦 『暗闇の獣』

POW   :    魔獣の一撃
単純で重い【血塗られた爪】の一撃を叩きつける。直撃地点の周辺地形は破壊される。
SPD   :    暗闇の咆哮
【血に餓えた叫び】を放ち、自身からレベルm半径内の全員を高威力で無差別攻撃する。
WIZ   :    見えざる狩猟者
自身と自身の装備、【自身と接触している】対象1体が透明になる。ただし解除するまで毎秒疲労する。物音や体温は消せない。
👑11
🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​🔴​🔴​🔴​🔴​

種別『集団戦』のルール
 記載された敵が「沢山」出現します(厳密に何体いるかは、書く場合も書かない場合もあります)。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
 それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。


 その墓前に、かつて生き延びた少女は両手を組んで祈りを捧げていた。
 虐殺が行われたあの日から、もうじき一月経つ頃だろうか。
 あの日の出来事は悪夢となって、今も少女の心を蝕んでいく。
 けれど、そんな死と絶望しかなかったであろうその日に差し掛かった光が、今の彼女に生きろと囁き続けるのだ。

「ロミナ、そろそろ行こう」
 村だった方へ注意を向ける男の声に、少女ロミナは小さく頷いてから立ち上がる。
 レジスタンスに加わるために買い揃えた装備を抱え上げた、その時。
「あんたたちは……!」
 男の驚いた声に、ロミナもはっとした表情でその方を振り向く。
 獣の溜まり場と化したあの場所へ、今まさに向かっていこうとする人々の中に、見覚えのある人の姿があったのだ。
「待って!!」
 ロミナは多用な出で立ちをした、その人々を止めようと駆け寄るとーー。
リーヴァルディ・カーライル
…ん。生き残った人、確かロミナとセドリックだっけ?
無事に別の村まで辿り着けたんだ…良かった

事前に存在感を消し暗視を付与するよう防具を改造
【影絵の兵団】を二回発動(2回攻撃)
数は変わらないけど、影兵が攻撃された時、
同じ部位の傷口を抉り生命力を吸収する呪詛を付与しておく

…ん。知性の無い獣なら、よく罠にかかってくれるはず
あの時のような失態は犯さない
最後まで冷たく、冷静に、刈り取る…

影兵の半数を自身や仲間の護衛に回し、いつでも攻撃を庇えるよう立ち回る
もう半数は第六感で透明化している獣の位置を見切り、囮に使う

…流石に学習した?
獣が攻め手を緩めてどうする…隙だらけ、ね
お前達の命運は今日、ここで尽きる…


月鴉・湊
さてまたあの子の為に働くことになるとはね。縁とは奇妙なもんだ。


UCを使用し、以前彼女を襲った奴等を召還しよう。
お前らが犯した罪、ここで償え。

命を奪うのは簡単だが命を守るってのは難しいってこと、ここで学びな。


芦谷・いろは
あの時村を守る事は出来ませんでしたが、彼女の夢は絶対守りますですよ
頑張りますね!

敵さんの数は少ない様ですが、気を抜くわけにはいきません
奇襲を狙い《聞き耳》や《第六感》を使用しつつ、程よい位置の物陰に隠れ
【傀儡の宴】を使用します
さぁさぁ、パーティーの始まりですよ。死に物狂いでいろはとダンスを踊ってくださいね~

何匹か固まって敵さんが仕掛けて来るようなら、ヌイグルミを合体させ《なぎ払い》したり
ばらけて来るようでしたら、《フェイント》をかけヌイグルミさんで攻撃させていきますね

もしもいろは自身に近づいて来る様な賢い狼さんがいたら、からくり人形で《武器受け》をしつつ
操作糸でキュッと首を結んであげますね


アルフレッド・モトロ
「……任せときな」
出撃前に少女に会えるなら、頭をそっと撫でてやる。

へへっ、獣は焼くに限るな!
取り敢えず群れてると面倒だ。
他の猟兵達が戦いやすいように、ブレイズフレイムを使って青い炎を纏わせたワンダレイ・アンカーを、回転切りの要領で振り回して【吹き飛ばし】たい。
散り散りになった敵の中から一番狙いやすそうなヤツを【野生の勘】で察知。【二回攻撃】で【捨て身の一撃】を叩き込む。

透明になった敵については【野生の堪】を研ぎ澄ませて感知したいが…どうだろうか。


村が復興できるといいな。
少女がどうも…故郷に残してきた妹と被るんだ。助けてやりたい。

(共闘、アドリブ大歓迎)



「……任せときな」
 青く、大きな手がロミナの頭を優しく撫でる。
 アルフレッド・モトロ(蒼炎のスティング・レイ・f03702)はギザギザとした歯を見せて笑うと、自らが所有する飛空戦艦の錨を担ぎ直して、その先へと歩き出す。
「さてまたあの子の為に働くことになるとはね。 縁とは奇妙なもんだ」
「あの時は村を守る事は出来ませんでしたが、彼女の夢は絶対守りますですよ!」
 月鴉・湊(染物屋の「カラス」・f03686)はキセルの煙を燻らせながら、芦谷・いろは(傀儡使い・f04958)はヌイグルミをぐっと抱いて気合いを入れながら、その後に続く。
「……ん。 ロミナと……セドリックだっけ? 無事に別の村に辿り着けたなら良かった……」
 リーヴァルディ・カーライル(ダンピールの黒騎士・f01841)は、ロミナともう一人の男、セドリックへ目配せした後、すぐにどこか、獣に見つからぬ所へ隠れるよう言い残す。

「あぁ……あなたたちは、どうして……」
 ーーどうして、そうまでして戦えるの?
 魔に敗北し、絶望に染まる世界に立つ少女の問いに答える人は、まだ現れない。


 その溜まり場は“彼等”にとって、最良の土地とは言えなかった。
 銃弾や罠によって半壊した建物ばかりが立ち並び、日陰としても風避けとしてもよろしくない。
 躾の厳しい世話人が消えてしまったことは喜ばしいことだったが、“彼等”にとってあれは餌係だった。
 餌係がいなくなってしまったことで、飢餓はすぐに広まり、瞬く間に共食いが始まって。
 強いものか喰い、弱いものは喰われるか、それを恐れて逃げ出した。
 今宵もまた“彼等”同士で、互いの肉を求めての喰い合いが始まる筈だった。
 それも、今日で終わる。

「へへっ、獣は焼くに限るな!」
 飛空戦艦の錨、ワンダレイ・アンカーに青い炎を纏わせて、アルフレッドは獣たちのねぐらと化した村を駆ける。
 その間に見渡した周囲は散々なもので、辺りは生存競争に破れたであろう獣の死骸がごろごろ転がり、死臭立ち込める有り様だ。
 それでも、あの少女がこの場を取り戻したいと願うならば、アルフレッド達のやることは変わらない。
 新鮮な肉の匂いに釣られてやって来た獣たちを十分引き付けたアルフレッドは、その巨大な錨を回転切りの要領で振り回した。
 弱者を喰うだけの日々に勘が鈍ったのか、真っ向から喰い掛かろうとした獣が数頭、青い地獄に焼かれながら吹き飛んでいく。
 虚を突かれた獣がすぐに仲間を呼ぼうと頭を上げるが、その無防備になった喉笛を喰い破る別の獣が現れた。
「お前らが犯した罪、ここで償え」
 湊のユーベルコード、咎人達の贖罪は湊がこれまで殺めた咎人を召喚する。
 この場において現れた咎とは、この村を喰い尽くした獣たち。
 猟兵に狩られ、同胞に喰われたケダモノどもに、課せられた罪が理解できるかどうかは分からぬが、それでも牙の鋭さは変わらない。
「命を奪うのは簡単だが、命を守るってのは難しいってこと、ここで学びな」
 償うべき罪さえも喰らう骸の獣に、怠惰に酔いしれた獣はあっという魔に食い荒らされる。
 湊の呼び出した咎人から逃れようとした獣へは、いろはが物陰から出迎えた。
「さぁさぁ、パーティーの始まりですよ。 死に物狂いでいろはとダンスを踊ってくださいね~」
 いろはのユーベルコード、傀儡の宴により現れたヌイグルミは獣の逃走を阻止した上で、その内いくつかのヌイグルミはむくむくと合体していく。
 その腹部の数字を2、3、4と増やしていきながら、吠えかかる獣を凪ぎ払っていく。
 大きなヌイグルミが小さなヌイグルミをむんずと掴むと、隙をついて逃げようとした獣へ向けて小さなヌイグルミを投げつけて強く打ち付けた。
 やがて物陰に隠れたいろはの存在に気づいた獣が血生臭い牙を向くも、それをいろはのからくり人形が阻み。
 さっと獣の背後に回り込んだいろはの操作糸が、獣の首をキュッと結んで、その骨を絞めて砕いた。
 それよりも賢しい獣は姿を消して逃げ延びることを考えたが、リーヴァルディはそれさえ見越していた。
 ユーベルコード、影絵の兵団を二重に忍ばせた上、兵団全てに暗視を付与したのだ。
「あの時のような失態は犯さない……、最後まで、冷たく、冷静に、刈り取る……」
 第六感により、獣の透明化を看破していくリーヴァルディの影兵たちは、獣たちを情け容赦なく喰い破っていく。
「……流石に、学習した?」
 その答えは、明確なまでに否だった。
 攻め手を完全に緩めきった獣はあまりにも隙だらけであり。
 猟兵の誰もが、獣たちの命運がここで尽きることをこの時既に確信していた。
 いろはの糸に縛られた獣に燃える錨を叩きつけながら、アルフレッドは少女がいた方へと目を向ける。
 あの少女は、アルフレッドが故郷に残してきた妹とどこか被るものがあった。
「助けてやりたい」
 その言葉と同時に、錨の炎はさらに激しさを増していく。

成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​🔴​🔴​

夜神・静流
領主の前に、まずは害獣を駆除するといたしましょう。
一匹たりとも生きて帰しません。

重い爪の一撃を受けないようにダッシュ・残像・見切り技能で素早く動き回って的を絞らせないように。
攻撃は怪力・早業・薙ぎ払い・範囲攻撃・属性攻撃の技能と共に三ノ太刀・鳴神を使用し、範囲内の敵を纏めて攻撃します。

逃げられたり少女が危険に晒されたりする可能性を少しでも低くしたいので、なるべく早く、多くの敵を倒せるように攻撃を重視します。


峰谷・恵
「陰気なばかりと思っていたけど、こういう人がいるならまだ捨てたものじゃないかもね、ダークセイヴァーも」

追跡、忍び足、迷彩で獣から隠れながら獣を追跡(機会があれば動物と話す、で野生動物から獣の位置を聞き出す)し、獣が集まるまえに先制攻撃、鎧無視攻撃、鎧砕き、2回攻撃、一斉発射で獣を各個撃破して回る。
獣が集まってきたらアームドフォート、MCフォートによるフルバーストマキシマム(鎧砕き、鎧無視攻撃、一斉発射、2回攻撃)で一気に倒す。
獣が見えざる狩猟者で姿を消したら砲撃で起きた土煙の動きから獣の動きを予測、攻撃する。また姿を消した獣の奇襲を警戒して発泡していないときは耳を澄まし物音に注意。



 その襲撃は獣たちにとって、あまりにも突然の出来事だったのだろう。
 状況を理解できている獣はどれだけいるかもわからないが、そんなことを猟兵が察してやる必要もなく。
 男物の黒平装を着こなす女剣士、夜神・静流(退魔剣士の末裔・f05903)はすらりと刀を抜いてはすれ違う獣たちを斬り伏せていく。
「領主の前に、まずは害獣を駆除するといたしましょう。 一匹たりとも生きて帰しません」
「陰気なばかりと思っていたけど、こういう人がいるならまだ捨てたものじゃないかもね、ダークセイヴァーも」
 静流の斬撃を受けてなお立ち上がる獣へは、峰谷・恵(神葬騎・f03180)が続けてアームドフォートの掃射を浴びせてトドメを刺していく。
「静流さん、次は三時の方向から二体接近!」
「承知致しました、恵様」
 極力目立たずに、獣の位置取りの把握を務める恵の策敵情報を聞きながら、静流は次の獣へ挑みかかるべくその刃に雷を宿す。
「我が剣は雷。 薙ぎ払え、三ノ太刀、鳴神!」
 振るわれた刃が一体の獣を真っ二つに切り裂き、それと同時に放たれた電撃は後続として現れた獣に直撃してその身を焦がす。
 電撃の余波を受けて痺れた獣へは己が早業を以て踏み込み、歪な獣の頭をざっくりと切り落とした。
 ここでもし逃げられでもしたら、先程出会った少女に危険が及ぶかもしれない。
 そうならぬようにと、静流は早急に多くの敵を倒せるようにと、刃と共に電撃を撒く。
 そうして感電した獣へ、恵はアームドフォート、MCフォートによるフルバーフト・マキシマムを放って残敵処理に務めた。
 硬質な毛皮にも深々と突き刺さり、肉を貫く弾丸の雨は、暗闇の獣たちを次々と物言わぬ肉塊へと変えていく。
 獣が姿を消そうものなら、恵は姿ではなく土煙の動きから獣の動きを予測し、牽制射撃を行う。
 その射撃ライン上に獣がいれば蜂の巣になるだけだ、仮にそうならなくとも。
「討ち滅ぼして差し上げます!」
 駆け付けた静流の切り上げによって、風前の灯火すら吹き消される。

成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​

キファ・リドレッタ
(……そう。帰れる場所は、あった方がいいわ)
穏やかに、少し寂しそうに微笑んだ。
魔獣を眺めて、眉根を寄せる。
君は私のさがしものではないみたい。

『金枝の罪』は頭に宿る食人花。
宿主を害するものを殺す花の蔓。
見えない相手は厄介だけれど、長く旅をしていると多少は『勘』も冴えるものよ。
君たちも望んでもいないのに罪など負いたくないとは思うのだけど、そうもいかないの。
あまり『毒』は使いたくなくて。
触れる一手はおよしなさいな。言ったでしょう。毒は使いたくないと。
君たちが私に触れさえしなければ、どろりと溶けて死なずに済むのよ。

ごめんなさい、私、声が出ないの。
必要があったら、小瓶の水を操作して綴るわね。


ファン・ティンタン
ロアーの口上に、いつぞやに関わった苦境の村を思い出す
この世界には、少し、苦い思い出が…ね
今の私なら…きっと、上手くやるよ

集団戦に対応すべく【天羽々斬】で【天華】を複製・遠隔操作
少しずつ、扱える数が増えてる…強くなれたのかな、私

集団戦では戦う【地形の利用】を考慮しないと、囲われないようにね
少し前線から引いて、戦況把握に努める
敵の行動制限に徹しつつ、ボス戦に備えてじっくり【天華】本体に【力溜め】を続ける
【天華(複製)】の操作で敵の攻撃動作と回避行動を妨害、ダメージは他の猟兵に一任
姿を消す敵がいれば、【天華(複製)】で土を舞い上げて間接的に視認、【天華(複製)】で地に縫い付ける

獣は狩人にはなれないよ



「この世界には、少し、苦い想い出が……ね」
 グリモア猟兵の口上に、いつぞやに関わった苦境の村のことを思い出しているのはファン・ティンタン(天津華・f07547)。
 あの村では、行方知れずの息子を助けたい一心の父親が、悦楽卿なるオブリビオンに踊らされ、猟兵との戦いを強要される事態に陥っていた。
 そしてこの村では、それさえもなく二人の生存者だけを残して全滅したと言う。
 それでも、今の私ならばきっと上手くやる、と天華を握る。
 その横に漂うように現れた人魚の少女、キファ・リドレッタ(最後の旅・f12853)はただ穏やかに、少し寂しそうに微笑んだ。
「(……そう。 帰れる場所は、あった方がいいわ)」
 やがて三頭の獣が静流たちの電撃や銃弾から逃れてやってきた時、キファは獣を眺めて、そして眉根を寄せる。
「(君は、私のさがしものではないみたい)」

 ファンはユーベルコード、天羽々斬によって天華を複製し、その全てを遠隔操作する。
 以前よりも数多く複製できるようになった天華を扱いながら、自分が強くなったことを実感する。
 囲まれないようにと、遠隔操作している複製天華で獣たちの行動を阻害、手にした本体の天華には力を溜め続ける。
 この本体を振るう相手は既に決めているのだ、ファンはその時が来るまで複製の天華のみで獣を牽制、攻撃し続ける。
 それでも姿を消し、迫る敵には少々分が悪く、複製天華を掻い潜って迫る獣がキファの目前にやってきた。
 勘のいいキファは回避に専念して、獣の爪牙をすらりと避けていく。
「(君たちも望んでいないのに罪など負いたくないとは思うのだけど)」
 そうもいかないの、とキファの身に爪を立てた獣を哀れんだ。
「(あまり『毒』は使いたくなくて)」
 それでも、キファの頭に宿る食人花、金枝の罪は宿主を害するすべてを許さずに殺す花の蔓。
 それに迂闊にも触れてしまった獣をまず爪から、そして徐々にその肉体をもどろり、どろりと溶かして死に至らしめてしまう。
 複製天華をとっさに手に取り獣を切り払ったファンが駆け寄った頃には、キファに触れた獣は骨すら溶けて地に沈んでしまっていた。
「……あなた、今のは」
「(私には触れない方がいいわ)」
 声の出せない人魚は、小瓶の水を操作し浮かび上がらせた水泡で文字を作る。
 それに小さく頷いたファンは、複製天華によって地に縫い付けられていた獣にトドメを刺した。
「獣は狩人になれないよ」

成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​

一駒・丈一
オブリビオンに復讐を誓う者……そういった類いに助力をするのが俺の今の在り方だ。
故郷の村を滅ぼされているという点も、俺の過去に似ている。

助太刀しよう。

さて。
SPD重視で立ち回ろう。

一体一体確実に仕留めることを目標に。
『早業』にて敵の眼前に一気に間合いを詰めて、装備『介錯刀』を抜き放ち一閃。
一撃を食らわせた後に、一旦、味方が居る後ろに引く形で敵との間合いを開く。
これで敵を味方陣中に引き入れて釣るような戦いが出来れば、有利に立ち回れるかもしれない。

味方との連携を大切に、着実に仕留めていこう。


尾守・夜野
獣野郎共のせいでここが滅んだというのなら
そいつらが俺らに滅ぼされるってのが因果応報だろ?

咆哮のに複数の獣を巻き込めるように群れのど真ん中に突っ込む
俺に範囲攻撃はねぇがこいつらにはあるからな
精々利用してやる

誘惑(ブラッド・ガイストでの流血)で誘き寄せ
恐怖を与えるで動きを止め叩き切り、生命力吸収と吸血でスタミナ等は維持
恐怖で逃げようとする奴は銃で足狙い打つついでに呪詛を放つ

動きを止めればこの乱戦だ
踏まれてくたばれ

見えねえ奴は気にするだけ無駄だ
ダメージだのは覚悟してここにいるぜ
覚悟持ってないが

体のどこかしらが欠けたらパーツをつけ直せばいいだろ?(狂人の発想)取り込んで修復に回す


ロベリア・エカルラート
村の復興か……
ま、この世界の生まれとしてはそういう事考える人が居るってのは喜ぶ事なんだろうね
あんまり気が乗らないのは、私が自分の故郷を嫌ってるから、かな?

「ま、いいや。いつもどおり、とりあえずヴァンパイアをおびき寄せて叩き潰すだけだよ」

戦闘では『眠り姫の夢』を使用
当たらなくても茨の壁を作って逃げ場を制限できるし、茨の壁の中なら私も強化できるしね

「さーて、これで逃げ場は無くなったね?」


攻撃は歌による魔法。増殖させた茨を操って敵を切り裂くよ

「それじゃ、一曲聞かせてあげよう。お代は要らないよ?」

【歌唱】には自信があるし、茨を使って【傷口をえぐる】とか【恐怖を与える】とかで敵を追い詰めるよ



 ただひたすらに喰われ、逃げ惑い、狩られる獣たち。
 しかしそんな“彼等”に同情の念を寄せて庇い立てる者など、この地に存在し得ない。
 なぜなら“彼等”は例外なくオブリビオンで、この村を喰い殺したモノで、そして。
「咎は潰す。 ただそれだけだ」
 紛れもなく、咎人なのだから。

「オブリビオンに復讐を誓う者……そういった類いに助力するのが俺の今の在り方だ」
 一駒・丈一(金眼の・f01005)は、かつて村があったという地に立ち、介錯刀を手に取る。
 戦場に向かう前に出会った少女たちの、故郷の村を滅ぼされているという点は、丈一の過去に似ていた。
 助太刀しよう、と丈一が介錯刀を振るう前に残された獣たちへと突っ込んだ猟兵は、尾守・夜野(群れる死鬼・f05352)だった。
「獣野郎共のせいでここが滅んだっていうのなら、そいつらが俺らに滅ぼされるってのが因果応報だろ?」
「違いないな」
 ブラッド・ガイストでの流血で殺戮捕食態に変化しつつ、その血の香で獣たちを引き付けた夜野。
 その狙いは獣達の持つ暗闇の咆哮、それによる同志討ちの誘発だった。
 しかし一人で突っ込んだことが仇となったのだろう、獣たちは咆哮ではなく直接、夜野の血肉にありつこうと大口を開けて突っ込んで来た。
 上等だ、と夜野も黒剣で応戦しようとした所へ、ロベリア・エカルラート(花言葉は悪意・f00692)が交流を果たす。
 ロベリア自身、自分の故郷を嫌っているが故に、村の復興と言うものに気乗りはしないのだが、この世界の生まれとしてはそういう思想を抱く人がいることは喜ばしいことなのだろう、そう考えることにして。
「ま、いいや。 いつもどおり、とりあえずヴァンパイアをおびき寄せて叩き潰すだけだよ」
 そうしてロベリアはユーベルコード、眠り姫の夢を発動させる。
 獣たちは夜野が引き付けてくれている、その地一帯を茨の壁で覆ってしまえば、獣の逃げ場を制限できる。
 何より、この場に立ったロベリアの戦闘力を上昇させられる。
「さーて、これで逃げ場は無くなったね?」
「そりゃあいいなロベリア、動きを止めればこっちのもんだ」
 同じく茨の中にいる夜野が、身動きを制限された獣へ容赦なく斬りかかっていく。
 恐怖すら刻み込む猛攻に無理矢理逃げようとするなら、その足を銃で撃ち飛ばして呪詛も叩き込んだ。
 そうして茨に沈む獣を踏み潰す夜野と、茨を増幅させて更に敵を切り裂くロベリアの併撃が型に填まる。
「それじゃ、一曲聞かせてあげよう。 お代は要らないよ?」
 ロベリアの歌声は茨を操り、捕らわれた獣の傷口を更に抉って、耐えがたい恐怖を深いところまで刻んでいく。
 その間に夜野は姿の見えない敵からの不意打ちを覚悟はしていたが、その前に敵の方が逃げ出してしまっているだろう。
 無論、それを逃がしてやるほと猟併は甘くはない。
 やや立ち位置は変わってしまったが、丈一はそうして逃げ延びようとしてきた獣を確実に仕留める一閃を放ち、次々と息の根を止めていった。

 この戦いに苦戦の二文字は存在せず、猟兵たちはかつてこの地を絶望に叩き落とした獣たちを一掃することに成功した。
 夜野が少々茨に引っ掛かって皮膚を少し切ったが、imitation mimesisによる肉体修復で疲労することもなく完治したので、何の支障もない。
 ふと、丈一が空を見たとき……数匹の蝙蝠が視界に過った。

成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​🔴​




第2章 ボス戦 『ヴァンパイア』

POW   :    クルーエルオーダー
【血で書いた誓約書】が命中した対象にルールを宣告し、破ったらダメージを与える。簡単に守れるルールほど威力が高い。
SPD   :    マサクゥルブレイド
自身が装備する【豪奢な刀剣】をレベル×1個複製し、念力で全てばらばらに操作する。
WIZ   :    サモンシャドウバット
【影の蝙蝠】を召喚する。それは極めて発見され難く、自身と五感を共有し、指定した対象を追跡する。
👑17
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種別『ボス戦』のルール
 記載された敵が「1体」出現します。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
 それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
 プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※このボスの宿敵主は💠山田・二十五郎です。ボスは殺してもシナリオ終了後に蘇る可能性がありますが、宿敵主がボス戦に参加したかつシナリオが成功すると、とどめを刺す事ができます。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。


 影の蝙蝠がけたたましく鳴いている。
 その数は数匹から、数十、数百と増えて行き……やがてそのすべてがある一点へと集中して、一つの人の輪郭を形成する。
 影の蝙蝠の群れはやがてひとつの肉体へと変わりゆく……この地を治め、そして滅ぼしたというヴァンパイア、領主アルゴスとなり、この場に君臨する。
「……貴様ら、許さんぞ」
 アルゴスは真っ赤な翼を大きく広げ、それぞれの手に鮮血に染まるサーベルを持って、牙を剥き出しにした。
「私の使用人を殺し、更に飼い犬にまで手にかけるとはな! 英雄でも気取るつもりか、愚か者どもめ!」
 怒りのままに振り上げられた、左手に持つサーベル。
 それを、遠方から撃ち抜いた者がいた。
「……なっ?!」
 その銃声に、幾人かの猟兵も振り返る。
 真新しい煙を立ち上らせるマスケット銃を抱えた少女、ロミナは目を見開いて叫んだ。
「私は……いえ、私たちは、あなたを絶対に、許さない!!」
「お、おのれぇぇ! 餌の分際でぇ!!」
 アルゴスはロミナへ向けて、右手のサーベルから衝撃波を放つ。
 それがロミナに達する前に、一人の猟兵が庇って防ぐと、逃げろと声をかけた。
 ロミナは一瞬だけ躊躇ったが……小さく頷いてから踵を返して走り去る。
「お願い、みんなの仇を討って!」
 そしてどうか、誰も死なないでと。
 猟兵たちへ、切なる願いを言い残しながら。
ロベリア・エカルラート
あはははっ!いやいや、一度は負けて往生際悪く骸の海から這い出てきた分際で随分と偉そうだよねぇ、ヴァンパイアって奴は!

英雄?お前ごとき倒した所で大した名声にも成りはしないよ

「けどまあ、見逃してあげる理由も無いんだよね」

●戦闘
『眠り姫の夢』を使用して、茨の壁を作って退路を塞ぐ
壁の中なら私の力も強化されるし、剣を手放した後は拷問具『ラ・ヴェ・ダムール』に収納されてる鋸で接近戦を仕掛けるよ

そう言えば召喚したコウモリは五感を共有してるんだっけ?
拷問具には針も入ってるし、針を飛ばしてコウモリを撃ち落として、『傷口をえぐる』とか『恐怖を与える』で本体にも感覚を伝えてあげよう


※アドリブ、連携も歓迎


峰谷・恵
「お前の領主ごっこはもうおしまい。応報の時だ、吸血ゾンビ」

毒は毒を持って制すると血統覚醒を使用、ヴァンパイアにありったけの嫌悪と殺意を叩きつけて挑む。
影の蝙蝠で追跡できるヴァンパイアには真っ向からと、ひたすら血統覚醒で引き出したヴァンパイアの力を込めたMCフォートによる弾幕(鎧無視攻撃、鎧砕き、2回攻撃、誘導弾)を撃ちかけて敵に対応を迫り、側面から他の猟兵が攻撃を仕掛けやすい状況を作る(MCフォートリロード中は熱線銃連射で間を埋める)。
敵の近接攻撃がきたらダークミストシールド(盾受けにオーラ防御乗せ)で受け流して遅すぎた収穫期を突き刺し(怪力、鎧砕き)MCフォートゼロ距離射撃を叩き込む



「ええい逃がすものか! 皆殺しにしてくれる!」
 激昂したアルゴスは、退避するロミナに向けて影の蝙蝠を放った。
 ちらっと背後を見たロミナは忍ばせた拳銃を抜き、アルゴスに向き直りながら発砲、蝙蝠を撃ち落としていく。
 その射撃に続いたのは、二種類のアームドフォートを構えた恵だった。
「お前の領主ごっこはもうおしまい。 応報の時だ、吸血ゾンビ」
「口の利き方がなっていない血袋が、躾が必要のようだな!」
 ヴァンパイアを耽美趣味なだけのゾンビと嫌悪する恵の言動に釣られたアルゴスは、その手に血で記した契約書を取り出した。
「領主たる私が命じてやろう、貴様らはみなーー」
「あははははっ!!」
 クルーエルオーダーによるルールを宣告しようとしたアルゴスの声に割り込む笑い声。
 その声の主であるロベリアは腹を抱えて一通り嘲笑った後、いやいやと手を振ってみせた。
「一度は負けて往生際悪く骸の海から這い出てきた分際で随分と偉そうだよねぇ、ヴァンパイアって奴は!」
「負けただと? はっ、私がいつ貴様らに負けたというのだ。 使用人を屠ったところでいい気になりおって!」
 言葉の受け取り方を間違えたらしいアルゴスは、手にしたばかりの契約書をぐしゃりと握り潰した。
 自らの攻撃手段を勝手に台無しにした敵を倒したところで、大した名声に成りはしないと嘲るロベリアは、茨の領域を更に拡大させる。
「見逃してあげる理由も無いんだけどね」
「ゾンビはゾンビらしく、地に伏せていればいい」
 ロベリアが挑発して引き付けている間に、恵は血統覚醒による自己強化を完了させていた。
 実験の過程により眠るヴァンパイアの力を引き出した恵は、ありったけの嫌悪と殺意を込めてMCフォートによる弾幕を展開させた。
 装甲を容易く貫く誘導弾でアルゴスを強制的に下がらせるが、ロベリアの茨の壁がアルゴスの移動を阻む。
 逃げ場を失ったアルゴスへ、恵の無慈悲な弾丸が次々と突き刺さっていく。
「ぐっ、おおおっ?!」
「あぁ、そういえば召喚したコウモリは五感を共有してるんだっけ?」
 拷問具『ラ・ヴェ・ダムール』を取り出しながら、ロベリアはにっこりと微笑んだ。
 女が捧ぐ心中立の七ツ道具、その中にある針を取ったロベリアは宙に未だ舞う蝙蝠を針で撃ち落としていく。
 その傷口から抉るような痛み、当時に伴う恐怖感は着実にアルゴスを追い詰めていく。
「な……んだと……私が、こんな、」
「だから、もうおしまいだって」
 茨の中で膝をついたアルゴスへ、目前まで接近した恵は剣型兵装『遅すぎた収穫期』を深々と突き立てると。
 MCフォートによるゼロ距離射撃を以て追撃とし、アルゴスを茨の壁に叩きつけた。
「あらら、これじゃもう抜け出せないんじゃない?」
 茨の壁の棘によって更に血を流す領主を笑った後、針に続けて鋸を取り出したロベリアは背後に合図を送る。
 ヴァンパイアの動きは止めた、後はお好きにどうぞ、と。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

芦谷・いろは
そんな怖い顔したらだめですよ、ミスター
不作法な使用人に飼い犬だったので躾けただけです
《礼儀作法》にてスカートの裾をつまみお辞儀をし
でも、飼い主さんがダメだったみたいですね
飼い主も指導しなければいけないですかね?

彼女が居る真逆の方向で誘う様に登場し挑発してみますね
あの子には指一本触れさせませんです

使用人と同じ様な技で縛るのも嫌なので
【傀儡の宴】使用し
幾つか合体させ、敵に向かわせます
からくり人形も起動させ同時攻撃しますね
人形とヌイグルミで《フェイント》や《武器受け》をしながら踊る様に敵を翻弄出来たら良いなと思ったりです
隙は作ります!あとは他の方にお任せしまします


一駒・丈一
英雄ではないさ。俺は唯の猟兵だ。
蝙蝠狩りをするのにそれ以上の理由は不要だが、強いて言うなれば、お前はやり過ぎたのだ。

さて、
先ずは会敵一番に遠距離から装備「贖罪の道標」を投擲することで攻撃する。
これは磔用の杭でな、ヴァンパイアにはお似合いだろう。

その後、相手との距離を一気に詰め、早業にて介錯刀での斬撃で立ち回る。
俺は速度重視型故に、一撃一撃は軽いだろうが……
敵からの攻撃は、可能な限り技能で「見切り」つつ、手数の多さで仲間の攻撃の隙を埋めるように動こう。

敵に隙が生じた際は、透かさず「罪業罰下」を放ち、断罪の一太刀浴びせてやろうじゃないか。

他の仲間との連携も重視しつつ……
さて、仕事を始めよう。


夜神・静流
「英雄を気取るつもりなどありませんよ。私はただ、邪なる者を葬るために此処に居ます」
つまり言外にお前達を殺し尽くすと宣言。
邪悪な化物に対しては一切容赦無し。

四ノ太刀・氷雨を使用して攻撃します。早業・属性攻撃・範囲攻撃・破魔の技能を使用。
広範囲を吹雪で攻撃し、影の蝙蝠も巻き込みたいですね。五感を共有しているという事は、蝙蝠と一緒に攻撃すれば感じる冷気も倍増するのではないでしょうか。
上手く凍結させられたら仲間に追撃をお願いしつつ、自分も刀で攻撃。
発見されにくい事に対しては見切り・暗視・視力・第六感で対応。

「夜神の剣は魔を討つ刃。一匹たりとも逃しはしない」


ファン・ティンタン
さて…害獣駆除の続きだよ

これが全力、音さえ断つ一撃、受けて御覧
【力溜め】を終えた【天華】による魔力全開放の【白刃の矢】
刀身で【鎧を砕き】穿つだけでは終わらず、蓄積した内部魔力を神聖属性に変換し放出する【属性攻撃】の【2回攻撃】

あなたにこの光は【呪詛】よりなお忌々しいでしょ
耐えられるなら耐えてみろ、大蝙蝠

UC発動後は魔力枯渇で刀身だけの姿に



※尚、ロミナに合流可なら【真の姿(人型顕現の魔力も刀身に戻した一振り)】に戻り、投げてもらうことで【覚悟】と【祈り】の篭った【白刃の矢】を発動

投げる力はいらない
必要なのは、あなたの意思
敵を倒したいと願う、あなたの【覚悟】
私は、願う者に寄り添い叶える、道具だから



「ぐああっ!! なぜだ、なぜ私がこうも押されて……?!」
 戦いが始まり、早々に身動きを封じられてしまったアルゴスはその顔を驚愕に歪める。
 奇しくもこの状況は、かつてこの村を滅ぼした指揮官たる騎士の散り際とほぼ同じ展開だ。
 茨の棘に抱かれて貫かれ、苦悶の叫びを上げるアルゴスへ、いろははスカートの裾を持ち上げてお辞儀をした。
「そんな怖い顔したらだめですよ、ミスター。 不作法な使用人に飼い犬だったので躾けただけです」
「躾、だと、貴様っ」
「ああでも飼い主さんもダメだったみたいですね」
 腹部の数字がむくむく大きくなるヌイグルミを起動させ、自らが操るからくり人形をも動かして、とびきりの笑顔で攻勢に出る。
 不作法な使用人の動きを最初から最後まで制限したのもいろはであり、同じ技で縛るのも嫌と思っていたら、今度は別の人が縛ってくれていた。
「そんなわけで人形とヌイグルミ、同時で行きます!」
 腹部の数字を二桁にしたヌイグルミが、その巨大化した腕で茨の中のアルゴスをべしゃりと叩きつけ。
 からくり人形が繰り出す攻撃でアルゴスは茨の中でひたすら殴られていた。
「ところで、最初に英雄気取りなどと仰っていましたが」
 自らの剣に氷の力を宿した静流もまた、その刃で更なる拘束を仕掛けようとしていた。
「英雄を気取るつもりなどありませんよ。 私はただ、邪なる者を葬るために此処に居ます」
「そうだな、俺も英雄ではない」
 数々の偉人罪人の贖罪に用いられたとされる、礎用の杭『贖罪の道標』を取りながら、丈人は至極普通に言葉を重ねる。
「俺は唯の猟兵だ。 蝙蝠狩りをするの にそれ以上の理由は不要だが、強いて言うなれら、お前はやり過ぎたのだ」
 ヴァンパイアにはお似合いだろう、と丈一は杭を投じた後に介錯刀を手に取る。
 茨の壁に呑まれた上に杭で固定も成されたアルゴスを、丈一は速度重視の斬撃を加えていく。
「ぐっ、調子に乗るなぁ!」
 対して反撃として影の蝙蝠たちをけしかけてくるアルゴスは、これが悪手とは未だに気づく様子がない。
 丈一の剣は次々と影の蝙蝠を切り裂いていく上に、静流と言えば影の蝙蝠をより多く巻き込む気位でいた。
「我が剣は氷。 凍りつけ、四ノ太刀、氷雨!」
 静流の冷気を纏わせた刀から放たれる斬撃と吹雪は、アルゴスを守ろうとする影の蝙蝠もろとも凍てつかせて切り刻んでいく。
 五感を共有する蝙蝠が傷を追えば、そのダメージがそのままアルゴスへと繋がっていく。
 言外に全てを殺し尽くすと言う宣言の現れであり、静流の技に一切の容赦などない。
 見付けにくい蝙蝠でさえも策敵し尽くして沈めにかかる徹底ぶりが見て取れた。
 丈一も同様に放つユーベルコード、罪業罰下も、己が課せられた因果を一時的に逆転させることによって振りかざす刃を以てアルゴスを深く切り裂いていく。
「がふっ……」
「夜神の剣は魔を討つ刃。 一匹たりともがしはしない」
「余罪は、地獄にて禊がれよ」
 二人の猟兵の大技が叩き込まれていくなかで、今の今まで力を貯め続けていたファンもついに動き出す。
「さて……害獣駆除の続きだよ」
 天華にすべての魔力を開放したユーベルコード、白刃の矢は神聖なる属性に変質した。
「あなたにこの光は呪詛よりなお忌々しいでしょ」
 耐えられるなら耐えてみろ、大蝙蝠。
 丈一と静流の後を追って放つ全力の一撃は、アルゴスを茨の壁か大きく弾き跳ばす。
 邪なるモノへ付加される聖属性は、アルゴスの力を大きく削り取り……その代わりにファンは魔力枯渇のために投身のみの姿となった。
 白の一降りはその姿のままで平井し、拳銃を構えたロミナの元へと飛んでいく。
「えっ……人が、刀に」
『私を、あの大蝙蝠に向けて投げて』
 目の前の現象に驚いているロミナだったが、彼女の行動は思いの外素早く、すぐさまその一振りを手に取る。
『投げる力はいらない、必要なのはあなたの意思。 敵を倒したいと願う、あなたの覚悟』
「……あなたたちは、本当にどうして。 けど、そう言うなら私は私の覚悟を示す」
 微かに光を放つ少女は白の一振りをぐっと握り、一刀両断の構えで投じようとする。
「領主アルゴス、あなたに戦いを挑もうとした私は英雄なんかじゃない……」
 ーーただの、復讐者よ。
 ロミナの祈りと覚悟が込められた投擲は新たなる白刃の矢となり、アルゴスを再び貫いた。

成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​🔴​🔴​

尾守・夜野
アルフレッド(f03702)に絡みにいく

よぅ船長も来てたのか?

挨拶しに行くが…
真の姿解放(身体中から黒剣突き出た姿)&UCで多分見えねぇんじゃねぇかな

蝙蝠対策で向き、
構え等ばれねぇように多めに出してるし

敵さんもお待ちのようだ

積もる話は後でって事で…
会話中に攻撃するなって教わらなかったのか?
(敵の方を向いたまま喋り騙し討ち機会を伺い、会話の隙を餌に誘う)

生命力吸収と吸血、呪詛は引き続き

蝙蝠は意識するレベルで見つけたらモグモグ

え?まじ?いいのか?
船長からの献血とかでテンション上がってく

止めは飛んできたのに合わせて力を溜めて後先考えず捨て身で切る!

何、頼れる仲間がいるんだ

後は任せたぜ…

アドリブ歓迎だ


アルフレッド・モトロ
「おう!?夜野じゃねーか!なんだ、今日はやけにトゲトゲしてんなァ、物理的に!」

夜野(f05352)と共闘。
「ロミナの願い、しっかり受け取ったぜ!」
ブレイズフレイムの炎と、振り回す錨で蝙蝠を追い払いながら戦う。
夜野が蝙蝠への吸血だけで間に合ってなさそうなら、血を分けるぞ。
なーにちょっとくらい平気だ、血の気の多さなら誰にも負けねえからな!

ある程度蝙蝠を払ったら、一気に踏み込んで強引にアルゴスを狙う。
【捨て身の一撃】からのダメ押しの【二回攻撃】を食らえ!
削り切れないなら、続けてアルゴスを【吹き飛ばし】て夜野の方へ!
「ぶちかませ!夜野!!」

絡み・アドリブは大歓迎だ!


リーヴァルディ・カーライル
…ん。その願い、確かに聞き届けた
そして吸血鬼アルゴス、私は英雄を気取るつもりは無い
私はリーヴァルデイ。吸血鬼を狩る者よ


ロミナに追撃が向かわないよう、
他の猟兵と連携して前に出て存在感を放ち、攻撃を引き付ける
敵の攻撃は第六感を駆使して見切り、大鎌をなぎ払い武器で受ける
誓約は防具を改造して付与した呪詛耐性で耐える

敵が隙を見せたら【限定解放・血の聖槍】を発動
吸血鬼化した怪力を瞬発力に変えて敵を掴み地面に叩きつけ、同時に生命力を吸収する呪詛を宿した杭を放つ
その後、力を溜めた杭から無数の刺が飛び出し傷口を抉る2回攻撃で追撃
聖槍は反転する。抉り喰らえ、血の魔槍…!

…最後に頭を銃撃して、きちんと止めを刺す


月鴉・湊
ロミナ、だっけか。
彼女、いい面をしている。きっと将来は立派になるだろう。
そんな彼女の願いだ。ここは男らしく決めてやろう

UCによる死角からの攻撃。マフラーを血の針に、血の糸に変化させ、影からの暗殺を行う。タイミングはやつの怒りが最高潮に達し、周りが見えなくなった時だ。その時まで機会を待つ。

さあ、血飛沫を上げよ。お前が流させた血を今度はお前が流す番だ。そして死の感覚を知れ。



「よぅ、船長も来てたのか?」
 飛空戦艦ワンダレイ、その乗組員である夜野は船長の姿を見かけて声をかけた。
 ただ今の夜野の姿は普段通りのものではなく、真の姿を解放……全身から黒剣が突き出た姿になり、漆黒の竜巻を覆うという大盤振る舞いの変貌を遂げていた。
 これ見えてるんだろうか、と思えば船長アルフレッドはやはりその姿には驚いたようだ。
「おう!? 夜野じゃねーか! なんだ、今日はやけにトゲトゲしてんなァ、物理的に!」
 この場で乗組員との再会を果たしたアルフレッドの気分は上々、尻尾の炎も踊るように揺れている。
 この場が戦場でなかったのなら、お互い積もる話もあっただろう、周囲に飛ぶ影の蝙蝠を切り飛ばし、追い払いながら二人はアルゴスを見やった。
 白刃に貫かれたアルゴスは今もなお地に膝を付くことこそはないが、猟兵たちの波状攻撃に足元がおぼつかなくなっている。
「ぐっ……私はこの地を収める領主だぞ?! 領主に対してこのような狼藉、五体満足で帰れると思うな!」
 サーベルを振るって夜野の方へ駆けてくるアルゴスの刀剣を、夜野はくるっと振り返りながら回避する。
 船長との日常的な会話は、それそのものがアルゴスに仕掛けた罠だったのだ。
「会話中に攻撃するなって教わらなかったのか?」
 積もる話は後でってことでと、夜野が黒剣でアルゴスを切り払えば、アルフレッドもそれに続いて炎纏う錨を叩き落とした。
 夜野の黒剣とアルフレッドの錨を、アルゴスはサーベルでなんとか凌ぎきるも、その華奢な刀身には亀裂が走った。
「ロミナの願いもしっかりと受け取ったしな! 早いとこ片付けようぜ!」
「そうしたいのは山々なんだが、ちょっと血が足りねぇ」
 戦いながら影の蝙蝠をもぐもぐしている夜野……果たして影に血液があるかはさておき、アルフレッドはぐいっと腕を夜野に差し出す。
「吸血が間に合ってねぇなら血を分けるぞ。 なーにちょっとぐらいなら平気だ、血の気の多さなら誰にも負けねえからな!」
「え? まじ? いいのか? 船長からの献血とかテンション上がるわー」
「ただしアルゴス、テメーはダメだ!」
 アルフレッドは自分の腕に食い付く夜野を庇いながら、もう片方の腕のみで錨を振り回してアルゴスを牽制する。
 サーベルと巨大な錨ではリーチ差が大きく、アルゴスはそれだけで踏み込む手立てを失ってしまう。
 やがて吸血を終えて本調子に戻った夜野と離れ、アルフレッドは捨て身の一撃をアルゴスへと放つ。
 その一撃をまともに食らったサーベルはぼっきりと折れて、防ぐ手段を失ったアルゴスへ、アルフレッドはダメ出しの二連撃をお見舞いした。
「今だ、ぶちかませ! 夜野!」
 完全にノーガードとなったアルゴスを、アルフレッドは勢いよく夜野の方へと吹き飛ばす。
 その先で力を溜めて待ち構えていた夜野は、飛んできたアルゴスへ捨て身の一撃を叩き込んだ。
 身体中から突き出た黒剣がアルゴスを次々と切り裂いていき、最後には自ら手にした黒剣で息も絶え絶えなヴァンパイアを大きく切り払う。
 その一撃に力を注ぎ尽くした夜野は、ぺたんとその場に座り込んだ。
「後は頼んだぜ……」
 
「ん……その願い、確かに聞き届けた」
 夜野とアルフレッドがアルゴスを制している時、リーヴァルディもその身を一時だけヴァンパイア化させていた。
「ロミナ、だっけか。 彼女、いい面をしている。 きっと将来は立派になるだろう」
 湊もまた、そんな彼女の願いだ、ここは男らしく決めてやろうと、マフラーを少しずつ変質させていく。
「なんなんだ、貴様ら……私は、領主なんだぞ?! 領主が自分の地をどう扱おうと勝手だろうが?!」
 どの猟兵にも満足に打撃を与えられず、混乱と激昂を同時に起こしたアルゴスは、一際の存在感を放つリーヴァルディへ無謀な特攻を仕掛けてくる。
 リーヴァルディはそれを軽くあしらうように大鎌を振るえば、根本から折れたサーベルしか持たぬアルゴスの防御をいとも容易くなぎ払ってしまう。
「そして吸血鬼アルゴス、私は英雄を気取るつもりはない……私はリーヴァルディ。 吸血鬼を狩る者よ」
 隙だらけのアルゴスの頭を掴み、ヴァンパイア化の怪力を以て地面に叩きつけたリーヴァルディはユーベルコード、リミテッド・ヴラッドハイルを発動させる。
「……聖槍は反転する。 抉り喰らえ、血の魔槍……!」
 ヴァンパイア化の解除の余波で放出される圧縮魔力の杭に、生命力を吸収する呪詛を宿して、更にその杭は無数の刺が飛び出してアルゴスの全身を剣山のように貫く。
「あ……あぁ……! こんな、こんなはずではぁ……?!」
「だからもう聞いたろう、おしまいだって」
 外したマフラーを血の糸、血の針に変えた湊は、アルゴスの死角から迫っては、咎を紅に染めよと暗殺を実行する。
 糸は吸血鬼の首を絞め、針は目を、喉を、眉間を貫いては潰していく。
「さあ、血飛沫を上げよ。 お前が流させた血を今度はお前が流す番だ」
 そして、死の感覚を知れ。
 湊がキセルの煙を燻らせる頃には、アルゴスの頭と身体は切り離されて、その両方の身からは火のように血が溢れ出る。
 そうしてばたりと動かなくなった、領主だった者の死体に背を向け、湊はすっと目を閉じた。
「出会った咎人は知らぬうちに身を血に染める。 それが「染物屋のカラス」の仕事だ」

 こうして猟兵たちは、かつてひとつ村を滅ぼしたオブリビオン達の討伐を成功させる。
 幕切れに、リーヴァルディが首だけとなったアルゴスに弾丸を放つことで、銃声が戦いの終わりを告げるものとなった。

成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​🔴​🔴​




第3章 日常 『すくわれたものたち』

POW   :    収穫や畑の手入れなど男衆の仕事を手伝う

SPD   :    糸紡ぎや洗濯など女衆の仕事を手伝う

WIZ   :    己の持ちうる知識を子供たちへ教える

👑11
🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

種別『日常』のルール
「POW・SPD・WIZ」の能力値別に書かれた「この章でできる行動の例」を参考にしつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
 プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。


 ……翌日の朝。
 その地帯を蔓延っていた獣は一掃され、暴虐の限りを尽くした領主の死は、ロミナによって隣町の人々に知らされた。
 旅立ったあの日、ロミナが受け取っていた金銭はこの時の為に……村を取り戻した日に人々を集める為に取っておいたのだ、とロミナは猟兵に話していた。

 そうして隣町からやってきた人々は、復興のために各々のすべきことから始めていく。
 力のある男たちは獣の死骸を片付けたり、壊れた家々の修復に当たったり。
 手先の器用な女たちは、織物や糸紡ぎといった作業で事細かな修復を始める。
 オブリビオンの支配から解き放たれ、再興を始める村を見渡せる位置に立てられた墓地から、ロミナはその様子を見守っている。
 傍らに立つ猟兵へ振り返ったロミナは、丁重にお辞儀をして感謝を述べる。
「あなたたちのお陰で、私たちはまたこの地で新たな生活を始めることができる。 ……もう、どう言い表しても足りないくらいに、あなたたちには感謝しているの」
 はにかむように笑うロミナは、けれど、と少し困惑の色を滲ませる。
「セドリックは……あの時、私と一緒に助けてもらったあの人は、あなたたちを危険な存在だと言っていたわ。 ……けど、誤解しないでほしいの、あの人だって助けてもらったことを感謝しているのよ」
 俯きながら、再び村の方を向いたロミナは、大袋の中から取り出した漆黒の剣を深々と地に突き立てる。
 その剣に見覚えのある者もいるだろう、かつて村を滅ぼした指揮官たる、異端の騎士が使っていたものだ。
「……あの騎士は、セドリックの親友だったの。 誰よりも強くて逞しく、働きにも見返りを求めない人だった。 けど、領主アルゴスに決闘を挑んで敗北した後、あの人はすっかり変わってしまって……後の結末は、あなたたちも知ってるはずね」
 剣から手を離したロミナは、再び猟兵たちを真っ直ぐ見つめる。
「私はあなたたちを信じているわ。 けど、こんな戦いの後も見返りを求めず、更に手助けしてくれようとしているあなたたちを信じきれない人もいるの。 また、どこかで酷い裏切りをするんじゃないかと……。 私はあなたたちを疑いたくないし、村の人たちにもあなたたちを疑ってほしくない。 だから、聞かせてほしいのよ」
 ーーあなたたちは、なぜ私たちを助けてくれるの?
 ーーなぜ、そうまでしてあのように戦えるの?
 ロミナの問いに答えるか否か、答えるならばどう返事を返すのか。
 その全ては、この場にいる猟兵たちに託された。
峰谷・恵
「理由かぁ…一つ、ヴァンパイアっていう支配者気取りの吸血ゾンビが死ぬほど大嫌いでそれを倒しに来た。二つ、まっとうな生まれ方をしなかったボクが生きていても良いんだと自分で思えるようになる自己肯定のため。三つ目は…好きなんだ。こういう明日に続いていくありふれた今日が流れていくのが」

【POW】で挑戦。獣の死骸の片付けを率先して行う。その後は瓦礫の撤去や収穫、畑の手入れ、畑が足りなければ開墾も手伝う。

「ボクの理由はボクだけのもの。けどヴァンパイアやそういうやつらを倒さずにはいられないのは多分同じ。だから、君たちがヴァンパイアたちに抗う心を持つ限り、きっとボクらのうちの誰かが君たちを助けに来るよ」



「理由かぁ……」
 移民の男たちに混ざって、獣の死骸の片付けを率先して行っていた恵は、問いを投げ掛けるロミナへ指を一本、二本と立てて見せる。
「一つ、ヴァンパイアっていう支配者気取りの吸血ゾンビが死ぬほど大嫌いでそれを倒しに来た。 二つ、まっとうな生まれ方をしなかったボクが生きていても良いんだと自分でも思えるようになる自己肯定のため」
「……生まれについては、聞かないでおくわ」
 瓦礫の撤去を行いながら、ロミナは戦いの最中に見た恵の、ヴァンパイアに対する底知れぬ嫌悪を思い出しては俯いた。
 聖者である以外に特記すべき経歴のない村の娘に、恵の生まれた経緯を聞くには重すぎる。
 少し沈んだ空気をはね除けるように、恵は三本目の指を立てた。
「三つ目は……好きなんだ。 こういう明日に続いていくありふれた今日が流れていくのが」
「その、ありふれた今日はあなたたちのおかげで訪れたわ」
 本当に感謝してもしきれないと言うようにロミナが小さく頭を下げれば、恵はいいってとその頭をすぐ上げさせる。
「ボクの理由はボクだけのもの。 けどヴァンパイアやそういうやつらを倒さずにいられないのは多分同じ。 だから、君たちがヴァンパイアたちに抗う心を持つ限り、きっとボクらのうちの誰かが君たちを助けに来るよ」
「……ありがとう。 また会えることがあれば、私ももう少し戦えるようになりたいわね」
 粗方の瓦礫撤去を終えたロミナは、恵へ別れを告げて村の外壁へと向かう。

大成功 🔵​🔵​🔵​

一駒・丈一
村の復興だが
俺は村を周囲を覆う外柵の修繕を行おう。
この状態で獣等が村の敷地内に入り込んでは厄介なのでな。
先ずは守りを固めることを優先する。

なぜ戦えるのか、
その問いに答えるのは、他の猟兵に任せよう。
俺には、大衆を安心させられるほどの理由を持っているわけではない。

過去の己と似た境遇に置かれたものを助け、
そして、それに仇なす咎を潰す。ただそれだけだ。
それを繰り返すことが、己の過去への抗いであり、ついでに誰かの明日に偶々つながってるだけさ。
語れる理由には、なっていない。

さて、
修繕業務はある程度片付いた。

俺は次の仕事に行く。さらばだ。



「外柵は頑丈に仕上げよう」
 丈一の指揮の元、男たちは村を守るための外柵を建築していく。
 完全に倒壊していた家の木材や石材を用いて、新たな壁を組み上げていくその作業をロミナは見守っていた。
「獣等が村の敷地内に入り込んでは厄介なのでな。 先ずは守りを固めることを優先する」
 今の状況では即席の壁を築くことが出来れば上出来と言ったところだろうか。
 それ以降の作業は村の人々に任せるとして、しばし身体を休める最中にロミナの問いへ応える。
 大衆を安心させられるほどの理由を持っていないと前置きをした上で、丈一は語る。
「過去の己と似た境遇の者に置かれたとのを助け、そして、それに仇なす咎を潰す」
 ただそれだけだ、と淡々と答える様こそが、丈一の咎人殺したる生き様を表しているかのようだった。
 村を滅ぼされ、その復讐を願ったロミナたちの代行を担っただけ、と丈一は再び立ち上がる。
「それを繰り返すことが、己の過去への抗いであり、ついでに誰かの明日に偶々つながってるだけさ」
 語れる理由には、なっていないとする丈一へ、ロミナは小さく首を横に振る。
「あなたからそう聞けただけで十分よ。 きっとあなたはまた、そう言ってどこかで戦い続けるのね。 誰かの明日を偶々つなげるために」
「……修繕業務はある程度片付いたな。 俺は次の仕事に行く」
 さらばだ、とその場を立ち去っていく丈一の背を見送った後、ロミナは畑へと向かった。

大成功 🔵​🔵​🔵​

アルフレッド・モトロ
どうして戦うか、か
俺には妹がいるんだ、丁度ロミナくらいのな。
「強くて優しいお兄ちゃんが好き」ってよく言われたもんだ。
妹も喜んでるし、俺はお節介な自分自身を結構気に入ってる。そんだけ!

よーし男衆の仕事を手伝うか!
体力には自信あるんだぜ鍛えてるからな!

畑も荒れ放題だろう
ブレイズフレイムで「焼き畑」ができないだろうか。
延焼分は任意で消せるらしいし、安全に雑草や枯草を焼こうと思う。

ひと通り仕事が終わったら、
夜野が色々教えてた子供たちと一緒に思いっきり遊ぶ!
鬼ごっこしたり、かくれんぼしたり、よくある特に道具もいらない、昔ながらの遊びでな!

せっかくだしロミナも誘ってみる!
みんな笑顔になれー!



「どうして戦うか、か」
 荒れ放題だった畑に青い炎を放ち、焼き畑を行うアルフレッドはロミナににかっと笑いかける。
「俺には妹がいるんだ、丁度ロミナくらいのな」
「妹さんが?」
「おうよ。 『強くて優しいお兄ちゃんが好き』ってよく言われたもんだ。 妹も喜んでるし、俺はお節介な自分自身を結構気に入ってる」
 そんだけ! と明るく言い放つアルフレッドは村の男衆にも快く思われているようで、妹さんもいい兄貴がいて幸せだろうなぁと笑ってアルフレッドの肩を小突いていた。
 一通りの焼き畑を終えたところで、それじゃ次は夜野が色々教えてた子供たちと一緒に遊ぶかー、と村の広場へと走っていく。
 移民としてやってきた人々の子供たちなのだろう、その数こそは少ないが、遊び盛りであろう子は活気あるアルフレッドとすぐに打ち解けていた。
 鬼ごっこやかくれんぼといった、身体をよく動かす遊びをして、アルフレッドはすぐさま村の人気者となっていた。
「……そういえば、夜野さんはどこかしら」
「あぁー、夜野だったらーー」

大成功 🔵​🔵​🔵​

尾守・夜野
WIZ判定

■問いの答え
あぁよかった
お人好しばかりじゃねぇんだな

むしろ、疑え
それから判断はお前らがしろ

この村を守るのは俺らじゃねぇ
お前らだ
なら疑っていた方がいい

…俺自身救う理由なんざねぇよ
目の前に今度は手を伸ばせば救える奴がいる
それで救う理由足る

別に理解は求めねぇよ
代替行為でしかねぇからな

■終わったら
子供らに話に行くぜ

警戒されてるだろうから、村外れで今後似たようなことがねぇように罠、柵、堀等仕掛けたりして時間は潰す。
余所者が珍しい事してれば悪ガキ一人は釣れるだろ。

罠の作り方、仕掛け方、騙し討ちへの警戒の仕方
気配の殺し方等、逃げられるだけの知識は伝える
こいつから他の奴にも伝わるだろ



 時を少し遡って。
「どこに行くんだ?」
 村の外れへ行こうとしていた夜野は、気弱そうな男に声をかけられていた。
 ほっそりとした顔立ちで、それでも杖をしっかりと握って警戒を滲ませる男へ、夜野は首を傾げる。
「……村外れで罠とか柵とか堀なんかを仕掛けに。 あんたみたいなやつには、俺は警戒されてるだろうからな」
「……そう取られても仕方がないな。 助けてもらったことには感謝してるんだ、けど」
「あぁよかった」
 お人好しばかりじゃねぇんだな、とため息をついた夜野の反応を見て、男は疑問を浮かべる。
 てっきり何か咎められるのでは、と思っていたらしい男へ、夜野はさらに続ける。
「むしろ、疑え。 それから判断はお前らがしろ。 この村を守るのは俺らじゃねぇ、お前らだ、なら疑っていた方がいい」
「……あんたはそういうが、それでもロミナはあんた達を信じるだろう。 彼女はそういう人だ」
「そうかい、俺自身救う理由なんざねぇんだけどな」
 どうにもロミナはかなりのお人好しらしいと感じた夜野は、目前の男へやれやれと首を横に振るう。
「目の前に、今度は手を伸ばせば救える奴がいる。 それで救う理由たる……別に理解は求めねぇよ、代替行為でしかねぇからな」
「そうか……正直、あんたの過去に何があったかなんて察しがつかないが、敵意はないようで一先ず安心したよ。 村の外に出そうな子供がいたら、セドリックが怒るとでも伝えてくれ」
 気弱そうな男こと、セドリックはそれだけを言い残して村の中へと引っ込んでいく。
 そうして黙々と作業を進めている内に、夜野の元へ男の子が一人、様子を見にやってきた。
「黒耳のにーちゃん、なにしてんのー?」
「……なんだ、興味あるのか?」
「うん!」
 こうして、夜野は好奇心旺盛な子供一人に罠の作り方や仕掛け方を教えていく。
 加えて騙し討ちへの警戒の仕方や気配の殺し方、そして逃げられるだけの知識をあれこれ教えられた子供は、嬉々として村に戻っていった。
 その子供は、かくれんぼが異様なほど上手になっていたと、後に夜野はアルフレッドから聞くことになりそうだ。

大成功 🔵​🔵​🔵​

ロベリア・エカルラート
【wiz】
今は他の猟兵たちも手伝ってるし、子供の出る幕はなさそうだからね
村の子供の面倒を見てるよ。ついでに歌も教えてあげよう
これから復興するなら、心を豊かにするものが必要だからね

で、なんで戦うのかだっけ?ヴァンパイアがムカつくからじゃ納得できない?

……まあ、良いや。ちょっとだけね
私はダンピールで、生まれた村で色々あったってだけだよ
ちょうど今みたいに、村の為に何かしても片っ端から疑われたりしてたし、最終的には連中に裏切られたりしたワケ

「ま、そんなワケでね。他人を見捨てるなんて事してアイツらと同じになりたくないってだけ」
「……この村の子たちは、信じられないからって人を裏切るようにならないと良いね」



 時を戻して、村の広場にて。
 夜野からあれこれ教わった男の子がかくれんぼで無双していた頃、身体を動かすよりは本などを読むのが好きな子供はロベリアの周りに集まっていた。
 戦いにおいても歌を披露していたロベリアだが、今の子供たちへ聞かせている歌は楽しげなものだったので、ロミナは少しほっとしていた。
 やがて歌が終わり、子供たちがぱちぱちと拍手しているところで、ロベリアはくるつまとロミナに振り返る。
「で、なんで戦うのかだっけ? ヴァンパイアがムカつくからじゃ納得できない?」
「そういう理由ならそれでも納得するわ、私だってムカついてるもの」
 そうやって軽く笑い合い、ロミナも交えて子供たちといくらかの歌を歌い、楽しんだ後……やがてロベリアはまあ、ちょっとだけねとロミナへ囁く。
 ロベリアはダンピールであり、生まれた村で色々あったってだけの話だと。
 ちょうど今のように、村の為に何かをしても片っ端から疑われてしまい、最終的には裏切られてしまったと、ロミナに話したのだ。
「……ま、そんなワケでね。 他人を見捨てるなんて事してアイツらと同じになりたくないってだけ」
「……復興に前向きになれない理由って、それなのね」
「まあ、ね。 ……この村の子たちは、信じられないからって人を裏切るようにならないと良いね」
「もしも、そうなりそうになったら、あなたが教えてくれた歌を歌うわ」
 そう話しているうちに、また子供たちから歌をせがまれたロベリアは、ではもう一曲と声高らかに歌い上げる。

大成功 🔵​🔵​🔵​

ファン・ティンタン
(大技連発で魔力枯渇、回復のために大刀のまま、戦場跡に落ちてぼーっとしている)
※ロアーに拾って貰えるなら訥々と話し、そうでなければ一人で回想風に

当面の敵は倒したけど、これでやっと村がスタートを切れるだけ
人が入植すればその中でも問題は起きる
今後は人と人が顔を合わせて解決していく時間

すごく、眠い…記憶が途中からぼやけてる

村を率いることになるだろうロミナには、吸血鬼を退けた名誉を飾らせてあげたかったけど、どうなったんだろう…

ねむい…

猟兵の仕事は、ひとまずお終い
あとは、人々が自らのために頑張るしかない

私に出来るのは…祈ることくらい

この地がロミナ達にとって、輝くモノ(ルミナス)になりますように

……

Zzz



 一方、その頃。
 領主アルゴスと戦った跡地に、白の一振りが突き刺さっている。
 大技を連発して魔力を使い果たしたファンは、ヤドリガミとしての姿に戻ることができずに、ただ一人ぼーっと佇んでいたのだ。
「やあやあ探したぞー、ファン」
 そこへグリモア猟兵のロアーが、ファンの姿を探しにやってきた。
 一振りを地より引き抜こうかと考えたロアーだが、とりあえずその場に座って村の方を見ている。
 そんなロアーへファンは訥々と話し始めるが、途切れ途切れの言葉はかなり眠たそうだ。
「当面の敵は倒したけど、これでやっと村はスタートを切れるだけ……人が入植すればその中でも問題が起きる」
「その辺は当人らでどーにかしてもらいたいとこだなー、グリモアはオブリビオンが絡まないと予知しないからなー」
 ファンの眠気が伝染したのか、隣に座るロアーもふあぁと大あくびをした。
 なんとなく揺れる尻尾が刃の背を撫でるが、ふわふわな感触よりも眠気が勝るようで、刀そのものがぐらりと揺れる。
「……ロミナには、吸血鬼を退けた名誉を飾らせてあげたかったけど、どうなったんだろう……」
「あー、あれそういう意図だったのか。 それなら残念なお知らせかな、これは」
「……?」
 ねむたいが、ロアーの言葉の先が気になるファンはちょっぴり眠気を堪える。
「ロミナはなー、村の連中には『通りすがった謎のレジスタンスが全てを片付けてしまった、私はそれを見てただけ』と説明したそうだぞ」
 オブリビオンが支配するこの世界で、吸血鬼殺しの異名は非常にリスキーだ。
 どこか別のオブリビオンが、反抗の芽を早めに潰してしまおうと襲撃する可能性が高まってしまうからなぁ、とロアーはふと白の一振りを見る。
「おーい、ファン?」
「…………Zzz」
「なんだ、寝ちゃったのか」
 微睡みに落ちながら、ファンは祈る。
 この地がロミナ達にとって、輝くモノ、ルミナスとなりますように、と。

大成功 🔵​🔵​🔵​

リーヴァルディ・カーライル
…ん。他の人はどうかは知らないけど、
私は別に人々の救済を望む聖人でも無いし、
皆の繁栄を願うお節介焼きの善人でも無い

私はただ、私自身が課した誓いを果たす為に闘っている
その結果として、あなた達を勝手に手助けしているだけ
納得するか分からないけど、私の理由なんてそんなもの

…ああ、それとロミナ。誰かに銃の扱いは教わったの?
…ん。才能がありそうだったし、望むなら教えようと思っただけ
吸血鬼狩りの業…その基礎の基礎
体の動かし方、鍛錬法、奴らの能力、思考の読み方とかを、ね

…後は【常夜の鍵】から大量の保存食と救助活動用の物資を渡しておく
鍛える気なら生傷が絶えないから…持っていた方が良い
絶対…経験者からの、助言…



 少し日が落ちてきた頃。
「……ん。 他の人はどうかは知らないけど」
 そう前置きをしたリーヴァルディは、銃を構え獣を追い払うロミナの背後に立っていた。
 アルゴスが放し飼いしていた獣はやはり多かったようで、今後も獣撃ちは必要になるとのことだった。
 それをしながらでもいいと、リーヴァルディはロミナの背に囁く。
「私は別に人々の救済を望む聖人でも無いし、皆の繁栄を願うお節介焼きの善人でも無い。 私はただ、私自身が課した誓いを果たす為に戦っている。 その結果として、あなた達を勝手に手助けしているだけ」
「あなたたちは皆、なにか重たいものを抱えているのね」
 銃声が一度鳴る度、遠くの方で獣が額から血を吹き出して倒れていく。
 アルゴスとの戦いの時にもリーヴァルディは感じていたが、ロミナの銃の腕はかなりのものだった。
「……ああ、それとロミナ。 銃の扱いは誰かに教わったの?」
「私には兄がいたの。 銃での戦い方は兄に習ったわ、今はどうしているかは分からないけれど」
「……ん。 あなたが望むなら、戦い方を教えようと思っただけ。 才能がありそうだし」
「そうね、あなたたちの強さは誰がどう見ても格別だと思う。 そんな人から戦い方を教われるなら、ありがたいわ」
 そうしてリーヴァルディはロミナに対し、吸血鬼狩りの業を一つ一つ教えていく。
 体の動かし方や鍛練法、そしてヴァンパイアの能力や思考の読み方などを開示していけば、ロミナは熟達とまではいかずとも、その動作を確かに修得していく。
「後は……これを」
 やがてある程度形になってきた頃、リーヴァルディは前回と同じように【常夜の鍵】から大量の物資を取り出していく。
「鍛える気なら生傷は絶えないから……持っていた方がいい」
「…………聖人や善人でも、こんな蓄えをぽんと渡してくれる人はいないと思うわ」
 どっさりと積まれた保存食や救命具の山に、ロミナはまた呆気に取られたような表情をしていたという。

大成功 🔵​🔵​🔵​

夜神・静流
「私の一族は、歴史の裏で悪しき魔物を滅してきました。誰にも知られず、顧みられる事が無くとも、何百年もの間、ずっと。それが我らの誇りであり、使命……ゆえに、私は受け継いだそれに殉じる。ただ、それだけの話です」

感謝も理解も最初から求めていない。
この身は魔を討つ剣。ただ悪しき魔物を一匹残らず殲滅するのみ。

「それでも、私の剣が誰かの希望になれたなら……とは思います」

この手は悪しき者達の血に塗れていますが、私達は虐げられる誰かのために、この手に剣を取ったのですから。
唯の殺戮者に堕ちないように、その祈りは忘れずに胸に仕舞っておきましょう。

生まれながらの光や医術技能で負傷者の治療を主に行ないます。



「私の一族は、歴史の裏で悪しき魔物を滅してきました。 誰にも知られず、顧みられる事が無くとも、何百年もの間、ずっと」
 復興作業の最中に傷を負ったという男の治療をしながら、静流は穏やかに語る。
 アルゴスや暗闇の獣らと対峙していた冷酷なまでの顔はそこにはなく……清楚な淑女は柔らかな笑顔を浮かべて男の治療を終えると、ロミナの方へ向き直る。
「それが我らの誇りであり、使命……ゆえに、私は受け継いだそれに殉じる。 ただ、それだけの話です」
「……秘されていたこととはいえ、知らなかったわ。 この世界に、そんな人たちがいたなんて」
 ヴァンパイアたちに敗北したこの地で、何百年も戦い続けている人々がいたということに、ロミナは驚きを隠せなかった。
 静流もまた、元より感謝や理解を求める者ではなく、ただ自らの身ですら悪しき魔物を一匹たりとも残さず殲滅する刃であるとして、それでも。
「それでも、私の剣が誰かの希望になれたなら……とは思います」
「……えぇ、私たちにはあなたたちが何者なのかはわからなかったけれど。 あなたたちが私たちの希望になってくれている。 それだけは確かだわ」
 静流の手は数多の悪しき者達の血に塗れているが、静流を含める多くの猟兵は……この場に参戦した者たちは、虐げられる誰かのためにここへ赴き、そして武器を手に取ったことに変わりはない。
 その中でも静流は唯の殺戮者に墜ちることがないように、祈りを忘れずに胸に仕舞っておくのだと言う。

 復興作業は滞りなく進んでいく。
 この地に生きる人々は、誰がこの奇跡をもたらしたかを、忘れることは決してないだろう。

大成功 🔵​🔵​🔵​



最終結果:成功

完成日:2019年01月30日


挿絵イラスト